国立研究開発法人審議会 量子科学技術研究開発機構部会(第11回) 議事録

1.日時

平成31年2月1日(金曜日) 16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省15階 科学技術・学術政策局会議室1

3.議題

  1. 量子科学技術研究開発機構に関する最近の動向について
  2. 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構の中長期目標の変更について

4.出席者

委員

栗原委員(部会長),山田委員(部会長代理),金子委員,神納委員,小板橋委員,櫻井委員,沈委員,本間委員,松前委員,山崎委員

文部科学省

山下企画評価課戦略官,奥量子研究推進室長,廣瀬量子研究推進室長補佐,大榊量子研究推進室長補佐,井上量子研究推進室係長

オブザーバー

田島保英 量子科学技術研究開発機構 理事,板倉康洋 量子科学技術研究開発機構 理事,吉田聡 量子科学技術研究開発機構 部長,内堀幸夫 量子科学技術研究開発機構 センター長,内海渉 量子科学技術研究開発機構 室長

5.議事録

【栗原部会長】  それでは、少し早いですけれども、皆さん、おそろいですので、ただいまより第11回の量研機構部会を開催いたします。
 本日、小板橋委員はお休みという御連絡を頂いています。1名しか欠席がいないということ、皆さん、御出席頂いてありがとうございます。
 本日の会議は、公開という形で進めさせていただきたいと思います。まず、初めに事務局より配付資料の確認をお願いします。
【廣瀬室長補佐】  事務局より配付資料の説明をいたします。本日は、資料1-1から資料2-2、参考資料1から資料4-2と計10種類の資料を配付してございます。議事の途中においても、もし資料の不備がございましたら事務局まで御連絡頂ければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【栗原部会長】  ありがとうございました。
 それでは、まず、議題1、量子科学技術研究開発機構に関する最近の動向についてということで、事務局及び量研から御報告を頂きます。まず、(1)研究開発力強化法の改正について、事務局より御説明をお願いいたします。
【廣瀬室長補佐】  事務局より配付資料1-1-1を用いまして、簡単に説明させていただきます。科学技術関係の法律は、主に科学技術基本法とこの研究開発力強化法と昔呼ばれていた法律2本がございます。この強化法ですが、約12年前、研究開発の開発力の強化や、研究開発の効率的推進を図るために研究システムの改革を推進しようということで作られた法律です。5年前の改正を経て、今回、もう一度改正をされました。今回の改正は、この概要の1.に書かれておりますとおり、科学技術イノベーションの創出の活性を通じて知識、人材、資金の好循環の構築を目的とするために、そもそも法律の名前を強化法から「科学技術イノベーション創出の活性化に関する法律」と変え、前回の国会において法律の改正が成立しました。
 QSTの関係、研究開発法人の関係で大きな改正となったものが3.の産学官連携とベンチャー創出力・成長力の強化の二つ目のポツにあります研究開発法人において法人発ベンチャーに対する支援の強化のために出資ができるようになったといったことがございます。出資可能な法人の拡大として、後ろのページをご覧頂ければと思いますが、これまではファンディング法人に限られていた出資に関して、量研機構を含め、理研など研究開発を自ら行っているような法人においても出資が可能となったというところが大きな改正のポイントです。今回、量研機構もこの出資可能な法人として法理改正において位置付けられましたので、今後のベンチャー支援、研究開発の成果を社会に実装していくという中の支援の方策の一環として出資というものができるようになりました。
 そのほかに研究開発資金の執行の多様化や人材の育成等々に関しても、あわせて改正がされたと伺っております。簡単ですが、以上になります。
【栗原部会長】  ありがとうございました。
 それでは、続きまして、この法改正を踏まえて量研で検討されている出資等の業務について、量研より御説明をお願いいたします。
【田島理事】  産学連携を担当しています量研理事の田島でございます。資料1-1-2です。我々のところで、まずベンチャーがどうなっているか簡単に申し上げますと、我々のところは旧放医研と原子力機構の一部が一緒になってほぼ3年になりますが、それ以前の歴史としては、原子力機構のときにかつて四つベンチャーが発足しました。それで、原子力機構の最後のあたりにもう一つ加わったのですが、それを持ち越して今のQST、ほかの二つとともに三つのベンチャーを認定したという背景があります。さて、それでQSTのベンチャーは、ほかの機関のベンチャー制度とほぼ軌を一にしていますが、規程的にはベンチャーを支援する制度を規程で定め、そして、そのベンチャーの様々な認定等の判断をするための委員会の設置細則を持っています。
 支援の対象等ですが、まず、お手元の資料の左側をご覧頂きまして、支援の対象とするのは、我々が研究開発を行った、その成果は例えば学術的体系化としての論文とか様々あるのですが、知財の創出もございます。そういった成果を社会に還元する。それにかなっているかどうか、そういう企業を支援しようと。それから、我々の方も研究費が今予算としてもかなり厳しい状態になっていまして、自分たちのポテンシャルを上げるとか、そういう自己投資をするのがなかなか難しゅうございますし、その中でこれからの自分たちの進むべき方向を見いだしていくというのも自助努力をするためにお金が必要であるということで研究費、あるいはそういう探索のお金を確保する。その一策として我々がベンチャー企業から対価をもらうということにしております。
 そしてもう一つ対象としては、QSTの職員が設立する、そういう企業であると定めています。認定日から5年間の支援を行います。そして、もし申請があれば審査委員会で再審査をして2年間更に延長することもできるようになっています。その審査委員会の認定基準なのですが、まず、我々の持っている知財に非常に関わっているような、そういう事業である。つまり、それを実際に使って実施許諾を受けて事業を進める、そういうことが必要。それから、その申請する職員が、非常に関与が深いということを定めるために申請者による出資を要件にしています。それから、ベンチャーが事業化する、そのときに実際にそれがうまくいくのかというところをちゃんと見極めようということで、事業計画を審査する。こういう基準でもってベンチャー企業を認定することになります。
 具体的な支援は右側の方ですが、まず、これに関わる職員について兼任を許可する一般的な規程はあるのですが、ベンチャーについては、その日数を更に増やすとかいうことで、ベンチャー企業に対しては条件を緩和して優遇しています。ただし、その職員が責任者=役員、社長等に兼業するという場合には非常勤で、それから、無報酬というのを条件にしています。役員以外の雇用形態で兼業する場合には、ここにありますように月40時間とか、年間60日以内とかいう基準をこれに当てはめています。それから、QSTが持っている知財を実際に活用して事業を進めるというのが本然でありますから、我々が持っている知財について、それを使わせる。再実施権付きの実施許諾を認めるのですが、特に一定期間、独占的実施権も認めるということにいたしております。それから、我々の施設を貸与するということで、研究施設を貸与、また、居室等も貸与することができるようになっています。これはもちろん有償でそれを貸与するわけです。
 そして、最後に今回加わった支援の策が出資なのですが、金銭又は現物による出資を行うことができるように、この4月からするということで今進めているところです。裏側のページをご覧頂きますと、その出資について少しく書いてあります。出資する対象は、我々が認定したベンチャーである、金銭又は現物の出資を行う、これに対する原資は、これは国の方のガイドラインにもありますけれども、それに沿った形で我々が得ている知財のライセンス収入、それから、寄附の収入、大体、大雑把に言ってその割合はほぼ6:4、あるいは5:5くらいで、例えば平成25事業年度から平成29事業年度までを平均すると、年間1億2,000万くらいのお金が入っていますので、これを原資にしようと。ベンチャーの実績は、ここにありますように3社、これまでに認定しています。その出資以外にも先ほど述べた支援策が書いてある。兼業であるとか、施設の使用。それから、我々の研究の方法と一致する場合には、そのベンチャー企業と共同研究をして、それはお互いに裨益するところがあるであろうということで、それもここに掲げています。
 出資の流れですけれども、まず、下の緑の上から下に行くのですが、最初にQST認定ベンチャーという認定を受ける。そういう株式会社に限定する。出資の方法としては金銭、現物であります。その金額等については、今、検討しているところでありまして、自己収入、我々の大体、年間1億2,000万くらい、これを当てにしていろいろなものにも使っておりますから、ベンチャー支援だけに限りませんので、その範囲の中でどれくらいの範囲の金額が適正であるかというのを割り出していこうと思っています。それから、出資予定先であるベンチャー企業の財務状況とか資産状況は、これは念入りに調査をして見定める。そして、ベンチャー審査委員会というのは、もうこれは既に存在していますが、そこに専門部会を設置しまして、これも国のガイドラインにのっとって外部有識者複数名でこれを結成しますが、我々の方の役職員1名も入ることができるとなっていますので、我々の事情を勘案した審議を行うためにそのような構成にいたして、その専門部会で審議をする。
 それをベンチャー審査委員会に上げて、その結論を、それを基に理事会議等で機関決定をして出資の可否を決定する。今、そういう流れの仕組みを作るべく4月に向けて作業をしているところです。もちろん、出資したからといって、ほかのそれまでベンチャー企業に与えていた支援を引き上げるわけではなくて、それは引き続き実施していきますということです。大方のところは大体どこの機関も同じような制度を作って支出ということになるのですが、我々のところで、では、具体的にどんなベンチャーがあるかという、二つ例を実際に紹介したいというのがこの次の紙です。1社、ここでまずライトタッチテクノロジーといっていますが、これはレーザーの開発を専らとしてきた関西光科学研究所から発したものです。
 関西光科学研究所のレーザーは高密度であるとか、超短パルス、超高ピーク、そういう種目別に世界的な成果を出してきたと思っていますが、そういった総合力の中から具体的に社会に還元できるようなものというので、ここでは中赤外レーザー、そういう波長のレーザーを使って血糖値を非侵襲で、すなわち注射針を立てることなく測ろう。それによって数多い糖尿病患者の方々の便益になるのでしたら、それはそれで非常に大きな貢献ではないかということもありまして、レーザーの小型化を進めて非常に小さなレーザーができ上がりましたので、それを基にこの血糖値測定システムを作り上げまして、それを実際に世の中に問うていこうというわけで、これについては今、国内外から多くの問い合わせを受けています。ここもやはり最初の事業の立ち上げから、商品化までの間にかなりR&Dも必要なんですね。それは本来のQSTの事業の中でいろいろな技術がこれから出てくることもありますけれども、商品化に向けて目的的に研究をするためにやはりある種のお金が必要で、そういうことに我々の出資が役立てばと考えています。
 それから、その裏のページですが、もう一つ、御存知のようにQSTは前身の放医研の時代から約25年間、重粒子、炭素によるがんの治療をしてきました。その間の経緯というのは、我々が先陣を切ったと自負しておりますけれども、国内に今、幾つかの施設があって動いています。これを建設するときには必ず我々の研究者、技術者がメーカーと一緒になって、その事業者である大学や医療機関と一緒になって、これまでシステムを作り上げてきたのですが、我々としてはそれを専らとするわけにはいかないわけです。つまり、研究開発を、我々はやってきました。その結果をもとに民間企業はそのまま作る。ただし、ノウハウ等が我々の方にあるので、コンサルティングを向こうから言われればしますけれども、それはQSTの業務としてやるのはなかなか難しいところがありましたので、そこをベンチャーとして独立させて企業と正面から向き合ってやらせようという、考えが出てきて、それをやろうと手を挙げた人たちがいて、これがビードットメディカルという名前で、加速器工学の人たちを中心に作ったベンチャーです。
 現在、山形大学で次の重粒子がん治療装置が今建設中ですし、それから、韓国では延世大学が導入を決めて、日本の企業を落札していますが、これからそういったところで医療システムにするためには加速器と照射装置と、それをつなぐソフトウェアとか、あるいは様々なノウハウが必要で、それは我々のところに蓄積しているので、このベンチャー企業は、我々のノウハウを使いながら企業と一緒になって、そういう事業を行っていくというふうになる。ここにも我々の出資が生きるのではないかと当方としては考えているところであります。
 以上です。
【栗原部会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関して文部科学省又は量研に対して御質問等ありましたら、お願いいたします。どうぞ。
【山田部会長代理】  まず、役所の方に一般的な話をお伺いします。この法律、今までは強化法という名前でいたのですけれども、これ、長い名前になって、略称はどうなりますか?全部言うのは大変なので。
【山下戦略官】  法改正にも関わっていた私の部屋なのですけれども、定まった言い方はないですけれども、通例的に我々、科技イノベ活性化法とか何か言っていますが、そのうちまたこなれた言い方になってくるのかなと思います。
【山田部会長代理】  科技イノベ活性化法ですか。
【山下戦略官】  はい。
【山田部会長代理】  ありがとうございます。
【山下戦略官】  まあ、人によって違うかもしれません。
【山田部会長代理】  それと、この資料1-1-1の2ページ目の裏に御説明頂いたのですが、一番下に資金配分機関というのがあって、今、田島理事からの御説明だと原資は自らの自己収入で賄うということをおっしゃっていましたが、この資金配分機関というのは一体どういう位置付けなんですか。
【山下戦略官】  ここはややこしくなってございまして、1ページと照らし合わせて見ていただけると、この出資の部分につきまして書いているのがこの参考1の上の出資可能な法人ということで、QSTさんも今回この対象になってございますが、この資金配分機関といいますのは、1ページ目で言いますと4.にございます研究開発資金の柔軟な執行と多様化というところで、ここは、要は基金を立てまして中長期なファンディングができるようにするということをこれまで例えば科研費を基金化しまして、長いスパンで運用できるようにというのが既に実施されているものとかあったのですけれども、これを個別法でそういうふうに規定せずに、これはいずれもファンディングできる機関の5機関になってございまして、AMEDにしても、JSPSにしても、科学技術振興機構さんにしても、こういうファンディングの機関は基金を作ってファンディングができるという法改正になっているので、別の話でございます。
【山田部会長代理】  例えばQSTがある出資をしたいときに、こういったファンディングエージェンシーから何か出資を頂く、逆に原資を頂いてということではないんですね。
【山下戦略官】  基本的にこの資金配分機関は、これは競争的資金だとか公募型の制度でございますので、そういったものに提案頂きまして、もちろん採択されるということであれば資金を受けることはできるという形にはなってございます。
【山田部会長代理】  何か新しい予算の枠組ができるということですか。
【山下戦略官】  それはまた今後、都度いろいろ考えられたりするものが出てくるのかなとは思ってございます。現時点では全てのメニューがあるということではなくて、そういう基金を立ててファンディングができるという仕組みができましたということでございます。
【山田部会長代理】  はい。ありがとうございます。
 次、QSTにお伺いします。今、ベンチャーが二つ、非常に頼もしいものが二つ立ち上がっているというお話でした。これが、法律ができて4月から運用されるということをおっしゃったと思うのですけれども、そのときに来年、次の年度の評価に関わってくるので、今までできていなかったことが、この法律によって何ができたかということを期待される。それについてどういう期待をされていますか。
【田島理事】  このベンチャー、両方とも今発進して動いているところですが、先ほど言いましたように例えばライトタッチテクノロジーにしてみればまだR&Dをする必要があるんですね。そのR&Dをする必要がある、その資金をどう調達するかというのが一つの課題でありますので、我々がその部分を出資して手助けすれば、そのR&Dが進むだろうと思っています。
【山田部会長代理】  多分、そういう成果なりの説明が来年にも出てくるということですね。
【田島理事】  はい。そのように今のところ。
【山田部会長代理】  あと、これについては松前委員が専門だと思うのですけれども、出資というと、今、普通に私などピンと来るのは株式投資です。そうすると何らかの株式に対する配当金みたいな対価がありますよね。この出資に関しては、どういう対価の期待があるんですか。
【田島理事】  考えられるのは、例えば株式を、後で転換できるようなもの、権利をもらうとか、そういうことかなと思っています。
【山田部会長代理】  あまり具体的にはまだ。
【田島理事】  基本的には、そういうベンチャーについては出資以外の特許の使用料とか、そういうところでもらうのですが、出資をしたその見返りをどういうふうにとるか、ベンチャーのそれぞれの個性によってもいろいろと違うと思うのですが、これから具体的に話していこうと思っていますが。
【山田部会長代理】  ありがとうございます。
【吉田部長】  すみません、今のを少し補足させていただくと、この二つのベンチャーに出資するかどうかというのは、これから審査委員会で審査をして決めていくということになると思いますので、今御説明したことをもって出資することを決めましたということではないので、そこだけは御承知おき下さい。
【板倉理事】  同じような補足なのですけれども、実は、このガイドラインは説明されるんですか、されないんですか。
【廣瀬室長補佐】  しない予定です。
【板倉理事】  しないですか。
【廣瀬室長補佐】  参考資料に入っている資料です。
【板倉理事】  この出資に当たって、このガイドラインというものが定められておりまして、この中では法人が自らの意思だけで決めるのではなくて、やはりそういう出資の専門家も入れた外部委員会を作って、そこでしっかり吟味しなさいということになっております。ですから、後ほど説明をさせていただこうと思いますけれども、私どもも内部に委員会を作って、それでその出資が適切なのか、ほかの手段がいいのかということも含めて吟味をした上で、その出資すべきということであれば出資をするという、そういう仕組みになっておりますので、実際に出資に至るまでには幾つかハードルもありますし、本当にこの二つなのか、あるいはまた新しい法人が出てきたら、そういうものも対象に考えていくという手順になっていくかと考えております。
【栗原部会長】  ありがとうございました。
【松前委員】  QSTさんに、今、ベンチャーについて続きの質問をさせていただきたいのですけれども、こちらに対して出資をするかということで今これから検討されるということで、これは今、2法人に限ってということなのでしょうか。
【田島理事】  まだこれは、出資制度はこれから作ります。作るとしたら、こういったところに出資が可能かなというふうに我々の方で考えているだけです。
【松前委員】  では、既に存在する株式会社さんに対しての出資という……。
【田島理事】  ええ、もう既に走っております。
【松前委員】  こちらが出資の比率とか言いますと、この申請された方のみが出資されている。
【田島理事】  そうですね。今、はい。
【松前委員】  QSTさんが出資をされると、そういった割合で決まっていくということであるんですね。
【田島理事】  一つには、この企業に対してはベンチャーキャピタルがいろいろと食指を動かしていまして、そういうところとの付き合い方を誤ると、その後の経営が非常に思いもよらない方向に行ったりすると困りますので、なるべくだったら職員で、職員で足りないところを製品をよく知っている我々がというふうにして、なるべく最初、企業が始まるときには外乱を入れないようにしたいなというふうにも思っているんですね。いろいろのオファーも来ているのですが、企業の方でも非常に慎重で、主導権を妙な形で今握られては困るので、それでまず技術の確立を図ろうとしています。
【松前委員】  分かりました。
【板倉理事】  今申し上げましたのは一例でありまして、先ほど私が申し上げましたとおり、新しいベンチャーの動きというものもありますので、ですから、そういういわばどんどん外から投資を集めればいいものもあれば、今、田島がお話ししたように我々がしっかり温めていった方がいいものと、そういったものを要は専門家の方の御意見も聞きながら、私ども出資をしていくかどうかを決めていくというふうに今後なっていくかと思っております。
【松前委員】  そうですね。
【栗原部会長】  この例を示されているのは、多分、今回、こういう制度ができて、今後検討を始めるのに当たって全く対象がないのでは何か空論なので、実際にそういう対象も踏まえつつ、御検討されているということですね。
【板倉理事】  おっしゃるとおりです。
【栗原部会長】  具体的に示されるということで、もう既に活発になさっているベンチャーがあるというものも併せて御紹介頂いたのだと思って伺いました。
【板倉理事】  そうです。
【松前委員】  ありがとうございます。
【栗原部会長】  具体的にやられるときには、またいろいろベンチャーに対する注文も付くかもしれないし、考える上でも何か具体例があった方が制度設計を考えやすいですよね。そういうことだと思います。
 それでは、ほかに何か御質問はありますでしょうか。
【神納委員】  一つ御質問をしたいのですけれども、今、田島先生がおっしゃった中にも入ってくるかと思うのですが、お金を出した後の話です。これは実際に私がある大学のヘッジファンドで経験したことなのですけれども、お金を出しておいてベンチャーキャピタルという面から行くと、それを大きく成長させないといけないわけですね。それで、事もあろうに外国に売りに行けというような動きをとったところもありましたが、って、それは別の方法で止めたことがあるのですけれども、是非国益にかなうような運営をしていただきたいと思います。量研機構さん、結構、エマージングテクノロジーということで新しい日本の競争力になるような技術というのが出てくると期待しておりますので、是非よろしくお願いしたいと思います。御承知かと思うのですけれども、米国は、この11月ぐらいからパブリックコメントを取ったりして、エマージングテクノロジーとファンダメンタルテクノロジーに分けて、今度は商務省が徹底的に管理をしようとし始めていますので、是非そういうのに伍していけるような形に運用していただけたらなと考えております。
【田島理事】  ありがとうございます。我々も今のこの2社についてもかなりの頻度、企業の営業の状態、あるいは財務の状況の変更とか、細かく状況をモニターしているつもりでおります。特に経営権が変更されるような、例えばベンチャーキャピタルの受け入れとか、そういうことがあるときには今、事前にちゃんと教えてくれるように言ってあります。我々もその協議に参加して、そのときには妙なことにならないように。というのは、原子力機構のときに四つベンチャーが発足しましたけれども、やっぱり研究費の不足を補うためにどうするかというので、かなりいろいろな場面がありましたので、そういうときに適切な結果を生むように企業の状態のモニターをしっかりやっていこうと思っています。
【神納委員】  よろしくお願いいたします。
【栗原部会長】  ほかに何か御質問ありますでしょうか。
 私、一つお伺いしたいのは、今回、ビードットメディカルについてはノウハウが2件という書き方でおっしゃっているのは、そうするとノウハウは量研に登録されているノウハウという形で登録していかれるということですね。
【田島理事】  そのとおりです。はい。もちろん、重粒子の治療装置、施設には様々な特許があります。それは量研の方で押さえている。それを実際に使うのは、このビードットではなくて製作するそのメーカーなんですね。そちらの方には我々の知財の実施許諾をする。ビードットはその間に入って、例えば全体のシステムの組み方とか、設計の仕方とか、そういうところでかなりソフト的な仕事になりますので、それは今まで蓄えた、まさにノウハウが人間にくっついていて、そういう人たちがこれを始めたということになっています。
【内堀センター長】  これまで数年に一つ、二つという形で施設が作られてきたところですけれども、今後、どんどんそれが増えていくことが期待されますし、さらに海外への展開ということもありますので、今まで放医研なりQSTがやってきたところを、きちんとサポートしていくような作りに今後していきたいということもあり、こういうベンチャーを立ち上げたところです。
【栗原部会長】  非常に特殊な技術はやはりノウハウがないと使いこなせないということで、そういうものをきちっとした形で守っていくというのは、今後、大学も学んでいかなくてはいけないかもしれないですけれども、いろいろ参考になる活動だと思います。よろしくお願いします。
 ほかに何かありますでしょうか。
【山崎委員】  高崎とか大阪の方には世界にないような粒子線の装置とかいっぱいあるのですけれども、それはベンチャーに貸与するということもあり得るかと思うのですが、その研究所内での研究をやるための使用とベンチャーに貸与するための使用、また、それ以外のところの使用ということで優先順位等はあるのでしょうか。
【田島理事】  前に原子力機構時代にやったベンチャーは、高崎の荷電粒子の加速器とか、ああいったものを使いました。あれは原子力機構なら原子力機構、今はQSTが、持っている施設について共用制度がありまして、自分たちの自己使用と、それから、外部に対して共用する枠を、マシンタイムを分けまして、その外部に対して共用する、その部分についてベンチャー企業も外部の企業と一緒に応募して、それで認められた分についてはお金を払って使うというのが一つと、それから、共同研究になるようなテーマがある場合には、我々の枠の中でその共同研究もやることもありますけれども、基本的には外部利用ですから共用時間の枠を使って使わせることになります。
【山崎委員】  はい。分かりました。
【栗原部会長】  それでは、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、次に(2)量子科学技術研究開発機構に係る平成31年度予算案についてです。事務局から御説明をお願いいたします。
【廣瀬室長補佐】  事務局より資料1-2及び参考資料3を用いまして、今年度、量研機構の来年度予算案に関して御説明させていただきます。資料1-2、縦紙の資料をごらん下さい。こちらに簡単にまとめさせていただいております。まず、はじめに運営費交付金が一般会計、復興特別会計、合わせて219億円が来年度予算として計上されております。主要な取組としましては、量子生命科学の推進に向けた研究開発を通して量子生命科学を学術領域として確立し、生命の理解であったり、医療応用につなげたりしていくための基盤技術開発を国内外の優れた研究機関、研究者との共同研究等を積極的に行いながら実施していきたいと考えております。
 また、イノベーションハブに関しましても、現在、三つのアライアンスがございますが、こういったものを用いて量研が特定分野の複数企業との連携を通して研究開発を実施していくとともに、外部資金を獲得していきたいと考えております。来年度につきましては、これはたしか4年目の事業だったと思いまして、具体的な基盤技術開発のフェーズに移行し、各社との共同研究の拡大や参入企業の増加を目指していきたいと考えております。
 また、二つ目ですが、官民地域パートナーシップによる次世代放射光施設の推進がございます。こちらは来年度13億円、今年度に比べて約11億円増で予算を付けていただいています。こちらは皆さん御承知とは思いますけれども、科学的にも産業的にも高いニーズが見込まれております軟X線向けの高輝度3GeV放射光源を東北に作ることになっておりまして、官民地域パートナーシップにより加入金全額のコミットメントを得た上でとなっておりますが、設備整備に着手するとなってございます。今年度に関しましては、その研究開発や調査をしておりましたが、来年度は、整備に順次入っていくために11億円の増となってございます。
 また、核融合関係では170億円が措置されております。こちらは来年度に那珂研にあるBAのJT-60SAの整備をしっかりと行って、国際約束であるファーストプラズマを期限どおりに実施するための予算というのが措置されていると伺っております。これら全部を合わせまして今年度と同等程度の金額が措置されたとなっております。
 簡単ですが、以上でございます。
【栗原部会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関して御質問等ありますでしょうか。参考資料の3の方に具体的なものが、今の御説明頂いた順番であるように拝見しています。特に何かおありになれば。よろしいですか。
 それでは、御質問がないので先に進みます。では、(3)量子技術イノベーション戦略についてです。事務局から説明をお願いいたします。
【奥室長】  量研室の奥と申します。机上配付されている、「量子技術イノベーション戦略(案)について」という資料に基づいて簡単に御説明させていただきます。QSTに今後大きく関わってくるであろう情報として、内閣府の資料にはなりますが、参考までに説明をさせていただきます。
 昨年の12月14日に政府の中で統合イノベーション戦略推進会議という官房長官をヘッドで全閣僚が入っているイノベーションのための会議というのがあり、そちらでAIとバイオに続いて光・量子についても今後重点領域としてきちんと有識者会議を設置して検討を開始せよという指示がありました。これを受けて内閣府を中心に量子技術イノベーション戦略という形でこれから検討を開始しようとしておりまして、そのためのポジションペーパーがこの資料になります。
 中身について簡単に御説明をさせていただきます。まず、諸外国の動向として、御承知のことかと思いますが、アメリカ、欧州を中心に量子の分野は国家の重要な課題として位置付けて投資を大幅に拡充しているという状況にあります。特にアメリカは昨年12月、量子情報科学に関する法案というのを新しく通しまして、NSF、DOE、それとNISTを中心に5年間で13億ドルの規模での増資をする。EUも同じように欧州のフラッグシッププロジェクトの中で10年間10億ユーロという規模で投資をしています。QSTは除きますが、日本全体の量子科学技術の予算を全て合わせても恐らく50億から60億規模になると思いますので、それと比べると数倍の規模の違いがあるという印象があります。イギリス、ドイツも同じように5年間で500億程度の予算を確保しております。同じようにGoogle、IBMといった企業、特に量子コンピュータの分野を中心に積極的な投資を行っているという状況があります。
 一方で日本の状況はどうかというと、第5期の科学技術基本計画の中で光・量子が一つ重要な項目として位置付けられ、昨年の6月にまとめられた統合イノベーション戦略の中でも光・量子技術については、今後、社会変革をもらたすような重要な技術として国際競争力維持向上に努めるというようなことが書かれています。文科省では一昨年、量子に関する体系的な推進方策を取りまとめましたが、あくまでこれは文科省の中の取組で、政府全体としての国家戦略としての位置付けとなるものは、いまだなかったというような状況です。そのため、各府省において、それぞればらばらに取組を進めていまして、内閣府だとSIP、総務省だとNICT、文科省は今年度からQ-LEAPという事業をスタートさせました。経産省も産総研を中心に量子アニーリングに関する研究開発等を行っていますが、それぞればらばらにやっていて、国全体として体系的な取組になっていないという状況があります。
 一方で、この量子の分野、量子コンピュータがもしも実現できるということになれば、組み合わせ最適化問題はいい事例ですけれども、生産性の向上にもつながるでしょうし、これもQSTに関わってきますが、小型の量子センサができれば医療応用分野、医療健康の分野でも活用が期待されるであろうと考えられまる。量子の暗号についても高度なセキュリティ社会の構築等に役立つということで、いろいろな応用可能性が期待されるので、今の段階から基礎研究にきちんと取り組んでいく必要があるのではないかというような問題意識です。
 基本的な今後の検討の方向性としては、統合イノベーション戦略という国のイノベーションの会議の下で検討するということもありまして、単なる技術戦略にとどまらずに出口、産業イノベーションというのも念頭に置いたような戦略として構築することを念頭に置いています。基本的な方向性として、今、5本の柱を検討しています。一つ目は、産業・イノベーションとして産学の関係機関、関係者が一堂に会して集積したような国際的なハブ拠点を作っていくとか、あるいは先ほどの話にあったようにベンチャーをはじめとするこの分野への投資環境をきちんと整備していくというようなこと。二つ目の国際戦略でEU、米国をはじめ、各国との共同研究を行う一方で、この分野、先ほど神納委員からもありましたが、安全保障貿易管理のような問題もきちんと徹底をしていく必要があるのではないかと考えております。
 三つ目が技術開発で、量子コンピュータをはじめとする量子情報処理、量子計測・センシング、それと量子暗号、これらの分野の中で更に細分化された技術としてどこに我々として注力していく必要があるのかということを見定める必要があります。四つ目が知財・標準化。五つ目が人材育成で、まだまだこの分野は基礎研究の分野なので、人材育成等もきっちり着実に進めていく必要がある。こういう方向性の下でこれから鋭意検討を進めていこうということになっております。検討体制・スケジュール案です。統合イノベーション戦略推進会議の下にタスクフォースを置くことを検討しております。関係省庁の課長級で構成されるようなタスクフォースとともに、有識者会議として8名から9名ぐらいの各分野の専門家に入っていただいて、ここを中心に議論を進めていくことを予定しております。来年の5月、6月ぐらいに骨子で、最終的に年末ぐらいに最終報告を取りまとめるという予定になっています。
 こういう量子イノベーション戦略というのを作る中で、国の量子科学技術の中核機関としてQSTの果たしていく役割も極めて大きいと思っていますので、先ほどのところで国際ハブみたいな話もありましたが、こういうところに是非QSTとしても積極的に役割を果たしていただきたいと思っているところです。参考資料として量子情報処理、量子計測・センシング、量子暗号、それぞれについて例えばこのような分野があるということを簡単に例示しています。具体的な内容、それと日本の強み、弱み、それと今後取り組まなくてはいけない事項といったことを簡単にまとめております。この中から技術戦略にあるような国としてこれから取り組んでいく領域を絞り込んでいくことを検討したいと思っております。今後、次年度の概算要求以降になりますが、QSTの取組にも大いに関係してくることが期待されますので、参考に情報提供として御説明をさせていただきました。
 以上です。
【栗原部会長】  ありがとうございました。
 何か御質問等ありましたら。実は先ほど来年度の予算案というのが出たところで、量子科学技術のところが比較的、従来、量研でやられていたようなところが主で、あまり量子科学技術という文科省で検討されているものに対しては、もっと非常に幅広いものだと理解しているので、どう関連があるのかなと御質問したいところはあったのですけれども、次にこれを御説明になると思いましたので、こういうところには量研の中でも御検討になっているのでしょうか。
【板倉理事】  それにつきましては……。
【板倉理事】  先ほど文科省の方から説明いたしました資料1-2、この来年度予算のところで、主要な取組の一つ目の丸で量子生命科学の推進ということを、私ども力を入れたいと思っておりまして、これはここに書いてある量子コンピュータとは違うのですけれども、今、実はQSTの中で非常に高品質の量子センサー、ダイヤモンドを使った量子センサーを作る技術がありまして、それをいわばバイオロジー、あるいは医学に活用して新しい学際領域の研究分野、もちろん医療応用へもつなげていくという取組を、これは外部の大学の先生とも連携しながら開始をしたところでございます。そういったものは、例えば今、量子戦略で御説明頂いた4ページ、健康長寿社会の実現に向けて量子センサーを活用するというところには我々も貢献できるのかなと考えております。まずはこういったところで私どもも関係する大学などと協力しながら、量子科学技術に貢献をしていきたいと考えています。
【栗原部会長】  量子生命科学分野は量研ができたところから、理事長が非常に熱心にプロモーションされている分野ですので。
【板倉理事】  ええ、そうなんです。
【栗原部会長】  当然、大きく貢献されるという、議論がされていると理解しております。
 ほかに何か御質問ありましょうか。
【山崎委員】  では、よろしいですか。
【栗原部会長】  はい。どうぞ。
【山崎委員】  御説明頂きまして、どうもありがとうございます。二つあって、一つが今後、国として全体をまとめていくというところの中で、是非そこは期待しているところなのですけれども、現状、例えばQ-LEAPの中でも量子通信がまずないと。多分、そこら辺は総務省というか、そちら辺との縦割り的なところがあるのだと思うのですが、是非この全体のタスクフォース、有識者会議の中では量子科学技術というものを俯瞰した取組みたいなものをやっていただきたいというのが一つあります。
 もう一つが、これは当然、絡んでいる人間としてはサイエンスをやりたいという人もいますし、あと世の中の役に立てたいと思っている人もいる。そういった中で世の中の役に立てたいという立場に立つとすると、まだ結構先が長いので、是非長い目で見た取組というのをお願いしたい。特に私自身、これに絡んでいるのですけれども、先ほどのダイヤモンドのセンサーにも絡んでいるのですが、まず、国内でこういう量子科学に取り組みたいという若い人の数というのがそう多くはないということで、是非そこら辺、そういう大学における教育とか、そういったところも踏まえた上で是非今後の量子科学に関する国の全体としての取組も考えていただけたらうれしいなと思っております。
【栗原部会長】  新しい領域は、立ち上がっていくと若い人が非常に元気になるのではないかと思います。今、情報などをやっている若い人を見ていると、どんどん新しい知識を勉強する時間がある人の方が得なのですよ。そうすると若い人の方が時間があるので、彼らの方が勉強している量が多くてもう圧倒的にスピードが速い。だから、やはり新しいところに研究振興していくというのは、そういう意味ではすごく大事で、そこの中に若い人を入れていくのは、すごく大事だなと感じています。実感しています。
【山崎委員】  ええ。なるべく多くの機会で大学1年、2年くらいの方が量子科学でこんなことができるというのを知るような機会を少しでも増やしていっていただきたいということですね。
【栗原部会長】  はい。
【奥室長】  山崎先生にはQ-LEAPでも積極的に関わっていただいておりありがとうございます。一つ目の縦割りについては、まさに国として戦略を作るというのはそこにあって、今まで経産省がアニーリングをやって、総務省が通信をやり、文科省は基礎研究から超伝導、量子ビーム等でセンシングをやり、それぞれがやっていたというのがありました。そこを全部一つに束ねて、省庁縦割りを廃して、一つの戦略として取りまとめるというのが一番の大目標です。総務省も密接に関わって検討に加わっていますので、きちんとまとめられるようにしたいと思っています。
 二つ目の人材育成の話は、まさにおっしゃるとおりで、ここの分野の先生たちには会ってヒアリングをしているのですが、一番の問題はやはり裾野の拡大というか、人材層が圧倒的に薄いというのをよく言われています。そこは骨子の5番目でも人材育成という項目を一つ入れていますが、ここはやはり厚みを増すための施策というのは絶対に必要なのだろうと思っています。量子ネイティブを育てる、これを是非とも柱として位置付けていきたいなと思っています。
【山崎委員】  取りまとめを、全体を俯瞰するということでは、是非文科省に頑張っていただきたいなと思っています。
【奥室長】  文科省の立場なのですが、内閣府の立場でもあるので、この取りまとめは、私の下でやることになります。
【山崎委員】  そうですか。
【栗原部会長】  でも、学術として残っていくと非常に長期的に技術が発展する可能性があると思うので、やっぱり文科省には頑張っていただきたいと思います。
【奥室長】  この分野、アメリカもそうですが、サイエンスベースで進んでおり、今回かなり強調されていると思います。量子コンピュータを見ても、この数年で何か、5年、10年で物になるというものではなくて、かなり長期スパンで考えていかなくてはいけないものだと思っていますので、そこは文科省も最大限貢献していく所存です。
【栗原部会長】  サイエンスベースで進めると、この量子情報科学の米国の国家戦略ガイドには書いてありましたね。
【奥室長】  そうですね。はい。
【栗原部会長】  先日渡してくださった方がいたので読ませていただきました。
 ほかに何か。
【神納委員】  一つよろしいですか。
【栗原部会長】  はい。どうぞ。
【神納委員】  量子というのは、えてして量子の中で終わってしまうことが多くて、是非量子を使って何をするかという部分、例えばゲート型とアニーリング型だと全くこれ、同じ量子コンピュータでもコンピュータとしてのインプリメンテーションが違うわけですよね。ですから、是非そのあたりも含めて開拓していただきたいなと思います。例えば量子センシングにしても、例えば慣性センサーというものが、研究があるのですが、それというのは裏にナビゲーションというテクノロジーがないと全く使い物にならないので、是非その量子を使うといった部分もしっかり開拓していただけたらなと考えております。
 以上でございます。
【奥室長】  サイエンスベースでそのとおりなのですが、一方で、この産業・イノベーションというのを前面に出しているのは、ある程度産業の出口がどうかというのを考えております。ビジネス構造、産業構造が大きく変わる中でどこをターゲットにしていくのかというのも念頭に置きながら、この量子の分野を考えていくというのが主眼にあり、そこは両面で考えております。
【神納委員】  ええ。よろしくお願いいたします。
【栗原部会長】  ほかにありますか。
【本間委員】  よろしいですか。
【栗原部会長】  はい。
【本間委員】  文科省というか、内閣府のお立場でお聞きしますけれども、厚労省は、ここにはまだ入っていないのですけれども、いずれ人への応用ということを考えると量子生命科学、あるいはQSTがいつも掲げておられるがん死ゼロ社会とか、そういった大きな俯瞰図の中ではやはり将来的にそこは絶対入っていくべきことだと思いますので、近い将来、厚労省等関連部局もお入りになり協調的に進めるご予定でしょうか。
【奥室長】  そうですね。統合イノベーション戦略推進会議というもの、一番親の会議は官房長官がヘッドで全閣僚が入っている。この中には厚労省も入っています。この量子のタスクフォースとかを作るときにも、恐らく特定の省庁を排除するというつもりは全くないので、そこは関係するところを広く入れていきたいと思います。厚労省も当然、それは入ってくる。農水省も入ってきます。
【本間委員】  はい。
【栗原部会長】  ほかに何かありますでしょうか。
【櫻井委員】  済みません、いいですか。
【栗原部会長】  はい。
【櫻井委員】  これはすごく大きな話で大変結構でいいのですが、立て付けとしてはこれ量研、QSTが中心になってこの領域をこの国でやっていくということなのでしょうか。
【板倉理事】  多分、私ども得意分野と得意でない分野がありまして、先ほどからいろいろお話が出ている量子コンピュータとか、量子通信については、実は私どもの組織の中にこれらを専門とする研究者が1人もおりませんので、そういったところではなく、先ほど申し上げましたとおり我々量子センサー、高品質のものを作れるポテンシャルもありますし、量子生命科学を進めておりますので、そういった分野で私どもジャパンの拠点になれたらというふうなことで今内部では検討しております。
【奥室長】  ですので、戦略の全てを量研が抱えるということは全く現実的ではないので、この中で特定のもの、量子生命が代表的だと思います。その根幹にあるのはNVセンターとか、量子センサだと思うのですが、そういうところを中核とするような拠点としてQSTがきちんと育っていただくというのを期待しています。
【櫻井委員】  分かりました。
【栗原部会長】  でも、量子暗号のSIPの管理もされているので、いろいろな意味で見渡すというようなお立場はあるのかもしれないと思います。
 ほかに何かありますか。それでは、ありがとうございました。次は議題2に進みまして、量子科学技術研究開発機構の中長期目標の変更についてです。議題1の内容を踏まえて量研の中長期目標を変更するものですけれども、まず、事務局から御説明をお願いいたします。
【廣瀬室長補佐】  事務局より資料2-1を用いまして中期目標の変更案に関して御説明をいたします。なお、この目標の説明の後、量研機構の方から中長期計画の説明をすることになっておりますが、そちらに関しましては法令上、研発審で意見を伺うとなっておりませんので、参考として御紹介するという位置付けになっております。また、今後この目標案に関しまして、総務省、財務省等々との調整があります。その結果において、文言が変更されるということもありますので、御承知おき頂ければと考えております。
 それでは、資料2-1をごらん下さい。新旧対照表で御説明をさせていただきます。初めの1ページ目は目次におきまして事業のまとまりを記載するとなっておりましたが、前回、一番初めに目標を定めたとき、ここの部分がしっかりと記載ができていなかったこともありましたので、今回の目標の変更に併せて、事業のまとまりを示す変更をさせていただきたいと思っております。その上でおめくり頂きまして2ページ目になります。まず初めに先ほどの予算の際に御説明いたしましたが、高輝度3GeV級放射光源に関しまして、官民パートナーシップの下、整備をする予算が措置されましたので、3.の研究開発の成果の最大化、その他業務の質の向上に関する事項の量子ビームの応用に関する研究開発という項目におきまして、この放射光施設の整備に関する研究開発を行うことをまず目標と定めていきたいと考えております。
 具体的には2ページ目、下の方にあります「さらに」以降の文章になります。「学術・産業ともに高い利用ニーズが見込まれる、軟X線に強みを持つ高輝度3GeV級放射光源(以下「次世代放射光施設」という。)の整備・運用を進める国の主体として、次世代放射光施設の整備等に係る研究開発を行う」という目標を新たに追加したいと考えております。また、これに関連しまして、研究開発ではなく、この次世代放射光施設の整備そのものに関しては、3ページ目の4.、赤い文字が三つありますが、それの一番下の文になります。4.公的研究機関として担うべき機能というところに新しく(5)ということで項目を付け加えまして、こちらにおいて官民地域パートナーシップによる次世代放射光施設の整備等という形で、整備の推進をするようにという目標を別立てで規定をしたいと考えております。
 また、一番初めの説明にありました出資機能の追加に関しましては、資料、前後して大変恐縮ですが、資料3ページ目の上段の部分にある変更になっておりまして、2.の研究開発成果の分かりやすい普及、成果の活用の促進というパートにおきまして、これまで知財の活用の促進に関してのみ目標に定めておりましたが、まずここに対して機構の研究開発成果をその実用化、イノベーション創出を図るというような目標を新たに追加したいと思っております。その上で特許と出資の方策というのを記載したいと思っておりまして、「加えて」の文章におきまして、「機構の研究開発の成果を事業活動において活用し、又は活用しようとする者に対しまして出資並びに人的及び技術的援助を適時適切に行う」というものを新たに目標として掲げたいと考えてございます。
 おめくり頂きまして4ページ目のこちらは誤記の修正になりますので、割愛させていただきます。また、目標の変更に併せまして、QSTの評価軸についても目標の変更と併せて変更することとなっております。具体的には、おめくり頂きまして6ページ目になります。まず初めに量子ビームの応用に関する研究開発領域のところで、まず、先ほども申し上げましたとおり、次世代放射光施設の研究開発、整備の研究開発に係るものの目標をここで定めましたので、こちらで研究開発成果については評価をする必要がございますので、ここに関しまして評価軸としまして、「次世代放射光施設の整備・運用を進める国の主体として、次世代放射光施設の整備に係る研究開発に着実に取り組んでいるか」といった評価軸を追加したいと考えております。
 また、研究開発の分かりやすい普及及び成果の活用促進の部分において、先ほど出資の目標を追加いたしましたが、こちらについては、評価軸は成果の分かりやすい普及及び成果活用が促進できているか、出資に関しても評価ができるというふうに考えておりますので、モニタリング指標の中に法人発ベンチャーの出資等に関する取組実績というものを加えまして、このモニタリング指標の中で、その活動を把握していきたいと考えております。
 最後ですけれども、おめくり頂きまして8ページ目になります。こちらが、最後は官民地域パートナーシップによる次世代放射光施設の整備自身に関する評価軸になっておりまして、こちらは評価軸としまして「次世代放射光施設の整備・運用を進める国の主体として、官民地域パートナーシップによる次世代放射光施設の整備等か着実に推進できているのか」というのを評価軸として設定したいと思っております。また、評価指標としましては、官民パートナーシップによる次世代放射光施設の整備に係る進捗管理の状況というのを現在追加したいと考えております。
 事務局からの説明は以上になります。
【栗原部会長】  ありがとうございました。
 それでは、今の点に関して御質問等ありましたら、お願いします。
【山田部会長代理】  よろしいですか。
【栗原部会長】  はい。どうぞ。
【山田部会長代理】  中期目標、中期計画と同じところで、この次世代についてで両方とも2ページ目の、「さらに学術・産業ともに」云々の後に、3行目に「国の主体として」と書いてあるのが、私、これは簡単に読めなくて。例えば核融合で言えばITERについてはその条約があって、それの実施主体がQSTであることが法律で定められているわけですね。ですから、これを素直に私なりに読むと、放射光光源の整備・運用は国が進めるという法律があって、それの主体としてQSTが指定されていると読めるのですけれども、その裏付けというのはあるんですか。
【大榊補佐】  ありがとうございます。次世代放射光施設に関しましては、平成28年11月から国の学術審議会以下の委員会の中で検討を進めてございまして、その検討の結果を昨年の1月に取りまとめたところでございます。その取りまとめの中にこの次世代放射光施設については、国の主体となるべき法人というのを、検討を行ってございまして、この中にQSTが最もふさわしいと書いてございまして、その位置付けを基に国の主体というのを書かせていただいているというものでございます。
【山田部会長代理】  いや、学術会議は国ではないので、要するにある意味、意見表明、発信するだけでいいのですけれども、こういうふうに書かれると、これは国が書いたことになりますので、国がそれを担保しないといけないですね。
【大榊補佐】  はい。更にそれを昨年の1月、同じタイミングでございますが、QSTを国側で次世代放射光施設の整備・運用を進める、検討を進める国の主体というふうに定めたところでございまして、それを7月に、済みません、7月だったと思いますが、大臣の方からそういう指定をして、検討を進める国の主体としたところでございまして、今回、この中長期目標でもって更に位置付けをより明確にして、この国の主体として扱うというふうに書き直しているという趣旨だと思っていただければ。
【山田部会長代理】  はい。だから、国としては覚悟があるということですね。
【大榊補佐】  はい。
【山田部会長代理】  分かりました。
【栗原部会長】  よろしいでしょうか。それでは、ほかにありましたら。どうぞ。
【沈委員】  これに関連してQSTの方にお聞きしたいのですけれども、次世代放射光に関連してQSTの中で推進室とか、準備室とか、そういう組織はできていますでしょうか。
【田島理事】  できております。
【沈委員】  受け皿としてという意味ですか。
【田島理事】  ええ。今、センターという名称ですね。
【吉田部長】  はい。平成30年12月1日付で新しいセンターを立ち上げて、組織的に明確にいたしました。それまでは準備室という名前でありました。
【沈委員】  私は、昔、理研にいましたので、Spring-8ができる前には理研の中で大きな準備室があって、長い間、活動していましたので。
【内海室長】  一言だけ申し上げますが、私、今日は室長という肩書になっておりますが、昨年、このQST部会でも実は同じ議論をさせていただいていたのですが、昨年まで準備室という形で活動しておりました。この予算の成立を契機として平成30年12月に正式名称は次世代放射光施設整備開発センターという名前の組織を研究所相当の組織として発足いたしまして、私がセンター長を拝命しているということでございます。
【沈委員】  それは、実際に場所はどこになるんでしょうか。
【内海室長】  私が答えてよろしいでしょうか。御承知のとおり、これは施設は東北大学の中、仙台にできることになっておりますが、ここでキーワードとして書いてございますが、官民地域パートナーシップでやるということになっておりまして、今、土地の造成であるとか、建屋建設はパートナーさん側にやっていただくということになっております。したがいまして、建屋ができるまでは、我々、そこに行っても仕事ができないものですから、今回、発足しましたセンターは本拠地をSPring-8内の播磨のところに置いております。そこで今、SPring-8の既存の理研やJASRIさんのいろいろな過去の御経験等々もいろいろ拝借しながら、今実際のいろいろな設計等々の業務を播磨で行っている。建屋ができる、恐らく2年後ぐらいには建屋ができると想定しているのですが、そのタイミングで仙台の方に移って実際の活動を始めるというような計画を今作っております。
【沈委員】  ありがとうございました。
【栗原部会長】  ほかには御質問ありますでしょうか。さっきの点、私、地元なので、いろいろニュースを聞くのですけれども、宮城県もきちんと予算化をしたと、きのうか、聞いたところなので、宮城県も仙台市も一生懸命やってくださるようです。
 ほかに何かありますでしょうか。今回は今の次世代放射光のところと、あとは出資できるということに関する点の変更なのですけれども、特に評価軸のところでは、出資のところは非常に広範に支援されている、いろいろな支援の形があるので、なるたけそういうものが評価の指標としていろいろ使えるような書きぶりになっているといいと思うのですけれども、それに関しては割と広範な書き方なのでいいのだろうと思うのですが、人的支援とか、場所を使えるとか、いろいろな形をなさっているので、単に出資するだけの数とか、そういうものではないと思うので、全体の、まあ、それに関しては今の書きぶりでいいですよね。
【廣瀬室長補佐】  はい。
【栗原部会長】  では、ありがとうございました。そうしますと、中長期計画について量研より御説明頂くというのをひょっとすると私は飛ばしたかもしれません。失礼しました。
【板倉理事】  それでは、資料2-2に基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。
【板倉理事】  先ほど文科省から御説明頂いた中長期目標を受けてという形になりますので、内容的にはほぼ同じ内容になっております。まず、1ページ目、目次にこの「官民地域パートナーシップによる次世代放射光の整備等」という文言を入れております。おめくり頂きまして2ページ目でございますが、こちらには量子ビームの応用に関する研究開発の中に、この目標と同じ文言でございますが、この次世代放射光施設の整備・運用を進める国の主体として、その施設の整備等に関する研究を行うという文言を入れさせていただきたいと考えております。
 それから、この2.、同じ2ページの2.に記載しております成果の活用、成果活用の促進のところでございますが、こちらについても中期目標で御説明頂いたとおり、まず、機構の研究開発成果について実用化及びイノベーションの創出を図る。その全般的な文言を入れさせていただいた上で、その知財の取得・活用の後ろに、この出資に係る文言を入れさせていただいております。ただ、こちら、先ほど触れさせていただきました国のガイドラインの方で、幾つかこの出資に当たっての手続を決められておりますので、こちらの文言については次の3ページになりますが、この「機構の研究開発の成果を事業活動において活用し、また活用しようとする者に対し」の後に外部有識者の知見を活用した厳正な審査を経て、担当部署を通じた出資並びに人的、技術的援助を行うということで、その外部の方によりますしっかりとした審査を行うということを中期計画では追加をして記載をさせていただいております。
 また、3ページの中ほどについては、こちらはこの放射光施設の整備ということで、こちらにも中長期目標と同じ記述を入れさせていただいております。3ページの下は、これは誤記の訂正ということでございます。
 それから、おめくり頂きまして4ページでございます。こちらの施設及び設備に関する計画でございますが、変更前はこの中長期計画が作られておりました平成27年度末に予算措置が決まっておりました放医研の施設、それから、核融合関係のブロードアプローチ関連施設の整備についてのみ記載をさせていただいておりましたが、その後、その施設整備の予算、あるいは補正予算を頂いております。また、来年度予算においても今、政府原案の中に盛り込まれている数字もございますので、そちらについて記載をさせていただいたところでございます。
 それから、5ページ目でございます。少し小さくて恐縮ですが、予算につきましては、先ほど4ページに書いておりました施設整備に関する追加の予算額、それからあと、見にくいのですが、高輝度放射光共通基盤技術研究開発費補助金という、これは施設ではなくて研究開発費なのですが、こちらも新たな補助金として措置頂いておりますので、こちらのその推計額についても記載をさせていただいたところでございます。
 それから、6ページにつきましては、今の追加記載のうち、この収支計画、過去の収支計画のところには費用のみ、これは資産計上するものは入れてこの収支計画書の性質上、入れておりません。費用に当たるものだけ追加で記載をさせていただいております。
 次の7ページにつきましては、これは資金計画ということで、これは先ほどの予算の数字と同じ数字をこの資金計画書に追加で記載をさせていただいているところでございます。
 説明は以上でございます。
【栗原部会長】  それでは、今の部分について御説明頂いたところですが、御質問がありましたらお願いします。どうぞ。
【山田部会長代理】  3ページ目の出資のところで、「担当部署を通じた」というのをわざわざ書かれている意図は何なんですか。
【板倉理事】  これは先ほど来お話をしております、このガイドラインにおきまして、ちゃんと、いわば出資を管理する部署を決めなさいという記述があり、現時点でまだ作っているわけではないので、しっかり担当部署を決めさせていただいて、その出資をやらせていただきますということを計画に書かせていただいたところです。
【山田部会長代理】  私、誤解していました。これは出資先によって担当部署が決まるわけではなくて、出資自体を担当する部署を作りなさいという。
【板倉理事】  ええ。そこをちゃんとしっかり決めなさいという、ガイドラインに基づいて。
【山田部会長代理】  分かりました。
【板倉理事】  こちらの記述を入れております。
【栗原部会長】  ほかにありますでしょうか。
【金子委員】  よろしいでしょうか。
【栗原部会長】  はい。
【金子委員】  次世代放射光に関してですけれども、官民地域パートナーシップということで、先ほども内海さんの方からお話がありましたように、整備を先にパートナーさんがやっていただいたりとか、若しくは全体の中で民が請け負うところもあったりとかして、そういうところの予算がきちんと確保できないと、量研の方にまで影響が及んでしまうリスクがあるかとは思うのですけれども、そのあたりに関してどのようにお考えですか。一応、別の委員会で、その辺の議論をした上でこれが進んでいるということは承知しているのですけれども、量研としてやはりこの中長期目標の中にきちんとこれを整備していくということを書かれているということは、そういうリスクに関してはどのようにお考えかということをお聞きしておきたいと思います。
【板倉理事】  そこはなかなか難しい御質問かと思っておりまして、私どもは官民の、官の実施主体という御指定を受けております。当然、このパートナーの東北、財団をはじめ、関係者の方とは密接な連携を取りながら行っておりますが、ただ、責任分担としては、官の分担は官でしっかりやる、民の分担は民でしっかりやるという、その大前提の下にお互いいろいろ相談をしつつ、あるいは情報も共有しながら進めていくという、そういったことでリスクを避けるということは難しいのかもしれませんが、リスクがあった場合でも素早く私どもも対応できるような仕組みにしているということでございます。
【栗原部会長】  よろしいでしょうか。
【金子委員】  はい。
【奥室長】  最終的にこの次世代放射光施設の建設、官民パートナーシップでやるというように最終的に決めたときに、仮に建設費が上振れたりとか、加入金が集められなかったり、こういうリスクがあった場合には、そのパートナーの中できちんと必要な経費を確保するということを確約していただいていますので、そのリスクはできるだけない形で進められるのではないかと期待をしております。
【金子委員】  はい。中長期といった場合に、何が起きるか分からないので、もちろんそういうお約束だということは分かった上での質問なので、変な話かもしれないですけれども、我々としては大変期待をしている施設でございますので、それがきちんと計画どおりに進むことを強く期待しているという意味で、今も密に連携を取られているとお聞きして安心しました。
 以上です。
【栗原部会長】  これが、正式に決まるまではそれほど連携が取られず、東北、仙台、大学の中でも一部の人は活動していたというようなところもあったのですが、今、非常にシンポジウムも数多く開催されていますし、関係する人たちも非常に多く支援しているというふうに見えます。
【金子委員】  はい。
【栗原部会長】  県も非常によく取り組んでくださっているのではないかと感じます。きのう県の方が私たちの所へ来られて、違うことで来られたのですけれども、その話より次世代放射光の話が先に出てきたので、私たちに関係する方を先に言ってくれればいいのにと思ったくらいでした。
【金子委員】  大分安心しました。
【栗原部会長】  それでは、何かほかにありますでしょうか。それでは、これで今日の議題は終わったということで、事務局におかれましては、今日の本部会におけるコメントを踏まえ、必要に応じて修正の上というのですけれども、あまり修正するような箇所はなかったと思うのですが、引き続き関係省庁との調整を進めていただければと思います。
 これで全ての内容について議論は終了いたしました。委員の皆様におかれましては、どうも、お忙しいところ、今日はありがとうございました。事務局から事務連絡等あればお願いいたします。
【廣瀬室長補佐】  本日、御議論頂きました量研の中期目標につきましては、先ほども申し上げたとおり、今後、国立研究開発法人審議会の審議、また、総務省の独立行政法人制度委員会の諮問、財務省協議等々を踏まえまして変更指示を行うとなります。また、中長期計画につきましても、この指示を踏まえて認可変更を行うということになります。関係省庁との調整を引き続き進めていきたいと考えております。
 次回以降の量研部会におきましては、また後日改めて御連絡をさせていただきたいと考えております。本日の資料ですけれども、郵送を御希望の委員におかれましては、封筒の中にその希望する資料を入れた上で机上に残していただければと考えております。また、量子技術イノベーション戦略に関する机上資料に関しましては回収いたしますので、机の上に置いたままでいただければと考えております。
 以上です。
【栗原部会長】  ありがとうございました。
 それでは、これで第11回の量研機構部会を閉会いたします。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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