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資料第13-2号




自然起源の放射性物質を含む物の流通について


自然起源の放射性物質を含む物の一部について,原料から製品までの流通に関する調査結果を報告する。

.調査対象
   対象としては,比較的放射性物質の含有量が多いと思われるモナザイト,燐鉱石,チタン鉱石,バストネサイト,ジルコン及び輸入量の多い石炭について調査を行った。

.調査結果
   鉱石から製品になる過程において残渣や廃棄物がほとんど発生しない物,発生した残渣が廃棄物になる物,有用物質を抽出する過程で生じる副産物が他で使用される物がある。
1 加工途中では残渣,廃棄物が比較的発生しない物(製品中に放射性物質が含まれる): モナザイト,ジルコン,バストネサイト
2 加工途中で発生する残渣が廃棄物になる物(残渣中に放射性物質が含まれる): チタン鉱石(一部石膏として再利用される)
3 製品以外の物が副産物として他で使用される物(副産物にも放射性物質が含まれる): 燐鉱石,石炭
今後更に,調査を進める必要があると考える。
.今後の予定
   これらの物について,実際の工程における空間線量率測定,試料分析等を行うことにしている。



モナザイト

.放射能濃度
   核原料物質の使用届が提出されているモナザイト鉱石は238Uで40 Bq/g程度, 232Thで300 Bq/g程度(ただし,鉱石の産地によって放射能濃度の差がある)

.輸入国・量
   過去にベトナム,マレーシア等から年間数十トン程度輸入していたが近年の輸入実績は少ない。

.使用形態
   砂状のものが輸入され,これをそのまま又は粉砕処理しパウダーにして,健康用品の原材料として,業務用・家庭用の温泉浴素,塗料の原材料として使用している。また,含有しているセリウム,ランタン,ネオジウム等のレアアースを分離して種々利用されている。

.流通

別添1参照

 


ジルコン

.放射能濃度
  ジルコンサンドで238Uで0.5Bq/g以上,232Thで0.5Bq/g以上

.輸入国・量
   オーストラリア,南アフリカ等から年間8万5千トン程度輸入している。

.使用形態
   粉末状の原料を焼結し耐火物製品,セラミックス製品等に加工したり,不定形耐火物として吹付け材等になる。原料のほとんどがそのまま製品になるので,廃棄物は発生しない。また,ジルコンは高価なためリサイクル率が高く,耐火物製品を粉砕し,再び原料として用いるというスキームがある。
   耐火物以外の用途としては,研磨材原料,鋳造用鋳型原料,鋳物塗型材,樹脂・塗料用原料,陶磁器・ガラス用母材原料,遠赤外線素材原料,スピーカの充填材等がある。

.流通

別添2参照

バストネサイト

.放射能濃度
   40Bq/g〜50 Bq/g程度

.輸入国・量
   米国から年間2千程度輸入している。

.使用形態
   精製され,酸化セリウムの研磨材として使用される。長年テレビブラウン管やカメラ複写機等の光学ガラスの仕上げ研磨に供されてきたが,最近では情報産業関連で,パソコン用のHDDのガラスディスク,フォトマスク用ガラスなど一層高度な用途に需要が拡大している。
   また,研磨材として製品化されたバストネサイトは,様々な規模簿の工場に卸されて使用される。工場で使用された後は,固体は産業廃棄物として処理され,液体は廃棄処理される。

.流通
バストネサイトの流通


チタン鉱石

.放射能濃度
    チタン鉄鉱では,238Uで1.5 Bq/g程度,232Thで1 Bq/g程度(ただし鉱石の産地によって放射能濃度の差は大きい)

.輸入国・量
    輸入国としてはベトナム,オーストラリア,カナダ等から,年間40万トン程度 (年間廃棄物総量50〜75万トン(中和剤等により量が増える))輸入している。

.使用形態
    原料のイルメナイト又はルチルを加工し,酸化チタン等を製造する。この製造方法は「硫酸法」,「塩素法」に大別される。酸化チタンはビル・住宅・自動車等の塗料,電化製品プラスチック類の着色から化粧品,カプセル・錠剤等の医薬品,ガム等の食料品にまで幅広く使用されている。さらに,酸化チタンの製造工程において発生する副産物の一部は,セメントとしてリサイクルされる。

.流通

別添3参照

燐鉱石

.放射能濃度
    リン灰岩では,238Uで0.044Bq/g〜4.8Bq/g程度,232Thで0.020Bq/g〜0.092Bq/g程度(ただし鉱石の産地によって放射能濃度の差は大きい)

.輸入国・量
    燐鉱石として中国,モロッコ,ヨルダン等から年間90万トン程度輸入している。

.使用形態
    全輸入量の9割近くが肥料用として加工される。肥料生成過程においては大量の廃棄物は発生しない。製造の過程で発生する石膏はボード及びセメントとして利用される。その他に製造される燐酸,燐酸アンモニウム等は,食品,医薬品,染料等に加工される。

.流通

燐鉱石の流通


石   炭

.放射能濃度
   無煙炭では238Uで0.001Bq/g〜0.54Bq/g程度,232Thで0.002Bq/g〜 0.32Bq/g程度

.輸入国・量
   オーストラリア,中国,インドネシア,カナダ等から無煙炭,原料炭,一般炭を含めて,年間1億4千万トン程度輸入している。

.使用形態
   石炭を火力発電所ボイラーにおいて燃焼させた結果,ボイラー下部よりクリンカが,乾式集塵装置からフライアッシュが回収される。この過程において10倍〜20倍に放射性物質が濃縮され,クリンカについては園芸用土等に,フライアッシュについてはセメント原料等にリサイクルされている。
   また,鉄鋼用高炉で使用するコークスの原料としても使用されている。

.流通
石炭の流通



 

 

 


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