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国立大学法人評価委員会(第3回) 議事録

1.日時

平成16年1月27日(火曜日) 14時30分~16時

2.場所

グランドアーク半蔵門 4階「富士・西の間」

3.議題

  1. 国立大学法人及び大学共同利用機関法人の中期目標・中期計画(素案)について
  2. その他

4.出席者

委員

 野依委員長、椎貝分科会長、飯吉分科会長、阿部委員、荒川委員、ウィリアム・カリー委員、奥山委員、勝方委員、鳥居委員、南雲委員、丹羽委員、小野田専門委員、舘専門委員、朝岡専門委員、白石専門委員

文部科学省

 遠藤高等教育局長、石川研究振興局長、合田高等教育企画課長、藤原学術機関課長、その他関係官

5.議事録

委員長
 第3回目の国立大学法人評価委員会総会を開かせて頂きます。
 それでは、事務局から配付資料の確認をお願いしたいと思います。

 ※事務局より配付資料の説明がなされた。

委員長
 それでは議事に入らせて頂きます。
 今回は前回に引き続きまして国立大学法人、及び大学共同利用機関法人の中期目標・中期計画の素案について審議を行います。これにつきましては前回の総会後、各分科会におきましてさらにご議論頂いております。それらの内容について両分科会会長からご報告頂きたいと思います。それではまず国立大学法人分科会の会長からお願いしたいと思います。

椎貝分科会長
 それでは今月21日に行われました国立大学法人分科会における検討状況につきまして、簡潔にご説明申し上げます。
 分科会と致しましては国立大学が法人化により大きく変わって、それぞれの大学が個性豊かに発展していくことを心から期待しております。このことを前提としまして議論が行われたことは、私としては喜ばしいことと考えております。内容について幾つかご説明するところがあります。まず文部科学大臣が行う修正ですが、文部科学大臣としては各大学の自主性を尊重するという立場を守り、真にやむをえない場合に限って修正を行うとのことです。具体的には法律改正を要する事項として、筑波技術短期大学の4年制大学化に関する記述の修正があります。それから財政上の観点では、多大な財政支出が見込まれるキャンパス移転及び病院の再開発事業の記述の修正があります。この点は財政の支出が大きいわけですから、よく考えて相談してやらなくてはならないということです。また全国共同利用の附置研究所や、PFI事業を中期目標・中期計画に明確に記載するという説明を頂いております。分科会では文部科学省の基本的な考え方とそれに基づく個別の修正案は妥当であるとして、了承されております。
 これに加え、国立大学法人分科会はより適切な中期目標・中期計画の策定に向け、各大学で自主的に検討を行ってはどうかという趣旨で、意見の案をまとめております。これから各大学におきましては、中期目標・中期計画の正式な原案を策定して頂くということになりますが、その検討の過程でこれらの意見を踏まえて頂くことを期待しております。尚これは概略の説明ですので、詳細につきましてはこの件に中心的に携わって頂いた小野田委員よりご説明をお願いしたいと思います。

小野田委員
 ただいま椎貝分科会長からお話がありましたが、資料1‐2にある、国立大学法人評価委員会としての国立大学法人の中期目標・中期計画(素案)についての意見(案)につきまして簡単に、説明させて頂きます。主として修正点を中心にお話させて頂きます。この意見の案は基本的には4つの部分から成り立っております。第1はイントロダクション。第2は基本的な考え方を整理しております。第3はこの基本的な考え方に則り、評価委員会からの意見として申し述べさせて頂いています。当然この第3が内容的には大切な部分になりましょう。第4は評価を実施する際については、まだまだはっきりしない部分がありますが、予想されることで、今の段階で留意していただきたい意見をつけ加えさせて頂いております。
 早速1ページの「はじめに」をご覧頂きたいと思います。前回のご説明では、このイントロダクションの部分が検討の前提ということで、かなり重たい文章になっておりました。ここで長々というわけにはいきません。先程椎貝分科会長からお話のあった今後の国立大学法人のあってほしい姿、それに評価というものを組み合わせて、必要にして最小限のキーワードで簡潔に記述するのが良いのではないかということで、「はじめに」を作らせて頂いたということです。キーワードとしては上から2行目にある教育研究の高度化、それから個性豊かな大学作り。第2パラグラフの2行目にあります、国際的にも存在感があるという国際性の重視。それから下から2行目に大学の運営を機動的・戦略的に行うということ。さらに第3パラグラフでは、国立大学の持つ社会的責任。そして最後のパラグラフには国民、或いは社会に対する説明責任があります。尚分科会の審議の過程で当初はストレートに国際性というものを「国際競争力」とかなりきつい言葉で表現しましたが、国立大学それ自体かなり多様で、必ずしもストレートにマッチングしないケースもあるということで、「国際的にも存在感のある」という言葉にさせて頂きました。さらに加えて、下の2行目から「なお」書きがあります。これはそもそも大学たるもの長期的視点が必要であるとか、或いは変化に迅速に対応しなくてはいけないとか、或いはその活動が多様である等の特殊性があります。それ故に国立大学の中期目標・中期計画の在り方については今後我々も含めて検討を加えていかなくてはいけないという姿勢を付け加えさせて頂いたのがイントロダクションです。
 3ページではその評価の基本的な考え方について整理をしております。これは従来とほとんど変化はありません。1つは各大学の自主性・自律性の尊重です。教育・研究の特性に配慮ということで当然のことと思います。2つ目は具体的・明確で評価が可能な目標・計画設定が必要ですねということ。これらは国民に対する責任という観点に基づき、また評価を適切に行うためにもどうしても必要なことだという2つの基本的な考え方を述べております。
 次に5ページですが、それらの基本的な考え方に則り、評価委員会、特に私ども分科会の方では次のように考えたということです。2‐1は、先ほど椎貝分科会長からご説明された文部科学省の修正の件で、これにつきましては先ほどのお話の通り、修正を求める観点および事項も適切であるということで1、2、3の観点に基づく個別の修正案も妥当であるということで、評価委員会の意見をまとめております。
 以上の(1)は文部科学大臣が修正を求めるという姿勢で、それらを適切だと判断したわけですが、次の(2)の方はそれに加えて、併せて文部科学大臣は原案策定に対して、検討を求めることが適当である。要するに素案から原案策定に向けての一種のアドバイスというようなスタンスで以下2‐2の意見が述べられております。
 2‐2の件につきましては次の6ページの記載がわかりやすいかと思いますが、まず、適切な評価を行うためには各大学の自己点検・評価、また達成状況を明確にするということが必須の事項であり、この作業が各大学にとっても有益なはずです。その為、達成状況の明確化がより適切にできるような形で目標・計画をセッティングすることが大事だ、という視点を示しております。具体的には3つの観点。1つは整合性、2つ目は個性の伸長。これらは当然のことだと思います。これらの記述に関して、若干不充分だということも散見されましたので、書かせて頂いてます。
 3番目が具体性の向上の観点のアドバイスになりますが、3においては個別の事項を例示としてひき、4においては目標設定のプロセスで、横通しでご活用できるかなと思われるアドバイスをまとめております。7ページの5にその辺細かく書いております。この辺の表現は具体的になりますので難しかったのですが、舘先生のご意見と前回の分科会でのご意見を盛り込んで作っております。基本的にはインプット、プロセス、アウトプット・アウトカムという側面がありますねと。これに加えて時間的なファクターとか、さらに効率という点にも触れさせて頂きました。また具体例を書かせて頂いたのは現実に素案に記載 されている目標、或いは計画で評価をする立場から、このままにしておくのは不適切である、しかも大事な問題だということで、あえて事例として教育の成果に関する目標とか研究水準、及び研究の成果に関する目標について触れさせて頂いております。
 (2)は若干視点を変えてですが、特に4行目のなお書き以降が大事なところです。現在国立大学というものは、大変な問題に対処する1つの過渡期にあるのではないか。その点を踏まえれば、今後この目標・計画等についても修正をする必要があるでしょう。そのことに対しては文部科学省も積極的かつ柔軟に対処することが肝要だということを述べさせて頂いております。
 8ページの評価の在り方についてですが、これはまだまだ検討中の部分があると思います。あらかじめ2つの留意点を申し述べたいということです。まず(1)のところでは主として達成状況等々に関る指標の問題です。これは各大学が創意工夫を凝らして作っていくところですが、その辺についてもちょっと言葉を添えさせて頂いております。1においては責任の所在とか推進の体制を当然確立しながら、指標を創意工夫して開発してくださいという内容を。またこれも大事なことだとは思いますが、前にも若干お話申し上げた通り、単科大学と巨大な総合大学ではどうしても書類としての不ぞろいがあります。そういう大型の総合大学の評価に関しましては、記載はあくまでも全学的な視点に限られていたとしても全学的な達成状況を示す指標については、必要があれば学部等の状況に即して各大学において自主的に検討して頂き、それを基に総合的な自己点検・評価をきっちりやって頂きたいという、評価のあり方に関する立場からの留意点です。
 2につきましても今後検討すると思いますが、年度実績とかの表記について、これも当然大学の自主性というものが第一次的には重んじられるわけです。やはり評価をするということになりますと、ある程度の様式というものも必要ですが、その点決して押し付けるのではなくて、あくまでも各大学がこの報告書を作成する参考として、様式例等を提供してはいかがかというような記述にさせて頂いております。
 9ページは第2の留意点ですが、単なる達成度で大学サイドを刺激してくれるなと言うことです。やはり大学たるもの質的向上を積極的に図って頂きたい。そのためには評価するサイドもそういう視点を大事に見ていますので、ぜひそういう勇気を持った目標を立てて頂きたいという思いを伝えております。
 以上です。ありがとうございました。

委員長
 どうもありがとうございました。それでは続きまして大学共同利用機関法人分科会のご説明をお願いしたいと思います。

飯吉分科会長
 それでは簡潔にご報告致します。
 先程国立大学法人分科会のご報告がありましたが、共通する部分が非常に多いのです。その事をふまえ大学共同利用機関法人の特徴、また国立大学との相違点を中心にご報告したいと思います。
 まず始めに資料の2‐1ですが、これは文部科学大臣が修正を求める部分です。3ページ(2)をご覧頂きたいと思いますが、この中で国立大学のケースと少し異なるのが、財政上の観点から修正の必要がある記述に関する修正追加です。これは2つありまして、1つは高エネルギー加速器研究機構からでておりますリニアコライダー計画の実現に向けての件です。これは多大な財政支出が予想されますし、計画の実現がまだ不明確な部分がありますので、その点を修正をする必要があるのではないかということが1点です。もう1つはこれも高エネルギー加速器研究機構のJーPARC計画という大強度陽子加速器関連の建設計画ですが、まだ計画の範囲が明確に定まっていない状況ですので、これについても修正することが必要ではないかということが文部科学省より説明がされました。それについて、当分科会としては妥当であるという判断をさせて頂きました。
 それで資料2‐2の方に移らせて頂きますが、これは文部科学大臣が行う修正に加えて、さらに大臣が各法人に対して検討を求めることが適当であるものについて、評価委員会として文部科学大臣に意見を打診するということが適当ではないかということでまとめたものです。これも国立大学法人分科会のケースと同じですが、特に「はじめに」で、最初の段落は大学共同利用機関法人の役割をまず前提として確認している部分です。大学共同利用機関は、当該分野の研究において、共同研究の機会を可能な限り提供することにより、研究水準の向上及び研究者等の人材養成、我が国の中核的な学術研究、更には国際協力の拠点としての重要な役割を担ってきております。そのことが非常に大切であり、今後もそれらの点を踏襲することが大切であるとの確認です。それから続く4つの段落は期待のようなものでして、特に最初の段落は大学共同利用機関法人の法人化に際し、これまでの16の研究所が4つの研究機構に再編されることになっております。これを契機としてそれぞれが多様な研究を展開するとともに、学術研究の更なる発展への貢献が強く期待されるということです。その次は法人化によって経営面での権限が拡大することに対応して、経営責任の明確化を図るとともに、機動的・戦略的な法人運営が実現されなければならないという内容です。
 続く2ページは「基本的な考え方」で、ここも国立大学とほとんど同様の趣旨です。この中で特に3ページの分科会としての今までの意見をまとめたものですが、3ページの一番下に書かれております、機構化の理念を踏まえた目標・計画に関してです。この段落ですが、大学共同利用機関法人は機構化、4つの大きな括りの機構になりました。素案はどちらかというと各研究所についての記述が多いということで、この機構全体としての、或いは1つの機構の、新しく機構が出来たということでそれに伴う理念・目標のような記載がもう少し必要ではないかということです。
 それから具体性の向上の観点、ここも国立大学とほぼ同じです。2番目の目標・計画のインプット、プロセス、アウトプット・アウトカムのところもほぼ同じような考え方ですが、特に大学共同利用機関法人の場合は研究水準、研究が中心ですので、その成果に対する目標及び共同利用等の内容・水準に関する目標、そういったものを達成状況の評価の観点を踏まえて、具体的に記述をする必要があり、可能な限り具体的な記述を要求したいということです。
 それから4の「業務運営の改善・効率化」、「財務内容の改善」、「情報公開等の推進」等については法人化の趣旨および再編統合の趣旨を踏まえるとともに、研究の充実・成果の観点から、より具体的な目標・計画の設定を行うことが必要ではないかということです。
 後は国立大学法人分科会と同じですが、5ページの(2)、これが一番大事な事柄です。平成16年度より法人化が始まりますが、その初期においては、色々な大学共同利用機関の側としても、再編・体制整備との関連で様々な試行錯誤が予測されるところであります。大学共同利用機関法人制度が定着するまでの間はフレキシブルに対応していく必要があるのではないかということです。
 それから6ページ「大学共同利用機関法人の評価の在り方について」です。ここも流れは国立大学法人分科会と同じようになっております。国立大学法人分科会の方でも強調されておりましたが、これも最後のところで、やはり目標の設定に際しては確実に達成される事、ならびに各法人の質的向上を図るという視点に立って、目標が適切に設定されることが必要であるということです。以上です。

委員長
 どうもありがとうございました。それではただ今の両分科会長のご説明を踏まえまして、まず文部科学大臣が行う修正についてご意見を伺いたいと思います。資料1‐1及び資料2‐1をご覧頂きたいと思います。尚、国立大学法人関係の修正につきましては幾つかの変更があるようですので、事務局から説明してほしいと思います。

事務局
 資料1‐1の5ページをご覧頂きたいと思います。
 文部科学大臣が行う修正と致しまして、1つは今後PFIを活用した施設設備を図る国立大学におきましては、民間資金の円滑な受入を図るという観点から、それをきちんと中期計画の中で位置づけるというような修正を大学にお願いすることになっております。6ページをご覧頂きたいと思います。前回の分科会以後平成16年度から,新たに開始することが決定したPFI事業が幾つかあります。右の方に米印のようなマークがついておりますが、北海道大学の環境資源バイオサイエンス研究棟改修施設整備等事業等、印のついた10件につきましては前回の分科会以後に決定し、別途、公表をさせて頂いておりますので、本日ここに追加させて頂くものです。修正点は以上です。

委員長
 どうもありがとうございました。これにつきましては前回の総会で既に基本的な方向性については妥当であるという結論を頂いておりますが、いかがでしょうか。先程の両分科会長のご説明に対するご質問でも結構ですのでご発言頂きたいと思います。

飯吉分科会長
 国立大学の附置研究所の機関についての修正の項がありました。5ページに3つ位の例がでておりますが、東京工業大学、名古屋大学、九州大学。これらの附置研究所の共同利用ということも大学共同利用機関法人と同様に非常に大切な研究活動であると考えております。そういう意味でこれを修正して頂くのは大変結構ではないかと思います。いわゆる国立大学が法人化して、ある意味で独立していくなかにおいて、やはり国立大学、私立大学も含めた共同利用研究は非常に大事ではないかと思いますので、そういう点での記述はこの中期目標・中期計画の中に各大学ともご考慮頂ければ大変よろしいのではないかと思います。以上です。

委員長
 どうもありがとうございました。他にご意見ありませんでしょうか。

鳥居委員
 質問ですが、今6ページを中心に説明されたのですが、同様に4ページにも修正の必要な記述があります。その4ページと6ページ全体を通してみると、ほとんどの大学の附属病院がただ附属病院と書いてあるのですが、6ページでは一番最後から5行目に神戸大学医学部附属病院となっております。設置基準によると、ほとんどの附属病院では医学部附属病院と規定されていて、東京大学の医科学研究所のように医学部の附属病院ではない組織に附属する附属病院もあるのですが、この4ページには全く医学部附属病院が記載されていません。書き方として整理するとどういう整理の仕方が正しいのか教えて頂きたい。

事務局
 ただ今先生からご指摘頂きました附属病院についてですが、現在は国立学校設置法体系の中で富山医科薬科大学及び筑波大学を除き、附属病院は医学部・歯学部に附属する形で設置されております。今後ですが、医学部や歯学部の教育研究に必要な施設として附属病院が置かれることには変わりありませんが、国立大学法人という形になりまして、今までのように個々の附属病院の位置づけが法令上規定されるということではなくなりますので、各国立大学法人において附属病院の位置づけを見定めて頂くということになろうかと思っております。
 今お手元で示しております中期計画の素案のところですが、特に4ページの方では附属病院ですとか、附属病棟、附属病院の病棟といったような言葉が出てきますが、これは中期計画の全体の流れの中で医学部の附属であったり、大学の付属であったりということを当然の前提としながら、流れの中でこの部分だけ抜き出しておりますのでそのように見えますが、先程申し上げました通りそれぞれの大学において附属病院の位置づけが定められているものです。

鳥居委員
 今のご説明によると今まで大学設置基準によって医学部は附属病院を持たなければならないという大学設置基準の別表があったわけですが、それはいずれ取っ払うという前提で我々議論を進めることが出来るのでしょうか。というのは、医学部についていうと約50の国公立の医学部と29校の私立の医学部があります。私学の経営を行った立場から言うと、私立の医学部については設置基準の別表が厳しく守られていて、医学部附属病院であるためにそれこそ看護婦の婦長、総婦長の人事まで教授会で決めるのです。法人が決められないという不都合があったわけです。ですからそれが今回国立大学法人ではそういうことは心配しなくて良いという、教授会で一々決めなくても大学のトップが病院長を決める、婦長を決めるということが出来るという自由を与えるというように今我々が踏み切っている明るいニュースとして今のご報告を聞くわけですが、本当にそれで大丈夫なのかという問題があるのです。

事務局
 大学設置基準には医学部や医学に関する学科を設ける大学には、その学部、または学科の教育研究に必要な施設として附属病院等の施設を置くことになっております。当然医学部や歯学部に附属して附属病院という形にし、マネジメントもその体系の中で行うということは可能ですが、現在の大学設置基準におきましても、例えば先程申しました富山医科薬科大学ですとか筑波大学のように、大学附属という形で附属病院をおいて且つそれを前提にマネジメントするということは可能だと思っております。法人化によりまして国立学校の組織については今までのように政令や省令といったような法令で位置づけるといったものではなくなりますから、そういった附属施設の位置づけ、マネジメントということもそれぞれの大学でご検討頂き、円滑に進めて頂くことになろうかと思っております。

委員長
 ほか、よろしいでしょうか。
 それでは文部科学大臣による修正につきましてはご了承頂くということにさせて頂きたいと思います。よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
 それでは次に移らせて頂きますが、評価委員会の意見・案についてご意見を伺いたいと思います。資料1‐2、資料2‐2をご覧頂きたいと思います。大学と大学共同利用機関法人で性質が異なる面もありますが、基本的な方針は共通しておりますので、これについても両方合わせてご意見を賜りたいと思います。先程両分科会長からご説明がありましたが、これに対するご意見、或いはご質問を頂きたいと思います。
 はい、どうぞ。

椎貝分科会長
 小野田先生から頂いた意見(案)ですが、言われていることには大変賛成なのですが、表現について問題があると思います。3ページの(2)に具体的・明確で、評価が可能な目標・計画設定の必要性とありますが、具体的で明確だと評価が可能なのですが、研究によってはなかなか難しい場合があります。例えば評価委員それぞれの立場によっては違うこともあるのではないかということです。何という言葉を使ってよいかわかりませんが、もう少し違う表現を使っては如何でしょうか。

委員長
 その点につきましては自然科学系については比較的、明確・具体性を帯びているわけですが、人文社会系については非常に、本質的な問題を含んでいると思います。人文社会系の先生方からご意見等、如何でしょうか。人文社会系の分野の方からはこういう風に書かれると困るというご意見もあろうかと思いますが。

カリー委員
 この前の分科会や、先程の委員長の発言があったので私はそれに加えることはありませんが、やはり哲学とか文学とかそういうことを具体的に図ることはなかなか難しいと思います。

委員長
 如何でしょうか。

小野田委員
 私の知る範囲ではそこは精一杯表現したつもりですが、1つは相当困難になることは理解出来ますねということで、4ページの頭のところです。しかしながら内容については可能な限り分かりやすく書いてください。哲学でも文学でも何をやりたいのか。そういうことをみんなに知ってもらうこと自体、その学術の理解を深めて頂くためにも有効なことであり、あらゆる分野のどの人でも分かるように説明をして頂くことが、これからの学術の発展のためにもきっとプラスなのではないかなと思いながらの表現です。

荒川委員
 小野田先生と全く同じなのですが、中にちゃんと配慮した文章が入っているので良いのではないでしょうか。

委員長
 これでよろしいでしょうか。

椎貝分科会長
 芸術関係のことを考えておりまして、例えばベートーヴェンの音楽は騒音と認定されていた時代がありまして、それが時代とともに理解されたこともあります。それからもうひとつの難しい点は、良いという方ばかりであれば良いのですが、どうも理解出来ないという方が何人かいて、先見性のある方が理解するということもありえるわけですから、この明確というところが難しいのではないでしょうか。私も評価に色々関係しましたが、どうも明確に出来ないところが幾つかあるので、そこのところだけ何かうまい表現がないかなと考えているのですが、思いつきません。

丹羽委員
 今のお話ですが、数値目標にできるところはあくまでも大学の自主性に任せてということで、芸術の関係ですが、大学がやろうとする中期目標・中期計画である程度大学が実施可能な特色だけでも明確にするというようなことでいかがかと思いますが。

委員長
 内容については皆さん理解が得られると思いますので、どうか表現の具体案を示して頂くと大変委員会としてはありがたいのですが。
 これは評価が可能なようにというのが問題なのであって、具体的・明確な目標・計画設定の必要性ではないでしょうか。目標がやはり具体的、明確であるということは皆さん了解・納得しておられます。

小野田委員
 やはり、評価が出来なかったら非常に困るわけです。ですから目標自身が明確であるが、4ページの一番下のパラグラフに書いてありますが、あくまでもこの仕組みというのは中期目標に基づいて評価することになっているので、そこが出来ないと大学サイドがお困りになってしまう、と私は感じるので、ぜひその辺は工夫して頂きたい。その為に、指標という問題、価値観を決める指標というものを今椎貝先生が例示されたような場合にそれ相応の工夫をして頂いて、ある意味では建設的な指標を考えて頂く。そういう個性もありえるという点で指標をお考え頂ければ、ある程度の対応は無理なく出来るのではないかということをちょっと感じておりますが。

椎貝分科会長
 ここは私の関係していた評価機関でも議論されたところで、どうやれば評価が可能かという結論がついに出なかったのです。評価のうまい人を見つけてくることが重要でありますが、要するに評価というのは難しいから、最初は分析的にやっていたのですが、最近では、評価がうまいと言われる人を集めてくるという体系になっているのです。特に文学とか芸術とか先端的な研究ということになるとこれは分からないのですね。ですから書かれている意味は良く分かるのですが、何かうまい表現がないかという感じが致します。
 文部科学省に対してですが、別の省庁でやっていることですが、例えば大学の先生が評価した結果を省側が受け入れてくれない場合があります。このことを考えておく必要があります。

荒川委員
 私、理系なのですが、やはりこの評価委員会が評価するわけですから、私はこの表現で構わないと思うのです。つまり資料の中で非常に丁寧に説明してありますので、文系の方でもこれを読んで、ご自分で努力すると思うのです。こう書いておかないと努力しないともいわないのですが、その努力が見えなくては困るわけですから、してもらうためにも私は良いなと思っております。

野依委員長
 はい、どうぞ。

飯吉分科会長
 この評価はあくまでも法人の自己点検・評価というものが各大学法人で行われることを前提としているわけです。ですからある意味では、各大学法人の自己評価をよりどころとして評価委員会はそれに対する評価をするということなので、そんなに心配するようなこともないのではないか。特殊なケースかもしれませんが、大学共同利用機関法人の場合は非常に目的、プロジェクト研究みたいなのが多くて、そこのところはあまり問題にならなかったということです。

委員長
 よろしいですか。既にこれは各分科会で議論をして頂いておりますので、また堂々巡りになりましてもいけません。これで今日のところお認め頂くということにさせて頂きます。

小野田委員
 自分でご説明をしておきながら実は昨日の夜から大変気にかけていることがあるのです。それを少しだけ聞いて頂きたいのです。
 まずは資料1‐1、もしくは2‐1です。文部科学大臣が行う素案の修正。まさにこれは完璧な内容の文章だと思います。ただ長年、民間企業で経営をやっておりますが、私が現場の人間たちに経営者として何かをやって欲しいとき、果たしてこんな手順をとるだろうか。これで果たして現場が元気になるだろうか。逆効果ではないか。そういうことがものすごくとげみたいに引っかかっているのです。それでこの資料の1‐2の5ページですね、この文部科学省の修正に対しての意見、2‐1の修正を求める事項1、2、3。妥当ですね。個別のものも修正は妥当です。しかし、あまりに冷たくないでしょうかということなのです。と申しますのは私ども評価委員会は決して行政官でもないし、ある意味では民意の総意を反映する性格を持っているはずです。それでしたら社会的な常識から言えば、こうやって一種の予算権に対してといいましょうか、財産権に対して権限のない立場で言えば、私は文部科学大臣に、国立大学がこういうことでお金を使いたい、こういうことをやりたいというその気持ちにやはり応えるための最大限の努力を払う義務、義務という言葉は悪いですが、そういうことを私たちは求めても良いのではないか。なぜならば日本の国立大学のインフラは全く国際的な視点から見ればまだ不十分だと思います。特に私は民間人と言いながら第1期、第2期の基本計画でかなりそのことを強く申し上げて、かなりの施設整備は進んでいると思います。このキャンパスの移転の問題とか、病院の建て直し等々。正直申し上げて、その様な感じがあり、「その文章を修正案は妥当である、しかし」ということで1行加えることは許されるでしょうかというご提案です。
 例えば国はこのような各大学の要望に対して最大限応える。財政、財源確保の努力をすべきであるというような。
 そのようにして欲しいということを評価委員会として、文部科学大臣に求めてはいかがかなということなのです。形式上は出来るはずと私は理解したのですが。

委員長
 評価というのはやはり色々な活動をエンカレッジするべきですからね。

小野田委員
 大学というのがやはり元気になってもらわないと困るのです。そういう措置を命じた方は命じた方として、命じられた側の要望に応える努力はしてほしいということを。何か世の中の一般常識だったら言って欲しいなという思いがあるのですが。

委員長
 文部科学省としては、如何ですか。

事務局
 評価委員会としての総意ということであれば、表現につきましてはまた逆にご相談させて頂けたらと思いますが、基本的にはご審議の方向でやって頂いてもちろん問題ないと思います。

阿部委員
 私が12月に申し上げたのも全く同じ趣旨です。私は少数意見で削られたと思っていましたので、それは表現はともかくエンカレッジされる趣旨は是非入れて頂けたらありがたいと思います。

委員長
 よろしいでしょうか。大変大きなポイントだろうと思いますが、記述に関しましては私にお任せ頂けますか。そのことを入れさせて頂こうと思います。それをお認め頂いた上でこの意見の案についてお認め頂くことにします。
 大学共同利用機関法人について如何でしょうか。
 それではご意見がございませんので、これはこれで認めさせて頂きたいと思います。よろしくお願い致します。
 先程の件は事務局と私が相談して参りたいと思います。
 せっかくの機会です。今後この委員会において評価の在り方等について検討を進めていくわけですが、それに向けてのご意見、或いはご要望がありましたらこの場でお伺いしておきたいと思います。如何でしょうか。
 先程から人文社会系のことが出ております。私は委員長の立場としてぜひ人文社会系をどういう風に評価していったら良いか、伺いたく思います。あまり数値目標というのもなじまない面もありますが、具体的な、明確な評価をする必要もあると思います。これはぜひ積極的なご意見を頂くことが大事ではないかと思っております。ぜひ人文社会系の先生方、委員の方におかれましては積極的にこれはご発言頂きたく存じます。そのコミュニティに対して、リーダーとしての責任を持っていらっしゃると思いますので、これは前向きにご検討頂きたいと思います。如何でしょうか。

鳥居委員
 とっても難しい問題ですが、私は経済学の学界の例をご紹介したいと思うのです。ようするに経済学は非常に幅が広くて、大きく分けるとマルクス経済学がこっちの端にあって、こっちの端には数学の塊みたいな経済学、色々な経済学があるのです。どこをどうしろというように言うと、地雷を踏んでしまう世界に居るわけです。ただ是非ご紹介したいのは1990年から91年にかけて学界自身が自らこれで良いのかということを問うた大きな歴史がありまして、2つあります。1つはアメリカのエコノミック・アソシエーション、世界最大の学会の1つです。そこが出している定期刊行物は2つあるのですが、そのアメリカン・エコノミック・レヴューと、それからジャーナル・オブ・エコノミック・リテラチャー。それらの2番目の定期刊行物の特集を出しまして、そこにCOGEEレポートというのが出たのです。それはコミッション・オン・グラジュエィテッド・エヂュケーション・イン・エコノミックスの略語なのですが、そのCOGEEレポート、コギーレポートと略称しているのですが、約30名のノーベル賞受賞者を含む学者が参加して、その当時1990年段階の経済学がどういうところがおかしいかを分析した膨大なレポートなのです。その結果として、今私数学の塊みたいなということをうっかり口走ってしまいましたが、そのことも出ていました。極端に数学による表現に陥ることの危険とか、それから歴史を無視した経済分析の危険とか、現実を無視した経済分析の危険、それから後進国の事情を無視した経済学の危険とか色々なことを指摘して、具体的にその改善案を提案したものなのです。それは非常に大きなインパクトを経済学学界に与えたと思います。
 それからもう1つもほぼ同じ時期なのですが、1991年に今度はロイヤル・エコノミック・アソシエーション、つまりイギリス王立経済学界がこの定期刊行物であるエコノミック・ジャーナルという定期刊行物が特集を組みまして、フューチャー・オブ・エコノミックスという特集を組んだのです。これもノーベル経済賞受賞者を含む25人のオフィサーに経済学のどこがおかしいかを書かせたのです。これは実は1991年はイギリス王立経済学界創立100周年目にあたっていて、100年前の経済学は何を見ていたのか。その100年前と今とを比べてどこがおかしいのかを言っているのです。例えば男女の賃金格差というのは100年間変わらないテーマなのですが、100年前は非常に良い分析をしていた。つまり女性に対する差別というのがあって、それが大きな原因だという論文が圧倒的に多かったのに、今は数学で分析している。数学で分析しても結果として女性の賃金格差の分析になっていないというようなことがちゃんと書いてあるのです。非常に良い論文集だったのです。私が何を申し上げたいかというと、そういう学界自身が自分を自己点検することを促すということが一番健全なのではないか。特に人文科学系において。そういう感じがしていますので、そういう方向で誘導して頂ければと思います。

委員長
 一番大事なことはこの評価委員会、或いは評価の在り方を通して学術、学問そのものが質を上げていくということがあると思います。ぜひそのような方向でご意見を賜りたいと思います。

小野田委員
 この種の評価をするとき研究とか、学術の評価に関しては、非常に議論が沸騰致します。そのくせ教育の評価に関しては皆様非常に無関心です。現場でも無関心です。ただし大学の機能というのは第一次的には教育の機能だと思います。これの評価に関してはもう少し日本全体がまじめに取り組まなくてはいけないし、これは難しいです。もうどこの国でも何年議論していても答えは出ないし、その議論をし続けている。やはり本気になって議論し続ける中から一歩、二歩前進が生まれます。今ようやく教育評価なんて言葉が生まれてきたばかりなので、やはり評価委員会としてもこの教育評価についてちょっと目配りをお願いしたいと思います。

委員長
 今ここに2つの分科会がありますけども、国立大学法人の方は教育的な要素が非常に強くなると思いますので、全く同じ方法でやっては良くないと思います。ぜひご配慮をお願いしたいと思っております。他に何かありますでしょうか。

舘委員
 私は教育学部で人文社会系になりますが、同時に大学評価・学位授与機構に所属しております。教育・研究の評価に関しては大学評価・学位授与機構の方に依頼することになりますが、ご存知の通り機構の方では人文社会系についても一通り、全部の分野でこの3年間思考してきたわけです。教育も研究もやってきており、目標もたてて、機構の評価というのは目標という言葉ではなくて、その分野ごとの学部、研究科単位の目的・目標という概念で整理をして頂いて、それが実現しているか、目標に色々なことで貢献しているかいう立場の評価をしてきております。そういう意味で今回のご議論の中で国立大学法人の資料1‐2の8ページでは、目標自体は全学的な目標なのですが、実際にこの評価の立場からは複数の学部、研究科、附置研究所を保有する大学についてはその全学的な執行なのですが、必要ならば学部等の条件に即して、自主的に検討されて、云々ということで、学部に即した自己評価ということが、そういう部分を含んだ自己評価ということが明記されていますが、こういう風にして頂いたことによって一律の分野に属さない、一律の指標とかいうことではなくて、今学位授与機構で評価を通じて少なくとも国立大学が、その分野評価に関しては全大学ではないのですが、文部科学省の方で出されてきたものに対してやっているわけですが、その思考を踏んでいるものがこういう形で生かされるのではないか。既に、機構のやってきたことは理工の、理科系は良いということもありますが、教育・経済・法・人文、或いは総合科学ということでやって、大学の方では目標を立てる努力を既にされておりますので、そういうものも踏まえて行われるのではないかということです。そういう意味では8ページの(1)の記述というものがおかれていたことがこの評価につながるのではないかと、この分野に即した評価が出来ることにつながるのではないかというように思っております。以上です。

委員長
 どうもありがとうございました。2つの分科会がありまして、それぞれ性格が違うと思いますが、切り口は2つあると思います。1つは先程から議論になっております自然科学と人文社会科学は少し違うではないか。どういう風に評価軸をつくるかということがあります。
 それからもう1つは、研究の評価と教育の評価の問題。やはり少し切り口が違うのではないかということがあります。この当たりのことを整理しつつ、評価の指針をしっかりしていきたいと思います。しかしこれ4つに形式的に区切ってしまっても大変困ることでありまして、それぞれにやはり連携しておりますので、その点もやはり配慮していく必要性があるのではないかと思います。いずれに致しましても評価が今後の大学、さらに大学共同利用機関の活力、命運をやはり握るといって良いかと思っておりますので、今後とも真剣に論議を詰めて参りたいと思います。
 今日は議論をこれくらいにさせて頂きまして、事務局の方から今後の日程について説明して頂きたいと思います。

 ※ 事務局より今後の日程の説明、及び、今回評価委員会としてまとめられたものは、その後各大学に連絡をして、今後各大学において、中期目標・中期計画の原案を作成して頂くこととなる旨の説明があった。

野依委員長
 他にご意見がございませんでしたら、これで閉会させて頂きたいと思います。どうも本日はありがとうございました。

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