平成20年2月27日10時〜12時
文部科学省 3階 1特別会議室
中村会長、丹羽会長代理、石榑委員、今村委員、梅田委員、甲斐委員、加藤委員、小佐古委員、篠原委員、高倉委員、東野委員、西澤委員、野崎委員、平井委員、廣瀬委員、古田委員
厚生労働省 佐藤指導課長、徳本医療放射線管理専門官
放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター 辻井センター長、金井物理工学部長、国際医療福祉大学 佐々木放射線医学センター長
森口科学技術・学術政策局長、川原田原子力安全監、野家原子力安全課長、梶田放射線規制室長、桐生放射線安全企画官 他
委員からの主な質問及び意見は以下の通り。
【平井委員】
被ばく線量の推定に関連する作業時間は、実際にはどの程度の幅があるのか。
【辻井センター長】
実際の作業時間測定の結果、施設により多少の違いはあったが、数倍も変わることはなかった。
【小佐古委員】
今回の被ばく線量評価のような場合は、放射線防護の観点からは、想定される保守的なモデルで評価を行うという様式化アプローチという手法を用いる。実際には様々なバリエーションがあるが、モデルを想定して評価するということが重要である。
【丹羽委員】
日本は重粒子線治療において先端的なことを行っている。今回のような報告書も世界標準として使える議論のたたき台になるように、英文にして海外に出すことも考えて欲しい。
【篠原委員】
被ばく線量の今回の評価と実測値の比較はあるか。
【辻井センター長】
実測値で、現実に問題となるような値は今まで出たことはない。
【甲斐委員】
放射化したボーラスやコリメータなどは、その後どのように扱っているのか。
【金井部長】
放医研では3年間保管し、線量の確認を行い(管理区域)外に出している。再加工しての再利用は行っていない。
【高倉委員】
陽子線と炭素線では、陽子線の方が線量が高くなっている。この要因は何か。
【金井部長】
同じ吸収線量を与えるためには、陽子の方がより多くの粒子を照射しなければならないためである。
【小佐古委員】
コリメータ、ボーラスそれぞれの役割は何か。
【辻井センター長】
コリメータは金属であり、ビームの広がり方向の制限を行う。ボーラスは、厚さのある吸収体で、深さ方向の調整、ビーム形状の調整を行うためのものであり、個々の患者のCTから計算して作成するものである。ボーラスの材質は施設により多少異なるが、アクリルやプラスチックが使用される。
【小佐古委員】
基本的に問題はないと考えるが、作業者の被ばく評価において、内部被ばくに関しても留意が必要であろう。また、治療中に作業者が照射室に立ち入らないのであれば、実際の被ばく上問題にはならないとは思うが、照射粒子のエネルギーが高いため、どの換算係数を使用するかという点にも留意が必要であろう。さらに、すぐにというわけではなく、また、他省庁とも関係することであるが、放射化した物の廃棄の扱い、クリアランス制度について、検討・準備を進めていくということを意識しておくべきであろう。
【加藤委員】
ボーラス・コリメータ等は材質がほぼ決まっており、極端に材質が変わり、放射化生成物が大きく変わるということはないという理解でよいか。
【辻井センター長】
材質としては、多葉コリメータは鉄、患者コリメータは真鍮、ボーラスはポリエチレン等の水素、酸素、炭素、窒素などでできている物である。これらの材質は、粒子線治療の歴史の中で試されてきたということもあり、これからバリエーションが増えるというのは想定されない。将来的には、スキャニングビームを使用するなど、コリメータ等を使用しない方向に進んでいる。
なお、ボーラスの放射化に関しては、ベリリウム-7、炭素−11が主成分であり、コリメータでは、コバルト、クロム、マンガンが生成される。
【梶田放射線規制室長】
放射化に関して、空気・水については、今までの粒子線治療施設の実績から、また、保守的なモデルケースの計算評価を行っており、治療室への立ち入りに関し、特段の規制が必要なレベルではないということを確認している。また一方、固体放射化物、クリアランスの問題については、検討対象となる放射線発生装置の種類、出力に応じた区分、範囲を明確にすべく現在調査を進めており、基準の整備を進めていきたいと考えている。
【小佐古委員】
評価する対象を限定し、評価のプロセスを標準化するという作業が重要であり、その部分を意識して進めて欲しい。
【野崎委員】
患者家族の被ばくに関して、今後施設が普及すれば入院だけでなく、外来治療になっていくと考えるが、その場合はどうか。
【辻井センター長】
現在の入院治療というのも地理的な要因が主であり、体力的には外来で問題がない。このため、今後は外来の方向になることが想定されるため、この部分は報告書を修正したいと思う。なお、患者家族の被ばくに関しては、放射化生成物の半減期が短いため、外来として、接触時間が長くなっても大きくは変わらない。
【甲斐委員】
参考資料2の諮問の中に「3.
利用線錘以外の放射線量を千分の一以下になるように遮蔽すること」とあるが、この数値の根拠、背景は何か。
【徳本医療放射線管理専門官】
この規定は、患者の無用な被ばくを防止するという意図での規定である。これまで診療用高エネルギー放射線発生装置にかかる規定として設けられていたが、規定の意図を踏まえ、今回の粒子線照射装置にも適用を考えている。この基本的な考えは、ICRP Pub.33を参考にしている。
以上の質疑の後、「諮問は妥当である」という答申が了承され、佐藤指導課長より謝辞が述べられた。
以上
(科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室)