総会(第105回)議事録

1.日時

平成20年2月27日10時〜12時

2.場所

文部科学省 3階 1特別会議室

3.議題

  1. 医療法施行規則に係る放射線障害の防止に関する技術的基準の改正について
  2. 国際放射線防護委員会(ICRP)新勧告について
  3. その他

4.配付資料

資料第105-1号
 放射線審議会第104回総会議事録(案)
資料第105-2号
 重粒子線治療等新技術の医療応用に係る放射線防護のあり方に関する研究(中間報告書)(概要)
資料第105-3号
 ICRP新勧告について
参考資料1
 放射線審議会委員名簿
参考資料2
 診療用粒子線照射装置に係る基準の制定に伴う医療法施行規則(放射線障害の防止に関する技術的基準に係る部分)の改正について(諮問)
参考資料3
 重粒子線治療等新技術の医療応用に係る放射線防護のあり方に関する研究(中間報告書)
参考資料4
 医療法施行規則(抄)

5.出席者

(委員)

中村会長、丹羽会長代理、石榑委員、今村委員、梅田委員、甲斐委員、加藤委員、小佐古委員、篠原委員、高倉委員、東野委員、西澤委員、野崎委員、平井委員、廣瀬委員、古田委員

(諮問省庁)

厚生労働省 佐藤指導課長、徳本医療放射線管理専門官

(説明者)

放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター 辻井センター長、金井物理工学部長、国際医療福祉大学 佐々木放射線医学センター長

(事務局)

森口科学技術・学術政策局長、川原田原子力安全監、野家原子力安全課長、梶田放射線規制室長、桐生放射線安全企画官 他

6.議事

(1) 資料第105-1号に基づき、第104回総会議事録(案)の確認が行なわれた。

(2) 放射線医学総合研究所重粒子医科学センター辻井センター長より、資料第105-2号を用いて、重粒子線治療等新技術の医療応用に係る放射線防護のあり方に関する研究について説明があった。また、桐生放射線安全企画官より前回指摘のあった放射化に関して、文部科学省で別途検討を進めている旨、また、今回の粒子線治療装置に関しては、放射線防護上特段の対策を講じる必要がないと考えている旨が説明された。

 委員からの主な質問及び意見は以下の通り。

【平井委員】

 被ばく線量の推定に関連する作業時間は、実際にはどの程度の幅があるのか。

【辻井センター長】

 実際の作業時間測定の結果、施設により多少の違いはあったが、数倍も変わることはなかった。

【小佐古委員】

 今回の被ばく線量評価のような場合は、放射線防護の観点からは、想定される保守的なモデルで評価を行うという様式化アプローチという手法を用いる。実際には様々なバリエーションがあるが、モデルを想定して評価するということが重要である。

【丹羽委員】

 日本は重粒子線治療において先端的なことを行っている。今回のような報告書も世界標準として使える議論のたたき台になるように、英文にして海外に出すことも考えて欲しい。

【篠原委員】

 被ばく線量の今回の評価と実測値の比較はあるか。

【辻井センター長】

 実測値で、現実に問題となるような値は今まで出たことはない。

【甲斐委員】

 放射化したボーラスやコリメータなどは、その後どのように扱っているのか。

【金井部長】

 放医研では3年間保管し、線量の確認を行い(管理区域)外に出している。再加工しての再利用は行っていない。

【高倉委員】

 陽子線と炭素線では、陽子線の方が線量が高くなっている。この要因は何か。

【金井部長】

 同じ吸収線量を与えるためには、陽子の方がより多くの粒子を照射しなければならないためである。

【小佐古委員】

 コリメータ、ボーラスそれぞれの役割は何か。

【辻井センター長】

 コリメータは金属であり、ビームの広がり方向の制限を行う。ボーラスは、厚さのある吸収体で、深さ方向の調整、ビーム形状の調整を行うためのものであり、個々の患者のCTから計算して作成するものである。ボーラスの材質は施設により多少異なるが、アクリルやプラスチックが使用される。

【小佐古委員】

 基本的に問題はないと考えるが、作業者の被ばく評価において、内部被ばくに関しても留意が必要であろう。また、治療中に作業者が照射室に立ち入らないのであれば、実際の被ばく上問題にはならないとは思うが、照射粒子のエネルギーが高いため、どの換算係数を使用するかという点にも留意が必要であろう。さらに、すぐにというわけではなく、また、他省庁とも関係することであるが、放射化した物の廃棄の扱い、クリアランス制度について、検討・準備を進めていくということを意識しておくべきであろう。

【加藤委員】

 ボーラス・コリメータ等は材質がほぼ決まっており、極端に材質が変わり、放射化生成物が大きく変わるということはないという理解でよいか。

【辻井センター長】

 材質としては、多葉コリメータは鉄、患者コリメータは真鍮、ボーラスはポリエチレン等の水素、酸素、炭素、窒素などでできている物である。これらの材質は、粒子線治療の歴史の中で試されてきたということもあり、これからバリエーションが増えるというのは想定されない。将来的には、スキャニングビームを使用するなど、コリメータ等を使用しない方向に進んでいる。
 なお、ボーラスの放射化に関しては、ベリリウム-7、炭素−11が主成分であり、コリメータでは、コバルト、クロム、マンガンが生成される。

【梶田放射線規制室長】

 放射化に関して、空気・水については、今までの粒子線治療施設の実績から、また、保守的なモデルケースの計算評価を行っており、治療室への立ち入りに関し、特段の規制が必要なレベルではないということを確認している。また一方、固体放射化物、クリアランスの問題については、検討対象となる放射線発生装置の種類、出力に応じた区分、範囲を明確にすべく現在調査を進めており、基準の整備を進めていきたいと考えている。

【小佐古委員】

 評価する対象を限定し、評価のプロセスを標準化するという作業が重要であり、その部分を意識して進めて欲しい。

【野崎委員】

 患者家族の被ばくに関して、今後施設が普及すれば入院だけでなく、外来治療になっていくと考えるが、その場合はどうか。

【辻井センター長】

 現在の入院治療というのも地理的な要因が主であり、体力的には外来で問題がない。このため、今後は外来の方向になることが想定されるため、この部分は報告書を修正したいと思う。なお、患者家族の被ばくに関しては、放射化生成物の半減期が短いため、外来として、接触時間が長くなっても大きくは変わらない。

(3) (2)の質疑の後、本諮問に対する答申の審議が行われた。委員からの主な質問は以下の通り。

【甲斐委員】

 参考資料2の諮問の中に「3.1利用線錘以外の放射線量を千分の一以下になるように遮蔽すること」とあるが、この数値の根拠、背景は何か。

【徳本医療放射線管理専門官】

 この規定は、患者の無用な被ばくを防止するという意図での規定である。これまで診療用高エネルギー放射線発生装置にかかる規定として設けられていたが、規定の意図を踏まえ、今回の粒子線照射装置にも適用を考えている。この基本的な考えは、ICRP Pub.33を参考にしている。

 以上の質疑の後、「諮問は妥当である」という答申が了承され、佐藤指導課長より謝辞が述べられた。

(4) 国際医療福祉大学佐々木放射線医学センター長より、資料第105-3号を用いて、ICRP新勧告についての説明がなされた。

(5) 川原田科学技術・学術政策局次長より謝辞が述べられた。また、事務局より、次回の開催日程については今後の基本部会の検討状況等を踏まえ別途日程調整する旨が伝えられた。

以上

(科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室)