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国立大学法人評価委員会(第53回)・国立大学法人分科会(第27回)合同会議 議事録

1.日時

平成28年1月27日(水曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省東館13F1~3会議室

3.議題

  1. 第3期中期目標原案及び中期計画案について
  2. その他

4.出席者

委員

(委員)
北山委員長、市川委員、稲永委員、大滝委員、奥野委員、北野委員、桐野委員、田籠委員、早川委員、フクシマ委員、前原委員、宮内委員
(臨時委員)
小林委員、田中委員、巻之内委員、松川委員、森山委員、山田委員

文部科学省

前川文部科学審議官、常盤高等教育局長、小松研究振興局長、佐野総括審議官、関政策評価審議官、山下文教施設企画部長、松尾高等教育局審議官、生川研究振興局審議官、山﨑文教施設企画部技術参事官、氷見谷国立大学法人支援課長、牛尾学術機関課長、吉田国立大学法人支援課企画官、春山国立大学戦略室長、石崎学術機関課学術研究調整官

5.議事録

【北山委員長】 それでは時間になりましたので、第53回国立大学法人評価委員会総会を開会いたします。
本日は、4月から始まる第3期の中期目標の原案と中期計画案について御議論いただきます。
昨年、中期目標及び中期計画の素案の審議の段階では、総会に諮る前に分科会においても御審議いただいておりましたが、国立大学法人分科会においては、委員の皆様全員が総会の委員を兼ねていただいていることなどを踏まえて、総会においてまとめて審議することとしておりますので、御了承いただきたいと思います。
まず、事務局から配付資料の確認をお願いします。
【事務局】  資料を確認させていただきます。議事次第の裏面に配付資料一覧がございますが、資料1から資料6、参考資料1、2がございます。資料2には枝番がありますので、全部で9点になりますが、御確認いただければと思います。机上資料が1から5まで、これは昨年の国立大学法人評価委員会でお決めいただいたもの等の資料を用意させていただいております。そのほかに、中期目標原案、中期計画案、それから素案の段階から中期目標原案、中期計画案に至るまでの変更点をそれぞれの3つの観点ごとにまとめたものがあり、これは資料2‐2の別添という形になっております。御確認いただきまして、もし不足がございましたら、事務局に御連絡をいただけたらと思います。資料の確認は以上でございます。
【北山委員長】  資料についてはよろしいでしょうか。
今日の会議は公開となっております。
まず、本日の議事を始める前に、先月末に公表されました、平成28年度予算案の国立大学法人に係る部分について、事務局から説明をお願いしたいと思います。この第3期の中期目標期間のスタートとなる来年度予算は、第3期を方向付ける意味でも重要なものです。
それでは、事務局から御説明願います。
【事務局】  それでは、参考資料1を用いまして、来年度の予算案について御説明を申し上げたいと思います。
まず、参考資料の説明に入ります前に、政府全体の状況について御説明を差し上げたいと思います。昨年の6月に今後5年間を対象とする経済・財政再生計画が閣議決定をされており、平成30年度のプライマリーバランスの赤字を対GDP比1%程度を目安とするものでございますけれども、平成28年度の予算案につきましては、こうした政府全体の予算案の初年度の計画ということになりますので、歳出改革につきまして着実に推進するという基本的な考え方に立ちまして、国の一般歳出の水準の目安というものも編成をされたというような状況で、非常に政府全体としては厳しい財政状況ということでございます。こうした中で、高等教育関係の予算、特に国立大学の予算につきましても、できる限りの予算の確保に努力をしたところでございます。
まず、参考資料1、10ページを御覧ください。国立大学の基盤的な経費でございます国立大学法人運営費交付金についてでございます。運営費交付金につきましては、今申し上げましたとおり大変厳しい財政状況で平成16年度の法人化以降、減少傾向が続いていたわけでございますが、第3期の中期目標期間のスタートであります平成28年度の予算案におきましては、上の方にございますとおり、平成27年度と同額の1兆945億円の確保ができたところでございます。今後、第2期の改革の実績を踏まえながら、各国立大学の強み、特色を更に発揮していただくために、一層の機能強化を促進してまいりたいということでございます。
具体的な内容につきましては、11ページを御覧ください。教育費負担につきましては、後ほど説明いたしますが、2つ目にございます機能強化の方向性に応じた重点支援という部分でございますけれども、各大学の機能強化の方向性に応じた取組をきめ細かく支援するために、運営費交付金の中に3つの重点支援の枠組みを設けまして、改革を更に加速していきたいということでございます。この点につきましては、昨年の運営費交付金の検討会の審議まとめを踏まえまして、制度設計をしたところでございます。またこの重点支援の中では、※印のところにございますとおり、入学者選抜改革の取組も含めて支援をしてまいりたいと考えているところでございます。
それからもう1点、大きな点といたしまして、その次にございますマネジメント改革の推進というところでございまして、学長のリーダーシップやマネジメント力の発揮を予算面で強化する観点から、教育研究組織や学内資源配分の見直しを促進するための仕組みとして、学長裁量経費を新設したところでございます。こちらにつきましては、全体の内数でございますけれども、今年度試行的に実施しているものを踏まえまして、来年度から本格的な形で実施していきたいと考えているところでございます。
その次、共同利用・共同研究体制の強化につきましては、共同利用・共同研究拠点の強化に資する取組から、将来的に拠点を形成するような附置研究所等の先端的かつ特色ある取組まで、一体的に重点支援をする観点で予算措置をしているところでございます。
また次にございます大型プロジェクトにつきましては、大学共同利用機関等におきまして実施されます先端的な学術研究の大型プロジェクトにつきまして、国際的な競争と協調の下に、戦略的・計画的に推進をしてまいるということでございます。
次の12ページにまいりまして、附属病院の関係でございますけれども、こちらも国立大学附属病院の機能強化の観点から、必要な基盤的整備の支援を図るための支援策を充実させているところでございます。以上、運営費交付金全体として、今年度と同額の1兆945億円で構成されているところでございます。
運営費交付金につきましては以上です。資料の1ページに戻っていただきまして、それ以外の予算につきまして、国立大学関係の部分についてピックアップして御説明を差し上げたいと思います。
まず1ページ、奨学金につきましては、意欲と能力のある学生等が経済的理由により進学等を断念することがないように、今回は特に無利子奨学金について、新規貸与者の増員分6,000人を含めた貸与人員の増員を図っているとともに、所得連動返還型奨学金制度の導入に向けた詳細な制度設計や、システム開発等の加速についても予算が組み込まれているところでございます。その下、授業料減免につきましては、来年度も、学部・修士について約2,000人分の増員が図られるような形で予算の充実を図ったところでございます。
5ページでございます。ここは国公私共通の補助金の関係でございますが、一番上にございます高大接続改革の推進につきましては、先ほど申し上げました運営費交付金の中で約20億円の予算措置、それ以外にも大学入学者の選抜改革推進の委託事業、また大学教育再生加速プログラム、いわゆるAPにおきまして、今後支援をしていきたいということでございます。
その下、幾つか、これまで実施しておりました補助金の関係でございますが、例えば博士課程教育リーディングプログラム、また地(知)の拠点大学による地方創生推進事業、いわゆるCOC+などにつきましても、引き続き予算措置をさせていただきますとともに、新たなものといたしまして、先導的経営人材養成機能強化促進委託事業など、情報技術人材の育成拠点の形成部分につきましての増額などにつきまして、予算の充実を図っているところでございます。
6ページでございますけれども、グローバル関係の予算でございますが、こちらもスーパーグローバル大学創生支援ということでございまして、引き続きの実施でございますが、この部分の補助金につきましても対前年度比で若干減額にはなっておりますが、引き続き支援ができる体制ということで予算措置をさせていただいております。
その下、留学生交流の充実の点でございますが、海外留学支援制度といたしまして、協定の派遣型ということで1,000人の増、それから協定受入型につきまして1,000人減になっておりますが、7ページを見ていただきまして、新たに留学生受入れ促進プログラムというところで1,000人の増をした形で新規で予算措置をしているところでございまして、こちらにつきましても留学生の派遣、受入れにつきまして充実を図っていきたいと考えているところでございます。
8ページ以降はそれぞれの予算項目につきましての詳細な資料でございますので、説明は割愛させていただきたいと思います。私からは以上でございます。
【北山委員長】   ありがとうございました。
ご説明の冒頭にありました通り、運営費交付金については、1兆945億円で今年度と同額です。昨年、財政審で、運営費交付金を毎年1%削減し、その代わりに、各大学が例えば寄附の増加や授業料の値上げ等によって自己収入を1.6%ずつ増やすことで辻褄が合うといった趣旨の提案がありました。これに対して、今、各国立大学にこれだけの改革を促している中で、そのような運営費交付金の減額は到底受入れられないということで、国立大学法人評価委員会でも反対の所見を出しておりますが、その後の文科省の折衝もあり、来年度については同額が確保できたということです。委員の皆様の御支援、御協力にお礼を申し上げます。ありがとうございました。
ただ、再来年度の予算についても、また同じような議論が起こるかもしれませんので、国立大学法人評価委員会としては今後とも、大学等の改革を後押しするような形で機能していきたいと思います。
では、予算に関して、何か御質問はございますか。
(特段の質問なし)
それでは、議事に移りたいと思います。冒頭に申し上げました本日のメインテーマである、第3期の中期目標原案及び中期計画案について、御審議いただきたいと思います。なお、本日の当委員会のタスクは、2月中に予定される各法人の中期目標に対する意見の取りまとめです。中期計画については、3月に開催予定の国立大学法人評価委員会の総会において御審議いただき、そこで委員会としての意見をまとめることになりますが、目標と計画は一体的なものでございますので、中期計画案についても、本日、中期目標原案と一緒に御覧いただければと思います。
では、第3期の中期目標原案及び中期計画案について、事務局から御説明願います。お願いします。
【事務局】  まず、資料1をお手元に御用意いただければと思います。これは昨年の11月の段階から来年度までのスケジュールを見渡したものでございますが、昨年11月6日の国立大学法人評価委員会の総会で、素案についての意見をおまとめいただき、それを踏まえた大臣通知を、平成27年12月1日に各法人に向けて発出させていただいております。この通知を待つまでもなく、平成27年11月6日の国立大学法人評価委員会総会において審議いただいた国立大学法人評価委員会の意見を大学に連絡させていただいており、この意見でおまとめいただきました、一つは強み・特色といったものをより明確にすること、それからもう一つは、事後的な検証が可能になる取組や指標といったものを更に工夫できないかということについての検討を、年明けにかけて、予算の編成も踏まえながら各大学で行っていただいたということでございます。その検討を踏まえた中期目標原案・中期計画案を平成28年1月15日に各大学から文部科学省に御提出いただきまして、それを本日御覧いただくことになってございます。
今後といたしましては、文部科学省の欄にございますが2月の下旬に中期目標の提示がございます。中期目標の提示につきましては、それを受けた法人が新たな中期目標期間の最初の年度が始まる30日前までに中期計画を認可申請しなければならないということが法令的に決まっておりますので、2月の下旬には中期目標の提示が必要になってまいります。
それから中期計画について申し上げますと、3月下旬の認可になりますが、その根拠となる中期目標の提示に向けて今回が最後の国立大学法人評価委員会総会でございまして、中期計画の認可に当たりましては、3月上・中旬に日程を予定させていただいておりますが、冒頭委員長からも御説明いただきましたように、そこの総会で最終的な審議をしていただくというような段取りになっているところでございます。
それから1点、1月下旬の国立大学法人等の欄に、「戦略性が高く意欲的な目標・計画」の提出ということで、これはまた後ほど御説明をさせていただきますが、その「戦略性が高く意欲的な目標・計画」の認定ということも、3月の総会では併せて御議論をいただくということ、その間に中期目標・中期計画それぞれに財務省の協議というものがございますので、これを経まして来年度から新たな第3期中期目標期間を迎えるという流れになっているということでございます。
その次ですが、資料2が、枝番で2つございますけれども、2-2から御説明させていただければと思います。これは先ほど資料の確認のところで申し上げましたが、素案の段階から本日の原案の段階でどのような点を変えたかという形で、変更点、変更前、変更後の目標と計画がそれぞれ一覧になっている資料でございます。これを全部の変更数ということで申し上げますと、資料2‐2のリード文の6行目あたりに書いておりますけれども、86法人のうち75法人において、1,342件の変更があったということでございます。中身は様々でございまして、おまとめいただきました意見に沿って目標に強み、特色を明示したというものもございますし、取組や指標を更に検討して明確にしていただいたというもの、字句の訂正のレベルのものまで様々でございますが、全体としてはそのような数になっているということでございます。
観点ごとに御説明させていただきます。1がその直後にございますが、おまとめいただきました観点のうちの1つ目の、国立大学法人が自らの強みや特色を明示して、特に重視する取組について明確な目標を定めるということについてですが、全ての法人に更なる検討を要請した結果といたしましては、それが先ほどの資料の山の一番上にある別添1になりますが、件数といたしましては、中期目標・計画、両方合わせまして124件、35法人になってございます。
この資料2-2で幾つかを例示として御紹介申し上げたいと思います。1つ目は、お茶の水女子大学で、中期計画のところでございますが、グローバル女性リーダーの育成ということで、下線部が追加されたところでございます。お茶の水女子大学のグローバル女性リーダーの育成ということ自体は、大学の取組で掲げているところでございますけれども、それについて、2行目のあたりからですが、平成33年度までにその拠点において海外機関との連携を10機関以上と行うということで、特に重視する取組についての目標を明確に定めることや、それから後段の方の下線につきましては、アジア型に新たなリーダーシップ像の提案や、新しいグローバル女性リーダーシップ論の構築ということで、具体的な取組を強みや特色という中で表したということが計画の主な変更点です。
1枚おめくりいただきまして、一橋大学でございますが、これは中期目標の前文でございます。これも下線部のところが追記された形になってございます。一橋大学には、元々、一橋大学研究教育憲章というものがございますが、そこで一橋大学の使命として定めていることをこの前文でも明確に位置付けるということと、後半の方で、3点書いてありますが、これは昨年の春頃に、一橋大学の学長の見解として3つのプランを示しておられます。1つ目は、国際共同研究を社会科学高等研究院という拠点をもって推進していくことや、2つ目としましては、グローバル人材の育成ということで、どのようなグローバル人材を育てるのかという明確な人材像がございます。3点目といたしまして、社会科学系のプロフェッショナルスクールを一橋大学は整備していますが、これの高度化を図っていくということで、この3点を中期目標の前文で明確に掲げるということでございます。
次の福井大学でございますが、これも下線部が追加でございます。3ページの冒頭にある理由の方も併せて御覧いただければと思いますが、地域に根差す国立大学として、冒頭に御説明させていただきました予算の仕組みの中で、福井大学は重点支援のマル1 の枠組みを選択しましたので、この点をより明確化するという観点から、地域に根差す国立大学としてということを中期目標の冒頭に置き、中期目標の中でも初めの目立ちやすいところに記載し、地域一体型教育を推進していくということで、そうした大学の一つの基本的な方向性を明確にしたということでございます。
それから島根大学におきましては、平成29年度に新たな学部を設置する計画がございますが、この文章の冒頭にも書いてありますが、島根県という地域が抱えている高齢化や過疎化といった問題に対応するという具体的な分野をここに明示するとともに、更に大学院の整備も継続して行っていくということで、その時期を明確にしたということでございます。
それから熊本大学におきましては、熊本の地域特性である水資源を活用して新たなセンターを改組して設置することにより、水資源の研究を、例えば防災に関するグランドデザインの構築のモデルを行政に提言するというような、地域に根差した形での社会貢献をやっていくということを、今まで記載されていなかったものを全文追加することで、中期計画に明確に追加したということでございます。これが、一例に過ぎませんけれども、強みや特色を明示したものの例でございます。
4ページに移りまして、2でございますが、事後的な検証を可能とするというところでございます。こちらにつきましては、総件数としては571件、62法人ということで、2の方が法人数としては多いということでございます。その例を幾つか紹介させていただきますと、2つ観点がございます。初めの3大学は、達成状況や達成時期、判断基準を明確にした例ということで、弘前大学については、端的に分かりやすいのは一番下のところ、知的財産の計画で、従前は「・・・支援する。」ということで終わっていたところを、未利用特許の活用数や地域企業との共同出願特許件数の増加を目指すことを明確にしていただいているということです。
それから、お茶の水女子大学については、教育関係共同利用拠点で、湾岸生物教育研究センターを設置していますが、従前であればそのプログラムを充実するというのみの記述であったところを、新たな臨海実習コンテンツやバイオリソース開発ということで手段をより明確化するとともに、教育共同拠点のため、それをきちんと全国の大学に提供するということで、数値目標に限らない形で達成基準を明確にしたということでございます。
それから広島大学におきましては、これは最後の方を追加したものでございますが、キャリア開発支援を行って、その達成状況の判断基準として学生の満足度を85%以上にすることを明確にうたっているということです。
残りの3大学が、取組例や手段を具体的に記載したということでございます。宇都宮大学におきましては、大学の広報でございますが、これは下線部を追記していただいている形です。今までホームページや広報誌のみだったところを、大学ポートレートの事業を活用することや、後半に書いてあるような、ソーシャルメディアも活用して、分かりやすい情報発信をする手段を明確にすることなど、広報の具体的な手段を追記いただいております。
続いて名古屋大学についても下線部を追加されております。以前は、下線部の直前の、「・・・強化・拡充する。」というような記述だったところを、強化・拡充するために何をするのかということで、優れた外国人教員の雇用や、研究施設、設備の充実といった手段を更に明確に書かれたところです。
それから宮崎大学の例で申し上げますと、学生支援の項目でございますが、以前の文章は、入学前から卒業後まで一貫して学生を支援する体制を整備するということのみの記述だったところを、学生の入学時、在学中、卒業までの履修状況やキャリア意識、就職状況のデータを一貫して整備して、それを調査・分析して支援に生かすといった基準や取組の具体的な手段を追記されております。こうしたものが全体で571件という状況になってございます。
3は、国立大学法人評価委員会でおまとめいただきました2つの観点以外の、求める内容に基づかない変更ということで、特に例示はしておりませんが、件数としては一番多く、647件になってございます。例といたしましては、素案の提出時にまだ学内調整中だったことを、それがある程度見えたということでの具体化や、形式的に誤字脱字の修正のようなものも中にはございました。こういうことで、素案の段階から国立大学法人評価委員会でおまとめいただきました意見を踏まえて、全体としては1,342件の改善をしていただいているということでございます。
改めて、このような改善を踏まえた概況ということで、資料2-1にお戻りいただければと思います。
この2-1の資料は、前回、平成27年11月6日の段階でも資料の参考としてお付けした資料でございますが、それを多少ブラッシュアップしたものでございます。全体の概況といたしましては、先進的な取組や高い数値の目標、意欲的な計画が多く見られ、特色や強みを明示ということや、事後的な検証を可能にすることもよく確認できるように、参考ですが、数値目標の数を第2期と第3期の比較で書いております。素案の段階では、第3期の数値目標が1,457件ということでございましたので、この2か月程の間で更に70件程の数値目標が設定され、そうしたところでの具体化は更に進められております。こうしたことも含めて、国立大学としての社会的責任を果たしていこうということや、その大学の特色や魅力をきちんとアピールしていこうということが確認できるのではないかということでございます。
2ページ以降は、具体的な計画の例をお示ししているものでございます。これについては大きくは素案の段階から変更してございませんが、新たに教育に関する計画の項目で、86法人から共通してピックアップできる項目を選び、大学にも確認させていただきまして、そうしたことに実際に取り組んでいるかということではなくて、中期目標・中期計画の中で明示しているかということを、確認させていただいたところでございます。こういったことを素案の段階でお示しできていなかったので、3ページの中程に今回追加をさせていただいております。
具体的な例としましては、各大学のところに書いてございますが、例えば教育の質的転換を図るためのアクティブラーニングの導入ということでありますと82法人が中期目標・中期計画に明示しています。教育課程の体系化ということでありますと73法人が、学生の学修時間確保ということでありますと61法人が、中期目標・中期計画へ位置付けられているという状況を、全体の状況等をお示しするために、ここに追加しております。
4ページに移っていただきまして、研究の観点におきましても、共通したものでございますが、特定分野を重点的に推進するということを掲げている、学際的研究や国際共同研究の実施、産学共同研究件数の向上等で、86法人の中でどれだけ中期目標・中期計画に位置付けて取り組もうとしているかということが、お分かりいただけるような形になっております。
以下、3で、社会連携や地域を志向した教育・研究につきましても、教育コンテンツの開放や地元自治体や地元企業との共同研究の推進といった取組や、それから6ページ、グローバルのところでございますが、日本人学生の海外への送り出しや、外国人留学生の受入れということを、これだけの大学で数や比率について向上させていくといった記述があるということでございます。
全体の項目の立て付けとしましては、教育研究等の質の向上には、今申し上げた項目のほかに、附属病院や附属学校に関する計画があり、7ページ以降が、業務運営の改善・効率化ということでございます。組織運営の改善として教員の多様性、流動性でございますとか、研究組織の見直しという点でございますが、これも全体感として申し上げますと、8ページにあります、IR機能を強化し、それを全学のガバナンスの運営に生かしていくことを明示的に示されているのが78法人、監査機能の充実を図っていくことが79法人、それから年俸制や女性教員、女性管理職の比率といったことで、これだけの法人が示されており、9ページの一番上には、組織見直しの関係で、学部段階での組織見直しや大学院段階の組織見直しということで、それぞれ44法人、66法人が、記述の具体性ということでいうと濃淡はもちろんございますが、示されているということです。それから事務の効率化につきましては、事務処理の一元化・共同化や、スタッフディベロップメント、事務職員の能力向上ということで、これだけの大学が取り組むということでございます。また10ページにまいりますと、財務内容の改善というところで、3つございますが、外部資金の獲得をこれだけの数の法人がうたっていることや、10ページの下で82法人が経費の抑制ということを記述しています。それから、11ページでは自己点検・評価や情報の提供ということで、計画の例としてお示ししております。12ページに参りますと、施設の整備・活用ということで、施設利用の点検・見直しや、学長裁量スペースの確保と活用、それからスペースチャージの導入などをお示ししております。スペースチャージにつきましては、既に行っている法人は改めて書いていないという部分もございまして、36法人になっています。安全管理に関する計画では、年度評価の中でも課題が生じることがございますが、各種規制の対象となる研究資材の適正な管理に関する取組や、13ページに参りますと、法令遵守、コンプライアンスのところでございますが、例といたしましては、茨城大学や浜松医科大学を出させていただいております。最後のところで参考として書いております研究費不正・研究不正の防止に関する取組ということでは、86大学全てにおいて取組が中期目標原案等において記述されているほか、また情報セキュリティに関する取組ということでは、84法人において取組が記載されているということになってございます。
全体の概観としては以上でございます。
それからもう少しだけお時間を頂きまして、資料4につきまして、こちらは中期目標原案の変更前と変更後になってございます。今日が中期目標の最後の御議論ということで、中期目標だけを抜粋した資料を資料4として御用意させていただいております。
それから資料5でございますが、先ほどのスケジュールのところでも申し上げましたが、「戦略性が高く意欲的な目標・計画」の認定ということでございます。これは、明後日までに大学から文科省に御提出いただくというスケジュールになってございまして、3月の総会でまた改めて御議論いただくということでございますが、そもそもの立て付けにつきましては、達成度のみではなくプロセスやその取組状況を併せて評価することによって意欲的な目標設定を促そうという仕組みでございます。認定の方針については、先導的・先駆的に取り組むものや、高い数値目標を掲げて取り組むもの、それから重点的な資源の再配分を行って高い水準の目標を掲げて取り組むものという3点について、平成27年11月6日の総会でお認めいただいており、大学で提出に向けて最終的な段階に入っているところだと思います。
これにつきましては、2月の総会前の段階で、国立大学法人の部分に関しては、国立大学法人分科会に所属される委員の方に事務局から御説明、御相談をさせていただければと思っておりますので、またその際はよろしくお願い申し上げます。
それから、資料6についてでございますが、中期計画で素案から追加されている部分がございます。それが資料6でございますが、ローマ数字の6から10までの、「予算」から「その他省令で定める」というところは、法令上は中期計画で定めることになっており、素案の段階ではこの部分はまだ入っていなかったものでございますが、このうち6、7を除く、8から10までのところが追記されているということでございます。6、7につきましては、予算の関係もあり、スケジュール的にまだ大学に対して作業のお願いをしていないところでございますので、3月には、ここも含めた形で御覧いただけるような運びになっております。
大変長くなりましたけれども、私からの説明は以上でございます。
【北山委員長】  それでは、続けて大学共同利用機関法人についてお願いします。
【事務局】  それでは、大学共同利用機関法人の中期目標及び中期計画の素案に対する所要の措置への対応状況でございます。資料3を御覧いただければと思います。
大学共同利用機関法人に対しましても、昨年12月1日付けの文部科学大臣通知におきまして、中期目標・中期計画の更なる自主的・自律的な検討を求めさせていただきまして、その結果といたしまして、素案から4法人で265件の変更がなされたところでございます。具体的な内容につきましては、資料3の別添資料がありますが、こちらは大部にわたりますので、資料3に基づきまして、主な変更内容につきまして御説明させていただければと思っております。
まず、1でございますが、こちらにつきましては、大臣通知によりまして特に明確化すべきものとして、9項目の検討をお願いしたところでございます。結果といたしましては、1の項目につきましては、4法人から36件の変更が行われているという状況でございます。具体的にはマル1 の、大学共同利用機関法人間の更なる連携という部分につきましては、協議を実施するにとどまっていた記述について、内容を具体的に記載するよう検討を求めたところでございますが、ここに書いてある「修正後」にございますけれども、例えば、4機構連携による研究セミナーの開催や、最後の行にありますが、広く国民や社会に発信を行うというような形で、具体的な取組内容の記載に変更がなされているところでございます。
2ページ目のマル2 でございますけれども、総合研究大学院大学との一体的な連係の強化という部分につきましては、大臣通知におきまして、大学共同利用機関としての人材育成の考え方やその方針などが的確に反映できるよう、具体策について記載するよう検討を求めたところでございます。こちらにつきましては、総合研究大学院大学との連携体制を更に強化するという観点から、機構長自らが協議会へ参加する、あるいは教育担当理事のアドバイザリーボードへの参加を行うことなど、基盤機関による一体的な連係の強化を図るための具体策を記述していただいたところでございます。
続いて3ページ目でございますけれども、監事機能の強化の項目につきましては、大臣通知におきまして、監事の常勤化による機能強化のみならず、実情に応じたサポート体制の具体化を図ることの検討を求めたところでございますが、修正後の記載内容にありますとおり、監事を常勤化すること、それからサポート体制を充実することのほか、毎年度、テーマを設定した監査を実施するというような具体策に変えていただいているところでございます。
マル4 の、研究倫理教育等の強化でございますが、こちらは大臣通知におきまして、ガイドラインで示す体制を整備し、法令を遵守させるだけでなく、受講者の理解度や受講状況を管理・監督するなどの具体策を盛り込むことについて検討をお願いしたということでございますが、こちらも修正後の記載にありますように、例えば理解度チェックテストを実施し、成績不良者には再度研修を課すこと、それから誓約書の提出、次ページ目になりますが、チェックテストで一定の成績を修めることを外部資金の応募の条件とするなどの具体策を記述していただいたところでございます。
次にマル5 の、法人ガバナンス体制の強化についてでございますが、大臣通知におきまして、その具体策を盛り込むことについて検討を求めたところでございます。例えば4ページ目にございますが、(その1)の修正後の記載のとおり、IR機能の強化に伴う現状分析や研究の動向の把握、それから研究戦略の立案などの具体策が記載され、変更がなされているところでございます。
その後、マル6 、マル7 、マル8 の(その2)から(その5)についても各法人で修正を加えていただきまして、より具体的な記述内容となってございますので、時間の都合もございますので割愛いたしますけれども、後ほど御覧いただければと思います。
7ページ目を御覧いただければと思いますが、2の「目標を具体的に実現するための手段を策定し、その手段が遂行されているかどうかを検証することができる指標を設定すること」に関連しましては、更にこれも検討を求めたということで、4法人から79件の変更が行われているということでございます。7ページ目以降に示します修正後の記載にありますとおり、それぞれ具体的な取組内容の記載、数値目標の設定など、事後的に検証が可能となるような記載がされているという状況でございますので、御覧いただければと思います。
それから、9ページ目でございます。3の、「所要の措置について」が求める内容に基づかない変更箇所については、誤字など、形式的な修正のほかに、新たに数値目標を設定することなど、素案提出時に調整中であったことが整理されたことに伴いまして、4法人全体で150件の変更が行われているという結果になってございます。こちらの変更につきましては、素案の中に定めた中期目標・中期計画の記載内容のレベルといいますか、質を下げるような内容ではなくて、前向きな形で変更が行われることが認められている記載となっているところでございます。
私からは以上でございます。
【北山委員長】  ありがとうございました。
大学共同利用機関法人については、今月の22日に開催された大学共同利用機関法人分科会でご審議いただきましたので、分科会長の稲永委員から、これまでの審議状況について御報告をお願いします。
【稲永委員長代理】  今、事務局から詳しく報告があったとおりですが、分科会としてどのように取り組んできたかということを、概括させていただきたいと思います。大学共同利用機関法人分科会では、昨年12月に各法人に送付された大臣通知を踏まえた、4法人の中期目標原案及び中期計画案の対応状況を確認いたしました。先ほどの事務局からの説明のとおり、大臣通知に基づき特に明確化すべきものとして更なる検討を求めた9項目をはじめとして、全ての法人において一層の自主的・自律的な検討が行われ、中期目標・中期計画の素案からの変更が行われていることを確認いたしました。大学共同利用機関法人分科会としましては、全ての法人の中期目標原案及び中期計画案が大臣通知の趣旨に沿ったものとなっており、また大臣通知によらない変更についても、素案提出時に調整中であったことが整ったなどによる変更であったことから、各法人の中期目標原案及び中期計画案について特段意見はないものとして了承しております。
また第3期中期目標期間においては、各法人がIR機能を強化し、共同利用・共同研究の成果を可視化することや、4法人が更なる連携の強化を図ることなど、新たな取組を開始することで、法人のガバナンス体制がより一層強化されること、特に大学の機能強化への貢献が果たされることなどを期待しているところであります。
なお、分科会においては、研究不正に対する研究倫理教育等をより一層強化するためには、研究倫理教育の実施、受講者の理解度の把握のみならず、これら受講などを法人として外部資金への応募をする際の要件とすることが必要であり、これらの観点については全ての法人の中期計画に盛り込むことが必要ではないかとの意見がありましたので、申し添えます。以上でございます。
【北山委員長】  ありがとうございました。
では、ここまで御説明いただきました内容に関して、御意見、御質問があればお願いします。冒頭に申し上げましたように、本日は、総会と国立大学法人分科会の共同開催となっておりますので、始めに、国立大学法人分科会長をお願いしております奥野委員からお願いします。
【奥野委員】  今、御案内がありましたように、国立大学法人分科会では、あらかじめ分科会を開催しておりません。前回の総会で少しお話ししましたように、我々の意見でいろいろ出た中では、こういうかなり厳しい状況の中で国立大学はよくやっているというのが、一つの大きな話でした。委員の中では、私の危惧もあったのですが、第2期から第3期にかなりいい方向に変わったと思います。しかし、心配であったのは、過剰反応して数値目標ばかり書いているところがあり、言い方はよくないですが、そういう過剰反応を私たちは求めていないということです。数値目標は、文科省も何件あるか数えていますし、我々もきっちり数えて、こんなになっているという議論が実はあったのです。委員はそういうことを求めておらず、プロセスとかそういうことをきっちり提示し、評価委員が年度評価をできるようにしてくださいというのが、我々の意見です。しかし、私が心配した過剰反応まではなっていないように思いました。今回変えてきたものは、「てにをは」などが多かったので、正直言ってほっとしています。
【北山委員長】 ありがとうございます。
それでは、委員の皆様、いかがでしょうか。
【小林委員】  来年度予算については、後ほど事務局から御説明があるかもしれませんが、事務局の努力で、どうなるか心配した科研費も現状維持していただいたところだと思います。先ほど御説明がありましたとおり、全部の法人で研究倫理教育について記載があったことは適切であったと思います。これはおととしの夏の大臣決定から、昨年3月までの集中準備期間というのが、生かされた結果だと思います。ただ、その書き方が、かなりばらつきがあるなというのが、率直な印象です。例えば事務局で御説明がありました資料3の3ページ、これは修正後ですが、マル4 の情報・システム研究機構の記述が、恐らくこれが模範ではないかなと思います。1つは、繰り返しになりますが、研究倫理教育の研修を毎年行う。2番目に、受講者の理解度の確認のチェックを行う、1ページめくった4ページの上ですが、可能であれば外部資金への応募要件とすると。恐らくその3要素がきちんと書かれていると思うのですが、そう書いてあるところもあれば、研究倫理教育を行うという1行で終わっているところも、少なからずあるわけです。そうすると、厳しく書いたところは、今後、毎年これをやっているかどうかをチェックされるが、逆に曖昧に書いているところは、余りそこは見られないということがあるのは、いかがか。もちろん大学ですから、何を研究するかは自主・自律があるのですが、ねつ造や改ざんをどこまでやっていいかという自主・自律があるとは私には思えないので、これは分野を越えてきちんとやるべきことはやるとしたほうがいいと思います。特に、日本は全ての国立大学が運営費交付金をもらっています。それから、私立大学も私学助成をもらっています。もらっていなくても自らきちんとやりますというのを書くべき問題だと思うのです。それなのにかなり記載にばらつきがあると今後の評価の際に不公平が生じるのではないかと、率直な印象で思いました。
【北山委員長】 ありがとうございました。
本日の議事について事務局から事前にご説明いただいた際にも、第3期は、数値目標、KPIをしっかり入れて、後で評価しやすくするといった話がありましたが、もう一つ、3つの重点支援の枠組みができた点が第2期と第3期の大きな違いだと思っています。国立大学のミッションの再定義も踏まえて作られた重点支援の3つの枠組みに対して、86法人がそれぞれ、どこに軸足を置くかを選びました。今の段階では難しいかもしれませんが、第3期が始まって少し経った時点では、それぞれの大学が、その軸足、ミッションに基づいて戦略を立て、計画を進めているということが分かるよう工夫できないか、といったことを文科省にお願いしています。
ほかにいかがでしょうか。
【早川委員】  小林委員からの指摘もありましたけれども、私は今回の資料2-1で(参考)という数値、各法人における取組の状況が串刺しにして分かるような整理をしていただいたことは、とても意味のあったことではないかと思います。かねてから申し上げていましたように、各法人が自分の立ち位置がどうなっているのかというのが、このペーパーを見ることによって見えてくる、概観できるという形に、少なくとも一歩前進したのではないかと思っております。事務局としては大変御苦労をなさったと思いますけれども、今回限りということではなくて、年度評価においてもこのような資料を出していただけると、その時々の進捗状況がより見えやすくなってくるのではないかなと思います。
それと、全体としては進んでいる法人が取り上げられているわけですけれども、教育のところでは一部まだ取組の少ないところも挙がってはいますが、その他の項目でも、将来の目というか、今後こうした取組が取り組まれることが望ましい方向のようなことが見えるものがあれば、数値としては、少ない法人であっても掲げるというようなこともやっていただけると、少し今後の方向性も見えたりするのかなと感じました。
以上です。
【北山委員長】  ありがとうございます。
ほかに御意見はございますか。御質問でも結構です。
【前原委員】  感想でもいいですか。私は10年程前に学位授与機構で国公立大学の評価の委員をさせていただいて、あの当時は非常に混乱していて作業も大変だったのですが、その後、文科省の皆さんの御尽力で非常にいい方向に向かってきたかなと思います。恐らく、今取り組んでいらっしゃることは、10年、20年、30年たったときに、きっといい結果として出てくると思うのですが、一つだけ私が心配していますのは、学長の経営者としての力量がかなりストレートにその大学の将来に反映してしまうという状況になってきたこと、これはいいことではあるのですが、私立大学だったらそれでもいいのだけれども、国公立大学の場合は、そうなったときに本当にいいのかどうかというのは、難しい問題だと思います。学長になられる方は、研究者あるいは教育者として非常に卓越した方がなられていると思っており、大きな組織の経営はまた違う能力が必要だと思うのですが、そういう訓練はほとんど受けておられない方が多いと思うのです。ですから、これは我が国の国立大学の将来にとって非常に大きい課題になるのではないか。だから組織の在り方も含めて、これから10年ぐらいたったときに、よくお考えいただく必要があるのではないかというのが、感想でございます。
【北山委員長】  ありがとうございます。
【奥野委員】  一言いいですか。少し戻るのですけれども、小林委員の最初の御発言で、3つの要件を書いたらそれが評価されるというのは、気持ちは分かります。流れから言うと、この評価委員会の評価対象は中期計画に書くかどうかですから。しかし、小林委員がおっしゃったコンプライアンスで定められたことは、ガイドラインなどいろいろなもので各大学に発出されているから、今はもうそれが当たり前になっているのだと思います。当たり前のことを中期計画に書くかどうかと言われたら私は少し抵抗があります。当たり前になっているから、書かなかったので評価されないということは、あり得ないのではないですかね。
【小林委員】  誤解があると思うのですが、書かなかったら評価しないという話をしているわけではなくて、例えば京都大学の場合は、きちんと研修を受ける人の割合まで数値で出しています。そういう大学もあれば、「やります」の1行で終わっている大学もあります。そうすると、今度はこの中期計画をきちんと遵守しているかどうかというチェックをするときに、きちんと書いてある方が逆に厳しく見られてしまう。「やります」という1行だったら、やっていれば済んでしまうのか。そこを私は問題ではないでしょうかという問題提起をしているわけです。もちろん、全ての大学でこれについて記載しているということは、一歩大きな前進だと思いますので、これで終わりではなくて、もっと先があるのではないでしょうかということを申し上げたわけです。
【北山委員長】  これは、直接御担当された国立大学法人支援課の皆さんにお聞きしたいのですが、86法人のうち、似た目標に対して、細かく記述した大学と、抽象度が比較的高い大学があることは、横並びでみた文科省が一番よく分かるはずなので、当然、ある程度細部まできちんと書いてくださいというお願いをされていると思うのですが、そういった点に関して何かコメントがあればお願いします。
【事務局】  小林委員がおっしゃるとおり、「やります」ということが一言書いてあるというところと、「これこれ、このようにやります」という大学があります。基本的には中期目標・中期計画についての実績の評価ということになりますので、丁寧に書いた方が、きちんとやっているかということを、ディテールも細かく見られるということは、御指摘のとおりでございます。研究費不正のところにつきましては、一昨年の9月に組織見直しの視点ということで評価委員会でおまとめいただきまして、昨年6月8日の大臣通知でも、特にガイドラインが研究費不正、それから研究不正ということで両方とも改訂されていることも踏まえて、きちんと取り組むように書かせていただいているところです。それも踏まえて全ての法人で何かしらの取組をするという記述になっていると思いますが、その通知の段階では、事実として、小林委員からおっしゃっていただいた、倫理教育と理解度の確認、それから競争的資金の申請の要件まで書くということは、大臣通知では記載しておりません。ただ、一方で、どのように取り組むかということは、なるべく具体的に書いてくださいということは、これに限らず全体として言っている中で、各大学でこのようなことで記述があるということでございます。
研究費不正について申し上げれば、小林委員からもお話しいただいたところと思いますが、平成26年2月、2年程前に研究費のガイドラインを文科省で改訂をしておりますが、そこでコンプライアンス教育の実施、研究倫理教育、それからその受講状況や理解度について把握するということは、このガイドライン自身が文部科学省、もしくは文部科学省が所管する配分機関の研究資金に関することの現状ではございますが、研究倫理教育を受けるところについては、大学でそれを要請するということで、前者の2つについては義務的にお願いさせていただいていて、そのチェックも大学でチェックシートを用いて自主的にしていただいておりますし、またモニタリングということで抽出的な調査もしているということで、実態としてはそこについては奥野委員に言っていただいたように取組はされているのだと思います。ただ3つ目の、それを競争的資金の要件ということでの学内の扱いにするというところまでは、ガイドラインで義務的に求めてはおりません。むしろ配分機関でそれを求めているということになっておりますので、もちろんそうした取組をしているところは幾つもございますけれども、ガイドラインとして大学に要請をしてきているまではまだ行ってはいないというところです。先ほど申し上げましたように、通知やその後の具体化というところで、そのようにしてきたことと併せて考えたときに、どこまで具体的なところが言えるのかというのは、今までのガイドラインを中心とした研究費不正に対する取組ということで文科省が進めてきたところとの整合性は考えなければいけないのかなと、事務局としては思うところでございます。
【事務局】  研究費不正については、研究振興局で担当しているわけですけれども、中期計画に書くかどうかということとは別といたしまして、先ほど説明がありましたように、ガイドラインも何か起きるたびにかなり厳しいものに改正してきています。現在のガイドラインは、研究者個人がきちんとしてくださいということだけではなく、組織としてきちんと研究費不正が起きないようにするという書き方、内容になっております。それにも関わらず、昨年末に大阪大学で研究費不正の事案が起きたということで発表がありました。内容の大半は平成16年以前のものではあったのですけれども、最近の平成26年度の研究費不正の事案も含まれていました。何度も何度も研究費不正がないようにと文部科学省として各大学等研究機関にお願いしているにも関わらず、なぜか起きてしまうのかということで、私どもといたしましても、いろいろな会議で本当に厳しくお願いし、各大学での組織的な取組をお願いしている状況がありますことを、一言お話しさせていただきました。
【奥野委員】  話が少し変わってしまったのですが、もう一度、小林委員の話に戻して、評価委員会として必要なのは、一方の大学の評価は厳しくなって、一方の大学の評価はよくなったりする可能性があるので、評価委員会はかなり注意しないといけません。そういう御指摘ですね。
【小林委員】  そうです。
【奥野委員】  そのような御指摘を受けたので、事務局もそこは十分注意して今度はやってください。今から書き直したりすることはできないわけですから。
【小林委員】  はい。それから、研究費不正だけではなく、不正行為も含めてです。これは文科省に言われたからどうこうではないと思います。むしろ大学が自主・自律的に本来やらなければいけないことなのですが、大学によって反応に違いがあります。これを今後、毎年、チェックをするときに気を付けていきましょうという話です。
【宮内委員】  今言われたような問題があるので、今までも重点課題という形で、目標や計画にあろうとなかろうと、実態は把握するということになるのだろうと思うのですね。実態を把握した上で、目標に立てている例えば92%と先ほど言われた率が、非常に高度な率かどうか判断する必要があります。他のものとの比較をした上でも非常にハードルが高いものであるとすれば、そこが達成できなくても、いきなり課題という話にはならないような施策というかやり方を、今までもやってきているし、これからもそういう形で行われるのではなかろうかと思いますので、大丈夫だと思います。
【山田委員】  御質問といいますか。中期目標などにおいて、例えば業務運営の改善及び効率化ということで、いろいろな目標、そういうものを挙げていらっしゃるかと思います。この資料の2-1の8ページですが、参考というところで5項目挙げていただいているのですけれども、この中でIR機能の強化を78法人が挙げていらっしゃいます。実は、他の例えば女性教員数や比率の向上、女性管理職比率の向上というものと比べますと、IR機能となりますとIRの人材というような専門的な要素が入ってくるところだと、私は思っております。実際に、昨年度もいろいろヒアリングをしたときにもIRのお話を出されておりますが、実態といたしましては、私どもの日本高等教育学会はおそらく唯一IRの人材を養成できるような学会でございますけれども、IR人材が日本では育っていないのですね。ですから、この78法人で、もし1人ずつでもそういう人を置くとしても、78人は必要になってくるわけで、それに私立大学が入ってきたとして、そういう人たちをどのように回していくのかというのが見えてこないなと思っております。これが中期目標期間の間で、例えばそういう人材を育てるというような予算と関連してくるのかなというようなところも、質問したいところでございます。これはURAでもそうだったかと思うのですが、URAなどはそういう予算と組ませた部分もあったかと思うのですが、IRについては養成に3~4年掛かる部分がございますので、そういうところはどのように見通しをお持ちなのかなというところがあります。
【北山委員長】  これは、各大学でどのようにIR人材を養成していくのかという問題だと思います。昨日、中教審の大学分科会があったのですが、3つの議題のうちの1つが事務職員の資質能力向上に関する話でした。事務職員といっても財務を始めとしたいろいろな役割があって、IRも当然そのうちの一つに入っておりました。現状では、専門職と位置付けられるような職種の人材が不足していて、今後、どういう職種が特に必要なのかという点が、まさにポイントなのですが、現段階ではまだ、各大学、国公私立別に調査を実施したところと聞きました。人材の育成に関しては、お金の問題が当然出てくるわけで、予算との兼ね合いがありますので、そういった点も含めて文科省でしっかり進めて頂きたいと思います。
【事務局】  まさに北山委員長がおっしゃっられたとおりで、その問題意識は共有しているといいましょうか、我々もそういう問題意識を持っておりまして、昨日も中央教育審議会の大学分科会でその議論が行われました。その前提として我々も各大学に対して調査を行ったのですが、IRの人材などについてこれから特に注視をしていきたいというような回答が、かなりの大学から寄せられているという状況がございます。もちろん、まず前提として、今までファカルティー・ディベロップメントという取組がありますけれども、事務職の方の資質向上をまず基盤としては進めていかなければいけないと。その中で特に専門的な職種というか専門的な人材について、どのように考えていくかという議論を、今ちょうど進めているところであります。ただ、一般的な人材ではなくて専門的な人材となると、なかなか個別の大学で研修して育てるということではできないわけですので、どうやって国がそこに役割を果たすか、あるいは大学団体がどういう役割を果たすか、あるいはそういう専門的職種を養成するようなプログラムを持っている大学がどのようにそこに関わってくるのかというようなことを、これから議論をして深めていこうというようなことでございます。今の時点で具体的な養成計画のようなところまで議論が進んでいるわけではありませんけれども、問題意識としては、山田委員がおっしゃったような方向での問題意識を持っています。更に実際、各大学でもそういう方向での人材を求めているわけですので、どういう形でより具体的に人材養成を図っていくかということを、もっと詰めて議論していきたいという段階でございます。
【市川委員】  私立大学の場合、「専属のIR担当職員」を配置していれば、2015年度は「私立大学改革総合支援」の対象となっています。全く支援されていないわけではないと思います。
【北山委員長】 ありがとうございます。IRに限らず、専門職的な職員については、各国公私立大学が強化していきたいと考えておられると思います。この件について、コンセプトとしては、昨日の大学分科会の資料にもあったと思うのですが、初等中等教育のチーム学校のようなイメージで、少し中身は違いますが大学の方も事務職員を含めた形で、チーム大学のようなものかと思います。こういった話は以前からあって、各大学自身の努力ももちろん必要なのですが、予算等も含めて、文科省でどのような政策的な手立てがあるのかを検討していただくしかない部分もあろうかと思いますので、よろしくお願いします。
では、いろいろ御意見を頂きましたが、今日、御説明いただいた中期目標の原案につきましては、当委員会として、各法人から提出された原案のとおり了承したいと思います。また中期計画案につきましては、戦略性が高く意欲的な目標・計画の認定と併せて、改めて3月のこの総会で御審議いただくことになりますが、本日時点では、この計画案に対して特段申し上げるべき意見はないということで、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【北山委員長】   ありがとうございます。それでは、そのようにいたします。
本日の議事は以上でございますが、残された時間、せっかくの機会ですので、国立大学法人等を取り巻く最近の動向について、意見交換を行いたいと思います。まず、現在法律改正が検討されております指定国立大学について、事務局から御説明願います。
【事務局】  それでは、参考資料の2を用いまして、御説明を差し上げたいと思います。今月13日に、特定研究大学(仮称)制度検討のための有識者会議から、審議まとめをいただいておりますので、その点について御説明を差し上げたいと思います。
まず、参考資料2の3ページをお開きいただければと思います。経緯でございますけれども、北山委員長からお話がございましたとおり、特定研究大学ということでございましたが、この制度に関しましては、政府の産業競争力会議におけます議論を経まして、昨年6月に閣議決定をされました「『日本再興戦略』改訂2015」におきまして、高い経営力と自由度を有し、国内外の様々なリソースを呼び込むことにより、グローバル競争力を高める大学を形成する特定研究大学制度を創設することが、明記されました。その際、国内外の大学関係者の参画等による海外大学をベンチマークとした世界水準の厳格な評価、または厳格な学内マネジメント、財務基盤強化につながるインセンティブの付与などが、内容として盛り込むこととされているところでございます。またこの制度に関しましては、次期通常国会、すなわち現在開かれております通常国会を目途に、関連法案を提出することを含めまして、必要な制度整備を行うこととされたところでございます。この閣議決定を受けまして、昨年10月から、文部科学省におきまして、「特定研究大学(仮称)制度検討のための有識者会議」を開催し、詳細な制度設計に関する検討を行っていただいたところでございます。
1ページにお戻りいただければと思います。まず、今お話がございました名称に関してでございますけれども、先ほどの閣議決定段階では、特定研究大学とされておりましたが、私立大学の委員からの御指摘も踏まえまして、今回は国立大学法人に関する制度であることから、指定国立大学という形で名称を整理することとされたところでございます。この指定国立大学のコンセプトでございますが、世界の有力大学と伍して国際競争力を持ち、我が国の高等教育をリードする国立大学を、国際的な研究・人材育成、知の協創拠点とするというものでございます。具体的には、指定国立大学法人には、国際的水準に立った高い次元の目標設定と、そうした目標を実現し、我が国の大学におけます教育研究水準の向上に向けて先導的な役割を果たしていく上で必要とされる要素を取り入れた構想を策定していただくことになります。
目標設定の視点につきましては、1ページ、2のところでございますけれども、2つの項目がございます。特に1つ目の教育研究の卓越性からの目標設定につきましては、有力な海外大学の教育研究や大学運営に関する具体的な取組などを基準といたしまして、国際的水準に立った目標を設定することとしているところでございます。
2ページをお開きください。指定国立大学法人が備えるべき要素といたしましては、3にございますとおり、6つの項目が挙げられているところでございます。資料にございますとおり、人材育成・獲得から、ガバナンスの強化、財務基盤の強化まで、6項目について有識者会議の方から御意見をいただいているところでございます。
この制度の具体的なスキームについてが、4番目のところでございます。指定国立大学法人は、まず大学の申請によりまして、世界最高水準の卓越した教育研究活動を展開し、国際的な拠点となる国立大学を、文部科学大臣が指定することとしております。申請の要件といたしましては、研究力、国際協働、社会との連携のそれぞれが既に国内トップレベルであることとしたいと考えているところでございます。また申請に当たりましては、大学から、今御説明いたしました目標設定と備えるべき要素を含めた構想を提出していただきたいと考えております。それらの目標、構想については、有力な海外大学等の状況や具体的な取組を踏まえたものとすることが求められるところでございます。申請を行いました国立大学法人が指定を受けた場合、文部科学大臣は当該法人が申請の際に提出した目標、構想の着実な実行が図られるよう、その目標、構想を踏まえて法人の中期目標を策定あるいは変更することとなります。その法人は、この中期目標、そしてそれに基づき作成した中期計画に沿って運営を行い、その達成状況に係る国立大学法人評価を受けることとなると考えているところでございます。
国立大学法人評価委員会の役割といたしましては、この指定国立大学法人制度につきまして、文部科学大臣による指定国立大学法人の指定や、指定を受けた国立大学法人の中期目標の策定・変更、中期計画の認可に当たりまして御意見を伺うとともに、指定国立大学法人の業務の実績等に関する評価を行っていただくことを考えているところでございます。また、本制度は海外の有力大学の状況や、具体的な取組を踏まえながら、国際的水準を競う国立大学を形成することを目指すものでありますから、海外大学の取組あるいはガバナンスの仕組みなどに詳しい方の参画を、国内外から得るために、この国立大学法人評価委員会に外国の大学の運営に詳しい外国人の委員を任命することができることとしたいと考えているところでございます。
以上が、この審議まとめ、取りまとめの概要でございますけれども、今後この取りまとめの内容を踏まえまして、今国会への関連法案の提出も含め、速やかに制度改正を行いたいと考えているところでございます。指定の基準、申請の募集の仕方などの詳細につきましては、本委員会の御意見もお伺いしながら引き続き検討してまいりたいと考えております。私からは以上でございます。
【北山委員長】  ありがとうございました。
それでは、何か御質問、御意見があればお願いします。
指定国立大学の1ページ目の一番上の部分に、世界と伍して、という国立大学像が示されています。これは重点支援マル3 とほぼ同じ定義に見えますし、重点支援マル2 についても、ある特定分野で世界的な、という文言が出てきます。従って、この制度は、枠組マル2 、マル3 の30校程の中から何校かが対象となるような印象を受けますが、そうした大学には予算が付くということでしょうか。
【事務局】  この指定国立大学の、今回いただいた有識者会議の中では、こういった指定国立大学が指定され後に様々な取組をされる際に、立ち上げる際のイニシャルコスト等が要るのではないかという御議論はいただいているところでございますが、現段階としまして、この指定国立大学に対して何か特別の予算措置を考えておるわけではなく、こちらの資料の中の5ページ中央部にありますように、人材獲得・育成、世界各国から優秀な人材の獲得をしていただく、大学院生を中心に、また研究者を中心に獲得をしていただく、これによって研究力を強化し、そういったものを社会に出すことによって、社会から評価していただき、また社会から評価の一部としていろいろな支援をいただく、その支援をまた人材獲得に回していくという、そのような好循環をつくることを目標にしておりますものですから、そういった中で特にこのために何か予算措置をするということは、今のところは考えていないというところでございます。
【森山委員】  参考資料2の後ろの審議のまとめのところをさっと見せていただいて、考え方としては、大学全体をそのように指定していくということをお考えのように感じるのですけれども、自由に意見を述べてよいということであれば、例えば研究所なり学部レベル、ある大学がここが強みである、そういうところをもってして、全体の大学を指定とするのではなくて、特定学部であるとか研究所とか強みのあるところだけを、世界の水準でやれる、伍してという先ほどの言葉のようにという御意見などは出ていないのでしょうか。
【事務局】  こちらの指定国立大学の制度の議論の中においては、先ほど申し上げた、好循環をつくっていく、そのためには大学全体のシステムとして、社会としっかり連携を図っていくようなシステムを構築する、資料でいいますと、10ページ、11ページにありますような、現在大学が抱えているような様々な課題がありますが、これを大学全体として打破していくような役割も期待されておるところがございますので、特定の分野だけということではなくて、その大学全体で指定をさせていただきたいというところが、今回の有識者会議全体としての取りまとめでございました。
【事務局】  補足しますと、この指定国立大学については、今申しましたように、日本の大学についていいますと、個別では強い分野はあるのですけれども、ある意味、学内の学部の枠を超えた融合的な研究であるとか、新領域の開拓であるとか、そういうところが課題であるというような指摘もあるわけですので、そういう意味で、できれば大学全体の力を伸ばしていきたいという角度から考えているのがこのスキームでございます。これと並行して卓越大学院という別のスキームも併せて検討していくことにしておりまして、その中では各大学の、特定の研究科の非常に優れたところを伸ばしていくようなことも含めて考えたいと思いますし、文科省全体の施策としていいますと、今までもWPI等の施策の中で、特定の部分を伸ばすところはこれまでも積み重ねがあるわけです。今回はむしろ大学全体を何とか国際的に、ある種の存在感も含めて国際的に対抗できるような、そのようなものをつくっていくためにどうすればいいかという文脈の中で、議論をさせていただいてきているということでございます。
【桐野委員】  このスキームをそのまま素直に見ると、何をやるかというところは今までやっていることばかりなので、十分ではないにせよですが、新しいことはほとんどない。ただ運営費交付金に頼らないで民間資金をもっと活用できる大学になれというふうにしか読めないのですけれども、それも各大学ともそれなりに努力してきておられることではないかと思うのですね。そのためには、例えば寄附金に関する税制を大幅に変えるとか、そういうメッセージがなくては、名前はさておき、内容がこれだけではどうかと思います。これは感想でありますが、財務基盤の強化というところが最も大きなポイントだろうと思うので、ここで何か新機軸があるのかどうかということは、いかかでしょうか。
【事務局】  御指摘いただきました財務基盤の強化の部分でございます。規制緩和策としてここには2つ書かせていただいておりますが、寄附金等の運用範囲の拡大ということで、現在、国立大学法人につきましては、元本保証がされているものしか運用できないということでございますけれども、これについてはそうではないものについても運用範囲が拡大できないかと、検討をさせていただいているところでございます。またこれも、現行では難しいところがございますが、不動産の第三者への貸付けによる効率的活用によって幾ばくかでも収益が上げられないかということも、併せて検討もさせていただいています。また、社会との連携のところに書いてございますけれども、出資事業の拡大ということで、コンサルティングでございますとか、企業対象プログラムの提供というような、教育研究資源を活用しながら社会からいろいろな形での支援をいただけるというようなプログラムについても、これもまた取組ができないかということで、現在、制度を検討させていただいているところでございます。
【宮内委員】  評価委員会に長らく籍を置いていると、ここに投げられた評価委員会における評価の問題がおそらく出てくると思います。今までやっている評価の評価方法は、達成度評価をずっとやってきていて、今回ここで示されているものは、達成度評価ではおそらくだめで、デジタルにできているか、できていないかという、そういう評価を個別に別枠で持ってくるのか、それとも今までのものは今までのものとして、更に上乗せでそのようなものを持ってくるのか。同じやり方は、ここの指定の要件等についてチェックするという仕組みには有効に機能しないだろうと思います。十分にお考えだろうと思いますが、感想として、少し思ったところです。
【田中委員】  これを見ますと、指定国立大学というものを評価する軸が余り見えないのですね。おっしゃられるとおり、今、国立大学の財務体質がよくない。だから寄附金をもらいなさい、あるいは競争的資金を頑張りなさいとか、それから企業との連携をやりなさい。つまり環境を変えて、財務体質をよくすることと、指定国立大学で望むグローバル化をやる、あるいはものすごくアクティブな領域をつくっていくことが、うまくマッチして理解されて、どういう軸でこういう選抜をしていくのかということが読めない。ただ単に財務体質を過去何年間かでものすごく上げてくる、あるいはその財務体質を上げる要素が明確であれば、指定国立大学になるのか。いわゆる大学の本質ですよね、大学が求められている人材育成とか、あるレベル以上に世界に伍してという、そこが重要なポイントなのかというのが、余り明確には私には見えないような気がするのですが、その点はどういう基準をもってこれを選ぼうとするのかというのが、もしあれば、もう少し教えていただければと思います。
【事務局】  今御指摘の点につきましては、本日お配りしました資料の2ページ目でございますけれども、先ほど申し上げた好循環をつくっていただくということから、指定国立大学の備えるべき要素として、人材育成・獲得のために、例えば大学院生の経済的支援ですとか、優秀な教職員の処遇を含めた、こういった人材育成や獲得に対して、何をどうやって取り組んでいただくのかということ、または研究力の強化、分野融合ですとか新領域の開拓といったことに対して、どのように取り組んでいただくのか、国際協働、社会との連携、ガバナンスの強化、財務基盤それぞれについて、どういった構想を持ち、具体的に取り組んでいただくのかということを、構想としてまとめていただき、それを評価させていただくことになろうかと思っております。また申請の条件としまして、実際にそれを達成するという証となりますけれども、研究力でございましたら、国際協働や社会との連携というような部分につきまして、実績がしっかりと問われることになるだろうと思っておるところでございます。
【田中委員】  そうしますと、従来、国立大学でタイプを3つに分けましたよね。あの中で言われる重点支援マル3 と指定国立大学の差というのは、何ですか。
【事務局】  今回設けさせていただきました国立大学の運営費交付金の3つの重点支援の枠組みにつきましては、これは各大学が今回の6年間、この第3期におきまして重点的に取り組んでいきたいという戦略について、どこを取り組んでいきたいかということに対して、文科省として重点的に支援させていただくという、支援の枠組みでございまして、指定国立大学がここで目指しておりますような、好循環をしっかりつくっていただく、そこまでを求めているというものではございませんので、直接的な連関性は、私どもはあるとは思っておりません。
【稲永委員長代理】  国立大学を一層活性化させて世界のトップレベルに持っていくというのは非常にいい考えだと思います。これも含めて、今ある効果的な支援を発展させていく、その一方で、中にはもうそれほど重要でなくなっているものについては終了させることも大切と思います。何を申し上げたいかというと、こういうところでもスクラップ・アンド・ビルドを、もっと強く求めていかれるのだろうと思うのですが、例えばそういうものが財務基盤の強化というところに当たるとすれば、そこに例示として出される方がいいと思うのですね。何か期待していろいろなプログラムを持ってきてということになりますと、どんどん膨れ上がっていくだけ。その辺を危惧しますので、是非とも、もう一度、まず自分のところの資源配分の見直しというところを、大事な要件に掲げていただければと、既にお考えだと思いますが、見える化をしていただければと思います。
【北山委員長】  ありがとうございます。
【事務局】  まさにおっしゃるところは、この指定国立大学に限ってではありませんけれども、第3期に向けて国立大学改革プランを3年ほど前に作って、その中でもミッションの再定義ということで、各大学がそれぞれの持つ専門分野での強みとか特色を、どのようにもう一回再確認して、その強みとか特色を伸ばしていくという方向で、学内の資源をより適正に配置することをお願いしてきているわけであります。実は今回の予算の中でも、全体としての額は対前年度同額を確保することができたわけですけれども、その中で3つの重点支援の枠組みの中で再配分をしているわけですが、各大学、第3期に向けて自らの組織を見直して改組転換をしていくという取組が、例年とは比べものにならないぐらいの形で既に出てきているということがありますので、そういうものを基盤としながら、この指定国立大学についても、稲永先生がおっしゃっていただいた、学内の資源のより最適な配分ということは、当然のこととして盛り込んでいっていただくということが必要だと思います。
それで、この枠組みはもちろん重点支援マル3 とかなりコンセプトとしては似通っている部分がありますが、重点支援マル3 はあくまでも予算を、機能強化促進係数という形で拠出していただいたものをどうやってメリハリ付けて再配分するかというところでございますし、まさに手を挙げてきていただければ、その枠組みでやっていただくという形ですが、指定国立大学は、ある種、国際的な競争力を持つこと、これまでの研究教育の実績が国内のトップレベルであるということを前提として、かつそこに国際的な競争力を持って、今、国際的な人材獲得競争になっているわけですので、そこにどう対応していくのかという構想を出していただくということで指定をしていくことになります。そこで、もちろん財務基盤の強化ということで先ほどからお話しいただいているように、各大学から既にどういう規制緩和をしてほしいのかということはいただいていますので、それを最大限実現できるような形での規制緩和を盛り込む。その中で法改正が必要な事項については、先ほど例示をしていたようなことをまずは取り組みたいと思っています。ただ、その規制緩和はすぐに効果が出てきて、すぐお金がどんどん入ってくるというわけではないので、そういう意味ではイニシャルコストのようなものは、ある程度、我々としても支援をしていかなければいけないと考えていますので、限られた財源の中でのことなので厳しい部分もあるのですが、総合的な目配りをしながら、国際的により高いレベルで、競争的な環境に対抗できるようなものを作っていきたいと考えているということでございます。
【北山委員長】  ありがとうございます。
昨日の中教審大学分科会では、専門的な職員に関する話の他に、ディプロマ、カリキュラム、アドミッションの3つのポリシーに関するガイドラインの策定についても議論されました。さらに、7年サイクルで回っている認証評価について、より質を見るものに変えていくというテーマも議論されました。まだ中間案の段階ですが、国立大学の評価とも相関連する部分があるので、文科省からご説明をお願いできますか。
要は、7年サイクルの評価で、制度が出来てから14年が経過するのを期に、これまで法令適合性といった形式的な要件をチェックしていたものを変えていこうということです。
【事務局】  おっしゃっていただいたように、認証評価も平成16年からスタートして、7年で1周することになっており、30年からは第3周目に入るということになりますので、それの前にある程度準備期間も必要でしょうから、認証評価制度の改善ということで、今、中教審で議論していただいているということがあります。その問題意識は、1つは、これも北山委員長からおっしゃっていただいたとおりですけれども、これまでの認証評価、そもそも認証評価の役割の基本ではあるのですが、法令への適合性というようなことで、形式的なところに重点を置いて評価を行ってきたということがありますが、評価でありますので、PDCAをしっかりと回して内部質保証がしっかりとできているかどうかということについて、見ていくような方向に充実することができないだろうかというのが、1つございます。それから、これも高大接続改革などとの流れの中で関連してくるわけですけれども、今おっしゃっていただいたように、大学教育改革の部分では、学位授与の方針であるディプロマポリシーと、カリキュラムポリシーと、それから入学者の選抜の基準、方針であるアドミッションポリシーの3つを、より一体的に定めていくということが課題になっていますので、そういうディプロマポリシー、カリキュラムポリシー、アドミッションポリシーの3ポリシーが一体的に定められて、かつ、先ほど申しましたように、それがPDCAとしてしっかりと回っているのか、内部質保証として機能しているのかというようなことを、その認証評価の中でもっと今まで以上に踏み込んだ形で評価をしていくことが必要ではないかということが、中心となって議論をしてきていただいて、これも年度内に方向性をまとめて制度改正に向けて動いている状況です。雑駁な御説明かもしれませんけれども、現状はそういうことでございます。
【北山委員長】  中教審の方では、そのような形で議論しております。
いろいろ御意見を頂きましてありがとうございました。本日はここまでとさせていただきます。
最後に、今後の日程につきまして、事務局からお願いします。

【事務局】  先ほど、資料1のところで、今後のスケジュールということで御説明させていただきましたけれども、次回の総会が3月にございます。日程調整の方はまた改めてさせていただきますので、改めて御連絡させていただきます。
それから国立大学法人分科会の委員におかれましては、「戦略性が高く意欲的な目標・計画」にかかる御相談を、具体的には未定ですけれども、2月中にはさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
本日、議論いただきました、まず、中期目標の部分につきましては、財務省と協議ということが今後控えております。もし何か大きな変更等がございましたら、委員長に御相談をさせていただきながらということで、対応させていただくということで御了承をいただけたらと思います。
最後でございますが、第6期の国立大学法人評価委員会については、1月30日をもって任期が満了ということになります。2年間、御尽力いただきまして、本当にありがとうございました。
私からは以上でございます。
【北山委員長】  ありがとうございます。
第6期の最後の総会ということで、皆様の2年間にわたる御尽力に改めて御礼を申し上げます。最後に、常盤高等局長から御挨拶をいただきますので、局長、よろしくお願いします。
【事務局】  それでは、一言御挨拶をさせていただきたいと思います。
第6期の国立大学法人評価委員会の委員の皆様方におかれましては、今お話がございましたように、今回が任期中の最後の総会となりますので、御礼の御挨拶を申し上げたいと思っております。
まず、委員の皆様方におかれましては、大変それぞれの先生方、御多忙の中を、この2年間、国立大学法人評価委員会の委員として御尽力をいただいたことに、厚く御礼を申し上げたいと存じます。この今回の第6期の期間でございますけれども、この中で毎年度の年度評価の実施に加えまして、平成28年度、この4月から始まります第3期の中期目標期間に向けまして、国立大学法人等の組織及び業務全般の見直し、あるいは中期目標、中期計画の策定、評価方法に係る検討、非常に多くの課題があったわけでございますが、委員の先生方に非常に精力的な御審議をいただいたところでございます。
ちょうどこの最後の1年間、特に昨年の秋から国立大学の予算の問題でも大変御心配をお掛けして、この評価委員会でも意見の表明をしていただいたわけでございますが、おかげさまで、平成28年度の国立大学の運営費交付金については、対前年度同水準を確保するということで、政府案をまとめているところでございます。この中で、委員の皆様もこの審議を通じて御理解をいただけたと思いますが、先ほども少し申し上げましたが、平成24年、25年頃から、学術も非常に急速に進展していますし、また社会の構造改革というのでしょうか、非常に大きな変化が進んでいる中で、第3期に向けて、国立大学の在り方を、しっかりとこういう外部環境の変化に対応する形で見直していかなければいけないと。その中で、社会の要請を受けて、あるいは社会をリードするような形での国立大学ということでの改組転換なども含めて、新しい非常に積極的な取組も多く出してきていただいていると思います。私自身も、実は四、五年前にも担当審議官として担当したことがございますし、その前も国立大学の頃でも実は担当していたこともあるのですけれども、この3年間ほどの国立大学の動きというのは、本当に急速に、社会の要請を受けて、あるいは社会をリードする形での転換を進めていこうということで、大きく進んできていると思います。それを第3期に向けてどうやってより確かなものにしていくのかということで、様々な第3期に向けての各大学のプランを先生方に目を通していただいて、いろいろ御助言をいただいたということで、第3期は予算の面でも一定の理解を得られたわけですので、更にまた前進させていただきたいと考えているところでございます。
国立大学について、非常に、一方では厳しい御批判もあるわけですけれども、他方で、改革が進んでいるのも事実であろうと思います。ただ、その改革で必ずしもまだ満足できるということでもないのも、また事実だろうと思いますので、更に改革が進むように、先生方にこの第6期の委員会の中でいろいろ御指導いただいたことを国立大学にしっかりと伝えて、より前進できるように進めていきたいと考えておりますので、その点を申し上げて、改めて委員の皆様のこの第6期における御尽力に感謝を申し上げて、大変言葉は足りませんけれども、御礼の御挨拶とさせていただきたいと思います。まことにありがとうございました。
【北山委員長】  ありがとうございました。
それでは、今日の総会はこれで終了といたします。ありがとうございました。

―― 了 ――

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-- 登録:平成28年04月 --