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著作権審議会 国際小委員会(第4回) 議事要旨

1.日時

平成12年6月30日(金曜日) 10時30分~13時

2.場所

東海大学校友会館 「富士の間」

3.議題

  1. 開会
  2. 議事
  3. 次回日程
  4. 閉会

4.出席者

委員

齊藤主査、大山委員、児玉委員、土井委員、道垣内委員、中村委員、半田委員、松田委員、山地委員、山本委員

文部科学省

石野国際著作権課長、吉田著作権課長、その他の担当官

5.議事要旨

1.開会

2.議事(○:委員 △:事務局)

(1)WIPO著作権条約の加入書の寄託等について

 議論なし。

(2)ECによる米国著作権法第110条(5)に対するWTO提訴について

○ パネルは米国著作権法第110条(5)(A)は著作物に限定があるということでスリー・ステップ・テストのうちの「特別な場合」をクリアーしていると考えているようであるが、日本の著作権法では著作物を限定するような規定になっていない。その他の要件で日本の場合はクリアーされるのか。

△ 日本の著作権法にある家庭用受信装置を用いた公の伝達の場合については、具体的に、場合の限定や著作権者の経済的な利益がどのくらい害されているか個別に判断しなければならない。米国著作権法の場合、第110条(5)(B)との比較で(A)をかなり限定的に解する要件として、演劇的な著作物という限定があると考えられるが、日本の場合に著作物の限定がないからだめだという議論に直接結びつくかどうか、必ずしも今回のパネルの判断では明らかにされていない。

△ 著作物の限定に関する議論については、以前の米国著作権法第110条(5)の場合には、演劇的や非演劇的というような区別はなかったわけであるから、今回の判断によってどうなるのか、米国著作権法がどのように変わるのかによって判断が違ってくるのであろう。もう一点日本の著作権法との比較でいうと、米国著作権法110条(5)(A)の場合は、直接の料金が課される場合というのは除いているが、日本の著作権法の場合は、第38条第3項第二文の通常の家庭用受信装置を用いて行う場合については、特に非営利無料という限定がついていない。公の伝達をする際に料金を受ける場合でも日本法であれば許されることとなり、米国の著作権法とは違ってくる。

○ 今の話は直接料金を受けるということか、喫茶店で家庭用のテレビを置いているというような場合を考えているのか。後者の場合は、間接的な営利目的ということになるかと思う。

△ 実態としては、見せるために料金をとるということはあまりないと思うが、今後見せることについて追加料金をとるケースが出てきたとしても、現行の著作権法ではそれでもかまわないこととなる。

○ パネルの判断に対して、米国は受け入れることとなるのか。

△ まだ米国の対応に関する見通しはわからない。

○ フェアユースを一般的に書いているのが米国著作権法の特徴であったが、米国では徐々にこうした細かい規定を法律に書くという傾向が出てきたのか。

○ 米国の1976年著作権法の段階で、かなり一般規定であるフェアユースの規定の他に、個別的な制限規定を入れている。最近になってデジタル放送や衛星放送に関して、制限規定を入れるようになっており、しかも一条文という形ではなく、一章ぐらいのかなり膨大な規定が入るようになったということが最近の米国著作権法の特徴だ。

○ 日本の著作権法は米国著作権法第110条(5)(B)の方に近いということはないのか。

△ これまでは、旧米国著作権法第110条(5)(A)に近いと思っていたが、現行の(B)のものも含められるところがある。しかし、通常の家庭用受信装置というものをどう見るか議論があるところであろう。

○ 日本の著作権法第38条第3項の第一文は家庭用の受信装置でなくともいいのであろう。米国著作権法110条(5)(B)についても無料ということであればいいのであろう。

△ 米国著作権法の場合は、直接の料金が課されないということが条件としてある。

○ 日本法の非営利ということと違いがあるのか。

△ 日本の著作権法第38条第3項の第一文は、非営利と無料という2つの要件が係ってくる。米国法の第110条(5)(B)よりは厳しいものとなっている。第二文の通常の家庭用受信装置の場合には、非営利無料という要件が係っていないので、営利目的でかつ有料で伝達してもかまわないとなっている。そこの部分は米国法の第110条(5)(A)よりは、さらに緩いという感じであるが、(B)との関係でいうと、映像について「55インチ未満のテレビ装置」というような表現があるが、その55インチ未満というものが通常の家庭用受信装置といえるのかどうかというところでは、日米での違いが出てくる。

○ 米国著作権法第110条(5)(B)1にある2000や3750スクエアフィート未満の店での伝達については装置に限定がないわけであり、日本法と大きな違いがある。また日本の場合、「通常の家庭用受信装置」という表現については、どのようなものが該当するかガイドラインを示すようなことはあるのか。

△ 現状、ホテル等でBGMを流すような場合は、有線放送を導入して流しているのが一般的であり、そのようなケースは放送事業者が設置する特別な装置を用いて行うため、第38条第3項の適用はないということで公の伝達権が係ってくるということになる。

○ 第三国ということで、オーストラリア、ブラジル、カナダ、スイスとあるがこれはどのような利害関係がある国なのか。

△ 基本的には権利者側の立場であるEC寄りの立場を発表している。ただ、カナダに関しては特段の立場表明はしていない。日本のように一部であれ整合的であるというような表現をした国はない。

○ 自分の国は利害関係があると主張すれば、第三国として参加できるということか。

△ 具体的にどのような利害関係があるかということをまったく示さずに関心があれば第三国としての参加希望を出せる。

(3)国際小委員会の報告書について

○ パブリック・コメントに関してだが、関係団体に対しては、中間報告に関する意見を聞くというようなことをやらないのか。

△ 中間報告を公表する段階で、関係団体に中間報告を送付し、意見をもらうことを考えている。

○ 前回本小委員会で配付された中間報告(案)と今回の(案)との大きな違いは何か。

△ WTOの取組のところで紛争解決手続きによる二国間紛争の解決という項目を新たに盛り込んだ。

○ 本中間報告の第2次案は第1次案と比べると非常に充実したものになっている。「IT」については通常「情報技術」と言われているが、「通信」「伝達」というような用語を入れた方がわかりやすいとも考えられる。

△ ITに対応する日本語には何種類かある。その中で、最も広く解されるということで「情報技術」という表現を用いている。

○ 最近の日本では「IT」に「情報技術」という日本語を当てることでかなり広まっている。抵抗はない。

○ ADRやプロバイダーの責任や国際裁判管轄の議論等をしていかなければならない。また、現在、国際的動向はテンポラリーコピーは複製であるという考え方であるが、このことについて国際小委員会において問題提起をしなければならない。

△ テンポラリーコピーについて、今回の国際小委員会の報告書の中の位置づけとしては、オンラインプロバイダーの法的責任のところで一つの論点としてありえるのではないかと考えている。

○ ADRについて、工業所有権仲裁センター等が新たに出てきたが、活用度が低い。いかに今ある枠組みを使って活性化させるかというトーンがあったほうが良い。

○ 「デジタル・デバイド」とはどのような綴りの英語なのか。どこから出た言葉なのか。

△ いろいろなところで使われている言葉である。英語の単語としてどのような言葉があったか確認したい。

○ 28ページは、「ユーザーによるアップロードされた」か「ユーザーがアップロードした」であろう。また、「探索エンジン」というのは通常業界では「検索エンジン」という。さらに30ページに「著作権の保護の対象とならないデータベースの部分利用」という表現があるが、この「保護の対象とならない」という形容詞節が「データベース」か「部分利用」かどちらに係るのか。また35ページにある「国際的な標準技術」という表現は「国際的な技術標準」の方が良いであろう。37ページにある「インターフェイスの実現可能性について」という表現の前には「国際的互換性を持つ」という形容詞を入れた方が良い。

○ 4ページにNTTドコモグループのiモードやPlayStation2という固有名詞が突如出てくるが、削除された方が良い。

△ わかりやすい具体例として挙げたが、部内でも固有の商品名を挙げるのは問題ではないかという議論があり、削除の方向で検討したい。

○ 4ページで地上波デジタル放送が開始されると書かれているが、その前に衛星デジタルが開始される。事実関係をしっかりと書いて欲しい。

○ 38ページにある「ゲームソフト」というのは日常よく使われている言葉であるが、それはそのまま報告書内で使って良い言葉なのか。また同ページの下から5行目に「デジタル・オポチューニティ」と書いてあるが、更に適切な表現はないか。

△ 「デジタル・オポチューニティ」という言葉は、経団連から出された報告書や、政府から出されたものの中にも使われた例がある。

○ 外国語をカタカナにしたのであれば、逆に国際的に理解できるような表現でなければならない。その意味で「ゲームソフト」という表現もどうかと思う。

○ この中間報告は確定後は全て英訳されるのか。

△ 全文までいくか概要にとどめるを含めこれから予算等を含めて検討したい。

○ 報告書の7ページに、「創作性の高い著作物」という表現がある。創作性の高い低いによっては保護の仕方を変える国もあるが、ここでいう「創作性の高い」とはどのような意味で使われているのか。使わない方がよいのではないか。

△ 商品となるような創作性の高い著作物以外に一般の人が作った著作物でも幅広く流通にのるようになってきているという意味だが、この文言は削除する。

○ 電子商取引について、CtoBやCが更に事業展開していくというような場面があり、商取引ではない、電子取引もかなり出てくるであろう。その他インターネットのセキュリティーは国際的にかなり議論が始まり、インターネット犯罪を含めて検討されている。電子商取引の利用の容易さについてはまだ動きが激しく、最終的に何かに収斂されるのかどうかまだよくわからない。ビジネスや技術、国ごとのメンタリティーも絡んでくる問題である。それに応じて法的な仕組みも変わるのかどうか、あるいは著作権が関与するシステムは一緒なのかが国際的には大きな課題であろう。

○ 利用の容易さについては、標準化の議論があるが、国や言語、国民性によって同一にできない部分が残ってしまう。

○ 中長期的な技術動向も含めて、味付けできればやってみて欲しい。今回間に合わなければ次の機会にでもやってみて欲しい。

○ 16ページにある「伝統的知識」とはどういうものか。

△ 用語として最近フォークロアと伝統的知識と分けて用いられていない場合があるが、WTOの議論の中によく出ていたのは、伝統的な医学療法やそれぞれの地域で作られている薬の製法をIPRの枠組みでどう保護していくのかということである。

○ 報告書の英訳化の件であるが、特に今回は国際小委員会での報告書であり、是非英訳化していただきたい。

○ インターネット上の権利侵害について、違反者をどう捕捉するのか、どのような態度で望むのか、もう一歩踏み込んだ対策を表現できないものか。例えば、それぞれの地域に監視機関を設けて積極的に動いてもらったり、違反が生じないようにするための一般的な教育も重要であるというような、もう一歩先のものも盛り込んで欲しい。

△ 現在社団法人著作権情報センター附属著作権研究所の事業として、海外における権利侵害についての実態調査をお願いしている。今回の実態調査では、権利者団体や企業に対し、権利侵害に対応していった時に、どこの国で、どういう障害があったかについてもアンケート調査の中に盛り込んでいきたい。アンケートによって、具体的な実態プラス権利執行面での課題を浮かび上がらせた上で、個別の国との関係でどこを強化していくか具体的に出していきたい。今後実態調査の結果を明らかにし、委員の方々のご意見をお聞きしたいと考えている。

 本中間報告(案)については、本日の審議を踏まえ、修正個所等については、主査一任ということで了承された。

3.次回日程

 次回日程については、事務局から、各委員の日程を調整した上で別途連絡する旨の連絡があった。

4.閉会

お問合せ先

文化庁長官官房国際著作権課

(文化庁長官官房国際著作権課)

-- 登録:平成21年以前 --