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国立大学法人評価委員会(第23回) 議事録

1.日時

平成20年3月13日(木曜日)15時から17時

2.場所

文部科学省東館3F1特別会議室

3.議題

  1. 平成19事業年度及び中期目標期間に係る業務の実績に関する評価について
  2. 年度評価及び中期目標期間に係る業務の実績に関する評価の実施について
  3. 国立大学法人及び大学共同利用機関法人の中期目標・中期計画の変更について
  4. 各分科会に付託された事項の審議結果について
  5. 大学等訪問について
  6. その他

4.出席者

委員

野依委員長、飯吉委員長代理、荒川委員、池端委員、勝方委員、唐木委員、草間委員、柘植委員、寺島委員、南雲委員、蛭田委員、宮原委員、山本臨時委員、和田臨時委員

文部科学省

清水高等教育局長、德永研究振興局長、藤木研究振興局担当審議官、小松人事課長、藤原高等教育企画課長、永山国立大学法人支援課長、三浦医学教育課長、藤原専門教育課長、岡技術参事官、森学術機関課長、角田国立大学法人支援課企画官、山崎整備計画室長、大西国立大学法人評価委員会室長

5.議事録

○野依委員長  

 それでは、所定の時刻が参りましたので、第23回の国立大学法人評価委員会総会を開催させていただきます。本日は、国立大学法人等の平成19事業年度、それから中期目標期間の評価等についてご審議いただくことになっております。それでは、事務局から配付資料を説明してください。

○事務局

 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。本日の議案といたしましては、平成19年度及び中期目標期間に係る業務の実績に関する評価につきまして、実施要領等のご審議をお願いいたします。

 資料の1-1でございますが、実施要領案等について、前回の総会からの主な変更点をおまとめしたものでございます。資料の1-2といたしまして、中期目標期間の評価に係る実施要領の案でございます。資料の1-3といたしまして、各年度終了時の評価に係る実施要領の案でございます。資料1-4として、附属病院の評価についての基本的な考え方をお示しする資料でございます。資料の1-5としまして、国立大学法人に係る19年度評価と中期目標期間評価の実績報告書の様式、それから、資料の1-6は実績報告書の資料編でございます。資料1-7は大学共同利用機関法人に係る実績報告書の様式、資料1-8はその資料編となっております。

 次に資料の2-1といたしまして、平成19年度評価及び中期目標期間評価の今後の作業スケジュールの案でございます。資料2-2としまして、国立大学法人分科会における評価チームの編成について、資料2-3といたしまして、大学共同利用機関法人分科会における評価チームの編成についての資料でございます。資料2-4といたしまして、評価チームの編成の考え方について、本委員会で平成17年4月に決定した資料でございます。

 次に資料の3といたしまして、国立大学法人及び国立大学共同利用機関法人の中期目標変更の原案及び中期計画の変更案でございます。

 次に、資料の4-1以降は報告事項に関するものでございます。まず資料の4-1といたしまして、国立大学法人に係る業務及び財務等審議専門部会に付託された事項の審議結果についてでございます。資料の4-2といたしまして、こちらは大学共同利用機関法人分科会の専門部会に付託された事項の審議結果についてでございます。それから資料の4-3としまして、本委員会が処理することとされている事項の分科会、部会への付託について、平成16年10月に決定した資料でございます。

 それから資料の5といたしまして、大学訪問の状況についての資料でございます。

 資料の6-1は国立大学の現状ということで、今後、国立大学法人評価を実施いただく際、あるいは中期目標・中期計画の変更等に伴うご審議をいただく際のご参考資料として、分析したデータ等を記載している資料でございます。同じく資料6-2は、施設・設備について分析したデータ等を記載している資料でございます。

 このほか、机の上にグレーのファイルあるいはブルーのファイルで関係の資料集をご用意させていただいております。

 以上でございます。何か欠けている資料がございましたら、お申しつけください。

○野依委員長

 どうもありがとうございました。

 それでは議事に先立って、審議の公開についてお諮りしたいと思いますが、本日の審議内容については先ほど申し上げたとおりですが、公開とすることでよろしゅうございましょうか。

                            (「異議なし」の声あり)

○野依委員長

 それでは、傍聴希望の方がいらっしゃったら入室させてあげてください。

 それでは初めに、平成19事業年度及び中期目標期間に係る業務の実績に関する評価についてご審議いただきたいと思います。まず事務局から、これまでの検討状況、それから前回の総会からの変更点について説明してください。

○事務局  

それでは資料の1-1を中心としまして、前回の総会からの主な変更点をご説明いたします。

 前回の総会におきまして、中期目標期間の評価、それから平成19事業年度の評価につきまして、基本的にお諮りしました実施要領案、それから様式例の案等をもとに進めていくということでお認めいただいたところでございますけれども、委員長から、現段階の検討状況を各国立大学法人に説明して、報告書の様式等の専門的・技術的な事項について、修正の必要がある場合にはその対応について総会に報告するようにというふうにされたところでございます。それを踏まえまして、去る2月22日に国立大学法人等評価実務担当者連絡会を開催いたしまして、本委員会における検討状況について説明を行ったところでございます。そこでのご意見等を踏まえ、前回総会からの主な変更点をおまとめしたものが資料1-1でございます。具体的な内容でございますが、若干細かくなって恐縮でございますが、まず一番上の資料の1-2の22ページをご覧いただければと思います。前回ご議論いただいた別添の3でございますけれども、この中で赤字になっておる「在学者数から」という表現を加えているのは、上の1、2と表現を合わせるという修正でございます。

 次に資料1-5をご覧いただければと思いますが、資料1―5の17ページにございます別表の1をご覧いただければと思います。こちらに赤線で消している部分がございますが、これは前回の総会の資料における修正ミスでございまして、定員未充足の状況につきましては、休学者・留年生・留学生等の状況を記載するという整理にはしてございませんので、これらの記述を削除しているものでございます。それから、その次の18ページの別表2をご覧いただければと思いますが、まず上の「在学者数」という表現につきましては、表現を合わせた修正でございます。

 それから下のほうの(6)でございますけれども、学年進行中の学部・研究科につきましては、収容定員ということではなくて、入学定員に学年進行中の年次を乗じた数を記載するということで、それをお願いするために注書きを追加したものでございます。

 次に、資料1-6の7ページをご覧いただければと思いますけれども、附属病院の取り組み、機能に関する資料の中で、括弧書きで「~平成19年度」という記載が追加されております。これは中期目標期間評価の参考となるように、19年度以前の取り組みに関する資料があれば、あわせて提出してほしいということを明記したものでございます。

 それから真ん中のあたりに、「総合診療部(科)」の後に赤字で「又はこれに類する組織」というものを修正してございます。これは「総合診療部(科)」というふうに限定した表現を修正したものでございます。それから1枚おめくりいただきまして、同じ資料の9ページでございますけれども、附属学校の概要に関する資料でございますが、大学から注書きがわかりづらいというご指摘がありましたので、よりわかりやすい表現となるように技術的な修正を加えておるものでございます。そのほかの実施要領の案、あるいは様式の案等につきましては、前回総会からの変更はございません。以上でございます。

○野依委員長  

 どうもありがとうございました。それでは、ただいまの説明に関しまして、ご質問、ご意見はございますでしょうか。よろしゅうございますか。ございませんようです。それでは、平成19事業年度評価及び中期目標期間の評価については、この実施要領や様式例等をもとに進めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは次に、年度評価及び中期目標期間評価の作業スケジュール及び評価チームの編成についてご審議いただきたいと思います。事務局からまず説明してください。

○事務局  

 それでは、資料2-1から2-4に基づきましてご説明いたします。まず、資料2-1の作業スケジュールの1枚紙でございますが、これは平成19年度の年度評価と中期目標期間に係る評価の作業スケジュールでございます。まず、上からご覧いただきますが、平成20年度の早い時期に、後にご説明します評価チームを編成しまして、評価チーム会議を開催させていただきたいと思っております。その会議で評価のスケジュール、あるいは留意点等の整理をさせていただきたいと思っております。

 実績報告書につきましては各法人から6月末までに提出していただくことになっておりますので、これを踏まえて、7月中旬から下旬に評価チーム会議を改めて開催させていただきまして、ヒアリングでの確認事項等の検討を行っていただきたいと考えております。

 その後、7月下旬から8月上旬にかけて、各法人からヒアリングを実施し、それらの結果を踏まえて評価結果の調整を進めて、8月中旬から下旬にかけまして評価チーム会議を開催しまして、年度評価結果の原案の審議・取りまとめを行いたいと考えております。9月上旬に国立大学法人分科会あるいは大学共同利用機関法人分科会を開催いたしまして、評価結果の素案の審議・取りまとめを行うとしております。 9月中旬にその結果について各法人に対し意見申し立ての機会を付与しまして、そのやりとりを踏まえて、9月下旬に総会を改めて開催しまして、年度評価結果の案のご審議、それから決定をしていただき、会議終了後に公表するということにしたいと考えております。この年度評価のスケジュールにつきましては、おおむね例年どおりの予定となっております。

 次に中期目標期間評価の作業スケジュールでございますが、ただいまご説明した年度評価の結果が取りまとめられた後、11月ごろから本格的に調査・分析を行っていただきたいと考えております。来年、平成21年の1月ごろに評価チームの会議を開催いたしまして、中期目標期間評価結果の原案の審議・取りまとめを行います。その後、2月ごろに大学評価・学位授与機構から教育研究評価結果が出てまいりますので、それを踏まえて、中期目標期間の評価結果の素案を作成いたしまして、各分科会を開催した後、評価結果素案の審議・取りまとめを行っていただきます。その結果について、また各法人に対しまして意見申し立ての機会を付与いたしまして、そのやりとりを踏まえて、3月ごろに総会を開催して、中期目標期間の評価結果案のご審議・決定をしていただき、会議終了後に公表すると、そういうことを予定しております。

 以上がスケジュールでございますが、続きまして、これらの作業を進めるに当たっての評価チームの編成につきまして、資料の2-2、2-3に基づきご説明いたします。

 まず資料の2-2でございますけれども、国立大学法人分科会については昨年同様の体制・方法により実施することを考えております。2-2の3ページをご覧いただければと思いますが、評価チーム編成のイメージをお示ししております。基本チームとしましてAからHの8チーム、それぞれ10校から11校の大学を受け持っていただきまして評価を行っていくというイメージでございます。また、担当校の割り当てといたしましては、近隣地区の大学で構成をしているところでございます。各評価チームは、原則といたしまして、評価委員会の委員の先生方と、新たに発令いたします専門委員の先生方2名、計3名程度で構成することとしております。それから従前どおりの扱いのように、評価チームの編成に当たりましては、委員が関係します国立大学法人を直接ご担当するということがないように配慮したいと考えております。この基本チームのほかに、全国共同利用評価専門チーム、それから附属病院の評価専門チームも別途設置することとしております。この2つの専門チームにつきましては、ただいまの資料2-2の2ページ目にその考え方を記載しております。

 それから資料2-3でございますけれども、2-3は同様の考え方で、大学共同利用機関法人分科会における評価チームの編成につきまして示しております。評価項目を勘案して、規模としましては1チーム4名程度の委員で編成することを考えております。4チーム設けて、各チームごとに1大学共同利用機関法人を担当するという形でございます。

 資料2-4でございますけれども、評価チームの編成に当たりましては、平成17年4月26日に決定いただきました資料2-4の考え方を踏まえまして、委員の関係する国立大学法人、あるいは大学共同利用機関法人を担当しないという考え方のもとで取り扱いたいと思っております。以上でございます。

○野依委員長  

 どうもありがとうございました。それでは、何か特段のご質疑、ご意見はございますでしょうか。寺島委員、どうぞ。

○寺島委員

 基本的にこれを変更すべきだという意見じゃないんですけれども、私もこの国立大学の評価委員会がスタートしてからずっと参画させていただいているんですけれども、この評価委員会がもう大分定着してきて、ある程度軌道に乗ってきて、そこからいよいよ、形式化したり、書面主義化したりしているのをどう改善するかという局面に入ってきているんだと僕は思うんです。すり合わせという作業はものすごく重要で、現場で支えている学長とか、それを支えている人たちと向き合うことというのがすごく意味があるんだということを僕自身も何回も体験させていただいているんですけれども、例えばこの経年変化の中で、民間企業で言えば、中期経営計画のすり合わせみたいなことを積み上げていることになるわけですけれども、それを進化させることをちょっと考えなきゃいけなくなってきているんじゃないかと、つまり形式化して、書面主義化するのを脱皮していく必要があると。具体的にどうするんだといったときに、例えばここで評価委員会をチーム編成にして、細かく担当の大学と向き合うといっても、勢力がかなり分散してそがれちゃうと。そろそろ一定のパターンが確立したところで、例えば今年は重点10校とかに決めて、集中的に国立大学の法人化が一体何をもたらせているのかということについて精査するような、例えばそれが10校がいいというのではなくて、5校でもいいんですけれども、性格の違うような5校について、かなりディテールにわたって調べる、踏み込むということをやったほうが、例えばすり合わせをしても、自己評価から上がってくるものに対して妥当であるかどうかということで、せいぜい問題を提起してみるぐらいしかできないので、この大学評価委員会を形骸化させないためには、例えば学長もこの間、幾つもの大学が学長がかわって、例えばリーダーシップが変わったと思われるようなところだとか、幾つか重点的に例えば掘り下げるなんていうようなことをやってみるだとか、その分、もう一般的な、形式的なことに終わりがちなヒアリングについては少しエネルギーをセーブして集約してみるだとかという工夫が必要な局面に来ているんじゃないかなという気がするんです。順番にいつ回ってくるかもわからないという形でこの評価委員会のあり方が定着してくれば、むしろ中身の濃い評価とか、現場の動きというのが掌握できるんじゃないかと。とかく、1回やってみてほんとうに感じるんですけれども、ヒアリングは意味があるんだけれども、何回もやっているうちにだんだん形式化したり、書面化したりしますので、そのあたりを、何か1個改善するということも、ひとつ今年あたりから加えてもいいんじゃないかなというのが僕が申し上げたいことです。

○野依委員長  

 ありがとうございました。大変貴重なご意見をいただきました。緊張感を持って評価しろということだろうと思います。ほかにご意見はございませんでしょうか。南雲委員。

○南雲委員  

 16年度、17年度、18年度と単年度評価が終わりまして、今年は19年度の評価とともに、中期目標に対する、これもなかなか、私は民間人ですから、6年の目標を4年間の実績に基づいて中間チェックをしようということですね。そうすると、ヒアリングは1回なんですよね。ですから従来の単年度と同じスタイルをとりつつ、加えて中期目標に対して中期計画の進捗状況をチェックして評価をしましょうと、こういうことなんですが、問題は、中期目標は6年ですから、残された2年間、これは推定なんですけれども、各大学が目標に掲げたものを、4年間で達成されたものと、しかしそれは計画段階で5年目、6年目で達成しようという計画もあると思います。それはどのように我々はチェックをするのか、それは要らないんだと、あくまでも19年度までの実績に基づいて中間評価をしてくれというのか、そこら辺がクリアでないと、次の中期目標を立てるときには、4年のものを見るのか、推定した2年のものも勘案しつつ、新たな目標を確立するというふうにこの評価制度が動くのか動かないのか、そこがちょっと私はまだクリアでないので、もし何か1つの考え方があれば教えていただきたいと思います。

○野依委員長  

 ありがとうございました。事務局の考え方をちょっと披露してください。どうぞ。

○事務局  

 先ほどの資料1-2をご覧いただければと思いますけれども、そちらに先ほどご承認いただいた実施要領がございますけれども、そちらの9ページをご覧いただければと思います。この評価は、まず法人による自己評価を前提にしておるわけでございますけれども、9ページの真ん中から下のあたり、今回の提出いただく実績報告書におきましては、16年度から19年度の業務の実績につきまして、自己評価をしていただいて、進捗状況を示していただくわけでございますけれども、その際ということで、20年度、それから21年度の中期計画の実施予定につきましても、記載事項をもとに記載をしていただくと。例えば、年次進行を伴うプロジェクト型の計画等、性質によっては、それも勘案したほうがよい場合には、それも踏まえて評価を行うという位置づけになっているものでございます。

○野依委員長  

 よろしゅうございますか。ほかにございますか。清水局長、どうぞ。

○事務局  

 私から、寺島委員が提起された問題と関連して、今、私どもが抱えている状況を若干ご説明申し上げたいと思っております。

 当法人評価委員会が、いわゆるこの法人化以降4年間のいわば暫定評価をおやりいただき、そしてその暫定評価の結果をもとに、各国立大学法人は次期中期目標・計画にというステップになるわけでございます。一方、その中で、私どもが当評価委員会との関係、あるいは今後第2期の中期目標・計画期間がスタートするに当たって、財政的な問題をどう考えるかということの1つのスケジュールがございます。

 これまでの法人化の流れで申し上げますと、22年、つまり来年の概算要求の段階で、私ども次期中期目標・計画期間における運営費交付金の算定について、本評価を踏まえた財政措置のフレームをどのような形で行うかということについての基本的な考え方を、この約1年半近くで各国立大学法人と意見交換をしながらまとめることになります。その際、大まかに言えば3つの視点があるだろうと思っております。

 1つは、4年プラス2年を見据えた4年間の各大学法人の努力と成果というものの評価というものを踏まえて、期首、次期計画のスタート台における全体としてのそれぞれの法人のスタートの地点をどんなふうに反映させる仕組みとするか、期首の高さの問題があると思います。

 それと同時に、そういうものを踏まえて、平成23年度まで私どもに財政構造改革ということで求められている、いわゆる効率化問題について、病院の経営改善係数も踏まえて、今、すべての大学に一律という形で進めている効率化というものを、効率化の努力は各大学に求めるにせよ、どのような形、今のような各大学の特性、置かれた状況を踏まえない形でいいのかどうか、これが2点目の私どもの問題意識でございます。

 3点目の問題意識は、今、特別教育研究経費というようなことで、一方で効率化の中で、絃は絶ちながら、一方でさまざまな組織の改編、あるいは各大学がいろいろな形で各年努力して新しいベースをつくろうとしているのに対して、枠組みがつき過ぎて、自主性、自立性を阻害しているのではないかというご議論もあるし、一方で、そういう努力というものをきちんと応援するというのであれば、そこのところの応援する仕方のほうを、どのようなものとして準備し、どのように各年センシティブに対応できるようなフレームとするか、おおよそこの3つが私どもの現在の時点での問題意識であります。少なくともこの1年半の間に、一定の基本的な方向性をまとめて、当評価委員会の結果というものを十分に踏まえ、新しい算定ルールのもとで概算要求をするというふうなことが1つでございます。

 また、運営費交付金の配分とは別に組織のあり方の見直しという問題をどのように考えていくのかという問題を、次期目標・計画期間中も続けてということにもなりましょうけれども、そのこともあわせて取り組んでいただかなければならない状況でございます。

 したがいまして、当法人評価委員会には膨大な資料と膨大な作業をお願いている一方で、そういうものと半歩距離を置き我が国の大学システムのこの10年間を考えた場合に、国立大学は、いわばどういう役割を果たすべきなのか、強みと弱みは何なのか、ある部分でそこの中で本当に見直していくべきは何なのかという議論を、当然、問題意識として持っております。そういう意味で、まさにこの大学の評価というプロセスを通じていろいろなご意見をちょうだいできればと思っており、そういう意味で、少しこの数回で国立大学についてのフリーディスカッション用のバックグラウンドデータもできるだけ用意しながら、当評価委員会でいろいろなご議論も実は私としてはお伺いしたいと思っております。例えば、科研費等で国立大学法人の財務構造分析等を行っている幾つかのレポート類が、若干、時点としては、まだまだ時間は足りないんですが、まとまっていたりもします。例えばそういうものもご議論の参考に供するというのもあり得るのかなと思っており、また、評価委員の方々が持っている問題意識をもう少しフリーに、いろいろな今後のあり方も含めてお伺いできるような機会を設けるということもあるのかなとも思っております。また、寺島委員が今、提起されたような、もっと何をもたらし、今、法人化がいろいろな意味で、運営面のみならず、財務構造面としてのトータルシステムとして何をもたらしているか、あるいは課題は何かということをもっとトータルにつかみたいなとは思っているんですが、なかなかまだ、いかんせん、率直に言っていろいろちょっと時間などが足りないということで、いろいろな方法、工夫はあると思います。お忙しい先生方にお願いしているわけですから、いかようにも私どもそういう形の設営は工夫させていただければと思っています。それだけは申したい。長々と申しわけございません。

○野依委員長  

 よろしゅうございますか。ほかにご意見はございますでしょうか。

 それでは、年度評価、それから中期目標期間評価のスケジュールは、おおむねこのようなことで進めさせていただきたいと思います。

 それから、各評価チームの人選につきましては、私と各分科会長にご一任いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 次に、国立大学法人の中期目標・中期計画の変更についてご審議いただきたいと思います。事務局から説明してください。

○事務局  

 資料3に基づきましてご説明申し上げます。

 中期目標・中期計画の変更については、あらかじめ当委員会のご意見を聞いた上で行うこととされております。

 本日は、国立大学法人58法人及び大学共同利用機関法人2法人から申請のあった案件のうち、先月開催されました専門部会により議決された事項のほかに、16法人から申請のあった案件についてご意見をお伺いするものでございます。

 なお、机上に中期目標・中期計画に係る新旧対照表、変更後の中期目標・中期計画の一覧、重要な財産を譲渡する計画の説明資料をファイルにとじましてご用意しております。適宜ご参照いただければ幸いでございます。

 それでは、まず1の教育研究組織の設置に伴う目標・計画の変更につきましてご説明申し上げます。全体の11法人でございます。

 まず1つ目が、教職大学院の設置に伴うもの、ここにございます8法人でございます。具体的な中期目標・計画の変更の内容につきましては、資料の2ページから6ページに掲げてございます。教職大学院につきましては、平成19年3月に専門職大学院設置基準等の改正が行われ、制度化がなされたところでございます。国立大学におきましても、北海道教育大学をはじめ、15大学におきまして、来年度、この平成20年4月から教職大学院が設置される予定となっておりまして、今回、そのうちの8大学から、現行の中期目標・中期計画を今後の研究組織を踏まえた適切な記載内容に変更したいということで申請があったところでございます。内容は2ページ以降のところでございます。

 また、教職大学院以外の学部、研究科等の設置に伴う変更といたしましては、金沢大学以下の3法人でございます。具体的な変更の内容につきましては、資料の7ページから12ページに掲げておるところでございます。

 3大学ございますが、金沢大学につきましては、学際性を意識した全人格的な教育と専門的な資質を備える専門教育を同時に行う複線型の教育及び共通的な基礎教育を充実するとともに、学生の志望進路や将来計画といった修学の動機の変化に対応できるよう、学部とは異なります教育研究上の基本組織といたしまして、学域及び学類を設ける改組を行ったところでございます。現在8学部ございますが、これを3学域16学類に改組するものでございまして、この改組に伴う変更でございます。

 また、高知大学につきましては、新たに総合人間自然科学研究科を設置することに伴う変更でございます。文理統合型の教育研究を進めるために、既存の研究科の一元化を図り、各専門分野の学術的真価を担保しつつ、人間、自然のみならず両者の総合的な影響関係、問題を総合的にとらえることを特徴とした研究科でございます。

 最後の九州工業大学でございますが、これは先進的かつ先導的な工学系教育の実現可能な教育研究体制を構築することを目的といたしまして、既存の大学院組織の一部を学生の所属組織である学府と教員の所属組織である研究院に改組するものでございまして、この改組に伴います変更でございます。

 以上が教育研究組織の設置に伴う目標・計画の変更でございます。

 次に、新たな構想が具体化したことによる計画の変更ということで、東北大学以下4法人でございます。内容といたしましては、世界トップレベル研究拠点プログラムに採択された事業を推進するための変更、いずれも4大学ともこの変更でございます。

 世界トップレベル研究拠点プログラムにつきましては、資料の一番最後のページ、15ページに概要をつけさせていただいておりますので、そちらをご覧いただければと思います。このプログラムでございますが、高いレベルの研究者を中核とした世界トップレベルの拠点形成を目指す構想に対しまして集中的に支援を行う事業でございます。平成19年度の採択拠点は、東北大学、東京大学、京都大学、大阪大学及び物質・材料研究機構、5件でございまして、今後の支援期間としては10年間となっているところでございます。採択されたホスト機関につきましては、そのホスト機関の中期計画にこの事業を明確に位置づけた上で、機関を挙げて全面的な支援を行うことが条件とされておりまして、この条件を踏まえ、今回、東北大学以下4大学から中期計画の変更の申請があったところでございます。具体的な内容につきましては、資料の13ページにございます。

 最後に3のところでございますが、附属病院の施設・設備の整備を推進するための計画の変更でございます。島根大学1法人でございます。島根大学医学部附属病院におきましては、施設の老朽化・狭隘化によりまして、医師の養成あるいは診療提供に支障を来していることから、病棟の増築、既存施設の改修といった再開発整備を来年度、平成20年度から行うことといたしておりまして、その事業を中期計画に明確に位置づけるものでございます。具体的な変更内容については資料の13ページに掲げているところでございます。

 説明は以上でございます。

○野依委員長  

 どうもありがとうございました。

 それでは、今の説明に関してご質問、ご意見はございますでしょうか。

 ないようでございます。それでは、文部科学省としては原案のとおり中期目標を変更して、中期計画の変更を認可したいという判断でございます。これに対しては意見なしということでよろしゅうございますか。

 それでは、そのようにさせていただきます。

 なお、中期目標・中期計画の変更につきましては財務省との協議をするということでありまして、認可等の手続が終わる前に変更があった場合などの扱いについては私に一任していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 これより、それでは報告事項になります。

 まず、各分科会に付託された事項の審議結果等についてご報告いただきたいと思います。まず、事務局から説明してください。

○事務局

 それでは、資料4-1から4-3までに基づき説明しますが、まず資料4-3をご覧いただければと思います。国立大学法人法の規定に基づきまして、文部科学大臣が認可を行う際に、あらかじめ本委員会の意見を聞かなければならないとされている事項がございますが、そのうち資料4-3に記載されてる事項につきましては、本委員会から分科会に付託され、さらに分科会から業務及び財務等審議専門部会に付託されておりまして、いずれの事案につきましても、専門部会における審議をもちまして議決とさせていただくという取り扱いになっております。

 ということで、資料の4-1をご覧いただければと思いますが、1点目は、平成19年12月21日開催の第15回の専門部会におきましてご了解いただいた案件でございます。平成19年10月1日をもって大阪大学と統合した大阪外国語大学の財務諸表の承認と、統合後の大阪大学への中期目標期間への積立金の繰越承認についてでございます。文部科学大臣が承認をするということになっておりますが、それに先だって専門部会においてご審議いただき、ご了解いただきまして、12月28日付で文部科学大臣が承認を行っているというところでございます。

 2点目は、本年2月27日に開催された第16回の専門部会においてご了解いただいた案件でございます。国立大学法人の中期目標・中期計画のうち、「重要な財産を譲渡し、又は担保に供する計画」、「中期目標期間を超える債務負担」、それから「別表」に係る変更につきまして、専門部会においてご審議をいただき、ご了解いただいたものでございます。

 3点目でございますが、国立大学法人の長期借入金及び長期借入金の償還計画につきまして、専門部会においてご審議をいただき、ご了解いただいたものでございます。

 1枚めくっていただければと思いますけれども、4点目は国立大学法人の役員報酬規程及び役員退職手当規程の改正につきまして、社会一般の情勢に適合したものであるかどうか、専門部会においてご審議いただき、ご了解いただいたところでございます。

 以上4点が国立大学法人に係る事項についてのご報告でございます。

 次に、資料の4-2をご覧いただければと思います。大学共同利用機関法人分科会におきましても、2月29日に業務及び財務等審議専門部会を開催しておりまして、そこでご了解いただいた案件についてのご報告でございます。

 まず、重要な財産の譲渡に係る中期計画の変更について2法人から申請があり、それぞれの事案につきまして、ご了解いただいたところでございます。その審議の際、重要な財産の譲渡について、中期計画の作成時に譲渡の計画があるのであれば、あらかじめ盛り込んでおくべきではないか、また、中期目標期間の途中で生じた案件についても、実施の時期、価格等が決まってから計画を変更するのではなく、譲渡を計画した時点で中期計画の変更を行うべきではないかという意見がございました。

 2点目は、平成20事業年度における長期借入金償還計画の認可について1法人から申請があり、民間金融機関への債務償還についてご了解いただいたところでございます。

 3点目は、大学共同利用機関法人の役員報酬規程の改正について3法人から改正の届け出があり、ご了解をいただいたところでございます。

 以上3点が大学共同利用機関法人に係る事項についてのご報告でございます。

 以上でございます。

○野依委員長  

 このことにつきましては既に専門部会でご審議いただいているわけでございますけれども、何か特段のご質問、ご意見がございましたら、お伺いしたいと思います。いかがでしょうか。ございませんか。

 それでは、今後も専門部会でのご審議をお願いしております委員の先生方には多くの事柄について対処いただかなければいけないと思いますけれども、よろしくお願いいたしたいと思います。

 その次に参りまして、大学等訪問の活動について事務局から報告願います。

○事務局  

 資料の5でございますけれども、大学等の訪問につきまして、総会でもご案内申し上げたところと承知しておりますが、本委員会の委員の皆様方にぜひ大学の現場の姿をご覧いただき、意見交換をしていただきたいということで実施しておるところでございます。

 前回の総会以降、鳥取大学、京都大学、上越教育大学、山形大学、兵庫教育大学の5大学を訪問させていただいております。

 今後、4月から6月にかけましても、国立大学あるいは大学共同利用機関に積極的に訪問してまいりたいと考えております。先生方におかれましては、ご多忙中恐縮でございますが、改めて日程を紹介させていただきますので、都合がつくものがございましたら、ぜひご出席をお願いできればと思っております。

 以上でございます。

○野依委員長 

 どうもありがとうございました。

 それでは、実際に大学を訪問された委員の方々から、何かコメントがございましたらお願いしたいと思います。南雲委員、どうぞ。

○南雲委員 

 今年で3年目を迎えまして、過去に訪問した大学との意見交換で出た意見とさほど変わらないと思いますが、今回、私は鳥取大学と京都大学、そして兵庫教育大学と行ってまいりました。特徴的な意見交換の大学側の意見も含めて感想を述べたいと思います。

 まず1つは、新しく国立大学法人になって外部評価という形で評価制度が設けられることによって、大学の自主性であるとか、あるいは大学のリーダーシップといいますかができるようになったことは非常にいいと、それからもっと目に見えない、書類に書く内容ではないんでしょうけれども、何といっても大きなよかった点は、大学の風土といいますか、教職員を含めて、意識改革、あるいは大学がそれぞれの個性あるミッションを持っているわけですけれども、そのミッションの共有化といったものについては大変貢献しているということで評価をされた内容であります。

 それからやや、批判ではないんですけれども、今後我々も研究しなきゃいけないんですけれども、どうもいろいろ評価の仕組みを出しますと、ちょっと勘違いも大学側にあると思いますけれども、あまりにも標準化といいますか、すると、それぞれの大学の持つミッション、あるいは個性、あるいは独自の研究とか、そういうものが何か横並びにされちゃって、何か味のない形になっていくことがあるとすると困るというような意見もございました。この評価の仕組みはそうではないと答弁しておきましたけれども、若干、どうしても比較をしがちな人たちもいるわけです。我々は比較をするために評価をしているわけじゃなくて、それぞれの大学が掲げた中期目標に対して、どのように自己評価をして、どう達成されたかというものを客観的に見るという仕組みになっているわけですから、しかしそういう意見があるというのは何かどうしたのものかと。ただ、こちらとしては指標ですね、どうしても例えば社会貢献であるとか、学生支援をどうしたとか、学長のリーダーシップはどうかだとか、項目を見ると一緒なんです。しかし中身はそれぞれ違うわけです。その項目が一緒になると、何か横並びにされるんじゃないかというようなことがありました。

 それからもう1点、最後ですけれども、先ほど少し意見がありましたけれども、この評価の結果が次の中期目標作成に対して、内容以外に、要するに財政的支援といいますか、財政の配分といいますか、これがどうなのかということで、やや科研費などの、あるいは外部資金の導入とか、そういうものについては高く評価されるんだと、そうすると工学系の大学と、それから文学系というんですか、あるいは教育学部なんかもそうでしょうけれども、そういう科研費が取れる工学系とは規模だとかがちょっと違うと。したがってそういうのはあまり、何か新しい指標でもあったら教えてくださいと私は質問したんですけれども、特にあるわけじゃないけれども、何かそうされると、日本の文化だとか、あるいは歴史であるとか、ほんとうの教育者育成といったものについて財政的な支援が弱まるのではないかという心配じみた意見もあったことは事実でありますので、私は総会で報告だけはしておきますと、どうするという結論は出せないわけですから、そんな意見があったことが私の訪問した大学との意見交換の主な内容でございます。

 以上です。

○野依委員長 

 どうもご苦労さまでした。

 ほかにございませんでしょうか。いらした方。上のほうから鳥取大学、勝方委員。

○勝方委員

 鳥取、上越教育、兵庫教育の3大学へ行ってまいりました。いずれの大学でも、この4年間の評価が次の計画の立ち上がりにどのように使われるのかということを非常に考え、恐れておりました。ある大学では、自己点検評価方式に今回の評価の大きな特徴があるんだから、大学の個性に応じてという精神を徹底してほしいと、まかり間違ってもランキング方式になって、それが次の配分に使われるというようなことがないようにと、それを最も恐れると。それからある大学では、その大学のミッション、国立大学としてのミッションに基づいた評価、配分にしてほしいと、それぞれの大学に明確なミッションがあるはずであるから、それの遂行に向けてどうなのかと、中心的な課題と周辺的な課題とそれぞれ分けて、優先順位をつけて重みをつけてやってほしいということです。これは今の教員養成系大学での話ですけれども、おそらく言いたかったのは、教員養成系の新構想大学の最大の使命はいい先生を育てることにあるのだから、いい先生を育てているかどうかというところの判断で重みをつけてほしいということを言いたいんだろうなと私は聞いておりました。

 それから、あと2つ感じたことを。1つは、地方国立大が地域に向き合い出したということを痛感いたしました。例えば鳥取大学では、過疎の地域に、廃校になった小学校に拠点をつくって、そこに医学部、農学部等の学生が行って直接的な地域貢献を行っている。教員養成系では、それぞれの先生の専門をわかりやすくリーフレットにして、各小・中学校に配って、直接生徒にこういう部分だったら使っていただけますよという活動をやっている。これが法人化後の1つの特徴であるなということです。

 それからもう1つ、最後ですけれども、地方国立大でも非常に競争的な環境が入ってきたなということを感じました。教員養成系大学では今回の教職大学院、それからその大学院生、これをどのように獲得していくのかと、それはもう口コミで評価が伝わっていくわけですから、その部分での競争が激しくなっている。地方だと、2年間丸々派遣を受けて、そこで寮生活を行って大学院に行かなきゃいけないけれども、大都市部だったら、1年学校へ通って、あとは自分の勤め先から通って、レポートを提出し、論文という方式がある。これに地方の教員養成系は非常にハンディを負っているという意見があり、片や、それを乗り越えてこそ新構想の大学なんだという考え方あり、いずれにしても、大学院生の獲得、教職大学院も含めて、これから苛烈なことになっていくであろうなと、これでよくなっていけばいいなと思いました。

 競争ということで言えば、鳥取大学の学長は自分の大学のことを「我が社」と表現するんですが、我が社の中からスターが引っこ抜かれてしまったと、鳥インフルエンザの研究で業績を上げた研究者がいらしたんだそうですが、関西の私立の大学に高給で引っ張られてしまったと。じゃあ、成果に応じた給料をあげればいいじゃないですかと言ったんですけれども、ちょっとけたが違うということでありましたが、こういうことも今後どうなっていくのかなと考えております。

 以上です。

○野依委員長 

 どうもありがとうございました。

 それじゃ、上のほうから、京都大学に行かれた和田委員。

○和田委員 

 私は京都大学と、それから山形大学へ行かせていただきましたが、それぞれ特徴のある大学で、それぞれの違いが大変興味深い意見交換になったと思いました。

 評価については、この評価制度そのものについての功罪は、もちろん評価疲れという言葉のように大変だということはあるけれども、事務職員の意識が高くなった、あるいは教員の教育に対する熱意が非常に高まったというようなことで、組織が、あるいは教育研究活動が活性化したということは皆さん十分にお認めになっていたようであります。

 それから、京都大学では貸付金という言葉、山形大学では学内バンクという言葉があって、それについてお尋ねしたんですが、経営努力認定を受けた目的積立金の使用等も含めて、予算の弾力的な運用、つまり、どうしてもこちらでこれを使いたいというときには貸した形にして、その次には、今度、次の部局がそれを使うというような、予算を弾力的に運用ができるようになったと、それを非常にうまくやっていらっしゃるように感じました。

 もう1点ですが、2つの大学とも、これまでの年度評価に対する感想と、それから次期の中期目標・中期計画について、あまり細かくじゃなくて、もう少し大くくりで示していきたいと、そういうふうなことを希望していらっしゃいました。

 以上であります。

○野依委員長 

 どうもありがとうございました。

 それでは、山形大学にいらした荒川委員。

○荒川委員

 中規模の地方大学ということで、前から一生懸命やっておられます。前学長さんのプランということでもって、学長がこういうプランをやりたいということを明確に出して進めてきたわけです。それで、昨年9月に学長が変わられて、今度は4年間でこういうことをやりたいというプランを出してきたということは非常にいいことじゃないかなと思っています。そこには中規模大学、地方の大学でなければいけない何かがやれないかということを明確に示したということ、特に今回は学生の視点に立ってやると、それから教育、とりわけ教養教育に力を入れると、これが原点であると明確にして、そしてそこでみんなにやってくれということを言ったことは、非常に僕は印象に残っておりました。その中で、大学の使命である研究は、各学部で売り物があるはずだと、その1つには、そういういいものを重点的に伸ばしていこうということも出ていましたので、そういう意味では非常によかったなと思って、全体の意気込みが感じられました。

 それからもう1つは、やはり地方大学ですから、地元の高校生、あるいは地元の社会にいかに山形大学に注目してもらうかということに対して、単なる宣伝でなくて、実績をどう知ってもらうかということでもってもかなり努力されているような気がいたしました。

 それからもう1つ、私は附属病院を見たわけですが、今、ご存じのように臨床研修が始まっていろいろと言われまして、地方の附属病院が非常に危機的な状態にあると言われていますが、これは確かにそのとおりであるかもしれませんが、それをどう乗り越えるかということに対してはかなり前向きに考えていると私は思いました。それは、1つはやっぱり病院自身がどういった病院であるべきかということを自覚しております。といいますのは、山形地方で、もし山形大学附属病院がこけたら山形県の医療がなくなってしまうという立場で、非常に重い立場があるわけです。それを理解して、どうしていこうかということについてかなり一生懸命やっていると、そして、実際は全国から学生が来るわけですけれども、とりわけ山形大学を卒業した学生が、できれば山形の医療を支えてもらいたいと、そのためにはどうしたら魅力があるものとなるのかということに対してはかなり一生懸命やっています。そして教員が実際に高校へ出かけていって、いろいろなことを話すとか、あるいはまた病院でいろいろなことをやるんですが、研究に関して言えば、1つのことに特化したいと、これはがんですけれども、場合によっては基礎講座を変えても、内科の講座でがんをやるというぐらいのかなり大胆なことをやっていますが、そういうことを含めて、小さい大学だけれども、意欲的だなということを感じました。

 以上でございます。

○野依委員長 

 どうもありがとうございました。

 何かご意見、ご質問はございますでしょうか。今、大学病院がいろいろ問題になっておりますけれども、いかがでございますでしょうか。

○荒川委員 

 私は非常に頑張っておると思います。それでちょっと心配していますのは、評価に出てくるのは、頑張った、頑張ったという評価ですね。普通は、患者さんが増えました、収入が増えました、来院の人が増えました、これをやりました、これをやりました、これはまさに立派なので、評価Aということはまさにそのとおりなんですけれども、その中に構造的なもろさがないのかと、俗に言いますと、臨床教員のレビューや論文が多少減っているなんていうことを言う雑誌もありますので、やはりこれは構造的にもう一遍、教育、研究をやる病院をどう支えるかということを考える必要があると、それをぜひ文部科学省として支援していただいて、医者をつくるのは附属病院しかありませんので、ぜひそこを支えていってほしいなと思っております。

○野依委員長 

 ありがとうございました。大学の活動で、大学自身の努力でできることと、それだけではできないことがあろうかと思いますので、そういった点を評価の場合にもしっかりとしていかなきゃいけないと思います。どうもありがとうございました。よろしゅうございましょうか。

 それでは、評価委員会が大学等を訪問して、大学の現状を把握して、そして大学関係者と意見を交換するということは今後とも評価の充実に大変有効な手段だと思いますので、引き続き訪問活動をお願いしてまいりたいと思っております。

 それでは、国立大学法人について自由に意見交換を行いたいと思いますが、まず、国立大学の現状につきまして事務局から説明していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○事務局 

 それでは、意見交換の参考資料といたしましてご用意いたしました「国立大学の現状」という資料をご説明させていただきます。前回の総会におきまして配付させていただきました資料に、今回、若干つけ加えさせていただきまして提出をさせていただいております。簡単にご説明させていただきます。

 まず、2ページ以降でございます。ここは各大学の状況というよりは、法人制度あるいは法人の運営費交付金など、法人全体にかかわる仕組みないし状況につきましてご説明しているところでございます。2ページ目が国立大学法人化の経緯、そして次の3ページが法人化の目的についてでございます。次に4ページが、国立大学法人の組織の仕組みについてでございます。また、独立行政法人と国立大学法人の制度上の相違点を整理したものが5ページでございます。

 その次の6ページ以下が運営費交付金あるいは財政状況についての資料でございます。6ページは交付金の基本的な考え方、特に第1期の中期目標・期間における算定ルールの基本的な考え方を示したものでございます。また、7ページにつきましては、具体的な算定のルールでございます。8ページは、16年度以降、交付金がどのように推移しているのかということでございます。3つのパーツ、青色と黄色、あるいはピンク色ということで分かれてございまして、全体額としては減少してございます。その次に9ページでございますが、これは国立大学法人の収支状況につきまして、決算の状況でご説明をしております。平成18年度の決算状況でございます。その決算状況でございますが、10ページ目、次のページでございますが、各大学の類型によりまして状況が違うということで、分析としましては、人件費、物件費の比率、あるいは外部資金、あるいは授業料収入、病院収益といったものがどれだけの割合なのかということを整理したものでございます。

 次に11ページ以下でございますが、国立大学法人となりまして、大学がどのように変化をしたのかということを事例で紹介しているものでございます。11ページが法人化以前は制度上はできなかったものができるようになった事例、また12ページは、一定の制約のもとで法人化前も可能であったけれども、さらに法人化後、各大学の裁量により可能となった事例、あるいは13ページ以降は、法人化以前も取り組みは可能であったが、法人化によって取り組みが促進されている事例ということで14ページまでございます。

 その次に15ページ、16ページ、17ページの資料でございますが、国立大学の配置に関する資料でございまして、15ページは法人化前後からの再編・統合の状況を整理したものでございまして、全体として約3割の大学が再編統合を経験しているという状況でございます。16ページは種類、規模ごとの大学、17ページにつきましては国立大学の配置状況を整理しているところでございます。

 18ページ以降が各大学ごとの状況でございまして、棒グラフで示してございます。学生数、そのうちの学部学生数、大学院学生数が20ページのところ、さらには外国人学生数が21ページでございます。また、そのうちの大学院学生数については22ページでございます。それぞれのところで、国立大学ごとの数字に加えまして、我が国全体の中で国立大学、私立大学、公立大学の割合につきましても円グラフで整理をしております。また23ページにつきましては教員数、また24ページにつきましてはそのうちの外国人教員数についてでございます。

 25ページ以降でございますが、これは前回の総会におきまして、荒川委員から教員養成系の大学についてご指摘をいただきましたので、それに対応する形で資料を追加させていただいております。免許状の種類別の認定課程を有する大学等数が25ページ、さらにはそのうち、教職課程のうち、教員免許取得に必要な授業科目すべての単位取得を卒業要件とする課程、いわゆる教員養成課程について、入学定員の推移を示しているところでございます。ご覧いただけますように、ほとんどが国立大学となっております。また、次のページは教員養成大学の学部の卒業者の状況と教員の就職状況についてでございまして、卒業者数は定員が減るに従って減ってございますが、一方で近年の教員需要が高まっておる中で、就職率が増加しているという状況がございます。28ページが博士の学位授与状況でございます。

 29ページ以降が、先ほど全体の状況をご説明した運営費交付金についての各大学ごとの配分額でございます。31ページでございますけれども、科学研究費補助金の配分額でございます。また32ページにつきましてはグローバルCOE及び21世紀COEの配分額でございます。さらに34ページでございますが、国公私立大学を通じた大学教育改革支援事業の配分額、その後に受託研究、あるいは共同研究、寄附金、あるいはベンチャー件数、あるいは学術論文数といったところで各大学の状況をお示ししているところでございます。

 駆け足で恐縮でございましたが、以上でございます。

○事務局 

 それでは、ソフトに引き続いてハードのご説明をしたいと思います。前回、蛭田委員から施設・設備はどうなっているんだという話がございましたので、若干詳し目にご説明したいと思いますが、資料6-2に基づいてご説明させていただきたいと思います。

 ページをおめくりいただいて、1-1でございますけれども、経年別保有面積と書いてございますが、これは国立大学の施設を経年別に並べたものです。右が新しいもの、左が古いものです。25年以前のものは何らか手をつけなければいけないだろうということで、手をつけたものが黄色とみどりのハッチングのところです。純粋に黄色のところがまだ何も手をつけていないところで、これが830万平米ほどございます。全体2,550万平米ですので、約3分の1はまだ改修が必要だということになります。あわせて、昭和56年、耐震基準も変わっておりますので、大体そこがリンクするのではないかなと思っております。

 次のページですけれども、1-2でございます。これは保有面積の推移でございますが、これは平成8年度を初年度として並べたものですけれども、保有面積も少しだんだん増えておりますが、問題なのは老朽面積という赤のハッチングのところです。平成8年度は全体に対して28%が老朽面積だったんですが、平成19年度は33%で、右のグラフは平成8年度を100としたときに、赤い折れ線グラフですけれども、老朽化が進んできていると、19年度は141%まで行っているんですが、これがさまざま平成18年度の補正予算、平成19年度の補正予算等々の効果もあり、これは推計値でございますけれども、2年間で少しは減ってくるのかなということを考えております。

 その次ですけれども、1-3ですが、じゃあ、どのようにして進めているんだという話ですけれども、第2期科学技術基本計画、これは平成13年度から5年間の計画ですけれども、ここの中にも施設整備をきちんと計画的にやれということが書いてございまして、5カ年計画というものをつくりました。その結果を検証してみると、なかなか老朽というところが進まなかったんです。それを踏まえて、第3期科学技術基本計画においては、老朽施設の再生を最重要課題として計画的にやっていけということになっております。

 それを踏まえて、右のほうですけれども、第2次5カ年計画というものをつくってやっております。中身は老朽施設の再生を最重要課題ということで、人材養成と研究拠点と、あと附属病院というような方針でやっております。目標としては、緊急に整備すべき対象を重点化しておりますけれども、540万平米、金額にすると1兆2,000億円ぐらいになるかなと考えております。

 あわせて、そういう支援も当然あるんですが、大学独自の施設のマネジメント、全学的視点に立った施設運営・維持管理、スペースの弾力的・流動的な活用ということもあわせてお願いしておりますし、国費以外の新たな整備手法ということもあわせて推進していると、促進しているということでございます。例えば寄附とか、自己収入、産業界・地公体との連係ということが考えられると思います。

 おめくりいただいて4ページ目でございますけれども、施設マネジメントということを推進しておりますが、何かということですが、スペースとコストとクオリティーという3つの観点から施設マネジメントを推進しております。大学等施設の効率的な管理と戦略的な活用を図るためのトップマネジメントと位置づけてやっているところでございます。特にスペースマネジメントについては、従来、固定的な使い方がされていたんですけれども、それを弾力的・流動的にプロジェクト研究にも対応できるような使い方をしていこう、利用度の向上等によって有効活用をしていこうという取り組みでございます。

 右のグラフですけれども、2年間の比較しかございませんが、17年度から18年度に比べて共同利用スペースというものが増えてきているというような状況がおわかりかと思います。コストのマネジメントも、財源の確保と費用対効果の向上ですとか、資産価値の維持、クオリティーマネジメントについては施設の機能性、安全性、居住性等の質の向上というものもあわせて見ていってくださいねということを大学にはお願いしております。

 それとあわせてですが、次のページでございますけれども、5ページでございますが、国費以外の手法として、新たな整備手法と呼んでいるわけでございますが、寄附による整備ですとか、あと地公体との連係による整備、特に地財特法の改正によって研究開発のものですとか、特に昨年末に特定の人材育成のものも地公体から大学に寄附できるようになりましたので、そういうものですとかを活用してやっている。あとは地公体自身が大学のキャンパスの中に建物を整備したりしているものですとか、あと3番ですけれども、他省庁の補助金を活用して国立大の施設を整備しているですとか、あとは借用、自己収入、目的積立金等を活用した自己収入等による整備、あと6番では17年にこれは制度改正したんですけれども、長期借入金によって学生宿舎ですとか、家畜病院ですとかを整備しているということが進んできておるところでございます。

 それらをあわせて、次のページでございますけれども、第2次緊急5カ年計画がどれだけ進んでいるかということを示した表でございますが、右から2番目の合計と書いている540万平米に対して、今現在、先ほどの新たな整備手法による自助努力の整備分も加えて、合計で248万平米、46%の進捗状況になっておると。実際、今、3年目でございますので、少しおくれているかなというところはございます。

 次のページですけれども、7ページでございます。次は研究の設備の現状でございます。ここに書いてあるグラフは、学術研究設備のうち、1億円程度以上のもので共同利用に付しているものを並べているものでございます。これも経年ごとに並べておりますが、これは左が新しいもので、右が古いもので、平成17年現在の数字でございます。ですから、これは3年経過しておりますので、若干、現在は右のほうにシフトしているかなということでございます。この設備の内容は、例えばヘリウムの液化装置でありますとか、電子顕微鏡でありますとか、そういうようなものがここに整理されております。実際、導入後10年以上経過して、更新時期を迎えているんですが、更新がなかなかできていない状況であるということでございます。

 その次で8ページ目でございますが、そういう中で、2番目の丸でございますけれども、各大学においては設備マスタープラン、設備の更新計画を策定して、計画的な整備に努めているところでございます。文部科学省としましても、支援ということで、その下の枠でございますが、老朽化・陳腐化した基盤的な研究設備や学術情報基盤設備を整備ということで、運営費交付金で24億円、これは平成20年度の予算案です。その下で、施設据えつけ型の大型のものでは、施設整備費補助金で64億円予算案で確保しているところでございます。

 あと、その次は参考でございます。これは平成20年度の施設整備の予算案ですが、その上に書いてあります平成19年度の補正予算案で、これは先月ですか、国会を通ったんですが、889億円という耐震化を中心とした施設の整備で補正予算を確保したということでございます。その下は平成20年度の予算で921億円という予算を、今、確保してございます。

 次のページでございますけれども、施設整備の921億円の内訳でございます。財源的には、これは下から施設整備費補助金412億円、その上に行って長期借入金453億円、これは財政融資資金の借り入れで行っている附属病院の整備等に使っているお金です。その上が施設費交付金56億円、これは営繕費に使っているところでございます。土地の処分収入を財源としているところでございます。

 その次のページでございますけれども、施設整備の予算を平成8年からずっと並べたものでございますが、一番下が財政融資資金、いわゆる借金で附属病院の整備をしている部分です。その上の白い部分が、これは国費の部分でございます。さらにその上が、黄色い部分が補正予算で、かなりでこぼこしておりますけれども、補正予算を活用しながらやってきているという状況がおわかりかと思います。

 あと次のページでございます。学術研究設備費の推移、平成4年度から並べてございますが、これも当初予算と補正予算とを活用して今まで行ってきたということでございます。

 以上でございます。

○野依委員長

 どうもありがとうございました。

 それでは、ご意見を伺いたいと思います。どうぞ。

○寺島委員

 ここは中央教育審議会じゃないので、役割はよくわかっているんですけれども、メッセージとして、大学評価委員をやっていて痛感することがあるんですが、今、資料6でご説明があったように、大学評価委員会からのメッセージも、それから国立大学から上がってきているものも、大学の改革に向けて一定の成果が上がってきているという数字なり、あれがよく見えるんですけれども、現実に今、僕は2つの性格の違う株式会社シンクタンクと財団法人シンクタンクを率いていて痛感することがあるんですけれども、大学が一生懸命改革をやって、つくり出して、さっきも出ていましたけれども、大学院が増えてきて、また新たに教育系の大学院が増えるというような形で案が出ていましたけれども、さっきの数字を見ていると、大学院で今、26万人日本に在学生がいるんですけれども、僕の問題意識を整理していくと、1つ現実問題として、現場に極端な高学歴ワーキングプアというのが生まれてきているんです。つまり仕事がないんです。大学院で一生懸命、大学が個性化して、大学改革に取り組んで送り出してくる学生を受け入れる世の中に対する突き抜けていくメッセージがないと、幾ら大学をせっついて、頑張って改革しろと言ってみたって、せつない話で、それと留学生を増やせということで、各努力して一生懸命留学生を増やして向き合っているんだけれども、じゃあ、日本で育った留学生が日本の産業界とか日本の社会でどれだけ活躍していける場がつくられているのかといったら、全くないわけです。出口もないのに、一生懸命改革しろ、改革しろといって大学評価委員会でプッシュしているような空気があるわけです。

 そうなったときに、僕が言いたいのは、大学評価委員会としても大学現場の抱えているそういうメッセージを受けとめて、中教審なり文科省と連動して、そういう人たちの受け皿づくりに対して社会に対して発言していくとか、訴えていくだとかという、何といいますか、人間の顔をしたメッセージがないと、評価委員会というのは大学を追い詰めて改革を促しているけれども、何なんだという話になりかねないんじゃないかと僕は思うんです。そういう方向に今、現実に幾つかプラットホームをつくろうという努力をしているんですけれども、そういうようなものも激しく出していく必要があるんじゃないかなとつくづく今、思います。

○野依委員長 

 ありがとうございました。特に理工系なんかに関しましても、今おっしゃった人数の、工学系では八十数%、理学系でも六、七十%ぐらいがマスターを修了して実社会に出て行くわけですから、そこでどういうふうな教育をするかということは、今までの後継者養成型といいますか、学者養成型の教育であってはならないと思っております。考えなければいけない問題、何に対してどういう目的で教育するかということですね。局長、どうぞ。

○事務局 

 メッセージの件はともかくとして、今、中教審でやっている状況だけ、ご報告をさせていただきたいと思います。

 今、私ども中教審大学院部会において、大学院博士課程のあり方について審議をスタートさせております。問題の意識は今の大学院のいわゆるミスマッチやポスドクの問題、あるいは全体としての雇用の状況、あるいは就職の状況とのミスマッチ問題というものをもう一度全体として振り返る必要があるのではないかと、こういう問題意識です。

 現実にそういう中で、例えば留学生の問題はまた別途留学生特別委員会でやっておりますけれども、留学生30万人という中で、留学生の就職率は、今、国内に残る9,000人ぐらいのうち約30%が国内で就職しているというふうな状況で、もっともっとまさに出口の問題、別な言い方ですれば、大学院と同じコンテクストで考えれば、入り口と出口というもの、そしてそれを支えるカリキュラムを含めた体制、そしてそれは、翻って言えば、別な意味で大学院生を、ややもすると補助者として使いがちな我が国の研究体制の問題とも関連してくるかもしれませんけれども、そのあたりも含めて、全体として早急にこれは結論を出そうということで、今、やっているところです。

 また評価委員会の中で見られましたいろいろな課題、問題意識について、私どもからもまた中教審にも紹介をさせていただきたいと思っております。

○野依委員長 

 ありがとうございます。よろしゅうございますか。

 それでは国立大学の現状、それから施設・設備の整備の問題、ご説明がございましたけれども、何かございましたでしょうか。では、柘植委員、どうぞ。

○柘植委員 

 2件、1つは意見と、1つは、実はぜひ、この大学評価委員の新参者で、どういう目で私の命題を見たらいいかということを文科省あるいは委員の方から教えていただきたい2点なんですけれども、1点は、今の清水局長のおっしゃった、特にドクターの問題ですけれども、やはり産業側から見ると、今、10人ドクターが生まれると7人はとにかく研究・教職には永住できない、つまり7人は産業側で活躍してもらわなきゃいかんぐらいの、大体そういうプロポーションだと思うんですけれども、そうすると7人の育て方と3人の育て方は違うのであって、そのあたりはぜひとも各ドクターを生み出している大学の中で、どういう分け方の、教育を分けているか、3人を育てるのと7人を育てるということも、ぜひそこは、今度また中教審の問題になっちゃうのかもしれないけれども、私も見ていきたいと思っています。

 2点目の話は、ぜひとも教えていただきたいと思うんですが、私は科学技術の政策側におりまして、そして特に第3期の科学技術基本計画を立てるのに参加したわけですけれども、あの中で、総合科学技術会議の立場としては、基礎研究の多様性と継続性を担保しながらも、かつ、科学技術の成果を国民社会に還元するんだという、そういう意味でのイノベーションという言葉を使って第3期の計画は出されたわけですけれども、大学の教育と研究の現場の先生たちに聞くと、もう総合開発技術会議のおかげで、学内は社会に何が役に立つ、どう役に立つんだということばっかりでの、ファンディングでの審査にせよ、追われてしまっていると。基礎研究の多様性と継続性の担保なんていうのは、いわゆる損なわれているような、教育と研究の現場の先生たちからいろいろ聞いています。

 これは科学技術政策側から見ると全くすれ違いというか、2つの点で非常に危惧をしていまして、1つは基礎研究の多様性と継続性を担保するというものがほんとうに壊れてしまっているのかということと、それからそういう実態から見ると、逆に科学技術が社会経済に役に立つというイノベーションに対して嫌悪感まで持つようなマイナスの効果ですね、非常にそれは国民、我々にとって不幸な話です。その辺を起こしている原因が私はよくわからなくて、この評価委員の中に入れていただいて、今回の評価の中でメスを入れる部分があるのかないのかも私はよく見えていなくて、そういう面で、文科省なり委員の方々から、もしサジェスチョンいただけたらと思います。

○野依委員長 

 私もその点を危惧しておりますけれども、私は大学と産業界のミッションというのは明白に違うと思っておりまして、大学はイノベーションの担い手ではあり得ないんです。しかしイノベーションの中で、国の中でのイノベーションが生まれるために一定の役割を担うということですね。大学の人たちがミスリーディングなところは、自分たちがみんなイノベーションをしなければいけないというふうな強迫観念を持っているところがあって、私どもは基礎科学研究というのは大学でやるべきだろうと思いますし、それから産業界はイノベーションを担うわけで、そのあたりのバトンゾーンが大変大事であって、ミッションは違うのであるけれども、共通の目標に向かってある種の協力関係を持つ、そういう場が必要じゃないかと考えております。

 ですから国としては、ナショナル・イノベーション・エコ・システムといいますか、あるいはグローバル・イノベーション・エコ・システムのようなものをつくっていくことが必要じゃないかと思っております。特にイノベーション、特に経済的な、あるいは社会的な価値観を生むということですけれども、今、取りざたされているような環境、エネルギー、資源を含む、非常に地球的な、あるいは社会的な大きな問題については、大学の個々の先生の力というのはまことに無力であって、そういったものを解決することはとてもできない。しかし、その中の1つのプレーヤーとして大事な役割を果たすんじゃないかと思っております。それがごちゃごちゃになっているんじゃないかというふうな懸念を、今、柘植委員がおっしゃったことについては私は感じております。

○柘植委員 

 その原因を知りたいんですけれども。

○野依委員長

 原因は、1つは大学の財政状況が非常に逼迫しているので、どこに今、どうすればお金がおりてくるかという、そのあたりが大きな問題じゃないかと思っております。私ばかりでは。山本委員。

○山本委員

 今の柘植委員の、私が把握している限りのことを申し上げますと、法人化になって、基礎研究のいわゆる、とりわけ国立大学で非常にお困りになっていることは、要するに先生方といいますか、研究室に行く金が減ったわけです。それは運営交付金の効率化係数の影響では決してないわけなんですが、その誤解も一部にはあるんですが、実は学長のリーダーシップであるとか、学内の競争的な資金をおつくりになったものですから、平等に行く金が減ったわけです。したがって、研究室の維持管理をすれば、あとは自由に使える金が非常にショートしてきたという事実は最初ありました。それに対して、また今、それを少し補正しようという学者先生の動きがあるんですが、ですから基礎研究で、後の資料にもありますが、科学研究補助金等の競争的資金が取れないという状況になりますと、日本全体の基礎研究のアクティビティーというのが、お金を取れるところは順調に伸びますけれども、取れないところはかなり苦しい状況にあるということは事実だと思います。

 それと、文化系においては金が必要じゃないんじゃないかというご議論もあるんですが、先ほど少し鳥取大学の話も出たんですが、実はもう1つ、国立大学といいますか、日本の大学全体が置かれている状況からいいますと、待遇の問題ですね、とりわけ文化系の大学においては、今や研究費は、先ほどのような状況があるものですから、私立大学の有力大学のほうが実は多くなりつつあるわけです。国立大学でも一部の有力大学は別ですが。そうすると、まさしく引き抜きなり、異動というのが実は有力な先生をめぐっては実はもう起こっておるんです。東大でもかなりの先生が定年を前に移りつつあるという状況が現実にあるんです。ですからそこら辺は、日本全体の科学技術という側面においても、あるいは学術研究という点においても、全体の優秀な方はもっと伸びていかなきゃいけないんですが、ただ、そういう待遇の問題であるとか、そういうところで移ってもらうことが、果たして日本全体の学術の向上になるかどうかということは非常に微妙な問題が実はあるんです。ですからそこら辺は、評価に当たっても各委員の方はぜひ見ていただきたいと、私どももちょっと調査をしているものですから、そういう状況だけ申し上げて。

○野依委員長 

 ほかにございませんでしょうか。唐木委員、どうぞ。

○唐木委員 

 今のお話とも関係するんですが、この法人化によって大学のお一人お一人の先生方の研究環境であるとか、教育の環境であるとか、そういうことがどういうふうに変わってきたのか、またこれから変えていけるのかということがとても重要な点かと思うんですが、こちらの資料を今、拝見しまして、国立大学の現状の11ページのところなんですけれども、裁量労働制の導入ということが書かれていまして、私はこれを今、拝見しまして、大学の先生方の労働環境というのは以前より究極の裁量労働制ではなかったのかなと思うんですけれども、例えば企業なんかですと、もう10年も前からこういう裁量労働制というものが導入されて、現在、おおむね、例えば労働時間の長期化でありましたり、また年度期初に設定した、コミットした内容、目標成果に対する評価が公正になされるかどうかというようなさまざまな問題が浮上している時期なわけですけれども、こちらにこのように裁量労働制ということが書かれておりますと、特に医科系の大学ですと、教育であったり、臨床であったり、また先生方の研究であったり、非常にお忙しい面があるかと思うんですが、こちらに書かれております中で、例えばこの裁量労働制という意味ですけれども、研究期間が確保できるような、そういう改革であったり、何かそういう面を含みますのかどうかをお教え願えれば幸いです。

○事務局

 ここのところにつきましては、法人化以前は制度上できなかった事例ということで挙げさせていただいてございまして、このとき、今のご質問についてなかなかどう申し上げたらいいのか、ちょっと難しゅうございますけれども、これまで国家公務員につきましてはこういった裁量労働制につきましては導入できなかったわけでございますけれども、今回、法人化をすることによりまして、こういった裁量労働制という形で雇用することができるようになったと、これは各大学で別に必ず裁量労働制にしなきゃいけないと、あるいはすべての職員を裁量労働制に移行しなきゃいけないということではございませんで、各大学で判断によりまして導入することにしているわけでございまして、そういった中で、1つの事例といたしまして東京医科歯科大学におきまして導入したということをご紹介させていただいたということでございます。

 これがどういう意味を持つのかということはなかなか難しゅうございますけれども、各大学におきまして雇用管理をする中で、こういったこともできるようになったということをご紹介させていただいたということでございます。

 すいません、ご質問の趣旨にきちんと答えられていないかもしれませんが、以上、お答えさせていただきました。

○野依委員長

 局長、どうぞ。

○事務局 

 補足させていただきますと、先ほど彼が言ったのは、どうしても公務員制度の場合で勤務時間の概念、いつから始まって何時にという勤務時間の概念があって、現実に言えば、大学の教員職の場合ですと、例えば医学部の場合だと、勤務時間って一体何だろうという話がありますし、理工系でも、実験も含めて、実際上はかなりフィクション的なところがあるわけです。ただ、いずれにしても、一方で文化系はどうかという議論もありまして、そういう中でそういう勤務時間という、いわばそれに対する対価という、何といいますか、そこの問題が1つあるわけですが、もう1つは、法人化によりまして、各就業規則の中でそういういろいろなシステムをとるようになると同時に、それは勤務時間とあわせて、あとはいわば、概念的に言えば、40時間勤務職員がいれば、30時間勤務職員もあり、その間の兼職、兼業というかたいシステムもまたもっと柔軟な形でとれるようになりますよね。いわば、裁量労働制というのはいろいろな意味が実はそれぞれの研究者あるいはお医者さんも含めて、対応によっていろいろな意味を、いわばフィクションをちゃんとどういう形で整理するかという問題もありますし、一方でどのぐらいの勤務の職員を求め、それに対して兼職とか兼業とか、そのあたりのいわば管理、服務管理みたいなものはどんなものにするかという整理の問題、したがいまして、今起きているような、いわゆる裁量労働制に向けて、労働関係、労働環境の問題というのは、どちらかというと大学の部分は、今まで勤務時間とあれというのはあまりにかけ離れているというのが率直なところではないかと思います。

○野依委員長  

 ありがとうございました。蛭田委員、どうぞ。

○蛭田委員

 実はこの6-2の資料を、前回、私がお願いした件もあるので、この資料について3つほど理解しにくいところがあるものですから、質問というか、コメントというか、申し上げますと、もともと1兆2,000億円を5年間でやるとすると、大体2,400億円ぐらいないと合わないんだけれども、どうして800億円とか900億円ということでいる、どっちが正なのかなというのが、これは国の予算の仕組みなんでしょうけれども、もし900億円なら、これは1兆2,000億円じゃなくて6,000億円の計画で5年計画ならわかるけれども、こういうことってよくあるんですかねというか、あるんですねというのが、ます最初、よくわからない理由です。

 それから2つ目は、予算が900億円だけれども、そのうち同額ぐらいまた921億円補正予算でやられるけれども、ほんとうに必要なものなら、初めからどうして予算にならないんでしょうねということが我々民間から見るとよくわからない点なんです。

 それから、これは国の仕組みだから、私ども民間の視点だけで申し上げたのでは、多分、的外れなのかもしれませんが、もっと言えば、こういう議論をここでやっていいのかどうかわかりませんが、ただ、それをやるのに、強いてこの評価委員の仕事と関係づければ、311億円が外部資金であったと、したがって今後、国の予算はこのぐらいしか出せないから、外部資金であと何千億やるということを5年の中期計画に立てなさいということのほうが評価基準になっていて、セットであれば、つながるのかなと、そこのところが明確になっていないと、何となく今の2つ、まず1つ目、絶対額が全然合いませんねということと、それから重要な項目だとすれば、どうして半分以上補正予算に入るんだろうというのが2つ目の理解できない点です。

 それから3つ目は、最後のページの世界トップレベルの研究施設というような案件が出てきたけれども、ここは幸いにして補正予算がなくなってきたのはいいことだと思うんですが、絶対額が減っていく中で、ほんとうに一方での世界最高レベルの研究施設という政策と、ほとんど研究施設費があまり増えていないということとの整合性はどうなるんでしょうということがよく理解できない。だからといって、これは増やさないわけにはいかないですね。

○野依委員長 

 局長、お願いします。

○事務局 

 3問まとめて私から答えます。基本的に、なかなか難しいところがございまして、1つは、おっしゃるとおり、これが整備目標540万平米、もともとその前に第1次の緊急5カ年整備計画は私が責任者でつくっていましたので、私からお答えしますけれども、正直言って、国の場合、ある程度期待値的な意味を込めて計画をつくっているところがあります。したがって、いわば具体的に各省で行われている行政上の目標的数値と、それを担保するための予算というのが必ずしも一致しない、むしろそのほうが多いのではないかと思っております。

 もう1つ、その意味でここはぜひ施設部になりかわってちょっとこういう場でご理解を求めたいと思うんですが、国立大学の施設予算というのは、いわゆる公共事業予算というカテゴリーの中に入っておりまして、要は国のシーリング上ですと、いわば公共事業の有用性云々、あるいは価値云々ということはまた別のことで議論していただくこととして、全体にそういう中で、国として例えば毎年毎年度の予算のシーリングを決める際に、公共事業はマイナス3%するんだということを議論いたしますと、自然に公共事業予算の中に含まれている国立大学の施設予算の要求のシーリングも減っていくということの中で、実はそういうことの予算もこの中に入っているんだと。そういう、いわばシーリングの影響を受けない唯一のカテゴリーが補正予算でございますから、勢い、いわば当初シーリングでは我が国全体の公共事業予算のシーリングに合わせつつ、実態面をカバーするために補正予算というものを取りに行くということの中でさまざま動いているということが状況でございます。

 そういう意味でいうと、私どもの主張は本来の公共事業予算という皆様が観念しているものとは別に、国立大学の予算はきちんと伸ばしていただきたいと、もともとは、かつては年額1,000億円ぐらいあったわけでございまして、そういうものに戻したいというのが担当者からの切なる願いでございますが、なかなかそういうことで国全体の予算構造の中で制約があると。

 それから設備の点を申しますと、実は設備も全く同じような話がございます。もともと本来大型の設備、それは建物と一体となっているような設備につきましては、実は施設予算の中でやってまいりました。そういう関係で、かつては補正予算の中で大型施設の補正予算をしてきたわけでございます。ところが近年になりますと、老朽あるいは化対策のほうが最優先課題となって、本来でありますれば、補正予算の枠がもうちょっと大きければ、むしろ設備も入れていただきたかったと。しかしながら、補正予算の規模の関係で、むしろ設備が入らなかったおかげで、最近は設備に関しては補正予算がなかったというのが我々の本音でございます。

 したがって我々とすれば、かつて実は平成7年度ぐらい、平成5年度ぐらいにたくさん補正でつくっております。それが今、一遍に老朽化をいたしまして、これの更新だけで大体千数百億円要るという中で、具体的には補正予算を活用するということが1つ大きな、むしろ委員のご指摘にちょっと逆らう、担当者の気持ちとすれば、ぜひ何とか設備について、もう一度補正予算を活用して整備をしていきたいというような気持ちがございます。

 もう1つ設備の問題を非常にわかりづらくさせておりますのは、さまざまな競争的資金、あるいは研究委託費のような大型の研究プロジェクト予算の中でも、実は設備は購入できるのでございます。したがってここに出ているのは、どちらかというと国立大学の運営交付金という形で算定されている設備費でございますが、これ以外にもさまざまな各種の競争的資金、あるいは研究事業プロジェクト予算の中で設備を購入しておりまして、大変行政としてだらしないところではございますが、そういったことで、一体、国立大学としてどれだけ設備を購入しているかという実態がよくわかっていないというところがちょっと情けないところなのでございますが、こういった問題がございましす。1つは、いわば、ややこしいのは、設備に関してはそういう形でさまざまな財源があること、そしてまた、もとより、小額の設備あるいはあまり大きくない設備でございますれば、国立大学の自主的努力でも設備が購入できているという問題がございまして、その点、もう一度きちっと、私どもで設備マスタープランをつくった段階では、そういったところはストックとしての設備状況については明らかなのでございますが、毎年フローで実際ほんとうに設備費がどれだけ入っているのかどうかということもまだ確認できておりません。

 もう1つは、幾つかの競争的資金については、自由な場合もありますが、そうではない制約がついている場合がありまして、競争的な事業が終わった段階で返還をしなければいけないとか、他に転用できないとかという制約がついている場合がある場合と、自由に転用していい場合がありまして、そういったものの取り扱いもあって、なかなかきれいにそれを整理することができないということになっております。

 1問忘れましたが、施設予算の関連で申し上げれば、なぜ本来のストックベースみたいなものに対して必要額というものが、じゃあ、大学に任せるのかということになりますと、ここはなかなか難しいんですが、国立大学の土地、建物及び施設については出資をしているわけでございます。当然、出資をしている以上は、それに関する更新は国の責任で行うという建前から、また責務から、施設費補助金というものがセットされているわけですが、現実に予算が足りていないと、そういう中で国立大学では、私どもで既に3年前に、一般の病院の長期借入金とは別に、国立大学が施設設備等に対する投資的経費のための長期借入金制度もつくりましたし、さまざまな努力をしておりまして、本来、出資財産に係る更新、新設は国の責任で行うべきところ、若干、こちらの予算が足りないから、そこのところのいわば責任の主体というものが若干不明確になっているというようなことで、多分、委員、全体の構造がわからない点だと思っております。

○蛭田委員 

 評価するときに、財務的にどういう状態になってほしいという枠組みをお示ししてあれば、それに向けて各大学はやりようがあるかと思うんですが、今のようにいろいろな抜け道があってよくわかりませんということになると、我々は財務的な自立性の評価ってどうやればいいのかなということになりかねませんかねという意味でご質問させていただいた。

○野依委員長 

 それは、国は必要なものを全部投入すべき責任を持っていると思いますけれども、高等教育に関して言えば、施設・設備に限らず、その他の費目に関しましても絶対的に公的財政支出が不足していると思います。どうしようもないので、国際競争力を持ち得ないと私は思います。ですから国民的な議論を起こして、高等教育に対して公的財政支出を倍増するぐらいしないと、国際競争力は持ち得ないと私は思っております。

 池端委員、どうぞ。

○池端委員 

 先ほど柘植委員がおっしゃったことにかかわって、2つ、多少現場的な感覚も含めながら申し上げたいことがございます。

 1つは、この研究にかかわって、基礎研究の多様性や継続性の担保ということはどうなっていくのかというような問題、これは評価はちょっと抜きにして、現実にどうありつつありますかという問題だと思うんです。私は、これが非常に難しいのは、国立大学に限れば、法人化して以後、大学においてやる仕事が非常に増えたわけです。どこの大学に行っても教育は非常に一生懸命やるようになったと、今までは先生方が多少教育を手を抜いても研究を一生懸命やっていたと、だけど、教育こそ大学の使命ですよということで教育を一生懸命やると、しかしながら、一方では競争的資金を取って研究をやらなきゃいけないという現状もあって、研究もやらなきゃいけないと、社会貢献は、国際貢献はどうしているかと、情報発信をしなさい、これは、とりわけ教員のものすごい労働強化になっているわけです。

 私が今のところ一番憂えているのは、この教育とか社会貢献とか国際貢献という中で、どれだけ研究の時間が担保されていくのか、しかも多様性といったものが担保されていくのかということについては非常に危機感を持っています。

 危機感を持っていますけれども、ここが非常に難しいところで、今、こういう場なので危機感を持っていますというのはニュートラルに言えるんです。しかし、私も評価を受けた経験がございまして、去年やったことと、頑張って言います。前へ前へ行ったことを一生懸命言うわけです。どこを一番言うかというと、特記事項のところです。特記事項にかかわるところを一生懸命言うわけです。特記事項でないところで生じている問題は何なのかということを多少申し上げたいと思いますが、それは大学を弱体化しますね。ですからできるだけそれは、生じている問題については言いたいことはたくさんあるんだけれども、まずは特記事項で頑張っていることを申し上げてくると、多くの大学はそれをなさっていると思うんです。

 だからこそ国立大学は前に行っていることは間違いありませんし、法人化によって、いわゆるガバナンスというものを国立大学がほんとうに考えるようになったわけです。経営というもののガバナンス、教育のガバナンス、研究のガバナンスということを非常に考えるようになりました。これは今までなかったことであって、私たちの頭の中にガバナンスががちっと入ったなんていうのはここ数年のことなんです。その限りで、私は法人化ということはすばらしかったと思っておりますけれども、もう1つの問題が生じていると。あまりにも、そして当初に予定されていなかった1%率の人員削減をやりますよと、それはなかったわけです。仕事だけは増えていくんだけれども、人員削減になると、おまけにスタートしたときの格差の問題が非常にございますから、人員が豊かなところとそうでないところは、87か9の大学の中にございますから、それはもうあっぷあっぷしながら優秀な教員が頑張っておるという問題がある。これが1つです。

 それからもう1つの問題は、中期目標・中期計画の評価についてどうしたらいいのかと。当初、中期目標・中期計画に掲げていないことを評価しないでくださいというのが現場の意見だと思います。つまりおっしゃったように、いろいろな成果を上げていますかと、こういう部分についてはどうですかという、例えば建物一つに関しても、PFIでやっているところはあるじゃありませんかと、おたくはできなかったんですかと言われて評価されたら、それは困るわけです。いろいろな事前に目いっぱいやろうと思って、その当時にらんだことは6年間でこうだったと、それで一生懸命進んでいる、よそがもっと進んだから、あるいは社会情勢がこういう中でこういうこともやってもらわなきゃならない、これは大変苦しいことだと。

 先ほど、前のほうに言えばよろしかったんですが、留学生の問題がございます。留学生は今、しきりにもう一回、10万人の時代からもう一回の波が来ているわけですけれども、留学生こそ手間暇のかかる学生はいないんです。留学生1人引き受けるのは日本人学生10人分に値するぐらい、この人たちが文系の論文を出すときは、私を殺す気かと言いたいぐらい論文に筆も入れなきゃなりませんし、日本語にしなきゃならないから、いろいろなことがございます。ですから、留学生30万人計画があって、しかもそれが大学院生であるというのであれば、それなりの教育者の手当をしないと、これは日本の教育が何であるかというのを後々評価される、悪い評価を生み出すと思います。この程度の教育で学位を出したのかということになりかねないと思います。ですから私は、今の留学生を多くするということは、広い視野から見て、当然のことだという一方の判断がある反面、大学の実力、つまり人の問題からいって、それだけ引き受けた際に、果たして学位の質を落とさない立派な教育をすることができるのだろうかという危機感もございます。

○野依委員長 

 どうもありがとうございました。いただいた時間がないんですが、またお一人。

○飯吉委員 

 今後の評価のプロセスで、ぜひ一度皆さんで検討していただきたいと思うのは、今までのいろいろな議論の中で、あくまでもこれは相対評価であると、中期目標・中期計画に対する達成度を評価するのであって、絶対評価のようなものは入らないんだということが基本にありますね。ただ、それは個々の大学についてはそれでいけると思うんですが、今日出たように、それでは国立大学が全体としてほんとうに法人化してからレベルが上がったんだろうかどうなのか、質的にどう変わったんだろうかという全体の姿が評価から抜けてしまうおそれがあります。むしろ、やはりこの評価委員会の大事なことは、最後はそういう国立大学の今後の進むべき方向を評価委員会として提言するようなことをしないと、今日も野依先生からも出ました国際競争力、最近私は下がっているんじゃないかと思うんです。そういうようなことは、次の中期目標・中期計画のときはぜひ強化することを各大学というか、この辺もまた機能分担の問題もありますから、そういうことも重視した中期目標を立てるようにというようなことも含めて、これは一例でございますけれども、少し全体の評価の基準のようなことをぜひ議論していただければと思います。

○野依委員長 

 いただいた時間がなくなりましたので、今日はこれで終えたいと思います。これらの意見を踏まえまして、今後検討の参考にさせていただきたいと思います。

 議事は以上ですけれども、事務局から連絡事項はありますか。

○事務局  次回の日程でございますけれども、また改めてご連絡を差し上げたいと思っております。7月から実際の評価の作業をお願いすることになりますけれども、具体的な日程ですとか、メンバーの人選等について、また各分科会長とご相談して、早急に確定しまして、ご連絡を差し上げたいと思っております。

○野依委員長 

 どうもありがとうございました。

 それでは、本日の議事はこれで終了させていただきます。どうもお疲れさまでした。ありがとうございました。

 

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(高等教育局高等教育企画課国立大学法人評価委員会室)

-- 登録:平成22年03月 --