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第六期国際委員会(第6回) 議事録

1.日時

平成24年5月24日(木曜日)16時~18時

2.場所

文部科学省 東館16階局会議室1

3.議題

  1. 科学技術の国際活動の在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

大垣主査、伊藤委員、小野委員、小林委員、角南委員、眞峯委員、永野委員、西澤委員、渡邉委員

文部科学省

土屋科学技術・学術政策局長、渡辺科学技術・学術政策局次長、佐野政策課長、石田国際交流官、木村国際交流推進官、奥国際交流官補佐

5.議事録

【大垣主査】  それでは定刻となりましたので、ただいまから第6回の科学技術・学術審議会国際委員会を開会いたします。

 本日はご多忙の中お集まりいただき、まことにありがとうございます。

 まず、議題に入る前に、第六期国際委員会の委員に交代がありましたので、事務局からご報告をお願いいたします。

【奥国際交流官補佐】  それでは、資料のご確認前に恐縮でございますが、お配りしております資料2に第六期国際委員会の名簿がございますので、ご覧いただければと思います。唐木幸子委員、高松明委員がご退任されまして、眞峯隆義委員に今回新たにご就任いただいております。

 それでは、眞峯委員から、一言ごあいさつをお願いできればと思います。

【眞峯委員】  皆さん、どうもこんにちは。初めてお目にかかる方もいると思いますが、JST理事の眞峯でございます。今回はこちらの委員を仰せつかりましたので、まだよくわからないことも多いかと思いますが、どうぞご指導のほどよろしくお願いいたします。

【大垣主査】  事務局のほうにも異動があったそうでございますので、ご報告をお願いいたします。

【土屋局長】  1月6日付で異動しました。もう半年ぐらい前のことで恐縮ですが、その間、この委員会が開かれてなかったので、改めてごあいさつさせていただきます。

 一言だけ申し上げますが、産業の競争力など、様々な点において我が国の国際的地位が下がる中、科学技術・学術の活動も国際的なプレゼンスがどんどん下がっております。その中で国際的な連携や交流といった活動をどう展開するか、この時代を踏まえた形で新しい方向性をぜひ出していただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【石田国際交流官】  5月1日付で国際交流官に着任いたしました石田徹と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 私、教育の方の国際関係は担当したことがございますけれども、科学技術の方は初めてでございまして、ただ、どの分野でも国際の方面ではネットワークの中でいかに優位な地位を占めるか、日本が有力なハブがないかということが大切だと肝に命じております。皆様方のご指導、どうぞよろしくお願いいたします。

【大垣主査】  ありがとうございました。

 それでは、事務局から本日の議事及び配付資料の確認をお願いいたします。

【奥国際交流官補佐】  それでは、議事次第に基づきまして、本日の議事及び配付資料について説明させていただきたいと思います。

 議題は、「科学技術の国際活動の在り方について」でございます。配付資料ですが、資料1は第5回国際委員会の議事録でございます。資料2は第六期国際委員会の委員名簿でございます。資料3は5月18日に報道発表いたしました「国際研究交流の概況(平成22年度)」でございます。今回の発表資料では平成22年の受け入れ・派遣研究者数のほかに、東日本大震災の国際研究交流への影響をまとめておりますので、後ほど内容をご説明させていただきます。資料4-1は前回国際委員会までの審議内容のほか、その後メールなどによって委員の皆様からいただきましたコメントを踏まえて作成しました検討状況(案)の本文であり、資料4-2はその資料編でございます。資料5は今後の議論のたたき台となるよう事務局にて作成させていただきました「日本としての戦略的国際展開の方向性論点(案)」でございます。資料6は今後のスケジュール案でございます。

 参考資料1は平成24年度予算案の概要でございます。既に平成24年度予算は成立しているところでございますが、後ほど資料5の説明と併せて情報としてご説明させていただきます。参考資料2-1は、本年1月に委員各位にメールなどで確認いただきました中間的取りまとめ案であり、参考資料2-2は、この中間的取りまとめ案に対して委員の皆様からいただきましたコメントでございます。参考資料3は第四期科学技術基本計画。参考資料4は第五期国際委員会報告書でございます。

 また、それ以外に机上配付資料といたしまして、国立環境研究所が実施されております災害環境研究を俯瞰的に整理された「災害環境研究の俯瞰」の日本語版と英語版、あとA3の俯瞰図をお配りしております。資料の欠落等ございましたら、事務局までお申し付けください。

 なお、資料1の第5回国際委員会議事録につきましては、委員の皆様に内容をご確認いただきまして、それらを反映させていただいたものでございます。議事録につきましては、後ほど文部科学省のホームページで公開させていただきますので、ご承知ください。

【大垣主査】  ありがとうございました。

 机上配付資料の説明がありましたが、たまたま私が主査を務めていて、私の研究所で取りまとめたものをお配りしたものであり、本日の審議には直接関係ございませんけれども、国際発信という意味で、災害時の環境に関する研究のオーバービューといいますか、それをまとめたもので、一部前半のほうだけ英語に訳して出しておりますので、ご参考までにお配りしました。それ以上のものではありません。

 それでは、次に「国際研究交流の概況」について、事務局から説明をお願いいたします。

【奥国際交流官補佐】  それでは、お手元に配付しております資料3「国際研究交流の概況(平成22年度)」についてご説明させていただきます。

 まず、1ページ目をご覧ください。こちらの調査は毎年度行っている調査でございます。大学や独立行政法人などの研究機関及び企業などを対象としまして、年間の研究交流状況、すなわち研究者の派遣、受け入れの状況を調査するものでございます。今回の調査では1,394機関を対象としまして、うち64%に当たります887機関から回答をいただいております。今回の調査項目としまして、従来から調査をしております年間の受け入れ・派遣研究者数に加えまして、平成23年3月11日に発生しました東日本大震災による国際研究交流への影響を平成23年3月から7月にかけて月別で調査をしたことが特徴でございます。

 それでは、3ページ目からが本体でございますので、グラフをご覧いただきながら結果のほうをご説明させていただきます。3ページ目の下にございます図1をご覧いただきますと、濃い青で示されました短期受け入れ研究者数、これまで増加を続けてきておりましたが、平成22年度は前年度より大きく減少していることが確認いただけるかと思います。一方、薄い青で示されました中長期受け入れ研究者数につきましては、前年度より若干増加する結果になりました。これは震災の発生が3月であったため、中長期の受け入れ研究者数には影響が現れなかったものと考えられます。

 図1の平成22年度のプロットが白抜きになっておりますが、下のほうに注書きで記載しておりますように、従来の調査ではポスドク・特別研究員等が対象に含まれるかどうか明確でない部分があったので平成22年度からは対象に含めることとして対象を明確化したことを示すものです。

 続きまして、4ページ目をご覧ください。4ページ目の図2をご覧いだきますと、青色の棒グラフが平成23年3月から7月の短期受け入れ研究者数の推移を示すものになっております。左側にあります灰色の棒グラフは平成20年度から平成22年度の短期受け入れ研究者数を12で割った月平均の数になっております。震災以降の短期受け入れ研究者数は全体的に低調な推移になっていることが確認いただけるかと思います。一般的に年度末には国内で国際学会やシンポジウムなどが比較的数多く開催されまして、短期受け入れ研究者数は増加する傾向にございますけれども、平成23年3月の短期受け入れ研究者数は、平成20年度、21年度の月平均を下回っておりますことから、震災の影響があったのではないかと考えられます。

 続きまして、5ページ目をご覧ください。5ページの図3は派遣研究者数の推移を示すものになってございます。短期の派遣研究者数は前年度より若干減少しておりますが、次のページ、6ページの図4にございますとおり、短期受け入れ研究者数はそれほど大きな影響は見られないという結果になっております。5ページの図3に戻らせていただきますと、派遣研究者数につきましては平成20年度からポスドクを、平成22年度からポスドク・特別研究員等を対象に含めることとして対象を明確化しておりますので、以前の結果と正確な比較はできませんが、平成22年度の中長期派遣研究者数は若干の増となっております。この中長期派遣研究者数4,272人のうち約200人分につきましては、平成22年度に開始しました若手研究者の長期の海外派遣を支援します頭脳循環を活性化する若手研究者海外派遣プログラムの支援人数が反映されているものと考えております。

 続きまして、6ページの下段からは地域別の結果になってございます。ポイントのみご説明させていただきますと、7ページの図5にございますとおり、特にマスの大きいアジアからの短期受け入れ研究者数が平成22年度に減少していることが確認いただけるかと思います。

 続きまして、8ページ、9ページでございますが、こちらは地域別の派遣研究者数の推移でございます。9ページの図8をご覧いただきますと、中長期の派遣研究者数について、黄色で示されたヨーロッパへの派遣が約200人程度増加していることがご確認いただけるかと思います。

 続きまして、10ページでございますが、10ページ目からは機関別の結果になっております。図9をご覧いただきますと、短期受け入れ研究者数は、マスの大きい国立大学などで特に減少する結果になっております。また、少し飛びますが、12ページの中段になります図12をご覧いただきますと、国立大学などからの中長期派遣研究者数が増加をする傾向になっております。

 また、13ページに移らせていただきますと、13ページからは中長期受け入れ研究者の震災の影響による国外退避状況を示す結果になっております。二つの分類で調査結果を集計しておりまして、一つは受け入れ期間を退職した、または当初の受け入れ期間内に機関での活動を再開する予定がない状態で外国へ移動した研究者、こちらを「退職等した研究者」としております。もう一つは、それ以外の状態で外国へ移動した研究者、こうした方々は母国からの退避勧告ですとか、あるいは家族からの戻ってきてほしいといった声を受けまして、受け入れ機関に所属をしながら一時的に海外に移動された研究者として、「一時移動した研究者」と分類しております。

 母数となります中長期受け入れ研究者数の震災以降の月別の推移を示したものが図13でございます。3月は6,015人、5月にかけて若干減少しまして、7月にはおおむね3月の水準まで戻ってきていることが確認できるかと思います。

 続きまして、14ページでございます。14ページの図14をご覧いただきますと、退職等した中長期受け入れ研究者数の推移となっております。この青色の要素につきましては震災とは無関係に退職などされました研究者でございまして、震災による影響で退職等された研究者は橙色、あるいは薄橙色の要素で示しております。3月に中長期受け入れ研究者総数の3%に相当します179人が震災の影響を理由として退職等して外国へ移動されております。

 続きまして、15ページの図15でございますが、こちらをご覧いただきますと、一時移動した中長期受け入れ研究者数の推移となっております。震災による研究環境以外の影響を理由に外国へ一時移動した研究者の数は薄橙色の要素で示されておりますが、時間の経過とともに減少していることから、大半の研究者は受け入れ機関に戻り、研究を継続しているものと考えられます。青の要素で示される震災とは無関係な一時移動が増加してきていることは、学会出席のための外国出張など通常の研究活動に復帰していることを示すものと考えられます。

 なお、研究環境への影響を理由とする一時退避者約100人は7月までほぼ同じ水準で推移しておりますが、こちらは特定の大型研究機関の施設等が震災による被害を受けたことによるものでございます。現在では施設等の復旧も進んでおり、徐々に研究者も受け入れ機関に戻ってきているものと聞いております。

 平成23年3月時点で退職等した研究者179人と一時移動した研究者417人を合わせますと、中長期受け入れ研究者総数の約1割が3月に震災の影響で何らかの国外退避を行ったことになります。

 以上のご説明をまとめますと、震災の影響は短期受け入れ研究者数に特にあらわれているほか、中長期受け入れ研究者の国外退避が生じておりますが、その影響は徐々に回復してきているということが言えるかと思います。ただ、短期受け入れ派遣研究者数について、特に平成23年4月には低調な推移になっていることが確認されておりますので、平成23年度以降の状況は今後注視していく必要があるものと考えております。

 以上で資料3の説明を終わらせていただきます。

【大垣主査】  ありがとうございました。ただいまの資料3の内容についてのご説明に関しまして、ご質問、あるいはご意見がございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

【永野委員】  4ページに平成23年3月1,120人とありますが、何と比較したらよいかがよくわかりません。例えば、その左側は年間の平均しかないのですが、前の年の3月と比較するといったことはできないのでしょうか。と言いますのも、3ページの書き方を見ると、震災の影響だけが例に挙がっていますけれども、実際は4,700人減っているわけです。だから他にも要因があるのかないのかに関心があるのですが、それを知るのには、いつも3月にどのぐらい来ているのかわかれば比較しやすいです。

【奥国際交流官補佐】  ありがとうございます。今のご質問につきまして、確かにおっしゃるとおり、全体に短期受け入れが大きく減っておりまして、震災の影響だけで説明するのは無理がある状況かと思います。データのほうを精査してみますと、もともと平成22年度については、平成21年度と比較しまして、若干短期受け入れの状況は低調であったことが確認できております。個別の、特に減少が大きかった機関に確認してみますと、平成21年度まで走っていた比較的大きな研究プロジェクトが終了した関係があって受け入れ研究者が減った事などの要因は幾つか確認できておりますが、根本的な原因は確認できておりません。あと、月別の傾向につきましては、今回震災が発生したことを踏まえて、初めて月別でデータをとったものになっておりますので、そういう意味では昨年度の3月の結果と比較することはデータ上難しいと考えております。

 ただ、研究者の方にお話を聞いてみると、やはり年度末は一般的に短期受け入れが増える、シンポジウムや国際学会が比較的多いという話を聞いておりますので、そういうことを勘案しますと、月平均と比べて3月の結果がこれだけ下がったというのは、やはり震災の影響があったのではないかと考えているところでございます。

【大垣主査】  よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。

【小野委員】  今の点は、平均と比較すると半分ぐらいになっている。それはやはり震災以外の原因もあるのでしょうか。21年度から22年度も2,300から1,900とかなり減っている。

 あともう1点、ポスドクや特別研究員を対象に入れたので少し増えたというようなニュアンスがありますけれども、かつてのものもポスドクや特別研究員は機関によっては当然含めたものもあるわけでしょう。

【奥国際交流官補佐】  おっしゃるとおり、そちらにつきまして事情を説明させていただきますと、もともと調査票の中ではポスドクは除くというようにして各機関にデータを入れてもらっていたのですが、ただ、○○研究員のような形でポスドクに該当するような方も調査結果に含まれている可能性があると考えられたものですから、そういう意味で余り対象が明確ではなかった。そちらを今回、明確にポスドク研究員等は対象に含めるということで対象を明確化させていただいております。

【小野委員】  そうすると、ポスドクは除くというように書いたあったときよりも、ポスドクを含めてもそれほど増えていないということは、やはり減っているということでしょうか。

【奥国際交流官補佐】  はい。今回対象が拡大しているにもかかわらず、これだけ22年の結果が減っておりますので、それだけ従来とは違う作用があったということは考えられると思います。

【大垣主査】  ほかにはいかがですか。よろしいですか。

 今後の議論にも影響するので、定義ですが、短期は1カ月以内で、1カ月を超える期間が中長期と分けています。それでいいですね。

【奥国際交流官補佐】  はい。1カ月(30日)以内が短期であり、1カ月(30日)を超える期間が中長期でございます。

【大垣主査】  そうすると、短期と称しているのは、例えばシンポジウムなど招聘する数が入ってくるということですね。

【奥国際交流官補佐】  はい。そのように考えております。

【大垣主査】  そうすると、震災直後の数カ月間にいろいろなシンポジウムが中止になっていますから、減るのはごく普通というか、原因は割合はっきりしているという理解でいいですね。

【奥国際交流官補佐】  そのように考えております。

【大垣主査】  ありがとうございました。はい、どうぞ。

【伊藤委員】  今のお話ですけれども、そうしますと、招聘の旅費などは年間で定まっているかと思いますので、こちらは7月ぐらいまでの話ですけれども、まだ旅費があるということで、年度の後半になると、むしろ例年よりも増えていると。そのようなことはわかりませんか。

【奥国際交流官補佐】  今の段階で把握できているのは、お示しさせていただいたデータだけにとどまっておりますので、今後も23年度全体の影響はどうなっているか。そういったことはこれからの課題として調査をしてまいりたいと考えております。

【大垣主査】  よろしいでしょうか。

 それでは、次の議題に移りたいと思います。それでは、「第六期国際委員会検討状況(案)」について説明をお願いいたします。

【奥国際交流官補佐】  それでは、ご説明をさせていただきます。まず、参考資料2-1をご覧ください。こちらは参考資料2-1でございますが、前回第5回の国際委員会までの審議を踏まえて事務局にて作成をしまして、本年1月に委員の皆様にメールなどでご確認いただきました中間的取りまとめ(案)でございます。こちらの2ページ目をご覧いただきますと、その内容としまして三つ柱がございます。一つ目が東日本大震災を受けて顕在化した課題の整理とその対応。二つ目が若手研究者の国際活動の低調化の原因把握とその対応。三つ目が第五期国際委員会の報告書であり、第四期の基本計画のフォローアップ的性格を持ちました科学技術に関する国際活動の戦略的展開という3章構成になっておりました。この中間的取りまとめ案につきましては、それまでの審議の内容等を幅広く取り込んだものとなっておりましたが、委員の皆様からは参考資料2-2にございますとおり、構成がわかりにくい、あるいは提言の内容が明確でないといったコメントをいただいたところでございます。

 参考資料2-2のコメントをかいつまんでご説明させていただきます。主なポイントのみご紹介させていただきますと、まず、第1章でございますが、震災を受けて顕在化しました課題の整理と対応につきましては、1ページ目にございますとおり、外国人研究者への情報発信について、主体と対象をはっきり記載するべき。また、構成がわかりにくく提言が明確でないといったご指摘をいただいております。2ページ目の中段には、震災後に発信すべき情報について、震災、原子力事故を正面からとらえたものも例示として挙げておくべきといったご指摘をいただいております。

 第2章でございますが、若手研究者の国際活動の低調化の原因把握とその対応につきましては、3ページ目の上段にございますとおり、事業に結びつけた議論をすべきといったご指摘ですとか、あるいは全体的な論理展開が見えにくいので、論証の道筋を示した上でデータに基づく論証を行い、対応の方向性を示すべきといったご指摘をいただいております。

 4ページ目の中段では、情報通信技術の発達等により、長期派遣研究者数の低下が国際活動の低調化に直結しないとの意見もある旨コメントをいただいております。

 続きまして、第3章、科学技術に関する国際活動の戦略的展開につきましては、4ページ末尾にございますとおり、外国人研究者の受け入れと派遣を行う施策の両輪が大切とのご指摘をいただいております。このため、委員の皆様からいただきましたコメントを踏まえて構成、内容を見直ししたものを、改めてご審議いただく必要があると考えまして、今回、中間的取りまとめ案ではなく、資料4-1、4-2として、これまでの審議事項と提言などをまとめました検討資料(案)という形で資料をご用意させていただいております。

 なお、資料がそれなりの分量になりましたので、検討状況(案)の本体と図表等の資料を分離させていただいております。資料4-1が本体、資料4-2が本体から参照される図表などをまとめた資料集でございます。以降の説明におきましては、本体をベースとしながら、適宜、資料集を参照しながら説明を進めさせていただきますので、お手数でございますが、資料4-1と4-2を横に並べていただくと、資料の確認が容易になってくるかと思います。

 それでは、資料の内容についてご説明させていただきます。まず、1ページ目でございますが、1ページ目は検討項目でございます。全体構成は中間的取りまとめ(案)とほぼ同じになっておりまして、3章構成でございます。第1章が震災による国際研究交流への影響とその対応。第2章が若者の内向き志向の指摘を踏まえての大学等の若手研究者の国際活動低調化の原因把握とその対応。第3章が第四期科学技術基本計画を踏まえての科学技術に関する国際活動のフォローアップ及び今後の対応でございます。

 第1章と第2章につきましてはトピックに当たる検討項目になりますので、資料に沿って内容を少し細かく説明させていただきます。まず、第1章でございますが、2ページ目をご覧いただければと思います。第1章の冒頭の1.は震災による国際研究交流への影響という項目で、先刻ご説明させていただきました平成22年度の国際研究交流の概況を要約した内容になっております。震災の影響は短期受け入れ研究者数に特にあらわれているほか、中長期受け入れ研究者数の国外退避が生じていますが、その影響は徐々に回復してきているという内容でございます。

 続きまして、3ページ目でございますけれども、2.ということで震災により生じた科学技術の国際活動を妨げる事象についてまとめさせていただいております。具体的には、震災発生直後は事故関連の情報が不足し、各国の在京大使館関係者や関連分野の外国人研究者等にも情報が伝わらなかったため、各国からの過剰な避難勧告、家族からの呼び戻し等により離日する外国人研究者が続出したこと、震災関連の情報は主に日本語で発信されたため、外国人に伝わるまでに時間がかかったこと、震災発生から数カ月後には様々な情報が発信されるようになったが、真に必要な情報は何かを把握することが困難になったこと、あとは施設・設備の破損、貴重な試料の喪失により、研究プロジェクトの遅れや研究テーマの変更が生じたことでございます。また、断水や物資、食品安全に係る情報の不足等により生活に関する不安が生じたことなど、事務組織や地域との関係等、人的なネットワークが十分でなかったため、外国人研究者の安否確認ができない組織も見受けられたといった事象が見られました。

 一方で、世界トップレベル研究拠点プログラムの採択拠点では、拠点長、スタッフなどが積極的に情報発信を行うことにより、外国に一時移動していた外国人研究者のほぼ全員が再来日するという事象も確認されております。今後、もし同様の事象を及ぼすような災害が発生したとしても、科学技術の国際活動への影響が最小限となるよう備えることが課題となります。

 3.震災を踏まえて我が国に求められる対応では、対応を講じる上での問題意識として、我が国は科学技術創造立国を目指し、国際研究活動のさらなる振興を目指しておりますが、我が国の地震等の災害が発生しやすい地理的な環境にあるという事実がございます。こちらのことを踏まえまして、今回の震災を教訓として、同様な災害が発生した場合における外国人研究者の国外退避を最小限にとどめ、外国人研究者が我が国で安心して研究を継続できるようにするための対応を提言するということを冒頭に記載し、以下提言内容を記載しております。

 一つ目は、災害時における外国人研究者への情報伝達体制の構築でございます。多くの外国人研究者は大学または研究機関に所属していると考えられますが、災害発生後の時期を発生の直後と復旧・復興期と分けて考える必要があるかと思いますが、時期に応じて迅速かつ正確に外国人研究者に対して情報を提供するため、災害対策本部等から発表された情報を英訳の上、文部科学省等から大学、研究機関に提供する仕組みが必要と考える。これが一つ目でございます。

 表1でございますが、資料集をお手に取っていただき、3ページ目をご覧ください。外国人研究者等への情報発信のあり方ということで、災害直後と復旧・復興期とフェーズを分けまして、目的、主な発信者と対象、効用、具体策をそれぞれマトリックスでまとめたものになっております。

 続きまして、二つ目でございますが、国内で研究を継続できる体制の構築になっております。これは震災により震源地近くの研究機関では、電源を喪失することによってデータが飛んだり、あるいは温度管理を要する試料が使用できなくなったり、研究の継続が困難となる事態が生じました。災害発生時における研究への影響を最小限にし、国内で研究が継続できる体制を構築するためには、機関ごとに業務継続計画を定め、同計画に基づいて研究資源の分散管理、あるいは別機関で受け入れ体制を整備するといったことを進めることが有効と考えられます。

 また、震災を契機とした我が国の研究環境についての海外からの懸念を払拭するためには、機会をとらえて我が国の研究環境が十分に困難な状況からの回復力を有していることを示していくことが有効と考えられます。

 続きまして、三つ目でございますが、災害対応研究の成果の国内外への発信となっております。こちらにつきましては、我が国は地震等の災害が発生しやすい地理的な環境にございますため、災害対応研究のテーマが国内に数多く存在し、関連研究が盛んに行われているという状況でございます。特に昨年発生しました震災に関しましては、国の支援により独自性の高いさまざまな災害対応研究が行われております。こうした研究の成果は災害対応の共有知としての活用が見込まれるものであり、国が成果情報を取りまとめて国内外に発信することにより、国際的な研究交流の端緒となることが期待できます。

 また、我が国として国際的に強みのある科学技術分野の研究を一層推進し、安全・安心な社会の構築に関して国民の期待に応えるとともに、海外への積極的な情報発信を通じて、国際的な研究交流が進展することを期待するものでございます。

 こちらにつきましては、資料集の4ページの表2で関連する研究の一覧表として示ししております。特に震災対応に関連します新たな街づくり・社会システムの構築、あるいは科学技術コミュニケーション関係、こういった人文社会も関係してくるような研究テーマについては冒頭に持ってきて、資料を構成させていただいております。

 それでは、四つ目に移らせていただきます。四つ目は災害による影響を考慮した各種研究資金等の機動的対応でございます。こちらにつきましては、震災による施設、設備等への影響により、各種研究資金等の研究計画の変更を強いられる事態が生じました。災害発生時にも研究を継続することができるように、特に日本の研究機関で研究活動を行う外国人研究者に対しては、各種研究資金等の使用期限を延長するなどの機動的対応がとられることを期待するというように記載しております。

 そして、末尾には外国人研究者が我が国で安心して研究を推進できるようにするための対応とは別になりますが、外国人研究者の受け入れを一層促進するため、また、その契機とする観点から、外国人研究者招聘制度の活用を積極的に図ることが必要と記載しております。

 続きまして、6ページをご覧ください。第2章の冒頭では、同章の問題意識、構成を整理しており、国際交流が低調であることから、若い世代の「内向き志向」意識が指摘され、国際研究活動も低調と指摘されることについて、データに基づいて現在の状況、背景を確認した上で、対応の方向性について考え方を整理する内容になっております。

 続きまして、2段落目では、我が国の研究者が、国際研究拠点で活動することにより期待される効果として4点挙げております。一つ目が多様性のある研究環境の中で新たな着想を獲得し、研究協力、分野融合の機会を得ること。二つ目が国際的な研究動向を把握することで、自身の研究の位置づけを認識し、今後の研究の方向性を考える機会を得ること。三つ目が国際共同研究、共著論文の作成につながるような人的ネットワークを構築する機会を得ること。四つ目が当該機関の所有する施設、設備や、当該地固有の研究試料を研究に活用する機会を得ることでございます。

 短期で国際的な環境に身を置いた場合よりも、中長期の方が研究者に対してこれらの効果をより強く期待できると考えられます。また、近年、情報通信技術の発達等により、海外に移動、滞在することなく国際活動を行うことが可能となっておりますが、国際研究活動が先進諸国と比較して低調であることを示すデータがございますことから、将来にわたって我が国が科学技術の推進力を失うことのないよう、若手研究者の国際活動を振興する必要があるというように記載してございます。

 1.若手研究者の国際活動の状況では、関連するデータを用いた状況説明を行っております。(1)若手研究者の国際流動性、国際共同研究の状況では、7ページの冒頭から中長期派遣研究者数は平成12年度の半数程度に減少し、近年横ばい傾向で推移していることを記載しております。

 2段落目では、平成22年度の国際研究交流の概況のデータから、派遣期間が長期になるほど若手研究者の比率が増える傾向にあることから、中長期派遣研究者の減少は比較的若手研究者の動向を反映したものと考えられるというように記載しております。

 3段落目では、人材の流動性に関連しまして、国際的に活躍できる若い世代を育成する観点から重要な日本から海外への留学生数、これにつきましては、平成16年度以降減少傾向にあることを記載しております。

 また、4段落目では、米国における日本人研究者の受け入れ状況をほぼ漏れなく集計しております米国の「OpenDoors Data」を参照しまして、米国の高等教育機関に所属する日本人研究者(教員)が減少傾向にあることを記載しております。

 5段落目では、研究者に対する意識調査の結果、我が国はほかの先進諸国と比較して流動性が低いという認識が回答として多く示されたこと。また、ロボティクス分野などの特定分野に限ったデータでございますが、論文誌の著者情報から研究者が学位を取得した組織と論文発表時の所属組織を抽出しまして、定量的な解析を行った結果、我が国の国際流動性が際立って低いという結果となったことを記載しております。

 また、6段落目では、このような国際流動性の低さを示すデータがある一方で、我が国の国際共同研究の状況を示す資料も先進諸国と比較して低調であることを記載しております。

 8ページ目の1段落目では、イギリスやドイツと比較して、我が国がトップ1%論文を輩出している分野は非常に限定的になっていることを記載しております。

 以上のようなデータを受けまして、(2)では若手研究者の意識と流動性の状況をまとめております。(2)の1段落目では、世界で活躍する論文被引用度の高い研究者は、7割以上が海外での勤務を経験していることをまず記載しまして、2段落目では、機会があれば、まず外国で研究の視野を広げたいとの意向を持つ若手の研究者が一定規模存在するということを記載しております。

 3段落目では、海外で研究を行いたい理由として、海外の研究コミュニティに参加できることが挙げられていること。ポスドク自身が研究職に就く上で語学力や海外経験の必要性を挙げていることを記載しております。

 4段落目では、実際に博士課程修了後の就職の状況としまして、国外での研究経験がある場合の方がない場合よりも4倍以上海外に就職する比率が高くなっていることを記載しております。

 5段落目では、しかしながら、実際に博士課程修了者及びポストドクターのうち、海外に転出しているのはごく少数であり、中長期の派遣研究者数も低い水準であることを記載しております。

 以上のことから、若手研究者は海外の研究を志向しながら、実態として海外に出られていない状況があるというように考えられるため、少なくとも若手研究者に「内向き志向」意識があると結論するのは偏った見方であり、その背景には大学等の若手研究者を取り巻く状況の変化があるというように考えられます。そのため、若手研究者を取り巻く環境を改善し、国際活動を活性化するための支援策を講じる必要があるというように記載しております。

 続きまして、2.中長期派遣研究者数減少の背景とその対応でございますが、こちらでは中長期派遣研究者数が減少している背景をまず記載しております。ここで挙げておりますのは、一つ目が助教やポストドクター等の若手研究者にとって、帰国後のポスト確保に不安があるということ。二つ目が、若手研究者が所属機関における教育研究活動等の重要な部分を担っており、所属機関との関係で海外に出にくい場合があること。三つ目が中長期的な研究計画を立てやすい常勤の助教等が減少しているということ。四つ目が運営費交付金の減少により外部資金獲得の必要性が増し、支援を受けている期間中は成果を出すことに集中する必要があるため、海外に出にくい場合があること。五つ目が、在外研究員制度が廃止されたこと等となっております。

 また、グローバル人材育成推進会議の中間取りまとめでは、日本人学生の海外留学の減少を若い世代の「内向き志向」意識の問題に安易に還元することなく、背景となる社会システム上の構造的な問題を克服していくことが重要というように指摘しております。留学に関する主な障害としまして、帰国後に留年する可能性が大きいこと、また経済的な問題、帰国後の単位認定が困難であるといったことが挙げられております。

 こういった問題への対応として、既存の取り組みといたしましては、10ページ目でございますけれども、海外の研究者派遣の支援事業である「海外特別研究員事業」、「頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣事業」があり、「頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣事業」では、研究者が海外に行くことができない理由として、帰国後のポストに不安があることなどを挙げていることを踏まえまして、若手研究者が組織に所属したまま海外で研鑽を積むことができるように、研究機関に研究者の長期派遣に係る費用を支援する事業になっております。

 また、大学院教育の関係では、平成23年1月にまとめられました「グローバル化社会の大学院教育答申」におきまして、海外機関とネットワークを構築し、外国人教員・留学生の体系的な受け入れ、日本人学生の海外派遣やダブル・ディグリーの推進、ジョイント・ディグリーが可能となるような制度の検討を行うことが提言されております。

 今後の取り組みといたしましては、既存の取り組みを着実に推進していくとともに、さらに研究者の中長期派遣を推進するための方策としまして、既存の国際研究交流に関する支援事業のみならず、そのほかの外部資金による研究支援制度の審査・評価に研究者の長期派遣を積極的に評価する視点を導入することを提言として記載しております。

 また、国際化を志向して秋季入学を取り入れる大学も出てきておりますことから、こうした取り組みを行う大学を支援することの有効性について言及させていただいております。

 続きまして、第3章でございます。11ページでございますけれども、こちらは第四期科学技術基本計画を踏まえての科学技術に関する国際活動の展開になっております。2.以降では、分野や相手国に応じた多様で重層的な協力、国際的な人材・研究ネットワークの強化、優秀な外国人研究者受け入れ促進のための周辺環境整備、基盤強化に分けまして、関連する現在の取り組みを記載するとともに、今後の取り組みについて記載しております。

 まず、(1)分野や相手国に応じた多様で重層的な教育につきましては、1に、東アジア・サイエンス&イノベーション・エリア構想の推進。2に、途上国との国際共同研究の推進。3には、国際大型プロジェクトの推進について記載しております。

 中間的取りまとめからの追記の事項としまして、14ページの下段をご覧いただきますと、3国際大型プロジェクトの推進でございますが、こちらの冒頭に、国際大型プロジェクトは研究開発を集中的に進めるだけではなく、こちらに携わる若手研究者にとっては貴重な成長の機会であり、人材育成にとっても有益であるため、積極的に推進すべきであるという旨を記載しております。

 また、15ページからの(2)国際的な人材・研究ネットワークの強化につきましては、1若手研究者の海外派遣。2国内の国際研究拠点整備について記載しております。中間的取りまとめからの追記事項といたしまして、16ページの下段をご覧いただきますと、第2章の提言として記載いたしました国際研究交流に関する支援事業以外の外部資金による研究支援制度の審査・評価に、外国の研究機関への研究者の中長期派遣を積極的に評価する視点を導入することについて記載しております。

 また、18ページからの(3)でございますが、優秀な外国人研究者の受け入れ促進のための周辺環境整備、基盤強化につきましては、19ページに既存の取り組みとしまして、平成23年3月にポイント制を活用して高度人材の出入国管理上の優遇措置を講ずる制度に関する法務省の告示が制定されたことを記載するとともに、今後の取り組みとしまして、第1章の末尾で記載しました、震災を踏まえて外国人研究者が我が国で安心して研究を継続できるようにするための対応について記載をしております。

 以上で検討状況(案)の説明を終わらせていただきます。

【大垣主査】  ありがとうございました。事務局から説明がありましたように前回の委員会で主査預かりとさせていただきました中間的取りまとめについては、委員の皆様からのコメントを踏まえて内容を見直したものを改めて審議すべきと考え、今回、委員の皆様からいただいたコメントを踏まえた資料を、名前を変えまして、検討状況(案)として用意させていただいたところであります。本資料は年末をめどとして取りまとめる報告書の素案として位置づけておりますので重要な文章でございます。ご質問、ご意見がありましたらよろしくお願いします。

 今の説明では、資料4-2の背景となるデータは特に引用せず説明がありましたので、少し急いで説明をされたようですが、データの上でこちらの文章ができているという形でご覧ください。ご自由に、いかようなご意見でもお願いします。いかがでしょうか。

【西澤委員】  よろしいでしょうか。

【大垣主査】  はい、どうぞ。

【西澤委員】  資料4-2ですけれども、4ページの表2が震災を踏まえて推進すべき研究の具体例となっていますが、こちらで“新たな街づくり等々”の分類は震災を踏まえて記載しているとわかるのですけれども、フロンティア開発の分類がこちらに入ってきている理由はどういうことでしょうか。

【奥国際交流官補佐】  フロンティア開発につきましては、本文の資料の5ページ目に関連する記載がございますけれども、震災関連の研究だけではなくて、我が国として国際的に強みのある科学技術分野の研究についても一層推進して情報発信をしていくことが、我が国の科学技術研究の体制なり推進体制がしっかりできているということを発信する機会になると思いましたので、こちらも記載させていただいております。

【大垣主査】  そうすると、表2の震災を踏まえて推進すべきという言葉に少し違和感と言いますか。

【西澤委員】  そうです。違和感が。

【大垣主査】  ご意見ですね。

【西澤委員】  はい。

【大垣主査】  こちらはどこかに表現がなかったでしょうか。

【伊藤委員】  よろしいでしょうか。今の点ですけれども、資料4-1の4ページ、こちらの一番下が今の表2を引っ張っているかと思いますが、ここにも「こうした研究(表2)の成果は災害対応の共有知としての活用が見込まれるものであり云々」と書いてあるので、今まさに西澤委員のご質問のように、少しこちらの文脈ともずれているような気もいたします。本文か、あるいはタイトルを若干直された方がよろしいかと思います。

【大垣主査】  検討事項ということで。どうぞ。

【木村国際交流推進官】  ご指摘のとおり、若干外れた面もあるかと思いますが、一部、例えば地球観測衛星網や、災害を想定するに当たって地球の状況を捉えるといったことは、未然に災害の状況を感知するとか、そういうことが若干でもかかわりあるかということで、やや広めではあるのですが、そういう観点で拾っているところでございます。

【大垣主査】  私から言うのも恐縮ですが、資料4-1の5ページの上から2番目の「また」以下の文章が、実は表2のフロンティアといった分野の説明をしているのですね。ですから、文章を続けてわかるように、かつ、表2の表題を少し変えることが必要そうですね。今のご質問について、西澤委員、そういうことでよろしいでしょうか。

【西澤委員】  はい。

【大垣主査】  はい、どうぞ。

【永野委員】  この文書でどういうインパクトを世の中に与えたいのかわからないのですけれども、例えば、1の震災のこと、地震から2年近くたって出るわけですよね。それで、こういうことが期待されるとか、一般的なことは多分もう既に誰かが言っているのではないかと思うので、この段階で出すとしたら、こういうことについてどこまで政府ができているので、こういうことをすべきではないかなど言ったほうがいいのではないかなと思います。

 それと、例えば3につきましても何となく、今、文部科学省が行っている新しい事業を紹介しているのですが、それはそれで世の中の人は全部知っているわけですから、新しい方向性を組み込まないと余り読んでくれません。そのことを議論すべきではないかと思いますけどね。

【大垣主査】  ご指摘ごもっとものところがありますので、どちらを打ち出すべきかというあたりのご意見をいただけるとありがたいのですが。

【永野委員】  1については、いろいろなことを多分予算もつけてされていると思います。東北などについての活動は、独立行政法人でもいろいろ行っていると思うので、さらにどういうことをつけ加えたらよくなるかに触れる必要があります。この案では、何々が期待できるというようにずっと並んで書いてありますが、もっと具体的に書けると思います。

 3のほうはそう簡単でもありませんが、例えば途上国との協力についても、もう少し多角的にマルチで行えるようなことがあるのではないかとか、もう少し真剣に行わなくてはいけないのではないかとか、こちらも真剣に考えた上で書かないと付加価値が余りないのではないかと思います。

【大垣主査】  ありがとうございます。どうぞ。

【小野委員】  震災への対応を最初に出すと何か、今年の冬に出すのであれば、震災の部分は後ろに回して、本来の国際活動をきちんと行うということを書いて、震災対応は後ろに回したほうが出るときのタイミングとしてはいいのではないかと思います。昨年なら震災の部分が最初でいいのだけれども、震災の部分が前に来ると、全体のインパクトが薄れてしまう。もちろん震災と国際活動も関連ある部分もあるのですけれども、戦略的な国際展開をどうするかということをこのレポートの売りにしなければいけないのであれば、逆にしたほうがいいのではないかと思います。

【眞峯委員】  資料の4ページの3の災害対応研究の成果の国内外への発信の所ですが、ご参考までに一つ情報をご提供したいと思いますが、実はアメリカのNational Science Foundation(NFS)がRAPIDというプロジェクトを持っておりまして、こちらは地球規模の災害がいろいろな地域で発生したときに、アメリカの研究者と現地の研究者が共同して調査研究をするということを支援するファンドです。それで今年、私どもも日本版のRAPIDプロジェクトというのを立ち上げまして、震災に関する調査研究の結果を海外の研究機関と日本の研究者が一緒になって発表するというようなことで、情報の信頼性とか客観性というものを担保するという意味でも、国際的な連携のもとでそういう情報を発信することが必要なのではないかということで実際にそういうプロジェクトを発足いたしまして、こちらがタイの洪水の際にも発動いたしました。それで、こういうことが非常に有効だということを私ども認識いたしましたので、今回の東日本大震災にとどまらず、絶えずJSTといたしましては、このプログラムをスタンバイ状態にしておきまして、どこかでこういうグローバルな災害があったときには、国際的にこういう調査研究をサポートするということを発動するというようなことをして、いろいろな研究者の皆さんの調査研究を支援しようということをやらせていただいておりますので、こちらはご参考という情報で結構でございますけれども、そういうことも念頭に置いておいていただければと思います。

【大垣主査】  こちらは5ページの4にも関係してきましょうか。

【眞峯委員】  そうですね。

【大垣主査】  重要なご提案でした。 渡邉委員。

【渡邉委員】  この報告書案の論点がよく見えないので、少し検討されたほうがいいかなという点を2点申し上げたいと思います。一つは、まず何か評価軸をここで絞っているのかどうかということをお尋ねしたい。一つは、資料の8ページに地域別の論文発表数があって、こちらはレビューペーパーでよろしいのでしょうか。査読付きの論文の数の変遷という意味でよろしいのでしょうか。

【奥国際交流官補佐】  すみません、8ページ……。

【渡邉委員】  資料4-2の8ページに論文数があるのですが、こちらは査読付きの国際論文を数えているのか。それとも国内論文まで数えているのかという。

【奥国際交流官補佐】  国際論文。

【渡邉委員】  国際論文ですね。そのときに、多分こちらが一つの定量的な物差しであって、海外に派遣したか、もしくは受け入れした人数が増えたか減ったかというのは、結果として何を評価するかと言ったときに、恐らくここに提供されている資料は論文数というのが一つのベンチマークだというように考えました。そうしたときに、こちらをもう少し分析してみる必要があるのではないかというのが私のサジェスチョンでありまして、かつ、それが海外に派遣をしたことによる効果なのか。もしくは途上国から優秀な人たちを受け入れることによって、この論文数というのがどれぐらいサポートされているのか。したがって、もし震災のようなものが起こったとしたときに、1年間もしくは2年間影響があって、そういう人たちが来なかったために論文数が一時減ったというような結果が出るのかどうかということに私は興味があって、多分、そういう何かもう少し踏み込んだ分析をされたほうがメッセージとしてはわかりやすいのではないかなというように思いました。

 例えば、9ページにあるトップ10の補正論文の話で、各国、イギリスもドイツも日本も、数に少し差はあったとしても、基本的には国内の論文数というのはイギリスも日本もほぼ同じような推移で変わらないと。ドイツだけは少し伸びているなというところがあるのですが、一方で、2国間とか多国間での論文数の伸びがイギリスの場合には著しく多いし、ドイツも大きいのに対して、日本はほとんど増えていないと。この増えていないという理由が、若手研究者が海外に行かないことによるのか。あるいは一部に書いたように、いろいろなコミュニケーションの手段があるから別に海外に行かなくても国際共著はできるというようなことがあるとすると、一体この差は何に起因しているのかというようにこの報告書で言おうとしているのかよくわからないと。そちらがおよそ震災の影響でという形の傾向ではないだろうから、3カ国の違いというのが一体何なのだろうということがわかるとおもしろいなというのが1点。

 特に多国間とか2国間というのが、例えばどの分野での研究で違いが出ているのだろうかと。イギリスの場合にはグローバルな環境の分野での論文数がものすごく伸びているのか、もしくはエネルギー、環境のようなエコシティ関連の分野で多国間とか2国間というのが増えているのかという、もう少し何かプラスした情報をここに載せていただいた上で、どの分野が各国では活発に行っているのに対して、我が国は行っていないから、ここはだめなのか。その辺を入れられると、もう少しメリハリのつく論旨ができるのではないかというのが第1点。

 第2点は、矢印だけがしてあって、論点が書いていないのが中国の2万4,000の論文数から12万の論文数に増えていることについての論評が全く抜けていると。中国が入ってこなければ、それほど全体のシェアが変わるわけではないのですが、中国が断トツに増えたために、英国においてもシェアが減っていることですし、世界全体の論文の作成が、明らかに中国が断トツに増えている。一体これは、多分ものすごい勢いで海外に若い人たちを出していることによって、それが達成されているのかどうかというようなことがもう少しわかると、日本の若手の研究者をさらに活性化させていく必要があるのではという論点がもう少し見えるのではないかという気がします。だから、単に数が減ったとか増えたとかということよりも、評価軸を何にするかというのが必要かなという気はいたします。

 各国ともに論文数の伸び率という意味では、日本は25%で少ないとはいえ、それぞれ皆一様に伸びてはいるわけです。しかし、世界平均から見ると、58%の伸びに対して25%というのは、半分の伸びしかないというのは、これは確かに問題ではあるだろうと思います。一方で、イギリスは科学技術予算がある意味ではそれほど伸びているのでしょうか、私の理解では伸びていないはずです。伸びていないにもかかわらず、なぜ多国間、2国間の論文が増えるのかというところが、やはり答申としては、この会議は戦略ですよね。したがって、そこが見えないでしょうかというのが、今このデータからだけでは見えないのですけど、検討をつけ加えてみてはいかがでしょうかというのが私の意見です。

【大垣主査】  ありがとうございました。私個人の追加の意見を申し上げてよろしいでしょうか。1番目の資料4-2の9ページの図10の多国間の緑色の部分が少ないということは、私が見聞して想像するに、国際的な活動のグループに入っている数が日本人は相対的に少ないのではないかと。国際共同研究に入れば連名で論文を出していくわけですね。それは実は、日本は今一生懸命取り組んでいて、WPIなど、さまざまな施策をとろうとしていますので、資料4-1の7ページの一番下に図10というのを引用してコメントがあるのですが、これは現在の段階では図10の見たとおりの解説をしているだけで、今ご指摘のように全く分析していないわけで、これに客観的な分析をするのは大変難しいと思います。ただ、施策との関係で、この緑色の部分を増やすには多分WPIが役立つだろうし、あるいはその周辺の似たような施策が役立つだろうし、そういうことを書き込めば、次の施策の展開になるのではないかと思います。客観的に正確に行うのは、正直言ってなかなか難しいと思います。あらゆる分野に関してですから。というようなことで、渡邉委員、よろしいでしょうか。解釈の仕方として。

【渡邉委員】  いろいろあると思うので、どんどんお出しいただければいいと思うのですが、やはり論点としては、この論文発表数というのがある一つの定量的な数字だろうと思うので、それに対して何が効果的な戦略が打てるのかということがもう少しあったほうがいいだろうというサジェスチョンです。

【大垣主査】  効果的方策とつなげてここを書き込むと、説得力が増すのではないかと思います。

【渡邉委員】  もう一つ余談で、これはお答えにも何にもならないのですけれども、長く中国と共同研究を私やってきた経験から言いますと、2000年とか、2008年から2010年という、この二つのデータの間には決定的に違う一つのファクターがあって、これは研究者に対する給与だとか、研究所の中の1割ぐらいは9割の平均的な研究者の10倍ぐらいの給与を出すとか、国際論文を投稿してアクセプトされると1万元くれるといったこと。私が共著で入っているので、私ももらえるのですかと言ったら、日本国民はだめですと。先生が中国に来られると1万元払いますと言われたので、数字の裏には、中国のデータにはものすごいお金が、1万元というと15万円ぐらいです。結構大きいお金ですよね。

【土屋局長】  1割の人はどのぐらいですか。

【渡邉委員】  1割の人の平均給与ですか。平均給与は幾らだったか今覚えていないのですが、1対10という差であるということは言っておりました。かつ10倍の給与を払うか払わないかというのは何で決めるのかと聞いたら、まず、外国からの百人計画で帰ってきた人は必ず1割の中に入ると。したがって、間接的にここでおっしゃっている海外に積極的に行かせるということを給与の面で明確に判断基準の中に入れているということです。これが第1。

 第2番目は、海外に行っているということの評価を、短期で行った人とか、長期で行った人とかいろいろあるわけです。その中で彼らが明確に線引きしているのは、5年間という数字を入れていることです。したがって、いろいろな方法でいいから、5年間継続して海外でポスドク以降研究活動をして帰ってきた者は1割の中だと。それがいいか悪いかは別にして、明らかに中国らしい即物的、定量的な評価をそちらに入れて人事管理、研究管理を行っていると。あと、昇給等についてもインパクトファクターの高い論文を書いたらどうだというような、当然それに対するいろいろなネガティブなエフェクトが出てくる。必死でとにかく書くだけ書いているというような、果たしてそれが健全な研究になるのかどうかというのは別にして、いろいろな弊害が出てきていることは事実ですが、一方で、この驚異的な数字というのも恐らくそういう給与面でのあらゆる施策に多分影響を受けているものだろうと。今後これが続くかどうかというのはよくわかりませんが、明らかにそういう具体的な手だてを行ってきた結果だというように思います。

 したがって、日本はどうするのかというのが、単に派遣者数が短期で増えたとか、減ったとかという議論とは少し違うのではないかなと。逆に言うと、太刀打ちできる話ではないという気もします。

【伊藤委員】  今、ご議論のデータにつきましては、当方の科学技術政策研究所がまとめておりますので、少し補足させていただきます。まず、震災との関係でございますけれども、どうしても研究論文自身、時間おくれで出てまいりますし、データといたしましては2010年度まででございますので、震災との関係をこちらのベンチマークの結果で直接導くというのは少し難しいかというように認識しております。

 それともう一つ難しい点は、実は個々の研究者のバックグラウンドというのでしょうか、いわゆる外国で研究した経験があることとか、あるいはどこで博士論文を取ったとか、そういった個々の研究者の経歴と個々の論文データというものが結びついておりません。よって、国全体でどういった論文の数があるか。どういった分野があるか。あるいはどういった国との共同研究が多いかといったトータルとしての姿は出てまいりますが、どうしても個々の研究者の背景等の分析というのは限界があるということでございます。

 ただ、どうしてこのようないわゆる2国間、あるいは多国間の研究が日本において少ないのかということにつきましては、実はこちらに出ていない資料の中で、例えばアメリカがいろいろな分野において共同研究の相手として選択していた国が、従来は日本が1番、2番であったものが圧倒的に中国に置きかわってしまっていることとか、そういったマクロの傾向としての分析はしております。そういう意味では、また事務局とも相談いたしまして、幾つかさらにここから広げてご説明できること、あるいは示唆として浮かび上がってくることにつきましては少しご提供させていただきたいと思います。

【小野委員】  今の発言に関連してよろしいでしょうか。

【大垣主査】  はい、小野委員。

【小野委員】  中国が研究者の数がかなり増えていることは間違いないと思います。これは例えば一人当たりのデータはあるのでしょうか。例えば教授一人当たりのデータ。中国は重点大学に対して大幅な投資をしているし、それから大学の入学定員もこの期間大幅に増やしていますから、研究者は当然増えているはずなので、その増えた部分がかなり影響していることもあると思うのですけれども、それ以外に中国が出す場合、とにかく外国との共同研究を応援しているから、その場合にどうしても、中国の研究者が日本を選ぶのではなくて、英語圏のイギリスやアメリカ、ヨーロッパ圏を選んでいるという点も私はあるのではないかと思います。その辺、何かもしデータがあれば教えていただければと思います。

【伊藤委員】  今、手持ちにございませんけれども、当然ながら中国全体の研究者数、こちらも発表されておりますので、単純に割りますと、一人当たりのデータは出てまいります。ただ、ここで難しいのは、中国の研究者の定義が若干国際的な定義とずれているところがございまして、実際にそちらが我々の言っている研究者とぴったり合っているのかというあたりが少し疑問な点もありまして、あまりデータとしては一人当たりというものが今までは示しておりません。そこは少し調べさせていただきます。

【渡邉委員】  よろしいですか。例えばNSFでファンドをされたプロジェクトには、どういう内容であるかということだけではなくて、研究者の情報のようなものも全部公開されております。そちらを探れば、大体ネットでつながっていて、その人間がどういう研究キャリアがあったかというようなことが全部わかるような仕組みになっていると。私、最近、興味があって調べてみたのですが、JSTはそのシステムをお持ちになっていないのではないか非常に気になっているのですけれども、ないですよね。

【眞峯委員】  それぞれの事業でどういう研究総括の方にどんな研究をお願いしているのかというのはございますけれども、JSTトータルとして、国際事業、産学連携、基礎研究を通しまして、全部のデータベースを統合しているということはまだできておりません。

【渡邉委員】  私は、恐らくこの国際化の事業というか、委員会としての事業の中でやはり一番早急に力を入れるべきは、多分そういうデータベースを整理して、研究ファンディングに対して、どういうアウトカムとしての論文発表数なり、研究者の層、国際的な変動のようなものも反映されてきたのかということを知らないと、効果的な政策というのが出てこないのではないかという気がして、それを例えばNSFの場合にはどういう傾向にあるのかといったことも、国際的な比較の中で日本の強いところ、弱いところというのを十分に把握するような基礎的な部分を早急につくっていく必要があるのではないか。それがなければ、これ以上定量的な議論は難しいというふうに私は思います。早急にデータベースは整理したほうがいいのではないかなというのがサジェスチョンです。

【大垣主査】  ありがとうございます。ほかにはよろしいですか。どうぞ。

【小林委員】  少し別のことに話を変えたいと思いますけれども、今回のこの資料をいただいて思ったのは、前回議論したのがもう半年以上も前でしたっけ。やはり時間の経過というのをすごく感じまして、前回の時点であれば、この情報でもよいのでが、今であればこうではないだろうなと思うところが幾つかあります。二つ大きい問題があって、一つは第四期の基本計画との関係について、時間もたっているので、もう少し体系的にうまく整理しながら議論したほうがいいのではないかというように思うところがあります。今のところ何となくばらばらと一つ一つ物を取り出して議論をするというような感じになっていますけれども、少し体系的に議論すべき時期にあるのだろうという気がします。今のところ何となく、タイトルには「踏まえて」と書いてあるのですが、中身が、あまり対応関係がついているのとついていないのがあったりするので、そこを整理したほうがいいのかなと思います。

 もう一つは東日本大震災の件ですが、今回データが追加されて、より分析的になって、非常にいろいろな意味でのインプリケーション等も得られるものも増えたと思う一方では、例えば3ページにある東日本大震災により生じた科学技術の国際活動を妨げる事象については前回とそれほど変わっていなくて、なぜか順番が少し変わっていますけれども、それほど内容的には変わっていないという感じがします。

 これが外国の人の目にとまるのかどうかよくわからないのですけれども、多分もう少し丁寧に書いたり、あるいはもう少し分析したりしないとまずいのではないかなという気がします。例えば、日本人だったらすぐわかるのですけれども、断水とか、施設・設備の破損というのは、当然被災地域の話です。それに対して、外国人研究者の話というのは、もしかすると日本全体の話かもしれません。そういうところを区別しないで書いてしまうと、もし外国の人が見たら、日本中同じかと思って、かえって不要な心配をされる可能性もあると思います。そういう意味でいうと、先ほどの統計についても、できれば被災地域とそうでないところの区別ができるのであれば、丁寧な分析をするとか、それによってちゃんと学んだことを明確に示していくということも重要ではないかなという気がします。細かいところはいろいろほかにもあるのですが、大きいところはその二つです。よろしくお願いします。

【大垣主査】  ありがとうございます。

【眞峯委員】  話が戻りますけれども、データベースの話がございましたけれども、もう一つ、私どもが今いろいろな形でファンドをさせていただくときに、特に日本に来られている外国人研究者の方にも私たちの事業を大いに活用していただける資格を持っている方はかなりいらっしゃるので、こういう方が私たちのファンドを使っていただくときのインフラとして整っていないものがもう一つありまして、それはe-Radのシステムが、英文で書いたものは受け付けるのですけれども、アプリケーションフォームに何を記入しなければいけないのかというところが、日本人が教えてあげないと、どこの欄に何を記入したらいいのか対応ができていないので、その辺も含めまして、日本の特に拠点に来られていて、いろいろなファンドに応募できる資格を持っている外国人の方が日本のファンドに応募できるようなことを整える、そういうインフラももう一つ整えていく必要があるのではないかなというように考えております。

【大垣主査】  ありがとうございます。永野委員。

【永野委員】  震災のことで一つ、これはいいことなのだなと思ったのは、例えば東海村の研究炉というのがとまって、まだ動いていないのです。それで、中性子利用研究というのは大事で、震災後、研究炉における大学での共同研究を例えばフランスの研究炉とか、そういうところでやってくれるようになったことなど、いろいろ現実に協力が動いたのですね。そういう意味でいうと、こういう震災のときに国際的な関係がネットワークをつくっておくことが実際上役に立っている。KEKもひょっとしてそうじゃないかと思うのですけれども、それが意外と動いていたように見えまして、行ってみると、実際にこの分だけ去年日本の人が来たと言っていました。現実にそういういいことも起こっているので、何かそういうことについても入れたらいいのではないかなと思いました。

違う話では、先ほどの論文の話ではヨーロッパの話の中で、イギリスなどでは予算が増えていないのに論文数が増えているという点については、EUがかなり予算を増やしていることがその一因ではないかと思います。特に、もともとEUは余り基礎研究の支援をしてきませんでしたが、何年か前から多額の予算により、個人の研究者のファンディングもしています。その中で特に若い人にも非常に協力に研究資金を出していて、しかもおもしろいのは、支援を受ける人は好きな所に行ってもいいよということになっているので、例えばイタリア人だったらドイツへ行くとなると、自然に国際共著論文ができてしまうわけです。そういう意味で増えているのだろうと思いますが、そういうEUのデータというのは結構公開されているので、意外とわかるところもあるのかもしれません。

 例えばアジアとの協力も最終的にはそういうことを目標にしているのだと思います。ここにもマッチングファンド方式による共同研究プログラムとか書いてありますので、どういうことを具体化したいのかというようなことも書きながら具体例を書き込むと、将来の姿と今行っていることの差異が見えてくるのではないでしょうか。

 ちなみに、EUのフレームワーク・プログラムは、お金さえ払えば同じメンバーになれるので、イスラエルやアイスランドはなっています。EUREKAという欧州の産業界の協力に近いプログラムでは、韓国がメンバーになっています。日本でも経団連などを回ったのですが、日本からは色よい返事がなかったそうです。そういうことで、やろうと思えばできることもあると思うのです。それが日本にとっていいのかどうかという観点から考えれば、いろいろなアイデアはあると思います。

【大垣主査】  今の2番目の件でEU、あるいはアジア政策は、この国際委員会自体が随分審議をして、昔、随分レポートをまとめています。改めて今ご指摘があったので、それを受けて、その後どうなっているかを調べれば、多分政策が生きてきているという、EUの動き、アジアのいろいろな動きの結果が今の状況になっているという可能性もあります。ですから、この委員会でかつて取り組んでいるわけですから、少しその辺も使えば、若手研究者の国際活動の低調化という議論をより大きい話に展開できる可能性があるかなと理解したのですが、政策というか、施策につなげないと、分析だけ行っても仕方ないという気がいたします。

 それと、フランスの今の震災時、その話も実は資料4-1の4ページ、先ほど事務局から説明がありましたけれども、2に震災時に国内での研究を継続できる研究継続ということが書いてあるのですが、これは国際的な研究継続に話を広げたほうがより良いということで、震災を契機に出てきた話として加えるといいかもわかりません。今ご意見を伺って感想を思い出しました。

【角南委員】  全体的なトーンの問題として、震災前のときから国際化をさらに推進しなければならないとこの委員会ではかなり危機感を持っていたと思います。したがって、震災前の状況に戻るだけでは全くだめで、もっと積極的に取り組む姿勢を強く打ち出す必要がある。そこで、全体の構成を少しそういう意味では考えないといけない。

 それで、もう一つ、日本だけの問題ではなくて、例えば海外、特にアジア、特に韓国とか、国際化を始めて相当進んでいるのではないかと私は見ています。あと、例えばアメリカの国際共著論文の相手国で中国が1位になったことなど、要するに日本を取り巻く海外の情勢は大きく変化しているわけです。だから海外の取り組みや状況もアップデートする必要がある。東アジア・サイエンス&イノベーション・エリアなどはかなり危機感を持ってもう1回検証する必要があると思います。

 【大垣主査】  大変よいご指摘をありがとうございます。確かに半年前の雰囲気と、今、事実関係が変わってきているので、その中で改めて取りまとめる方向を今ご示唆いただいたと思いますけれども、先ほどから同じようなご意見が出ています。ほかにはいかがでしょうか。大体この議論はそろそろ、時間的にも次に移りたいと思いますが、よろしいでしょうか。かなり重要なご提案がありましたので、その方向で整理をしたいと思います。

 それでは、次に、事務局が作成しました「日本としての戦略的国際展開の方向性論点(案)」について、事務局から説明をお願いいたします。資料5です。

【奥国際交流官補佐】  それでは、今後の国際委員会において、年末の報告書作成に向けてご審議いただく論点の案として用意しましたのが資料5でございます。参考資料4として用意しております第五期国際委員会の報告書では、科学技術・イノベーションの国際戦略として三つの取り組みを進める必要性を提言しております。一つは分野や相手国に応じた多様で重層的な協力。二つ目は国際的な人材・研究ネットワークの強化。三つ目は科学技術の国際活動の基盤強化でございます。これらの取り組みは参考資料3として用意しております第四期科学技術基本計画に反映されており、現在関連する支援事業等により、その振興を図っているところでございます。これらの取り組みをさらに促進する観点から、今後の論点として3点の案を提示しております。一つ目が主な支援事業等の実績・意義・効果を確認した上で、今後の実施すべき施策展開の方向性は何か。二つ目が施策は適切に体系化されているか。三つ目が定量的な数値目標を立てるべきではないかでございます。まず一つ目の論点につきましては、主な事業の内容、状況を確認していただいた上で、さらに推進するべきところ、効果的に推進するべきところについてご審議いただいてはどうかという案になっております。

 2ページ目をご覧いただきますと、参考1といたしまして、各取り組みに関連する支援事業とその概要を添付しております。ただ、文章だけは少し事業のイメージがわかりにくいかと思いますので、参考資料1として用意しております平成24年度の予算案の概要、こちらを参照しながら、主な支援事業の概要についてご説明をさせていただきます。本資料は文部科学省所管の科学技術関係予算をまとめたものでございます。何枚かページをおめくりいただきますと、冒頭に目次がございまして、青い紙以降に連番でページ番号が振られております。詳しい科学技術の国際活動に関する内容は87ページ以降、91ページにかけて記載してありまして、世界と一体化した国際活動の戦略的展開という項目でまとめられております。

 88ページをおめくりいただきますと、この項目の全体像を示すポンチ絵が示されております。資料5の参考1と構成は同じになっておりまして、(1)が国際共同研究、国際研究交流の支援事業、(2)が国際的な人材・研究ネットワークの強化に係る事業になっております。(1)は基本的に科学技術振興機構(JST)が行っている事業。(2)は日本学術振興会(JSPS)が行っている事業になります。全体の平成24年度の予算額は約170億円になっております。

 続きまして、89ページでございますけれども、参考1の(2)の一つ目の項目にございます頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣事業のポンチ絵でございます。平成24年度予算額は約20億円でございます。本事業は若手研究者の派遣を行う機関を支援するものとなっておりまして、審査等はJSPSで行うことになっております。研究組織の国際研究戦略に沿いまして、若手研究者を海外で1年から3年の長期間、組織的に派遣することにより、派遣先の機関で行う国際共同研究に携わり、さまざまな課題に挑戦する機会を与えるための旅費、研究費を支援するものになっております。本事業では、若手研究者が国内機関に所属したまま海外で研鑽を積むことができますため、帰国後のポストの不安がないこと、海外での研究実績を積極的に評価する観点を盛り込んでいることが特徴でございます。

 続きまして、90ページでございますけれども、こちらでは若手研究者の派遣と招聘を支援するJSPSの事業になっております。ともに個人の旅費や、研究活動費などを支援するものになっております。左側にありますのが、参考1の(2)の二つ目の項目にあります海外特別研究員事業でございます。平成24年度の予算額は約22億円になっております。若手研究者はJSPSに申請しまして、採用されれば海外の研究機関に2年間の長期派遣をするための所定の資金を支給し、研究に専念できるようにする事業となっております。

 右側にありますのが参考1、(2)の三つ目の項目にございます外国人特別研究員事業でございます。平成24年度の予算額は約36億円でございます。短期、中長期、受け入れのメニューがございますが、分野や国籍を問わず、さまざまなキャリアステージにあるさまざまな外国人研究者の方を大学や研究機関などに招聘する事業になっております。

 続きまして、91ページでございます。これらはいずれもJSTの事業でございまして、参考1、(1)の三つの事業のポンチ絵になっております。国際共同研究を推進する事業として、左側に1として、SATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)と、2として、SICORP(戦略的国際共同研究プログラム)の二つの事業が示されております。SATREPSは我が国の科学技術とODAとの連携により、アジア・アフリカ等の開発途上国と、環境・エネルギー分野、防災分野、感染症分野、生物資源分野といった地球規模の課題の解決につながる国際共同研究を推進しようとするものでございまして、平均で3,600万円を3年から5年間支援をするものになっております。平成24年度の予算額は約23億円になっております。

 SICORPは政府間合意に基づきまして、国同士が合意した相手国・地域及び研究分野において実施する戦略的な国際共同研究を支援する事業でございます。欧米等先進諸国や東アジア・イノベーション・エリア構想における多国間の共同研究プログラムを対象としまして、年1億円以下で3年から5年間の支援を行うものになっております。平成24年度予算額は約8億円となっております。

 ポンチ絵の右側にありますSICP、これは戦略的国際科学技術協力推進事業でございますが、政府間合意に基づきまして、国同士が合意した相手国・地域及び研究分野において実施する国際研究交流、すなわち研究集会の開催等に係る経費を支援する事業でございます。年500万円から1,000万円で3年間支援を行います。平成24年度予算額は約10億円でございます。

 それでは、資料5の説明のほうに戻らせていただきます。1ページ目に戻らせていただきますが、二つ目の論点案でございますが、これらの施策は適切に体系化されているかというものになっております。資料5の3ページ目をご覧いただきますと、参考2ということで、分野を特定しない科学技術分野に係るものに限って国際関係施策の体系化を試みた資料を添付しております。国際的な我が国の立ち位置としまして、中国などが台頭してくる中で我が国の論文シェアが低下し、トップ論文数の伸び率が先進諸国と比較しても低く、国際ネットワークからの孤立化の傾向を示唆するデータ、また、世界の研究動向との乖離を示すデータが得られていることを踏まえまして、我が国が今後とも科学技術イノベーションにおける国際競争力を維持・強化することができるように、施策の体系、位置づけを明確にしまして、効率的・効果的にこれらの施策を推進するための整理を行うものでございます。

 戦略的な科学技術外交の推進と国際的な頭脳循環の中で活躍できる人材養成を目的としまして、右側の一番下にあります研究環境などの基盤整備、これを着実に実施しまして、その上で派遣や招聘、支援を通じて、若手研究者が国際的研究ネットワークに入り込んで切磋琢磨できる環境を提供し、最終的には国際舞台で研究者に活躍してもらえるように国際共同研究を支援していく。大まかに申し上げますと、そのような位置づけで各施策を体系化できるのではないかと考えております。

 それでは、1ページ目に戻らせていただきます。三つ目の論点案でございますけれども、定量的な数値目標を立てるべきではないかというものになっております。例としまして、中長期の海外派遣研究者数約7,700人以上という定量的目標案を記載しております。この目標案は第五期国際委員会の報告書の7ページにも記載してあるものでして、30日以上の海外派遣研究者数について、平成18年度は4,200人であるが、ピーク時の平成12年度の約7,700人を超え、派遣者数を格段に増やすというように記載されていたことを踏まえたものになります。この目標に関連しましては、平成23年8月に閣議決定されております日本再生のための戦略に向けての工程表におきまして、2020年までに達成するべき成果目標として、日本人海外長期派遣研究者を2倍というふうに設定されておりますので、この達成に向けた方策を検討するという方向性もあり得るかというように考えております。

 二つ目の例としまして、若手研究者に求める海外での研究経験でございますが、これは例えば大学などでの常勤職としての採用の際に一定の海外経験を求めるなどの方策が検討できないかというような問題意識になっております。このような論点などについて今後審議をいただきまして、その結果が検討状況(案)に反映され、最終的には年末の報告書が仕上がっていく。そのような作業のイメージを考えております。

 以上で資料5の説明を終わらせていただきます。

【大垣主査】  ありがとうございました。ただいまの内容に関しまして、ご質問、あるいはご意見がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。

【永野委員】  この参考2の資料の左を見ると、余り人の流れがないような感じがします。これだけでなく、例えば日本の大学に来る外国人の割合などについて、OECDの統計がありますね。卒業者がどのぐらい外国に行くかということを見ると、日本が世界のネットワークから孤立化していることは、国際共著論文の研究からだけでなく、人材の流れからはより明瞭なので、そちらを入れるのも一つのアイデアではないか。しかし多くなりすぎてしまって要らないかもしれませんけど。

 それから、特別の目的を持たない研究についてということになりますと、文科省ではヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムを支援していますが、あれがこういう中でどのように位置づけられるのかというのがあるはずだと思います。ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムは、最近だんだん日本から出す予算は減っていますけど、国際的にはいろいろな研究者と会うと、あの支援により非常にいい成果が出ているというような話になるのですが、日本側がこの予算を戦略的に使っているのか、使っていないのかという点についてのしっかりとした位置づけがないとこの予算は要らないのではないかというような議論も出てくるかもしれません。位置づけられれば、ではこういう観点から、こういうのは要らないけど、あれをこのようにしようかなど、そういう議論も出てくると思います。

【大垣主査】  ありがとうございます。特に事務局、今の件はよろしいですね。

【木村国際交流推進官】  ただいまのご指摘の中で、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムは一応、一番右側の一番上の国際共同研究(国際舞台)をつくるものの多国間の枠組みの中の一つとして、我が国がリーダーシップを発揮するというところで一応位置づけはさせていただいております。あくまでもこれはごく一部でございまして、そのほかにも、分野を特定しないものでもほかの施策がありますし、分野を特定すればライフであり、材料であり、いろいろな国際施策がございますし、当初の中でも、例えば文化関係でも国際関係でも多数あります。また、他省に目を移せばもっとございまして、あまり書き過ぎますとあふれてしまいますので、主なものということで書いているのですけれども、既存の施策のみならず、まだ不十分なところ、例えば真ん中の人材交流・拠点(切磋琢磨)が求められる時期でも、もう少し孤立化を防いで、相手の組織の中に入り込む。具体的には、例えば相手の機関にお客様扱いでお金を持っていくのではなくて、相手機関に雇用されるような制度とか、あるいはせっかくできた縁が長続きせず、共著論文とか、共同研究に伸びが他国と比べて少ないのは、何かそういうような欠点があるとか、いろいろ何かの形で整理することで一つ課題が顕在化する議論の材料になればと。こういったご議論、本日の委員の皆様のご意見を踏まえて、報告書、最後はいいものになるように、また途中段階であっても使えるご議論は概算要求に入れさせていただくなど、そのようなことも考えた資料でございますので、幅広くご意見をいただければと思います。

【永野委員】  私もヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムはおもしろいのではないかなと思うのは、日本の施策はほとんどバイですよね。それでいてネットワークに入っていないという議論を一方でしている。ということは、ネットワークに入るようにお金を使っていないのだけれども、もしかしたらヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムは珍しくマルチとして運営しているので、他の事業とカラーが全く違って、何となく理解しにくいところがあるのですが、マルチを大事にしないとネットワークに入れないという観点からいうと、もしかしたらおもしろいことにお金を使っているのかもしれないなと思いました。

【土屋局長】  あまり事務局が話し過ぎることもどうかと思っていたのですが。今、永野委員からご指摘がありました例示として挙がったヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムのこともそうですが、一番端的な例示だと思いますけれども、マルチと言いますか、国際サイエンスコミュニティに対してファンドをつくって、それを使って世界に貢献しようということで行ってはいるわけです。そのお金が使われているところまでは貢献はしていると思うのですが、そのことがここで言う国際ネットワークとのリンク、人のつながりやネットワークができているかとか、共同研究につながっているかとか、出したお金、今の予算はたしか十数億円、20億円弱程度の事業を行っていますけど、本来はもう少し頭を使って、40億円なり、60億円なり、それぐらいの効果があるような、こちらの絵にかいてある、左側に書いてあるいろいろな問題点があるわけです。

 先ほどから言われているようなブレイン・サーキュレーションから外れているのはなぜかと。外れていることのそういう問題点をどうやって解決するかといったときに、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムをどう使っていくかということを考えないといけないのですが、それができていない。であれば、少し問題かもしれませんが、その17億円はほかに使ったほうがいいのではないかということに当然なると思うのです。我々も予算はそれほど伸びないわけですから、今の予算の中でより効果的にメリハリつけて使わないといけないだろうという問題意識を持っていまして、先ほど説明させていただいたような議論を是非していただきたいというように思っています。よろしくお願いします。

【小野委員】  この論点案の定量的な数値目標を立てるという、私も賛成ですが、例えば中長期の海外派遣研究者数というのが、先ほどの過去のピークに戻すというのを目標にするというのはいかにも情けないと言いますか、かつて震災前も不十分であったのに、そのときに戻すというぐらいの目標では不十分ではないでしょうか。このような目標を立てていては。もちろん予算が絡みますから、一遍に増やすことは難しいのですけれども、例えば共著論文を増やすための戦略を立てるのであれば、頭脳循環で行った人たちは必ず論文を何本以上書くようにとか、あるいはプロジェクトで政府から出したときに、海外のすぐれた研究者との共著論文をとにかく増やすということをメッセージとして強く流すというのは意味があると思うので、単に研究者数を増やすというだけではなくて内向きの、中身が外に行かないこともそうだけど、共著論文もなかなか書かないというところにあると思うので、送り出すだけであれば、かなりお金がかかることですから、なかなか財政上難しい面もあると思うのですけれども、論文を書くようにと言うなら、結構できるはずなので、それはまさに日本にいてもできるし、もちろん外国へ政府のお金で行った人は必ず書くようにというようなことを示すとか、過去に戻るのではなくて、将来に飛躍することを考えないと中国の愛国主義的な戦略に対しては勝てないと思うので、そこまで中国ほどやることはないと思うのですけれども、やはり将来的に日本のステータスを維持するなり伸ばすためには、あっと驚くような目標をきちんと立てて、もちろん不可能な面もあるかもしれませんが、必ずしも予算だけの問題ではないと思うので、やはりチャレンジできるように、日本の社会自体がチャレンジしていないから若者もチャレンジしていないので、大人もチャレンジしていないので、やはりチャレンジ精神をエンカレッジするような目標を立てるべきではないでしょうか。過去のピーク時に戻そうというのは非常に情けないと思うので。

【大垣主査】  ほかにはよろしいですか。

 もう一つ、例えば先ほどの資料の中にありました中長期の人数が増えていますよね、ここ1年で。これは先ほど少し説明があったように、ある種の政策の結果であろうということで、こういうものをもう少し積極的に書き込んでそれを伸ばしていけば、翌年また200名、翌年という、そういう政策の効果のようなものをできるだけ書き込むと次の政策につながるのではないかという感じがしました。だめなことばかり言っていても仕方がないので、という感じが少しいたしました。ほかになければ。どうぞ。

【小林委員】  先ほど角南委員がいろいろな基盤的な条件が変わっているという話をされたのですけれども、参考2の図を見ても、ポンチ絵みたいなものを見ても、左側に書いてある論文のシェアの低下とか、質の低下とかという話とか、あるいは世界の研究動向と日本の研究動向の乖離とか、こういった問題は、実は国際関係の施策だけで解決できる問題でない、他の要因や条件が関わっているのは明らかなわけです。やはりもう少し広めの視野から考えないといけない。ほかの政策は非常にダイナミックに変わっているところなので、ここで示された図式では目標と施策が離れ過ぎているのではないか。あるいは離れているのならば、うまくそれをつなぐための重点的、戦略的な方針を立てるということを考えないといけないという感じがします。

【大垣主査】  ありがとうございました。もしほかになければ、今出された資料5の論点と、先ほど我々が議論した検討状況というものの関係はどうするのでしたでしょうか。この報告の取りまとめとして。

【奥国際交流官補佐】  先ほど検討状況の案の中でいろいろご議論いただいて出てきた論点。また、この資料5の中でご提案させていただいた論点。いずれも今後、最終的な報告書を取りまとめていくに向けて議論すべき論点になってくると思いますので、それはいずれも今後の国際委員会において取り上げるべき論点ということで取り扱うべきものだと考えております。

【大垣主査】  そうすると、最後は両方が入っているレポートになる。そういうイメージでしょうか、簡単に言いますと。

【奥国際交流官補佐】  イメージとしましては、全体的な項目立てとして、今第3章が第四期の基本計画を踏まえたフレームワーク及びその取り組みという形になっていて、トピックとして第1章と第2章が立っている。そういう構成になっておりますので、新しく玉としてまとまるものがあれば、新しい第3章の中に切り出して、別途まとめることもありますでしょうし、あるいは第四期の基本計画を踏まえての取り組みの中に溶かし込むこともあると思います。そこは今後の議論の進捗に応じて、資料の構成は変えていけるのかなというふうに考えております。

【大垣主査】  最後に今小林委員からご指摘があったようなことと少し関連するのですけれども、少し大きい部分と小さい部分と両方整理して、それこそ今、小林委員ご指摘の全体像がわかるように、それでその中の何を議論したかがわかるように整理すると、そういう議論です。

【土屋局長】  先ほど小林委員が言われたとおりで、今の幾つかの問題は国際関係だけではなくて、全体で考えないといけない問題だと認識しており、関係する委員会ではすべて同様な問題意識を持って取り組んでおります。

 それから、最終報告書はどうなるかということですが、我々の中でまだ十分練れてはいないのですが、むしろ本日の資料5にある論点が一番大事なところで、こちらが報告書の肝の部分だと思っています。それを取り巻く現状をどう分析するかというのはその前提であったり、背景であったりということだろうと思っていまして、ぜひ資料5にある論点をご議論いただいて、方向性を出していただければというように考えております。

【大垣主査】  わかりました。よろしいでしょうか、委員の方々、これから先の半年ほどの作業がそのような方向ということですが。

 ほかになければ、予定の時刻が近づきましたので、よろしいでしょうか。はい、どうぞ。

【伊藤委員】  すみません、1点だけ。今、政策のパッケージというようなお話が出ているかと思いますけれども、先ほどのデータ、幾つか政策研究所のほうからも出しております。そこで一つ言えるのは、やはり現在研究論文を出している主体、これは圧倒的に大学でございます。研究論文の数は減ってはおりません。伸びてはおりますけれども、その伸びが諸外国に比べて少ないというのは、ひとえに大学における研究論文の生産性、これが必ずしも諸外国と同じようなレベルには至っていないという問題が一つございます。

 それともう一つは、大学におきます博士課程を中心とした留学生の受入れと派遣、つまり、大学の国際化といったような問題もあろうかと思います。よって、この研究におきます主体の大きな部分を占める大学の研究の重点化の促進、国際化といったような問題と、この研究開発の国際化といった問題、これは密接な関係もございますので、そういう意味ではパッケージという議論の際には、そのあたりの施策とも重点的に連携をとりながら進める必要があるというように考えております。

【大垣主査】  ありがとうございます。そのような大きな構造も同時にこの論点の中に入ってくるだろうということであります。

 それでは、検討状況(案)、それから論点(案)については、本日皆様からいただいたご意見を踏まえて、事務局で修正、整理をした上で、また次の資料といたします。

 それでは、最後にその他の案件として、事務局からお願いいたします。

【奥国際交流官補佐】  それでは、資料6になります。今後のスケジュール案をご覧ください。次回、第7回の国際委員会は8月ごろに開催を予定しております。以降、10月、12月ごろに第8回、第9回を開催しまして、年末目途で報告書を取りまとめる予定でございます。

 日程につきましては、大垣主査とご相談の上、事務局から皆様方にお伝えさせていただきます。

 本日の資料につきましては、大部になっておりますので、そのまま机上に置いておいていただければ、事務局から封筒に記載のあて先へ郵送させていただきます。

【大垣主査】  それでは、次回の会議の日程等、あるいは進め方については、私のほうで事務局と調整させていただきます。

 なお、本日、言い尽くせなかった点などございましたら、事務局までEメールなどでお知らせいただければと存じます。

 それでは、本日の委員会はこれをもって散会といたします。活発なご意見、ありがとうございました。

 

―― 了 ――

 

お問合せ先

文部科学省科学技術・学術政策局国際交流官付

鈴野、飯田、山本
電話番号:03-6734-4053
ファクシミリ番号:03-6734-4058

(科学技術・学術政策局国際交流官付)

-- 登録:平成24年11月 --