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通信制の大学院について(答申) (大学審議会 平成9年12月18日)

平成9年12月18日
大学審議会

 本審議会は、昭和62年10月29日、文部大臣から、「大学等における教育研究の高度化、個性化及び活性化等のための具体的方策について」諮問を受けて以来、多岐にわたる高等教育改革の課題について調査審議を進めている。
 このうち、大学院の問題については、昭和63年3月に大学院部会を設置し、これまでに「大学院制度の弾力化について」(昭和63年12月)、「学位制度の見直し及び大学院の評価について」(平成3年2月)、「学位授与機関の創設について」(平成3年2月)、「大学院の整備充実について」(平成3年5月)、「大学院の量的整備について」(平成3年11月)、「夜間に教育を行う博士課程等について」(平成5年9月)それぞれ答申を行い、平成8年10月には「大学院の教育研究の質的向上に関する審議のまとめ」の報告を行った。
 これらの答申に基づき、現在、大学院の整備充実が図られつつあるが、社会における生涯学習志向の進展、技術革新の加速化等を背景として、高度専門職業人の養成など大学院に対する要請が一層高まっている。この要請にこたえるためには、大学院の教育方法、形態等について更に弾力化を検討する必要があると考えられ、大学院部会では、平成8年10月の報告以後、次の課題について審議することとした。

  1. 通信制の大学院について
  2. 長期在学コースについて
  3. 修業年限が1年の修士課程について
  4. 高等専門学校卒業者等に対する大学院入学資格の付与について

 このうち、まず「通信制の大学院」から審議を進め、同部会における審議の概要を総会に報告して公表するとともに、関係団体等からの意見を勘案するなどして専門的かつ慎重な審議を重ねてきた。
 本審議会は、その結果に基づき、さらに総会で審議を行い、このたび、通信制の大学院の制度創設について結論を得たので、逐次答申の要請に応じ、ここに答申を行うものである。

1 通信制の大学院の制度創設について

1 大学院への期待の高まり

 大学院は、基礎研究を中心とした学術研究の推進とともに、研究者の養成及び高度の専門的能力を有する人材の養成という役割を担っている。
 学術研究は、国家・社会のあらゆる分野の発展の重要な基盤となるものである。近年の急速な技術革新、社会・経済の高度化・複雑化、国際化・情報化等の進展などの時代の要請にこたえ学術研究の新しい流れを創造していくために、学術研究を一層進展させることが期待されており、その中核となる大学院の役割が一層重要になっている。
 また、技術革新や産業構造の変化に伴う職業構造の変化の中で、豊かな創造性や専門的な知識・能力を必要とする職業に対する需要が高まるとともに、個々の職業に求められる能力についても高度化・専門化が進むことが見込まれ、このような人材養成の場としての大学院に大きな期待が寄せられている。

2 社会に開かれた大学院

 現在、大学院においては、社会人の積極的な受入れを進めるため、社会人を対象とした特別選抜制度の導入、パートタイムでの履修で単位認定を行う科目等履修生制度の活用、夜間や週末等における授業を組み合わせた昼夜開講制の採用や夜間大学院の設置など、本審議会答申を受けて弾力化された大学院制度を活用して、様々な取組が行われている。
 夜間大学院は、大学院設置基準第2条の2に基づき、専ら夜間において教育を行う大学院の課程である。平成9年度、修士課程では12大学17研究科(国立:3大学4研究科、私立:9大学13研究科)、博士課程では4大学4研究科(国立:1大学1研究科、私立3大学3研究科)で実施されている。
 昼夜開講制は、大学院設置基準第14条に基づき、夜間の履修だけでなく、一部昼間や週末を利用した履修も取り入れることにより、社会人が在職のまま大学院で教育を受けることができるようにするものである。昼夜開講制は、平成9年度、修士課程では141大学235研究科(国立:70大学148研究科、公立:7大学7研究科、私立:64大学80研究科)、博士課程では50大学62研究科(国立:32大学40研究科、公立:1大学1研究科、私立:17大学21研究科)で実施されている。
 今後とも、学習意欲を持つ人々が、一人でも多く、大学院において教育研究に取り組めるよう制度の弾力化を進めるとともに、各大学院における積極的な運用を図ることが必要である。

3 通信制の大学院の必要性

 上記のような取組が進んできてはいるが、職業を持つ社会人の通学ということを考えた場合、自宅や職場から通える範囲に必ずしも希望する大学院がないといったことや、職場環境等によって通学可能な時間帯が限られるといったことなど、地理的・時間的制約等から、大学院レベルの学習を希望しながらも、その実現に困難を伴う社会人も少なくないと考えられる。例えば、現職の教員の専修免許状取得のための通信制の大学院の要望や、学部レベルの通信教育を受講している学生の進学の希望などのニーズがある。
 このような大学院レベルの学習を希望する人々の学習ニーズに、より適切に応えていくため、大学院においても通信教育を行うことができるよう、制度を整備することが必要である。

4 マルチメディアの進展と大学院教育

 マルチメディア技術の進展や、インターネットによる世界的なネットワークの普及などが急速に進む中、大学院においても、遠隔地にあるキャンパスを衛星通信や光ファイバーなどで結び、テレビ会議システムを活用して合同授業を行うなど、最先端の情報通信技術を活用した教育研究の取組が行われている。
 このような情報通信技術の発展は、従来の高等教育の教育形態の概念に大きな影響を与えている。従来、「遠隔教育」というのは、印刷教材を用いた通信添削型の授業あるいは放送大学による放送授業といった形で、通信制の高等教育機関によって行われるものだと考えられてきたが、技術の発達により、上記のように、遠隔地間を結ぶテレビ会議式の授業という形で、通学制の大学院においても「遠隔教育」を行うことが可能となっている。また、更なる技術の進展により、現在通学制の大学院で行われている教員の授業や研究指導を学生が自宅で受けることができるようになる可能性もある。このように、将来的には、あらゆる学生が、地理的、時間的制約を超えて、通学制の大学院で行われる教育研究に参加でき、分野によっては、通学制と通信制の境界がなくなるような状況が現出することも考えられる。
 こうした情報通信技術を活用して、大学院が、国内外の他の大学院との間で、合同授業やカリキュラムの相互利用を行うといった試みも始まっており、今後、高等教育機関がネットワークを形成することにより、より多彩な教育研究が実施されるものと予想される。

5 通信制の大学院についての考え方

(1)制度創設に当たっての基本的考え方

 これまで述べたように、分野によっては、将来的に、通学制と通信制の境界がなくなるような状況も考えられるが、現段階において一般に普及しているマルチメディア技術の水準等を踏まえ、現行制度からの円滑な移行という観点から、当面は、従来どおり通学制と通信制という区別を維持した形で通信制大学院制度を発足することとし、その後の技術の進展に対応して、大学院制度及び設置基準全体の在り方を再検討するというステップを踏むことが適当である。
 具体的には、大学院設置基準の中に新たに通信教育を行う場合に必要な規定を置くことが適当である。

(2)通信教育を行う大学院の課程

 修士課程について通信教育の開設を認めるものとする。

(説明)

 大学院設置基準上、大学院における課程は、修士課程及び博士課程とされている。このうち、修士課程の修了要件については、30単位以上の修得、学位論文の審査及び試験の合格とされており、また、学位論文の審査については、特定の課題についての研究の成果の審査をもって代えることができることとされている。このような取扱いが認められている理由の一つは、研究科の目的、性格によっては、学位論文を重視するよりも単位制度による授業を更に充実させることがより目的に沿う場合もあると考えられることによる。このように授業による教育の比重が高い修士課程については、専攻分野によっては、通信教育により十分な教育効果を得ることが可能であると考えられる。しかしながら、博士課程においては、研究課題に即した研究指導と学生自身の自発的な研究活動が中心であるため、通信教育により十分な教育効果が得られるか否かについては、慎重な検討が必要である。
 したがって、通信教育の開設は、当面、授業による教育の比重が高い修士課程について認めることとし、博士課程については、今後、修士課程の開設・運営状況、実績等を見ながら判断することが適切である。

(3)通信教育を行い得る専攻分野

 大学院は、通信教育によって十分な教育効果が得られる専攻分野について、通信教育を行うことができるものとする。

(説明)

 大学院における通信教育は、一般的には職業人養成や社会人の生涯学習ニーズへの対応を目的とするものについて開設のニーズが高いと想定されるが、それだけに限らず、通信教育により教育研究を行うことが適切な分野について広く開設を認めることが適当である。
 また、一方、大学院における通信教育は、現在行われている大学の通信教育と同様に、印刷教材や放送による学修指導を主とし、これに面接授業を適宜組み合わせて行われるものであり、当該専攻分野の教育について、このような教育方法により、十分な教育上の効果を期待し得るものでなければならない。
 このような観点から、設置基準上は、通信教育を行う専攻分野を限定せず、十分な教育効果を得られる専攻分野についてこれを認めることとし、設置認可の段階で個々具体的な教育分野、通信による教育方法等を総合的に勘案して適否の判断を行うことが適当である。なお、特に、理工系の中でも実験を必要とする分野など、通信教育によって十分な教育効果を上げることが困難と考えられる分野については、慎重な判断が必要である。

(4)入学者選抜

 各大学院の理念・目標に応じて適切に選抜を実施することが必要である。

(説明)

 大学院における入学者選抜は、各大学院の理念・目標や、専門分野等の特性に応じ、それぞれの大学院教育を受けるにふさわしい能力・適性等を備えた者を適切に選抜するために実施されているものであり、各大学院の自主性に基づいて、それぞれの責任により、公正かつ妥当な方法で実施されることが必要である。その際、社会人の大学院レベルの生涯学習ニーズが高いことを踏まえると、社会人のために入学定員の枠を別に設けたり、これまでの様々な業績等を評価するなどの配慮・工夫を行うことが望ましい。

(5)教育方法

  1. 通信制の大学院の教育は、授業科目の授業及び学位論文の作成等に対する指導(以下「研究指導」という。)によって行うものとする。
  2. 授業については、大学の通信教育と同様に、「印刷教材等による授業」、「放送授業」、若しくは「面接授業」のいずれかにより、又は、これらの併用により行うものとする。
  3. 研究指導については、専攻分野に応じて、各大学院の判断により、直接の対面指導の機会を設けることが望ましい。
  4. 「印刷教材等による授業」及び「放送授業」の実施に当たっては、添削等による通信指導(以下「通信指導」という。)を適宜加えて行うものとする。
(説明)
  1. 教育方法については、通学制の大学院と同様に、授業科目の授業と研究指導によって行うことが適当である。
  2. 授業については、大学の通信教育の場合と同様に「印刷教材等による授業」「放送授業」「面接授業」の三つの授業方法を適切に組み合わせることにより当該専攻分野の教育を効果的に実施する必要がある。この点については、従来型の印刷教材の郵送による授業や放送大学の放送授業だけでなく、CD-ROM等のマルチメディア教材を利用した授業や、パソコンやインターネットを利用した放送授業の実施などマルチメディアの活用により教育効果を高める様々な工夫を行うことも有効である。なお、今後、新たに大学設置基準第25条(授業の方法)に位置付けられることとなる「遠隔授業」についても「面接授業」の一形態として、各大学院が適切と認める場合には積極的にその活用を図ることができるようにすることが考えられる。
  3. 研究指導の方法については、現在の大学院設置基準においても特段の規定はなく、通信制の大学院についても設置基準上特段の限定を設ける必要はないと考える。ただし、各大学院は、30単位の授業においては教員の学生に対する直接指導が少ないことを踏まえ、研究指導に当たっては、学生に対する丁寧な個別の指導が行われるように努める必要がある。その際、教員から学生への直接の対面指導は、教員の思考の在り方や人格的な影響を受ける貴重な機会でもあることから、専攻分野に応じて、各大学院の判断により、研究指導の中で、直接の対面指導の機会を設けることが望ましい。
  4. 修士論文の審査においては、教員と学生との対面による口頭試問を実施することが必要である。
  5. このほか、教育研究指導の充実を図るため、学生同士や学生と教員が教育研究について語りあう時間を確保したり、オフィス・アワーを設けるなどの配慮を行うことも望まれる。

(6)修了要件

 課程の修了要件は、現行の大学院設置基準第16条の定めるところによるものとする。

(参考)大学院設置基準

 第16条  修士課程の修了要件は、大学院に2年以上在学し、30単位以上を修得し、かつ必要な研究指導を受けた上、当該大学院の行う修士論文の審査及び試験に合格することとする。ただし、在学期間に関しては、優れた業績を上げた者については、大学院に1年以上在学すれば足りるものとする。

 2 前項の場合において、当該修士課程の目的に応じ、適当と認められるときは、特定の課題についての研究の成果の審査をもつて修士論文の審査に代えることができる。

(説明)
  1. 現在の大学通信教育においては、原則として、卒業要件124単位のうち30単位以上は面接授業により修得することとされている。しかしながら、通信制の大学院においては、(1)授業による単位の修得の他に、修士論文作成あるいは特定課題研究に関して研究指導が行われることとされており、ここで丁寧な個別指導も行われること、(2)学生は、通常、大学学部卒業者であり、かつ社会人としての経験を有するものも多くなることが予想されることなどから、通信制の大学学部とは異なり、制度上は、面接授業を修了の要件として義務付けないこととするのが適当である。
  2. 大学院設置基準においては、修士課程の修了要件の一つとして修士論文の審査に合格することを基本としつつ、「当該修士課程の目的に応じ適当と認められるときは、特定の課題についての研究の成果の審査をもつて修士論文の審査に代えることができる。」(第16条第2項)こととされている。通信制の大学院においても、特に、高度専門職業人の養成を主目的とする修士課程における修士論文の扱いについては、その教育方法との関連及び修士の水準の維持という観点も考慮しながら、大学院の判断において上記の特例を活用することが考えられてよい。

(7)教員数と収容定員

  1. 通信教育を行う大学院には、現行の大学院設置基準第8条、第9条に従って、必要な教員を置くものとする。
  2. 収容定員は、現行の大学院設置基準第10条を踏まえ、教員組織及び施設設備その他の教育研究上の諸条件を総合的に考慮し、課程の区分に応じ専攻を単位として研究科ごとに定めるものとする。
  3. 昼間又は夜間において授業を行う大学院が通信教育を併せ行う場合には、通信教育を行う専攻ごとに、大学院設置基準第9条に規定する教員を、教育に支障のないよう必要数増加するものとする。

(参考)大学院設置基準
 第8条 大学院には、研究科及び専攻の種類及び規模に応じ、教育研究上必要な教員を置くものとする。
 2 大学院の教員は、教育研究上支障を生じない場合には、学部、研究所等の教員等がこれを兼ねることができる。

第9条 大学院には、前条第一項に規定する教員のうち次の各号に掲げる資格を有する教員を、専攻ごとに、必要数置くものとする。
 一 修士課程を担当する教員にあつては、次の一に該当し、かつ、その担当する専門分野に関し高度の教育研究上の指導能力があると認められる者

  1. 博士の学位を有し、研究上の業績を有する者
  2. 研究上の業績がイの者に準ずると認められる者
  3. 芸術、体育等特定の専門分野について高度の技術・技能を有する者
  4. 専攻分野について、特に優れた知識及び経験を有する者
     ※第二号省略

 第10条  収容定員は、教員組織及び施設設備その他の教育研究上の諸条件を総合的に考慮し、課程の区分に応じ専攻を単位として研究科ごとに定めるものとする。

(説明)
  1. 通信教育を行う大学院は、現行の大学院設置基準の考え方に従って、教育研究、研究指導に必要な教員組織を置くこととし、学部、研究所等の教員、大学院の専任教員がこれに当たることとする。
  2. 収容定員については、現在の大学通信教育において、専任教員数に対する収容定員が通学制の大学に比して多いことから、通信制の大学院における収容定員についても、通学制の場合よりは多くなるものと考えられるが、一方、通信制の大学院の場合は、(5)で述べたように個別の研究指導が必要とされることも勘案して、教員数に対して適切な収容定員を設定することが必要である。
  3. 昼間又は夜間において授業を行う大学院が、通信教育を併せ行う場合には、昼間又は夜間の課程の教員が兼ねることが可能であるが、通信教育の実施に伴う教員の教育上の負担の増加に応じた教員の増員が必要である。この場合の増加すべき教員数については、大学院設置基準第10条によって設定される収容定員に基づき、大学院設置基準第9条に規定する教員を、専攻ごとに必要数増加することにより、適切な教育研究体制を整備することが必要である。

(8)校舎等の施設・設備

  1. 通信教育を行う大学院は、大学院設置基準第19条から第22条により、講義室、研究室等を有するほか、特に通信指導並びに印刷教材等の保管及び発送のための施設について、教育に支障のないようにするものとする。
  2. 昼間又は夜間において授業を行う大学院が通信教育を併せ行う場合には、当該通信教育の学生の教育研究に支障を生じないように必要な施設・設備等を充実するよう努めるものとする。
(説明)
  1. 通信教育を行う大学院においては、大学院設置基準第19条から第22条に定める講義室、研究室等を有するほか、通信教育に特有の施設として、通信指導、教材の保管、発送等の施設を整備する必要がある。また、近年、技術の進展が著しいマルチメディア技術を活用することも教育研究指導の充実を図る上で有効と考えられるところであり、施設・設備の充実に当たっては、教育研究のための情報通信機器等の整備についても配慮がなされることが望まれる。
  2. 昼間又は夜間において授業を行う大学院が通信教育を併せ行う場合には、昼間又は夜間の課程の施設・設備等を兼用することが可能であるが、当該通信教育の学生の教育研究に支障を生じないように必要な施設・設備等を充実するよう努めることが適当である。

(9)通信指導のための組織等

 大学院は、通信指導及び教育相談を円滑に処理するため、適当な組織等を設けるものとする。

(説明)

 学生の学習を助け、促すために、通信指導や教育相談等を円滑に処理することができるよう担当教員の指導のもとに適任者を配置し、又は適当な組織を設ける等、各大学の実情に応じて適切な措置を講ずるものする。その際、パソコンやインターネットを利用した授業をはじめ、マルチメディア技術を活用して授業を行う場合などにおいては、当該システムの管理運営等を行う者が配置されることが望ましい。

(10)教育研究水準の維持向上方策

  1. 大学院は、通信教育についても、自己点検及び評価を行うことに努めることが必要である。
  2. なお、教育研究水準の維持向上のために、相互評価の導入など評価活動の工夫が行われることが望ましい。
(説明)
  1. 通信教育を行う大学院は、通学制の大学院と同様に、大学院設置基準第1条の2に定めるところにより、教育研究水準の向上を図り、当該大学院の目的及び社会的使命を達成するため、教育研究活動等の状況について、不断の自己点検及び評価に努めることが必要である。
  2. 大学院については、平成8年10月の本審議会報告「大学院の教育研究の質的向上に関する審議のまとめ」においても、相互評価の導入など評価方法の工夫について提言したところであるが、通信教育を行う場合も、同様に適切な評価活動を通して教育研究水準の維持向上に努めることが望ましい。

(11)大学院設置基準の適用

 上記(2)~(10)のほか、通信教育を行う大学院の設置又は大学院における通信教育の開設に関する事項については、大学院設置基準の定めるところによるものとする。

2 大学院設置基準の改正について

 1において指摘したことを踏まえると、大学院設置基準について、次の改正を行う必要がある。

 通信教育を行う大学院に関する次のような規定を新設すること。

○通信教育を行う大学院の課程

  1. 大学院には、通信教育を行う修士課程を置くことができることとする。
  2. 大学院は、通信教育によって十分な教育効果が得られる専攻分野について、通信教育を行うことができることとする。

○通信教育を行う大学院の教員数

  1. 上記の大学院の教員数は、当該大学院の教育研究上の目的に応じ適当な規模を有すると認められるものとする。
  2. 昼間又は夜間において授業を行う大学院が通信教育を併せ行う場合においては、通信教育を行う専攻ごとに、大学院設置基準第9条に規定する教員を、教育に支障のないよう必要数増加するものとする。

○通信教育を行う大学院の授業の方法等
 通信教育を行う大学院の授業の方法及び単位の計算方法については、大学通信教育設置基準第3条から第5条の規定を準用することとする。

○通信教育を行う大学院の施設

  1. 上記の大学院は、大学院設置基準第19条から第22条により、講義室、研究室等を有するほか、特に添削等による指導並びに印刷教材等の保管及び発送のための施設(以下「通信教育関係施設」という。)について、教育に支障のないようにするものとする。
  2. 昼間又は夜間において授業を行う大学院が通信教育を併せ行う場合にあっては、大学院は、通信教育関係施設について、教育に支障のないようにするものとする。

○通信教育を行う大学院の添削等のための組織等
 上記の大学院は、添削等による指導及び教育相談を円滑に処理するため、適当な組織等を設けるものとする。

お問合せ先

高等教育局企画課

-- 登録:平成21年以前 --