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短期大学制度の改善についての答申 (第13回答申(昭和31年12月10日))

昭和31年12月10日
生涯学習政策局政策課

13 短期大学制度の改善についての答申

(諮問)

昭和30年10月17日

中央教育審議会会長
天野会長

文部大臣 松村 謙三

 短期大学制度の改善について別紙のとおり貴会に諮問します。

短期大学制度の改善について

(理由)

 短期大学は、戦後の学制改革に伴って発足し、高等教育機関として重要な役割を果してきたのであるが、現在なお暫定的制度となっており、また、今日までの実績に徴しても種々検討を要する点が認められる。
 中央教育審議会においても、さきに、本制度の改善策について、大学入学者選考に関連する面からの答申があったが、その後の事情にかんがみ、その目的・性格、高等学校教育との関連および女子教育の特殊性などについてさらに検討を加え早急に改善措置を講ずる必要があると考える。

参考 短期大学制度の改正についての問題点(大学学術局長説明)

1.目的

  短期大学の目的を大学(4年制)とは別個に「深く専門の学芸に関する教育を行い、主として職業に必要な能力を育成することを目的とする。」と明確に規定することに対して、
(イ)  現行の「短期大学の目的使命に甚だしい変革を加えない」で欲しいとの意見
(ロ)  「短期大学設置基準に既に明記されているからこの際学校教育法を改正してそれを規定する必要がない。」との意見

2.性格

 「高等学校教育の基礎の上に主として職業教育その他について充実した専門教育を行う完成教育機関とする。」ことに対して、
(イ)  「大学の範ちゅうからはずれることは反対であるが、独自な目的をたて4年制大学とは異る使命を有する大学とする。」との意見
(ロ)  現行通り「大学教育のわく内におく。」との意見

3.名称

 「短期大学あるいは専科大学」とすることに対して、
(イ)  「専科大学」を主張する意見
(ロ)  目的・性格を前述の如きものにするならば短期大学または専科大学以外に適当な名称はないかとの意見

4.修業年限

 「2年または3年の外に現行の高等学校および短期大学とを合せて5年または6年とするものを設ける。」ことに対して、
(イ)  「学校教育全階程にわたる改正でない以上5年または6年制の専科大学を創設することは、志望を早期に制限し、高等学校教育を混乱させ、専科大学をも低下させる恐れがあり、かくの如くしなくとも適当に両者の連絡協調により、その実を挙げ得ると信ずる。」との意見
(ロ)  「5年制または6年制の短期大学制度は、学校教育法の改正によらず実際上は高校・短期大学両者の基準の新たなる設定によりなすを適当とする。」との意見

5.その他

(イ)  女子教育における短期大学の目的・性格・教育内容等は必ずしも男子の場合と同様でないことを、考慮して欲しいとの意見
(ロ)  学校教育法(第1条第5章表題)に短期大学たる名称を大学と別個に表現しないで欲しいとの意見

(答申)

昭和31年12月10日

文部大臣 清瀬 一郎 殿

中央教育審議会会長
天野会長

短期大学制度の改善についての答申

 短期大学制度については、さきに大学入学者選考に関連してその改善について答申しましたが、その後さらにその目的・性格、高等学校との関連および女子教育の特殊性等について、検討されたいむねの諮問がありましたので本審議会は、特別委員会を設けて改めて審議を行い、その結果に基き総会において慎重に審議し、次の結論に到達しましたので答申いたします。

 新学制の実施に伴い、わが国の高等教育は、原則として修業年限4年の大学において行われることとなったが、当時の高等教育機関の切換えの困難な実情等を考慮して、暫定的措置としてその修業年限を2年または3年とする短期大学の制度が設けられたところ、6年後の今日、すでにその数は268校に及び、職業教育ならびに実際教育の機関として重要な役割を占めるに至ったので、これを恒久的制度に改めるとともに、実施後の状況、社会的要請等にかんがみ、その目的・性格を明らかにし、教育内容等についても改善する必要が認められる。
 よってこの制度を下記のように改め、すみやかにその充実強化を図られたい。

趣旨

  1. 短期大学は、現在暫定的な制度であるが、これを改めて恒久的な制度とし、高等学校教育の基礎の上に、主として職業または実際生活について専門の学芸を教授研究する機関とする。
    なお、この教育機関は、土地の状況、男女の性別、専門の分野等を考慮して、画一的でなく、それぞれ特色を持たせるようにする。
  2. 一貫して充実した専門教育を授けるために、必要のある場合は、高等学校の課程を包含する短期大学(あるいはその他の名称、以下同じ。)を認める。
  3. 短期大学は、専門教育を行う完成教育機関であって、4年制大学とは別個のものであり、したがってその目的・性格は異なるものであって、これに関する規定を設ける場合にも、両者は明確に区別する必要がある。

目的

 短期大学は、深く専門の学芸を教授研究し、主として職業または実際生活に必要な能力を育成することを目的とする。

名称

 短期大学あるいはその他の名称

修業年限

 2年または3年とするが、必要のある場合は現行の高等学校の課程を合わせて5年または6年とすることができる。ただし、夜間において授業を行う場合は、それぞれの修業年限を越えることを常例とする。

教育内容

  1. 専門教育を充実し、応用的能力を育成するために、実験・実習・演習および実技を重視する。
  2. 単位制をとるか、学年制をとるかは、当該短期大学の選ぶところに任せる。

4年制大学等との関連(卒業者または修了者の進学)

  1. 短期大学を卒業した者は4年制大学に編入することができる。
  2. 高等学校を包含する短期大学における高等学校に相当する課程を修了した者は、事情によっては4年制大学または他の短期大学に入学することができる。

備考

 現行の短期大学を新制度へ切り替えるにあたっては、現状を尊重し円滑に行うようにする。

お問合せ先

生涯学習政策局政策課

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