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 平成13年度の科学技術振興調整費のあり方について 

 平成12年8月10日
科学技術会議政策委員会

  1. はじめに

      科学技術振興調整費(以下、調整費という。)については、先般策定した「平成13年度科学技術振興に関する重点指針(平成12年6月29日科学技術会議政策委員会決定)」において、来年1月に発足する総合科学技術会議が策定する我が国全体を俯瞰した総合戦略を真に実現し誘導するための政策手段の一つとして、その目的が十全に達せられるよう抜本的な見直しを行うこととしたところである。 
      このため、科学技術会議政策委員会としては、平成13年度の予算編成にあたり、調整費のあり方について検討を行い、意見を取りまとめた。後述する検討課題も踏まえ、平成13年度の予算編成がなされることを期待する。 


  2. 基本方針

      我が国における科学技術の健全な発展を目標として、基礎研究と国家的・社会的課題に対応した研究開発の均衡の取れた推進の観点から、総合科学技術会議の政策誘導手段として効果を発揮するために、現在行われている次期科学技術基本計画の検討状況を踏まえ、平成13年度の調整費の活用に当たっては、次の点に留意することが必要である。 

      政策誘導効果を十分に発揮させるべく、各府省の施策や他の競争的資金には馴染まない、横断的な科学技術システム改革及び先導的・試行的な研究を推進すること。 
      特に、科学技術システム改革により、研究開発を活性化させるための研究環境の構築に重点的に取り組むこと。 

      なお、調整費内に設定したプログラムについてはサンセット方式を徹底し、一定の期間後に廃止することを原則とすること。ただし、評価の結果として存続する場合は改めてその意志決定を行うこと。 


  3. 具体的施策

      上記の基本方針の下、平成13年度の調整費では、以下のプログラムを実施することが必要である。なお、個々のプログラムの執行・運用に必要となる選定の考え方、対象分野等は、引き続き総合科学技術会議において検討されることを期待する。 

     (1) 世界一級の研究拠点育成
      研究マネージャーの優れた構想とリーダーシップの実現により、国際的にも魅力のある個性豊かな研究機関を創出するため、優れた研究機関に集中的に支援する。 
     (2) 若手任期付研究員支援
      若手任期付き研究員が自立的研究に専念できるよう、向上心に富み、柔軟な頭脳を持つ若手任期付き研究員のうち、特に優秀な研究者を支援する。 
     (3) 新興分野人材養成
      世界における我が国のリーダーシップを確保し、新興の研究分野において優れた研究成果をあげつつ、不足しがちな研究者を早期に育成するための研究ユニットを機動的に設置する。 
     (4) 我が国の国際的リーダーシップの確保
      これまでの我が国の国際的な科学技術活動における主体性の乏しさを打破するため、国として積極的な対応が必要な国際的な活動を支援する。 
     (5) 先導的研究の推進
      我が国全体の研究開発を先導するため、潜在的可能性を有する萌芽的な研究開発、試行的・パイロット的研究プロジェクト、地域における科学技術の振興に資する研究開発、知的基盤の整備や緊急に対応を必要とする研究等を機動的に推進する。 
     (6) 科学技術政策提言
      国家的・社会的な重要課題について、自然科学・人文科学に亘る広範な研究者を糾合した俯瞰的視点に立った分析による、社会に目を向けた政策提言の充実を図る。 

      なお、上記プログラムのうち、(2)及び(5)についてはオーバーヘッド制度の導入により、研究機関に競争的資金を獲得するインセンティヴを付与し、我が国の研究環境を活性化させる。 
     (7) 既存プログラム
      既存プログラムは廃止する。なお、プログラム内で複数年度に亘り継続することとして現在実施している課題については終了年次まで継続する。   


  4. 今後の検討課題について   調整費を単独で捉えた場合、以上のような見直しが考えられるが、平成13年度予算編成においては、省庁統合等による施策の融合化や効率化等を十分反映させるものとされていることを踏まえ、調整費及び他の関連する制度・施策について、次期科学技術基本計画の議論と並行しつつ、融合化・効率化等の観点から十分に検討がなされるべきと考える。 



 (参  考) 

 調整費の抜本的見直しを行う背景 


 (1)行政改革 

  内閣総理大臣に対する諮問・答申のみならず、関係大臣への答申や自発的な意見具申を行える等、極めて強い機能を有する総合科学技術会議の発足にあわせ、当該会議の総合推進調整の実をあげるための調整費について、政策誘導効果をより一層高める必要がある。 
  また、国立試験研究機関の大宗が独立行政法人化し、試験研究機関の態様が多様化する中、国研のみを対象としてきたプログラムを見直す必要がある。 

 (2)次期科学技術基本計画の検討 

  次期科学技術基本計画策定に向けた議論の中で、研究開発投資を有効に活用し、国際的に見てレベルの高い研究成果が創出されるよう我が国の科学技術システムの改革を行うことが重要であるとされており、調整費の在り方にもこれを反映させていく必要がある。 

 (3)現行の調整費の総括・評価 

  調整費は、昭和56年度の創設以来、産学官の連携や基礎研究の促進等を旗印として、研究開発成果をあげることのみならず数々の新規施策の立ち上げ等にも大きな役割を果たしてきた。 
  一方、創設当時大きな問題であった研究現場における研究費不足を背景に、結果としてその主眼が「課題研究の推進」に偏重されてきた側面がある。しかしながら、現行科学技術基本計画の下、国研の試験研究費等が増額され、また、競争的資金の数も増加されるに至り、課題研究として調整費以外の資金が幅広く活用される状況となり、従来どおりの課題研究を中心とした運用では、調整費の独自性が低下し、相対的に効果が表れ難くなってきている。 
  また、調整費内に設けられたプログラムが固定的に運用されてきた結果、調整費が本来目指した柔軟性や機動性が損なわれている。 

  これらの状況に鑑みれば、これまで、課題研究の推進を中心にしてきた調整費は、総合科学技術会議の政策実現に資するよう、科学技術システムの改革や先導的・試行的な研究の推進を中心として柔軟に対応できるものに転換していくべきであり、調整費内に設けられたプログラムについても全面的に見直すことが必要である。