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児童生徒の学習と教育課程の実施状況の評価の在り方について (諮問)

文初小第269号
平成11年12月17日
教育課程審議会
文部大臣 中曽根 弘文

 

次の事項について、理由を添えて諮問します。

理由

  1. 「生きる力」の育成を基本的なねらいとする新学習指導要領の趣旨の実現を図るためには、児童生徒の学習の評価においても、児童生徒一人一人が基礎的・基本的な内容を確実に身に付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する力などの「生きる力」を身に付けているかどうかを適切に評価することが大切である。
     このため、児童生徒の学習状況について適切な評価を行うため、評価の基本的な考え方や評価方法等について検討する必要がある。その際、学習の結果だけでなく学習の過程も重視するとともに、各教科等の学習活動の特質、児童生徒の発達段階なども考慮する必要がある。
     児童生徒の学習や健康の状況等を記録する指導要録についても、このような評価の考え方を踏まえたものとなるよう、その取扱いについて検討する必要がある。
  2. 学習指導要領は教育課程の基準として定めているものであり、その目標の実現状況及び内容の習得状況を適切に把握することは、教育水準の維持向上を図る上で大切である。また、各学校において、児童生徒の学習の到達度を的確に把握することも大切である。
     このため、児童生徒の学習の到達度の評価基準・評価方法等を開発するなど、客観的に到達度の評価を行えるようにするための方策について検討する必要がある。また、全国的かつ総合的な学力調査の在り方についても検討する必要がある。
  3. 各学校における教育の充実を図るためには、児童生徒の学習の到達度や教育課程の実施状況等について、各学校が評価を行い、それを学習指導や教育課程の改善に役立てることが大切である。
     このため、教育課程の実施状況等からみた学校の自己点検・自己評価の在り方について検討する必要がある。
  4. 以上のような状況を踏まえ、児童生徒の学習と教育課程の実施状況の評価の在り方について、次のような諸点について検討する。
    (1) 今後の児童生徒の学習の評価の在り方
    (2) 学習指導要領に示す目標・内容の達成状況の評価の在り方
    (3) 教育課程の実施状況等から見た学校の自己点検・自己評価の在り方

文部大臣諮問理由説明

  1. 教育課程審議会第1回総会の開催に当たり、ごあいさつを申し上げます。皆様方には、御多忙にもかかわらず本審議会の委員に御就任いただき、厚く御礼申し上げます。
  2. 教育課程審議会は、これまで、それぞれの時代に即した教育課程の改善について数次の答申を行い、我が国の初等中等教育の教育内容の改善と教育水準の向上に大きな役割を果たしております。
     本審議会においては、平成8年7月の中央教育審議会第一次答申を受け、「幼稚園、小学校、中学校、高等学校、盲学校、聾(ろう)学校及び養護学校の教育課程の基準の改善について」審議を行い、平成10年7月に答申をとりまとめていただきました。この答申を受けて、文部省においては、平成10年12月に幼稚園、小学校及び中学校の学習指導要領等を改訂し、平成11年3月には高等学校、盲学校、聾(ろう)学校及び養護学校の学習指導要領等を改訂いたしました。新学習指導要領等は、幼稚園について平成12年度から、小学校及び中学校について平成14年度から全面実施し、高等学校については平成15年度から学年進行により実施することとしております。また、盲学校、聾(ろう)学校及び養護学校については、それぞれの学校段階に準じて実施することとしております。
  3. 新しい学習指導要領は、各学校がゆとりの中で、一人一人の個性を生かす教育を展開し、児童生徒に基礎・基本を徹底し自ら学び自ら考える力などの「生きる力」を育成することなどを基本的なねらいとしております。この趣旨の実現のためには、各学校における適切な教育課程を編成し実施するとともに、学習指導の改善や教育条件の整備を図ることが重要でありますが、それとともに、教育課程の実施状況や児童生徒の学習状況を適切に評価することが極めて重要であると考えます。また、各学校が創意工夫を生かして特色ある教育活動を展開することが求められており、今後一層、各学校における教育課程の実施状況の評価が必要となります。  
     また、昨日提出されました「初等中等教育と高等教育との接続の改善について」の中央教育審議会答申においても、児童生徒の教育目標の達成状況の評価や、各学校における評価の参考となるような客観的な評価基準や評価方法についての研究・開発の必要性、学力について実態を把握するための総合的な調査の必要性などが指摘されております。
     以上のような状況を踏まえ、「児童生徒の学習と教育課程の実施状況の評価の在り方について」御検討いただくことが必要であると考え、このたび諮問申し上げることとしたところであります。
  4. ここで、今後、御審議を進めていただくに当たり、諮問事項に関して、私の考えておりますところを申し上げ、委員各位の参考に供したいと存じます。
     はじめに、今後の児童生徒の学習の評価の在り方についてであります。
     新学習指導要領は、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」を育成することを基本的なねらいとしております。
     このような趣旨を実現するためには、児童生徒の学習の評価においても、単なる知識の量ではなく、児童生徒一人一人が基礎的・基本的な内容を確実に習得し、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する力などの「生きる力」を身に付けているかどうかを適切に評価することが大切であると考えます。
     このため、児童生徒の学習状況について、学習の結果だけでなくその過程も重視するなど様々な場面において適切に評価を行い、指導の改善に生かしていく必要があると考えます。このような観点から、各教科等の学習活動の特質、児童生徒の発達段階などを考慮しつつ、学習の評価の基本的な考え方や評価の方法等の在り方について御検討をお願いします。
     また、児童生徒の学籍の記録とともに学習や健康の状況等を記録する指導要録につきましても、学習の評価の基本的な考え方等を十分反映したものとなるよう、その記載内容や取扱いなどについて御検討をお願いします。
  5. 次に、学習指導要領に示す目標・内容の達成状況の評価の在り方についてであります。
     学習指導要領は、全国的に一定の教育水準を維持するとともに、実質的な教育の機会均等を確保するため、学校が編成する教育課程の基準として定めているものであります。
     この学習指導要領に示す目標・内容の全国的な達成状況を適切に把握することは、教育水準の維持向上を図るとともに、教育内容について必要な見直しを行う上でも重要なことであります。このため、学習の評価の基本的な考え方を踏まえ、各教科の特質などにも配慮し、学習指導要領に示す目標・内容の達成状況を、継続的かつ客観的に把握するための総合的な学力調査の在り方やその方法等について御検討をお願いします。
     また、各学校において、児童生徒一人一人が学習指導要領に示す目標や内容をどの程度達成しているかを的確に把握することは、学校が適切な教育を行うために不可欠なことであります。このため、各学校において評価を行う際の参考となる評価基準や評価方法等の開発など客観的に到達度の評価を行うための方策について御検討をお願いします。
  6. 第三に、教育課程の実施状況等から見た学校の自己点検・自己評価の在り方についてであります。
     各学校が、保護者や地域社会の信頼に応え、特色ある教育を展開していくためには、学校をより一層開かれたものとし、学校の教育方針や教育活動に広く保護者や地域住民の意向を反映するなど、家庭や地域との連携協力を一層推進する必要があります。
     このため、各学校が、児童生徒の学習の到達度や教育課程の実施状況等について評価を行い、自校における学習指導や教育課程の改善に役立てるとともに、それを家庭や地域社会に説明することは、大切なことであると考えます。このような観点から、各学校における教育課程の実施状況等から見た学校の自己点検・自己評価の在り方について御検討をお願いします。
  7. 以上、今後の審議に当たり、御検討をお願いしたい点について申し上げましたが、これらに関連する事項についても、幅広く御意見をいただきたいと存じます。
     委員各位におかれましては、御多忙のところ恐縮に存じますが、なにとぞ格別の御協力を賜りますようお願い申しあげます。
     これをもちまして、私のあいさつといたします。

お問合せ先

初等中等教育局小学校課

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