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児童生徒の学習と教育課程の実施状況の評価の在り方について(中間まとめ)の概要

平成12年10月1日
初等中等教育局小学校課

第1章 評価の機能とこれからの評価の基本的な考え方

第1節 評価の機能と今後の課題

 学校が児童生徒の学習状況等の評価を行うことは、公の教育機関である学校の基本的な責務であり、各学年、各学校段階等の教育目標を実現するため、学校及び国・地域における児童生徒の学習状況や教育課程の実施状況等の評価を、それぞれの段階において充実させることが重要。

第2節 これからの評価の基本的な考え方

(1)学力については、知識の量のみでとらえるのではなく、学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容を確実に身に付け、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」がはぐくまれているかどうかによってとらえることが必要。

(2)このため評価においては、学習指導要領が示す目標に照らしてその実現状況を見る「目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)」を一層重視し、児童生徒のよい点や可能性、進歩の状況などを評価する個人内評価を工夫することが重要。

(3)また、学校の教育活動は、計画、実践、評価という一連の活動が繰り返されながら展開するものであり、指導と評価の一体化を図るとともに、評価方法の工夫改善を図ること、学校全体としての評価の取組を進めることが重要。

第2章 指導要録の取扱い

(1)指導要録の基本的な性格及び機能

 児童生徒の学籍並びに指導の過程及び結果の要約を記録し、その後の指導及び外部に対する証明等に役立たせるための原簿という指導要録の基本的な性格は維持。

(2)指導要録改善の基本方針等

 指導要録の様式については、現行の様式を基本的に維持した上で、主に次のような改善を図る。なお、指導要録の様式について参考様式例を示すが、各教育委員会等において、これを参考として、地域の実情等に応じて工夫し、所管の学校の指導要録の様式を定めることが大切。

1.各教科の学習の記録

  • 小・中学校の観点別学習状況については、現行の四つの観点により実現の状況を3段階で評価することを基本的に維持し、各教科の観点の具体的な示し方については必要な見直しを行う。
  • 評定については、現在、小・中学校において、いわゆる絶対評価を加味した相対評価とされているが、これを目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)に改める(なお、高等学校については現行同様、目標に準拠した評価とする)。

2.行動の記録

 小・中学校の「行動の記録」の項目について、「生きる力」の育成の状況などを適切に評価できるものとなるよう、「健康・体力の向上」「自律」「生命尊重」「公徳心」などを示す。

3.総合所見及び指導上参考となる諸事項(新設)

 全人的な力である「生きる力」の育成を目指し、総合的に児童生徒の成長の状況をとらえることができるよう、現在、ア)各教科の学習の記録、イ)特別活動の記録、ウ)行動の記録、エ)進路指導の記録、オ)指導上参考となる諸事項に分かれている小・中学校の所見欄等を統合し、従来これらの欄に記入していた事項を記入する欄として、「総合所見及び指導上参考となる諸事項」欄を新設する(なお、高等学校については、「指導上参考となる諸事項」欄を、「総合所見及び指導上参考となる諸事項」欄とする)。

4.「総合的な学習の時間」を評価する欄(新設)

 「総合的な学習の時間」の評価については、各学校における「学習活動」及び指導の目標や内容に基づいて定める「観点」を記載し、これに基づいて児童生徒にどのような力が身に付いたかなどを文章記述により「評価」する欄を新設する(なお、高等学校については、「学習活動」及び「評価」の欄とする)。

5.盲・聾(ろう)・養護学校の指導要録

 盲・聾・養護学校については、小、中、高等学校の指導要録に準じて必要な改善を図るとともに、「養護・訓練」の欄を「自立活動」の欄に改める等の改善を図る。

(3)指導要録の開示の取扱い

 指導要録の本人への開示の取扱いについては、指導要録も開示請求の対象とするなど、個人情報保護全体の基本的な方向を踏まえる必要がある。その際、具体的な開示の取扱いについては、各教育委員会等において、条例等に基づき、それぞれの事案等に応じて判断することが適当。

(4)高等学校入学者選抜の調査書の取扱い

 調査書の具体的な取扱いについては、従来どおり、各都道府県教育委員会等の判断において適切に定めることが適当。これまで高等学校の入学者選抜については、選抜方法の多様化や評価尺度の多元化のための取組が行われており、調査書についても指導要録の評価の考え方を踏まえ、各都道府県教育委員会等において、その在り方の検討を進めることが望ましい。

第3章 児童生徒の学習状況を客観的に評価するための方策

第1節 児童生徒の学習状況の評価規準、評価方法等の研究開発

(1)各学校における児童生徒の評価を客観的で信頼できるものにするため、学習指導要領に基づいて児童生徒の学習の到達度を評価するための評価規準、評価方法等を関係機関において研究開発することが必要。その際、思考力、判断力、表現力や自ら学ぶ意欲、態度なども視野に入れ、適切に評価できるものにすることが必要。

(2)評価に当たりできるだけ客観的な評価ができるよう、評価規準等と併せて、児童生徒のレポートや作品など学習状況の事例を盛り込んだ評価事例集の作成や、教員に対する評価に関する研修の充実が大切。

第2節 全国的かつ総合的な学力調査の実施

(1)全国的かつ総合的な学力調査の必要性

 小、中、高等学校における学習指導要領の目標の全国的な実現状況を明らかにし、指導の改善や教育課程の基準の改善に反映させるため、国において、全国的かつ総合的な学力調査を実施することが適当。

(2)全国的かつ総合的な学力調査の実施方法

1.全国的・総合的な学力調査においては、自ら学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの資質や能力までを含めた到達度を適切に評価していくことが必要であり、ペーパーテストだけでなく、調査研究協力校などを設けて調査することが必要。

2.全国的・総合的な学力調査は、継続的・定期的に実施することが必要であり、学年や教科を年度ごとに分けて抽出調査により行うことが適当。具体的にどのような方法や規模等で学力調査を実施するのかは、更に専門的に検討することが必要。

3.全国的・総合的な学力調査の結果を生かして、各学校において児童生徒の学習の到達度を客観的に把握するため、調査の問題や結果等を各学校で活用できるようにすることが必要。また、都道府県や市町村の教育委員会においても、地域における学力調査の実施などにより、児童生徒の学習状況の把握に努めることが大切。

第4章 教育課程の実施状況等から見た学校の自己点検・自己評価の推進

(1)各学校が、児童生徒の学習状況や教育課程の実施状況等の自己点検・自己評価を行い、学校の教育課程等について絶えず見直しを行い改善を図ることは、学校の責務。

(2)教育課程の実施状況、指導方法・指導体制、児童生徒の学習状況等、各学校が行う自己点検・自己評価の具体的な項目、方法等は、各学校や設置者が地域や学校の実態に応じて適切に工夫することが必要。実施に当たっては、保護者や地域の人々に結果を説明したり、意見を聞きながら進めることが大切。

(3)各学校における自己点検・自己評価が適切に行われるよう、教育課程の実施状況等の自己点検・自己評価の内容、方法、公表の在り方等について関係機関において研究開発することが必要。

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