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幼稚園,小学校,中学校,高等学校,盲学校,聾学校及び養護学校の教育課程の基準の改善について(審議のまとめ)の概要 (平成10年6月22日 教育課程審議会)

平成10年6月22日
初等中等教育局小学校課

目次

(審議の経過)
1 教育課程の基準の改善の基本的考え方
 (1) 教育課程の基準の改善に当たっての基本的考え方
 (2) 教育課程の基準の改善のねらい
 (3) 各学校段階・各教科等を通じる主な課題に関する基本的考え方
2 教育課程の編成及び授業時数等の枠組み
 (1) 教育課程の編成
 (2) 「総合的な学習の時間」
 (3) 授業時数の基本的な考え方等
3 各学校段階等ごとの教育課程の編成及び授業時数等
 (1) 幼稚園の教育課程の編成及び教育時間等
 (2) 小学校の各教科の編成及び年間授業時数
 (3) 中学校の各教科の編成及び年間授業時数
 (4) 高等学校の各教科・科目の編成、必修の各教科・科目の単位数、卒業に必要な各教科・科目の修得総単位数等
 (5) 盲学校、聾学校及び養護学校の教育課程の編成と年間授業時数等
 (6) 中高一貫教育の教育課程の編成等
4 各教科・科目等の内容
 (1) 幼稚園
 (2) 小学校、中学校及び高等学校
 (3) 盲学校、聾学校及び養護学校
5 教育課程の基準の改善の関連事項
 (1) 教科書及び補助教材
 (2) 指導方法
 (3) 学習の評価
 (4) 大学、高等学校など上級学校の入学者選抜
 (5) 教師
 (6) 学校運営
 (7) 家庭及び地域社会における教育との連携

審議の経過

 教育課程審議会は、平成8年8月、文部大臣から「幼稚園、小学校、中学校、高等学校、盲学校、聾学校及び養護学校の教育課程の基準の改善について」諮問を受け、初等中等教育の教育課程の基準の改善について検討を行ってきた。
 平成9年11月には、「教育課程の基準の改善の基本方向について」(中間まとめ)を公表し、その後、初等教育、中学校教育、高等学校教育及び特殊教育の各分科審議会等、各教科等別の委員会を設けて、各学校段階別、各教科等別の教育内容の改善について具体的な検討を行ってきた。
 教育課程審議会は、本年夏に答申を予定しており、それを前にして、審議をとりまとめたので公表する。

1 教育課程の基準の改善の基本的考え方

(1) 教育課程の基準の改善に当たっての基本的考え方

 (子どもたちの成長への願いと学校への期待)教育は、子どもたちが、幼児期から思春期を経て、自我を形成し、自らの個性を伸長・開花させながら発達を遂げていく過程を扶ける営みである。その営みは学校のみが担うものではなく、学校、家庭、地域社会が連携を図り、それぞれの教育機能を十分発揮してはじめて子どもたちのよりよい発達が促される。子どもたちの生活の在り方や学習の環境を変え、学校、家庭及び地域社会の役割を見直し、学校では学ぶことの動機付けや学び方の育成を重視し、家庭や地域社会で担うべきものや担った方がより効果が得られるものについては家庭や地域社会において担うなどして、よりバランスのとれた教育が行われることが必要である。
 学校は、子どもたちにとって伸び伸びと過ごせる楽しい場でなければならない。また、学校では、教科の授業だけでなく、学校でのすべての生活を通して、子どもたちが友達や教師と共に学び合い活動する中で、存在感や自己実現の喜びを味わうことができるようにすることが大切である。

 教育課程審議会においては、このような子どもの成長への願いと学校への期待をもちながら、教育課程の基準の改善について、次のような基本的な考え方に立って検討した。

ア 各学校段階の役割の基本

 各学校段階の役割の基本については、次のように考えた。
 幼稚園においては、幼児の欲求や自発性、好奇心を重視した遊びや体験を通した総合的な指導を行うことを基本とし、人間形成の基礎となる豊かな心情や想像力、ものごとに自分からかかわろうとする意欲、健全な生活を営むために必要な態度の基礎を培う。
 小学校においては、個人として、また、国家・社会の一員として社会生活を営む上で必要とされる知識・技能・態度の基礎を身に付け、豊かな人間性を育成するとともに、様々な対象とのかかわりを通じて自分のよさ・個性を発見する素地を養い、自立心を培う。
 中学校においては、個人として、また、国家・社会の一員として社会生活を営む上で必要とされる知識・技能・態度を確実に身に付け、豊かな人間性を育成するとともに、自分の個性の発見・伸長を図り、自立心を更に育成していく。
 高等学校においては、自らの在り方生き方を考えさせ、将来の進路を選択する能力や態度を育成するとともに、社会についての認識を深め、興味・関心等に応じ将来の学問や職業の専門分野の基礎・基本の学習によって、個性の一層の伸長と自立を図る。
 盲学校、聾学校及び養護学校においては、幼稚園、小学校、中学校及び高等学校に準ずる教育を行うとともに、障害に基づく種々の困難を改善・克服するために必要な知識や技能等を養い、個性を最大限に伸長し、自立し、社会参加するための基盤となる資質や能力の育成を図る。

イ 子どもの現状、教育課程実施の現状と教育課題

 いじめ、不登校、青少年非行などの憂慮すべき状況、倫理観や社会性の不足などを背景として心の教育の重要性が指摘されている。また、学校の道徳教育について各教師の理解と取組、学校全体としての実践が十分でない状況も指摘されている。
 現行の教育課程の下における我が国の子どもたちの学習状況は全体としてはおおむね良好であると思われるが、一方、教育内容を十分に理解できない子どもたちが少なくないこと、自ら調べ判断し、自分なりの考えをもちそれを表現する力が十分育っていないこと、多角的なものの見方や考え方が十分ではないこと、積極的に学習しようとする意欲が高くないなどの問題もある。

ウ 「時代を超えて変わらない価値あるもの」を身に付ける

 教育においては、どんなに社会が変化しようとも「時代を超えて変わらない価値あるもの」を子どもたちがしっかりと身に付ける必要がある。

エ 社会の変化に柔軟に対応し得る人間の育成

 教育においては、社会の変化を見通しつつ、これに柔軟に対応し得る人間の育成を期する必要がある。

オ 完全学校週5日制下の教育内容の在り方

 完全学校週5日制の導入を契機に、教育は学校教育のみで完結するのではなく、学校教育では生涯学習の基礎となる力を育成することが重要であるとの観点に立った教育活動が展開されることが大切である。

カ 教育内容の厳選と基礎・基本の徹底

 教育内容をその後の学習や生活に必要な最小限の基礎的・基本的内容に徹底的に厳選する一方、その厳選された基礎的・基本的内容については、繰り返し学習させるなどして、確実に習得させるようにする。
 教育内容の厳選は、単なる完全学校週5日制に対応するためのものにとどまらず、授業時数の縮減以上に思い切って行い、ゆとりの中で繰り返し学習したり、体験的な活動や問題解決的な学習にじっくりと取り組めるようにする。

キ 学習の指導と評価の在り方

 これからの学校教育においては、基礎・基本を徹底しつつ、従来の多くの知識を教え込むことになりがちな授業を改め、子どもたちが自分で考え、自分の考えをもち、自分の言葉で表現するなどの力の育成を重視する指導を進めていく必要がある。
 学力については、これを単なる知識の量と捉えるのではなく、自ら学び自ら考える力などの[生きる力]を身に付けているかどうかによって捉えるべきである。ただし、その基盤として一定の知識・技能等を身に付けていることが不可欠である。各教科の学習の評価の在り方についても、学校・学年段階、教科の特質等を考慮しつつ改善を図る必要がある。

(2) 教育課程の基準の改善のねらい

1) 豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること

 調和のとれた豊かな人間性や社会性の育成を一層重視し、相手を思いやる心、互いを認め合い共に生きていく態度、自他の生命や人権を尊重する心、美しいものや自然に感動する心、ボランティア精神、未来への夢や目標を抱きその実現に努める態度などを育成するとともに、社会生活上のルールや基本的なモラルなどの倫理観の育成を重視し、規範意識や公徳心、正義感や公正さを重んじる心、善悪の判断、強靱な意志と実践力、自己責任の自覚や自律・自制の心、また、たくましく生きるための健康や体力の基礎をはぐくむ。
 我が国や郷土の歴史や文化・伝統の理解を深め、これらを愛する心を育成するとともに、広い視野をもって異文化を理解し国際協調の精神を培い、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成する。

2) 自ら学び、自ら考える力を育成すること

 多くの知識を教え込むことになりがちであった教育の基調を転換し、幼児児童生徒の立場に立って、知的好奇心・探究心をもたせ、自ら学ぶ意欲と主体的に学ぶ力を身に付け、論理的に考え判断する力、自分の考えや思いを的確に表現する力、問題を発見し解決する能力を育成し、創造性の基礎を培い、社会の変化に主体的に対応し行動できるようにすることを重視した教育活動を積極的に展開する。また、知識と生活との結び付きを重視して、知識や技能等が総合的に働くようにするとともに、体験的な学習、問題解決的な学習、調べ方や学び方の育成を図る学習を活発に行う。

3) ゆとりのある教育活動を展開する中で、基礎・基本の確実な定着を図り、個性を生かす教育を充実すること

 時間的・精神的にゆとりある教育活動が展開される中で、厳選された内容の確実な定着を図るとともに、幼児児童生徒が興味・関心等に応じた学習に主体的に取り組むことができるようにする。
 義務教育で共通に教育すべき内容は、社会生活を営む上で真に必要な内容に厳選するとともに、個性を生かす教育の一層の充実を図り、幼児児童生徒の興味・関心等を生かし、主体的な学習や個に応じた指導の一層の工夫改善を図る。また、小学校高学年から、課題選択などを取り入れ、中学校においては、学年段階に応じ漸次選択幅の拡大を図り、高等学校においては、生徒による選択を基本とし、共通に履修させる内容は最低限にとどめる。

4) 各学校が創意工夫を生かし特色ある教育、特色ある学校づくりを進めること

 各学校において、地域や学校、幼児児童生徒の実態等に応じて、創意工夫を生かした特色ある教育を展開し、特色ある学校づくりを進めることができるよう、教育課程の基準の大綱化、弾力化を図り、時間割や教育課程について各学校が一層創意工夫を生かして編成できるようにする。また、選択学習の幅を拡大するとともに、「総合的な学習の時間」を創設し、各学校の創意工夫を生かした教育活動が一層活発に展開できるようにする。
 また、学校と家庭・地域社会が十分連携を図るとともに、開かれた学校づくりを推進する。

(3) 各学校段階・各教科等を通じる主な課題に関する基本的考え方

ア 道徳教育

 各学校において学校や幼児児童生徒の実態、地域の実情などに応じ、幼児児童生徒の発達段階を踏まえた創意工夫ある指導が重点的に展開されるようにするとともに、ボランティア活動や自然体験活動などの体験的・実践的な活動を積極的に取り入れる。特に、幼児期や小学校低学年の時期に人としてしてはいけないことや善悪の判断、基本的なしつけなどについて繰り返し指導しその徹底を図る。

イ 国際化への対応

 広い視野をもって異文化を理解し、異なる文化や習慣をもった人々と共に生きていくための資質や能力の育成を図るとともに、我が国の歴史や文化・伝統に誇りや愛情と理解を培う教育を一層重視する。外国語による基礎的・実践的コミュニケーション能力の育成を一層重視しつつ、中学校及び高等学校において外国語を必修とする。また、小学校において「総合的な学習の時間」などで、外国語に触れ、外国の生活や文化に慣れ親しむなどの体験的な学習活動が行われるようにする。

ウ 情報化への対応

 各学校段階を通じ一貫した系統的な情報教育が行われるよう関係教科等の改善充実を図る。各教科等の学習においてコンピュータ等の積極的な活用を図り、小学校では「総合的な学習の時間」など様々な時間でコンピュータ等の情報手段を活用する。中学校では技術・家庭科の中でコンピュータの基礎的な活用技術の習得など情報に関する基礎的内容を必修とし、高等学校では教科「情報」を新設し必修とする。

エ 環境問題への対応

 環境やエネルギーについての理解を深め、環境を大切にする心を育成するとともに、環境の保全やよりよい環境の創造のために主体的に行動する実践的な態度や資質、能力を育成するため、各教科等及び「総合的な学習の時間」において、地域の実情を踏まえた環境に関する学習を充実するとともに、問題解決的な学習や体験的な学習を一層重視する。

オ 少子高齢社会への対応等

 少子高齢社会についての理解を深め、男女が協力して、子どもを産み育て、高齢者のために主体的に行動し実践する態度を育成するため、各教科等及び「総合的な学習の時間」において、少子高齢社会に関する基礎的理解、家族関係や子育ての意義、介護・福祉など少子高齢社会の課題に関する理解を深めるとともに、実際に幼児や高齢者などと交流し触れ合う活動や、介護・福祉に関するボランティア活動の体験を重視する。
 さらに、健康の大切さや自分の体に気付き、広く健康の課題に対処できるように指導を充実する。

カ 横断的・総合的な学習、教育課程の基準の大綱化・弾力化

 各学校の創意工夫を生かした指導が一層行われるよう、教科等の特質に応じ目標・内容を複数学年まとめて示したり、学校や児童生徒の選択の幅を広げたりするなど教育課程の基準の一層の大綱化や弾力化を図る。
 また、「総合的な学習の時間」を創設し、各学校の創意工夫を生かした特色ある教育活動や横断的・総合的な学習活動などを一層展開できるようにする。

2 教育課程の編成及び授業時数等の枠組み

(1) 教育課程の編成

 小学校、中学校、高等学校、盲学校、聾学校及び養護学校の教育課程は、現行の各教科等に、「総合的な学習の時間」を加えて編成することとする。

(2) 「総合的な学習の時間」

ア 各学校が特色ある教育活動を展開できるようにするとともに、教科等の枠を超えた横断的・総合的な学習を各学校の創意工夫を生かして実施するため「総合的な学習の時間」を創設する。

イ 「総合的な学習の時間」のねらいは、各学校の創意工夫を生かして行われる横断的・総合的な学習や児童生徒の興味・関心等に基づく学習などを通じて、自ら課題を見つけ、よりよく問題を解決する資質や能力を育てることであり、また、学び方やものの考え方を身に付け、問題解決や探究活動に主体的、創造的に取り組む態度の育成を図るとともに、自己の生き方について自覚を深めることである。これらを通じて、各教科等それぞれで身に付けられた知識や技能などが相互に関連付けられ、深められ児童生徒の中で総合的に働くようになると考えられる。

ウ 「総合的な学習の時間」の教育課程上の位置付けについては、そのねらい、各学校とも教育課程上必置とすること、授業時数の基準を定めることなどにとどめ、各教科等のように内容は規定しない。教育課程の基準上の名称は「総合的な学習の時間」とし、具体的な名称は各学校で定めることとする。

エ 「総合的な学習の時間」の学習活動は、各学校が創意工夫を十分発揮して展開する。具体的な学習活動は、例えば国際理解、情報、環境、福祉・健康などの横断的・総合的な課題、児童生徒の興味・関心に基づく課題、地域や学校の特色に応じた課題などについて、適宜学習課題や活動を設定して展開する。
 小学校において外国語会話等が行われるときは、児童が外国語に触れたり、外国の生活や文化などに慣れ親しんだりするなど小学校にふさわしい体験的な学習活動を行うことが望ましい。さらに、高等学校では、生徒が主体的に設定した課題について知識・技能の深化・総合化を図る学習や、自己の在り方生き方や進路について考察する学習などをこの時間に行うよう配慮する。

オ 「総合的な学習の時間」の授業時数等については、小学校は第3学年以上で各学年に年間105単位時間又は110単位時間、中学校は各学年年間70単位時間を下限とし幅をもった授業時数を配当する(別表1、2参照)。高等学校については、卒業までに105〜210単位時間を配当する。

(3) 授業時数の基本的な考え方等

ア 年間総授業時数については、現行の授業日となっている土曜日分の授業時数である年間70単位時間(週当たりに換算して2単位時間)を削減する。

イ 年間授業週数や授業の1単位時間については、各学校の創意工夫を生かした時間割や教育課程が編成できるよう一層の弾力化を図る。

3 各学校段階等ごとの教育課程の編成及び授業時数等

(1) 幼稚園の教育課程の編成及び教育時間等

ア 教育内容は現行どおり「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5領域で編成する。幼児の主体的な活動としての遊びを中心とした楽しい集団生活を通して、一人一人に応じた総合的な指導を行う。

イ 地域に開かれた幼稚園づくりや預かり保育など地域の実情や保護者の要請等を踏まえた幼稚園運営の弾力化を推進する。

(2) 小学校の各教科の編成及び年間授業時数

ア 小学校の教科等の構成及び授業時数は、別表1のとおりとする。

イ 各教科等の教育内容を基礎的・基本的な内容に厳選し、日常生活やその後の学習の基礎になる読・書・算などの基礎・基本を繰り返し指導し、確実に身に付けるようにする。なお、小学校高学年から課題選択などの選択的要素を取り入れ、選択能力の基礎を養う。

(3) 中学校の各教科の編成及び年間授業時数

ア 中学校の教科等の構成及び授業時数は、別表2のとおりとする。外国語については必修とする。

イ 必修教科については、教育内容を社会生活を営む上で必要な基礎的・基本的な内容に厳選し、それを確実に身に付けさせる観点に立って、授業時数を縮減する。

ウ 選択教科の種類を拡大し、全学年ですべての教科を開設できるようにする。選択教科の内容については、各学校の主体的判断により、課題学習、補充学習や発展的な学習も含め一層多様な学習活動ができるようにする。また、各選択教科の授業時数の上限の時数を年間70単位時間に拡大する。

(4) 高等学校の各教科・科目の編成、必修の各教科・科目の単位数、卒業に必要な各教科・科目の修得総単位数等

ア 高等学校における各教科・科目の編成及び必修の各教科・科目の単位数等

(ア) 必修教科・科目
 高等学校段階においては、将来いずれの進路を選択する生徒にも、一定の基礎的・基本的な内容をバランスよく身に付けさせることが必要であり、普通科、専門学科及び総合学科を通じて、次のように必修を課す。

  1. 外国語を必修とする。また、普通教育に関する教科「情報」を新設し、必修とする。
  2. 各教科・科目の標準単位数及び必修科目は、別表3のとおりとする。
  3. 必修の各教科・科目の合計単位数については、現行の普通科で最低38単位、専門学科及び総合学科で最低35単位を、31単位とする。

(イ) 普通教育に関する教科・科目については、学習指導要領に示す以外の教科・科目がより柔軟に設けられるようにする。

(ウ) 専門教育を主とする学科における専門教育に関する各教科・科目の必修単位数は、現行の30単位を25単位とする。

 職業に関する教科・科目として、教科「福祉」及び教科「情報」を新設する。各教科共通の原則履修科目は、基礎的・基本的な内容等で構成される科目及び問題解決の能力などを育てるための「課題研究」等の科目の2科目とする。

(エ) 総合学科においては「産業社会と人間」を原則履修科目として位置付けるとともに、「産業社会と人間」及び専門教科・科目を合わせて25単位以上開設する。

イ 高等学校の卒業に必要な修得総単位数等

(ア) 高等学校の卒業に必要な各教科・科目の修得総単位数については、現行の80単位を74単位とする。

(イ) 全日制課程における週当たりの標準授業時数については、現行の32単位時間を30単位時間とする。

ウ 定時制・通信制の課程

 定時制課程については、単位制の活用を一層進め、通信制課程については、教育指導の充実を図る。

(5) 盲学校、聾学校及び養護学校の教育課程の編成と年間授業時数等

ア 社会の変化や幼児児童生徒の障害の重度・重複化、多様化の実態等に対応し、個性を最大限に伸長し、自立し、社会参加するための基盤となる[生きる力]を培うことをねらいとして、幼稚園、小学校、中学校及び高等学校の教育課程の基準の改善に準じた改善を行うとともに、次のような改善を図る。

(ア) 社会の変化に対応するとともに、卒業後の社会生活への円滑な適応を図る等の観点から、知的障害者を教育する養護学校に選択教科として、中学部に「外国語」を、高等部に「外国語」及び「情報」を設ける。また、知的障害者を教育する養護学校の高等部に流通業やサービス産業に関する教科「流通・サービス」を新設するとともに、新たな学科として「商業科」や「産業科」を設ける。

(イ) 養護・訓練の授業時数は、児童生徒の実態等に応じた指導が一層適切に行われるようにするため各学校が適切に定める。なお、名称を「自立活動」に改める。

(ウ) 養護・訓練の指導や重複障害者等に対する指導に当たっては、一人一人の実態に応じた個別の指導計画を作成して指導する必要がある。

(エ) 高等部における訪問教育、小学校・中学校における特殊学級及び通級による指導について学習指導要領に明記する。

(オ) 障害のある幼児児童生徒と障害のない幼児児童生徒や地域の人々との交流教育の一層の充実を図るため、幼稚園、小学校、中学校及び高等学校の学習指導要領等に明記する。

(6) 中高一貫教育の教育課程の編成等

ア 中高一貫教育については、基本的には前期課程は中学校、後期課程は高等学校の教育課程の基準を準用しつつ、中高一貫教育としての特色ある教育課程を編成できるよう、次のような特例措置を設ける。

(ア) 前期課程においては、1)各選択教科の授業時数の上限を緩和する、2)必修教科の授業時数を一定の範囲内(年間70単位時間(週2単位時間)程度)で、選択教科の授業時数に充てることができるようにする。

(イ) 後期課程においては、「その他の科目」や「その他特に必要な教科」の修得単位数について、普通科において卒業に必要な単位数に含めることができる上限(20単位)を緩和する。

4 各教科・科目等の内容

(1) 幼稚園

ア 遊びを中心とした生活を通して、一人一人に応じた総合的な指導を行うという幼稚園教育の基本的考え方は維持しつつ、幼児の主体的活動が十分に確保されるよう、教師が幼児理解に基づき計画的に環境を構成していくことや教師の遊びへのかかわりなどその役割の基本について明らかにするとともに、次のような改善を図る。

(ア) 心身の健康を培う活動を積極的に取り入れるとともに、幼児期にふさわしい道徳性を生活の中で身に付けるよう指導を充実すること

(イ) 自然体験、社会体験などの直接的、具体的生活体験を重視すること

(ウ) 幼児期にふさわしい知的発達を促す教育の在り方を明確に示すこと

(エ) 自我が芽生え、自己を抑制しようとする気持ちが生まれる幼児期の発達の特性に応じたきめ細かな対応を図ること

(オ) 集団とのかかわりの中で幼児の自己実現を図ること

イ 小学校との連携を強化する観点から、幼児期にふさわしい生活を十分に体験できるようにするとともに、幼稚園における主体的な遊びを中心とした総合的な指導から小学校への一貫した流れができるよう配慮する。

ウ 少子化の進行、家庭や社会のニーズの多様化に対応し、地域に開かれた幼稚園づくりや預かり保育を推進するとともに、幼稚園と保育所の在り方について、両施設の合築等による共用化など運用の弾力化、教育内容・保育内容、子育て支援、教師・保母の養成・研修の在り方などの連携を推進する。

(2) 小学校、中学校及び高等学校

1) 国語

ア 文学的な文章の詳細な読解に偏りがちであった指導の在り方を改め、自分の考えをもち、論理的に意見を述べる能力、目的や場面などに応じて適切に表現する能力、的確に読みとる能力や読書に親しむ態度などの育成を重視する。そのため、領域構成を、現行の表現と理解の2領域から、「話すこと・聞くこと」、「書くこと」及び「読むこと」の3領域に改めるとともに、説明や話し合い・討論をすること、記録や報告をまとめることなどの言語活動例を示す。

イ 内容については、文学的な文章の詳細な読解に多くの時間をとっていたことを改めるとともに、例えば小学校における段落分けの指導など現行では毎学年で指導している内容を特定学年で指導するなど、児童生徒の発達段階に応じた重点的な指導が行われるようにする。

ウ 小学校及び中学校では、内容等を2学年まとめて示し、児童生徒や学校の実態に応じた弾力的な指導が行われるようにする。

エ 漢字の指導については、義務教育段階で読み・書きする字種・字数は現行どおりとするが、書きについては上の学年までに書けるよう時間をかけて指導するようにする。

オ 古典に関する指導や書写に関する指導は、引き続き適切に行われるようにする。

カ 高等学校では、「話すこと・聞くこと」及び「書くこと」の領域を中心として内容を構成する科目「国語表現�T」を設け、必修科目として選択的に履修できるようにする。

2) 社会、地理歴史、公民

ア 日本や世界の諸事象を多面的に考察し、公正に判断する能力や態度、我が国の国土や歴史に対する理解と愛情、国際協調の精神など国際社会に生きる日本人としての資質の育成を重視するとともに、網羅的で知識偏重の学習とならないよう、学び方や調べ方の学習、体験的な学習や問題解決的な学習を重視する。

イ 内容については、指導事項を基本的事項に精選・重点化したり、高度になりがちな内容を上の学年や学校段階に移行統合したり削除する。

ウ 歴史学習を通して文化と伝統を尊重する態度を養い、我が国の歴史に対する理解と愛情を深める。小学校では、取り上げる歴史的事象を一層精選し、人物の働きや代表的な文化遺産を中心にした歴史学習を徹底する。中学校の歴史的分野では、時代区分を大きくとって我が国の歴史の大きな流れを世界の歴史を背景に理解させるとともに、歴史についての学び方や調べ方を身に付け、多面的な見方ができるようにする。高等学校では、中学校との関連等を考慮し、我が国及び世界の歴史についての理解を深めるとともに、歴史的思考力を培うようにする。

エ 小学校の第3・4学年の地域に関する学習及び第5学年の我が国の産業や国土に関する学習については、内容を集約・統合するなどして、地域に密着した学習や各種の資料や調査を通した学習が一層具体的・弾力的に展開できるようにする。

オ 中学校の地理的分野については、日本や世界を地理的に認識する上で基礎的な内容を確実に身に付けさせるとともに、事例を通して地域的特色を明らかにする視点や方法を学ぶようにする。また、公民的分野については、政治や経済等に関する基礎的・基本的な内容を具体的事例を通して重点的に学習するようにする。

カ 高等学校の地理歴史科及び公民科については、課題を設定し追究する学習を重視し、歴史的思考力や地理的な見方考え方を身に付ける学習を一層充実するとともに、現代社会の諸課題と人間としての在り方生き方について考える力を一層養うようにする。

3) 算数、数学

ア 実生活との関連を考慮しつつ、ゆとりをもって問題を解決する学習活動を通して、数量や図形についての基礎的・基本的な知識・技能に習熟させるとともに、数学的に考える力を身に付け、創造性の基礎を培うことを重視する。

イ 内容については、日常生活に必要な内容に軽減したり、高度になりがちな内容は上の学年や学校段階に移行統合したりして、内容を授業時数の縮減以上に削減する。

ウ 小学校では、ゆとりをもって算数的活動に取り組み、基礎的な計算技能などを繰り返し学習し確実に身に付けられるようにし、文字式、図形の合同や対称、錐体などの立体図形、比例や反比例の式などの内容を中学校に移行統合したり、桁数の多い複雑な計算や図形の内容などを基本的なものに軽減する。

エ 中学校では、数量や図形などに関する基礎的な知識を確実に理解できるようにするとともに、論理的な思考力の育成を図り、問題解決的な学習活動を重視することとし、一元一次不等式、二次方程式の解の公式、円の性質の一部や統計などの内容を高等学校に移行統合する。

オ 高等学校では、数学史的な話題や日常の事象についての統計的な処理などの内容を取り入れた科目「数学基礎」を設け、必修科目として選択的に履修できるようにする。

4) 理科

ア 自然体験や日常生活との関連を図り、児童生徒が目的意識をもって観察・実験に取り組み、自然に対する知的好奇心や探究心を高め、問題解決能力や多面的・総合的な見方を一層培うことを重視する。

イ 内容については、高度になりがちな内容を上の学年や学校段階に移行統合したり削除したりして、身近な自然や生活との関わりを重視した内容で構成するようにして、内容を授業時数の縮減以上に削減する。

ウ 小学校では、身近な自然についての実験・観察や日常生活と関連付けた学習を重視するとともに、植物の水の蒸散、中和、金属の燃焼、星の動きなどの内容を中学校へ移行統合する。

エ 中学校では、野外観察や探究的な活動を重視するとともに、イオン、力の合成と分解、日本の天気の特徴、遺伝の規則性、生物の進化などの内容を高等学校に移行統合する。

オ 高等学校では、科学の歴史や科学と人間生活とのかかわりなどを学ばせ、科学的なものの見方や考え方を養う科目「理科基礎」、物質やエネルギーなど日常生活に関係の深い自然の事象を探究する科目「理科総合A」、生命現象や地球環境に関する自然の事象を探究する科目「理科総合B」を設け、必修科目として選択的に履修できるようにする。

5) 生活

ア 児童が身近な人や社会、自然と直接かかわる活動や体験を一層重視するとともに、創意工夫を生かした教育活動ができるよう内容を2学年まとめて示し、現在の12の内容を8の内容に再構成する。また、幼児や高齢者、障害のある児童生徒などとの交流を一層重視する。

6) 音楽、芸術(音楽)

ア 児童生徒が楽しく音楽にかかわり、音楽活動の喜びを得、生涯にわたって音楽に親しむことを促すことを重視する。

イ 内容を選択して学習できるようにしたり、内容を2学年まとめて示したりして、地域や学校、児童生徒の実態に応じた弾力的な指導がゆとりをもってできるようにする。

ウ 我が国や諸外国の音楽文化についての関心や理解を一層深める表現活動及び鑑賞活動の充実を図るとともに、国歌「君が代」の指導の一層の充実を図る。

エ 共通教材については、地域や学校の実態に応じた多様な音楽活動が展開できるよう、鑑賞については小・中学校とも示さないこととし、選択の観点を示す。歌唱については、小学校では長い間多くの人々に親しまれてきた文部省唱歌などの中から選択して示すこととし、中学校では選択の観点のみを示し具体的な曲名は示さないこととする。

7) 図画工作、美術、芸術(美術、工芸)

ア 児童生徒が楽しく造形的な創造活動にかかわり、生涯にわたって描いたりつくったりする創造活動を促すことを重視する。

イ 内容を2学年まとめて示したり、内容を選択して学習できるようにしたりして、地域や学校、児童生徒の実態に応じた弾力的な指導がゆとりをもってできるようにする。

ウ 小学校では手などを十分働かせた工作の指導を重視するとともに、中学校や高等学校では、我が国や諸外国の美術文化の特質の理解、作品の見方を深めるなどの鑑賞活動を重視する。

8) 芸術(書道)

ア 生徒が楽しく書にかかわり、生涯にわたり書を愛好する心情を育てるとともに、個性的・創造的な学習活動がより発展的に行えるようにする。

9) 家庭、技術・家庭

ア 男女共同参画社会の推進、少子高齢化等への対応を考慮し、家族の人間関係や家庭の機能の理解、生活に必要な知識・技術の習得、生活をよりよくしようとする意欲と実践的な態度の育成を一層重視し、家庭の在り方や家族の人間関係、子育ての意義、生活と技術とのかかわり、情報手段の活用などの内容の充実を図る。

イ 内容については、指導事項を基本的事項に削減・統合したり、領域を大くくりにしたり、具体的な題材を示さないようにするなどして、地域や学校の実態等に応じた指導がゆとりをもってできるようにする。

ウ 小学校では、内容を2学年まとめて示したり、具体的な題材を最小限のものに限って示すようにするなどして学校や児童の実態に応じた弾力的な指導ができるようにする。また、食生活では食品の栄養的な組合せや簡単な調理などに、衣生活では生活に役立つ簡単な小物の製作などに重点を置く。

エ 中学校では、現行の「木材加工」、「電気」、「家庭生活」、「食物」など11領域に細分化された構成を改め、「技術」と「家庭」の2領域に再編する。「技術」ではものづくりやコンピュータ活用の基礎的技術に関する内容、「家庭」では栄養を重視した食生活など生活の自立に必要な衣食住に関する内容、家庭と家族関係や消費生活などの内容に重点を置く。

オ 高等学校では、人の一生と家族・福祉、家族の生活と健康、消費生活と環境などを内容とする科目「家庭基礎」を設け、現行の家庭一般を改善した「家庭総合」及び「生活技術」の3科目の中から選択的に履修できるようにする。

10) 体育、保健体育

ア 生涯にわたる豊かなスポーツライフ及び健康の保持増進の基礎を培うため、体育の分野については、発達段階に応じて運動を一層選択して履修することや基礎的な体力の向上を図り、保健の分野については、健康の大切さを認識し、健康なライフスタイルを確立するような指導を充実する。その際、体育と保健との関連を図った指導の充実に配慮する。

イ 内容については、体育に関しては運動を一層選択して履修できるようにするとともに、保健に関しては現代の様々な課題に重点を置き、他教科との関連等も考慮して内容の一部を削減する。

ウ 体育については、小・中・高等学校を通じて「体ほぐし」(仮称)の内容を新たに示すとともに、武道については引き続き適切に行われるようにする。小学校では2学年にわたって指導することとしている運動をいずれかの学年で指導することができるようにするなどの弾力化を図る。中学校及び高等学校では運動領域・内容を選択して学習することを拡大する。

エ 保健については、近年の生育環境、生活行動、疾病構造等の変化にかかわって深刻化している心の健康、食生活をはじめとする生活習慣の乱れ、生活習慣病、薬物乱用、性に関する問題等についての指導に重点を置く。また、小学校において高学年から指導している保健の内容を中学年から指導するようにする。

11) 外国語

ア 外国語は、中学校及び高等学校において必修とする。その際、中学校では英語を履修させることを原則とする。また、実践的コミュニケーション能力の育成を図るため、言語の実際の使用場面に配慮した指導に一層の重点を置き、特に中学校においては聞くこと、話すことの指導を重視する。

イ 内容については、中学校ではゆとりのある弾力的な指導ができるよう言語活動を3年間を通して一括して示すとともに、文型、文法事項、語などの言語材料は言語活動を行う上で必要な基本的なものに整理し、内容の一部を削除する。

ウ 中学校では、「あいさつ」「依頼をする」など日常的な言語の使用場面や言語のはたらきを例示し実際に言語を使用する幅広い言語活動を行うこととする。

エ 高等学校では、英語を履修する場合には、中学校の学習の習熟を図りながら、音声によるコミュニケーション活動を重点的に行う科目「オーラル・コミュニケーション�T」、総合的なコミュニケーション活動を行う科目「英語�T」のいずれかを選択的に履修できるようにする。また、英語以外の外国語の履修が一層推進されるようにする。

12) 情報

ア 高等学校において、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を適切に活用し、主体的に情報を選択・処理・発信できる能力と情報社会に参加する上での望ましい態度を育成するため、普通教科として「情報」を新設し、必修とする。

イ 教科「情報」に、コンピュータや情報通信ネットワークなどの活用に重点を置く「情報A」、コンピュータの機能や仕組みの科学的な理解に重点を置く「情報B」、情報通信ネットワークなどの社会における役割や影響の理解に重点を置く「情報C」の3科目を設け、これらの中から1科目を選択的に履修できるようにする。

13) 専門教育に関する各教科・科目

ア 職業に関する各教科・科目については、社会の変化や産業の動向等に適切に対応し、将来のスペシャリストとして必要な専門性の基礎的・基本的な知識と技術を確実に習得させるよう内容を精選するとともに、実験・実習等の実際的、体験的な学習の充実を図る。

イ 高齢化の進展等に伴い、介護福祉士などの福祉に関する人材の養成の必要性に対応するため、教科「福祉」を新設する。また、高度情報通信社会における情報関連の人材養成の必要性に対応するため、教科「情報」を新設する。

ウ 各教科ごとには、次のような改善を図る。

(ア) 家庭は、保育や家庭看護と介護などに関する内容を充実するとともに、生活関連産業の高度化、サービス化、消費者ニーズの多様化等を踏まえて改善を図る。

(イ) 農業は、農産物流通や人的交流等の国際化と情報化の進展、バイオテクノロジーの進展、地球環境問題、食品産業の発展及び農山村滞在型余暇活動の活発化などへの対応に留意して改善を図る。

(ウ) 工業は、マルチメディア、高度情報通信技術、製造技術のシステム化等の技術革新、製造業の国際的な展開に対応した外国語による会話力や技術文書の理解力、環境問題などへの対応に留意して改善を図る。

(エ) 商業は、実践的な語学力、情報・会計リテラシーなど、ビジネスの基礎・基本についての内容を充実するとともに、購買・販売・財務等の経営情報の処理と活用に関する内容の改善を図る。

(オ) 水産は、水産技術の高度化、海洋環境問題、海洋性レクリェーションなど海を取り巻く産業の変化、水産物流通や人的交流等の国際化や情報化の進展、通信技術の進展などへの対応に留意して改善を図る。

(カ) 看護は、在宅医療及び看護に対する社会的要請が増大していることを踏まえて改善を図る。

14) 道徳教育

ア 体験活動等を生かした心に響く道徳教育、家庭や地域の人々の協力による道徳教育の充実、未来へ向けて自らが課題に取り組み共に考える道徳教育の推進の視点を重視し、生命を尊重する心や自立心、自己責任、善悪の判断などの基本的なモラル、我が国の文化や伝統を尊重し継承・発展させる態度、国際協調の精神などを育成し、未来に向けて人生や社会を切り拓く実践的な力をはぐくむ指導の充実を図る。

イ 小学校及び中学校における道徳の時間については、学校における道徳教育のかなめとして授業時間を確保するとともに、各学校において、複数学年を見通した重点的な指導を行うようにする。また、ボランティア活動、自然体験活動等の活用、観察や調査、実物に触れる活動、役割演技など体験活動等を積極的に取り入れる。

ウ 小学校及び中学校の道徳の時間をはじめとする道徳教育においては、児童生徒の発達段階に応じた重点的な指導を行うようにし、特に小学校低学年では社会生活上のルールや善悪の判断について繰り返し指導し、中学年では協力し助け合いながら学習や生活をすること、高学年では自立心や我が国の文化・伝統への理解、中学校では規律ある生活や国民としての自覚と国際協調の精神などの指導を徹底する。

エ 高等学校においては、公民科やホームルーム活動を中心に、生徒が人間としての在り方生き方を主体的に探究し、豊かな自己形成ができるよう指導の一層の工夫を図り、自らの義務と責任を果たそうとする態度、ボランティア精神、よりよき国家・社会の形成者としての倫理観などの育成を重視する。

15) 特別活動

ア 好ましい人間関係の醸成、基本的モラルや社会生活上のルールの習得、協力してよりよい生活を築こうとする自主的、実践的な態度の育成、ガイダンスの機能の充実、豊かな体験的な活動の充実などを重視する。また、日本人としての自覚や国際協調の精神を培い、国旗及び国歌の指導の徹底を図る。

イ 児童生徒の発達段階に応じて、将来の生き方を考える態度や主体的に適切な選択を行う能力の育成を図るとともに、学校生活への適応や円滑な人間関係の形成を図るため、ガイダンスの機能の充実を図る。

ウ 学級(ホームルーム)活動については、児童生徒が自らよりよい学級や学校生活を目指して諸問題の解決に取り組む活動に重点を置いて指導するとともに、特に、中・高等学校においては人間としての在り方や生き方の指導の充実を図り、ボランティア活動など社会参加の意義の指導の充実を図る。

エ 学校行事については、ボランティア精神を養う活動を充実し、自然体験、幼児・高齢者や障害のある人々との触れ合いなどを積極的に取り上げるとともに、行事間の関連や統合などを図り行事を精選する。

オ クラブ活動については、部活動や学校外活動との関連や、「総合的な学習の時間」との関連を考慮して、小学校においては、学校において適切な授業時数を配当できるようにし、中学校及び高等学校においては、廃止する。

(3) 盲学校、聾学校及び養護学校

ア 障害のある幼児に対し、できる限り早い時期から教育的な手立てを講ずるよう、3歳未満の乳幼児を含む教育相談に関する事項を幼稚部教育要領に明記する。

イ 知的障害者を教育する養護学校の中学部及び高等部に新設する選択教科「外国語」については、生徒が国際理解を深めることなどをねらいとし、外国語に親しみ表現すること、外国への関心を深めることなどを内容とする。また、高等部に新設する選択教科「情報」については、コンピュータ等の操作を通して情報の選択・処理・発信のための基礎的な能力や態度を育てることなどをねらいとし、機器の基本的な操作、ソフトウェアの利用などを内容とする。

ウ 養護・訓練については、一人一人の実態に対応した活動であり自立を目指した活動であることを一層明確にするため、名称を「自立活動」と改めるとともに、目標・内容についても見直し、幼児児童生徒の障害の状態の多様化に対応し、適切かつ効果的な指導が行われるようにする。

5 教育課程の基準の改善の関連事項

 完全学校週5日制の趣旨を実現し、[生きる力]をはぐくむためには、保護者や地域住民、関係者の理解が不可欠であり、今回の改善の趣旨の理解とそれぞれの役割を果たすことを求めたい。

(1) 教科書及び補助教材

ア 教科書については、教育内容の厳選、学び方や問題解決能力の育成の重視など、教育課程の基準の改善の趣旨が適切に反映された教科書が作成されることが大切である。

イ 道徳教育においては、単に読み物資料だけでなく、道徳的価値や人間の生き方などについて多様な学習活動が展開できるような教材の開発や活用を図る。

(2) 指導方法

ア 児童生徒一人一人の興味・関心を生かした指導や、学習内容の理解や習熟の程度に応じ、個に応じた指導の工夫改善を一層進める。

イ 異なる教科間の教師の協力も含め、ティーム・ティーチングなど協力的な指導を一層進めるとともに、特別非常勤講師等による授業を積極的に実施するようにする。

情報に関する教育における人材の確保、健康や栄養等にかかわる指導における養護教諭や学校栄養職員などの参加・協力などを推進する。

ウ コンピュータ等の教育機器や情報通信ネットワーク、学校図書館における情報機器や図書、視聴覚資料、学校外の教育施設・設備などの一層の整備充実と活用を図る。

(3) 学習の評価

ア 児童生徒の学習の評価については、学ぶ意欲や思考力・判断力・表現力などの資質や能力の育成に資するよう、評価方法の一層の工夫改善を進める。学習の過程を重視し、児童生徒のよい点や進歩の状況を積極的に評価することなど評価の在り方ついて検討する必要がある。

イ 指導要録においては、学校段階・学年段階、教科の特質などに応じた評価方法を更に取り入れることを検討するとともに、各学校や教育委員会における創意工夫を生かした評価方法などを工夫する。

(4) 大学、高等学校など上級学校の入学者選抜

ア 大学、高等学校などの入学者選抜については、[生きる力]を培い個性を伸ばすなどの今回の教育課程の基準の改善の趣旨を生かす観点から改善を図る必要がある。そのため、例えば、1点刻みでなく一定の点数を獲得していれば他の資料で選抜するなど、選抜方法の多様化や評価尺度の多元化を一層進める。中学校の選択教科については高等学校入学者選抜の学力検査の対象としない。

イ 学力検査については、単なる断片的な知識の量を競うのでなく、考える力や自らの考えを表出する力などを問うような多様な工夫をする。外国語については、リスニングを一層取り入れる。

(5) 教師

ア 自ら学び自ら考える力の育成の重視、教育内容の厳選、創意工夫を生かした教育活動の充実などを進めるに当たっては、教師は教育の専門家として、専門分野の指導力の向上とともに、教育課程全体にわたる視野をもつようにする必要がある。このような観点から、養成・採用・研修の一層の改善充実を図る。

イ 選択履修の幅の拡大など特色ある教育課程の編成、ティーム・ティーチングなどの指導方法や指導形態の工夫改善、「総合的な学習の時間」における多様な学習形態など、各学校の取組が円滑に実施できるよう教職員の配置の在り方を検討する必要がある。

(6) 学校運営

ア 各学校において創意工夫を生かした特色ある教育課程を編成・実施し、特色ある学校づくりを進めるためには、校長のリーダーシップの下に教職員が一致協力して学校運営に当たるとともに、教育委員会は、教育課程の基準の弾力化の趣旨を踏まえ、学校の主体性を尊重し柔軟に支援を行うことが必要である。

イ 学校間交流を進めるとともに、教育課程、行事や会議などについて、その在り方を常に見直し、家庭や地域社会で担うべきものや担った方がよいものは家庭や地域社会が担うよう促していく。

ウ 学校の中には教育課程の基準を逸脱した現状も一部に見られる。今回の改訂を機に、教育課程の基準の改善の趣旨を十分理解するよう要請する。

(7) 家庭及び地域社会における教育との連携

ア 学校は、開かれた学校づくりを一層進めるため、校長をはじめすべての教職員が責任を自覚し、教育方針や教育活動、児童生徒の状況など学校教育の状況等を家庭や地域社会に説明し、理解を求め協力を得るとともに、地域の施設や環境などを学校の教育活動に積極的に生かすようにする。また、休業日を含め学校施設の開放や、地域の人々や幼児児童生徒向けの学習機会の提供を積極的に進める。

イ 家庭や地域社会においては、幼児児童生徒が様々な生活体験、ボランティアなどの社会体験や自然体験、文化・スポーツ活動などを行えるよう、夏休みなどの長期休業期間などを含め、多様な場や機会を充実する。

お問合せ先

初等中等教育局小学校課

-- 登録:平成21年以前 --