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国立大学法人評価委員会(第5回) 議事録

1.日時

平成16年5月11日(火曜日) 13時30分~16時30分

2.場所

グランドアーク半蔵門 3階 「光」

3.議題

  1. 国立大学法人及び大学共同利用機関法人の中期目標・中期計画案について
  2. 国立大学法人及び大学共同利用機関法人の業務方法書案について
  3. 国立大学法人の長期借入・償還計画案について
  4. 国立大学法人及び大学共同利用機関法人の役員給与規程案等について
  5. 年度評価の検討の方向性について
  6. その他

4.出席者

委員

 野依委員長、椎貝委員長代理、阿部委員、荒川委員、飯吉委員、カリー委員、勝方委員、木村委員、後藤委員、鳥居委員、南雲委員、丹羽委員、御手洗委員、小野田専門委員、舘専門委員、宮内専門委員、山本専門委員、朝岡専門委員、荒船専門委員、白石専門委員、和田専門委員

文部科学省

 清水高等教育審議官、合田高等教育企画課長、清木国立大学法人支援課長、藤原学術機関課長、板東人事課長、岡計画課長、奈良国立大学法人評価委員会室長 その他関係官

5.議事録

委員長
 第5回目の国立大学法人評価委員会総会を開かせて頂きます。
 それではまず事務局から配布資料の確認をお願い致します。

 ※ 事務局より配付資料の説明がなされた。

委員長
 どうもありがとうございました。
 それでは議事に入りたいと思います。本日は議事次第のとおりに審議を行いたいと思いますが、まずは国立大学法人及び大学共同利用機関法人の中期目標・中期計画案につきまして、事務局から説明して欲しいと思います。

事務局
 それでは資料1‐1に基づきましてご説明申し上げたいと思います。中期目標の原案、及び中期計画の案そのものは膨大なものでありまして、先生方の席の前にファイルを置かせて頂いております。必要に応じ、参照頂ければと存じます。それで説明に入ります前に、若干これまでの経緯を振り返っておきたいと存じます。
 昨年の9月には法人化前の各国立大学で目標及び計画の素案の作成、提出がなされ、そしてこの評価委員会で議論を重ねて頂き、本年1月27日の評価委員会におきまして、財政上等の理由から修正が必要な事柄、そして具体性の向上など各大学での自主的・自律的な検討に委ねる事柄につきまして、ご指摘を頂いたところです。この内容につきまして私どもは2月に各大学に検討の依頼を致しました。各大学におきまして検討を重ね、役員会、或いは経営協議会、教育研究評議会という4月から発足した法人としての新たな体制における必要な審議を経て、4月中に89全ての国立大学法人から正式に中期目標の原案及び中期計画の案が提出されました。これが本日配布させて頂いている資料です。
 まず資料1‐1の1にあります点ですが、財政上等の理由から文部科学大臣が素案の修正が必要であると求めた内容についての対応状況です。具体的には法律改正を要する事項等文部科学大臣限りでは実施できない事項、財政上の理由から多大な財政支出を伴うようなキャンパス移転、或いは附属病院の再開発等についての修正、共同利用型の附置研究所についてその旨の記述が必要である点、そして施設整備にあたってPFIを活用する場合にはその旨の記述が必要である点につきましてご指摘を頂いたところですが、これらの指摘を受けました大学、23大学ですが、いずれもその趣旨に沿って修正がなされております。
 それから2にあります点です。目標計画につきまして大きく3点あったかと思いますが、全体の整合性、或いは各大学の個性の伸長、そして数値目標の設定など具体性の向上という観点から、各大学の自主的・自律的な見直しや検討の依頼、必要性をご指摘頂いたところですが、これらの点につきましては各大学とも真剣に受け止め、それぞれ検討を重ね、結果としてほとんどの大学、85大学ですが、量の多い少ないはありますが、何らかの修正が行われて、提出がなされてきたところです。主な例を幾つかのジャンル毎に分けてみましたものがこの資料1‐1です。
 まず、全体の整合性確保の観点からの修正につきましては、修正が行われた85大学全てにおきまして何らかの修正がなされております。1つの例としましてここには愛媛大学などと書かれております。目標と計画の関係ですが、目標の内容を精査して、目標を達成するための具体的措置に係る事項で従来の素案では目標の中に入り込んでいたものにつきまして、修正ではこれを計画の方に移行するという修正がなされている例があります。この他では若干の修正、或いは新たな運営体制が発足したことに伴う字句の修正などがなされているところです。
 次に(2)です。各大学の個性伸長の観点からの修正につきましても、ご指摘を頂いていたところですが、これはなかなか分類が難しい点がありますが、私どもで内容を精査致しまして、分類してみたものです。17大学におきましてこのような観点での修正がなされております。幾つかの例をピックアップしておりますが、例えば金沢大学での石川及び金沢の地域性を生かした、具体的にはこれは環日本海ネットワークというような観点からだろうと推測できますが、そういう教育プログラムの実施という記述が修正により加わっております。或いは広島大学の三次被爆医療機関としての機能、これは附属病院についての記述ですが、そういう特性の記述の追加。或いは鹿屋体育大学におきまして、地域貢献の観点から大学がスポーツクラブの創設や運営について貢献するという記述が加わっております。更に琉球大学の例ですが、特化型研究プロジェクトと書いてありますが、これは具体的には沖縄の地域特性、例えば島嶼であること、島であること、或いは亜熱帯地域であることなど沖縄の地域特性、これを生かした学部横断型の特別研究を推進するというような特色を記述したという例が見られるところです。
 次のページに参りまして、具体性の向上の観点からの修正につきましても、多くの大学でなされております。これも3つに分類して整理してみたところです。まず具体的な記述を追加した大学は72大学ありました。これも一例ですが、横浜国立大学では語学力向上の記述の中で、その手法としまして学内英語統一テスト等全学的基準の設定という記述が追加なされております。また神戸大学については、これはNPOを初めとした地域の諸組織との連携を構築した上での研究成果の社会への還元についての記述ですが、その1つの方法としまして、研究成果公表の場(フォーラム開催等)を設けるという記述が追加なされております。また長崎大学の例ですが、就職先の企業の協力を得るなどして学生の卒業後の社会の貢献度の調査を行い、教育の成果・効果の検証を行うというように記述の具体化がなされているところです。
 続きまして2ですが、達成時期を具体的に設定したというものが32大学で見られるところです。これも一例ですが、北見工業大学では学生のいわば教育向上策の一環として、大学院において学生の報奨制度、優秀な学生を表彰する制度を導入するということにつきまして、17年度からという目標時期を具体的に設けております。また秋田大学ですが、卒業生からの大学の評価を聞いたり、或いは卒業生に対する社会の評価を16年度から実施するという具体的な実施時期を記述しております。名古屋工業大学の例で、これは教員の個人評価ですが、17年度までに試行を実施、そして平成18年度から本格実施というように、試行或いは本格実施の時期の具体的な設定がなされているところです。
 3ですが、具体的、具体化の1つの方法としての数値目標の設定です。これは37大学で修正がなされております。東京農工大学の例ですが、地域との多様な連携を中期計画期間中に60件以上という件数の目標値を設定しております。また東京学芸大学ですが、教育系卒業生の現役での教員への就職率を平成21年度までに60%を目指すという目標を設定しております。ちなみに現状は50%少々というところだそうです。また静岡大学の例ですが、特許取得の拡大を目指すということで、16年度は25件、そして目標期間中に倍増を目指すという数値目標を出しております。また高岡短期大学ですが、授業の地域住民への公開につきまして、全授業の2分の1以上を公開して提供するという具体的な目標値を掲げております。
 以上これはあくまでも一例でありまして、これ以外でも各国立大学法人につきまして、それぞれの個性や特色を踏まえて様々な工夫がなされ、目標計画の原案が提出されたというように私どもとしては受け止めているところです。簡単ではございますが、国立大学法人関係は以上です。
 続きまして大学共同利用機関法人につきまして説明いたします。
 大学共同利用機関法人につきましても、国立大学法人の場合と同様の経緯を経まして、4月中に中期目標の原案及び中期計画案が文部科学省に提出されております。具体的には資料1‐2ですが、まず1です。文部科学大臣からは高エネルギー加速器研究機構に対し、(1)リニアコライダー計画、(2)J‐PARC計画、の2点についていずれも財政上の観点から修正の指摘をしています。(1)につきましてはここに書いてあるような「世界の高エネルギー物理学関連研究者が次期計画として実現を希望しているリニアコライダー計画に関する開発研究の推進」という形で、修正の趣旨に従って修正がなされております。またJ‐PARCについても同様に修正がなされております。
 それから2ですが、4大学共同利用機関法人のいずれにつきましても、自主的な見直しを行いまして、(1)機構化の理念を踏まえた目標・計画設定の観点からの修正、それから次のページに行きまして、(2)具体性向上の観点からの修正、或いは(3)全体の整合性確保の観点からの修正でここに掲げてあるような例でより具体化するという修正がなされております。
 以上簡単ですが、ご報告申し上げました。

委員長
 はい、どうもありがとうございました。
 この件についてご議論願うわけですが、その前に国立大学法人分科会の専門委員の先生方からコメントを頂きたいと思います。如何でしょうか。

小野田委員
 私ども専門委員、事前にこの原案に目を通させて頂く機会を持ちました。特に資料の1‐1で言えば2の問題に対して、文部科学省でまとめたようにご説明頂きました。可能な限り目を通させて頂いたわけですが、相当改善されたと思います。ただし、アウトカム評価という視点に立つと、正直申し上げてまだまだ充分ではないという部分はあると思います。まだ評価システムの全体がこれから立ち上がって進化していくということで、今の時点ではこれ以上の更に云々という特に強い意見は、我々の間では出なかったと理解しております。

舘委員
 小野田先生から報告頂いた通りですが、出た意見としては、具体化して頂いた部分があるのですが、どの大学でも同じ程度に具体化されたかというとそうではないので、評価の際に少し難しい問題があるかなということがでました。
 それから色々計画と目標の関係で整理して頂いたのですが、一部やはり具体的というよりは、特に「教育の成果に関わる目標」、「研究の成果に関わる目標」というところで、アウトカムの目標自体ではなくて、プロセス的な目標が相変わらず書かれているものが一部にある。これは評価の際によく読み込んで評価せざるを得ないのではないかという点もありましたが、全体としては小野田先生のご報告の通りだと思います。

荒船委員
 大学共同利用機関法人についても前もって見せて頂き、ご説明がありましたが、人間文化研究機構がずいぶん分かりやすくなったという印象があります。評価は目標、それから計画に沿ってやるのだから、それがきちんとしていれば評価はしやすいと想定しておりました。計画がかなり抽象的という点に関しては改善はされたけれども、まだかなり漠然とした計画ではあるので、評価の仕方もよく考えないといけないなという印象でした。

委員長
 大学共同利用機関法人に関しても専門委員の先生方いかがですか。特にございませんでしたら、双方に関してどなたでも結構です。ご意見賜ればと思います。よろしいでしょうか。
 いくつかご意見承りましたが、文部科学省としては各大学が自主的に判断したということですので、これを尊重し、原案の通り中期目標を策定し、そして中期計画を認可したいという判断です。如何でしょうか。これに対しては意見は特になしということで、後は評価の段階で工夫していくということだろうと思いますがよろしいでしょうか。
 それではそのようにさせて頂きます。後で何か出てきた場合には私に一任して頂きたいと思っております。またこれにつきましては、現在財務省と協議中とのことでありまして、認可等の手続きが終わる前に変更があった場合などの取り扱いにつきましては私にご一任頂くようにお願いしたいと思いますが、よろしくお願い致します。
 次に移りまして、国立大学法人及び大学共同利用機関法人の業務方法書案についてご意見を賜りたいと思います。これもまず事務局に説明をしてもらいたいと思います。よろしくお願い致します。

事務局
 はい。資料の2をご覧頂きたいと思います。国立大学法人、大学共同利用機関法人の業務方法書ですが、1に記述がありますように、国立大学法人法で、独立行政法人通則法を準用いたしておりまして、業務方法書を文部科学大臣の認可を得て定めるとなっております。その際文部科学大臣は国立大学法人評価委員会の意見を聞くという仕組みになっておりますので、今回ご検討を頂きたいということです。
 それで1に記述がありますように、この法律の規定を受けまして国立大学法人法施行規則という文部科学大臣の省令におきまして、業務方法書で定めるべき事項につきまして4点規定がなされております。1が出資の方法に関する基本的事項。これはTLO関係への出資についての事柄です。2として業務委託の基準。3と致しまして競争入札その他契約に関する基本的事項。4としてその他業務の執行に関して必要な事項という4点になっているところです。これは各国立大学法人等におきまして業務方法書の記載事項について検討するにあたりまして、3月に私どもとしましては事務連絡の形で記載例をお示しして、参考にしてもらったところです。その記載例ですが、資料2の後ろの方に付いております。ページを打っております3ページの後のところからが記載例です。
 なお、業務方法書につきましては、この国立大学等の法人化にあたって2年前に報告を出して頂きました調査検討会議におきましても議論がなされまして、教育研究活動そのものにつきましてはむしろ学則等で定める事項であって、業務方法書で定めるのは馴染まない点があるだろうという議論もありましたので、それを踏まえまして、先程のような4点につきまして業務方法書で定めるということにさせて頂いたところです。
 元に戻って頂きまして、業務方法書本体は席上配布資料の形で配らせて頂いております。必要がありましたらご参照頂ければと存じます。
 それでこの4点につきまして全般的に記載例に沿った形で、かつ各大学の特色を出しつつ、必要な事柄が89国立大学法人につきまして定められています。なお、大学共同利用機関法人につきましても、ほぼ同様の方向で業務方法書の案が作成されてきているところです。特に修正の必要性はないのではないのかと私どもとしては考えておりますが、若干の例をご紹介申し上げたいと思います。
 2をご覧頂きますと、(1)目的、これは業務方法書の位置付け等について定めているものです。それから(2)ですが、これはTLOへの出資を行う予定がある国立大学法人につきましては、対象や手続き等の基本的事項について記載をすることにしているところです。東京大学他27大学、計28大学でこの旨の記載がなされているところです。それから(3)で、業務委託の基準です。この点につきましても業務を委託する際の基準としまして、業務委託をすることによって効率的・効果的な実施が望まれる場合に限って行いうるということ、或いは契約によって定める事項や委託に係る財産権の帰属に関する事項を必要に応じて記載するというようなことを記載例で示しているところです。この点につきましてもほぼ記載例に沿って各大学で記載がなされてきているところです。それから(4)ですが、競争入札その他契約に関する基本的事項です。この点につきましては競争入札が原則です。ただ特別に必要がある場合に例外的に指名競争、または随意契約とすることができる旨、さらに政府調達協定等の国際約束の適用を受ける契約内容については、その協定等に定められた手続きに従う必要があるという事柄を記載例に示したところですが、ほぼその内容にそって記載がなされてきているところです。最後の(5)は、その他業務の執行に関して必要な事項です。これは各大学によって違いがありますが、例えば外部資金の受入や施設の一般利用、或いは業務の方法に関する細則等について記載がなされてきているところです。
 以下は説明を省略させて頂きたいと存じますが、事柄ごとに応じて特徴的なものを例示させて頂いたものです。以上です。

委員長
 どうもありがとうございました。ではこの資料2についてご質問・ご意見を伺いたいと思いますが、どうぞご自由にご発言頂きます。

南雲委員
 1ページの業務委託の基準の問題ですが、理解の仕方で少し教えて頂きたいと思います。3行目に効率的・効果的な実施が望める場合に限ることという場合に、効率的・効果的という中身は経費支出と言いますか、そういったものもこの中に含まれているという理解をしてよろしいかどうか。どうしてそんな発言をするかというと、今民間企業とかあらゆる組織が組織の再構築ということで、例えば大企業でしたら分社化をしたり、或いはアウトソーシングをしたり、それから今まで社員が行っていた仕事を業務委託して、専門家に委託をしたほうが経費的に安くなるという意味です。或いは働く側の雇用形態も多様化しておりまして、正社員中心の企業運営から、派遣であるとか、或いはパート社員であるとか、様々な形態の組み合わせによって効率的・効果的な事業活動が行われるように、厳しい環境の中で今そういう側面があると思うのです。そういう意味で今後の点検の時にここでいう効率的・効果的な実施が望まれる場合というのは、そういう視点もあるのだというように思っているのか。あくまでも研究の成果を時間と人の掛け合わせで見ているだけなのだというのか教えて頂けたらと思います。もし入っていないとしたら是非財政的といいますか、経費的な側面をやはり入れておくべきだろうと私は思います。

事務局
 経費的な側面というものも含まれると考えております。ただ経費的な側面に限らず、使った経費に対してどういう成果が出たのか。経費は安上がりになったが、成果は更にそれ以下になってしまったという場合には業務委託する意味はないということになるかもわかりませんし、いずれにしてもそれは総合的な判断になろうかと思います。いずれにしましても経費的な支出という側面も含めて、効率的・効果的なという趣旨であると考えております。

小野田委員
 実は今のご質問現実にはものすごく重要な問題をはらんでいるように思います。1つの例で文部科学省のご判断をお伺いしたいのですが、例えば今大学の研究等々においてはテクニシャン、或いは本当の実験アシスタントのパワーが非常に低いということが研究全体の効率を大変損なっていると言われております。民間企業はこれはかなり潤沢に活用しているのはご承知の通りです。ただしどういう風に活用しているか。当然これは正規の社員ではありません。派遣社員的な形で、但しキャリアとしては立派な、ある意味では技能、技術をもった学卒であり、場合によっては修士のケースもあります。こういう方たちに時間を限ってとか色々な雇用条件でやって頂いています。ただし、こういう人たちを、1つの企業が自分達でいちいち募集して、探してあたるということは少なくて、むしろそういう人材会社を設立したりして、一括してそういう処理も含めてやって頂く。例えばそういうケースは大学の業務委託の範疇の中に入れても許されるのかどうか。多分今までの大学ではとてもやりきれなかったシステムだと思いますけど、これからは多分有力な手段になるのではないかと思います。

事務局
 業務委託と捉えるかはどうかという問題はあるかと思いますが、小野田先生ご指摘のように、必要な人材が派遣会社で用意され、そこから得ることはできる。且つ、その方が経費的にも安上がりであるというような場合にはそういうことも十分可能性があると考えています。一方で技術支援職員、日本の場合には数が少ないということが以前から指摘されておりますが、一方で内容によると思いますが、かなりの専門性が求められるケースもあろうかと思います。それだけの専門性を有する人材を確保し、派遣しうるような民間会社があるのかどうか。それは内容によると思います。そういうものがある場合には、それを活用するということは十分にありうると考えております。

委員長
 小野田委員ご指摘の技術支援職員の問題、大変大学ではシリアスな問題になっているように思います。私も理工系の研究をしておりましたので切実に思うのですが、科学技術基本計画があり、そして文部科学省の色々なご支援で大学に非常に多くの大型、中型の機器が入っているのです。これを誰がオペレートするかということは大変大きな問題で、有力な研究室で大型の機器をたくさん導入された研究室では大学院の学生がこのお守りをやっているのです。多くの機械に大学院の学生が張り付いてオペレートしておりますので、彼らが研究・勉学する時間が極端に少なくなっているという現実があるわけです。これに対してリサーチアシスタントですか、これで費用が賄われていることはそれなりに救われることでもあるのですが、研究の効率全体、或いは大学院の教育全体のことを考えますと、大変大きな問題になっていると思いますので、何か1つ小野田委員がおっしゃったようなことにつきまして考える必要性があるのではないかと思っています。
 他にありませんでしょうか。

宮内委員
 競争入札のところで、実は私ども仕事柄監査の契約の場に臨むのですが、必ずしも競争できる状況がセッティングできているのかどうかという問題があります。特に監査契約は請負ではありません。請負ということになりますと、施主の言いなりに意見を作らなくてはならないとこういう事になりますので、我々監査契約は請負という形ではなく、委任ないし準委任という形で契約を行っておりますので、この競争入札そのものについても今後、今いきなりどうなるということではないだろうと思いますが、今後十分な検討ができるような素地を作って頂ければ大変ありがたいと思っております。単純な金額比較だけで安いところに決めるという方法ではない要素も入れて頂ければというように思います。

事務局
 はい。各国立大学法人の状況を見ながら、ご指摘の点につきまして充分に踏まえて対応してまいりたいと考えております。

委員長
 他によろしいでしょうか。
 はい、ありがとうございました。いくつか有益なご意見を頂きましたが、文部科学省としては各大学の案の通り認可したいというご判断です。これにつきまして意見なしということでよろしいでしょうか。
 はい。それではそのようにさせて頂きたいと思います。またこれにつきましても認可の手続きが終わる前に変更がありました場合の扱いにつきましては、私にご一任頂きたいと思っておりますのでよろしくお願い致します。
 それでは3番目の議題であります国立大学法人の長期借入・償還計画案についてご意見を頂きたいと思います。これも事務局から説明して頂きたいと思います。

事務局
 それでは資料3に基づきまして、平成16事業年度長期借入金の借入および償還計画についてご説明したいと思います。はじめに長期借入の必要性等につきまして、最初にちょっと触れさせてください。
 この3月までは国立学校特別会計におきまして、国立学校の施設整備促進を図るために附属病院の施設整備事業、或いは移転のための施設整備事業について借入金による整備というのを実施してきておりまして、そういうことによって安定的に施設整備を実施してきたところです。本年4月からの国立大学等の法人化に基づきまして、大学校舎等の新増築や改修に要する経費につきましては、基本的には施設整備費補助金で措置していくことにしたものの、引き続き国立大学法人等の施設整備を円滑、かつ計画的に実施していくために、長期借入金の制度を併せて活用していくことが不可欠だというように考えております。このため国立大学法人法の33条第1項におきまして、国立大学法人等は文部科学大臣の認可を受けて長期借入金をし、または当該国立大学法人等の名称を冠する債券を発行することができるという形になっております。この長期借入金による整備は国立大学等の法人化後にあっても、整備後の増収を含めた病院収入をもって償還が可能な大学附属病院の整備事業、並びに移転後の土地処分によって償還が可能な移転整備事業にその対象を限定されております。
 それから法人法の33条第1項の規定に基づく長期借入金の借入に係る認可、及び同法34条の規定に基づく長期借入金の償還計画に係る認可に当たり、文部科学大臣はあらかじめ評価委員会の意見を聴かなければならないとされております。今般各国立大学法人等から提出された長期借入金の借入及び償還計画の認可に先立ち、長期借入金については法律33条第3項、償還計画については法34条第2項の規定に基づく評価委員会のご意見を今回頂くというものです。
 それで1枚目の資料ですが、平成16事業年度借入認可予定額というところをご覧下さい。施設費は合計で451億円、24大学法人。そして設備は167億円、30大学法人。総計として618億円が予定されております。法人数は全部で、これは重複がありますので39法人という形になります。
 それから借入金の借入先は独立行政法人国立大学財務・経営センターです。これは財務・経営センターが一括借入を行うということになるわけですが、その理由としましては、国立大学法人等がそれぞれに借入を行うよりは円滑な借入を行うことが可能だろうということで、国の施設整備費に基づく安定的な資金調達が可能になること、それから同センターが各国立大学法人等に係る借入金及び、償還金を取りまとめることによりまして、事務負担が軽減できること。そういうことで借入先は財務・経営センター1本にしております。
 3の借入を必要とする理由ですが、国立大学法人法33条第1項に基づく附属病院の用に供するために行う施設の整備、又は設備の設置に必要な費用に充てるためということです。今回は国立大学法人等の施設の移転のために行なう土地の取得等に基づく新規借入は予定しておりません。
 借入金の予定利率ですが、施設は年1.5%、設備は年1.1%という形になっております。
 償還期限は、施設は25年、設備は10年です。
 それから元金の据置期間ですが、施設は5年、設備は1年という形になっております。
 元利金の支払い期日は年2回。9月20日、及び3月20日という形になっております。
 元利金の支払方法ですが、施設は半年賦の元金均等償還という形になっております。これは設備も同様です。なお認可申請にあたりましては、平成16事業年度において長期借入を予定している大学法人等は、資金計画を文部科学大臣に提出という形になります。
 お手元の机上資料の、この平成16事業年度資金計画というのがその資料です。
 その1枚目に長期借入金に係る関係法令の抜粋がありまして、黄色い紙をめくって頂きますと、平成16事業年度資金計画という形で内容が示されております。これは各大学から提出されたものです。
 1つだけ説明したいと思います。1枚目1ページが北海道大学になりますが、簡単にいきますと、収入の欄の長期借入金で施設整備、設備整備というのがありまして、16年度計画額に2億5,400万というお金が入っておりまして、これが新規の借入金ということになります。
 支出の方にいきますと、下の方に、長期借入金償還と元金と利息がありますが、まだ借りたばかりで返すところはゼロになっております。
 それから債務負担金というのがこれは財務・経営センターが継承した借入金債務の償還及び利子の支払いに必要な額として、各大学が支払うべき額をここに記載しております。
 1枚めくって頂きますと、国立大学法人北海道大学ということで平成15年度末借入金残高、それから16年度の借入金の予定額、それから償還額、16年度末の借入金残高と、それから16年度の支払利息という形で記載しております。これは大学法人毎に当該国立大学法人における附属病院収入の見込み額に占める債務残高割合、並びに償還割合もそこの下の括弧のところで明示しております。大体こんな形で各国立大学法人から資金計画を提出頂いております。
 次に平成16年度の長期借入金償還計画について説明したいと思います。
 資料3の1枚ページをめくって頂きますと、平成16事業年度長期借入金償還計画という資料があります。1の項目が全体の金額を示したものになっています。まず平成15年度末における長期借入金の総額というのが1兆9億8,700万ということになります。それから平成16事業年度における借入見込額が618億円。併せて1兆627億8,700万円という形になります。それから平成16事業年度における償還計画額が733億8千万円。平成16事業年度末における長期借入金の見込総額が9,894億700万円という形になります。対象は国立大学法人北海道大学外42大学法人という形になります。
 今の総額を学校毎に割振ったものがその下の表で、各大学毎に全てどの位の借入金の総額があるのかというようなことが示されております。
 それから2枚めくって頂きまして最後ですが、これが長期借入金の償還方法及び期限を示したものになっております。償還期限、償還方法等は先程説明したものです。以上で私の説明は終えたいと思います。

委員長
 はい、ありがとうございました。それでは先生方からコメントを頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。

鳥居委員
 今ご説明がありました机上資料の平成16事業年度資金計画で北海道大学のところを見ながら、今度は同時に各国立大学法人の中期目標・中期計画の各大学の最後についている表を比べて見てちょっと質問があります。
 北海道大学の場合は、他の大学もそうですが、中期目標・中期計画の最後の3枚が予算という表と、それから収支計画という表と、それから資金計画という表になっています。その最後の資金計画という表と、平成16事業年度資金計画にある資金計画の表との表形式があまりにも違うので、これはなぜかということです。というのは中期目標・中期計画の方で見ますと、資金収入のところに授業料収入、それから入学金検定料による収入というのが項目として立っています。ところが平成16事業年度資金計画にある各大学から届出のあった資金計画の表の16年度の事業収入のところでは授業料、入学金検定料収入は項目としてたっていないわけです。この要するにどうしてわざとこうした表形式の違いがあるのかがまず分からない。
 それからついでですが、北海道大学のケースで言いますと、その1つ手前に収支計画がありまして、それからその1つ前のところに予算がありますが、この予算のところでみた授業料、入学金検定料収入と、3枚目の資金計画で見た授業料、入学金検定料収入は同額になっていますが、真中の2枚目の表にある授業料収益と入学金収益と検定料収益と名前も変わっているのですが、それは足しても同じ数字にならないのです。ですからおそらく違う考え方でこの3つの勘定表が出来上がっているのだと思うのです。今これから承認しなければならないのは一体この中のどれなのか。要するに私は平成16事業年度資金計画を承認しろといっているのだろうと思うのですが、そうすると既に我々が承認したことになっているこの中期目標・中期計画の後ろにくっついている3枚はどういう位置付けになるのかご説明頂ければと思います。まだちょっと質問あるのですが、とりあえず。

事務局
 鳥居先生ご指摘のこの各国立大学法人の中期目標・中期計画に入っておりますこれは、国立大学法人全体の資金計画、或いは収支計画です。従って授業料収入なども全て入っております。一方こちらの資金計画、これは例えば北海道大学の場合は病院再開発に伴う借入ですので、病院収入で返還するという前提です。従ってこちらの資金計画は左上隅に小さく附属病院と書いてありますが、附属病院に限った資金計画です。そういう点での大学法人全体のものなのか、附属病院だけのものなのかという違い、これが第1点目のご質問についての内容です。
 それからもう1点ご質問のありました法人全体の収支計画、資金計画について、これは収支計画に入っております入学金収益、検定料収益、鳥居先生ご指摘のように収益という言葉を使っております、これはいわば減価償却の概念を含んだ金額を記載しているものでして、そういう点で単純な収入を記載する資金計画と概念も違いますし、金額も異なるものになっているというものです。
 こちらは先程ご承認頂きました中期計画の一部をなすものです。今ご検討頂いておりますものは、借入についてであり、文部科学大臣の認可が必要です。その認可の際に評価委員会の意見を聞くという法律上の仕組みがありますので、その制度にのっとって今回ご検討頂いているという位置付けです。

鳥居委員
 それから資料3で4番に借入金の予定利率が書いてありますが、これは施設について1.5%、設備について1.1%で、これは両方にかかると思いますが、これは10年経過毎に金利の見直しとなっていますが、私立大学、私立学校にくる財政融資資金の場合には1年間の間に何回もこの金利は変わるわけです。その度に文部科学大臣のところで認可頂いて、金利を変えて、貸出金利を変えていますが、この委員会がここで承認すれば10年間この1.5%は変わらないという仕組みになっているのでしょうか。

事務局
 今の借入金の予定金利ですが、これは現在の財政融資の金利が1.5%、1.1%ということでして、あくまでも予定を示しております。ですから今年、例えば1ヶ月後に金利が変わって、その後に借りるということであれば、金利はその金利になります。ですから財政融資の借りた時期の金利によって変わるということで、あくまでも今の予定の利率を示したものです。

鳥居委員
 万が一金利が上がればここにもう1回諮るのでしょうか。それとも後は会長にお任せするという運びで議決するのでしょうか。

事務局
 これについては長期借入の認可は大学からの申請が上がってくるたびごとということになりますので、金利が変わったかということではなくて、各大学の申請に基づいてその時点で評価委員会のご意見を聞くということになろうかと思います。

鳥居委員
 そうすると私立大学の場合は年度途中で借りたくなると借りに来る。そしてそのときにまた、そのときそのときの財投金利にプラス0.1%を上乗せして貸出を行っているわけですが、国立大学法人の場合には当分の間借入の申込は年に1度ということでよろしいですか。

事務局
 今のことにお答えしますが、今年に1回というお話をしましたが、今年は4月に法人化になったということでちょっと通常と事情が違うのですが、通常であれば事業年度の開始前に当該手続きを1回行うという形になります。認可の手続きを事業年度の前年度に行うという形になります。しかしながら実際に貸すのは財務・経営センターになりまして、財務・経営センターは四半期ごとに長期借入および償還の認可をしていく形になりますので、実際は財務・経営センターが貸すときは4期に分かれて貸すような形になっていきます。ですから金利が変わればその時点で変更された金利で財務・経営センターが貸すという認可をする形になります。

宮内委員
 今議論されていることは、平成16事業年度資金計画にある関係法令の抜粋の中の第33条第3項のところと、第34条第2項のことだろうというように理解しておりますので、これは法律事項でやむを得ないことだろうと思いますが、現実的に通常この償還計画とか、借入計画についてOKをだすという感覚からいくと、この単年度の1年だけの償還を行うことについて了解するかどうかではなくて、全体の借入そのものについて果たしてこの償還計画が実態的に可能な償還計画になっているかどうかということを判断して、それが評価委員会の役割であるのかどうかわかりませんが、もしそのことについてのガバナンスを補完するという役割を想定しているのであれば、今年度借入を行うものについて単年度ではなくて、その後の経過年度に関する償還計画表をお出し頂き、それについてOKかどうかという判断を仰ぐのが本来の筋ではないかというように感じます。ただこれは法律条項で決まっていますので、ここで言ってもしょうがないことなのかもしれませんが、実態的にはこの償還計画について意見を聞かれても、こういうように還すことになっているのでしょうということで、決まった、お決まりの事項をあえてまた聞く必要も実はないのではないかという感じがしないでもないような気がするのですが、その辺は如何なものなのでしょうか。

事務局
 全体という話で今まで借りてきたものの償還計画はこの机上ファイルの平成16事業年度長期借入金償還計画ということで、これが各大学法人が既存債務も含めまして今まで借りてきたお金の借入額の全体額を示して、何年度にいくら位返す予定であるかということを示しているものになっております。しかしながら先生のご質問で、計画していて将来どのくらいまで借りるということについては確定していることではありませんので、ここに記載しておりません。
 それから償還が上手くできるのかできないのかというような議論もありましたが、基本的には既存債務というのは現在年間で病院収入は約6,000億円あり、そのうち償還財源が約1,000億ということで、18%くらいを既存債務については返していくという形になります。
 それから16年度からの債務ですが、これは病院収入をもって返すということですが、附属病院収入でもって優先的に返していく、優先的に附属病院収入を充てていくということになるわけですが、国立大学法人というのが独立採算性を前提にするものではないということもありまして、その業務が円滑に進んでいくように国が運営交付金等の財源を確実に措置していくことが基本というように考えております。

委員長
 はい、他にありますでしょうか。
 よろしいでしょうか。文部科学省としては各大学の案をその通り認可したいという判断ですが、色々ご意見もありましたが、それでよろしいでしょうか。
 はい。それではそのようにさせて頂きまして、またこれも先程と同様に、認可の手続きが終わる前に変更があリました場合にはその扱いを私にご一任頂きますようお願いいたしたいと思います。
 その次の議題です。国立大学法人及び大学共同利用機関法人の役員給与規程案等についてご意見を頂くことになっております。事務局からまず説明して頂きたいと思います。

事務局
 資料4‐1から4‐5及び参考資料についてご説明申し上げたいと思います。
 まずは参考資料をご覧頂きたいと思います。国立大学法人法35条の規定により独立行政法人通則法の規定の準用がなされておりますが、役員の報酬及び退職手当に関しましては、独立行政法人通則法の52条、53条が準用されており、各法人が支給基準を定め、これを大臣に届け出るとともに公表しなければならないとされております。この支給基準につきましては、52条3項にありますように、国家公務員の給与その他の事情を考慮して定められなければならないとされ、また、52条1項では役員に対する報酬及び退職手当はその役員の業績が考慮されるものでなければならないと規定されております。
 評価委員会との関係ですが、53条にありますように、ここで評価委員会とあるのは国立大学法人法により国立大学法人評価委員会と読み替えられておりますが、前条による届出がありましたときには大臣は評価委員会にそれを通知し、評価委員会におきましてはこの支給基準が社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて大臣に意見を申し出ることができるとされております。今日お諮りをさせて頂いておりますのは、役員の報酬及び退職手当の支給基準について各法人から届け出がありましたので、その内容につきましてご意見を頂ければということです。
 中身についてご説明させて頂きます。
 資料4‐1をご覧頂きたいと思います。1ページ目で、学長と機構長の報酬についてまとめております。報酬額の定め方については、1の(1)にありますように、月額を固定して定めているものが大多数ですが、15法人につきましては国家公務員の指定職俸給表に則ったような基本給表を定めまして、その範囲内で決定することとしております。この中には、1号俸から12号俸まである国家公務員の指定職俸給表をそのまま載せ、実際には適応を予定していない高い号俸まで設定している法人もあります。
 参考の括弧の中ですが、現在最高と致しましては指定職12号俸相当です。これは従来指定職12号俸を支給されていた2大学がそのまま移行しているということです。最低につきましては2つの大学が指定職6号俸相当としております。
 また、法人化前の学長給与と同額とした法人が多数で76法人ですが、報酬額を1号俸程度高くしている法人が6法人あり、1号俸下げているとか、端数を切り下げることにより報酬額を低くした法人が8法人あります。
 1の(3)ですが、役員の業績及び法人の業務の実績を考慮しなければならないということが法律上定められているわけですが、役員報酬規程に勤務実績等を勘案して報酬額を変更できる旨明記している法人があり、その中には、国立大学法人評価委員会の評価結果を勘案したり、参考にすることを規定している法人が7法人あります。
 2のボーナス(賞与)については、年間支給割合を国家公務員と同様に3.3ヶ月分としているところが89法人、その都度定めることとしているところが4法人あります。
 ボーナスへの業績評価の反映につきましては、国立大学法人評価委員会の評価を勘案するなど、93法人中87法人で何らかの形での業績評価の反映を規定しておりますが、これを規定していない法人が6大学あります。独立行政法人通則法上の独立行政法人につきましては、通常、少なくともボーナスについては業績評価の反映を行なっているということがありますので、独立行政法人通則法が役員の業績や法人の業務の実績を考慮することとしていることも踏まえますと、業績評価を反映することとしていない法人につきまして、少なくともボーナスについてはそういった規定を設ける必要があるのではないかと思います。
 次に2ページ目をご覧頂きたいと思います。
 常勤理事の報酬の定め方につきましては、(1)にありますように全理事同額として月額を定めている法人が16法人、(2)の役員基本給表を定め、この範囲内で決定する法人が77法人あります。理事には色々な方がおられ、その職責も様々であるということもあり、役員基本給表の範囲内で決定するという定め方をするところが多いわけです。その中でも、個々の理事ごとに学長が別に定めるという場合と、職務内容・職責により月額を定めているという場合とがあります。
 参考にありますように、最高額としては指定職7号俸相当ということで、これは26法人68名おります。最低としては、職員給与規程を適用しているケースがあリ、これは事務局長兼理事で国家公務員の行政職11級相当の金額です。
 それから(3)にありますように、勤務実績等の勘案につきまして役員報酬規程に明記している法人は24法人です。
 ボーナスの関係につきましては、学長の場合と同様です。業績評価の反映等についても同様ですので、業績評価の反映に関する規定を設けていないところについては、そういった規定を設ける必要があるのではないかと思います。
 それから、その他といたしまして、職務内容、職責により別に手当を支給する法人が1法人あります。これは副学長を兼ねている常勤役員に副学長手当を支給するというものです。
 次のページですが、常勤監事につきましては、更に月額を固定して定めている法人が増えております。それから役員基本給表を定め、この範囲内で決定する法人は43法人です。最高が指定職6号俸相当ということで、これは1法人だけです。また、最低も35万円ということで、これも1法人です。
 それから(3)にあります勤務実績を勘案して報酬額を変更できる旨を明記しているところは20法人です。
 常勤監事の報酬額の定めのない法人は19法人ありますが、これは小規模な大学などで、当面常勤監事を置かないという法人が報酬額の定めを置いていないということです。
 ボーナスについては先程からご説明していることと同様です。
 次のページをお開き頂きまして、今度は非常勤役員の報酬です。非常勤役員につきましては、理事・監事共に色々な勤務実態があるわけですので、報酬額の定め方についてもかなりバラエティに富んでいるわけです。規定のない法人は当面非常勤理事がいないというケースですが、月額や日額を固定して定めている法人や、学長が勤務実態等を考慮して個別に定めることとしている法人があります。
 月額で定めている場合には、8万円から50万円の幅がありますが、この50万円のケースは、1大学ですが、これは常勤理事の勤務時間の6割の週3日相当の勤務を行っているというケースですので、常勤理事の報酬に6割を掛けたという形の金額設定になっております。日額で定めている場合には、2万円から5万2千8百円ということで定められております。
 それから非常勤の監事については、月額等を固定して定めている法人は更に数が増えております。月額については、低いものについては2万7千4百円というケースがありますが、これは勤務の回数を考慮してということになるわけです。高い方の42万1千5百円というのも週に3日程度は勤務しているというケースです。それから日額については1万8千円から5万円という幅があります。
 以上が報酬関係になりますが、詳しい大学毎の中身につきましては、資料4‐2に基本給の額などについての概要を整理させて頂いております。
 それから資料4‐3については、諸手当としてどのような手当が出されているかということを整理させて頂いたものです。
 次に資料4‐4をご覧頂きたいと思います。退職手当につきましては、すべての法人で退職日における月額に100分の12.5を乗じて得た額としておりますが、これは、独立行政法人の場合と同様です。
 業績評価につきましても、全ての法人で役員としての在職期間における業績を考慮することを規定しているわけですが、その考慮の仕方、率等についてはこの括弧の中にありますように、色々あります。
 この中で、例えば国立大学法人評価委員会が業績勘案率を定めるというような規定を設けている大学が18大学あります。これは、他の独立行政法人について、独立行政法人評価委員会が業績勘案率を定め、それを退職手当額に乗じるということについて昨年の12月に閣議決定がなされましたので、それにならった規定を設けたものではないかと思いますが、この閣議決定は独立行政法人や特殊法人を対象にするものでして、国立大学法人はその対象にならないことから、これにならう必要はないということと、また、国立大学法人評価委員会で業績勘案率をご議論頂くということは、国立大学法人の趣旨からみても、また量的に非常にたくさんの数に上るということからも困難であるということがありますので、国立大学法人評価委員会が定める業績評価率を乗じると規定している大学につきましては、別途業績評価の反映方法を検討する必要があるのではないかと考えているところです。
 以上、こちらの方で気づきましたことを改めて繰り返させて頂きますと、まず報酬規程に関しましては、第1に、93法人中87法人につきましてはボーナスの支給に当たり業績評価の反映についての規定を設けておりますが、残り6法人についてはそのような規定を設けていないということ。
 第2に、国の指定職俸給表をそのまま規定している大学において、実際には適用を予定していない高い号俸まで設定しているところがあるということ。
 第3に、国立大学法人評価委員会が定める業績勘案率により退職手当の額を決めることとしているところがあるということ。
 その他色々ご意見を頂ければと思いますので、よろしくお願い致します。

委員長
 大変詳しく説明して頂きましたけど、まずご意見たくさんあると思いますので、専門委員の先生方からご意見を賜りたいと思います。

山本委員
 専門的なことだけ先に申し上げたいと思いますが、独立行政法人評価委員会が行う業績評価の結果を勘案して役員の期末特別手当の額を増減することとしている法人がありますが、国立大学法人につきましては、国立大学法人評価委員会の管轄ですから、これは訂正して頂く必要があるだろうと思います。
 それから、評価委員会の項目別の業績評価を勘案して役員の賞与の額を増減することとしている法人がありますが、年度評価をどのくらい細かくやるかという議論とも関わるのですが、ここまで書くと事務局がおっしゃられたことと同じような問題が生じかねないのではないかということの2点だけ、少し技術的なことで気になっております。
 後はまた皆さんの議論を頂きたいと思います。

委員長
 ほかに専門委員の方からございませんでしたら、どなたでも結構ですけれどもご意見を賜りたいと思います。
 ちょっとお伺いしたいのですが、俸給というのは運営費交付金から支払われる金額ということですね。このほかに特に業績のあった、特に功績があった、能力のある役員を特に高く処遇をしたいという場合の資金源ですが、これはやはり外部資金などを導入して充てるということになるのですか。俸給というものの定義なのですが、少し教えて頂きたいと思います。

事務局
 運営費交付金につきましては、人件費が幾らという仕切りがあるわけではありませんので、全体の中でどういう金額を設定するかということは各法人が決めることで、外部資金などをうまく活用していくというようなことも可能です。ただし、人件費全体が大きくなるということにつきましては、その他の色々な経費を圧迫していくという要因になりますので、経費構造の中で人件費をどのような割合で考えていくのかという中では、大きな問題になってくると思います。

委員長
 俸給は俸給として決めておいて、さらに特別に功績のあった役員については、その俸給以外に加えることも可能なのですね。

事務局
 役員には限らないと思いますが、例えば特定の方に何らかの報奨金のようなものを出すというようなことは可能ではないかと思います。

委員長
 私が伺っているのは国立大学が法人化されたわけですから、今までよりももう少しメリハリを利かしたといいますか、能力業績に応じた処遇があるべきだろうと。一方で運営費交付金というものを財源として俸給が支払われるわけですから、あまり極端なことも難しいことだろうと思うわけです。

事務局
 報酬については業績を考慮して、或いはボーナスについてもその業績を反映させてということがありますので、報酬や退職手当自体に業績の反映がなされるということにはなるわけです。
 運営費交付金については、例えば運営費交付金の積算上は監事の俸給額がどのくらいかとか、そういう積算は一応あったとしても、その額に必ずしも縛られるものではないということを先程申し上げました。

委員長
 先程事務局から、中小規模の大学の学長に、最高号俸の給与を出しうることとしていることはいかがなものかというようなご意見があったように思います。確かに一般的には業務の多さなど様々なことを考えればおっしゃる通りだと思いますが、ある大学が、学長の努力ですばらしい大学に生まれ変わったとすれば、高い俸給が支払われても問題はないのではないかと思うのです。

事務局
 私が先程ご説明しましたのは、大学として高額の俸給を支給する予定がないにもかかわらず、国家公務員の指定職俸給表をそのまま持ってきていることは、誤解を生むもとではないだろうか。現在の給料から見ても、上限を比べますと、何号俸も非常にアップしているということになりますので、そのことが現時点において妥当かどうかということです。

御手洗委員
 質問させていただきます。現在民間では、人材の国際的な流動性が高まっており、ご存知のように、海外の経営者が日本の企業のトップに就任するといったことが普通に行われるようになっております。今回の役員報酬規程はかなり長期にわたって法人としての国立大学の運営を規定していくことになると思いますので、その間には大学でも同様のこと、つまり、理事長や学長を海外から招へいするといったことも望まれるようになるのではないかと思いますが、そうしたことは可能なのでしょうか。

事務局
 それは可能です。

御手洗委員
 優れた人材を海外から招くためには、その人材の能力や実績に応じた報酬、また、就任後の権限の範囲などを個別に設定できる必要があるのは民間では自明のことであります。そうした視点から先ほどご説明いただいた規程を考えますと、あえて言えば、未だ法人化以前の「国家公務員的」なルールから大きく脱していない印象が否めません。グローバリゼーションの中で大学が優れた経営者としての学長や理事長を必要としていくならば、規程はより柔軟なものであることが求められると考えます。

事務局
 これは法人化のスタート、第一歩ですので、国家公務員制度から引き続いているようなところはあろうかと思います。全体的な給与規程自体もそうですが、今後法人が法人にふさわしい制度をどのように考えていくべきかという本格的な議論はあろうかと思います。ただ、現時点においては、法人がスタートしたところですので、例えば業績などが評価されていくのは今後のことでありましょう。スタート時点で今までの実態と急にかけ離れた形になるということについては、社会的に許容されるものかどうかと思いますが、例えば外国人や特別な方を学長に招へいするというときの長の給与、報酬をどうするかということはその都度改めて定められていくことになるのではないかと思っております。

御手洗委員
 スタート時点においては、現状をふまえた規程とするのが現実的であるという事情は良く承知しております。ですから、私からはお願いとして、学長を決定するプロセスを含めて、ぜひ広く優秀な人材を大学の経営者として求めることができるような、「開かれた」体系に向けて方向づけていただくことを提案いたします。

委員長
 私も全く同意見でして、例えば資料4‐3を見まして住居手当をみますと、ほとんどの大学でバツになっているわけです。外国で活躍しておられる方を日本にお招きしたときには、住居というのは無いわけです、一般論として。そういった方はお招きできない。或いは北海道大学の役員に九州の大変立派な方をお招きした場合に、やはりこれは住居手当というのは十二分につける必要があると思うのです。このままですと北海道大学の役員は北海道に住んでいらっしゃる方でなければ、札幌に住んでいらっしゃる方でなければならなくて、九州大学の方はやはり博多に住んでいらっしゃる方でなければ役員になれないということがあると思うのです。
 ですから報酬規程というものは基本給、諸手当はこれで良いとして、これを補完するものがほかに必要であると私は思っています。研究者の流動性の重要性というのは大変活発に議論されておりますが、役員等につきましても国内・国外、それからセクターの違いを通じてあるべきであって、やはりこれを促すものでなければいけないと思うのです。ここに定めておられるその表は極めて流動をディスカレッジするものだと私は思っております。

事務局
 現時点ではご指摘のように国家公務員制度からそのまま引き続いているような規定が多いわけですが、今後例えば年俸制を考えていくところもあるだろうし、色々な検討の可能性はあろうかと思います。役員の報酬については色々な要素を既に織り込んだ額であるため、手当については非常に少ないということですが、必要に応じて今後色々な検討がなされていくということだろうと思います。

鳥居委員
 質問ですが、私立大学の中には、教授から学長や理事長になった場合にそこで一旦退職金を払って退職してもらって、それから管理者になる、理事長になるという大学もあります。この国立大学法人の場合にはそのところはどうなのか。
 もう1つは、例えば学長がまだ授業を持っているという場合と、完全に退職して専業の役員になる場合とでは、今申し上げた点が違ってくると思います。一般に大企業では最近の商法改正で報酬委員会、指名委員会、監査委員会の方式になってから、特に役員になる方は一旦退職してから役員になる。そのときにちゃんと退職金を払ってしまうというやり方が多いわけですが、その辺をこれからどのように考えていくのでしょうか。

事務局
 役員には色々な方がいらっしゃるかと思います。また教授職などに戻るということを前提として比較的若い方が就任をされているケースもありますし、かつてその大学におられた方が理事になられている、或いは企業等を辞めた方を招へいしているというケース、或いは企業から比較的若い方に来て頂いて、そしてまた企業に帰るというようなケースなどのように、色々ありますので、既に退職された方もあれば、また例えば教授に戻るような役員の方もいらっしゃる。学長につきましては少なくとも職責の大きさからしまして、学長としての管理業務に専念して頂きたいということですが、理事については、例えば若干の研究指導業務などを、職務に支障ない限り遂行されているというケースもあるかと思います。このようにいろいろなケースがあり、必ずしも役員になる時点で退職金が支払われることとはなっておりません。

南雲委員
 この4月から国立大学法人がスタートし、国家公務員制度の適用がなくなったわけですから、このことを契機に時間をかけて幾つか改革をすべきだと思います。
 民間企業では例えばパートタイムの人がフルタイムになる場合があります。フルタイムからパートタイム、これは係員レベルですが、この場合、退職金はその都度計算して累積するのです。それから従業員から役員になりますと、そこで一旦退職してから役員になります。ですからその際従業員としての退職金規程を適用して精算をします。国立大学法人になったわけですから、急には行かないと思いますが、基本的概念はそう持つべきだろうと思います。
 それから、常勤役員の諸手当については、民間企業では、役員に寒冷地手当や調整手当などは全くないです。職員にはありますが、役員は年俸といいますか、報酬が低ければ上げればよいわけです。諸手当を職員と同じようにつけることは良いことかどうかと思います。これは職員の発想の延長線にあると思います。
 業績評価をしていくとすれば、賞与の支給月を3.3ヶ月で固定しているのは横並びでありまして、2ヶ月のところがあっても良いし、4ヶ月のところがあっても良い。2ヶ月のところは逆に言うと業績評価で2ヶ月くらいもらうということがあって良い。何かインセンティブがまだ働かないです。退職金も硬直的だと思います。
 数年後には、評価委員会が各大学を、ここは中期目標に対してAだとか、ここはBだとか、急に差はつけられないですからCと3段階程度に区分して、将来は5段階程度に区分する評価をし、中期目標や中期計画の実行状況や成果が報酬に反映されるようにするということも考えられる。
 まだスタートしたばかりですから、今文部科学省から説明があったことはわかるのです。今までは一律的で護送船団とは言いませんが、国家公務員というのはそういう職ですからやむをえなかった。しかしこれからは少し変えていく方向をどこかの時点で議論して、すぐにとはいいませんが、方向性だけは出しておかないと、競争上ちょっと問題があるのではないかと思います。これは意見です。

木村委員
 国立大学法人は狭義の独立行政法人でないので状況が違うのかもしれませんが、狭義の独立行政法人では、給与を変える場合には必ず評価委員会の承認を得るということになっていると思います。先程野依先生が言われたような場合には、この委員会で認めてもらうということになるわけですか。
 それからもう1つ退職手当のことですが、0.0から2.0の範囲内で定める業績勘案率が1.5を越える場合には官邸に報告をしなければならないというようなことも聞きましたが、その辺はどうなっているのでしょうか。国立大学法人も同じような縛りを受けるのでしょうか。

事務局
 ご質問の中で独立行政法人と同じような業績勘案についての仕組みなのかということですが、これは先程ご説明致しましたように、独立行政法人の退職手当を決める業績勘案率などの仕組みは国立大学法人には適用しないということで確認させて頂いております。官邸サイドに報告しなければいけないというのは独立行政法人と特殊法人のケースということです。ただし、役員の報酬や退職手当の支給の基準については、公表することが必要ですので、運営費交付金により支えられている国立大学法人として、どういった報酬なり、退職手当なりがふさわしいかという国民の目もあろうかと思います。
 それから、変更の場合も同様に各大学から文部科学省に届出がなされ、評価委員会のご意見を頂くことが出来るということになっております。

木村委員
 この委員会で認めれば高い給料を支払うことも可能であるということですね。

飯吉委員
 今日は役員報酬の話ですが、それ以外の教授・助教授・スタッフの給料に関してはどうなるのですか。全く学長の裁量でよいのか。雇用形態というものはこれから非常に柔軟に考えていく必要性が出てくるのではないかと思いますが、その辺の取扱はどのようになるのでしょうか。

事務局
 一般の教職員については学長が定めるということになるわけです。それも公表される必要がありますが、この評価委員会にご意見をかけさせて頂くのは役員の報酬、退職手当の関係ということです。職員の給料につきましては法人のスタート時点ではやはり国家公務員制度を参考にしたというところがほとんどですが、今後本格的に各大学にふさわしいあり方が検討されるものと思っております。

白石委員
 非常に単純な質問ですが、この規程は一度成立しますと、当然のことながら改定しない限りずっと続くわけですね。そうしますと何人かの方が既に念頭に置いておられたと思うのですが、例えばアメリカの大学ですと学長の選任というのは大体サーチコミュニティを作って、かなり広範に人を探して、交渉のときには年俸の交渉までやって、それで初めて学長が選出されます。そういうことをこの規程だと出来ませんね。そのようなことは想定していないということになるのでしょうか。何かそういったことも出来るような工夫を入れておいたほうが良いのではないかというのが私の意見です。

事務局
 この規程はかなりの頻度をもって改定されていくということではないかと思います。例えば職員の給与規程などもそうですが、国家公務員の給与等の制度もかなり頻繁に見直されるのではないかと思いますし、各大学の経営の状況等も勘案しながら、今ご指摘のような点も含め、その都度色々な形で見直しがされていくのではないかと思います。

事務局
 今お諮りさせて頂いているのは役員の報酬等の基準です。この基準が変更される場合にも届出が文部科学大臣にされ、届出があった基準の変更等について評価委員会のご意見をお伺いする。こういうような仕組みになるわけです。今各委員からご指摘頂きましたように、確かに今それぞれの大学法人の役員給与基準を見ますと、いかに円滑に移行するかという傾向があると思っております。ご指摘がありましたように、これからいわば非公務員型として国立大学法人の新しい使命に向けて道を歩みだそうとするわけでもありますので、そういう意味で非公務員型のメリットを生かして、学長として適任の方々を外国人であるか否かを問わず求める。或いはそれを可能にするような報酬体系の在り方というのもやはり求めていかなければならないということであろうかと思っております。基本的に円滑な移行ということを考えながら、また新しい方向性を目指そうという動きも無いわけではないと、このようにお受けとめ頂ければと思います。

委員長
 先程のこととも関連するのですが、出来るだけ外からの人材を登用するということが大変大事ではないかと。セクターが違う、外国の経験があるという方に役員になって頂く場合に給料がそれを妨げるということは非常にまずいわけです。既に職業をほかに別に持っておられる方が役員に就任する場合、役員は兼業が出来るのですか。今までの仕事を若干続けながら役員に就任することは出来るのですか。

事務局
 役員につきましても兼業は各大学法人におきましてルールを作っていくことになろうかと思います。現に幾つかの職を兼ねるケースはあるわけですが、利益相反や責務相反がないような形で、そして各大学として社会貢献なども考慮しながら、ふさわしい兼業のルールを作っていかれることだろうと思います。ただ、常勤の役員の場合を考えますと、本務がかなり大変だということがあると思いますので、本務に支障がないように兼業を行っていくということは当然必要になるわけです。色々な形で社会的な役割を兼ねられるというのはかなりたくさんあろうかと思います。

委員長
 交渉の段階でそういったことが可能であるかどうかということがはっきりしないと、ヘッドハンティングできないわけです。ですから、早い段階にそういうことも可能であることを示したうえで、要するにマッチングファンド的なことをして、非常に有能な方を招いて、その方に出来るだけの能力を発揮して頂くことが大変大事ではないかと思います。常勤で大変だということは分かりますけど、大学に囲い込めばいいというものではないと思います。外で活躍して頂くことが更に本務を活性化し、十分に行うということにもなるのだろうと思うのです。

事務局
 但し、例えば営利企業の役員などの責任のある職を兼ねるということは、現実には本務との関係で支障が出てくるということもあると思いますので、企業の役員などとの兼務については認められないことになろうかと思います。兼業の場合にも一定のルールが当然必要になるわけです。

委員長
 兼業の規制については、国立大学法人の教員については相当緩いです。ですから役員になった場合にそういったことができないとなると、国立大学の役員は非常に魅力がなくなるわけです。既に起こっていると思いますが、大変能力を持った方で、公職につきたくないという方もいらっしゃる。これはやはり日本にとって非常に不幸なことではないかと思うのですが。
 他に何かありますか。だいぶご意見を賜りましたが、評価委員会としても文部科学省から各大学に、先程事務局からありましたように、適切に働きかけることを期待したいと思っています。
 それから本日の評価委員会で頂きましたご意見については、文部科学省が各大学等に周知して今後の参考にして頂きたいと思います。そのように取り扱わせて頂きたいと思っています。よろしいでしょうか。ではそのようにさせて頂きまして、今後変更があった場合などの取扱いについては、これまた私にご一任頂くようにお願いしたいと思います。
 それでは次に移りまして、年度評価の方向性についてご意見を賜りたいと思います。事務局から説明してください。

事務局
 それでは資料5に基づいてご説明申し上げます。中期目標、計画等の策定が一段落しますと、評価委員会の任務としてはいよいよ評価の段階になっていくわけです。国立大学法人の評価については中期目標期間の6年間の実績を評価するというのが基本ではありますが、制度上、年度毎にも評価を行うことになっているところです。まず当面、平成16年度の実績評価が約1年数ヶ月後に訪れるわけですので、その評価方法について専門的な見地から検討する必要があるだろうということで、作業委員を中心に検討を進めてはどうかと今日ご提案したいと思っていますが、その前提としまして本日は今後の評価の検討の方向性について少し先生方からご意見を伺えればと思っています。そこでこの資料5については検討の1つの材料ということで事務局で用意をさせて頂いたものです。
 それでは資料についてご説明申し上げます。まず1ですが、年度評価の概要ということでして、これは制度上の事実関係について簡単にご説明させて頂いているものです。まず(1)です。国立大学法人の目的というものは、独立行政法人と違いまして、我が国の高等教育、それから学術研究の水準の向上と均衡ある発展等を図ることを目的としているわけです。またこのために教育研究の特性に配慮しまして、基本的な法人運営は法人の自主性、自律性を基本としまして、かつ中期的な基本的観点に立つことになっています。そのため、基本的に文部科学大臣の関与は必要最小限に留めるということで、中期目標の設定、そしてその中期目標期間終了後の実績評価、このような形で関与するに留めていまして、具体の業務運営についてはその法人がそれぞれその中期計画に従って行うことになっているわけです。
 (2)ですが、従いまして大学、それから大学共同利用機関法人についての評価についても、中期目標期間の評価が基本になってくるわけではありますが、その目標達成に向けた進行状況を確認する観点などから、各事業年度についても制度上、中期計画の実施状況を調査、分析しまして、その結果を考慮して業務の実績全体について総合的な評定を行うということが定められているわけです。
 また、制度上、その教育研究の特性に配慮しまして、中期目標期間6年間の評価については、教育研究の状況についてこの評価委員会から大学評価・学位授与機構のほうに評価の実施を要請しまして、その結果を尊重して総合的に評価をすることになっています。
 一方で各事業年度の評価については、教育研究の評価は短期的な評価に馴染まない、こういったような理由などから、このような中期目標期間終了後のように大学評価・学位授与機構のほうにお願いする仕組みとなっていないわけですので、裏返して言いますと、年度評価では教育研究の状況について専門的な観点からの評価は基本的に行わないというものです。
 従いまして年度評価とそれから中期目標期間評価というものは質的には非常に大きく異なるということが言えます。なお、法人化の元になりました調査検討会議の報告においては、年度評価については主として中期目標達成に向けた事業の進行状況を確認する観点から行う、またこの評価は一定の様式により収集した情報に基づき実施するなど、各大学にとって過度の負担とならないよう配慮するというようなことが提言されているところです。
 2ですが、年度評価の方向性という事で、事務局として1つの考え方というものを提示していますが、先程の調査検討会議などの報告の方向性と基本的には同一の方向性になっているものと考えていますが、以下の方向で検討を進めてはどうかということです。
 まず(1)ですが、国立大学法人の評価については教育研究の特性から短期的評価に馴染まず、敢えて評価を行うと性急に成果を求めるような内容が増えまして、教育研究の多様化、或いは進展が図られなくなる、こういった様々な問題が考えられるところです。
 また、先程ご説明しました通り、年度評価については教育研究の専門的な評価の実施を大学評価・学位授与機構に要請しないことになっているわけです。従いましてそうしますと、年度評価においては主に中期目標達成に向けた事業の進行状況を確認する観点から行うに留めるということが適当ではないかと考えているところです。
 それから(2)ですが、仮に年度評価においてそういった事業の進行状況を確認する観点から行うという場合、例えば大学毎に年度計画というものを定めるわけですが、そこで定めた事業の外形的な実施状況、例えば必要な体制をきちんと整えているのかどうか、或いはその定めた事業を実施しているのかどうか、こういったような外形的なものを以って評価を行うことが1つ考えられるのではないかと思います。
 それから(3)です。自己点検・評価について述べていますが、これは以前も評価委員会の中でご議論頂き意見としておまとめ頂いたところですが、国立大学法人の評価についてはまずは各大学自らが中期目標の達成状況について自己点検評価を行うことが基本である。年度評価においても各大学の点検評価を踏まえて行うことが適当ではないかと考えています。その際、例えば一定の様式に基づく実績報告書に各大学が事業の実施状況を簡潔、明瞭に記入するなど、各大学にとって負担とならないよう配慮することが必要ではないかと考えているところです。
 3ページにいきまして、(4)です。評価というものもやはりその目的に添ったものでなければならないと考えていますが、年度評価は特に各大学の自己点検・評価については、中期目標の達成に向けた各大学における自主的な業務運営の改善に役立つものとなる、そういうものが必要ではないかということ。それから中期目標期間評価はもちろんですが、年度評価においてもやはり国立大学の公共性といった観点からやはり社会に対して積極的に公表していくということと、その際、わかりやすく提供していく、そういう工夫が必要ではないかと考えています。
 3ですが、今後の評価委員会における検討体制についてのご提案ですが、1つ専門的な観点から検討頂くという事で、作業委員を中心としてまず議論してはどうかと考えていまして、専門委員の先生方を中心としまして、主に年度評価に関する論点整理を行ってはどうか。なお、その際、年度評価については大学評価・学位授与機構は直接関与しないわけではありますが、当然その中期目標期間終了後の評価というものを念頭に置いておかなければいけませんので、協力を得ながら進めてはどうかと考えています。
 そしてその作業委員による一定の検討の結果、整理の結果を踏まえまして更に評価委員会においてご議論頂いてはどうかと考えていまして、具体的にはどういった方法で評価していくのか、評価基準はどういったものか、或いはその評価のフォーマットをどうするのか、それから評価の体制の問題についても合わせてご議論頂きたいと思っています。
 最後に4ですが、その他という事で、まず年度評価についてご検討頂くわけですが、合わせてその中期目標期間の評価についてはやはり中核の部分を大学評価・学位授与機構にお願いするわけですが、双方で連携して進める必要があろうかと思っていまして、具体的には大学評価・学位授与機構にはこれまでの試行等の知見がありますので、評価の基本的な方向性も含めてまずその教育研究の状況についての評価方法等の専門的検討をお願いし、その結果を踏まえまして更に評価委員会で検討を進めてはどうかと考えているところです。
 以上、先程も申しましたが、その法人法の制度の趣旨、或いは調査検討会議の報告の方向性と基本的には同一の方向にあるものと理解をしていますが、これはあくまでたたき台ですので、これについて忌憚のないご意見を本日伺えればと考えているところです。以上です。

委員長
 どうもありがとうございました。ご意見を受け賜りたいと思います。中期目標は中期目標として1年ごとにやっていく。大変な作業ですが、それをモニターすることも大事なことではなかろうかということですが。

御手洗委員
 評価の方法についてのお話しがありましたので、それについて産業界の立場から一つお願いを申し上げます。国立大学法人化の目的には、大学の自律性を高めて競争原理を導入すると同時に、産業界との協働、いわゆる「産学官」の連携を通して日本の国際競争力の復活を実現するということが含まれていると理解しております。それには、大学の研究成果が競争力あるビジネスの形で結実することが必要であり、その前提として、知的財産権の適切な確保が欠かせません。これまで日本では、一般的に論文を書くことの方が特許を取得することより評価されてきた結果、日本の大学が有する特許数はアメリカの大学の80分の1にすぎません。今述べましたような目的を達するためにも、評価の仕組みには取得特許の数やそれらの有用性なども反映していただきたいと思います。

委員長
 はい。ありがとうございます。93の機関の中には様々なものがあって、少しその内容をきめ細かく見て、特性に応じて細かく評価して欲しいということであろうと思います。他にいかがでしょうか。これは大変な作業なのですか。

小野田委員
 これは全体の文章も結構矛盾に満ちている部分もなきにしもあらずなのですが、この年度評価というものも本来各大学の自主的な自己点検評価がベースですね。但しこれがあまりランダムであったら非常に支障をきたしますので、1つのやはりガイドライン的なものというものを、むしろこの評価委員会のほうから参考までに各大学に提示したほうがよいのではないか。しかもそれを可及的速やかにやったほうがよいのではないか。たしかそういう文脈があったかと思いますが、そのことに関して作業会合を設置して検討しようというご提案と理解してよろしいですか。

事務局
 そのように考えています。

小野田委員
 それともう1つ。ボーナスなどに業務の実績を反映させなければいけないものの、業績評価に具体的に対応できるものは、この年度評価しかない。それが私とても気になっているのです。業績評価というものは具体的にはこの年度評価を意味せざるを得ないと感じていますが、そこに本当に繋がるような評価ができるのかなという不安を一方では持っている。
 それからタイムラグの問題です。業績評価というのは特定の期間に対しての業績評価でないと意味がない、要するにタイムラグが相当生じます。そして私、先行独法のほうも色々と関与しているのですが、そちらのほうでは大変凝った方法をとっていまして、仮払いをしておいて、それから評価が出てから調整をするということまでやっている先行独法があるわけです。担当期間に対して評価結果が後から出る。そんなことまでやっても仕方がないので、その辺何か良い答えを出したいと思うのですが、少なくともこの単年度の評価のことに関して言えば、何か相当難事業だという素直な感想を持ちます。

委員長
 先行独法の場合には、割とミッションがはっきりしているので評価しやすいわけですが、大学の場合は非常に多様性に満ちています。以前からの議論を踏まえましても教育と研究の問題、それからもう1つは人文社会系と理系の問題ということで、相当違いがあるということでして、それぞれの特性を良く勘案した上で適切な評価をしていかなければいけないと、大変難しいことですがそういうことであろうと思います。他にいかがですか。

荒川委員
 これはこれから検討すると思いますが、1年ごとに評価するということは逆に言いますと各大学は中期目標の他に経年の目標は事前にある程度示すのでしょうか。それともそれは関係なく、これから検討するのでしょうか。

事務局
 各大学は中期目標、中期計画の他に、その各年度版と言いますか、年度計画も定めることが法律上規定されています。また、それから各年度が終わりますと実績の報告書も出して頂くことになっているわけです。従いまして今後の検討においては、実績報告書については、これは評価委員会に提出されるわけですので、どの程度の内容のものを各大学に求めていくのかという、そういったことについても合わせてご検討をお願いしたいと考えているところです。

委員長
 どうもありがとうございました。よろしいですか。

荒川委員
 そうしますと当然、結果によって次の年度の計画書が変わってくる可能性は大いにあるわけですね。

事務局
 先程小野田委員からお話がありました点で、評価委員会が行う業績評価がボーナスなどの評価に使えるのかどうかなどという問題はあろうと思います。この規程自体はこれから評価委員会が何をどのようにされるのかということもまだわからない時点で規程が作られているということですので、今後、それぞれの役員の業績評価の反映のあり方、業績評価の仕方をどのように考えたら良いかということについては本格的に大学のほうで議論していただかなければいけないと思っています。評価委員会が行う業績評価、年度評価についても、例えば達成状況のようなものが出てくるのであれば、何らかの形で反映していくということも可能ではあろうかと思いますが、これだけにかかっているとなると、今ご指摘のように評価自体がかなり窮屈なものになるということもあろうかと思います。役員の業績評価の反映の方法、業績評価の在り方ということについては、各大学がこれから中・長期的にも色々な検討をされるものと考えています。

委員長
 他にありませんか。はい。色々とご意見を頂きましてありがとうございました。一応基本的にはこの方向性で検討するということです。そうさせて頂きたいと思いますがよろしいでしょうか。それではそのようにさせて頂きます。それからこの検討をお願いする委員等については委員長に一任させて頂き、該当の委員等については事務局から連絡させて頂きますので、よろしくお願いします。

木村委員
 先程の役員報酬の件ですが、他省庁での経験でこうしておいたほうが良いかなということを申し上げておきます。先程からご指摘があり、事務局もお認めになりましたように、おそらく給与は今後頻繁に変えていかなければいけないようになると思います。そうするとその度にこの委員会を召集することは殆ど不可能ですね。非常に大事なケースですから持ち回りというわけにもいかないでしょうが、定足数が満たないと決定できないということになると大変なことになりますので、是非委員会のやり方をお考え頂きたいと思います。

委員長
 どうも貴重なご意見をありがとうございました。それでは事務局から今後の日程について説明して頂けますか。

 ※ 事務局より今後の日程の説明があった。

委員長
 はい、どうもありがとうございました。それでは本日の議事はこれで終了させて頂きます。どうもありがとうございました。

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