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国立大学法人評価委員会(第52回) 議事録

1.日時

平成27年11月6日(金曜日)15時30分から17時30分

2.場所

文部科学省東館 3F1特別会議室

3.議題

  1. 国立大学法人及び大学共同利用機関法人の平成26年度の業務の実績に関する評価について
  2. 第3期中期目標及び中期計画の素案に係る意見について
  3. 第3期中期目標期間における戦略性が高く、意欲的な目標・計画の認定について
  4. その他

4.出席者

委員

(委員)
北山委員長、市川委員、稲永委員、大滝委員、奥野委員、フクシマ委員、早川委員、日比谷委員、深見委員、前原委員、宮内委員
(臨時委員)
小林委員、田中委員、森山委員、山田委員

文部科学省

前川文部科学審議官、常盤高等教育局長、伊藤総括審議官、関政策評価審議官、中岡文教施設企画部長、瀧本総務課長、増子会計課長、氷見谷国立大学法人支援課長、牛尾学術機関課長、吉田国立大学法人支援課企画官、春山国立大学法人支援課国立大学戦略室長、手島医学教育課大学病院支援室長、石崎学術機関課学術研究調整官

5.議事録

【北山委員長】  所定の時間になりましたので、第52回国立大学法人評価委員会総会を開会いたします。
  本日は、国立大学法人等の平成26年度の業務の実績に関する評価結果、及び第3期中期目標・中期計画の素案に係る意見等について御審議いただきます。なお、本日の会議は公開となっております。最初に、事務局から配付資料の確認をお願いします。
【事務局】  資料の確認をさせていただきます。
  議事次第の裏面に配付資料の一覧がございますので、こちらも併せて御確認いただければと思います。
  まず、配付資料について、資料1-1から1-6まででございますが、こちらは年度評価の関係資料でございます。
  それから、資料2として、2-1と2-2の二つございますが、これは第3期中期目標・中期計画素案についての評価委員会としての意見案ということになっております。2-1が国立大学法人関係、2-2が大学共同利用機関法人関係になっています。
  それから、資料3、4があり、そのほか参考資料として、枝番も含めまして5種類、参考資料1及び2、それから、参考資料3-1、3-2、そして、参考資料4となっています。配付資料の説明は以上です。
  それから、机上の資料として、「高等教育局主要事項-平成28年度概算要求-」と冒頭に書いてあります資料、また、お手元の左側の方に資料、ファイル等ございますが、一番上には、26年度の各90法人の評価結果書の案ということで、評価チームごとにまとめております冊子がございます。
  そのほか、ファイルといたしまして、国立大学法人法資料集、評価関係資料の2冊と、昨年度の平成25年度評価の結果、最後に、ドッチファイルにありますのが90法人の第3期中期目標・中期計画の素案をまとめたものとなっております。
  もし何か不備がございましたら、事務局にお声掛けいただければと思います。
【北山委員長】  ありがとうございました。
  それでは、早速、議事に入ります。
  初めに、国立大学法人及び大学共同利用機関法人の平成26年度の業務の実績に関する評価について御審議いただきたいと思います。
  本日の評価結果案は、各分科会で取りまとめていただいたものであることから、まず、それぞれの分科会長から、これまでの審議状況について御報告をお願いしたいと思います。
  まず、国立大学法人について、奥野分科会長からお願いいたします。
【奥野委員】  それでは、国立大学法人分科会から簡単に報告させていただきます。
  分科会は、86あります国立大学法人の26年度に関わる評価をするために、8つの基本チームと、共同利用・共同研究拠点等の3つの専門チームに分けて実施いたしました。
  そして、今回、ここで示しておりますその評価案は、既に各法人に対して、原案をお示ししており、各法人の申立て内容を反映したものになっております。
  全体的な状況としては、大学の機能強化、特色を生かした取組が確認されています。それから、後で資料で出てまいりますが、特筆される事例として、帯広畜産大学が80.8パーセントという多くの教員を年俸制にしていること、あるいは、福島大学が学生、教員、職員一体となって、海外に情報を発信するプロジェクトを実施していること、岡山大学も年俸制を全学的に導入することを決めたほか、加えて全学的な視点で教育改革を実行している等の事例がございます。それから、山口大学がステークホルダーを入れた学部運営評議会を設置したり、高知大学は自治体の方も含めた学部運営会議を立ち上げるという報告がございました。全体的に、厳しい状況の中で各法人がよく頑張っているというのが委員の意見でございました。
  ただ、他方で、不適切な会計処理や、個人情報の漏えい等、そういうことについては難しい問題ですが、なかなか無くならない。ここは委員会としてどうしても厳しくしないといけないという状況がございます。後で詳しく出てきますが、旭川医科大学、秋田大学、群馬大学、この3つの大学に関しまして、今までに見られないような重大な改善事項がございました。後で事務局から説明していただくことになると思いますが、私の方からは全体的な様子としてそういうことで申し上げておきます。
【北山委員長】  ありがとうございました。続きまして、大学共同利用機関法人について、稲永分科会長からお願いいたします。
【稲永委員長代理】  大学共同利用機関法人分科会では、4つの大学共同利用機関法人の平成26年度に係る業務の実績に関する評価を実施しました。
  今回、分科会として取りまとめました評価結果案については、各法人にあらかじめ評価結果原案を示した上で、10月9日から19日の間に意見申立ての機会を設け、最終的な評価結果案として取りまとめています。なお、意見申立ての期間、4法人からは意見申立てはございませんでした。
  平成26年度評価における大学共同利用機関法人の全体的な状況としては、平成28年度から始まる第3期中期目標期間に向けて、機構長のリーダーシップの下、法人の強み・特色を生かした新たな学問領域の創成を含む共同利用・共同研究機能の向上、ガバナンス体制の強化、人事及び給与システム改革などの取組が各法人において推進されていることを確認しました。
  特に注目される事例としては、まず業務運営面ですが、人間文化研究機構による人文系の評価手法を入れたシステム開発の着手や、自然科学研究機構による共同利用・共同研究の成果を可視化するためのIR機能の強化などの積極的な取組が挙げられます。
  また、教育研究面については、高エネルギー加速器研究機構によるBファクトリー実験による新しい物理法則等の探求や、情報・システム研究機構による極域科学分野における我が国のプレゼンスの向上などの積極的な取組が見られました。
  そうした一方、管理運営体制等の法人ガバナンスにおける課題、研究費の不適切な経理など、改善が求められる事例も見られ、課題として指摘しました。
  このほか、各法人の質的向上を促す観点から、達成状況のほかに、そのプロセスや内容を評価する戦略的・意欲的な計画について、今回、中期計画の変更がありました自然科学研究機構の「我が国における大学全体の自然科学分野を中心とした研究力の強化に資する計画」を、戦略的・意欲的な計画として新たに取り上げました。
【北山委員長】  両分科会長ありがとうございました。
  それでは、評価結果案の内容について、事務局から改めて詳細を説明していただきたいと思います。
【事務局】  資料の1-1から1-6に沿って御説明申し上げたいと思います。
  今、概要については両分科会長から御報告いただいたところでございますが、まず、資料1-1のところでございます。年度評価そのものにつきましては、現在は第2期の中期目標期間でありますが、各法人が自ら定める中期計画の達成に向けた、当該年度計画の実施状況について評価を行うというものでございます。
  全体の評価としては、今、御報告も頂いたところでございますけれども、各法人において、それぞれの強み・特色を生かしながら、学長、機構長のリーダーシップの下で積極的に様々な取組に取り組んでいるという状況が確認されております。また、財務基盤の強化に向けた取組ですとか、積極的な情報発信等に関する取組、情報セキュリティの確保といった課題に対する取組というものも見られております。
  他方で、研究費の不適切な経理や研究不正、また、寄附金の個人経理、個人情報の不適切な扱いといったような課題も、残念ながら引き続き見られるということで、これらについては課題として指摘するということにしてございます。
  また、項目別評価について表を御覧いただきますと、まず、特筆すべき進捗状況にあるということで、業務運営で四つ、それから、自己点検・情報公開等という項目で一つございます。これにつきましては、後ほど、2ページ、3ページのところで御紹介をさせていただきます。
  また、多くは順調に進んでいるところでございますけれども、中でも重大な改善事項があるということで、業務運営のカテゴリーで群馬大学、それから財務内容のカテゴリーで旭川医科大学、法令遵守等のカテゴリーで秋田大学ということで、計3件の重大な改善事項が見られました。こちらについても後ほど説明をさせていただきます。
  1枚おめくりいただき、2ページを御覧いただきますと、この内容につきましては、先ほど奥野分科会長の方から御説明があったとおりでございます。
  帯広畜産大学においては、年俸制の全学的な導入でございますとか、学長裁量経費の充実といったことにつきまして、学長のリーダーシップを発揮した形で実現に向けた取組が進められているということです。
  福島大学においては、まさに復興中の今の福島の現状というものを、高校生等を含めた学生及び教職員が主体となって、その状況を国際的に発信していくということで、国際的にも評価を受けた取組を実施しています。
  また、岡山大学では、年俸制を全学的にシステムとして導入するといったほか、教育マネジメントといたしまして、60分授業制やクォーター制を全学部一斉に28年度から導入をするということを決定するなどの学長のリーダーシップによる全学一体の改革というものが進められております。
  あと、山口大学と高知大学におきましては、これはいずれも社会のニーズというものを踏まえた新しい人材養成を行う教育研究組織の再編ということで、山口大学においては、科学技術リテラシーを身につけた人材を育成するというようなことや、高知大学においては、教育だけではなく、地域の中にも拠点を設けまして、そこで地域課題の解決を行うほか、そこに学生が参加してフィールドワークの場としても活躍するというようなことで、新しい人材育成の取組、組織の再設置というものを全学的な資源の再配分といった形で実現している例とし、特筆すべき取組ということで、五つ挙げさせていただいております。
  それから、4ページ以降は、各法人の中で注目される取組の主なものということになりますが、まず、4ページから6ページまでは業務運営面ということで、こちらは一つ一つの御説明は省略させていただきますが、ガバナンス体制の強化でございますとか、人事・給与システムの構築や男女共同参画の推進、また、若手に対する支援、財務基盤の強化、1ページおめくりいただきまして、6ページのところでは、積極的な情報発信や自己点検・評価の取組、それから、情報セキュリティの確保といったことで、各法人の中で注目される取組ができているところでございます。
  7ページから8ページまでは、その注目される取組の中でも、教育研究面ということで、主には、グローバル化に向けた教育研究の展開といったところで、代表的な事例を挙げさせていただいておりますほか、8ページのところでは、地域貢献、社会貢献といった観点からの取組を挙げているところでございます。
  続いて9ページのところでございます。先ほど、重大な改善事項が三つと申し上げましたが、一つは、群馬大学の事例でございます。群馬大学においては、既に報道等で皆様方、御承知のことと思いますが、腹腔鏡手術において、連続して人命が亡くなるという事案が発生しております。組織としての適切なフィードバックが足りていなかった等ということから起きたということで、その医療安全という観点での法人としてのガバナンスに不備があったのではないかという課題が1点。
  それから、旭川医科大学においては、平成26年において、当期総損失の赤字が出ています。そのこと自体がどうこうということではありませんが、それに至るいろいろな取組がなかなか十分に行われていなかったということで、その財務マネジメント自体に課題があるということ。
  それから、秋田大学については、寄附金の使途変更を寄附者の同意や正式な手続にのっとって行わなかったということで、法令遵守・コンプライアンスという面での重大な改善事項ということで、今回以上の三つが挙げられているところです。
  それから、重大な改善事項には至らないということですが、それぞれ、定員未充足の問題や不適切な経理、それから、研究不正や毒劇物の不適切な管理、個人情報の不適切な管理等々の課題がこれらの法人に見られております。各法人でもこれらの未然防止に向けた取組も進めているところではございますけれども、残念ながらこうした事例が引き続き発生しているということで、更に一層、その防止等に向けた取組を進めてほしいということで、課題としているところです。
  それから、資料1-2以降ですけれども、資料1-2といたしましては、国立大学の機能強化に向けてということで、平成25年6月に、「今後の国立大学の機能強化に向けての考え方」というものを出しております。この機能強化の考え方というものに沿って、各大学で取組を行っているところですが、評価委員会においてもそのフォローアップをするということで、その中で確認された機能強化の状況を一覧にしたものが資料1-2でございます。
  それから、資料1-3でございますが、これは後ほど、中期目標・中期計画の中でも御審議を頂くことになりますが、第2期の途中から、戦略性が高く、意欲的な計画ということで、いわゆる達成度だけではなく、プロセスや内容についても評価を行うという評価の仕方をしておりますが、それに該当する計画ということで今回も法人から申請があり、30法人、内訳は29大学と1大学共同利用機関ということでございますけれども、その計画を認定するということにしておりますので、その一覧が資料1-3でございます。
  それから、資料1-4については、これはまさに今回の年度評価の中で、他法人の参考となるような事例を全法人で共有することによって取組を進めていただきたいという趣旨で、改革推進状況ということで毎年度まとめているものでございます。各法人の注目事項の中から、特にそうした参考のための事例を収集したものになってございますので、これは会議終了後に、各法人に通知をすることによって、こうした取組を参考にして更に改善に取り組んでいただきたいという趣旨でまとめているものでございます。
  それから、資料1-5でございますが、これは総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会、これは制度が変わりまして、実は今既になくなっておりますが、旧制度に基づく取組ということで、この年度評価の結果を総務省の政独委に報告いたしまして、政独委がその結果について意見を言うという仕組みが25年度の評価までございました。
  そこで、資料1-5は、平成25年度の評価の際に言われていたことについて、平成26年度にどのような形で対応したかということをまとめたものになっております。内部統制の充実・強化や、2ページのところでは研究費の管理の適正化、3ページのところでは研究活動の不正防止や、4ページ以降、個人情報の適切な管理や個人宛て寄附金の適切な管理等々で、大きく言えば、発生原因の分析や防止に向けた改善の対応状況といったものを評価委員会でもきちんと審査・評価してほしいというような意見が政独委から出ており、これは委員の先生方にも御案内のとおりでございますけれども、この年度評価の中でそうしたことを確認しておりますし、また、新たにこうした事例が出たところについては来年度以降も引き続き確認をしていくというようなことで、その対応状況をまとめたものが資料1-5となっております。
  それから、最後は資料1-6でございますが、評価制度自体の基本的な仕組みなどをまとめたものになっております。今年度においては、2ページ目、裏面になりますが、6月30日までに実績報告書の提出を頂いて、各チームで御審議いただき、それぞれの両分科会を経て、本日の評価委員会総会において評価結果案が審議され、お認めいただければ決定ということになっております。本日に決定ということになりましたら、各法人に評価結果を通知し、また、今御紹介させていただきました種々の資料も併せて通知をすることによって、各法人の更なる取組をお願いしたいと考えております。
【北山委員長】  ありがとうございました。
  御存じのように、評価結果案の策定にあたっては、大学の場合は86大学を幾つかのグループに分けて、それぞれのグループを担当するチームを編成した上で実施していただいております。その各チームを御担当いただいた主査の方から、補足や感想等がございましたら、順にお願いしたいと思います。
  まずBチームの奥野委員、お願いします。
【奥野委員】  私が担当しておりましたBチームですが、大規模大学が大体AチームとBチームに分かれており、Bチームとしてはそのうちの七つの大学を担当しております。規模が大きいということは一つあると思いますが、どこの大学も課題として挙げられるグローバル化や男女共同参画、それから、URAの活用、外部資金や寄附金等、ほぼ全大学がうまくやっているというのが私たちの印象でした。
  そしてもう一つは、大学の強み・特色を生かした機能強化ということを既に議論されておりますが、年度の計画の中にもそのようなことをかなり取り込んでいるということで、全体としては特に問題のあるところはございませんでした。
  資料等に出てこないというところで、私の感想ですが、実は、今回委員が評価したのは年度の評価となります。複数年のトータルでやるわけではなく、年度の評価です。この年度の評価について、各法人が出してくる実績報告書にうまく書かれてないということをここ何年か指摘しておりましたが、今回はかなり改善されていました。各大学において年度で評価できるように工夫してくださった、Bチームはそういう印象を持ちました。なお、個別の大学については省略させていただきたいと思います。
【北山委員長】  ありがとうございます。Cチーム、森山委員お願いします。
【森山委員】  Cチームは、中規模の文科系の大学7大学、それから、大学院大学4大学を担当しました。全体としては、11大学いずれも、法人の基本的目標に沿って計画的に取り組んでいると認められました。
  個々の大学について、2点だけここで申し上げますと、福島大学については先ほどから何度か触れられておりますので割愛させていただきますが、東京藝術大学においては、ユニークな注目に値する取組が行われていると我々は評価しました。音楽分野における早期教育プロジェクトの実施ということで、才能ある子供が音楽家への道を断念してしまうような状況が絶えないことを踏まえて、いろいろな新たな取組をしているというようなことが、我々が注目として取り上げたことであります。
  それから、東京外国語大学においては、国際的な日本研究の深化についても力を入れていること、それから、海外協力校と共同で教育を行うJoint Education Programの実施、それから、クォーター制の導入というような多言語の特色を生かしたグローバル人材の育成を日本から発信するということに積極的に取り組んでいると見ました。
  最後に、先ほど奥野委員からも御指摘があったところでありますけれども、確かに評価書の書き方について、我々も何年か繰り返し、もう少しこのように書かれたらどうかと御提案を差し上げてきたところで、それに対して、幾つかの大学については非常にそれを取り入れた形の書き方がされてきたと、きめ細かな実績報告書をお書きになっているということで、良い傾向にあると判断をいたしました。
【北山委員長】  ありがとうございます。続きまして、Dチーム、山田委員よろしくお願いします。
【山田委員】  私どものチームは、工科系の単科大学を中心に、13大学を担当しております。全体評価としては、13大学いずれも法人の基本的目標に沿って計画的に取り組んでいるということが認められております。戦略性が高く、意欲的な目標・計画と認めた事項におきましても、13大学のうち6大学がこれに認められています。
  全体的な印象でございますけれども、工科系という特徴を生かした計画的な遂行という観点が目立った感じがいたしております。例えば、地域社会、国際社会との積極的な連携というものを推進しているということもありますし、機能強化に向けた様々な取組が行われているということがありました。
  もう一つは、工科系ということで、基本的には研究ということが中心になってくるところもございますが、それだけでなく、例えば、幾つかの大学にも見られますように、教養教育の部分を大変重要視して、その辺りも強化しているというようなところも見受けられております。
  これは例えば東京工業大学などがそうでございますし、高専からの編入生を多く受け入れている長岡技術科学大学や豊橋技術科学大学などにおいても、グローバル化に向けて、例えば英語の語学の授業を強化するなどといった取組も進んでいるという感じがいたしております。
  奥野委員長から既に御紹介いただいておりますけれども、帯広畜産大学などでは年俸制がかなり高い比率で適用されておりますが、ほかの工科系の大学も、年俸制やクロスアポイントメント制の導入に関しても積極的に取り組み、国内外の優秀な人材の活用によって、教育研究の活性化を図っているといったようなことが見受けられております。既に御紹介いただきましたように、やはり年度評価の書き方につきましても、私どものチームでも、例年指摘をしてまいりましたが、そういう改善なども見受けられております。
【北山委員長】  ありがとうございます。
  続きまして、Eチーム、日比谷委員お願いします。
【日比谷委員】  私どものEチームは、教育系単科の11大学を担当いたしました。全体評価としては、全ての大学が法人の基本的目標に沿って計画的に取り組んでいるという結果になっております。
  それで、教育系、つまり教員養成を目的とする大学でございますので、全体的に少しコメントを申し上げますと、今、教員の養成というのは非常に重要ですし、新しいこともいろいろしなければいけないという時代になっていると思いますが、そのことがそれぞれ大学によって取組方に濃淡がございますけれども、非常にはっきり出ていると思いました。
  具体的に申し上げますと、一つは、教員養成の機能を強化しなければいけないということで、多くのところで教育研究組織の再編が行われております。また、それぞれの地域の教育委員会や附属学校との連携により、自分のところだけでなくて、広く地域の公立の学校の研修の機会を提供するというような取組も見られました。
  それから、もう一つ、大変に印象深かったことは、小学校の英語教育も始まることに伴い、グローバル人材の育成というようなことが大変に言われているところでございますけが、全ての大学で、英語教育の機能の強化ということを非常に目指していて、大変にそれが成功しているのではないかと思われるところと、まだまだ取組に努力が必要であるかなというところと両方ございましたけれども、この辺りのことが大きな特色だったかと思います。
  そのほかに、年俸制の導入も一部ございますし、それから、注目として、業務運営で資料1-1に福岡教育大学が出てきていますけれども、非常にしっかりしたガバナンスの下、学長のリーダーシップが発揮されて、様々な改革が推進されている大学もございました。
【北山委員長】  ありがとうございます。
  続きまして、Fチーム、市川委員よろしくお願いします。
【市川委員】  それでは、Fチームの報告をさせていただきます。Fチームは、医科系単科大学4大学と、それから、医科系のないその他の大学9大学、合わせて13大学を担当しています。
  先ほど事務局からもありましたけれども、旭川医科大学は2年連続赤字決算という財務マネジメントに重大な課題があるということです。
  全体としては、3次元改革という言葉を使って、事務組織、教員組織、教育機能強化を図って、総合的に大学を改革していくお茶の水女子大学がFチームの中では印象に残っています。私立大学と比べると、国立大学の方が、改革が加速度的に進んでいるのではないでしょうか。また、学長の交替を機に改革が進み始めた顕著な例としては、茨城大学をあげることができます。
  それから、機能強化に向けた取組を進めている現れとして、地方の国立大学が自分なりの個性を持ち始めているという印象も持ちました。「いわて協創人材育成」、あるいは、宇都宮大学のように文理融合型の地域デザイン科学部を作るとか、あるいは、和歌山大学の国際観光学センターを作ったりするというようなことです。浜松医科大学も、地元の企業との連携で医療機器の開発、実用化を目指すといったようなことも、その一つの取組と思っています。
  先ほど、旭川医科大学については問題点を指摘しましたけれども、地域との連携という点では、48市町村、118団体からの要請に応えて、講座を187回、延べ8,752名の参加者があったということは評価されます。
【北山委員長】  ありがとうございます。それでは、Gチームの宮内委員、お願いいたします。
【宮内委員】  Gチームは、中規模で附属病院のある大学のうち、主として東日本側にある12大学を担当しております。
  全体評価としましては、12大学のうち10大学は法人の基本的目標に沿って計画的に取り組んでいることが認められるとされておりますが、残念ながら、本年、重大な改善事項に該当する二つの大学がここのチームから出ております。
  秋田大学と群馬大学ですが、それぞれ重要な問題を抱えているということで、重大な課題とさせていただきましたが、更に言うと、秋田大学においては、かなり先進的な国際鉱山学部の設置、並びに、そこにおける国際的な人々の集合というようなことに取り組んでおられ、また、群馬大学においても、重粒子線研究において医療開発研究を積極的に行い、国際化にも積極的に取り組んでおられるという二つの側面を持っているところですが、国立大学法人の難しさ、並びに、ガバナンスの形成について、なかなか意欲的にやっていてもできない部分がともに併存してしまったという感じを持って受け止めております。
  そのほか、年俸制の導入など、他の大学においても一般的に行われている努力をされておりますが、ここのグループの中においては、その辺のところの色合いの違いというのがやはり鮮明に出てきており、この辺はガバナンス並びにリーダーシップ、学長のリーダーシップの程度の差が如実に現れているのではないだろうかと感じております。
【北山委員長】  ありがとうございました。
  なお、AチームとHチームの主査は、それぞれ河田委員と桐野委員ですが、今日は御欠席なので、内容の説明については省略させていただきます。
  以上で、各分科会長並びに各チームの主査から御説明いただきました。
  これらも含めて、資料1-1ほか、評価結果案に関して、御意見、御質問等があれば、どなたからでも結構ですので、御発言いただきたいと思います。
【前原委員】  何でもよろしいですか。
【北山委員長】  お願いします。
【前原委員】  今回、幾つかヒアリングにも出させていただきまして、強く感じましたが、市川委員もおっしゃったように、各大学が地域との結び付きを非常にうまく付け始めたなということを感じました。それから、個性も出てきて、とても良かったと思っております。文部科学省の指導が大分いろいろ進んできたなということを感じました。
  言わなくてもいいことかもしれませんが、1件だけ、資料1-1の真ん中の項目別評価のところの産業競争力強化法の規定による出資等について、これは前も意見を言いましたけれども、法人のほかの評価と少し異なり、パフォーマンスの評価を非常にしないといけないところがありますよね。ファンドの評価みたいなところもありますし、非常に長くかけて評価しなければいけないし、それから、これからの日本の政策に非常に影響を与えると思いますので、どのようにやっていくかということについて、もしこの委員会が担当であるとしたら、きちんと議論して決めておかないといけないと思います。
【北山委員長】  前原委員が御指摘されたように、産業競争力強化法の規定による出資等に関する評価は当委員会で行うのですが、まずは、当委員会の下に設置されている官民イノベーションプログラム部会で検討しています。この部会は、私が部会長で、宮内委員をはじめとして、総会と重複している委員も何人かいらっしゃいます。
  今はまだ初期段階で、四つの法人がそれぞれ組織を作り、少しペースに差はあるものの、大阪大学が投資活動を始めたといった段階ですが、評価委員会としてどのように各法人・ベンチャーキャピタルの年度ごとのパフォーマンスを評価していくかについては、KPIを設けて、官民ファンド共通のやり方などを踏まえ、この四法人が進めていく事業を、今後、官民イノベーションプログラム部会で評価していく仕組みがきちんと構築されております。
  前原委員のちょうど右隣の、水野委員も官民イノベーションプログラム部会の委員ですが、官民イノベーションプログラム部会の委員が何人か総会の委員に入っていて、そこでの検討が終わると、こちらに上がってくるという流れで進めます。
  ほかにいかがでしょうか。
  奥野委員やほかの方も言われた年度の評価という部分については、第3期に当たって、より詳しく、例えば定量的なKPI等によって、その進捗状況が分かるようにする、といった点も含めて、計画に具体性をもたせるということが言われています。したがって、後で説明もありますが、第2期と第3期を比べると、計画の書き方が大分変わってきているということかと思います。
【奥野委員】  そうですね。実は、第2期の委員の皆さんが苦労していることは、既に出来ている中期計画を分割する形で年度計画を書きますので、中期計画が抽象的であれば、年度計画もやはり抽象的な文章になるという問題です。多くの場合は、年度計画に捉われずに報告をたくさん書かれます。もちろん報告はたくさん書いても良いのですが、まずは年度計画をしっかりと書いていただかないと評価が難しい、ということが我々の意見です。
  実は、中期計画は認可を要しますが、年度計画は文部科学省に届け出るだけでいいことになっていますので、この年度計画では良くないと言う人は一人もいないことになります。
  そのまま年度評価をすることになり、委員は違和感を持ちながらやることになります。各法人に対しては、我々がもう少し評価しやすいような書き方をしてくださいと伝えてきました。また、後でも言いますが、決して委員は数値目標を書いてほしいと言っているわけではないのです。気持ちとして言えば、もう少し委員の身になってくださいというような意味なのです。
【北山委員長】  そういった点については、第3期は大分改善されるのではないでしょうか。
【奥野委員】  多分そのようになると、私もそれは期待しております。
【北山委員長】  ありがとうございます。ほかに、いかがでしょうか。
【深見委員】  資料1-1の9ページの課題事項というところになりますけれども、定員が充足されてないというところが18法人ございます。
  この辺りの説明は余り伺っていなかったような気がするのですけれども、これに対して、法人はどういうような対応をするのか、この辺り、もしコメントがあったら、お願いしたいと思います。
【北山委員長】  これはいろいろな法人が該当しておりますので、まとめて文部科学省から説明をお願いできますか。
【事務局】  今、御指摘いただきました18法人ということで、これは大学名を書かせていただいておりますけども、この学生定員の未充足、どういう形でここに挙がっているものかと申しますと、修士でありますとか博士課程や専門職学位課程というその課程の中での定員の充足状況といったものを見ているものであり、このうちの多くは、専門職学位課程の定員未充足になってございまして、その中には、法科大学院等も含まれております。
  また、修士課程の中の定員未充足ですが、平成26年において90%を下回っている法人が、この18法人ということになってございますが、専門職学位課程、若しくは、修士課程、中には博士課程も一つございますけれども、いずれも大学院段階ということで、学部段階での定員未充足というものはここにはないという状況になってございます。
  この定員未充足ということ自体については、一方で、学生の質というような観点もありますので、充足すれば全てが良いということではもちろんございませんが、やはり未充足という状況については組織的な検討をしていただいていく必要があるという観点から、統一的にこうしたことで一応課題事項として指摘させていただいているところです。より入学志願者を増やす取組を実施するであるとか、場合によっては、定員規模自体を見直すというような方法もあると思いますが、いずれにしても、そうした定員の充足に向けた取組に努めることが望まれるといったような記述が、各18法人の評価結果書に書かれているということになってございます。
【北山委員長】  よろしいでしょうか。
【深見委員】  はい。ありがとうございます。
【北山委員長】  はい。フクシマ委員、お願いします。
【フクシマ委員】  今、御指摘があった課題事項のところですが、いわゆるコンプライアンスの問題がほとんどで、大学の学科内容とかに関する御指摘がほとんどないようです。コンプライアンス上、つまり管理の問題が多く出てきていますが、これは継続的に同じコンプライアンス上の課題を出している機関なのか、それとも、今回1回だけ問題が出てきて、来年はそれを改善するという姿勢が見られるのか、その区別は重要ではないかと思います。
  もし継続的に出てきているのであれば、組織の問題か、あるいは、体質の問題かという可能性がありますし、もし1回だけ、今回初めて出てきたということであれば、それをどう防ぐかということの検討もこの中に一言入れる必要があると思います。
  ガバナンス上の観点を考えても、守りと攻めのガバナンスがあっても、攻めに関しては、今回、教育内容について課題はないという評価だったと思いますが、守りの方ができていないということになると、教育の場は人を育てる非常に重要な場ですので、少し不安があります。
  その点で、もし何か御印象をお持ちの方がいらっしゃれば、お聞かせいただければと思います。
【北山委員長】  これもまとめて文部科学省からお願いします。
【事務局】  関連の情報といたしまして、資料1-5をお手元に御用意いただければと思いますが、先ほど少し説明させていただきました平成25年度の前回の年度評価の結果について、総務省の委員会の意見についての対応状況ということになっています。
  2ページでは、研究費、公的研究費の不正使用の問題ですけれども、これについて適切なフォローアップをということになってございまして、右側の下の箱でございますけども、26年度における対応ということで、その二つ目の丸ですが、25年度の評価で課題とした6法人についてはその対応を確認しているということで、7ページの別紙1に書いてございますけれども、25年度に起こったところについて、どうした取組が行われているかということの確認はしていただいています。また、5法人については新たに不正の事実が明らかになったということですので、これは同じように来年度に確認をしていただきたいと考えております。
  構造は大体同じでございますけれども、例えば次の3ページの研究活動の不正防止というところでは、同じく、右下の箱の中の二つ目の丸のところで、平成25年度に課題としては7法人について対応状況を確認しており、6法人については改善に向けた取組が行われていることを確認したということでございますけれども、そのうちの一つについては、やはり26年度も引き続き研究活動における不正という事項が起きておりますので、これは新たに起こった8法人も含めて、来年度での更なるその取組の確認ということを引き続きしていきます。
  また、4ページ、5ページを御覧いただきますと、個人情報の適切な管理の観点ですとか、それから、教員等の個人宛て寄附金の適切な管理、こうした問題について、今申し上げたような同じようなことで、平成25年度に起こった法人の状況を確認するということと、新たに起こったものについてと引き続き起こってしまったところについてのその確認というのはまだ来年度以降も引き続きしていくということになっています。
  これは御参考までに、そういう状況にあるということで御報告させていただきます。
【北山委員長】  よろしいでしょうか。
  それでは、いろいろと御意見いただきましたが、第1番目の議案である、平成26年度の業務の実績に関する評価結果については、案のとおりで決定するということでよろしいでしょうか。
  (「異議なし」の声あり)
【北山委員長】  ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
  いろいろ御意見いただいております点につきましては、今後の評価の実施方法等を検討する際の参考にさせていただきたいと思います。
  なお、この年度評価ですが、各法人が行う教育研究の特性や法人運営の自主性・自律性に配慮しつつ、各法人の中期計画の達成状況について総合的に評価するというものですので、相対評価ではないということに留意し、対外的にも説明してまいりたいと思います。
  それでは、次に、来年4月からの第3期の中期目標と、中期計画の素案に係る意見について、御審議いただきたいと思います。
  この第3期の中期目標並びに中期計画の素案についても、各分科会で御審議いただきましたので、これも、まず、それぞれの分科会長から、これまでの審議状況について御報告をお願いしたいと思います。
  初めに、国立大学法人について、奥野分科会長からお願いいたします。
【奥野委員】  国立大学法人86大学分の素案はこの目の前にありますこの分厚いファイルで、ワーキンググループの皆さんには精力的に全部読んで目を通していただきました。
  やり方といたしましては、ここで決めていただいた実施方針に沿って、質問や意見をやり取りして、指摘事項や、修正事項があるかどうかをかなり詳しく見ていきました。
  それで、まず概観ですが、第2期のときに、これでは年度評価できませんということを少し言い過ぎたのかもしれませんが、法人は過剰反応をしている印象です。我々は必ずしも数値目標でなければ評価できないと言ったわけではなく、例えば「何々に努力する」とか、「何々を目指す」とかの計画の場合には、どのような手段でその目標を達成するのかを書いてほしいと伝えたかったのですが、なかなかブレークダウンされませんでした。
  最終的には、この資料2-1の途中に出てきますが、かなり多くの項目で数値目標を書いています。決して悪くはありませんが、少しやり過ぎではないかというのが正直な私の感想です。第2期の目標と第3期の目標・計画とは、北山委員長が言われたように、大分変わっていると思います。これで年度計画がうまく書ければ、委員としては評価しやすくなります。それを期待したいと思います。
  教育研究の面では、先ほど言いましたように、特色を出す、あるいは、機能を出すということで言っていますので、後で詳しく出てまいりますが、アクティブラーニングを入れたり、グローバル展開を入れたりとか、国立大学としてのミッションを踏まえて、内容的にもブレークダウンしていただいていると思います。
  それから、先ほど指摘がありましたが、社会貢献、特に地域との、国立大学として地域としてどうするかということもかなり具体的に書かれています。
  教育研究の方は別の大学評価・学位授与機構でそういうことを評価しますので、この評価委員会で一番重要なのは、業務運営でそれがどう生かされているかということですので、経営基盤の強化とか外部資金を獲得する努力とかは重要な項目です。
  それから、先ほどから問題になっていますコンプライアンスはなかなか難しいところですけれども、問題になる件数は減ってきてはいますが、依然としてなくなりません。ただ、ガイドラインなどもきっちり出ていますので、それに沿って努力していくことで、コンプライアンスに対する文化といいますか、心構えというのを変えていかなければいけないと思います。
  繰り返しになりますが、後で出てきます資料2-1の中には、数値目標の項目数が多いということは、良いことではありますが、各法人に対して、しっかりと考えてくださいねと言いたいと思います。
  それから、最後に、この86法人のこの分厚いファイルを読んで、ここは修正すべきであるという点はありませんでした。すなわち、法令違反とかはなかったということです。ただ、表現の問題として、具体的な書き方を希望する点などについては、全法人にしております。86法人を比較すると、かなり出来ているところと、まだ出来ていないと思われるところの差は大きいという印象でした。
【北山委員長】  ありがとうございました。
  それでは、大学共同利用機関法人につきまして、稲永分科会長から、お願いいたします。
【稲永委員長代理】  それでは、御報告します。大学共同利用機関法人分科会では、今、御紹介のあった国立大学法人分科会と同様に、平成28年度から第3期が始まる大学共同利用機関法人の中期目標・中期計画の素案について、ワーキンググループを設けて検討を行いました。
  ワーキンググループでは、まず、第51回総会において了承されました「文部科学大臣が行う国立大学法人等の第3期中期目標・中期計画の素案の修正等について」に基づき、実際の確認作業に当たって用いるメルクマール等の実施方針を定め、素案に係る分科会としての意見案の検討を行いました。その後、分科会では、当ワーキンググループにおける検討結果や討議を踏まえ、分科会としての意見を取りまとめました。経過は以上です。
  そういう検討を通じて得られました各大学共同利用機関法人の素案の概観としましては、ミッションの再定義等を踏まえた組織の見直し、IR機能の強化を含む共同利用・共同研究機能の充実・強化、人材育成機能の充実・強化、法人のガバナンスの充実等について、先進的な取組や高い数値目標を設定するなど、意欲的な計画が多く見られました。
  教育研究面では、学問動向を見据えた異分野連携による新分野の創成を図る体制の整備や、共同利用・共同研究の成果を可視化する取組など、共同利用・共同研究機能の充実・強化に対して、法人としての機能を最大限に発揮できるよう工夫しながら、意欲的な計画を立てていることもうかがえました。
  また、業務運営面では、優秀な若手及び外国人の受入れや女性教員比率の向上など、スタッフの流動性や多様性を高めて、教育研究の活性化を図る取組が多く見られました。また、大学共同利用機関法人4法人が共通の中期目標・中期計画を策定し、4機構が連携し、より高度な法人運営の実施に積極的に取り組もうとする姿勢がうかがえました。
  さらに、全ての法人が大学共同利用機関法人として社会的使命を果たしつつ、その活動を適正かつ持続的に行っていくために、法令順守の徹底や研究不正の防止のための取組を掲げていました。
  各法人の具体的な計画については、お手元に各法人の素案の実物がございますので、御参照いただきたいと思います。
  この素案に関する評価委員会の意見内容につきましては、また、分科会の意見内容につきましては、詳細は後ほど事務局から説明していただきますが、各法人の素案において、内容の修正等を求めなければならないような記述は認められませんでした。
  ただし、「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」の大臣通知に示された観点のうち、各法人の状況を踏まえつつ、更に明確化してほしいと考えられるもの19件について、記述内容の改善について検討を求めていただきたいとしました。もちろん、これには各法人の自主性・自律性を尊重した上であります。
  また、記述の具体性という観点からも、法人間で大きな差が見られるため、中期目標原案及び中期計画案の策定に向けて、国民の理解が得られるような内容とすべく、更に自主的・自律的な検討を求めていただきたいということになっております。
  このほかに、国立大学法人分科会と同様に、分科会では、第2期に引き続き実施する戦略性が高く、意欲的な目標・計画の認定について、第3期における認定方針と認定のプロセスについて検討しました。
【北山委員長】  ありがとうございました。
  それでは、今の分科会長の報告を踏まえまして、この第3期の中期目標及び中期計画の素案に係る意見について、事務局から御説明をお願いします。
【事務局】  時系列を追って説明させていただければと思いますので、まず、参考資料1を、お手元に御用意いただければと思います。
  参考資料1が、前回、この評価委員会総会が5月27日にございましたけども、そこでお認めを頂きましたその第3期中期目標・中期計画のその修正等についての方針ということでございます。
  1.のところでは、そもそもの国立大学法人法や参議院の文教科学委員会の附帯決議等において、国立大学法人の場合は、中期目標の実際の作成主体が法人であるということでございますとか、その個々の教員の研究活動には言及しないということや、その決定過程の透明性の確保を図るということや、原案の変更については、財政上の理由など真にやむを得ない場合に限るといったことが附帯決議として決定されておりますが、こうしたものや、国立大学法人法のそもそもの仕組みといったものを踏まえて、最終的には文部科学大臣として素案について意見を言う場合の四つの観点として、2.の方の箱で囲んでいる部分ということになってございます。
  一つ目は、文部科学大臣限りでは実施することができないということで、例えば法律改正を要する事項など、当然、国会で審議が必要になりますので、これは文部科学大臣で認可するということの範囲を超えているというようなものであるとか、財政上の観点から修正などが必要ということでは、将来的に大規模な財政需要が明らかに発生するというようなものについては、この時点でなかなか難しいということ。
  それから、(3)につきましては、これは6月8日に文部科学大臣通知ということで組織及び業務全般の見直しということについての通知を出しておりますが、その観点に鑑み、修正等の必要があるものということが(3)でございます。それから、(4)といたしましては、法令違反や社会通念上著しく妥当性を欠くという事由ということで、これは当然のことですが、そうしたものについて記述の修正等を行うということで、前回お認めを頂いております。
  参考資料2の方ですが、今、両分科会長からも御報告いただきましたが、両分科会の下にワーキンググループを設けて、そこで御検討いただきました。参考資料の3-1と3-2がそれぞれございまして、こちらが5月27日にお認めいただきましたその四つの観点の具体化をしたものでございまして、これに沿って、それぞれのワーキンググループ、分科会の方で御審議、御検討いただいたということになってございます。
  以上を踏まえまして、本体資料の2-1に戻りまして86の国立大学法人の素案についての意見案ということで御説明申し上げたいと思います。
  「はじめに」というところでは、今まさに第3期の平成28年度を迎えるという中での社会状況を書いてございますが、こうした社会課題について、国立大学がそのまさに、質の高い教育研究ということを通じて、その責任を果たしてきているということが書いてございます。なお、その2パラグラフ目の方にも入っておりますけれども、第3期の中期目標期間を迎えるに当たって、こうした社会貢献というようなことに、教育研究の一層の質の向上を図っていくことを通じて貢献していくことも書かれております。
  大学が社会の知を支える存在であるということの認識をより深めていくということのためには、今後6年間の活動の主軸である中期目標・中期計画において、やはり自主的に高い到達目標を掲げるということとともに、その目標を実現するための手段や検証の指標を明記することが必要ですと。今まで御議論いただいたことのとおりでございますが、そうしたことを掲げることによって、第2期以上にその存在意義といったものを社会に対して明示することか必要だということです。
  「また」のところでございますけれども、特にその明確な手段や検証指標を設定するということにつきましては、法人評価自体の有効、効果的な運用というか、評価自体を効果的に行っていくということにもつながるということで、こうしたPDCAサイクルの確立といったことが地域社会や国民の期待に応えて理解と信頼を高めていくということにも貢献するものだということでございます。
  国立大学法人評価委員会(分科会)と書いていますが、これを今日御審議いただきまして、お認めいただけましたら、この括弧書きが消えて評価委員会ということでの意見ということになるということでございますけれども、この考え方に基づいて検討を行い、意見を取りまとめたということで、具体的な中身が2ページから以降でございます。
  同じ資料2-1の11ページのところで、第3期の中期目標・中期計画の素案の概況ということで資料を付けております。分科会で、この86法人の中期目標・中期計画の素案を、もちろん全ての分量を一度に御覧いただくわけにはいかないので、何か全体が分かるようなお示しをする必要があるという意見を踏まえて付けたものがこちらになっております。
  全体の概況についてということでございますが、素案の中では、先進的な取組やその高い数値目標の設定等、意欲的な計画が見られたということでございます。特に、その第2期よりも、やはり法人としての強みや特色といったもの、機能強化を進めてきておりますけれども、そうしたものがよく明示されて、また、事後的な検証も可能となっている素案ということを確認できたということです。下の方に参考ということで、先ほど、奥野分科会長からも触れていただきましたが、飽くまで事後的な検証をするための一つの手法にすぎないということでございますけれども、その中の一つの例として、数値指標を含む計画の数というものを数えてみますと、第2期の中期計画の中では、169がそのいわゆる数値的指標ということでございましたが、今、第3期の素案の中では、1,457という数が数えられるということで、数値目標自体が増えるということよりは、事後的にその検証が可能になる、法人の立場から言えば、こういうことをやっていくんだということを社会に対して明示するという観点から、意欲的な計画になっているのではないかと考えております。
  こうしたことで、多くの法人では、そうした高い目標設定や先進的な取組ということでの計画の設定が見られましたが、やはり、その中でも特色の明示が必ずしも十分と言えない場合や、事後的な検証が困難な記述というものも中には見られまして、特に一部の法人においてはそうした傾向が顕著であるということで、法人間で大きな差があることが認められたということが全体の概況となっております。
  12ページ以降でございますけれども、各項目、中期目標の基準、標準となる項目に沿って、教育に関する計画で全学的な教育マネジメントシステムの状況でございますとか、グローバル化への対応やアクティブラーニングの導入ということでございますとか、研究に関する計画では、各法人それぞれの強みといったもの、強みのある分野といったものを明示しながら、国際的な共著論文についての指標を設定するでありますとか、社会実装につながる研究成果を創出するというようなこととか、その拠点を形成するといったような具体的な取組を書いている例がございます。
  14ページでは、社会連携として、その地域に貢献することでの分野での明示もしながら、新たな産業やビジネスモデル、また、雇用の創出ということまでも書いています。また、グローバル化に関する計画ということでは、繰り返しになりますけれども、国際的な教育研究拠点の形成ですとか、国際的な人材養成の貢献の取組や、以下、附属病院、附属学校に関することや、15ページでは、業務運営の改善・効率化ということで、教員の多様化に関する取組でありますとか、16ページでは、教育研究組織の見直しということで、これはそれぞれの各法人の書いている課題が違いますが、そうした課題を捉えながら、どのような教育研究組織の見直しを行なっていくかという視点を明示していただいている例でございます。
  それから、事務の効率化や財務内容の改善、自己点検評価や情報提供、18ページ、19ページの方に行きまして、情報公開やその他業務運営ということで、それぞれ意欲的な計画をこのような形で、これは飽くまで一例にすぎませんが、素案の概況として見られたということでございます。
  こうした状況でございますけれども、その資料の4ページに表がございます。先ほど、参考資料の方で御説明申し上げましたが、四つの観点に照らして、表の「修正等」というのは一定の内容に記述を変更してもらう必要があるものということでございまして、また、「検討」というのは、こういうふうに直してほしいということではございませんけれども、これについて、より具体化とか、より特色が明示するような形での各法人の自主的な検討を促すというものになっております。まず、修正等を求める必要がある事項ということを(2)のところに書いてございますが、それについてはそうした事項は見られなかったということでございます。また、(3)のその検討を求める事項ということにつきましては、4ページにローマ数字(ⅰ)で書いてありますが、「自らの強み、特色を明示し、国立大学としての役割を果たしつつ、大学として特に重視する取組について明確な目標を定める」ということですとか、5ページの方では、目標を具体的に達成するための手段といったものを策定して、それをまた検証することができる指標を設定することということを観点として掲げております。
  こうしたところでは、第3期に向けて、国立大学がどのような教育研究を通じて活動をしていくのかということについては、その国立大学としての機能と特色、強みというものをより明確にしていく必要があるということと、各年度の年度評価も、これは年度計画自体が届出ということになっておりますので、この中期計画で具体化するということを通じて、年度計画の取組がより実効的に評価できるということにもつながりますので、そうした観点からも、具体的な取組や事後的に検証ができるような形にしていただくということについて、各法人で御検討を更に頂きたいというような二つの観点からの検討の内容になっております。
  そうした二つの観点での検討というものを全法人に対して要請するというような形で、今、意見をおまとめいただいておりまして、これにつきましては、11月の下旬頃に、文部科学大臣の通知という形で、全国立大学に対しての検討を依頼する予定としており、それの原案となるものということで、今これをおまとめいただいております。
  具体的なところで、その記述を改める、改めないというところにつきまして、ページの5の(4)のところを御覧いただければと思いますが、最終的には、その附帯決議で原案の作成主体は法人であるということですとか、財政上の理由等真にやむを得ない場合に限るというようなことで、基本的には原案を尊重するというようなことがありますので、その記述を改めないという判断も最終的には尊重しないといけないという場面もあると思います。その記述を改めない場合については、その理由をやはり確認をするということを併せてする必要があるということで、当評価委員会といたしましても、その理由についての確認を頂き、それに合理性がない等の事情が見受けられる場合には、評価委員会から文部科学大臣に対しての意見を述べることもあり得るということで、意見としては結ばせていただいています。
  それから、資料2-1、7ページの別添1では、その具体的な記述を検討するに際して参考となるような中期計画の好事例、一方で、9ページの別添2におきましては、事後的に検証ができるとは言い難い中期計画の記載例ということで、これは実際、大学の中期計画素案から拾ってきたものですが、具体的な取組や事後的な検証ができないといった例、こうしたものを参考に、各法人から1月の上中旬に原案という形で提出されることになると思いますが、こうした観点からの検討を求めてはどうかというようなことを、今おまとめをしていただいているということでございます。
  国立大学法人の中期目標・中期計画の素案について以上でございます。
【北山委員長】  続いて、大学共同利用機関法人についてお願いします。
【事務局】  引き続きまして、大学共同利用機関法人の中期目標及び中期計画の素案についての原案について御説明をしたいと存じます。資料2-2を御覧いただければと思います。
  本原案作成に当たりましては、大学共同利用機関法人分科会におきまして、ワーキンググループを設けて御検討いただきました。参考資料3-2にもありますように、実施方針の内容を確認した上で、ワーキンググループで議論いただき、その結果を踏まえまして、分科会で検討、審議を頂きまして、今回この資料2-2として取りまとめていただいたということでございます。
  内容について説明をさせていただきたいと思いますが、先ほどの説明と重複する部分は少し省略をさせていただいて、ポイントを絞って説明したいと思います。まず、意見案の構成につきましては、国立大学法人の意見案の内容と同様となってございます。
  1ページ目には、「はじめに」とございまして、法人化してからの経緯、大学共同利用機関法人としての取組やその成果を確認した上で、第3期中期目標期間に向けた期待というものを記載しているところでございます。
  2ページ目にお移りいただきまして、1として基本的な考え方を記載しておりますけども、ここでは(1)としまして、各法人の自主性・自律性の尊重、教育研究の特性への配慮、それから、(2)といたしまして、具体的・明確で、評価可能な目標・計画設定の必要性ということについて述べておるところでございます。
  3ページ目を御覧いただければと思いますけれども、素案の確認結果の概要でございますが、3ページ目の下の表にございますように、まず、修正等を求める必要がある事項というものについて、表の評価を行う四つの観点のうち、1、2、4の観点につきましては、全ての法人において該当する記述はないと御判断いただいております。
  それから、3の観点につきましては、全ての法人において、何らかの形できちんと反映されているということを確認いただきまして、各法人が作成いたしました中期目標及び中期計画の素案を尊重するという原則に照らし、内容の修正等を求めなければならないようなものはないと御確認を頂いております。
  次に、検討を求める必要がある事項といたしましては、観点の3にあります「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」の通知に示した内容に鑑み修正等又は検討の必要があるもので、自らの強み・特色を明示し、法人としての役割を果たしつつ、法人として特に重視する取組について明確な目標を定めることということに関しまして、19件の検討を求めるという御判断を頂きました。
  これらは、いわゆる大臣通知に示された観点のうち、各法人の状況を踏まえつつ更に明確化すべきと考えられるものでございまして、各法人に対して、記述内容の改善について検討を求める必要があると御判断いただいたものでございます。
  具体的には、7ページ目の別添1を御覧いただければと思いますけれども、まず、4法人に共通する事項といたしまして、三つございます。人間文化研究機構の例を取りますと、7ページから9ページ目になりますが、一つ目は、7ページにございますけれども、より高度な法人運営を行う観点から、4機構間の更なる連携について踏み込んだ記述ができないかということ、二つ目は、8ページになりますけれども、人材育成の観点から、総合研究大学院大学との教育との連携を更に強化することについて記述を充実できないかということ、三つ目が9ページになりますけれども、監事機能を強化するという観点から、その強化策をより具体的な表現にできないかという、この三つが4法人共通の事項として内容を御判断いただいたところでございます。
  これらに加えまして、高エネルギー加速器研究機構と情報・システム研究機構につきましては、例えば高エネルギー加速器研究機構につきましては16ページになりますけれども、研究不正等の防止の観点から、研究倫理教育等の強化につきましては、強化をするだけではなく、例えば受講状況でありますとか、あるいは、実際に教育を受けた場合のその理解度を測るなど、より評価できるような内容の記述の充実が求められないかというような御指摘を頂いております。
  さらに、情報・システム研究機構につきましては、17ページ以降にございますが、法人ガバナンスの強化でありますとか、マネジメント機能等の強化などにつきまして御指摘を頂いているというところでございます。
  また、目標を具体的に実現するための手段を策定し、その手段が遂行されているかどうかを検証することができる指標を設定することにつきましては、別添2でございますけれども、具体的な記述を検討する際に参考にしうる中期計画記載例をお示ししておりますし、また、別添3では、事後的に検証できるとは言い難い中期計画記載例というのを示した上で、事後的に検証可能な記述にしてもらうために、全法人に検討を要請するということで御判断いただいているところでございます。
  これらを踏まえまして、国立大学法人分と同様に、5ページ目の(4)にございます、中期目標原案及び中期計画の策定に向けての法人における更なる検討の内容につきまして、評価委員会としても御確認・御検討いただきまして、説明の内容に合理性がない等の事情が見受けられる場合には、文部科学大臣に対して意見を述べることもあり得るということで意見をまとめていただいているところでございます。
【北山委員長】  ありがとうございました。
  事務局から説明いただきましたこの意見案につきまして、委員の皆さんから御質問やコメントがあれば、どなたからでも結構ですので、御自由にお願いしたいと思います。
【早川委員】  分科会での審議を踏まえて、資料2-1の11ページ以降、参考資料をお付けいただいて大分見やすくなったかなという感じはするんですけれども、その一方で、やはり大学にとっては、自分たちの立ち位置が分かるということでの俯瞰できる状況ではないのかなということで意見を申し上げたと思います。
  前回の分科会以降にメモで頂いたような数量的な状況、つまり、そういった中で、特筆する取組をしているのがこういう大学だということが分かる方が、むしろ、全体状況の中でこんな傾向がある、進んだところではこのような取組をしているということを俯瞰的につかむことで、ただし、これは全ての大学が取り組まねばならぬ話ではないので、自分たちの大学の立ち位置について、そことの距離で見てどうなのかということが分かるような形にもう一工夫できないかなということを感じましたけれども、その点はいかがでしょうか。
【北山委員長】  文部科学省からお願いできますか。
【事務局】  今日の資料としてはお示しをしておりませんが、この中期目標・中期計画の素案の中の観点で、例えば、海外留学生について、第3期でこれだけの人数を学生派遣するとかということでございますとか、外国人の教員の比率や数等、各種分かりやすいところのものを幾つか拾ったものをメモとして、前回分科会の委員方に事後的に配付をさせていただきました。今回のまとめ方については、率直に申し上げて我々事務局も大変苦労しておりまして、今、11ページ以降で代表という形でまとめましたが、その全体観として、今、早川委員がおっしゃったように、全ての大学がというわけではないのだけれども、その全体観をどのようにすればお示しできるのか、また、1月に向けて各大学が検討するに当たって、我々の方でどのようなことができるのかということについて、取組の数を全体観でお示しするといったことも含めて、少し工夫はしていきたいなと思っております。
【北山委員長】  時間があれば後で説明があると思いますが、今日の配付資料の中に、国立大学を取り巻く状況についての資料があります。その中に、例えば28年度に各法人がこういうことをやっていきます、というような例を、日本地図とともに幾つか示すものもあります。といってもこの資料は、各法人がいろいろな切り口で取組まれる6年計画を全体的に再整理し直したものともまた違いますので、全体観をお示しするというのはなかなか簡単ではないなと思います。
【早川委員】  やはり6年掛けて評価するものですし、第1期、第2期と明らかに違うことはその辺りではないかなと思いますので、やはり見えるという、様子が見えて、それに対してどのように向かっていくのかということが、それぞれの法人が自分たちの立ち位置から考えていける、自主的・自律的に考えていけるような、俯瞰できる材料というものを、やはり文部科学省から提供するというのが必要だと私は思います。
【北山委員長】  貴重な御意見、ありがとうございます。そのほか、いかがでございましょうか。
  今の御意見と同じ趣旨ですけれども、ミッションの再定義については、割とここ最近の話ですし、その延長線上の議論で、3つの枠組みのどれを選択したかという点については、資料にも記載がありますよね。いかがでございますか。
【奥野委員】  一言だけ。これは、早川委員がおっしゃったことですが、6年は長いですよね。私は大学におりましたので感じるのですが、この間に社会環境は変わる可能性があります。それについて委員は皆よく知っています。目標を書く際には、どうしても概括的とか抽象的にしたい気持ちはよく分かるけれども、それを踏まえて、年度計画ができるようなものにしてほしいというのがワーキンググループでの強い意見でした。ですから、第2期のときに導入した戦略的に優れたものは、中期計画を書き替えて、それについてはプロセス評価をしましょうということをやってまいりましたので、当然そういうことも第3期はやりましょうねということになっていますので、少し追加でお話ししておきたいと思います。
【北山委員長】  では、私の方から一つお伺いします。資料2-1の11ページ以降の、素案の概況について先ほど御説明がありましたが、この部分で、ガバナンス関係、例えば学長のリーダーシップの下で事業を進めるとか、監事を常勤化するといった点は、特に概況には入っていませんよね。机上資料の分厚いドッチファイルの方をみると、例えば一番上にある北海道大学では、学長のリーダーシップの下で、こういうことをやっていきますといったことがいくつか出てきます。
  これは、学校教育法の改正による教授会の役割の明確化などがもう施行されていますし、国立大学法人法の改正法も同時に施行されているため、特に概況として入れなくても、各法人の中に既にビルトインされてきているということでしょうか。それとも、第2期の取組みを踏まえて、第3期をどう進めるかという観点では、それほど特筆すべきことではないということなのでしょうか。
【事務局】  その学長のリーダーシップによるガバナンスのこととかですとか、今、御指摘いただいたように、教育とか研究のところですね、それぞれそれを発揮してこういうことをやるということが書いてありますが、その体制といたしましては、大きなローマ数字の2の業務運営の中の組織運営の改善と計画のところで、学長を支える組織編成をどのように作っていくということでございますとか、また、IR機能を強化して、その学長を含む全学としての意思決定を支える機能をどう高めていくかという取組の計画はもちろん多数ございます。
  そうなのですが、ここに取り上げなかったのは、ここに記載すると、どうしても組織をこういうふうに作りますというところの記述だけといったような、書き方としてはどうしても単調な印象のものになってしまいますので、そこからそれぞれの各法人の個性を見せることがなかなか難しいというか、見せ方に苦慮したというのが正直なところです。
【北山委員長】  そうですね。そうした切り口で切ってみると、それぞれの部分、部分には出てきますし、別の、例えばグローバル化といった切り口にしたときには、それもまた、あちこちに記載あるといったように、いろいろな観点の取組みが、大学の各セグメントの中にそれぞれビルトインされているので、まとめる際に切り口をどうするかというのも、なかなか難しいですね。ありがとうございます。
【前原委員】  今の件で、分科会でも申し上げましたが、文章はともかく、もう法律ができているので、いろいろ変化が起きています。そうすると、読んでみると分かりますが、法人によって非常に格差が広がってきているのではないかということを強く感じますので、その点は文部科学省でうまく、いけないところについての指導をしないといけないですねということは申し上げました。
【事務局】  そうですね。第3期に向けた例えば運営費交付金の仕組み、もちろん、昨年度の法整備がありまして、運営費交付金の配分の在り方といたしましても、学長のリーダーシップをよりはっきりしていただくということで、運営費交付金の中でその学長裁量経費という枠を設定するということでございますとか、また、その機能強化を促進していくための仕組みといったものも、これも当然、全学としての意思決定というか、そうしたものに基づくものということでございます。そうした種々のところでそうした改革を進めていく法人を支援していくということを通じて、そうしたリーダーシップの発揮といったものを促していくということになろうかと思います。
【北山委員長】  この件につきましては、各分科会でも議論していただいたものでございますし、時間の関係もありますので、当委員会としての意見としては、この辺でまとめさせていただきたいと思いますが、意見案について、そのとおりとさせて頂いてよろしいでしょうか。
  (「異議なし」の声あり)
【北山委員長】  ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。ありがとうございました。
  次に、この第3期中期目標期間における戦略性が高く、意欲的な目標・計画について、認定プロセスの方向性を御審議いただきたいと思います。
  まず、内容につきまして、事務局の方から御説明をお願いします。
【事務局】  資料は資料3になってございます。
  今、奥野委員から少し御説明も頂いたようなところでございますけれども、戦略性が高く、意欲的な目標ということで、第2期の中期目標の途中からこうした制度を設けてございます。この趣旨といたしましては、いわゆる達成度だけを見ていくということになると、なかなか意欲的な目標が立てにくいのではないかということで、こうした仕組みを作って、それの認定された計画については、ただ単に達成度だけではなく、そのプロセスでございますとか、その取組の内容といったものも加味して、その中期目標期間で評価を行うということで、第2期の途中から始めさせていただいているものでございます。ついては、第2期で一旦これがリセットされますので、第3期においても、この仕組みを引き続き継続してはどうかということでございます。
  認定の方針といたしましては、3.のところに書いてございます。これも基本的には第2期の考え方に沿ってございます。法人の機能強化に向けて先駆的・先導的に取り組むものということで、ほかの法人で例がないようなものでございますとか、取組の重要性を踏まえて、高い数値目標を掲げて取り組むものということで、非常に意欲的な取組、また、三つ目といたしましては、強み・特色を一層明確化するために、資源の再配分を行って、具体的なかつ高い水準の目標を掲げ取り組むということで、機能強化の方向性を資源再配分といった手段を通じてやっていくというものです。こうしたものについて、先ほど、第2期の方でも認定を年度計画の中で御報告させていただいたところ、引き続き、この第3期の中においても実施してはどうかということでございます。
  認定のプロセスといたしましては、本日、この資料3の方針をお認めいただけましたら、最終的には今年度末に、計画の認定をまた法人評価委員会にお願いすることになります。具体的には、計画の認定という段階で、これが戦略的・意欲的であるということの御認定を頂くということになりますが、それに向けて、我々の方でも作業をさせていただきながら、最終的にはこの仕組みをそのまま第3期も引き継いではどうかということでございます。
【北山委員長】  ありがとうございました。
  この資料3のこの件に関しましては、既に各分科会において御議論いただいておりますが、ただいまの事務局の説明について、御意見、御質問がありましたら、お願いします。
【奥野委員】  先ほど少し踏み込んだことを言ったのは、実は、第2期でこういうことをやってきて、第3期に行っても自動的に行くのではなくて、ここでリセット掛かりますよ、もう一度認定プロセスがありますよ、ということで私も言いたかったのです。
【北山委員長】  分かりました。
  それでは、この、戦略性が高く、意欲的な目標・計画の認定プロセスに関しては、案文のとおり決定するということにさせていただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
  (「異議なし」の声あり)
【北山委員長】  ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
  次は、来年4月から始まるこの第3期中期目標・中期計画に関して、今日の審議を踏まえた今後のスケジュールについて、事務局から簡単に説明いただきたいと思います。
【事務局】  資料4で、今後のスケジュールということで表したものがございます。
  今後、国立大学法人からの原案の提出を1月の上中旬に予定しております。先ほども少し申し上げましたが、その前に、この中期目標原案、それから、中期計画案ということにおいて、こういう観点で検討していただきたいということで、今日御承認いただきました意見の方向を文部科学大臣の通知という形で11月下旬には発出をする予定としております。
  1月の上中旬には各法人に提出いただきまして、今度、1月の下旬にまた分科会と総会という形で、少し日程が立て込んでおりますので、開催の仕方は工夫をしたいと思いますが、ここで原案として提出いただいた中期目標、中期計画案の御審議を頂きたいと思ってございます。
  それから、2月の下旬には、まず、中期目標を各法人に提示ということ。それから、3月の上旬に、今度は計画につきましての御審議と、それから、今御説明申し上げた戦略性が高く、意欲的な目標・計画の審議の認定に係る審議も頂きまして、3月下旬には中期計画を認可するという形で来年度の第3期を迎えるというような形での大まかなスケジュールとしているところでございます。
【北山委員長】  ありがとうございました。
  こういったスケジュールで進みますので、皆様、よろしく御参画のほどお願いします。
  本日の議事は以上ですが、せっかくの機会でございますので、残り15分弱の時間を活用しまして、国立大学法人等の全般に関して、意見交換をお願いしたいと思います。
  資料に基づいて、最近の動向、国立大学法人等を取り巻く最近の状況、動向について、事務局から御説明願いたいと思います。
【事務局】
  それでは、参考資料4に基づきまして御説明いたします。今回、御議論を頂いております第3期中期目標・中期計画を来年度から実施するに当たって、それを支えるという意味で運営費交付金等予算というのは非常に重要な位置を占めるわけでございますが、それに関しまして、現在の状況ということについて御報告をさせていただければと思います。
  参考資料4の2ページ目をお開きいただけますでしょうか。こちらにございます国立大学経営力戦略、平成27年6月に出させていただきましたものです。これを踏まえつつ、3ページにございます形で、国立大学法人運営費交付金、また、関係の補助金等を概算要求させていただいているところでございます。
  国立大学の経営戦略においては、「社会変革のエンジン」として、「知の創出機能」を最大化していくという観点から、国立大学に対し、学問の進展やイノベーションの創出などに最大限貢献できる組織へ自ら転換していただくということ、そのために、自己改革・新陳代謝を実行していただき、経営的視点で法人運営を行うことで経営力を強化していただくということから、文部科学省としましては、運営費交付金の水準を確保しつつ、各法人に対してメリハリある重点支援とともに、必要な規制緩和を行ってまいりたいと考えておるところでございます。
  ここで具体的な内容(1)にありますような運営費交付金については、三つの重点支援枠を新設させていただきまして、3ページにありますとおり、今年度は1兆1,365億円を、対前年度419億円増で要求させていただいております。この3ページの真ん中の辺にあります青いところでございます機能強化の方向性に応じた重点配分ということで、三つの重点支援枠に基づいた新設をし、これに対して404億円新規ということで、評価に基づくメリハリある配分を実施したいと考えておるところでございます。
  そういった中で、この三つの重点支援枠については、各法人、先ほどお話もございましたけれども、それぞれの法人、4ページにあるような形で、86の大学が現在、手を挙げてそれぞれの枠に応募していただいているところでございまして、重点支援枠1につきましては55大学、重点支援2につきましては15大学、重点支援枠3につきましては16大学が手を挙げていただいている状況でございます。こういった中で、各重点支援枠においては、5ページにありますようなそれぞれ特色のある組織、整備等々を現在要求していただいているというところでございます。
  こういった、予算といったものと同時に、税制改正、6ページにございますけれども、国立大学法人の個人寄附につきまして、税額控除を導入したいということで、現在、税制改正の要望の方をさせていただいているところでございまして、現在は所得控除のみ認められているところでございますけれども、特に1,500万円以下の所得の方に対して有利になる税額控除の仕組みというものを、学校法人と同じ様に、選択制として導入できないかということを、現在、要望をさせていただいているところでございます。
  このように、概算要求等をさせていただいている中で、8ページでございますけれども、今回、財政制度等審議会におきまして、今後の国立大学の財務運営についての考え方が示されたところでございます。
  この御提案の詳細につきまして、概要につきまして、8ページの上の箱に書かせていただいておりますけれども、国立大学の運営費交付金につきまして、その依存度と自己収入の割合を平成43年度までに同水準にするという目標を立て、そのために、毎年度、運営費交付金を今後15年間、1%ずつ減少させて、その代わり、自己収入を毎年1.6%増加させていってはどうかということが提案されてございます。
  これに対しまして、私どもとしましては、ここの8ページの左下にありますように、現状、既に過去12年間で1,470億円減少しているという中で、教育研究活動を支える常勤研究員、常勤の教員の人件費が減少、特に若手教員の常勤雇用が減少しており、優秀な人材確保や研究時間の減少など、そういった弊害が出ておるという現状があるということ、さらに、現在国立大学は、資料30ページ以降にございますけれども、第3期中期目標期間に向けて、機能強化に向けて本当に大規模な改革を促進していただいているところでございますけれども、この改革を進める戦略的経費が必要であるという、そういった現状がございます。
  また、毎年1.6%の自己収入を増加するという考え方については、当然、各法人、財源多様化は非常に重要であるということで、各法人、自己収入の獲得に努力いただいているところでございますけれども、寄附金や産学連携等の研究収入ということにつきまして、なかなか今後も継続的にずっと増加していくことが必ずしも見込めないという中で、その運営費交付金を削減するということ、それを賄うことはなかなか難しいと考えておるところでございます。なお、寄附金収入について見れば、自己収入に占める割合というのは1割であって、法人化直後の伸びに比べますと頭打ちの状況でありますし、また、産学連携等の研究収入というと、その大半は実は国の予算の委託費等、独立行政法人等による委託費等が基礎であって、継続的な増加が認めるかということがなかなか難しい状況にあるということもございます。
  また、この収入自体、限られた特定の研究活動に配分されるということから、教育研究基盤を支える運営費交付金の代わりとなるものではないと思っているところでございますし、また、そういった中で、それでも自己収入を大幅増加するということを求めるのであれば、授業料の大幅な引き上げにつながりかねないのではないかとも考えます。そういったことになりますと、現在の経済状況や厳しい家計状況では困難ではないかと認識をしているところでございます。
  9ページ以降、今申し上げた点について、幾つか資料を載せさせていただいております。我が国の公財政支出の状況、10ページには、常勤職員の人件費が年々下がってきていること、また、若手の研究者が任期付きの採用やポストの方に移っていること、また、11ページにおいては、寄附金収入の現状、また、民間からの研究資金の受入れ等の推移をお示しさせていただいているところでございます。また、家計の状況、民間企業の動向等も11ページで併せてお示しさせていただいております。
  こういった中で、各法人、12ページにありますように、第2期中期目標期間の後半3年間を改革加速期間ということで、本当に改革に御尽力を頂いておるところでございまして、そういった中で、12ページの左下にありますような、例えば学部のレベルでございますが、様々な改革に今取り組み、また、進めていただこうとしているという状況でございまして、私どもとしましては、こういった改革を是非とも引き続き支援させていただきたいという観点から、是非とも運営費交付金の確保、充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  以上、状況につきまして御説明をさせていただきました。
【北山委員長】  ありがとうございます。
  事務局から、最近の動向ということで御説明がありましたが、当委員会として、前回の5月27日の総会において、基盤的経費の確保、充実が必要であるとの所見を委員長名で取りまとめております。
  これに関し、先程も説明がありましたけれども、先日の財政審の分科会において、運営費交付金の削減を、後15年間、継続するとの見解が示されたところであります。
  こうした状況も踏まえて、当委員会として、改めて来年度から開始する第3期中期目標期間のスタートに向けて、「国立大学法人等の第3期中期目標期間の開始に向けて」という文章、これを当委員会の所見として今日付けで示してはどうかと考えております。
  2枚もののペーパーであり、まず、法人化以降、これまでに行ってきたことについて。そして、第3期が来年度から始まるが、第1期、第2期に比べて飛躍的に取組を向上させていこうという姿が強くうかがえるということ、そういった各法人の努力を心から期待したということが書いてあります。
  次に、財政審のところに入って、下の2行ですが、国の財政が厳しい中でそれぞれの立場から財政健全化に向けた取り組みが求められることは当然ですが、授業料や共同研究などの自己収入の拡大で、15年間、毎年の1%削減に見合う規模の収入を得るというのは非現実的だと記載しています。
  やはり、基盤的経費である運営費交付金を長期にわたって機械的に削減していくことは、国立大学法人が担う責務である、教育、研究、社会貢献が立ち行かなくなることにつながるということで、国立大学法人等が国民や社会の期待に応えていくためには、この運営費交付金、基盤的経費の確保・充実が必要不可欠であるということをここで改めて訴えたいとしています。
  他方、各法人や教職員におかれては、厳しい財政状況の中で、その活動が国民によって支えられているということで、教育、研究、社会貢献に一層全力で取り組んでいただきたいという願望を最後に述べるというような内容になっております。
  それでは、先ほどの事務局からの国立大学の現状についての御説明や、今の所見の案について、皆さんから御意見があればお願いしたいと思います。
【市川委員】  第3期目標期間の開始に向けてということで、原案でいいと思いますけれども、少し情報提供をしておきたいと思います。今、私立大学では入学定員の厳格化に伴い、大規模になればなるほど、定員の超過率が厳格になるということで、授業料の値上げを検討する大学もあると聞いています。
  その辺のことを考えたときに、先ほど説明されたような削減率はともかくとして、国立大学法人は、その辺はどうなのかというような議論も起きてきて、設置形態を問わず、授業料の値上げはあるのではないかと思います。
【北山委員長】  実は、中教審の総会が10月28日にありまして、財政審の提言が出たのがその二日前の10月26日だったと記憶しています。財政審からは、この国立大学の運営費交付金の問題に加えて、小学校や中学校等の先生方の定数について、子供の減少に併せて加配定数も含めて比例的に削減していくという案も示されていたので、その時はこの2点について、今やろうとしている方向性と全く合わない、そういった考え方はおかしいという意見を中教審の総会としてまとめ、文部科学大臣に提出しました。
  今日は国立大学法人評価委員会としての意見と所見ということで、今の市川委員の御意見がございましたが、この所見の内容については案のとおりということで、皆さん、よろしいでしょうか。
【田中委員】  交付金の削減について、国立大学も認識があると思いますが、例えば今回の第3期に向けて、当然、法人化して経営をしていくならば、それに対する対処をする考え方、あるいは、対応しようとする事例というものはなかったのでしょうか。
  例えば、おっしゃるとおり、今の交付金が減ると、増やせるところは授業料であり、寄附金であり、いわゆる競争的資金の獲得であり、企業との連携であると、そういう筋道がある程度浮かぶわけであります。
  そういう中で、各法人において、数値目標が特段増えているという中で、法人を経営していくという概念から、一つの案とか、そういうものは出てきてよさそうですが、全くなくて、交付金が減らされるということに関して、今回でも、国大協の中で議論されている中で、もう圧倒的にそこのところの論点が多いと思います。
  この所見は大変良い案だと思いますが、その問題をただ先送りしていくのかどうか、あるいは、今の86大学の中で、何か少しでもそういうふうなことに対して何かの考えを出している大学はないのではないかというようなことを、今お聞きして思いました。
【北山委員長】  では文部科学省の方から、科研費等の運営費交付金以外の国の予算、それから、民間資金や、授業料等について、その辺の現状について説明をお願いできますか。
【事務局】  今回の第3期中期目標・中期計画の関係で申し上げますと、例えば数値目標において、産学官共同研究でございますと、寄附金の受入れ額ということについて設定する大学の数は、例えば産学官の共同研究で42大学、また、達成目標として、寄附金の受入れ額の指標を設定していただいているのが47大学ございます。
  ただ、数値目標を設定している大学以外でも、経営基盤の強化という観点から、これまでも積極的に産学官の連携、又は、寄附金の受入れに努めておりますし、また、第3期中期目標においても努めたいとする大学が多くございます。
  また、最初に今日説明させていただきました国立大学経営力戦略において、各法人に今後求めていくというところから、財務基盤の強化ということで、収益事業、寄附金収入の拡大でございますとか民間との共同研究等の拡大ということで、各法人、第2期、特に中盤以降、いろいろと工夫をしていただいているところであり、また、第3期においても様々な取組がなされていくということで計画をしていただいている、また、取り組もうとしていただいていると私どもとしては認識をしているところでございます。
【北山委員長】  加えて、特定研究大学の有識者会議では、規制緩和も含めて、いわゆる財務面のところを議論しつつあります。自己収入の増加に関しては、結局、規制が制約となるケースもあるため、多少緩和するようなことも今、俎上にのっているところですね。
【事務局】  あともう一点、今、国大協のお話がございましたけれども、国大協においても、9月に国立大学の将来ビジョンに関するアクションプランというものが出され、その中で、厳しい財政状況というものを直視し、法人間の連携・共同による教育研究水準の向上を図ると同時に、寄附金等の外部資金を含む多様な財源確保に努めるということを併せてそのプランの中でうたっているところであり、各法人、そういった状況については直視し、また、できることはやって、是非とも取り組んでいくということで臨んでいるという状況でございます。
  また、先ほどからも御説明がありますけれども、やはり国の財政がこういう状況であるため、自己収入の拡大というようなことについては最大限の努力をしていこうということで取り組んできております。例えば、第1期でいいますと、平成16年度から20年度にかけて、資料の中にもありますが、寄附金の受入れ額は1.5倍に増えています。それだけ、旧国立学校時代と比べれば、外部収入の獲得ということで大変な努力をしてきていると思います。
  ただ、残念ながら、平成20年度になると、リーマンショック等もあり、なかなか産学連携や寄附金収入が伸びにくい状況があり、少し頭打ちになっている状況ですが、先ほど申しましたように、第3期に向けて、国立大学経営力戦略を作って、財務基盤の強化という観点から、収益を伴う事業の明確化や、北山委員長からお話がございましたように、非常に研究力の高い大学については、産学連携等をどんどん進めていただいて、外部収入を確保するよう考えています。その際に、一定の規制緩和で何とかできないのかということの議論も今具体的に進めていまして、その中で、経営力を高めていきたいという努力をしております。
  ただ、今回の財政審の提案は、そういうこれまでの努力の積み重ねから見ると、桁違いの自己収入を機械的に求めているような形になりますので、このレベルの話になると、これはもう努力の問題とは少し違う次元の話になりますので、それはなかなか受け入れられないのではないかという議論に現在なっているという状況でございます。
【北山委員長】  よろしいでしょうか。
【田中委員】  今のお話の中で、先ほどから議論があった学長のガバナンス、あるいは、経営力アップについて、例えば一番良い例は、先ほど私学の事例が出ましたけれども、私立大学系の病院経営と国立大学系の病院経営について、規制の問題も一部ありますが、全く違いますよね。
  私立大学の病院経営はとても順調にいっている大学はたくさんある。しかし、国立大学はほとんどが収支がとんとんの状況です。国立大学についても、見直せば、ガバナンスが利き経営マインドを持った組織が結構出てくると思います。それはいわゆる病院だけではなく、いろんなところがあるような気がしますが。
  いや、そういう話が議論の中になかったのかなというふうに率直に疑問に思っただけです。
【北山委員長】  去年の今頃から行っていた運営費交付金の配分の在り方に関する議論を経て、先進的な取組に対する重点配分に加えて、学長裁量の割合を増やすという枠組みに、来年度から移行しようとしています。学長裁量の割合を広げることを通じて、学長のリーダーシップの確立が着実に進むよう、予算面でも枠組みができつつあるということだと思います。
  では、奥野委員、お願いします。
【奥野委員】  この第3期の計画を見ていて、私の印象としては、法人は努力していると思います。今日ここで北山委員長が御提案されている内容は、少しきつい言い方かもしれませんが、最終的には国は国立大学に対する政策というかミッションをどのように考えているのですかということだと思います。
  したがって、この文章の中でいうと、2枚目の運営費交付金を機械的に削減すればというところについて、目標値をここにしますというものはまだしも、機械的に削減するような方法は、大学にとって非常に厳しすぎます。国は国立大学の役割をどのように考えているのかという、根幹に関わるような問題です。
  今日まとめていただいている所見については賛成しますが、各国立大学法人に対して工夫しなさいということを超えていると思いますので、国に対してもう少ししっかりと政策というか、そういうことを考えてほしいと思います。
【北山委員長】  ありがとうございます。それでは、いろいろ御意見ありましたが、本件に関しては案のとおりまとめさせていただきますのが、改めて、よろしいでしょうか。
  (「異議なし」の声あり)
【北山委員長】  それでは、そのようにさせていただきます。
  最後に、今後の日程についてお願いします。
【事務局】  まず、本日の会議資料については、本日中に文部科学省のホームページに掲載される予定です。また、評価結果については、直ちに、各法人へ通知を行いますとともに、この評価結果につきましてもホームページに掲載予定となっています。
  本日、御議論いただきました中期目標・中期計画素案に係る意見については、速やかに各法人にこの評価委員会の意見という形で周知をさせていただきますし、また、今後、文部科学大臣からの通知ということの基とさせていただくということでございます。
  日程としましては、先ほど申し上げたとおりですが、来年1月に第53回の総会を開催予定にしておりますので、また議題が整い次第、改めて御連絡を申し上げさせていただきます。
【北山委員長】  どうもありがとうございました。本日、これで終了でございます。

―― 了 ――


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-- 登録:平成28年01月 --