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国立大学法人評価委員会(第35回) 議事録

1.日時

平成22年6月28日(月曜日)

2.場所

文部科学省東館3F1特別会議室

3.議題

  1. 「国立大学法人化後の現状と課題について(中間まとめ(案))」について
  2. 第2期中期目標期間の評価方法等について
  3. 各分科会に付託された事項の審議結果について
  4. 国立大学法人に関係する独立行政法人の事業仕分け結果について
  5. 新成長戦略について
  6. その他

4.出席者

委員

村松委員長、伊井委員、飯野委員、稲永委員、大滝委員、勝方委員、唐木委員、桐野委員、齋藤委員、﨑元委員、佐野委員、塩見委員、田籠委員、寺島委員、永田委員、南雲委員、宮内委員、笠井臨時委員、舘臨時委員、納富臨時委員、早川臨時委員、本郷臨時委員、森山臨時委員

文部科学省

鈴木副大臣、清水文部科学審議官、森口文部科学審議官、德永高等教育局長、磯田研究振興局長、西阪文教施設企画部長、土屋総括審議官、辰野政策評価審議官、小松高等教育局審議官、加藤高等教育局審議官、倉持研究振興局審議官、岡技術参事官、永山国立大学法人支援課長、勝野学術機関課長、寺門国立大学法人支援課企画官、水田国立大学法人評価委員会室長

5.議事録

【村松委員長】  所定の時間になりましたので、第35回国立大学法人評価委員会総会を開催いたします。本日は、鈴木文部科学副大臣にご出席いただいております。国立大学法人化後の現状と課題についてご報告、ご説明などいただけるということになっております。第2期中期目標期間の評価方法等について、審議をしていくということになります。

 初めに、国立大学法人化後の現状と課題について、ご説明をお願いします。鈴木副大臣、お願いできますか。

【鈴木文部科学副大臣】  おはようございます。評価委員会の先生方におかれましては、本当に日ごろから国立大学法人評価をはじめ国立大学をよりよいものにしていくために多大なご尽力をいただきまして、誠にありがとうございます。この場を借りて御礼を申し上げたいと思います。

 今年1月から、国立大学法人のあり方に関する検証をいろいろな形で行ってまいりました。我々政務三役も国立大学関係者との累次にわたるヒアリング、意見交換を重ねましたし、それからいろいろなアンケートも行いました。それから、ネットで現場の関係者からの相当数の意見も集めさせていただいて、お配りをいたしております中間まとめ案を取りまとめさせていただきました。

 先般、新成長戦略を政府としてまとめました。強い経済を実現していくということを言っておりますけれども、そのためにも強い人材というものが不可欠であります。それから、もちろんこれからは知識集約型、人材集約型の産業構造になっていくわけですけれども、そのいずれも、大学から、人材についても、知恵についても、創造され、発信されるということでございますので、そういう意味で大学の重要さというものは新しい戦略の中でも極めて大事な位置づけをさせていただいているところでございます。

 そういう中で、とりわけ今人口減少に歯止めがかからない。一学年百数十万人しかこの日本にはいないわけでありまして、その若者たちを一人残らず、そしてシニアの世代も含めて、エンパワーしていくということが成長戦略の鍵だというふうに思っております。

 それで、今後の国立大学の改革のありようでありますが、これまでも先ほど申し上げましたように、さまざまな関係者と議論をしてまいりましたけれども、もう一度大学のステークホルダーというのが誰なのかということを再提起しながら、例えば私のアイデアで申し上げると、高校ときちっと話すとか、地域産業界ともっときちっと話すとかそういう大学のステークホルダーというのをもう少し広くとらえながら、そうした人たちと本当に膝を突き合わせて、胸襟を開いて議論していく。そういうステークホルダーとの中身の濃いコミュニケーションを積み重ねていく中でそのガバナンスというものを確立していくということではないかなと私どもはこの半年間のいろいろな中で考えているところでございますが、そうしたこともぜひ皆様方からいろいろとお知恵もいただきたいというふうに思っております。

 それから、大学評価でございますけれども、今回の検証を踏まえさせていただきまして、国会でも大学評価のあり方についていろいろなご議論がございまして、この点もこれからの大学の役割というものを踏まえながら、さらにこの場でより深化させていただきたいというふうに思いますし、評価を担っていく、私は評価のアカデミックコミュニティの充実ということも考えていかなければいけないなというふうに考えているところでございます。

 今回の検証におきましては、法人制度の趣旨、改革の理念というのは肯定的に評価されている向きも多いようでございますけれども、例の国立大学法人運営費交付金の削減時期と法人化のタイミングが時期的には重なってしまったものですから、法人化の影響によるものと、運営費交付金の削減方針、いわゆる行革推進法に基づくそうした骨太方針に基づくものとの影響というものがなかなか峻別しがたいといいますか、現場においてはどちらの影響がどうなっているのかというのはなかなか見えづらいということもあって、議論としては両方をきちっと区分けしながら、しかし、それが複合的に効いている部分もあるということの議論は、私どもは認識してはおりますけれども、私たちはかなり運営費交付金の削減をずっとしてきたということが大学の足腰に相当効いてきているな、影響を及ぼしてきているなということも感じているわけでございます。

 しかしながら、国民の皆さんからお預かりしている税金を大学の分野に投入していくということについては依然厳しい世論というものもございますので、ここは大学のガバナンスということをきちっとして、そして納税者も含めたステークホルダーの皆様方のご理解を得て、必要な予算は確保する。そして、確保した予算は1円も漏らすことなく効果的に使っていく。こういうことをあわせて見せていきながら、我が国の発展の基盤である大学、とりわけ国立大学法人のさらなる発展というものを期していきたいというふうに思っておりますので、今日お集まりの皆様方のますますのご支援とご指導をお願い申し上げたいというふうに思います。

【村松委員長】  それでは、今大きな立場からのご見解を伺いました。それで、本日の議題にも少しずつ関係しているのではないかと思うのですけれども、資料1に基づきまして、まず事務局からご説明いただきたいと思います。

【事務局】  資料1が先ほど来お話がございました国立大学法人化後の現状と課題についての中間まとめ案でございます。ダブルクリップを外していただきますと、3枚物の概要と本文、その後ろに参考資料がついてございますけれども、その二つでなっておりますが、ご説明はこの概要の方でかいつまんで申し上げたいと思います。

 この1月から検証作業を始めたわけですけれども、まず法人化後の社会経済情勢でございます。先ほど副大臣のお話もありましたけれども、法人そのものだけを見ていては法人化後の検証というのは十分ではないというような問題意識で、特に法人化後の法人を取り巻く社会経済情勢の変化につきまして、そこで大きく三点挙げてございます。

 一点目が高等教育の国際化、教育の質の保証というのが、この6年間で進んだということがございます。

 二点目が、これは従前から予想されていたことでございますが、18歳人口の減少。それから、進学率の状況ですね。その概要をご覧いただきますと、進学率というのはむしろ日本というのは先進国の中では低い状況にある。特に博士号の取得者というのが伸び悩んでいるということが言えるかと思います。

 三点目で、財政状況の話でございますが、ご案内のとおり、運営費交付金が大幅に削減されてきた、してきたということがございます。それから、これもご案内の公財政の支出がOECD諸国の中で最低だという状況がございます。

 めくっていただきまして、次に法人化後の状況分析でございますが、まず教育研究等の状況でございます。まず教育につきましては、大括りに言いますと、法人化後は教育改革、あるいは学生サービスというのは進んでいるという状況が全般的に見て取れるかと思います。一方で教員数が減っているということもあって、負担増というのが懸念されるというふうにございますが、この概要の中でも折れ線グラフがございますけれども、人件費で押さえた場合に、常勤の人件費というのは確実に減っている。一方で非常勤が非常に増えている。その右のグラフですけれども、特に人文学とか、あるいは基礎的な分野についてそういったしわ寄せが来ているのではないかという問題意識でございます。

 それから、その下は、世界のトップ大学と比較すると、学生数に対する教員数、職員数というのは少ないということが現状としてあるわけでございます。

 3ページは研究の関係ですけれども、まず折れ線グラフで共同研究とか受託研究、これは増えており、ポジティブな面が出ておりますけれども、あるいはその横の科研費等の競争的資金というのは、採択額と採択率は増えているということですが、一方で懸念される状況として、一部報道もありましたけれども、学術研究論文数が減少傾向にあります。

 それからその右のグラフですけれども、特に基礎研究とか、長期の時間をかけて実施する研究に影響が出ているのではないかという状況が見て取れます。

 一番下のグラフは、研究活動の時間ですけれども、減少傾向にあり、これも懸念の材料の一つでございます。

 めくっていただきまして、社会貢献の関係ですけれども、社会貢献は、これも大ざっぱに言いますと、進展しているということが言えようかと思います。一方で負担の問題もまた出てくるわけですけれども、全般的には進んでございます。

 それから、附属病院ですが、これは運営費交付金との関連もありますけれども、増収を求めてきたということもございまして、診療負担が増えてしまっているのではないか、臨床系の論文数が減っているのではないかというような懸念材料が数字的にも出てきているわけでございます。

 それから、5ページにまいりまして、今度は制度そのものの運用状況でございますが、特に法人化ということで、そこに四つ挙げてございますけれども、管理運営組織、経営協議会、教育研究評議会、監事等々です。それから、人事関係が非公務員化されたということで、さまざまな柔軟性が出てきました。財務会計制度も同様でございます。

 それから、中期目標・計画につきまして、これはサイクルが機能しているという評価の一方、負担も増加という指摘もございまして、また、本評価委員会でもご議論いただければと思うところでございますが、全般的に申し上げれば、この法人化、法人の制度そのものについてはそれなりに機能しつつある、定着しつつあるということが言えるのではないかというふうに思います。

 最後に、今後の改善方策でございますけれども、こういった状況分析を踏まえまして、当面は現状の制度の根本を維持しつつ、必要な改善、充実を図るということで、本文には細かく書いてございますけれども、概要では大きく教育研究力の強化、ガバナンスの強化、財務基盤の強化という視点で主なものを例示しております。

【村松委員長】  ただいまの案と書いてございますが、国立大学法人化後の現状と課題についての中間まとめ案の指摘について、ご意見などございましたらお願いしたいと思います。

【寺島委員】  それでは、一点だけ発言させていただきます。

 私の問題意識は、ちょうど今鈴木副大臣がおっしゃった新成長戦略における人材の重要性ということが強い問題意識にあるわけですけれども、他省庁の政策思想の根幹のようなものがじわりと見え始めていると思うのですね。私自身も経産省のいわゆる産業構造ビジョン2010というものの作業に参画してきていて、その中での教育というようなことの重要性などについて再三指摘があったのが記憶に残りますけれども、そういう中で国立大学法人化というものをワンラウンドやってみたという局面で、さあ、どうするというところに今立っていると思います。

 国立大学法人化の基本思想というのは、ここにも書いてあるように、国立大学にも独立した法人格を与えることによって、自立と裁量を拡大して活性化を図ろうという思想だったと思うのですけれども、その背景には、言うまでもなく冷戦が終わってからの世界潮流でもあったわけですけれども、新自由主義というか、競争主義至上主義を徹底していけば活性化を図れるという基本的な考え方が背後にあったと思うのですけれども、まさにそれが今転換を余儀なくされていて、経済産業省の今度の産業構造ビジョン2010でも、政府の役割というところにものすごくストレスを置いた報告書になってきていまして、もちろんいわゆる市場の機能というものを重視するけれども、政府が一歩踏み込んで、例えばシステム輸出なんていうことも出てきていますけれども、官民連携で立ち向かわなければいけないという社会情勢の変化に対して正面切ってかじを切りかえようという考え方が産業構造ビジョン2010にも出ているし、それとリンクしている新国家エネルギー基本計画にも政府の役割というのはものすごくリンクしてきています。

 そこで、政権交代が起こって、教育というのはあまりにも政治化させてはいけない領域ですから、慎重でバランス感覚がなければいけないですけれども、一つの政権下の思想として、脱新自由主義というのか、あまりにも競争主義至上主義に傾いたことによって教育分野に問題が起こってないのかということです。事実、この報告書にも結構鋭く、法人化後の問題点として、例えば私などものすごく気になるのは、各大学が確かに現場での実感として感じますけれども、できるだけ常勤職員を減らして、非常勤職員で人件費を抑えようということが、一番上についている資料2ページのところにもくっきりと常勤人件費はぐんぐん、ぐんぐんということはない。横ばいからちょっと下がってきて、非常勤で人件費が上がっているというのは、これだけ現場が変わってきているということですね。建前として教育力充実と言っているけれども、研究と教育と分けて見た、特に教育のところにすごくある種の不安感が出てきているのではないかと思います。学生と向き合う、いわゆる専任の教員が非常勤化してきていますから、どんどん過疎になり、虚ろになり、本当の意味での教育というのは研究者が自分の研究を深めるということよりも、学生に向き合う時間がすごく重要だと思うのですけれども、ここのところが薄くなってきているということは例えば相当まずいのではないかということです。

 要するに、幾つか明らかに競争主義至上主義に徹していてはまずい部分、例えば基礎研究の分野にしっかりお金が流れなくなっているのではないかとか、例えば共同研究とか、競争的資金の獲得が増えていますというのがその次のページに出ていますけど、これは極めてポジティブな意味合いと、外からお金をとってこられる教員にだけ光が当たって、そうじゃない基礎研究を地道に積み上げている人とか、あまり外からの、例えば民間企業などにとっては食指が伸びない分野には一向にお金が回らないという形になっていってしまっているわけで、この裏表の部分で起こってきていることに相当考えなければいけないことが出てきているのではないかと思います。

 そこで、私が申し上げたいのは、2期に当たって、政策思想の根幹のところに行き過ぎた市場主義を教育に持ち込むということについてはしっかり持ちこたえなければいけない部分があるということです。そういう意味で、この論点の中にそういうものが見えてきているわけですけれども、私など産業と教育の両方の場に身を置きながら、一番気になっているのは、アメリカ流のグローバル化に合わせてMBAと法科大学院を充実させれば、日本の産業界にとっても高等教育がプラスになるのではないかなどと思って、懸命に制度設計を急いで、MBAとか法科大学院をばらばらつくってみたけど、これが今逆にものすごく問題になっています。そういう意味合いにおいて、そんなことが妥当だったのかという反省も含めて、考え方を建て直さなければいけないところに来ているのではないのかなと思います。

 そこで、教育研究力を高めることとガバナンスと財務基盤をどう充実させるかが三つ今後の課題だという論点が出てきているのですけれども、ここにもう少し議論を深めて、確かに私もそのとおりだと思いますので、例えば一つだけ提言的なことを申し上げれば、財務基盤もつまり1兆1,600億円、今高等教育機関に国からお金が回っているという数字がここに出ていますけれども、1,000億ぐらい減っているわけですね。例えばこの1,000億のポジションを、国の財政状況から言って、我々が幾ら1,000億増やすべきだと言ってみても、なかなかそこにお金が回ってこない状況であるならば、新しい発想で、例えば産業界と連携して、日本の高等教育を充実させるための教育創生ファンドのようなものを、税金ではなくて、日本の高等教育を速やかに充実させなければいけないという問題意識のもとに新しい仕組みをつくるなんていう発想ももちろんあっていいと思うし、私は何を言いたいかというと、大学を個別に評価しているという問題意識から、高等教育政策のところに問題意識を吸い寄せて、こういう評価機関みたいなものが文科省と一体になって日本の高等教育を変えていく何かの力になっていく会議でないと、個別の大学をある枠組みの中で点数をつけて評価してみても、一向に何やら大学の側にしても改善が進んでいないということになるのではないでしょうか。

 今回、私は非常によかったと思うのは、ものすごく簡素化したというところに相当改善が見られるなと思って、私は納得しているのですけれども、大学の側からすれば、評価を受けた結果、何か前に進んだのかということが聞きたいわけで、そういう意味で、そのものがよりクリアになるようなファンクションに評価委員会が高まっていかなければいけないのではないかなということを感ずるということを、ちょっと感想だけ冒頭発言させていただきました。

【村松委員長】  ありがとうございました。

ご発言の趣旨がかなりまとめの中にも入っていると思いますけど、事務局として何かご発言はありますか。

【鈴木文部科学副大臣】  全く同じ現状認識と見解を持っております。それで、今教育創生ファンドというお話をいただいて、非常にいいご提案をいただきましたので、これはぜひさらにご指導を得て勉強していきたいと思いますが、基盤的な経費の確保ということで申し上げると、自由主義のアメリカと比べても、北欧とかヨーロッパとか比べても詮ないことなので申し上げませんけれども、公財政支出で、GDP比1.0、アメリカに対して日本は0.5なのですね。加えて、アメリカは民間からのいわゆるファウンデーションが0.9あるのです。我が国は0.2なのですね。ですから、公財政において2対1。今おっしゃったまさに教育創生ファンドにつながる話なのですけれども、そこについては、要するに、9分の2なのですね、対GDP比で言うと。ですから、まさにそのあたりを税制の問題とかいろいろなことをも含めて、ぜひ考えていきたいです。

 ただ、そのときに、評価が何につながっているのかということもまさに私も委員がおっしゃったところを思っていまして、評価は評価のための評価に終わってしまうのではなくて、ステークホルダーとのコミュニケーションの契機、あるいはそれが深まっていく契機にしていかないといけないのです。したがって、これはぜひ、今日の委員の皆様方のご支援とか、ご協力も得て、産業界ともっときちっと、特に教育の部分が、産学連携の共同研究というのはあったと思うのですけれども、産学が本当に手を携えて人材開発をしていくというところにお互いまだ見合っていたというところがあるので、この点は大学のぎりぎりのリソースの現状をも知ってもらって、そういう中で教養教育もかなり学生と向き合う時間を大学側は確保できてないという実態にありますから、そこは充実するけれども、そのために大学の実態ということを知ってもらうということは、それは協力を仰ぐ第一歩だと思います。

 一方で、大学の側も執行部及びそれを支えている人たちと、そうでない教授陣との意識のギャップというのもあって、そこは、我が国の本当に必要な人材を養成していくのだということを教授陣たちにももう一回再認識してもらわなければいけない、こういう実態もあります。ですから、お互いにゴールは同じですから、率直に意見を言い合うという環境をつくって、その中で教育創生ファンド、あるいは例えば博士号、ポスドクの問題などでも、優秀な大学生が今マスターで終わってしまってドクターコースに行かないという、これも非常に深刻な問題ですが、そこもポスドク解決の問題の大きな一つに基盤的経費を確保して、そして、そういうポストを大学の中につくる、あるいは国立の研究機関の中につくるということと同時に、民間企業がそういう知的プロジェクトをマスターしたドクターというものをきちっと、産業界の付加価値創造活動の中に位置づけていただくという文脈の中で、産業界にご理解いただいて、やはりきちっとポスドクについても採ってもらう。こういう好循環をつくっていきたいわけでありますが、そのためにもやはりステークホルダーとのコミュニケーションを充実していき、その中で評価というものを再位置づけ、新たな位置づけをしていただくというご議論をぜひ皆さんにも引っ張っていっていただけると大変ありがたいなというふうに思います。

【村松委員長】  今副大臣がおっしゃった枠を広げたステークホルダーと高等教育の関係を考について申し上げたいと思います。これまで、大学は、産業界、地域などへのPR不足であったからかもしれないけれども、高等教育における学生に付加価値を与える点でも随分良くなっているように思う。おっしゃるように、コミュニケーションが多くなることによって、その辺の理解が進むことを期待します。大学もそのエネルギーを教育へシフトしております。変化しているということなども理解していただきたいなと思うのです。

 そのときにやっぱり大学評価が基本的な情報基礎になるだろうと思います。見守って、期待をしていただきたいと思います。また評価のデータなどもご覧いただきたいなと思いまして、ちょっと余分なことを言いましたけど、申し上げました。委員の皆様のご意見を伺いたいなと思います。

【稲永委員】  さきほど副大臣が大学と企業との連携強化が重要といわれたことに、私は全く賛成なのですが、私の置かれている状況が特殊なのかもしれませんが、私の勤める鳥取県では上場企業は4社しかありません。あとは全て中小零細企業です。町工場の社長さんたちに会いますと、商品の研究開発はしたいのだけど、博士課程レベルの人を雇うだけの余力はない。安い給料で来てくれるならば考えてもいいけどというのが大多数の声です。

 私は、中小零細企業と連携するときには、もうワンクッションおいた仕組みが必要であると思います。すなわち、中小零細企業が補助金的な支援を受けて博士課程の学生や修了者を雇うという仕組みです。たとえば、私どものような公設試験研究機関が補助金をいただいて、ドクターを終えた人たちを雇用して、中小零細企業に有料プロジェクト要員として派遣するという仕組みです。

 この仕組みの別の利点は、ある会社にポスドクを張りつけますと、その企業のキャパシティーが小さい場合には、優秀な人材もいつしかそうでない人材になってしまいますので、それが防げるというところにもあります。そういうこととセットで考えないと、具体的にどう解決するのだというところにまで結びつきにくいと思います。

【田籠委員】  産業界から数少なく参加しており、富士通の田籠と申しますが、産業界の立場で申し上げますと、志高く、明日の人材に投資したいという経営を標榜しつつも、目下の生き残りのために、自らの社内の教育費すら削減しているという状況であり、かつ新卒採用も必要最低限に抑制せざるを得ない経営判断を行っています。そういう日本のリーディングカンパニーなのかどうかはさておき、上場企業たちですらそんな状況です。ですから、そういう中で、地域の中で産学連携を実現するのは非常にハードルが高いです。

 そうすると、我々産業界の会社評価のような位置づけの中に、環境経営の評価も同義だと思いますけれども、人材に投資する企業に対するインセンティブといいますか、そういった機運が高まっていかなければ、なかなか社内で旗を振っても予算がとれません。何無駄遣いしているのだ、おまえはというようなことになりまして、手前味噌ですけど、富士通ではインターンシップを千数百名受け入れたり、一部大学とスカラーシップということで、年間60万人の奨学金を立ち上げたりしてきましたけれども、一向にそれが評価されないという個人的な残念な思いを持っていまして、先ほど宣伝というか、アピールが足りないという話がありましたけれども、もう少しインセンティブの機能と、ファンドもすばらしいアイデアだと思いますし、そこに乗っかる民間のメリットは何だといったところが明確になってくれば、少し大きなうねりに、日本を代表する企業が少なくとも何百社と参加するような、そんな取り組みをぜひ展開すべきではないかなと思います。産業界の愚痴として申し上げておきます。

【田籠委員】  産業界から数少なく参加しており、富士通の田籠と申しますが、産業界の立場で申し上げますと、志高く、明日の人材に投資したいという経営を標榜しつつも、目下の生き残りのために、自らの社内の教育費すら削減しているという状況であり、かつ新卒採用も必要最低限に抑制せざるを得ない経営判断を行っています。そういう日本のリーディングカンパニーなのかどうかはさておき、上場企業たちですらそんな状況です。ですから、そういう中で、地域の中で産学連携を実現するのは非常にハードルが高いです。

 そうすると、我々産業界の会社評価のような位置づけの中に、環境経営の評価も同義だと思いますけれども、人材に投資する企業に対するインセンティブといいますか、そういった機運が高まっていかなければ、なかなか社内で旗を振っても予算がとれません。何無駄遣いしているのだ、おまえはというようなことになりまして、手前味噌ですけど、富士通ではインターンシップを千数百名受け入れたり、一部大学とスカラーシップということで、年間60万人の奨学金を立ち上げたりしてきましたけれども、一向にそれが評価されないという個人的な残念な思いを持っていまして、先ほど宣伝というか、アピールが足りないという話がありましたけれども、もう少しインセンティブの機能と、ファンドもすばらしいアイデアだと思いますし、そこに乗っかる民間のメリットは何だといったところが明確になってくれば、少し大きなうねりに、日本を代表する企業が少なくとも何百社と参加するような、そんな取り組みをぜひ展開すべきではないかなと思います。産業界の愚痴として申し上げておきます。

【桐野委員】  病院の件について申し上げますと、概要の4ページに附属病院のサマリーがありますが、ここで法人化以降に臨床系の論文のプロダクトが国立大学のみ減っているというデータがありまして、これはトムソンの統計ですけど、そのほかに国立大学医学部長会議の集計や、あるいは例えば東京大学の1大学の集計でもすべて減っています。やはりこれはかなり深刻な問題としてお考えいただいたほうがいいというふうに私は思います。

 大学病院というのは、国立大学の中の42の大学が医学部を持って、附属病院を持っていますけど、その42の大学の財務の中では40%が病院関係予算でありまして、かなり大きな存在でもあり、また、ちょっと特有の存在でもあるのですね。日本の医学部附属病院は、特にアメリカのような国のリーディングホスピタルに比べると、大体5分の1から、ハーバードなどに比べると10分の1ぐらいの人数で動かしている組織なのです。病院のベッド数は大体1,000ベッドぐらいでそれほど大きな違いはないのですが、そこはすごく違いまして、したがって、アメリカのように教育も世界一、研究も世界一、診療レベルも世界一という選択はなかなかできないので、かつては研究をかなり重視してやっていたがため、それだけではもちろんなく、経営の非効率もあって、収益と費用のバランスがかなり悪かったわけですね。それをいろいろな経営改善をして、よくすること自体はぜひとも必要なことで、やらなければいけないことであったと思いますが、その結果、平成9年ごろのレベルで収支率85%ぐらいであったものが、現状では100%を超える状況になりつつあるわけです。

 その間非常に努力をして、各大学ともやってこられたと思うのですが、今後どうするかということですね。せっかく一方で法人化した結果、まだ萌芽的なものもかなりありますけど、開発医療の面でも少しずつ進んでいるように思いますし、今後診療を頑張り過ぎたから、今度はそれをやめて研究にしなさいというような選択をするのか。つまり、一定の規模のもとでAを選ぶか、Bを選ぶかということをやるのか。それとも、一生懸命頑張って剰余金を自律的に使うことによって、ある程度の規模の拡大を許しつつ、それでもって開発医療、そのベースにある基盤的な研究を充実させていくのかという、そういう岐路に立っていると思うのです。ここで総人件費を抑制しなさいとかそういうこととか、人件費を抑制して、かつ診療もよくやり、収支も合わせながら、国際的に競争しなさいというのはちょっと無理があるので、その辺のところをある程度の選択の余地を与えないと、臨床医学は今後伸びないというふうに思います。

 本当にアジア諸国は今ものすごく伸びていますから、私はちょっと危機感を感じます。

【事務局】  今の桐野先生のお話ですけれども、若干人件費の抑制については、国立大学の附属病院に限って、診療報酬を見合いとする人件費については抑制の対象外となっているというシステムになっているわけでございますが、もう少しここのところを上手に使っていく工夫はあるのかなという気がいたしております。特に22年度から診療報酬が、特にチーム医療等、あるいは高度な医療をやっている病院、とりわけ大学病院等にとって、私どもとしては大変有利に改定されたと受けとめておりまして、4月段階の速報値でございますけれど、予想以上に診療報酬が伸びているという面がございます。

 今後、そういう意味では、よく鈴木副大臣が好循環、悪循環というお話をされるわけですけれど、私どもも今年度の状況を見ますと、診療報酬改定が大学病院に有利に働き、そういったものの収入が伸びて、そのことがいわば人件費抑制の例外的な人件費に使えるということになりますと、そういう意味で、ここのところを少し頑張って大学のそれぞれの病院が戦略的にやっていけば、おっしゃるような形で人も増やせますし、一方そのことで診療も、あるいは研究にも増えてくるのではないかと思っています。

 また文部科学省のほうでも、遅ればせながらではございますけれども、医学部の卒業年限は6年もありますから、今からちょっと遅いかもしれませんが、今年の入学定員の改定から初めて研究医を養成するという枠で入学定員を措置いたしましたので、そういう意味では、少しこういった全体の方向をいい方向に向けていけるのではないかと思っております。

【唐木委員】  先ほどの産官学の協働、連携のことについて、私も産業界から来ておりますので、一言つけ加えさせていただきたいのですけれども、従来の民間と大学との共同研究といいますと、アカデミックで研究されたことを実用化するときに共同研究を企業としましょうという、そういう方向が多かったのではないかと思うのですけれども、それでは限界があり、今以上に大きく伸びることはないのではないかと思います。法人化しましてから、かえって共同研究の契約とか、知的財産のTLOとの交渉とか、企業側から見ますと、少しハードルが上がり、かえって大変になったかなという面もなきにしもあらずという現状です。

 私が考えますのは、最近、大学のほうでの取り組みで私どもの企業にも非常勤の教員で迎えていただいたりとか、特別の講義を設けて、そこに企業の研究者たちを招いて講義を実施したりする機会があります。非常にそれがよくて、大学の学生、ドクターの方々との交流にもなっておりますので、実用化段階での共同研究ということだけではなくて、もっと教育だとか、基盤的な研究ですね。企業でも決して実用化だけではなくて、基礎研究、本当にその企業でしかやっていないような、いつごろ、何になるのだと言われながらも頑張っているような研究事項もありますので、実用化段階ではなく、基盤的なところや教育といったところでもう少し連携が深まる余地があるのではないかと常日ごろ感じております。

【村松委員長】  ありがとうございます。

現在の議題は、国立大学法人化後の現状と課題というものについての中間まとめの、今日は案をとって中間まとめに一応するということになるのですか。

【事務局】  いや、これは評価委員会でということではなくて、文科省のクレジットで出してございまして、きょうは案の段階でご意見をいただければと思います。

【村松委員長】  案として我々としては意見を申し上げて、さらに検討を続けるというふうにお願いするわけですね。

【事務局】  はい。

【寺島委員】  一点だけ、国際化の関連で、私が申し上げたいのは、評価の結果が改革につながったという手ごたえになるような制度設計の変更とかインフラ政策について、何か目に見える形での前進というのが評価の意味だと思うのですね。そこで、例えば今留学生30万人計画というのが動いて、私自身もそれに一部関与しているのですけれども、13万人から30万人に増やしたとき、では、出口をどうするのだという話がものすごく重くなってきます。

 そこで、この間、こういう体験をしたのですね。関西7大学に留学してきている大学院クラスの留学生という人たちに何度か集まってもらって、ヒアリングをする機会があったのですね。それはなぜかというと、まさに出口のところで彼らが何を期待しているのか。それから、産業界のほうとしてそういう人たちをどういうふうに活用したらいいと思っているのか。二重の問題意識で、関西に今アジア太平洋研究所という研究所をつくろうという構想の一環でヒアリングをかけました。

 気がついたことが一つあって、マッチングデータベース一つないのだということです。つまり、留学生がこの先どうしていきたいということについてのデータベースというか、13万人の人全部が強制的にデータベースに参画する必要はないけども、少なくともレジスターしたい人が日本で研究を深めたいのか、どういう分野で働きたいのかということについてのしっかりしたデータベースがないということです。

 会社の側に聞いてみると、留学してきて、本当に優れた人もいます。そういう人たちがどこにどういう形でいるのかわからないままに、一本釣り方式で、行き当たりばったり、ドアをたたいてきた人を採用するかしないかという程度の対応をやっているのだけれども、全体の例えば留学生を充実させていくために必ずやがて必要になってくるマッチングデータベースのようなものを、これは産官で力を合わせてやるべき具体的なテーマの一つで、何もお金がかかるとか何とかという大げさな話じゃなく、インフラの部分についてしっかりした制度が必要だということは気がつくのですね。例えばの話をしているのです。

 そうすると、例えば国立大学の評価の過程でもいろいろな問題意識にぶつかってきたときに、それを個別の大学の評価を超えて、文科省はこういう形に改善したというものが幾つか見えてきたら、大学評価の意味というのは非常に充実してくるというか、意味が出てくると思うし、第2期の評価方法にまでレジテマシー、正統性が高まってくるというか。

 事実、こういう方向に動きつつあるわけですから、ぜひそういう問題意識で、個別の評価をどうするかというようなところに無我夢中になるだけじゃなくて、どうやって教育政策に生かしていくのかというところで手ごたえが出てこないと、学長を含めて、みんな、要するに、紙でもって分厚い報告書をつくることと、ヒアリングに向き合うだけのことにいつも終わってしまうということになりかねないのではないかなというのが、私も1期にずっとかかわってきましたから、責任を持って踏み出すべき報告案としてはそういうことがあるのではないかなということです。国際化のところは、今後大変重要になってくるので、事務局が大変苦労されて、日中韓の、ようやく単位の互換みたいなところにまで踏み込んできているので、ますますそういう出口のインフラの設計が必要になってくるということを発言しておきたいと思います。

【村松委員長】  ありがとうございました。

それでは、次の議題もございますので、この「法人化後の現状と課題について」につきましては、副大臣、文科省の事務当局のもとでさらに検討を推進していただくようになると思うのですけれども、本評価委員会のワーキングのほうでもこれに大きな貢献ができるのではないかというように思っております。そういうことでよろしくお願いしたいと思います。

 それで続きまして、今話題になりました第2期中期目標計画の評価方法等についての審議に移りたいと思います。本件についてワーキンググループにおいて議論していただいておりましたので、その検討状況について﨑元委員と事務局からご説明いただきたいと思います。

【﨑元委員】  第2期の中期目標期間の評価方法につきましては、3月25日の本委員会総会でワーキングとしてはもう少しお時間をちょうだいして慎重に検討したいということを申し上げまして、4月以降も文部科学省で行われています検証作業の動向を踏まえて検討してまいりました。すなわち今資料1でご覧になりました中間まとめ案の中で記述されている方向性、国立大学法人評価について第1期中期目標期間における実施状況を踏まえ、評価方法、対象、必要書類等の見直しを行う。その際、評価にかかわる事務負担の軽減に配慮することを方向性として挙げておりますが、これを踏まえまして、国立大学法人評価に関する第1期の成果と課題を整理し、評価制度の改善を議論してまいりました。

 成果の面で特に配慮いたしましたのは、第1期の間に各法人におきましては、自己点検・評価の体制がほぼ整備されたという認識でございます。第1期の評価方法は、国立大学法人評価制度ができたばかりで、各法人の取り組みも手探りの面があったために、評価委員会としましてもかなり精緻に評価してまいりましたが、各法人内での評価に関する取り組みが定着したことから、法人の自主的、自律的な自己点検・評価の取り組みを尊重した制度にしようという方向をとってございます。これは国立大学法人そもそもの特性を考えれば、本来的にも望ましい方向であろうかと思っております。

 また、課題の面で特に配慮しましたのは、評価負担の軽減についてでございます。国立大学法人評価のほかにも国立大学は認証評価、あるいは各種競争的資金の研究実績評価など、さまざまな評価が重層的に行われておりますことから、国立大学法人評価としては、制度上求められている役割を果たすために必要な評価を簡素化し、効率的に行う、そういう観点から検討をいたしました。

 その結果、お手元にございます資料2のような結論に至った次第でございます。この内容につきましては具体的な課題、対応については事務局から説明をしていただきますが、評価にかかわった方にわかりやすい、くだけた表現で申し上げますと、従来の年度評価をかなり書類上、記述上は簡素化するというのが一点で、中間の3年間を4年目に評価する。この4年目の評価が、従来の年度評価程度の書類作成ロードになろうかということです。

 それから、暫定評価をやめまして、7年目評価、つまり、6年間の第2期が終了した、6年間を7年目に評価すると。この7年の評価というのが、従来第1期の暫定評価程度の資料作成ロードという形に1レベルずつ簡素化したということでございます。

 それから、資料の下のほうに留意点というものを二つつけてございますが、簡素化ということに対応しまして、その趣旨が誤解されないよう、あるいは評価委員会が意図するところを適切に関係者にお伝えする必要があるということで、二点あえて記載しております。

 一つは、評価文化が国立大学に定着しつつある中、各法人には評価の重要性の否定や後退につながることがないよう、改善の趣旨を踏まえた着実な自己点検・評価の取り組みをお願いしたいということでございます。評価委員会は、書類及びヒアリング等で各大学法人のPDCAサイクルがきっちり回っているかということをチェックするということに重点を置くという考え方をとっております。

 それから二つ目は、同時に、国立大学法人の社会的説明責任の観点から揺るがしてはいけないということが、教育研究活動にかかわる情報を積極的に、かつわかりやすく公表していただくよう取り組みをお願いしたいということです。この件につきましては中教審の答申にも含まれている内容等ございますので、これは各法人が積極的に社会に向けて公表し、説明し、説明責任を果たすことです。こういう二点を留意点としてつけ加えさせていただいております。

 内容については事務局のほうから、資料2に基づいてご説明をお願いいたします。

【事務局】  資料2の2枚目をご覧いただけますでしょうか。参考資料としてA3判のペーパーをおつけしております。これは1枚目の案に至るまでの考え方を整理したものでございますので、簡単にご説明させていただければと存じます。

 この資料ですが、一番上には国立大学法人評価の目的を確認のために記載しておりまして、その下に検証作業などを通じまして明らかになってきた第1期の国立大学法人評価の成果と課題、主なものでございますが、列挙してございます。運営面、教育面、研究面、それぞれ成果が見えますが、その一方で右側にございますように、課題としまして、先ほどお話がありましたような評価が重層的にあるということから、教育研究にも支障が出てきている面があり、そういった点に課題としては集約されているということでございます。

 こういった状況を踏まえまして、先ほどありましたように、検証の中間まとめ案では二重で囲ってありますような形で方向性というのが案となっているところでございます。

 その下の部分でございますが、左側に第1期の具体的課題としまして、国立大学法人評価に係る課題の主なものを、右側には各課題に係る改善点の案をお示ししております。評価負担の軽減という課題につきましては全体の課題としまして、先ほど申し上げましたように、右側にございますので、全体にかかっているというふうにご理解いただければと思います。

 まずピンクで分類しました最初の二点でございますが、中期目標期間評価についてでございます。一つ目は評価のヒントでございまして、第1期では4年経過後に、いわゆる暫定評価を実施して、6年間の中期目標期間終了後には今度いわゆる確定評価というのを今年やろうとしているところでございます。ここで2回行ったわけでございますが、これを整理してもよいのではないかということから、矢印の右側にございますように、第2期は、第1期の状況を踏まえまして、暫定評価というものは特に実施せずに期間終了後の平成28年度にのみ評価を実施するというものでございます。

 二つ目が教育研究の評価についてでございます。内容に入ります前にあらかじめご報告させていただきますが、第2期の中期目標期間評価で、本評価委員会から専門的な教育研究の評価を要請する機関につきましては、先般の事業仕分けで独立行政法人大学評価・学位授与機構が実施する部分につきまして、国が競争的に実施機関を決定し、事業規模は縮減という結果が出ておりますので、これを踏まえた検討を文科省としても行ってまいりますので、本日は中期目標期間評価につきましては、資料2に記載しましたレベルで全体的な方向性について固めていただければと考えております。

 内容でございますが、教育研究につきましては、達成度評価とは別に、現況分析としまして、学部、研究科等ごとに教育と研究とに分けて、その水準と質の向上度をそれぞれ評価しておりますが、提出資料が膨大である、あるいは現況分析結果の達成状況評価への反映方法が不明確である、そういった意見が多くございました。

 これにつきましては右側にございますように、効率的に実施するという言葉で大きくまとめてございます。下の一つ目のポツは、先ほどの課題への対応としまして、達成状況の評価を、現況分析の結果を十分に活用して行うということでございます。二つ目のポツですが、これは効率化の具体例としまして、例えば質の向上度を評価するに当たっては、第1期末の水準を示すデータ等を活用すれば、次の評価では第2期末の水準を示すデータをとって、これと比べれば評価が可能である、そういうことですとか、データベースや認証評価の資料、こういったものを一層活用して行えば資料も簡素化できるのではないか、そういうものでございます。

 次に、水色で分類しました年度評価でございますが、課題としましては、こちらにございますように、評価に係る負担を軽減して、各大学の特色ある取り組みなどに特化した評価としてもよいのではないか、そういった意見を大変多くいただいておりまして、その対応を右側に二点に分けてお示ししてございます。

 一つ目の教育研究につきましては、毎年細かく進捗状況の記載を求めて、評価委員会が外形的に確認するという手法をとっておりましたが、これは短期間では成果が出にくいという教育研究の特殊性を考えても、評価する側もされる側もなかなか困難な面がございましたので、年度評価としては、後で実物をご覧いただきますが、実績報告書の中に総括的な記述をする欄がございますので、そこに特筆すべき取り組みを記載してもらえばよいのではないか。そういうものでございます。

 二つ目が業務運営についてでございますが、こちらも各大学から提出いただく実績報告書の記載事項を精選しまして、年度評価では記載事項ごとに4段階の自己評価を記載してもらいますとともに、ヒアリングで適切な体制と内容で学内の自己点検・評価が行われているかと、そういう観点を中心に確認することとしてはどうかということでございます。

 ただし、先ほどございましたように、中期目標期間評価の途中で一度は、具体的には折り返し地点であります3年目が終わった後の年度評価では、第1期の評価と同程度ぐらいですべての記載事項の評価について判断理由も付していただくようにしまして、メリハリをつけた形で年度評価も実施してはどうかというものでございます。

 それから最後に、薄い黄色で分類しました下の二つでございますが、これは年度評価と中期目標期間評価と共通する課題でございます。

 一つ目は、評価の客観性の観点から国立大学法人が取り組む必要がある最小限の共通事項を、共通事項に関する観点として設けておりまして、毎年関係資料を提出いただきまして、その取り組みを確認しているところでございますが、年々項目数が増加する傾向にありまして、負担が大きくなっている状況などがございましたので、それも踏まえまして、内容を精選してはどうかという課題でございます。この点につきましては、こうした基本的な取り組みがほとんどの国立大学法人等で定着しております状況も踏まえまして、精選することといたしました。さらに、取り組みの定着度を考慮すれば、毎年これを確認しなくても、先ほど申し上げましたように、第1期の同様の年度評価を行います3年に一度ぐらいあわせて確認すれば、担保できるのではないかということでございます。名称も共通の観点という形で、シンプルなものにいたしました。

 最後の点でございます。様式についてでございまして、第1期では全体的な状況を記述する欄が幾つかございまして、多少重複する点もありましたことから、簡略にして整理しております。その際、特に大学の個性や特色を明確にしていただけるように、実績報告書の冒頭に中期目標に記載している大学の基本的な目標等を踏まえて、学長のリーダーシップのもとで各法人の目指す方向性につきまして、その実現に向けた取り組みや成果を学長が総括して記載していただけますよう明記しております。これも後ほど簡単に中身をご覧いただきたいと思います。

 以上の改善点と、先ほど﨑元座長からご説明がありました留意点を1枚にまとめましたのが資料2の1枚目のペーパーでございます。この留意点につきましてはワーキンググループでも大変強調された点でございまして、今後折に触れて関係者には周知していきたいと考えております。

 本日ご審議いただきます内容でございますので、引き続き年度評価の実施要領につきまして、かいつまんでご説明させていただければと思います。

 資料3-1をご覧いただけますでしょうか。実施要領につきましても簡素化の観点から評価の実施に必要な事項のみを端的に記載するという形で全面的に見直しました。

 1.は概要でございます。二つ目のポツでは、各法人の質的向上を促す観点から戦略性が高く、意欲的な目標、計画等は達成状況のほかにプロセスや内容を評価する等、積極的な取り組みとして適切に評価するという方針を明確にしております。

 次の点では、改善点でも申し上げましたように、各法人の自己点検・評価が着実に行われているかどうか、これを確認することが重要なポイントであるということで、その点についても明確にしております。

 その下の2.の実施方法では、法人の自己点検評価としまして、先ほどの改善点で申し上げましたような内容について記載しておりまして、進捗状況を記載していただく四つの段階については線で囲ったような形でお示ししております。

 イの国立大学法人評価による検証でございますが、これは総合的な検証を行うということでございまして、次のページをご覧いただきますと、法人による評価と異なる場合がありましたら、その理由等を示すということについて、こちらは従来と同じでございます。

 それから、ウでございますが、最後は国立大学法人評価委員会による評定でございますが、二つ目のポツにありますように、5段階で評価、評定するということでございますが、なお書きにございますように、評定は基本的には各法人の中期計画に対するものであり、相対比較するものではないことに十分留意する必要がある。こういう表現を従来同様明記しております。

 評定の判断基準は線で囲んでございますとおり、4または3の割合を一つの目安としまして、各法人の諸事情、その他各法人がつけましたウェイトとか、定員充足率なども考慮して、総合的に判断することとしております。

 以下、(2)では各法人の特性に配慮しつつ、全体評価を記述式で行うこと。(3)では評価結果の決定に先立ち、各法人に意見申し立ての機会を付与すること。(4)では評価結果の決定・公表についてということで記載してございます。

 3.のスケジュールとしてはほぼ従来どおりでございます。

 その次の3ページでございますが、別添となっておりますのは、先ほどの改善点の中で精選することとしました共通の観点でございます。これはいずれも国立大学法人制度そのものを適切に実施しているか、あるいは法人化の趣旨を生かした業務運営が行われているのかといった観点からの業務運営に関する基本的な事項でございまして、これまでに総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会から指摘を受けている点でもありますことから、これらの事項に限定してはどうかというものでございます。

 具体的にはご覧のとおりでございますが、1.として業務運営の改善及び効率化としまして、戦略的、効果的な資源配分、業務運営の効率化を図っているか。次の丸でございますが、外部有識者の積極的活用や監査機能の充実が図られているか。

 2としまして、これは財務内容の改善でございますが、財務内容の改善・充実が図られているか。

 3.自己点検・評価及び情報提供、次のページをご覧いただければと思いますが、中期計画、年度計画の進捗管理、自己点検・評価の着実な取り組み及びその結果の法人運営への活用が図られているか。情報公開の促進が図られているか。

 最後に4.その他の業務運営としまして、法令遵守(コンプライアンス)及び危機管理体制が確保されているか。こういった観点から、指標例として掲げましたような事項を中心に確認しようというものでございます。

 次に様式のほうはポイントとなる点だけかいつまんでご説明させていただきます。資料3-2をご覧いただければと思います。

 2枚ほどおめくりいただき、3ページをご覧ください。3ページといいますのは、失礼しました。縦に見た場合の3ページでございまして、見開きで、大学の概要と全体的な状況というふうになっているページでございます。「全体的な状況」というところにありますように、こちらに様式を整理しまして、ポイントとなるところについて学長が総括してこちらに重要な点は記載していただくということを記載してございます。

 1枚おめくりいただきますと、項目別の状況ということで、中期計画、年度計画に関する進捗状況を記載していただければ、通常の年度はよろしいのではないかという形でシンプルにしております。

 全体、縦長で見た場合の6ページでございますが、こちらは個々の内容につきましては極めて簡単でございますが、特記事項として記載いただくようなページも設けております。以下、ほかは同様でございます。

 7ページ以降は定例のものでございますので、もう少し先に参りまして、全体の15ページ以降が3年に1回やるといった場合の若干詳しいほうの様式でございます。すなわち平成24事業年度に係る業務の実績報告書ということでございまして、18ページをご覧いただきますと、こちらのほうは進捗状況の後に判断理由ということで計画の実施状況等という欄を引き続き設けております。

 最後に、29ページからが先ほどの共通の観点に係る取り組みを3年に1回確認するという場合の様式でございます。

 さらに1枚おめくりいただきまして、31ページ、32ページといったところでございます。今まで毎年もっと多くの項目で確認していたわけでございますが、中身を絞りまして、3年に1回、こういった基本的な事項について確認するという形を考えてございます。

 資料3-3は、大学共同利用機関法人についてで全くパラレルでございますので、ご説明は省略させていただきたいと思います。

【村松委員長】  いろいろご説明がありましたが、資料2、資料3-1のほうは第2期中期目標期間における各年度終了時の評価に係る実施要領でございまして、ちょっと性格が違うところがあります。まず資料2について、ご意見、ご質問等ありましたらお願いいたします。

【南雲委員】  今回、第1期が終わって、中間の暫定評価をしないという方向性を出したことは、私は賛同したいと思います。

 それから、6年終わって、7年度目にやるということですけれども、一つだけちょっと確認したいのですけれども、単年度評価を毎年やりますね。そのかわり暫定評価をしませんので、中間の3年のとき、違った書式に基づいて単年度評価をやるわけですね。したがって、3年目のときは、少し詳しい内容でチェックするということであって、毎年やっているものはやらないということでいいわけですね。3年度目の書式が変わると理解していいですか。そこはちょっとはっきり見えてこなかったので。

【事務局】  簡素化の観点から言えば、1年目、2年目というふうにやっていたものに置きかえて、先ほどご説明しました詳しいほうの書式でやるというようなご提案でございます。

【南雲委員】  ということは、書式が変わるわけで、毎年やっているのが3年目にやるということはないということですね。3年目にトータルで3年間見ましょうと。これは大賛成ですね。それでいいと思います。

【寺島委員】  1期にかかわって反省を込めて思うのは、3にもかかってくるのですけど、要するに、大学が自己評価した、自己評価の高さと客観的評価のギャップがどういうふうに認識されるべきなのかということなのですけれども、そこを埋めるものがやはりヒアリングだと思うのですね。とりわけ私はステークホルダーの判断というのか、今後大学評価を深めるためにも幾つかの典型的な例に関連してステークホルダー、大学を取り巻く利害関係者、例えば学生とか、近隣の地域産業社会とかの評価も聞いてみるような方式を全部にやることは全く無理だと思うし、不可能だと思うけれども、米の抜き打ち検査みたいな意味じゃないですけど、幾つか対象を絞ってトライしてみるというのですか。それが必要なのではないでしょうか。それが自己評価と客観的評価のギャップがあるものなのかどうかということを考える上でも参考になるのではないかなと思いながら、僕は向き合っていたことがあるのですけれども、ステークホルダーの判断というのに踏み込む何らかの工夫が要るのではないかということだけ、ちょっと発言します。

【事務局】  ご指摘、大変重要な点だと思います。実は、今回の検証も評価と直接関係ないのですけれども、学生とか、外部の方にいろいろお伺いして、非常に貴重なご意見も賜れたので、そういった試みといいますか、というのは少し継続的にやっていく必要があるのだろうなと思います。ただ、評価とどういうふうに結びつけるのかというのは、いろいろと公平性の点とか、考えなきゃいけない点があろうかと思いますので、引き続き検討いたしますけれども、外部の方のご意見を聞くということについては、私どもとしてもこれから意を用いてまいりたいというふうに考えてございます。

大学評価・学位授与機構が行う教育研究の水準評価については、関係者の期待にどの程度こたえているかというような項目、そういう視点でやっておりまして、関係者の中にまさにおっしゃったステークホルダーというのが入っているのですね。直接、外部の方に聞くというところまでは、ちょっとそこまで行ってないのですけれども、そういったことも含めて、少しそこを今後考えていきたいと思っています。

【寺島委員】  私が申し上げたいのは、公平性もあるから、具体的な方法論は難しい部分もあるけれども、自分で、例えばおれはすべてやっているのだと一番ハイランクにグレードをつけてくる人間が、結果的に一番高く評価されるようなことになりかねない傾向があるのですね。我々見ている側のほうもそうです。本人が本気でやっているのだと言っている以上、それをやっぱり認めてやったらいいのではないかという空気になります。謙虚な人とか、謙虚な学長とか、いや、自分はだめで、まだまだやれないことがいっぱいあるという人が本当に現実的な話として、評価が低くなってしまったりすることになります。だから、そこのところをやっぱり超えていかなきゃいけないなという意味で言っているのです。

【勝方委員】  今のステークホルダーの問題なのですけれども、今回の評価を振り返りますときに、機構のやっていた現況評価の関係者の期待にこたえているという表現、この判断基準のあいまいさが、各大学等に聞きますと、一番引っかかっているのです。関係者の期待というのはだれがどのように判断したのか。それがそこのレベルに達しているとだれが判断したのか。関係者といった場合、学生、入学希望者、地域の産業界等々、いろいろ考えられますし、文科省だって一つの関係者として期待しているということもあるかもしれません。

 この言葉のあいまいさは、要するに、達成度評価だと各大学の目標、計画を達成しているかどうかという一つの目安があってできます。しかし、現況評価の場合にはそういった基準はなかなか示しにくいのです。かといって、上から順番に研究教育のランキング表をつくってしまうのは、本来の意思が達成されないという苦渋の判断によってこうなったと私は理解しておるのですが、これをすべて否定するものではないのですが、しかし、関係者の評価という方式、言葉をこれからも使っていくのであれば、私は使わないほうがいいと思いますけれども、それの中身を示していく必要があります。先ほど副大臣がおっしゃったように、関係者との関係、コミュニケーションをとっていかねばいけないとおっしゃいましたが、コミュニケーションすらとれていない段階で地域の産業界の期待にこたえているなんていうのは、これまた非常に傲慢というか、思い上がっているというか、一方的な言い方であると思うのですね。この方式をとっていくからには有効な、新たな共通的な指標をつくって、それで示していく等の努力が今後必要ではないかというふうに思います。

【事務局】  もちろんそういった方向で、私どもも元々、そういう大学評価・学位授与機構の行う評価の中に関係者の期待にこたえているか、そういったことがビルトインされていて、そのことを前提として自己評価を行うという仕組みになっているわけですから、本来でありますれば、そういうさまざまな、寺島委員、あるいは今、勝方委員がご発言いただいたようなことの趣旨ということを盛り込んでやっているわけでございます。

 ただ、そういったことについては、現状としてそういったものが不十分であり、きちんと行われていないということであれば、そこはまず私のほうとして、さまざまな形でそれぞれの大学にどういうことができるのか工夫してもらう。その工夫の仕方についてもいろいろな例示をしていくということは考えられますが、ただ一方で、共通した何かことを決めてしまいますと、またそこのことにとらわれて、それ以外のことが云々ということになりますので、ちょっとそこは、先ほど寺島委員のほうから先にご提案ありましたように、全部でやることは無理としても、少し具体的なところでテストケース、モデルケース等でやっていくということで、まず当面進めていくほうがいいのではないかと思います。ぜひうちのほうで具体的にどんなことができるか、検討させていただければと思います。

【村松委員長】  どうもありがとうございました。少しずつ改善していくという以外にない部分もあるかと思います。

 資料3-1のほうに移りまして、ここでは実施要領で、特に共通の観点というところが整理された形で提示されているわけでございます。この資料3-1につきましてご意見、ご質問等ありましたらお願いいたします。

【飯野委員】  評価の簡素化ということには大賛成でございますけれども、評価というのは、そもそもさっきからお話が出ておりますけれども、要するに、大学に努力を促して、それを支えていこうということですね。そういうことから考えると、簡素化し過ぎて、評価の項目が大事なものが落ちてしまうということにも注意しなきゃいけないのではないかと思って、そういう目で見ておりましたら、共通事項に関する観点というところで、これまでの共通の観点というところには入っておりました男女共同参画に関わる記載というのが全く出てこないのですね。前の大きさで取り入れるかどうかはまた別としましても、これはほかの努力と足並みをそろえていかなければいけない部分ではないかなという気がいたします。例えば国立大学協会では2010年までに女性教員の割合を20%増やすとか、数字まで出して謳っているわけですし、それから、科学技術基本計画においても、女性研究者がさらに活躍するようにという、そういう方針を打ち出しているわけですね。そして、国立大学では女性教員が少ないです。そういう事実もあり、他の分野で努力していることを考えますと、何らかの形で少しでも前と同じ大きさでなくてもこれが含まれるといいのではないかなという気がいたしました。一例ですけれども、そういった項目が落ちていないかどうか、よく見ていく必要があるかなという気がいたしました。

【村松委員長】  男女共同参画という問題は非常に重要で、憲法にも書いてあるし、男女共同参画法でより具体化の方向に進めろということで、政府全体、このところ動いてきていて、ご指摘の女性教員の割合とか、いろいろなところでそういうのが強いインパクトを与えて、進んではきていると思うのですね。

【飯野委員】  それで大学自体もその面では大変努力してきていると思うのですね。ですから、評価されることで、またそれがさらに促されていくというか、進んでいくということを思うと、評価の項目に全くないということは、努力をそこでとどめてしまうようなことにならないかがちょっと気になりました。

【村松委員長】  重要なご指摘で、私も内容については十分理解できるつもりでおりますけれども、ここで書いてないというのはそれを重視しないということと何ら関係がないと私は思っております。これは文科省全体として、政策として新たに調査検討をもっと進めていただきたいというように思いまして、ここでは業務運営というところで三点に絞っているということになっているのですが、例えば外部有識者というときに女性の比率が多いほうがいいとかいうような基準は各大学、お持ちになるということになると思います。

【飯野委員】  そうですね。例えば、指標例としてそこに書くとか、その程度でも含めてあるといいかなと思いました。

【事務局】  今回共通に評価する事項について精選するということでご提案しているわけですけれども、確かに国立大学法人にやっていただきたい大事なことというのは本当にたくさんございます。第1期を振り返ってみましても、それがどんどん積み重なってきて評価事項が膨れ上がったというのが実態としてございました。

 今回は資料の中でもご説明しておりますけれども、政策評価・独立行政法人評価委員会、総務省の委員会ですが、そういったところから指摘されていることに一つメルクマールを置いて、そこについては引き続きやろう。それ以外については、さまざまに行政的にもお願いする手法はございます。例えば調査を行ったり、調査結果を公表したり、あるいはさまざまな文書なりでお願いする。そういった手法もとれますので、この法人評価の中でそれをやるかどうかということと、委員長がおっしゃいましたけれども、重要性ということは直接関係ないし、またそれを担保する手法というのもほかにあるということで、今回整理させていただいたということでございます。

【村松委員長】  この点、別に本当にギブアップしているわけじゃないということで、ご了解いただけたらと思います。

【唐木委員】  何かこういうことというのは、1期の取り組みの中で、女性研究者や教員が活躍できる環境づくりについて、非常に各大学が努力されて、評価項目に入っているがゆえにやられてきた背景があると思うのですけれども、項目によっては上がらないと動きが少なくなってしまう領域があると思います。それは私が、男女共同参画だというのは、自分たちのことも踏まえて思っておりまして、こういう取り組みが項目に入っておりませんと、自分たちの特徴ある推進事項として上がってこないということは本当に思います。先ほど飯野先生がおっしゃいましたように、指標例に加えるとか、男女共同参画という言葉を落とすのは私も少し違和感を持ったところです。精査された上での最小限の共通事項というご説明がございましたけれども、何か一言、必要ではないかと思いますが。

【事務局】  ご指摘の点は非常に重要なことだと思いますし、別の観点で申し上げますと、男女共同参画の観点から、国立大学なら国立大学が十分な取り組みをしているかということについては、むしろいろいろと課題があると思うので、おっしゃった、確かにある種の外圧的なこともないとできないという意味では、さまざまな政府としての働きかけというのは、今まで以上に強めていかなければいけません。その中には、先ほど担当課長も申し上げましたが、もしかすれば、具体的には例えば調査とか、そういう個別の手法で進めていくというような、そういったことも積極的にやっていかなければいけないというのはそのとおりだと思います。

 一方、中期目標計画の今回の扱いについて、ある種のルールというか、仕組みをつくらないと、簡素化はなかなか難しい面もありまして、一例を挙げれば、例えばそのほかにも環境問題をどうするのかとか、幾つも、どう考えてもそれはほんの小さな項目でも入れておいたほうがいいと思われるような、とても大切な社会的課題がありますので、それは今まである意味では順次入れて、先ほどの繰り返しになりますが、増えてくるという形になりますので、そのメルクマールは大事さにおいては決して否定されるものではないというか、むしろ強調されるべきものだと思いますが、中期目標計画のこの扱いの中でやらないと後退するものかどうかということについてはちょっと議論のあるところで、今までのいろいろな進め方からいたしますと、別途政府の男女共同参画、あるいはその環境、これはあくまでも例でございますけれども、そういったものについて政策的に進めることについてはきちっと進めていくということで、一応分けないと、なかなか処理が難しいなということもありますので、その点は私どもとしては、こういう仕組みでご検討いただいたということでいいのではないかというふうに考えます。

 ただ、先ほども申し上げましたけれども、男女共同参画の問題について、繰り返すようですが、別途人の問題、それから業務の問題、組織の問題等含めて、改めてきちっと取り組んでいかなければいけないというのはそのとおりでございますので、ご指摘を踏まえるような形で、その点の改革が進むように努力していく必要があるというふうに認識いたします。

【唐木委員】  国立大学の女性研究者や教職員の数が私立の大学等に比べて非常に少ないというデータを拝見したことがあるのですけれども、倍以上の差があったかと思います。そういう状況を踏まえて、国立大学の中で女性研究者が活躍していくという、そういう環境をつくるためには、各大学の取り組みを評価する、それを国立大学法人の取り組みとして評価するという項目として切り分けなくてはいけないものかどうかというのは、今のご説明では少しわかり難かったのですけれども。

【事務局】  男女共同参画一つに絞って議論すればそういうことかと思いますけれども、この中期目標計画の各大学の取り組みについては、たくさんの社会的課題はございますので、その中で男女共同参画だけが取り上げられるというのもなかなか説明は難しゅうございます。そうすると、いろいろ広がりますので。しかし、そこは仕組みとしては各大学が中期目標計画で書いて取り組んできたものがどのようになっているかということは当然評価されると思いますけれども、共通事項の中でこれだけを取り上げるのが判断として妥当性があるかどうかというのはなかなか難しいところがあると思います。

 他方、おっしゃっておられる点は、今データで、女性研究者ということをおっしゃいましたけれども、正直に申しまして、事務方も含めまして、国立大学の意思決定や業務、組織における男女共同参画上の課題というのは非常に大きいものがあると思います。これはむしろ別途きちっと取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。これは私ども、直接の高等教育局だけではなくて、例えば人事面とかそういったところも含めて取り組みが政府で計画的になされていかなければいけないというふうに我々は思っておりまして、個別の大学での取り組み、政府としての全体の取り組みということについてはそれぞれエンカレッジしていく必要があるというのはそのとおりだと思います。そのことと、ここに今どういう順位でそれだけを取り上げることが仕組みとして説明、処理ができるかということについてはちょっと違いがあるように思っております。

【村松委員長】  強いご意見がございましたが、私自身も相当前回と比べて考えていたのですけれども、ここで共通の観点というのは、国立大学法人の共通のですけれども、他のすべての独立行政法人と業務運営という点で、観点をそろえるという意味もございます。今ご指摘の重要な問題については文科省のほうで重要な課題として一層しっかり取り組んでいただくということで、共通の観点というのもこれでご理解いただけないでしょうか。それでは、そういうことで資料3についても一応審議を終えたということにさせていただきたいと思います。

 次に、各分科会に付託された事項の審議結果等についてご報告いただきたいと思います。

【事務局】  それでは、お手元の資料4をご覧いただきたいと思います。こちらは報告事項でございます。

 業務及び財務等審議専門部会に付託された事項の審議結果についてでございます。1ページでございますが、前回の総会以降申し上げました業務及び財務等審議専門部会、1度開催されまして、積立金の処分についての意見、それから、財務諸表の承認についての意見、これについて審議を行いました。いずれも部会の議決をもって国立大学法人評価委員会の議決とする事項でございまして、審議としてはこちらで終了しているものでございます。

 具体的には第23回を6月15日に開催いたしました。財務諸表につきましてはすべての法人から、中期目標期間終了時における積立金の処分については84の国立大学法人から申請が提出されたところでございまして、一番下のほうにございますけれども、事務局のほうであらかじめ提出期限の遵守等の合規性等について確認を行った上でご審議いただきました。その結果、専門部会としての特段の意見はなかったというところでございます。

 なお、一番下でございますが、財務諸表につきましては、6月30日付で文部科学大臣の承認がなされる予定でございまして、中期目標期間終了時における積立金の処分につきましては、財務大臣との協議を経まして、財務諸表の承認とあわせて、積立金の繰越承認を行う予定となってございます。

 裏のほうは大学共同利用機関法人分科会のほうの同様のものでございまして、こちらにつきましても6月15日から18日にかけて開催しているものでございます。中身としては同じでございまして、4法人中3大学共同利用機関法人から積立金の処分につきましては申請がございまして、特に意見はなかったという報告でございます。

【村松委員長】  今のご報告につきまして、何か特段のご意見はございますか。

 それでは、よろしいでしょうか。国立大学法人に関係する独立行政法人の事業仕分けの結果について、ご報告、ご説明をいただきたいと思います。

【事務局】  ご報告でございますが、資料5をご覧いただければと思います。独立行政法人のいわゆる事業仕分け、第二弾と言われたものが4月下旬にございまして、高等教育局関係は4月28日にございました。

 その結果ですけれども、資料5にございますとおりでございますが、まず国立大学財務・経営センターがすべての事業について仕分けが行われまして、結果といたしまして、施設費貸付事業、特に附属病院の施設整備について、財政融資資金からお金を借りて貸し付ける、あるいは償還するという事業を行っておりますが、こういったものとか、施設費の交付事業、これは全法人に対して一定額を交付しているものですけれども、これらについて、その他幾つかございますけれども、基本的に廃止というご指摘でございました。

 次に大学評価・学位授与機構ですが、まず認証評価事業については、事業実施は民間の判断に任せる。それから、当委員会でも関係の深い国立大学法人評価ですけれども、この大学評価・学位授与機構に教育研究の状況については法律でお願いしているわけですけれども、これについては実施機関を競争的に決定して事業規模は縮減等々のご指摘がございました。

 以下大学入試センター、それから、資料の裏面のほうはその他の独法ですが、裏のほうは技術的な話もありますので、説明は省略いたしますけれども、ご覧のようなご指摘となってございます。

 これは必ずしも最終結論ということではありませんけれども、当然真摯に受けとめるということが基本でございまして、現在、この対応について検討しているというところでございます。

【村松委員長】  何か今のご説明にご意見あるいは質問などございますか。

【事務局】  もう少しきちっとした資料をお配りすればよかったのですけれども、このことで、特に国立大学の経営に一番関連する事柄として大きいものが国立大学財務・経営センターの施設費の貸付事業があるわけでございます。これにつきまして既にこの場でも何回かご説明したことがございますが、国立大学附属病院の再開発、いわば病院を全部建て直すといった事柄につきましては、財政融資資金及び財務経営センターが自ら発行する債券、これを原資として行っているわけでございます。具体的には国の財政融資資金を財務経営センターが借り受けまして、これをまた各国立大学法人、病院を持っている国立大学法人に貸し付ける。そういったことをやっているわけでございまして、どうしてこういうことをやっているのかと申しますと、基本的に一般の病院というのは大体赤十字病院等におきましても、およそ400床ぐらいでございます。それに対して国立大学病院というのは一般的には1,000床を超えているような、普通規模がございます。大学設置基準でも最低800床というふうに決められているわけでございます。また、そのことを診療科数で申しますと、普通の病院でございますれば10診療科程度、あるいは数診療科というのが普通でございますが、大学附属病院の場合は34とか、5とか、6という、すべての診療分野を持っているわけでございます。

 そういった関連から施設の再開発が大規模化いたします。もちろんその辺に空き地がたくさんあるような大学でありますと、そんなにお金はかからないのでございますが、特に多くの国立大学病院は県庁所在地の結構都市の真ん中にあったりいたしまして、それを全部建て直すといたしますと、総工費が4、500億円かかるというのが一般的でございます。それを、病院をあちこち建て直しをしながら引っ越しをして、稼ぎながら返していく。こういったことの関係で巨額な資金が必要となります。なおかつ、先ほど桐野先生からございましたように、診療、そして教育、研究をしながら返済するわけでございますので、大体財政融資資金を借りまして、25年間、最初の5年間は据え置きで、後半、それからあとの20年間で返すというような形でやっている。こういったことが施設費貸付事業でございます。

 こういった関連で、事業仕分けのご指摘では、財務経営センターを介さずに国の財政融資資金を直接それぞれの国立大学法人に貸し付けたらいいではないか。民間から借りろということではなくて、財政融資資金を直接、財務・経営センターを介さずに各国立大学法人に貸し付けたらいいではないかといったようなご指摘があったわけでございます。それで本当にそれぞれの大学病院、いろいろな地域にございます。特に、大きな具体的な観点とすれば、都市部にある大学も、あるいは地方にある大学も同じような条件で融資を受けて、同じような条件で返済していく。それも大学の規模等によらないというようなこともございますので。また同時に、財務・経営センター自体も既に法人化以降250億円に上る自らの債券を発行しておりますので、この処理をどうするのか。こういった問題がございますので、こういった点、専門的にも難しい問題がございます。また、ぜひこういった場でそれぞれ委員の皆様方のご意見も聞きながら、私どもとしてはいい方向で、いろいろ検討させていただければと思っております。

 ちょっと資料、その関連の、つい最近、国立大学病院を含む「大学病院の現状」という資料が刷り上がったところでございますので、これは今日この場でご説明することではなくて、ぜひご参考に供したいと思いますので、今お配りしております。

【村松委員長】  私は会計のことはよくわからないのですけれども、以前は国立大学の、例えば土地の処分、何らかの理由で処分の必要があり、処分して、それが決してその大学にお金が入るのではなくて、一定のところにプールして、日本全体で調整して使って、日本の国立大学全体で調整して使うというようなことをここがやっていたのですかね。

【事務局】  そうです。

【村松委員長】  そういう機能はどうなるのですか。

【事務局】  私が先ほど説明しましたのは、資料5の上の施設費の貸付事業のほうでございます。今村松先生からご指摘いただいたのが国立大学財務・経営センターという法人名で、事業名で上から三つ目の四角に施設費交付事業、旧特定学校財産の管理処分、財産管理・処分・有効活用に関する協力・助言ということでございまして、これについても事業仕分けの結果においては、当該事業は廃止、不要資産は国庫返納するというような判定になってございます。

【伊井委員】  ちょっとわからないのでお伺いしたいのですけれども、大学評価・学位授与機構のほうの認証評価事業につきまして民間の判断に任せるというのが、どういう意味なのか。どういうふうなプロセスで今からなさるのか。

 二つ目の国立大学法人評価に関しましての透明化とか、資金の流れといいましょうか、それはどのように具体的に考えられているのか、そこだけちょっとお伺いしたいと思うのですけれども。

【事務局】  まず大学評価・学位授与機構の認証評価事業、これはいわば平成16年から学校教育法の改正によって始まりましたアクレディテーション、事後確認的なものでございますが、これについては現在、既に認証評価自体については、大学の機関別評価と専門職大学院に係る分野別評価と、この2本立てでやっているわけでございます。大学の機関別評価ということに関しては、既に大学基準協会とか、日本高等教育評価機構という団体がございます。こういった意味で、いわば民間団体がやっているところでもございますが、一方では、例えば高等専門学校に関する認証評価団体は大学評価・学位授与機構しかございません。専門職大学院で申し上げましても、例えば法科大学院について言うと、大学評価・学位授与機構のほかに日弁連法務研究財団とか、大学基準協会という団体がございます。こういった形で、認証評価活動全体について、当該分野、あるいは当該機関について民間団体が全部そろっていて、大学評価・学位授与機構がなくてもすぐできるという状況にあれば、それは民間団体に任せるべきだということでございますが、逆に裏を返せば、例えば今申し上げたように高等専門学校の認証評価団体はございませんし、逆にそういったところの認証評価団体の発展ということを踏まえて考えなければいけないところだと思っています。

 すみません。先ほどの村松先生のご質問に私もあまり丁寧なお答えをしなくて恐縮でございますが、施設費交付事業の要件として、先生がおっしゃったように、国の国立大学のキャンパスを売った、例えばかつて大阪大学が移転いたしまして、跡地処分をいたしました。そういったところで空いているわけでございます。あるいは、各国立大学が道路工事その他で、ちょっと引っ込んでくれと言われて、そういったものを売っているわけでございます。実はそういうお金をプールして国立大学全体で使ってきたわけでございますが、事業仕分けの際にはそういう施設整備費というのはきちっと一般会計で措置すべきである。一般会計できちんと措置するということを前提にこういう事業は廃止すべきであるという判定でございまして、一方ではなかなか一般会計で措置するということもそんなに容易ではない状況でございますので、そういったことについてもいろいろ考えなければいけないと思っています。

 大学評価・学位授与機構の2番目の国立大学法人評価における教育研究評価のほうでございますが、ここは現在、法律制度上、国立大学法人評価委員会、皆様のこの委員会から大学評価・学位授与機構に教育研究の水準、現況については委託、委嘱しているわけでございます。これは法律で委嘱しているわけでございますが、事業仕分けにおきましてはこういった国立大学法人の水準評価、エバリュエーションの世界におきましても、大学評価・学位授与機構とほぼ同じような評価能力を持つような団体というものをできるだけ育成して、競争的に任せるような方向が望ましいのではないかというご指摘です。

【村松委員長】  よろしいでしょうか。まだご質問がおありかもしれませんけれども、大分時間が予定を過ぎております。特にご発言ということがございますれば、伺います。

【事務局】  本日、先ほどご議論をいただきました資料3の関係で、飯野先生と唐木先生から共通事項のことで一つの方向をご示唆いただいて、一応こういう形でということでご了解いただいていますけれども、ご趣旨を踏まえますと、各大学の努力などが積極的に評価できるような形で、あるいは中期目標計画で取り組みやすいように何らかの形で入れ込んでいくということも工夫の余地がいろいろあるのかなということに鑑みますと、先ほどのこれはちょっと事務的なご提案ということになるのですけれども、共通の観点というところにつきましては、仕組みを一つにしておりますので、順位をつけて、一つの主題だけを入れていくというふうにすると、今落としたものをみんな復活して入れなければならなくなったりして大変だということがございますので、先ほどのようなご説明を申し上げましたが、他方個別の大学での取り組みに関して申し上げますと、例えば資料3-2でございますけれども、資料3-2の目次を見ていただきますと、1、2、3の中で、3の共通の観点のところで元々入っておりましたので、そういうご議論になったかと思いますが、このうちの2、ページで言うと15ページから始まります各大学に示します中間段階での進め方の詳しい報告書の様式でございますけれども、こういう中には、今26ページをお開けいただきますと、実績報告書のいわばイメージといたしまして、もちろん各大学でお考えいただくので、一律に強制するということにはなじまない形になっておりますけれども、例えば一つ目の箱を見ていただきますと、(1)のところで、年度計画の記載例として例示が掲げてございます。このような意味で言いますと、どの項目がいいとか、悪いとかという議論は一応しなくても、重要と思えるものは例示することができますので、例えばこういうところへ、今、第1期のときには書いてあったけれども、落としているほかの主題もございますので、そういったものをちょっと含めて、例示の中に含めるというような工夫で明記することもあるいは可能かなという感じがちょっといたしますので、もしご了解いただければ、そういったことも委員長、先生ともご相談させていただいて、何か書くような工夫をしてみるという手があろうかと考えますので、そのようなご提案を申し上げます。

【村松委員長】  私としてはぜひご検討いただくのがいいと思います。いかがでしょうか。では、ぜひ検討してみてください。

 それでは、新成長戦略について、ご報告いただきたいと思います。

【事務局】  これもかいつまんでご報告でございますが、資料6でございます。新成長戦略につきましては昨年暮れに骨子が決定されまして、今般、6月18日ですけれども、閣議決定がなされてございます。

 資料でお配りしましたのはその抜粋ということですけれども、全文は4章の構成になってございまして、具体的な施策については資料にございます第3章、7つの戦略分野の基本方針と目標とする成果が中心でございます。

 7つ、1から7までということですが、特に高等教育に関連するものについて、抜粋の中で、さらにアンダーラインを付してございます。時間もございますので、一つ一つ見ていくのは省略させていただきますけれども、かなりの部分で高等教育に絡む記述がございます。めくっていただきますと、2ページの一番下に外国人学生の受け入れとか、3ページに青少年の交流・協力等々ですね。(5)ですけれども、科学・技術立国戦略の中で独自の分野で世界トップに立つ大学・研究機関の数の増、理工系博士課程修了者の完全雇用等々の記載がございます。

 それから、5ページが(6)、雇用・人材戦略でここは四角囲みの中をご覧いただきますと、かなり具体的な数値が出ておりまして、中ほどにアンダーラインがございますけれども、大学のインターンシップの実施率100%、大学への社会人入学者数9万人等々の記述がございます。

 それから、7ページが高等教育の奨学金制度の充実等々の記載がございます。

 それから、8ページ以降が21の国家戦略プロジェクトということでございまして、項目は8ページに大きく七つに括っていますが、その中で、さらに21に細分化されてございまして、高等教育に関係が深いところは特に太字で書いてございます。9ページ以降が具体的なものになりますけれども、例えば11ページをご覧いただきますと、上のほうで我が国が強みを持つ学問分野に結集したリーディング大学院の構築、博士人材のネットワークの中での養成等々の指摘がございます。

 最後、12ページですけれども、実践キャリア・アップ制度、専門学校・大学等との連携による学習しやすい効果的なプログラム、こういった指摘、記述もございます。

 13ページ以降は、具体的な工程表ということで本年度中に実施する事項、2011年度、あるいは2013年度まで、さらには2020年までに実現すべき成果目標ということで、それぞれ本文の中の具体のプロジェクトについての工程表をここに掲げてあるものでございます。今後の成長戦略、この文章をベースにこれから行われるということになろうかと思いますが、とりあえずご報告まででございます。よろしくお願いいたします。

【事務局】  ちょっと一点すみません。今飛ばしてしまいましたけど、9ページのところにある医療の実用化促進のための医療機関の選定制度等、ここでアンダーラインが引いてあるところの医療機関でございますが、基本的には今構想されておりますのは、大学病院を含む特定機能病院といったことを念頭に置いて、今検討が進められております。

【桐野委員】  ここはかなり重要なところで、こういうニーズがあることは当然なのですけど、価値がまだ定まっていない医療を行うという面もありますので、かなりある意味で抑制的にやらなきゃいけない面というか、制御をある程度しないといけません。自由な競争にただ委ねれば、最終的にうまく解決するというところではないので、どんどんそれを拡大していきますと、いわゆる混合診療の状態になりますね。これはいろいろな問題がありますけど、今言われたようなところで始められるのが一番いいのではないかというふうに私も思います。

【村松委員長】  それでは、次のテーマでございますが、我々評価委員は各大学を訪問いたしました。事務局より説明をお願いします。

【事務局】  資料7をご覧ください。評価の有効性を高めるために、評価委員会の委員の先生方に、直接大学等に行っていただきまして、意見交換を行っていただいております。本年度に入りましてからも、4月からこれまでに下記の11の国立大学法人、それから4大学共同利用機関法人を訪問していただきまして、学長等と活発な意見交換を行っていただきましたので、ご報告させていただきます。

【村松委員長】  訪問された委員の方で、ここは特徴的だと思われたとか、何かご発言があったら、簡単に、ほかの方の参考にもなりますので、お願いしたいと思います。どなたからでもよろしくお願いします。

【﨑元委員】  簡単に申し上げますけれども、一点は、我々でも議論いたしましたけど、何をもって教育の質の向上とするか、教育の成果をどうしたら数値化できるかというのが非常に難しいという、これは現場の率直な意見だと思いますが、我々でもそれがなかなか議論しているところで、同じような悩みを持っておられるということです。

 それからもう一点、地方に立地する大学なのですけれども、法人評価の中で大学間格差、地域間格差を補正したり、考慮したりしているのかというようなご質問でございました。それで、いろいろな事例を挙げられまして、例えば留学生とか、そういう問題で国際化、国際化と言っているけれども、国費の留学生は9割程度首都圏にしかいないとか、地方にはなかなか来てもらえないと。そこまで魅力をつくれないというふうには言われませんでしたけれども、そういう私費留学生にしても、アルバイト等生活の糧を得られない地方にはなかなか来られないし、一方では、来る留学生は日本語能力も低くて、教育の質を保つために合格者を少なくしている。だから、そういう留学生を一律に増やすというのは非常に困難だというようなことです。あるいは博士課程の定員充足についても同様なことで、これは例えば、旧帝大の大学院は奨学金を出して、授業料を減免して、どんどん集めている。そういう力のあるところとの差が大学間格差ということで、研究についても資金力で問題があるというようなことで、大学間格差、地域間格差ということで、非常に苦労しているということです。そういう結果が出てしまったというふうに総括しておられました。

 それでその原因は、原因といいますか、本来、法人評価というのは相対評価ではないというふうに前委員会からも引き継いでやってきたところであるけれども、評価結果の新聞報道がランキングに見えてしまっているということで、今までの努力が世の中に対して十分に理解してもらえてない、そういうふうな現場の状況を聞いてまいりました。

 もう一つは、先ほどの議論につながるのですけれども、大学の理事の方が実際に現況分析の評価にかかわられての感想ですけれども、評価者間で評価の現況分析等のばらつきが大きいと感じたというようなことがコメントされまして、それが先ほどの利害関係者の期待にこたえているか、大学間格差、あるいは地域格差も、今、評価委員会では、先ほどの議論の利害関係者の期待にこたえているかということでクッションをとっているという形ですよね。それを突き詰めていくとどうなるかということもありますけれども、この評価基準が抽象的で、先ほど申し上げたように、評価する側としてもその大学にステークホルダー、利害関係者が何を期待しているかというのはそれぞれの評価者の判断でやられているというところに問題が残っているのではないかというふうになります。

 その対応での私のコメントは、そうすると、費用当たりの効果のようなものを考えますかとか、例えば運営費交付金の額が大きいところと小さいところで論文を何編書いたとか、そういうことになると思います。以前のデータでも、論文1件当たりは地方大学のほうが安くついているとか、いろいろなデータがあるわけですけれども、そういうふうにやらざるを得なくなりますねとかいう話をしました。

 それから、スタート地点が違った競争があるというようなご意見だと思うのですが、そうは言われませんでしたけれども、そうすると、重量別というか、規模別というか、そういうところでの競争という考え方にするのかというようなアイデアが出てくるのですが、とにかくそういう問題があるということをご指摘いただいて、我々もそういう認識をしているということを意見交換させていただきました。

【村松委員長】  ほかにご発言ございますか。

 それでは、本日の議題は以上でございます。今後の日程等について、事務局からご説明いただきたいと思います。

【事務局】  次回の総会等の日程につきましては、また改めてご連絡を差し上げたいと思います。

【村松委員長】  それでは、本日の議題は終了いたしました。ありがとうございました。

 

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-- 登録:平成22年08月 --