平成17年5月16日
国立大学法人評価委員会決定
国立大学法人評価委員会においては、昨年10月に「国立大学法人及び大学共同利用機関法人の各年度終了時の評価に係る実施要領」を策定し、続いて本年3月には業務の実績に関する報告書の様式を決定して各国立大学法人及び大学共同利用機関法人(以下、「国立大学法人等」という。)に示した。これらに基づき、今後、各法人が業務の実績に関する報告書を作成し、これに基づいて国立大学法人評価委員会が各法人毎の評価を行うことになる。
この年度評価の結果は、中期目標の実現のために各法人が行う業務運営の改善・充実に活用されるが、国立大学及び大学共同利用機関(以下、「国立大学等」という。)に対する国民の高い期待に鑑みれば、各法人毎の評価結果の情報公開にとどまらず、国立大学法人等全体の改革への取り組み状況について明らかにすることが、国民に対する説明責任を果たす上で重要である。
このため、各法人から提出される実績報告書等を基にして、個別法人毎の年度評価とは別に、国立大学法人評価委員会が国立大学法人等全体の取り組み状況について一定の観点別に把握・分析し、その結果を公表することとする。
把握・分析における観点例については、法人化の制度設計において強い関心事項であった組織運営、人事・会計制度等のマネジメント面を中心に、以下の様な視点に基づき、別紙の通りとりまとめた。
(1)国立大学法人等がその機能を高め教育研究活動の質の向上を図っていくためには、法人化により拡大した経営面での権限を活用して、組織運営、人事・会計制度の弾力化のメリットを最大限に発揮しながら、機動的・戦略的な法人運営を行っていく必要がある。このため、学部等の枠を超えた大学・機構としての視点及び国立大学等としての使命に基づく経営戦略の確立や資源配分の実施を、学長・機構長のリーダーシップにより、1国立大学等の存在意義と経営戦略を踏まえた公正で透明性の高い資源配分基準の設定、2客観的な自己分析等を通じて行っていくことが重要である。
(2)法人化により各法人は、業務の効果的・効率的な運営の確保について、自主的・自律的に取り組むことが求められる。このため、組織・人員の効果的管理や財務内容の改善・充実、業務執行の効率化等が重要である。
(3)国立大学法人等は、国費が投じられ国民に支えられる機関として、国民や社会に対する説明責任を十分に果たした、社会に開かれた法人を目指す必要がある。このため、国立大学法人等の運営に高い識見を持つ外部の有識者の経営への参画により、国民や社会の意見を法人運営に適切に反映させるとともに、運営全般にわたって、透明性を確保し社会への積極的な情報提供に努めることが重要である。
大学・機構として経営戦略を確立しているか
(具体例)
大学・機構としての視点から戦略的な法人内の資源配分がなされているか
(具体例)
戦略的・効果的に人的資源を活用しているか
(具体例)
既存施設の有効活用がなされているか
経営体制を確立し、業務運営の効率化を図っているか
(具体例)
財務内容の改善・充実を図っているか
(具体例)
教育研究組織の見直しが適切に行われているか
(具体例)
中期目標期間における人件費等の必要額を見通した財政計画が策定されているか
施設マネジメントが確立されているか
危機管理への対応策がとられているか
(具体例)
外部の有識者を積極的に活用しているか
(具体例)
監査機能の充実が図られているか
(具体例)
説明責任を果たすための各種の情報公開の方針が策定されているか
高等教育局高等教育企画課
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