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中央教育審議会第一次答申パンフレット

第15期中央教育審議会 第一次答申

21世紀を展望した我が国の教育の在り方について

-子供に[生きる力]と[ゆとり]を-

第15期中央教育審議会 第一次答申

子供に[生きる力]と[ゆとり]を

中央教育審議会 第一次答申にあたって

会長
有馬朗人

 中央教育審議会は、平成7年4月、文部大臣から「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」諮問を受けて以来、学校の先生やPTA、専門家の方などから意見を聞いたり、学校訪問をし、先生や子供たちが教育に取り組んでいる姿を見たり、国民からの直接の意見募集などを行いながら話し合いを進め、平成8年7月、第一次答申を行いました。

 我々は、これからの教育の在り方として、[ゆとり]の中で、子供たちに[生きる力]をはぐくむということが大切であると考えました。そのためには、学校・家庭・地域社会が十分に連携し、バランスよく教育に当たることが大変重要です。具体的には、学校の教育内容を厳選するとともに、家庭や地域社会における教育力を高めていくことが必要であるという考えに立ち、様々な提言をしています。学校週5日制についても、このような考え方から、教育改革の一環として、21世紀初頭を目途に完全実施を目指そうと提言しています。また、国際化、情報化、科学技術の発展、環境問題などに対応する新しい教育についても様々な提言を行っています。

 この答申で、中央教育審議会として、21世紀の子供たちの教育の在り方を提示しました。しかしながら、この答申で示している教育を実現するためには、行政による努力が重要なことはもちろんですが、その鍵は、保護者の方、学校の先生、地域の人々など、全ての大人たち一人一人の実行にかかっているのです。どうぞ、この答申をよくお読み下さい。そして、答申の趣旨を御理解いただき、それぞれの立場で、子供たちが幸せになるために、子供たちに[生きる力]をはぐくんでいくことができるよう、子供たちの教育のことを真剣に考え、積極的に取り組んでいただきたいと思います。

 21世紀に向け、今日から、国民一人一人が、自分のできることについて、子供たちに[生きる力]をはぐくむための教育に取り組んでいくことを期待しています。

答申のポイント

これからの教育は[ゆとり]の中で[生きる力]を育成することを大切にします

○ これからの社会は、変化の激しい、先行き不透明な、厳しい時代と考えられます。そのような社会では、子供たちに[生きる力]をはぐくむことが必要です。

[生きる力]とは?
  • 自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する能力
  • 自らを律しつつ、他人と協調し、他人を思いやる心や感動する心など豊かな人間性とたくましく生きるための健康や体力中央教育審議会では、これらの力を[生きる力]ととらえました。

○ [生きる力]をはぐくむためには、

  • 家庭学校や地域社会が十分に連携し、バランスよく教育に当たることが重要です。特に、家庭や地域社会の教育を充実したものにすることが大切です。
  • 生活体験や自然体験などの実際の体験活動の機会を広げていくことが望まれます。
  • 学校で[生きる力]の育成を重視した教育を進めていくことが必要です。
  • 子供たちと社会全体に[ゆとり]をもたせることが必要です。

○ この[生きる力]をはぐくむことは、生涯学習社会において、大変重要な課題です。

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答申のポイント

いじめ・登校拒否の問題への取組が重要です

○ いじめ・登校拒否の問題は、社会全体に投げかけられた問題です。

○ その解決のためには、「社会の同質志向」を排除して、個性を尊重する態度や価値観を育成することも重要です。

○ いじめ・登校拒否の問題の解決に向け、家庭・学校・地域社会が手を携えて取り組むことが不可欠です。

具体的には?
家庭では

 善悪の判断などの基本的倫理観を養うことが必要です。

地域では

 見て見ぬ振りをするのではなく、よその子供でも注意するよう、みんなで協力し、地域ぐるみで取り組むことが必要です。

学校では

 子供たち一人一人を大切にし、子供のよさを伸ばし、存在感や自己実現の喜びを実感できるようにすることが必要です。

また、次のような取組が必要です。

  • 学校一丸となった取組
  • 毅然とした姿勢を学校のすみずみに行きわたらせる
    (1)弱い者をいじめることは絶対に許されない
    (2)社会で許されない行為は子供でも許されない
    (3)いじめを傍観する行為も同様に許されない
  • スクールカウンセラーなどの専門家に協力してもらい、学校の教育相談体制を充実

さらに、次のような取組も重要と考えます。

  • 子供の「転学」の一層の弾力化や適応指導教室を積極的に活用
  • 登校拒否の子供の指導に当たっては、元の仲間や生活に戻ることのみにこだわることなく、子供が登校拒否を克服する過程でどのように個性を伸ばし、成長していくかという視点を重視し、ゆっくり時間をかけて取り組む
  • 登校拒否の子供のためのバイパスとしての「中学校卒業程度認定試験」の有効活用について検討

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答申のポイント

[生きる力]の育成を基本とし、学校は、知識を教え込む

教育から、自ら学び、自ら考える教育へと転換します

教育内容は厳選します 

○ これからの学校教育は

  • 知識を教え込む教育から、自ら学び、自ら考える教育へと転換を目指します。
  • [生きる力]という生涯学習の基礎的な力をはぐくむことを大切にします。

○ このため学校は

  • [ゆとり]のある教育環境で[ゆとり]のある教育活動を展開します。
  • 教育内容を基礎・基本に厳選し、それを一人一人が確実に修得できるようにします。
  • 一人一人のよさを見いだし、それを伸ばしていきます。

○ 具体的には

  • 教育課程の弾力化や指導方法の改善、特色ある学校づくりを進めます。
  • 正義感や公正さを重んじる心、他人を思いやる心など社会の基本的なモラルなどの倫理観をはぐくみます。
  • 自然体験やボランティア活動などの体験活動を充実することが必要です。
  • 横断的・総合的な指導を一層推進するため、新たに「総合的な学習の時間」を設け、各学校の判断により、国際理解、情報、環境、ボランティア、自然体験などに取り組むことを提言します。
  • 教科の再編・統合を含めた将来の教科等の構成の在り方について検討するため、教育課程審議会に常設の委員会を設けることを提言します。
  • 教員配置の改善や教員の資質・能力の向上、関係機関や専門家との連携など、新しい学校教育の実現のため、種々の条件整備を図ることが重要です。
答申のポイント

教育の出発点であり、基本的な倫理観を養い、しつけを行う場である家庭の教育力を充実することが必要です

○ 家庭は、子供の教育に対する責任を自覚し、家庭が本来果たすべき役割を見つめ直し、親がその責任を十分発揮することを望みます。

家庭が本来果たすべき役割

 基本的な生活習慣・生活能力、豊かな情操、他人に対する思いやり、善悪の判断などの[生きる力]の基礎的な資質や能力の育成

○ そのため、家族がそろって一緒に過ごす時間が持てるよう、社会全体に[ゆとり]を確保することが重要です。そして、[ゆとり]の中で、母親・父親、さらにはおばあちゃん・おじいちゃんが、愛情をもって子供と触れ合うとともに、時には子供に厳しく接し、[生きる力]をはぐくんでいくことが大切です。

特に、父親には

 家庭教育に対する責任を自覚し、家族と一緒に過ごせる時間を確保することを望みます。

また、企業には

 父親が家族と一緒に過ごせる時間を確保できるよう協力を望みます。

行政は
  • 親たちに対する、家庭教育に関する学習機会の一層の充実
  • 子育て支援ネットワークづくりの推進
  • ボランティア活動など親子の共同体験の機会の充実
  • 父親のための家庭教育に関する学習機会を職場や夜間・休日に設けるなど父親の家庭教育参加を支援・促進などの家庭の教育力を充実するための施策を推進することが必要です。

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答申のポイント

社会体験、自然体験などを豊かにするため地域社会における教育を活性化することが必要です

○ [生きる力]をはぐくむためには、子供たちが地域社会の中でいろいろな人たちと交流し、様々な生活体験、社会体験、自然体験を豊富に積み重ねることができるよう、みんなで努力していくことが大切です。

○ 地域社会の大人一人一人が、地域の一員であるという気持ちを持ち、地域社会の活動を自主的に担っていくことが重要です。

○ 社会全体に[ゆとり]を確保する中で、地域社会が、地域の大人たちが子供たちの成長を見守りつつ、時には厳しく鍛える場となることを期待します。

○ 地域社会における子供たちの活動を推進するため、行政には、次のような条件整備を進めることを望みます。そして、大人たちも、是非そうした活動に参加することを望みます。

  • わんぱく広場や冒険広場などの遊び場を用意したり、学校施設を開放するなど、活動の場を充実
  • 挨拶運動などの地域ぐるみの活動に取り組んだり、ボランティア活動を体験する機会を提供したり、都市部と過疎地域との間の交流活動を推進したり、長期間の自然体験活動を充実するなど、活動の機会を充実
  • 同じ目的や興味・関心に応じて結びつき、子供たちを育てる教育の場=「第4の領域」を育てていく

○ 地域社会における教育力を充実させるためには、次のような取組も重要です。

  • 地域の教育行政に直接の責任を負い、子供に最も身近な位置にある市町村教育委員会の活動を充実
  • 地域ぐるみで教育に取り組むため「地域教育連絡協議会」や「地域教育活性化センター」を設置
  • 国・都道府県による市町村に対する支援と民間教育事業者との適切な連携

○ さらに、夜間や休日の会合の開催、OBやOG、地域の有志の参加などにより、家庭・地域社会と学校を結ぶ、PTA活動を活性化することが必要です。

 子供たちの教育は、単に学校だけに任せるだけではいけません。家庭や地域社会の教育力を高めながら、家庭や学校や地域社会が適切に役割分担を果たし、手を携えて子供の教育を行っていくことが重要です。

矢印

家庭や学校や地域社会の連携が重要です

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答申のポイント

学校週5日制は完全実施を目指します

○ 学校週5日制は、子供たちに[ゆとり]を確保し、[生きる力]をはぐくむものであり、教育改革の一環として、21世紀初頭を目途に完全実施を目指します。

○ そのため、教育内容を厳選し、授業時数の縮減を図ることが必要です。

○ 完全実施に当たっては、

  • 学校外の活動を充実したり、家庭や地域社会の教育力を充実することが必要です。
  • 受験競争を緩和したり、子供に[ゆとり]を確保する努力が必要です。

○ 学校週5日制の目指す教育を実現するために、国立も公立も私立も、全国的に統一して完全実施することが望ましいと考えます。

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お問合せ先

大臣官房政策課

-- 登録:平成21年以前 --