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教員の資質能力の向上について(答申) (第24回答申(昭和53年6月16日))

昭和53年6月16日
生涯学習政策局政策課

24 教員の資質能力の向上について(答申)

(諮問)

昭和52年6月15日

中央教育審議会

文部大臣 海部 俊樹

 次の事項について、別紙理由を添えて諮問します。

当面する文教の課題に対応するための施策について

(理由)

 さきに本審議会から「今後における学校教育の総合的な拡充整備のための基本的施策について」(昭和46年)及び「教育・学術・文化における国際交流について」(昭和49年)の答申を受け、それらの指針の下に、文教の諸施策の推進に努めているところであるが、今日の内外における諸情勢の下で、文教の振興を期するためには、教育、学術及び文化の果たすべき役割を明確にし、衆知を集めて当面する課題に絶えず適切に対処する必要がある。
 特に、公教育に対する国民の信頼を高め、生涯(がい)を通ずる学習を盛んにし、学術・文化の振興を図るための諸施策の軽重・緩急について誤りなきを期する必要がある。

(答申)

昭和53年6月16日

文部大臣 砂田 重民 殿

中央教育審議会会長
高村 象平

教員の資質能力の向上について(答申)

 本審議会は、昨年6月、文部大臣から、当面する文教の課題に対応するための施策について諮問を受けて以来、広く我が国文教の諸問題について審議を進めてまいりましたが、その過程において、当面の課題として教員に関する問題を取り上げることとし、このため、小委員会を設け、関係団体から意見を聴取するなどして審議を重ねた結果、今回、次の結論を得ましたので答申いたします。

 学校教育の成果は、これを担当する教員に負うところが極めて大きい。優れた教員を確保し、その資質能力の絶えざる向上を図ることは、我が国教育の発展のための基本的な課題である。
 現在、初等中等教育については教育課程の改善や教員の処遇改善等、教育条件の整備が進められているが、国民の間には、教員に対して、広い教養、豊かな人間性、深い教育的愛情、教育者としての使命感、充実した指導力、児童・生徒との心の触れ合いなどをいっそう求める声が強い。
 もとより、学校教育の成果を高めるためには、学校における教育指導にまつばかりでなく、家庭や社会における教育的配慮と学校に対する積極的な理解と協力が強く望まれるが、ひとりひとりの子どもの健やかな成長に対する父母の強い願いに思いをいたし、教員自らが更にその重責を深く自覚して、不断の教育実践と自己啓発に努め、学校教育に対する国民の信頼にこたえることが期待される。
 本審議会は、教員に対する国民の要請と教職の専門性にかんがみ、教員の養成・採用・研修の過程を通じて教員の資質能力の向上を図ることが重要であると考え、以下のような改善の方策をとりまとめた。
 政府においては、今後、所要の行財政上の措置を講じ、積極的にこれらの改善方策の推進に努めるよう要望する。

1 教員の養成については、戦後その基本とされてきたいわゆる開放制の原則を維持すべきであるが、高等教育の規模の拡大とともに教員免許状を取得する者と実際に教職に就く者との数に著しい開きが生じ、教育実習その他実際の指導力を養うための教育に不十分な面がみられる。
 これらの状況を改善するため、当面、次の方策を推進する必要がある。

(1) 大学においては、教科教育、教育実習その他実際の指導面に関する教育の充実に留意して教育課程の改善を図ること。その際、初等中等教育において十分な教職経験と教育研究上の実績を持つ者を進んで大学に招致するなどの配慮をすること。
(2) 教育実習については、大学において、学生が安易に教育実習を受けることとならないよう、指導を徹底するとともに、教育実習を円滑に行うため、大学、教育委員会などの関係機関による地域的な連携・協力の組織を設け、実習協力校の整備を図ること。
(3) 教員養成大学・学部については、教員組織や研究費など教育研究条件の一層の充実を進め、また、大学院についてもその整備を図ること。

 以上の方策を推進するとともに、昭和47年の教育職員養成審議会建議において提案された免許基準の改善や教育実習期間の延長などの諸問題について、免許制度その他関連する諸条件の整備を進めながら、その解決に努力すべきである。なお、その際、大学在学中の教育実習に替えて一定期間の教職経験と研修を積むことによりこれを補完することができる方途を講ずるなど、特に中等教育教員養成の実態に応じた方途を考慮する必要がある。

2 教員の採用、研修については、当面、次の改善方策を推進する必要がある。

(1) 教員の採用の方法及び決定時期については、人材を確保するなどの見地から更に工夫すること。
(2) 教員がその年齢や経験に応じて適時、適切な内容・方法により研修を受けられるようその体系的な整備を図るとともに、研修の対象者や内容を考慮して、国、都道府県、市町村などが実施する研修について相互の調整を図ること。
(3) 教員の自発的な研修を奨励するため、校内及び学校間における研修活動がより活発に行われるよう配慮するとともに、教育研究団体に対する助成を更に拡充すること。
(4) 新任教員については、教員としての自覚と実際的な指導力を高めるため、初任者研修を充実し、できるだけ長期間にわたって実施できるようにするとともに、将来において、採用後1年程度の実地修練を行うという施策を実現するよう努力すること。
(5) 現職教員が大学の学部や大学院において研修を行う機会を更に拡充すること。
(6) 研修期間中の代替教員について必要な措置を講ずること。その際、経験豊かな退職教員の活用について配慮すること。

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生涯学習政策局政策課

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