平成23年7月12日(火曜日)16時~18時
文部科学省 東館16階特別会議室
大垣主査、伊藤委員、小野委員、唐木委員、國井委員、小林委員、永野委員
合田科学技術・学術政策局長、藤嶋国際統括官、阿蘇計画官、匂坂国際交流官、木村国際交流推進官、奥国際交流官補佐
【大垣主査】 定刻となりましたので、ただいまより第4回の科学技術・学術審議会国際委員会を開会いたします。
それではまず、事務局から、本日の議事及び配付資料の確認をお願いいたします。
【奥国際交流官補佐】 本日の資料は、お配りしております配付資料一覧にございますとおり、資料1から6と、参考資料1から5でございます。順番に確認をさせていただきます。
資料1、第6期科学技術・学術審議会国際委員会(第3回)の議事録。
資料2、グローバル人材育成推進会議 中間まとめ(概要・本文)。
資料3、Experiences from the March 11 disaster。
資料4、筑波研究学園都市を国際拠点とするための提言-世界各国から優秀な人材が集まり、また、世界に送り出していくために-(要旨・本文)。
資料5、第六期国際委員会中間的とりまとめ(骨子案)(科学技術の国際活動における課題の分析と今後の具体的取り組みの方向性(仮))。
資料6、今後のスケジュール(案)。
参考資料1、事業仕分け第1弾(平成21年11月)「研究環境国際化の手法開発」。
参考資料2、事業仕分け第3弾(平成22年10月~11月)「競争的資金」論点ペーパー(財務省作成)、「世界の活力と一体となった研究開発システム構築の推進」ポンチ絵。
参考資料3、総合科学技術会議に対する諮問第11号「科学技術に関する基本政策について」に対する答申について。
参考資料4、第5期国際委員会の提言内容と対応状況、同提言内容と「『科学技術に関する基本政策について』に対する答申について」との関係について。
参考資料5、第1回~第3回国際委員会における各委員等からの主な発言。
となっております。
資料の欠落等ございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。
なお、資料1の第3回国際委員会の議事録につきましては、委員の皆様に修正点をお伺いいたしまして、それらを反映しているものを本日配付させていただいております。議事録につきましては、後ほど文部科学省のホームページにおいて公表されますので、ご承知おきいただければと思います。
以上でございます。
【大垣主査】 ありがとうございます。
それでは、議事に入ります。
事務局より、「グローバル人材育成推進会議」について、説明をお願いいたします。
【匂坂国際交流官】 グローバル人材育成推進会議についてでございますが、これにつきましては、前回の会議でも、そういう会議が設けられたということについて資料を配付させていただいて、簡単にご説明をさせていただいたところでございます。このたび、6月22日付で、その推進会議の中間まとめがまとまりましたので、簡単にご報告をさせていただきたいと思います。
そもそも、このグローバル人材育成推進会議の位置づけでございますが、新成長戦略が昨年6月にできまして、その中でも、グローバルな人材を育成することが課題になっています。その新成長戦略をどのように実現していくかということをフォローアップするための「新成長戦略実現会議」ができておりまして、その「新成長戦略実現会議」のもとに、このグローバル人材育成推進会議というものができたという状況になっているところでございます。
そこで、グローバル人材育成推進会議の中間まとめでございますが、大きく6つの柱から成っております。1番目が、基本的な問題意識ということで、かぎ括弧つきで「内向き志向」ということで、一部には、若者の、いわゆる「内向き志向」を指摘する向きもあるというようなことを言っておりまして、そこでいろいろな課題があるということを言っております。
そこで次に、2番目の柱として「グローバル人材の育成及び活用」ということで、グローバル人材というのはどのような人のことをいうのかということ、さらに、その育成及び活用に向けた諸課題として、どのようなことがあるのかということを述べているところでございます。
3番目は、主に初等中等教育に関することを言っております。
4番目は、大学教育で、大学入試、高等教育の国際展開、留学生交流等について言っております。この中で、例えば2枚目、3ページ目の4のところ、星の5つ目のところで「学生・若手研究者・社会人を通じた在外期間中の滞在・生活費支援の仕組みづくりを促進」といったことや、ここの概要には書いておりませんが、本体のところには、「若手研究者が共同研究等に従事できるような機会の充実を図る」でありますとか、「欧米のトップレベルの大学に比肩し得るような体制整備を図る」というようなことが書かれております。
次の5番目といたしまして、経済社会で、「採用活動、採用後のグローバル人材育成・活用等」ということで、ここの概要のところには書いておりませんけれども、本体のほうには、例えば研究機関内部でのグローバル人材育成のための取り組みの促進を進めていこうというようなことが書いてあるところでございます。
6番目として、その他、職業教育・訓練、国際ボランティア活動、環境整備等ということが書かれております。
以上のように、中間まとめとしてまとめられたわけですが、この後は、この夏に行われます概算要求等がどのようなことになるかといったことを、またこの会議でフォローアップをしていくということになっていると聞いているところでございます。
説明は以上でございます。
【大垣主査】 ありがとうございました。
それでは、資料2について説明ありましたが、何かご質問、ご確認すべきことがあれば、お願いいたします。
【永野委員】 直接関係ないのですけれども、新成長戦略は震災があったので変わるのでしょうか。
【匂坂国際交流官】 正式には、新成長戦略を変えるという話にはなっていないと思います。当然、震災を踏まえて若干柔軟に対応するところはあるのだと思いますけれども、少なくとも我々レベルでは、変えるという話にはなっていないと思います。
【大垣主査】 よろしいですか。ほかには。
それでは、次の議題に行きたいと思います。
次に、在京の科学技術担当書記官の会として、駐日スイス大使館フェリックス・メスナー科学技術部長、駐日アメリカ大使館ブルース・ハワード参事官より、東日本大震災の際の我が国の海外に向けた情報発信について、説明をお願いいたします。
【ハワード参事官】 ありがとうございます。よろしければ、英語でしゃべらせていただきます。
今日は、メスナーさんと私をこのような場にお招きいただいて、本当に光栄に思っております。私は、メスナーさんとともに、科学技術担当書記官の会の共同議長をしております。この科学技術担当書記官の会ですけれども、在京の大使館におきます科学技術のアタッシェ及び参事官による組織であります。そして、私どもは各国それぞれの、自国におきまして、自国に対する3・11の震災に関する対応に関与してきているわけですけれども、それと同時に、さまざまな支援活動なども行っております。
今日は、皆さんから質疑があるということで、その質疑応答のセッションに参加させていただけることを、本当に光栄に思っております。
【メスナー科学技術部長】 私も、ハワードさんとともに、3月11日に起きました悲劇に関しまして、心からの弔意を示したいと思います。
実は、私どもは文部科学省からリクエストをいただきまして、3月11日以降、私たちが受け取った情報にはどのようなものがあったのか教えてほしいと言われました。今日のプレゼンテーションにおきましては、その内容をまとめておりますので、プレゼンテーションを始めていきたいと思います。
今日のプレゼンテーションの内容ですけれども、こちらに書かれております。まずは、科学技術担当書記官の会について、ちょっとした紹介をさせていただきたいと思います。そして、私どもが会といたしまして行ったアンケートについても、言及したいと思います。その中でどのようなことを聞いたのかといいますと、科学技術の情報というものが十分であったのかどうかという内容や、どのような情報源からその情報をとってきたのか、そして今必要とされている情報は何なのか、そして、どのようなチャネルを使って情報を伝達していくことが一番効果的なのか、さらにはコメントなども交えながら、今日のプレゼンテーションをしていきたいと考えております。
先ほどの、この1つ前のスライドで出てきていた写真の部屋ですけれども、皆さんよくご存じかもしれません。私たちは、よく、この文部科学省のゲストとして来ております。
そして次に、科学技術担当書記官の会について、少し紹介させてください。この会は、70年代後半に設立されました。その会員といたしましては、80以上の機関が携わっておりまして、大使館及び関連の機関から成っております。そしてこの関連機関というのは、例えば中国科学技術アカデミーや、その他の科学技術アカデミー、そういったところがメンバーとなっております。そして、この会員のバックグラウンドといたしましては、科学技術の人が大変多いのですけれども、それに加えましてイノベーションの事項等、こちらにはeducationと書いているのですけれども、これは誤りでして、higher education、高等教育に携わっている人が多くおります。
そして、私どもの会ですけれども、さまざまな活動、セミナー、そして訪問のプラットフォームとなっております。さらには、政府の指導者や高官、学術界、そして民間との交流を行っている会でもあります。こちらの写真なのですけれども、私どもが行った訪問や、または記者発表等といったものがこちらに掲げられております。
では次に、アンケートの議題に入りたいと思います。
私どもは、このアンケートを会のメンバー80人に送りました。そして回答数といたしましては、こちらに提示されているように16件でした。この回答の数が少ないのは、実は皆さん今、夏休みに入っており、人をつかまえるのが難しい状況だったためです。ただ、こちらに、どの国から回答があったのかということが書かれております。ブラジルからアメリカまで、リストされております。
まずは、3月11日の震災以降、発信された科学技術情報の量が十分であったかという質問です。五分五分という回答が出ております。7つの回答は「いいえ」でした。そして7つの回答が、一方で、情報の量は十分であったと答えております。ちょうど半々です。
そして、その中で見られた最大の関心事項が2つありました。1つは、福島第一原子力発電所に関連する放射能の問題、そして2つ目は、何か支援を差し伸べたいのだけれども、どのようにすればいいのかという点です。
多くのメンバーが、出された情報の質及び量に満足しているといった好意的な回答が出ております。そして後ほど、この情報量についてはお話をしたいと思うのですが、震災の直後よりも、質と量に関しましても、情報は改善したという好意的な回答を並べたものがこちらです。
日本政府は、迅速に情報を英訳しなければいけないというニーズを理解し、たくさんの情報の英訳が迅速に行われていました。また、外務省とその他省庁との共同会見がありましたけれども、このような会見は「よい」という回答が来ております。また文部科学省が出している日常生活と放射線の情報は、とても役に立ったという意見も来ており、さらに文部科学省から出ている情報はずっとよくなって、そしてかなりの努力の跡が見られたという回答が来ております。
では、次に改善すべき点を、こちらのスライドにまとめております。まずは、情報における分析、解釈、そして文脈が欠けていたということがあります。つまりデータはたくさんあるのですけれども、解釈や文脈が欠けていたために、そのデータが何を意味するのかわからないという点です。そして2つ目といたしましては、適切な参照項目の情報を欠いていたという点です。これはどのようなことかといいますと、例えば、雨が降って放射線量がピークになっていたとしても、東京の放射線量というのは、ほかの多くの国よりも低いといった参照事項が欠けていたということです。これは、特に3月15日のことを指していると思います。そして3つ目といたしまして、矛盾する情報が流通しているために、信頼性を欠いた情報があったということです。ただ、私個人の意見といたしましては、情報はかなり調整されていましたので、信頼するに足る情報であると私は思いました。
その次に述べられているものといたしましては、情報のビジュアル化が欠けていたという点です。つまりデータがたくさんあったときに、それをまとめ、そしてそれをビジュアルで見やすいようにするという点が欠けていたということです。こういった点において、国際機関というのは、情報を明確にビジュアル化していると言えました。
そして5月以降は、情報が多過ぎるという点が問題となっています。特に外務省の会見について、それが言えるでしょう。これは情報のオーバーフローになっておりまして、すべての情報に目を通すことが不可能になってしまっています。
続きまして、さらに改善するべき点といたしましては、外務省の会見については、もっと早く始めてもよかったのではないかと思います。そして、そのために外務省の会見というものが、一定の水準があるとすれば、その水準以下であったと、そういった会見になってしまったことが挙げられました。つまり、たくさんの資料が配られるのだけれども、それに対して十分な説明がないという状況になっていました。
そしてもう1つといたしましては、文部科学省がもっと早く説明を始めるべきであったと考えております。そしてSPEEDIのツールをもう少し活用すべきではなかったのかという意見がありました。
次に、プレゼンテーションの観点からの問題なのですけれども、ウェブサイトに掲載されている情報が、これはどちらかというと西洋的な観点かもしれないのですけれども、テーマごとにフォーマットすべきではなかったかという意見がありました。また、この資料に関しましても、私の記憶が正しければ、送られてきた資料の解像度が低く、見にくかったことも改善点として挙げられるかと思います。もちろん各省庁の努力は見られました。
そして、こちらのページの最後ですけれども、生データは確かに役立つものではあるのですけれども、一般人からしますと、情報をもっと簡潔にまとめてもらったほうが見やすかったと思います。
次に、情報源です。
では、どのようにメンバーが情報を得ていたか、その情報源を示したものが、こちらのスライドです。そして、まず1番に挙げられているものが会見、これはおそらく外務省のものと思われます。それ以外にも、GRIPS(政策研究大学院大学)などの機関が会見を行って、説明を十分にするように努めてくださいました。そして、その次に日本の新聞、次に日本のウェブサイト、これはおそらく省庁のウェブサイトであると思われます。日本語の能力が低い外国の方もいるので、日本のテレビは少し低くなっています。そして次に、自国のウェブサイト、そして自国の新聞、さらには、日本で行われるシンポジウムといったところから情報を得ていることが、このグラフからわかります。
では、復興段階における情報に何が必要なのかということについて、お話しします。
復興段階における情報ニーズですけれども、やはり一番大きいものといたしましては、原発災害に関する情報です。まずは除染に関する情報、そしてこれが環境へ及ぼす影響についての情報、人々の健康に関する情報、私が大変重要と感じるのは次でして、食の安全とその追跡、そして詳細なロードマップ。このロードマップは、もともとのロードマップと、そして現在どこまで達成されたのかということを比較するというところも重要です。そしてもう1つ重要なことが、新たな災害防止計画です。
では次に、復興段階において必要な情報ニーズの次といたしましては、R&Dセンター、研究開発センターの状況がどのようになっているかという情報です。例えば、どのような被害があったのか、復旧の状況はどうか、個人はどのような状況になっているのか、そしてどこに対して支援ができるかといった情報です。そして、日本における外国人学生と研究者の状況です。どのようにしたら、将来より多くの外国人に日本に来てもらえるのか、つまり本国に戻ってしまった学生に、どのように日本に帰ってきてもらうか、そういった情報です。
さらに、地震は、日本の政策にも影響を及ぼしました。そのために、地震が、大学に対する政策、エネルギー政策、災害予防政策、そして、特に第4期科学技術基本計画に対して、どのような影響を及ぼしているのかといった情報も必要になります。
そして次に、国際社会には何ができるのかといった情報も必要になります。課題に取り組むために、どのような支援が必要なのか、健康に関連する支援、除染や研究センターに対する支援といった情報が必要です。また、どのような国際協力が有用かという情報も必要になります。さらには、政府や独立した専門家による安全の保証に関連する情報も重要です。世界に対して、日本は、観光、出張、留学や研究のために来るのに安全な国であるということを納得させる情報が必要です。そして、その中でもとりわけ重要なのが、食品は放射能の影響を受けず、安全であることを示す情報です。
また、地図のようなツールも必要になってくるかと思います。例えば、ホットスポットを示した地図、また、すべての県における放射線量レベルを示した地図などです。そして、少し語弊があるかもしれませんけれども、影響があるのは日本全体の1~2パーセントのみであって、ほかは安全であるということを示す地図などです。
では、このような科学技術情報を、どのようにして効果的に伝達できるのでしょうか。こちらに、どのようなチャネルが有用であるかということが書かれております。まずは、ウェブサイトや新聞、そして会見などを行って、適切なジャーナリストに対して、適切な情報を提供していくということ。ニュースレターやテレビなどが挙げられます。
次に、コメントです。
最終的なコメントといたしまして、まず英語が大変重要であるということが書かれております。英語の情報は大変重要です。しばしば起こることですけれども、公式サイトの情報は最新でなかったり、完全でなかったりするという問題があります。次に、新しい情報も必要です。最近の会見を拝見しますと、同じ情報の繰り返しが多く、新しい情報が入ってこないといった状況があります。
では、ここからは、4つの大変重要な事項について述べていきたいと思います。
まず1つ目といたしましては、今こそがチャンスであるということです。今こそ日本が、将来のエネルギー技術と持続可能性の世界レベルのR&Dのハブになるチャンスであるわけです。ぜひこのチャンスを活用してください。
次に、ニュースレターの活用です。日本の科学技術に関連する情報、そして復旧への努力を可視化するために、ニュースレターを配付していくことが大変有用であると思います。私たちのような外交団のサークルにも、そのようなものを配付することが有用であると思います。
こちらにニュースレターのサンプルを持ってまいりました。ぜひ、特に文部科学省の方にも見ていただいて、そしてどのようなことができるのかということを、こちらから参考にしていただければと考えております。
次に、原発などの災害に関連する1つの集約されたサイトを立ち上げることです。例えば放射線量の情報、食料、水、土壌に関連する情報を集約したウェブサイトを立ち上げることです。それぞれの省庁が別々なウェブサイトを出すのではなく、1つにまとめたほうが見やすいと思います。もちろんこのためには、さまざまな省庁の協力関係が必要です。
そして最後に、重要なことを言わせていただきたいのですけれども、ぜひ私たちを使ってください。科学技術の参事官、そしてまた在京の科学技術担当書記官の会は、皆さんのサポート及び支援の窓口になることができます。ですので、もし何か手助けが必要であれば働きかけてください。
今、私が掲げておりますのが、今回のプレゼンテーションをまとめるもとになった資料です。
以上です。
【大垣主査】 どうもありがとうございました。
それでは、皆様から、今のおもしろいプレゼンテーションに対しまして、何かご質問がありましたらお願いいたします。
【永野委員】 14ページにuseful sourcesというのがありますけれども、先月、英国の政府主席科学顧問のベディントン氏の講演を聞きました。イギリス大使館のウェブサイトには震災直後のベディントン氏と東京の大使館の間での原子力災害への対応についてのやりとりが載っていて、我々にとっても利用価値があったのですけれども、主要国間でも情報のやりとりがあったと聞いています。例えばスイスとアメリカ、スイスとイギリス、アメリカとイギリスなど、そういう大使館同士でいろいろな情報、有益な情報というものをやりとりされていたのでしょうか。
【ハワード参事官】 ご質問ありがとうございました。
今ご指摘がありましたように、多くの大使館がお互いにコンタクトをとっていたという、そういった事態があったと思います。そして私たち自身も、イギリス大使館などを含む五、六の大使館と連絡をとって、情報を共有いたしました。そして自国民が持っている質問に対して答えるための情報を共有するようにいたしました。それだけではなく、どのように日本を支援していけるかどうかという情報についても交換をいたしました。
そういった情報を得る際ですけれども、私どもは、自分たちで見つけてきた情報源、すなわち日本から出てきた情報、そしてまたは本国から出てきた情報、そういったものに頼っていたわけです。
【メスナー科学技術部長】 今のブルースさんのコメントにつけ加えさせていただきたいと思います。
欧州委員会のメンバーたちは、週2回程度でミーティングを行いまして、そして情報の共有を行っていました。スイスはメンバーではないのですけれども、参加を許され、参加をしておりました。そういった情報交換の場に加えまして、本国から送られてくる情報も、私たちは利用いたしました。本国における専門家に対して質問することで、今のこの事態はどれだけ深刻なのか、そして今、ちまたで言われていることと比べて、深刻度合いはどうなのかといった情報を得ることができました。
【大垣主査】 ありがとうございます。
【高松委員】 今お伺いした点について、1点だけ追加的に質問させていただきたいと思います。これも報道からだけしか私は知っていないので、事実関係はよく承知していないのですが、特にヨーロッパの国は、原発事故のすぐ後に、かなりの大使館が大阪に移ったり、機能が移ったという意味だと思うのですが、あるいは自国の国籍の方に避難勧告を出されたり、いろいろなことをやっておられる公館もあれば、そうではない公館もあったというふうに私は理解しています。その辺りの評価について、相当いろいろな、EUあるいはアメリカの大使館の関係者の方々の間で議論はあったのでしょうか。そのときに最大の判断のよりどころになった情報というのは、日本からの情報でしょうか、それとも本国からの情報だったのでしょうか。その辺り、もし教えていただければと思います。
【メスナー科学技術部長】 私がここでお話できるのはスイスの場合だけなのですけれども、どの国でもそうだと思うのですが、やはり大使館といたしましては、スイス国民の安全を第一に考える必要があると思います。これはどこの国にいた場合でも同じで、例えば紛争地域であっても、それ以外の災害が起こっている地域でも同じように判断をしていきます。
私たちは、スイス国民から、どうすればいいのだろうかという相談をたくさん受けていましたので、それに対して助言を行う必要がありました。そして、どのように対応するのかということを考えたときに、スイス政府が暫定的な措置として考えたことが、自国民を安全なところに移動させるということでした。それはこの国を離れるということもありましたし、または大阪方面である関西のほうに避難するという、そういった2つの選択肢が提示されたわけです。もちろん、もし東京に残りたい人がいれば、残ることができましたし、その一方で、ほかの場所に移りたいということであれば、それを支援していくというのが出された結論でした。
大使館といたしましては、機能していかなければいけませんので、東京にいることがいいのか、それとも大阪のほうに行ったほうがいいのかというリスクアセスメントが行われました。このリスクアセスメントというのは、本国の専門家によって行われました。
【ハワード参事官】 私のほうからも一言、言わせていただきますと、この考え方といたしましては、フェリックスさんと全く同じです。大使館というのは、自国民の福祉を第一に考えなければいけません。例えば、アメリカの場合ですと、東北に生活をしているアメリカ人が1,000人ほどいました。なので、私たちは、その東北で生活している自国民にまずは集中をしなければいけませんでした。
そして、日本全国を見渡しますと、10万人以上のアメリカ人が日本で生活しております。そして彼らの一番気にしていた事項は、放射能の脅威でした。ですので、私たちが最優先したのは、放射能の脅威に関連する情報を迅速かつ正確に伝えることでした。
アメリカにとって大変幸運だったことは、本国からたくさんの専門家が来日したことです。原子力関連の機関から専門家がたくさん来てくれました。そして、これらの専門家のうち原子力の規制委員会やエネルギー省から来た専門家は、アメリカで似たような事故が起きた場合にどのようにするのかというと、半径50マイル以内、すなわち約80キロですけれども、そこに住んでいる住民を避難させるということを提言しました。ですので、私たちは、その彼らの提言に耳を傾けたわけです。
それに対しまして、東京など、その他の地域に住んでいたアメリカ人に関しましては、すぐに避難をする必要はないけれども、さらに放射能が漏れ出した場合に避難をする準備をしていなければいけないという勧告を出しました。ただ、現時点においては、そこまでをしなければいけない喫緊の脅威はないということを伝えました。
その後に何をしたのかといいますと、日本の同僚たちと協力することによりまして、どのような危険がまだあるのか、そしてリスク評価をどのように行っていくのかということで連携いたしました。そこで得られた情報を、アメリカ国民に対して発信したわけです。その際に大変有用だったのが、ウェブサイトを最大限活用していくということです。そういったときには、文部科学省のウェブサイトなども大変役に立ちましたので、その利用をアメリカの人たちに勧めました。
そして、そういった情報を発信していたわけですけれども、その中でもまだ危険があると感じた自国民が多かったのですが、そのために、扶養家族を日本国外に出した人も多く見られました。しかし大使館といたしましては、すべての職員がそのまま残り、そして大使館の機能を継続させられるようにしました。そしてアメリカの政府に対しましては、30日後に、もうこれ以上の放射線が流れ出てくる危険はそこまでないだろうということで、家族も帰ってきていいですよというようにアドバイスをいたしました。
【大垣主査】 ありがとうございました。
ほかに。簡潔にお願いします。
【國井委員】 情報発信量が必ずしも少なかったわけではないというお話なのですけれども、最初の何日間程度は、やはり少なかったということですよね。最初のところが何日間ぐらいかということと、それから情報が集約されていない、ビジュアライズされていないのでわかりにくいというお話があって、そうだと思うのですけれども、省庁縦割りで、なかなかワンサイトで出てこないという、これに関して、ベストプラクティスとして、スイスなり、あるいはアメリカなりで、こうやっていてうまくいっているということがもしあれば、教えていただければと思います。
【メスナー科学技術部長】 まず言わせていただきことは、日本政府は、あれだけの悲劇が起きた中で、できる限りのことをやっていたと思うので、あの当時はあれ以上のことはできなかったというふうに考えております。そして今、私たちに何ができるかという点なのですけれども、そこから教訓を得るということです。そして、ベストプラクティスの話がありましたけれども、ベストプラクティスというものは、まさに今、日本の皆さんが震災から学んだことをどのように活用していくかということにかかっていると思うのです。
そして、先ほどデータがたくさんあり過ぎたという話をしましたけれども、やはり今後、日本の皆さんがやっていけることといたしましては、一般の人たちがどのように状況を見れば一番わかりやすいのかということを念頭に置くことです。つまり、東京における放射線量のレベルは、スイスの山岳地帯は少し放射線量が高いので、それ以外のところの放射線量と東京の放射線量が一緒ぐらいだと、そういった比較を提示するといったような努力が必要になってくると思います。
【ハワード参事官】 フェリックスさんが言ったことは全くそのとおりであると思うのですけれども、ベストプラクティスに関して私からも言わせていただきますと、情報ということに関しまして、1つこのアンケートからも浮かび上がってきた事実が、文脈がわかりにくいという点でした。人々は、キログラム当たり100ベクレルと言われても、その意味が全くわからなかったわけです。
そういった中で、私が幾つか見たウェブサイトの中に、たしかインスティテュート・オブ・ラディオロジカル・サイエンス(独立行政法人 放射線医学総合研究所)のウェブサイトだったと思うのですけれども、質疑応答のコーナーがあったのです。そして、このQ&Aのウェブサイトのコーナーが大変有用でした。このQ&Aを見ていくことによりまして、どのような文脈でそれぞれの事実がかかわってくるのかということがわかるからです。
ですので、私からの提言といたしましては、ぜひこのようなテクニックを今後もっと使ってくださいということです。
【メスナー科学技術部長】 もう1つ、つけ加えさせていただきますと、最初に、コミュニケーションの専門家といろいろと共同作業を行ったらいいのではないかと思います。すばらしい大学でコミュニケーションスキルを教えられているところがたくさんありますから、ぜひそういったところでコミュニケーションスキルを教えている人たちに来てもらって、そしてどのようにコミュニケーションをすべきなのかというアドバイスをいただいたらいいのではないかと思います。もちろんそれは簡単ではないことはわかっていますけれども。
【大垣主査】 ありがとうございました。
【小林委員】 簡単な質問を1つだけしたいと思います。
17ページに、Information during Recovery Phaseというのがありますけれども、その中で、Status of R&D centersとかForeign students and researchers in Japanはわかるのですが、その後に、Japan’s policies on Universities, Energy, Disaster preventionとあるわけです。
この文のエネルギー以下の項目は理解できるのですが、大学に関する政策とは、具体的に何を期待されているのでしょう。どのような情報を期待されているのでしょうか。
【メスナー科学技術部長】 この質問に関しましては、おそらくスイスからではないので、答えるのが大変難しいのですけれども、おそらく大学におきましては、それぞれの大学に政策があって、こういった災害が起きたときに、学生、そして留学生をどのように守っていくのかという政策を持っているところがあると思うのです。そのときに、情報がどのように流れるのか、そういった政策面のことをここでは言っているのだと思います。先ほどのベストプラクティスの話にも少し通じるところがあるかと思います。
【大垣主査】 ありがとうございます。
被災地域の大学ということではないのですね。
【メスナー科学技術部長】 全国です。
【渡辺次長】 最後にコメントをよろしいでしょうか。
渡辺でございます。私は、もう3月11日の夕方からずっと、エマージェンシーオペレーションセンターに詰めていまして、まさにその英語の情報を発信する責任者を努めているのですけれども、今日の情報、コメント、非常に参考になりますので、ありがとうございました。参考にさせていただきます。
なお、ホームページが見にくいということに関して、これは日本国内からもそういう声がありますので、今後ポータルサイト化して、文部科学省のホームページに入れば、ほかの省庁、あるいは自治体のところも見られるようなリンクが張ってある形にできないか考えています。今後とも、何かコメントあれば教えていただければと思います。
【大垣主査】 ありがとうございました。改善が進んでいるということで。
【ハワード参事官】 ここに来られて大変よかったです。うれしかったです。
【大垣主査】 次に、筑波研究学園都市交流協議会国際化推進専門委員会による、筑波研究学園都市を国際拠点とするための提言について、ご説明をいただきます。本日は、筑波研究協議会国際化推進専門委員会の室町委員長にお越しいただいています。議論の参考とするため、まず、外国人研究者の受入れに関連して、これまでの事業仕分けの議論について、事務局より説明をお願いいたします。
【匂坂国際交流官】 事務局から、これからご説明いただくことに関連いたしまして、研究環境の国際化等について我々も取り組みを行ってきたのですが、それについて、今までの事業仕分けでどのようなことが言われているのかということを、簡単にご説明したいと思います。参考資料の1をごらんいただければと思います。
6ページをごらんいただければと思いますが、実は、平成22年度の概算要求に当たりまして、外国人研究者の受入れ環境整備促進事業という事業を要求しておったところでございます。この事業は、一番上に書いてありますとおり、「世界的に優秀な頭脳の獲得競争が激化する中、我が国に世界中から優秀な外国人研究者を集め、我が国の国際競争力を強化するため」という目的のために、大学等研究機関を対象といたしまして、1件当たり1億円で、2つの機関を対象といたしまして、例えば、子供の受入れ体制の整備等についての検討でありますとか、配偶者に対する仕事の創出・あっせん、さらには母国語による医療サポート、そういった内容につきまして、いわゆるモデル事業という形でやっていただきまして、その成果を、全国に広めていこうという形で要求をしていたところでございます。
この22年度の要求が、いわゆる仕分けの第1弾にかかりまして、1ページ目に戻っていただきますと、仕分けされたところでございます。事業仕分けワーキンググループの評価結果といたしまして、真ん中に書いてあるとおり、要求しておりました研究環境国際化の手法開発をモデル事業として行うというものについては、8名全員の意見の一致で廃止ということになりました。
取りまとめコメントには、「8人全員が廃止との意見で一致した。大学の国際化が重要であることについては、皆異論はないと思われるが、この方法では効果がない。大学が取り組むべきことであるとのコメントがあった。以上により廃止させていただきたい」と、仕分けではこういう結果になっております。以上のように、仕分け結果を御紹介させていただきたいと思っております。
事務局からは、以上でございます。
【大垣主査】 ありがとうございました。
それでは、室町委員長、説明をお願いいたします。
【室町理事】 室町でございます。私は、つくばにあります物質・材料研究機構というところに籍を置いておりますけれども、今日は、つくばの研究学園都市交流協議会という、協議会の集まりがあるのですが、そこの国際推進専門委員会の委員長の立場でお話をしたいと思います。
経緯ですけれども、第3期の科学技術基本計画の中で、筑波研究学園都市の名前が出てまいりまして、それを国際研究開発拠点として育成・整備を図ることというものがあります。これを受けて平成20年に、筑波研究学園都市交流協議会の中で、国際化をするための検討する課題というものを4つ挙げました。
これは、このままになっていたのですが、その中の2番目が、筑波研究学園都市の外国人研究者とその家族の生活、教育、住宅環境等の改善という、これは非常に大事な提案だということが共通の認識になっておりまして、これを取り上げて、今回、国際化推進専門委員会の中で、これに対して現状分析と、その提言を行いました。その話をこれからしたいと思います。
まず、つくばにおける現状です。外国人研究者がどのくらいいるかということなのですが、これは20年間の統計をとったものですけれども、1988年の段階で1,800人程度でしたが、今、5,000人を超えており、相当な伸びをしております。この人数は研究者だけでありますので、研究者の家族等も含めると、かなりの数の外国人がつくばにはいるということで、多分、外国人の比率は相当高い都市だろうと思います。
それを受けて、各研究所の外国人研究者の率というのも非常に上がっております。私どもの、物質・材料研究機構、おそらく、日本でも1番か2番に外国人研究者の比率が高い研究所だと思います。10年間の統計を見たものですけれども、最初30人くらいしかいなかったものが、今300人になっております。全研究者の3割が大体外国人になっております。
それから、私どものところのWPI(世界トップレベル研究拠点)の研究拠点センター(MANA国際ナノアーキテクトニクス研究拠点)ではもう既に外国人の研究者の比率が日本人を超していまして、57パーセントが、その部門の中では外国人研究者という形になっております。
筑波大の例を見てみますと、現在1,900人くらいの海外からの留学生がいます。これを平成25年には3,000人に、それから32年には4,500人に増やしたいと考えております。この外国人研究者が増えていくという傾向は、もう避けられません。そういう意味で、つくばを国際化するかしないかという問題ではなくて、必然的に国際化せざるを得ないという状況になっていると思われます。
現状では、今申し上げましたように、研究所ごとには、それぞれいろいろな対策をとっております。ですから研究所の中にいる限りにおいては、外国人研究者もそれほど困らないような状況になっているのですが、一歩研究所を出てしまって、町の中に行きますと、あるいは家族にとっては、まだまだいろいろな問題があるということです。例えば、生活支援や医療面、こういうものはどうなのかということですが、生活支援等々に関しては、やはり受入れ研究機関や、あるいは、後でお話をしますような外国人の公的な宿泊施設でかなりの面倒を見ているというような状況でございます。それから医療面では、病院、英語で対応できる医療機関として、総合病院で6病院、クリニックで40クリニックということですから、かなりの率の病院に、英語の話せるお医者さんがいます。それから、茨城県の救急医療情報システムというウェブサイトに入りますと「Search for a doctor」というところがありまして、ここに行きますと、自国語で検索をして、自国語ができる医者がつくばのどこにいるか、どのような分野の医者がいるかということがわかります。かなりいいシステムができ上がっております。
ただし、ここに行くまでに、これは日本語のサイトの中にこういうものがあるものですから、なかなか行けないというようなところがありまして、こういう生活情報を英語で一元的に提供するようなポータルサイトが、やはりない。そのためのインフラ整備がどうしても必要だと思います。先ほどのハワード氏のお話にあったように情報はたくさんあるのだけれども、ワンストップで得られるところがないということが問題となっています。
それから医療面では、確かに英語を話せるお医者さんがいて、そのリストはあるといっても、そこに行っても、受付が全然英語が話せなかったり、問診票等が全部日本語だったりという問題があります。つまり、最後まで行けば何とかなるのですが、そこに行き着けないというようなことがあって、まだまだ問題が大きいです。それから、特にメンタルヘルスですね。これが非常に問題でして、これは、ちょっと英語ができる程度ではなかなか難しいです。やはりその人の言葉にかなり精通していないとメンタルヘルスは難しいということで、1つの課題になっております。
次は、住環境です。つくばは非常に恵まれております。公的な外国人の宿舎が3つあります。JSTでやっていただいている竹園ハウス、二の宮ハウス。それから文部科学省に属している松代ハウスです。最初は竹園ハウスしかなかったのですが、しばらくたってから二の宮ハウスができまして、私ども、外国人研究者を受入れたときに、非常に負担が減りました。大変すばらしい宿舎でして、評判も非常にいいです。例えば、中にジムがありまして運動でき、スタッフは皆さん英語が話せますので、先ほどお話ししたように生活の支援をしていただけるということで、大変すばらしい宿舎ができております
そういうわけで、これは少し古い調査なのですが、平成17年に調査したところ、2週間以上滞在した1,550名のうち、75パーセントがこのような公的宿舎を利用していると。この公的宿舎には、各研究機関が持っている宿舎もありますので、それも含めてだと思うのですが、つくばにおいては、この公的な宿舎が非常に大きな役割を果たしているということが、ここからもわかると思います。
ただし、ここも問題がありまして、この竹園ハウス、二の宮ハウスは、大体シングルか、1人で来るか、それともせいぜい2人、プラス小さいお子さん1人くらい、そういう形式になっております。シニアクラスで、家族全員で来るような方のための施設がやはり不足しているところがあります。そのために、松代ハウスがあるのですが、かなり老朽化が激しく、これは私どもとしても、ぜひ全面的に改装、あるいは再整備をしていただいて、シニアクラスの外国人、教授クラスの人が家族で来るというようなことを、ぜひ容易にできる形にしていただきたいと思います。
それから、先ほどのように、外国人研究者の伸びが非常に激しいので、次第に予約がとりにくくなってきていますので、早晩やはり拡充のようなことが必要になるのではないかなというふうに思います。
その次に、教育やインターナショナルスクールの話です。これも、つくばには2つのインターナショナルスクールがあります。それから、ナーサリー、保育園、日本人の保育士と外国人の教師というような形での保育園があり、基本的には整っております。
ただ、問題がないわけではありません。むしろかなり問題はあります。この2つのインターナショナルスクールのうち、つくばインターナショナルスクールは、いわゆる国際バカロレアカリキュラムというものを採用しておりまして、この認定校になっております。これは1つ進んだインターナショナルスクールなのですが、その実態をここに書いてあります。
1学年から10学年までです。これは初等部と、中等部もあります。そこで定員が、1学年16名ということですから160名なのですが、現在は両方合わせて65名程度しか生徒がいません。それから、先生は外国人の専任8名、日本人の専任2名で、非常勤10名ということです。生徒はいろいろな国から来ているのですが、実は両親がともに日本人という方が30人なのですね。
それから、入学金と授業料等を見ますと、初等部ですと、年間、やはり100万円近くかかります。中等部だと120万円くらいかかります。それから、プレスクールといって、四、五歳の人が、ここに入る前のプレスクールがあるのですが、それも50万円以上かかるということで、つくばのポストドクの給与は多分500万円行くのか、行かないのか、そのようなレベルだと思いますので、ここに自分の子供を通わせることは非常に大変だと。金銭的に非常に大変だということで、実はこの人たちは、必ずしもつくばのポストドクではなく、むしろ東京から通っている人もいると。あるいは日本人がかなりというような状況になっていまして、このままの状態では、つくばに来たポストドク等の外国人が簡単に利用できるという状況とは、非常にかけ離れた状況であると。
それでも、この2のインターナショナルスクールがあるということは非常に大事で、役に立っているのですけれども、そういう限界もあるという状況です。
それで、提言ですけれども、行政からの直接的、または間接的な支援がないと、今の状況を打ち破って、通常のポストドクが自分の子供を通わせられるというような状況にはなかなかならず、何とか支援をしたいというふうに思います。ただ、どうも個々の研究所の力は全く超えていまして、やはり行政の力を借りないといけないのではないかなという感じがしています。
それから、もう1つの問題点は、高校課程がないことです。今、初級と中級課程はあるのですけれども、高校課程がないので、このままだと大学へ進学する場合、必ず日本の高校を経ないといけないような状況になっております。民間に学校を作れというのは、多分非常に難しい状況で、採算がとれるようになるのは非常に大変だということで、ここも大変な問題になっているということでございます。
その他です。これはいろいろな問題、まとめて書いてありますけれども、例えば街灯の設置です。つくばというのは、非常に研究所がぽつぽつと建っているようなところにありまして、暗いということで外国人に不評だということで、これは各研究所にお願いをして、自分の敷地と道の間に街灯を設置して、明るくするような取り組みを私どもで実施しています。
あるいは、英語併記です。つくばで、外国人が多いにもかかわらず、すべてのものが英語併記にはなっておりません。路線図やバス案内板など、いろいろなものを、全部英語併記にしたいです。これは私どもも運動できますので、ぜひやりたいと思っております。
それから、先ほど言いましたように、そこに行けばすべての情報がわかるというようなポータルサイトみたいなインフラを整備したいと思います。
それから、外国人相互交流の場として、交流ラウンジですとか交流スペースがあったらいいなと考えています。
それから、入管の出張所をつくばにつくっていただきたいと随分昔から言っているのですけれども、これはちょっと障壁が高過ぎて、次第にこれを言う人はいなくなってきています。
これが最後ですけれども、震災でやはりかなり影響を受けました。例えば、この機関Aは私どもの機関ですけれども、外国人はたくさんいたのですが、やはり7割近くが全部帰国しました。そのうちの44名は、もうそのまま職を離れてしまいました。ただし、次第に帰ってきていまして、現在はほとんど戻ってきております。そういう意味では、この点に関しては問題ない状況まで回復しています。
あといろいろ書いてありますけれども、やはり外国人が非常に不安に思っていることは、情報がなかなか得られなかったということで、つくばですと「ラジオつくば」が6カ国語放送をして、いろいろな情報を伝えたとことが非常に喜ばれたということです。それから、先ほどの宿舎「二の宮ハウス」でいろいろな英語の講演会等が行われまして、これも非常によかったということでした。
正直に申し上げますと、私どもの研究所でも外国人がどっと帰ってしまいまして、ほんとうにこのまま外国人を増やしていっていいものかという危惧を覚えた方が少なからずいましたが、心配したほどの状態にはならなくて、きちんと帰ってきて、今もとに戻ろうとしている、そういう状況です。
以上でございます。
【大垣主査】 ありがとうございました。
それでは、ただいまのご発表に関しまして、ご質問、あるいはご意見をお願いします。
【唐木委員】 傾向を教えていただきたいのですけれども、例えば震災があって、今後ますます家族を連れてくる方が少なくなるのではないかなと思われますが、この震災前、例えば1人で来る研究者が増えつつあったのか、また今、こういう震災の影響で、家族を連れてくるという傾向が少なくなるのではないか、そういうことをどのように分析されているのでしょうか。
【室町理事】 まず、女性の研究者で、小さなお子さんがいる方は、非常にやはりナーバスになりまして、何人かはもうやめられ、日本を離れています。それから、やはり小さい子供がいる家族をお持ちの研究者が、例えばオーストラリアに新しい職場、ポストを見つけて移るなど、そういった傾向が確かにあります。
それから、もともとポストドクは、比較的独身が多かったので、あまり顕在化しなかったところもあると思うのですが、おっしゃるように家族連れが減っているのか、増えているのかといいますと、今はまだデータがありませんので、よくわかりません。
【大垣主査】 つくばの研究所では、家族で来ていたのに夫だけ残っているという状況がやはり見受けられます。
【伊藤委員】 興味深いお話ありがとうございます。インターナショナルスクールのお話が出ましたので、少しお尋ねしたいと思います。
いわゆるポスドクの方とシニアの方というのは、少し取り扱いが違うのかなとも思います。と申しますのは、やはり初等部とか中等部がポスドクの方のご子弟、あるいはシニアクラスとなりますと高等部という要求が出てくるのかもしれませんが、私考えますに、シニアクラスの外国人の方というのは、いわゆるポスドクの制度ではなくて、もう少し、ある意味高給取りのような、特別の、優秀な外国人の方を招くといったような制度もあるのかなとも思います。そのあたりの実態や、こういったもののニーズとかというのは、どうなっておりますでしょうか。
【室町理事】 おっしゃるとおりで、いわゆるシニアと申し上げましたのは、例えば特別研究員や、招聘研究員など、ポスドクとは違う形で招聘すると。給料も当然非常に恵まれているような給料をお支払いすると、そういうシステムで行っております。
今おっしゃったように、インターナショナルスクール、初等部、中等部は、やはり小さいお子さんですので、そこに通わせたいというニーズを持っている方は、むしろポストドクの方なのですね。そのポストドクが通わせるには高過ぎると、そういう状況に今なっているということだと思います。
それから、シニアクラスの方の問題は、多分通わせるお金はあるのでしょうけれども、通わせるための高等部がないと、そこが問題になっています。そういうことではないかと思います。
【永野委員】 去年、世界サイエンスパーク会議というものが韓国でありまして参加しました。つくばにつきましては産業技術総合研究所の人しかいなくて、その人が説明していることを聞いたところ、つくばにはあまりまとめる機能というものがないという話をプレゼンの中でしていました。会議があったテジョンという韓国のサイエンスパークでは、政府の設立した法人が中心となっていろいろ整備する等して、外国企業を誘致しています。
つくばでは、どこの役所が筑波研究学園都市を担当しているのかというのが、よく見えてきません。地元のつくばの方が見ると、どのように見られているのですか。
要は、例えば、これだったらこの役所、あれだったらあの役所ということがあるのでしょうけれども、多分全体をどのようなふうに推進していくのかというものがないという印象を持ちました。それがないと、こういう難しい問題をすぐ解決することは困難なのではないかと思います。そのような点にもう少し注文をつけて、特に世界と比べてこうだということを事あるごとに言っていかないと、改善しないような気がします。
【室町理事】 もうおっしゃるとおりだと思います。やはり縦割りということで、つくばの研究所は、産総研などの経済産業省、それから私どもの文部科学省、それから農林水産省、そういうところに分かれていまして、なかなかその間を統一的に何かをやるということが非常に難しい状況になっている。
ですから、つくば全体をどこかが面倒を見る、どこかが司令塔になってやっていただくという体制はもう非常に重要で、できればそういう体制をぜひつくっていただきたいと思います。ただ、どうもそれが非常に大きな政治の問題で、私どもの力を多少超えているところがあるというふうに思います。
【大垣主査】 おっしゃるとおりで、さっき問題に挙げられた一番トップの町が暗いと。これだと、もう研究所みんな言っているのですが、責任は市や県などの世界になってしまうので、一体的に、事業体というか、責任者が別にあるわけですね。それから、今言われた、そういう意味では各省庁の縦割りで、各独法がいますので、なかなか簡単ではないことはあります。
ただ動きはありまして、筑波大学を中心に特区をつくろうと、申請や、いろいろな動きがあります。バイオ関係の特区などは動きがありますが、今度はその特区という予算枠と制度をクリアしないといけないことなど、さまざまな問題があって、おっしゃるように、ある地域が統一的に、ある組織で動いていくという状況にはなっていないのですね。それは多分制度的に、今のままだと大変ですので、連絡をうまくとってということしか、今のところはないです。
【高松委員】 ご説明ありがとうございます。つくばは、やはり学園都市、理科系を中心にした学園都市ということで、少し特殊な例ではないかという気がしています。というのは、日本全国に外国の研究者がたくさんおられるわけですね。そういう研究者の方一般が抱えておられる問題に比べれば、はるかに問題点は、むしろ少ないのではないかという気がしまして、そういう意味では非常に恵まれています。
ただ1つ、少しお伺いしたいのは、入管の審査の関係で、入国管理局ですね。いわゆる滞在期間が、普通3年や1年、入国管理局がその研究者に、さらに滞在期間の延長を認めるときに、全く理由を示さない。こういうシステムになっているわけなのですが、場合によっては、私が個人的に知っている研究者は、今までずっと3年付与されていたのに、今回1年だったことで、非常に不安を感じていると。
そういう問題は、つくばの場合はあまり聞かれておられないでしょうか。
【室町理事】 要するに、研究所で雇用されて、これからも雇用しますという証明書が出たにもかかわらず、ビザが延長できないという意味ですか。
【高松委員】 延長はできたのですが、期間が従来より短くなったということです。
【室町理事】 そうですか。私自身は、そういう話は聞いたことがないのですが。
【高松委員】 私の印象ですが、今の例は文化系、社会・人文系の方なのですが、やはり外国の方の日本滞在、研究滞在、定職があるのですが、それが入管の個別関係者の判断にかなり左右されるところがあるということがあるのではないかという気がします。文部科学省全体としてぜひご検討いただけないかという気はしますけれども、入管の審査が、どのぐらいの期間延長するのか、基本的には理由は開示できないということもあって、なかなかその辺は機微なところがあるとは思うのですけれども、これはぜひ、この委員会でもちょっとご検討いただいてもいいのではないかという気は以前からしています。
【大垣主査】 今の件、昔、大学が、日本政府の奨学金はいいのですが、ほかの政府の、あるいは民間の奨学金のときに、入管が非常に厳しい審査をしていたということで、それは大学が大分申し入れて、改善されたということが昔あったのですが、それと同じように、今のような件がもし起きているならば、ちゃんと法務省に申し入れないといけないという感じがいたしますね。
それでは次の議題で、第六期国際委員会中間的とりまとめについて、事務局より説明をお願いいたします。
【木村国際交流推進官】 私、国際交流推進官ということで、今月より着任いたしました木村と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、お手元の資料に従いましてご説明させていただきます。使います資料は、資料5と6、それから参考資料の4と5になります。
参考資料5でございますが、これは、これまで開かれました1回から3回までの委員会の、各委員の皆様方からありましたご発言を、項目ごとに、ご趣旨を変えないように留意しつつ、その論点を取りまとめさせていただいたものでございます。この過去のご議論、ご意見を踏まえつつ、今回のまとめというのを作成いたしておりますので、参考5についてご参照ください。
主たる説明資料は、資料5になります。
まず、タイトルでございますが、「第六期国際委員会中間的とりまとめ(骨子案)」とさせていただいてございます。前回、この報告案に類する、この資料に類するものを実は出させていただいてございますが、議論が十分なされていないということで、改めまして中身を精査いたしまして、今回提出させていただきました。
その際は、2行目の括弧書きでございますが、「科学技術の国際活動における課題の分析と今後の具体的取り組みの方向性」という、こちらをメーンのタイトルとして出させていただいているところでございますが、本委員会の中でこの取りまとめが持つ意味合いといったものを明確化するために、あえてタイトルを「中間的とりまとめ」としてつくってはいかがかというご提案を今回させていただきたいと思います。
全体構成でございますが、1ポツ以下、4項目の構成になってございます。
まず最初、1ポツは、導入、「はじめに」でございまして、そもそもこの国際委員会におきまして、どのようなスタンスで、何をターゲットとして議論がなされ、そして中間的とりまとめ、狙いは何なのかということを明確化するために、この章を設けさせていただきたいと思ってございます。よくご意見で出ますのが、国際問題に関しまして、いつも繰り返しの議論であり、新たな状況の変化ですとか視点、こういったものを盛り込むというのを積極的に努力しなければ、意識しなければ、毎回同じような話になってしまうというご意見もありますので、あえて、何が今までと違うのかというところを明確化するということを盛り込むことを想定してございます。
今回の場合、3本柱がございまして、1番目は、何といいましても、東日本大震災を受けて顕在化しました課題、これまであまり見えなかったもの、表に出てきた課題、これを受けて、科学技術の国際的な視点で何を語るのかということが1番と考えてございます。
2番目に、若手研究者の国際活動の必要性とその低下、よくちまたで「内向き志向」等の表現がなされるところですが、原因を分析してみますと、必ずしもその言葉が的を射ていないのではないかというご意見、多数出てございます。そういった観点から、真の原因をこの機会に探り、適切な対応、あるいは政策、立案いったことをしていく必要があるということで、この項目を立ててございます。
そして3つ目でございますが、このたび第4期の科学技術基本計画の取りまとめの時期でございますので、前期、第5期の国際委員会の議論、これが中身的に大きく反映されている内容となってございます。その取りまとめ、どのように反映されて、そしてどのように皆様方のご意見が世に出ていくか、そういったことを取りまとめます。
また最後に、ご意見として強く出てきておりましたのは、課題の設定・解決のために、やはり表面を追いかけるのではなく、背景の正しい分析、認識、そして明確な目標設定、わかりやすい言葉で発信していく、これが非常に重要だというご意見出てございます。こういうことを意識して取りまとめるという、全体方針と考えてございます。
そして2ポツでございますが、それら方針のもと、課題別の分析と今後の取り組みの方向性について、まとめてございます。上記の3本柱に従いまして、1番が、東日本大震災を受けて顕在化した課題の整理。仮でございますが、ア、イ、ウの3項目を設けてございまして、学生や研究者、国民性と外国人の層によって異なる震災後の行動分析とその対応。このような分析から見えてきますさまざまな層の人たちに対する状況、それを分析した上で、科学技術の国際的な視点で何ができるのか、こういったことをしっかりやる場というのが必要だろうということでございます。本人の意思のみならず、親の意見等にとらわれてしまう学生さんや、WPIのような優秀な研究者が集まっているところの研究者の方、あるいはいろいろな国民、文化を持った方々、それぞれ対応が違ったわけでございまして、そのあたりを正しく分析して、どのようなことが言えるのかということを、1つ立てたいと思ってございます。
2つ目、災害時に、先ほどアタッシェの方からも、ご発言多々ありましたが、わかりやすい情報発信、日本にいる外国人、あるいは海外にいる外国人、こういった方々に適切な情報発信、このあり方、グッドプラクティスの分析結果等、これらの適切なデータを一生懸命これから準備したいと思いますので、そういったデータに基づいてまとめたいと思ってございます。
ウでございますが、震災、停電に備えたサンプルやデータの分散保管、こういったことが非常に重要で、非常に貴重な研究もあっという間に中断してしまって、もう復帰もできないというような状況が幾つかあったという報告ございます。国際協力をしていくという、あるいは国際共同研究の、これは表現が難しいところでございますが、副次的なメリットという形でまとめるのがいいのか、こういった視点も今回の災害を受けて考える必要があると、書きたいと思うところでございます。
2つ目が、若手研究者の国際活動。先ほど冒頭で申し上げましたが、我が国の研究者の国際活動を阻害する真の原因分析。場合によっては誤った理解が世の中に流通しているかもしれませんので、正しくデータを収集し、それをわかりやすい形でビジュアル化して、適切な政策につなげていくということを考えてございます。
3つ目が、外国人受入れのための周辺環境整備。先ほど筑研協の室町理事からのご報告もありましたが、匂坂交流官から事業仕分けの結果についてもご説明させていただいたところでございますが、あの仕分けがあっても、そういった中で何をしていかないといけないか。もう国際化待ったなしの状況の中で、適切に分析し、国際委員会として発信していく、そういったことを分析したいということでございます。
次、3ポツは、それらに対応して、さて何をするかという具体化をする章立てとしまして、2ポツと分離してつくったつもりでございます。
(1)は、第4期の科学技術基本計画、この反映状況を考察して、今後の活動の指針とする。これは、先ほど申し上げました参考資料の4番でございますが、前期の、第4期の国際委員会の提言がいかに対応されたかということで、これは以前出した資料でございますので、ご記憶かと思いますが、その資料に、一番右の欄を今回加えまして、第4期の科学技術基本計画のどの部分に記載されているかということをまとめてございます。今現在は、まだ項目を挙げているだけでございますが、もうちょっと具体化して、皆様方の貴重なご意見をしっかり政策のほうに、基本計画の中に盛り込まれているというところを明確に示していきたいと思ってございます。
また、3ポツの(2)、資料5に戻りますが、東日本大震災を受けて顕在化した課題でございますが、災害時における科学技術関係情報の発信、収集。いかに日本にいらっしゃる外国人の方に情報提供していくか、強化していくか。あるいは、裏面に行かせていただきますが、2ページの、さまざまな災害情報、緊急に世界に発信する、これは次の次の項目、(ウ)とも関連してくるのですけれども、日ごろからネットワークづくり等を行い、常に何か情報伝達するような仕組みを構築しておかないと、緊急時に突然やるということも非常に難しいことがあるということも今回反省点で出てくるかと思いますが、こういったことを考えていくということでございます。
(イ)でございますが、災害の復旧・復興、まさにこれからというタイミングですが、こういったときに、防災あるいは減災という観点から、国際共同研究。直接的な、今までの防災というような狭い概念ではなくて、そもそも社会システムといいますか、考え方とか、もうちょっと広い概念、今回の災害を受けまして、いろいろな考え方が変わってきているかと思います。そういった中で、国際という視点で、どのような視点があるかというのを具体化した施策というのを、ここに盛り込むことを考えてございます。
そして(3)、若手でございますが、若手の研究者の国際交流の促進、あるいは防災分野をはじめとする地球規模課題の解決に資する若手研究者の育成、ここでは、この2つの例示でございますが、これに限定されたわけではなくて、もう少し広い視野で充実させていきたいと思いますが、本日現在はこの2つということで書かせていただいております。
また、(4)は環境整備でございまして、仕分けは仕分けといたしまして、全面否定された判定結果ではないというふうに受けとめてございますので、その中で、この委員会としてどのようなことが言えるのか、まとめさせていただきたいと思います。
また4ポツでは、第6期の委員会は本日で4回目でございますので、まだまだ続くところでございます。今後、この中間取りまとめはともかくとして、その後どのような方向で進めていくかといったことを、最後に4本目の柱としてまとめさせていただきたいと思います。
資料6、1枚紙がその後ございますが、ここに今後のスケジュールの記載がございます。次回は、8月はなかなか委員の皆様方、お忙しい予定が続いてございまして、9月末になりますが、第5回。そして11月以降、第6回というようなことを考えてございます。
この中間的とりまとめでございますが、本日これからいただく議論をもとに肉づけをさせていただきまして、メール等で皆様方にお送りできるように準備をさせていただきたいと思います。そして可能であれば、次回、9月29日に取りまとめ、あるいは主査預かり等、ほとんど取りまとめに近いような段階まで進めさせていただきまして、24年度、来年度の要求等に使えるような状態にさせていただくような、そういうことを想定して全体つくってございます。
ご説明、長くなりましたが、以上でございます。
【大垣主査】 それでは、ただいまの内容について、ご質問、あるいはご意見ありましたら、お願いしたいと思います。
【國井委員】 周辺環境整備のお話で、先ほどもお話ありましたけれども、参考資料1で、仕分けでノーと、廃止になりましたというところのキーポイントがよく私は理解できていません。2つの大学で云々というようなお話が書いてあるのですけれども、そこのキーポイントと、今回、私は非常に重要だと思うのですけれども、周辺環境を整えないとやはり海外の方がいらっしゃっていない。民間企業でもそうなのですけれども、研究者の方たちには大変だろうと思うのですが、この仕分けのポイントのところ、ノーと言われたポイントを教えていただけませんか。
【匂坂国際交流官】 ポイントと、ここは我々にも若干わからない部分が多少あるのですが、少なくともモデル事業として、2つの、大学なり研究機関を選んで、その成果を全大学に広めていくというような手法はよろしくないということは明示的に言われております。
ただ、それだけではなくて、取りまとめのコメントのところでは、このような取り組みはそもそも大学が取り組むべきであるというものもあったと、そこは総論になっていないのではないかと思うのですけれども、その辺りがどこまでが全体としての総意なのかということは、正直我々もわからない部分があります。最初に申し上げましたとおり、モデル事業としてやることについては少なくとも認められなかったということは、結論としてあると思います。
【國井委員】 そうすると、先ほどのように、つくばでいろいろな組織が集まって、横断的に何かやるということはよろしいということですか。
【匂坂国際交流官】 少なくとも否定はされていないという認識ではおります。
【小林委員】 今、この段階で、どこまで突っ込んだ議論をするべきか、よくわからないのですけれども、この問題には多分2つの面があって、1つは、事業仕分けで廃止になったという問題ですね。周辺環境整備という問題です。もう1つは、筑波研究学園都市の問題という側面です。私自身は筑波大学に所属していますが、実はオフィスはつくばではなくて、東京なので、現地のことはあまりよくわからないのですけれども、たしか科学技術基本計画の第3期に比べて第4期では、関西文化学術研究都市も一緒だったと思いますけれども、筑波研究学園都市の国際拠点化を含む整備に関する言及がかなり減少しました。
それは、ある意味ではつくばの研究機関が協力してやってこなかったから、もうあきれられたということのかもしれませんけれども、その問題とこの問題は、ある意味では絡む部分があるわけですね。
もちろん研究学園都市の研究機関として、自助努力でやっていくべき部分があって、それが十分できていなかったということは確かなのですが、もし国際関係の観点で筑波研究学園都市と関西文化学術研究都市の国際研究開発拠点化という論点を拾うのであれば、ここで拾わなくちゃいけないという可能性があると思います。もしどこでも議論されないのであれば、それと絡めて議論するということもあるのかなという気もします。
【大垣主査】 モデル事業の件は、もう少し、もう課題がわかっているのだからというようなご意見。だからこれを見るとわかりますよね、これで新たな問題点を探すのかと、そういうようにもとれますし、削る材料に使われてしまったという部分もあるでしょうけれども、ちょっとこれを、内容自体は、目的自体は別に間違ってはいないと思います。
【唐木委員】 2の(2)の若手研究者の国際活動についてなのですが、単なる内向き志向では片づけられない、例えばポストの問題であるとか、就職の問題、いろいろとあると思うのですけれども、これをやはりこの中だけで議論していくということではなくて、例えば海外の大学、研究機関から見た日本からの留学生というのはどうなのであるかとか、今日も例えば、大使館の方の、私たちの知り得ないご意見を聞くと大変参考になるので、ほんとうに外から見た日本人の研究者に対する意見みたいなものも、非常にこういう方向づけしていく上で重要になるのではないかなと思います。
【大垣主査】 では調査とか、もしそういうデータや情報があれば、場合によってはきちんと調査に入るというのもあるかと思います。
【伊藤委員】 今回のテーマ、この取りまとめ、大変よくできているかと思います。そこで、東日本大震災を受けてのお話ございました。それで、ここには書いていないのですけれども、ご説明の中では、ただ単に震災、あるいはその直後に起きた、今でもそうですけれども、停電に備えたという現象面だけではなくて、少しやはりそこの影響というのでしょうか、そういったものを広くとらえたほうが、私はよろしいかと思います。
具体的には、やはりこの会議は国際委員会でありますので、今回の震災、あるいはその後の原子力の事故といったものが、我々の、意図したかしないかは別として、世界に対してある種発信したものというのがあろうかと思いますし、特に原子力発電については、あるいはエネルギー問題については、世界のいろいろな政策の見直しにもつながっているというふうにも聞いております。
当然、この9月に向けての取りまとめを少し肉づけしていただく段階の中で、我々日本自身の政策の方向性も少し見えてこようかと思いますし、そういう意味では、エネルギー問題ということをこの場で扱うということではないのですけれども、やはり我々がトリガーとなったこの問題について、国際的な中で、いろいろな協力も出てくると思いますし、あるいはディスカッションを今後しなくてはいけないようなもの、あるいは情報提供しなくてはいけないようなものも出てこようかと思います。
そういったような観点から、国際という視点で、そういったようなエネルギー問題全般についても、少し厚めに扱っていただければというふうに思います。
【大垣主査】 扱うと言われますと、かなり、実はエネルギー問題は大問題ですので、なかなかこの委員会で扱うとなると難しいところではありますが。
【伊藤委員】 エネルギー自身をどうこうするということではなくて、やはりエネルギー、仮に原子力発電所の大きな見直しといったものにつながっていくとするならば、そういったようなものに対する我々の情報発信をきちんとしていくべきである。あるいは、世界のそういったエネルギーの見直しの動きに対して、我々の、この国内での議論、それをどのようなふうに生かしていくのかという積極的な姿勢を示すとか、つまりエネルギー問題の個別論をここでやるというわけにはいきませんので、その取り扱いというのでしょうか、そういったようなものをここでは明確に、姿勢をあらわしていくということだと思います。
【永野委員】 4つあるのですけれども、1つ目は、2の(1)の(イ)わかりやすい情報発信。これはベディントンが来たときや、その前にいろいろ聞いていると、やはりイギリスなどは、戦争が起こったりテロが起こったりするので、リスク対応を内閣としていろいろ決めているのですね。内閣がナショナル・リスク・レジスターというものを作り、それに基づき対応している。なぜ政府主席科学顧問が関係してくるのかというと、リスクはどんなリスクでも、科学技術の知識と裏腹になっているという固い信念みたいなものがあります。それで政府として様々なリスクに対応する際には必ず政府主席科学顧問が議長になって、すぐに対応する。その対応するときに、だれに呼びかけるというようなリストを作ってあるので、翌日ぐらいにはもう何かやっているわけですね。だから、日本の場合そこまでできるかどうかがちょっとわからないのですけれども、単に科学者が情報発信をというレベルの話ではないところがきちんとなっていないと、そうは簡単にいかない話なのではないかなという感じがします。
2点目は、真剣に取り組む大学を支援するということに関連して、例えばの事例として最近東京大学が言い始めた9月に入学するシステムにするということも、結局国際競争の中でいい人を呼ぶという問題意識なのだと思うので、そういう国際競争力を高めようとする大学をどのように支援するかという観点から取り組むのが1つのやり方ではないかなと思います。
3点目は、災害時における科学技術情報の発信・収集ですけれども、これは結局緊急時にどうするのかということを実際やっていないとできないので、緊急時の具体的対応も組み込んで提言したらいいのではないかと思います。
最後ですが、地震についてはOECDのグローバルサイエンスフォーラムでも提言が出ていて、地震のリスクを国際的に調査して、お互いに情報を交換するという活動があるのですが、なかなか日本の場合は、日本の役に立たないのではないかということで、これに協力するような予算はとりにくいということがあります。そういう長期的な国際的な課題にも対応できればいいと思います。
【大垣主査】 最後の4番目は、2ページ目、裏の(2)の(イ)に入るような話という理解でよろしいですか。その辺もうちょっと具体的に、報告書では例示を挙げると。
【永野委員】 はい、世界的にリスクマップ、ハザードマップをつくっていくということになるので、防災・減災に資する国際共同研究の部類ですね。
【大垣主査】 それから、後ろから行くと3番目におっしゃった、裏の(2)のところの情報の、緊急時の具体的な、これは言うだけではなくて、具体的な、予算化へつなげるような何か提言がしたいですね。提言といいますか、内容にしたいですね。
【永野委員】 それですね。
【大垣主査】 それから、2番目におっしゃった9月入学の件は、要するに若手研究者の国際活動、あるいは日本の大学、あるいは研究機関の国際化の、非常に具体的な、制度的なものも含めて検討すべきだと。そういう話につながっていくのでしょうかね。
【永野委員】 そうしないと、うまく提言できないと思うのですけれども。
【大垣主査】 それから、最初のサイエンスアドバイザーの件は、これは文部科学省というよりも、政府そのもののあり方で。
【永野委員】 そう思います。
【大垣主査】 これは、もう今回しみじみと感じたので、申し上げてもいいのではないでしょうかね。そういう動きもないわけではないと聞き及んでいますけどね、サイエンスアドバイザーを置こうと。
【永野委員】 ただ、リスクとの関係もしっかり考える必要があるということだと思います。
【大垣主査】 そうですね、だから単なるサイエンスアドバイザーではなくて、緊急時のということ。
【大垣主査】 何か、今の永野さんのご意見に対してでも結構ですし、あるいは新しい視点、ご意見あれば。いかがでしょうか。
ほかになければ、ちょっと私、これで今、気になって、事前にもちょっと議論はしていたのですが、こちらの第4期の、大きいので、今まで出してきた点で、継続するようなものもありますよね。大きな科学技術の国際的な協力や、アジアのものや、何となく、あまり新しいことばかりというと、今度は細かいことばかりになることもあるのかなと思って、今まで出してきたものの継続をどのようにあらわすかというようなことも、少し考慮に入れる必要があるかなと思って、感じたのですけれども。こういう委員会からの提言の書き方というか中身というかを、今までとどう変えるか、続けるのかということと関係しますけれども。
【伊藤委員】 ちょっとよろしいでしょうか。このペーパーの中の大きな1番の4ですか、2国間の枠組みの有効な利用、これに関しましてのお話です。
外務省を中心に、2国間科学技術協力協定を活用するために、各国別の協力の推進方策というようなものをまとめているというような動きも聞いておりますけれども、そちらのほうは、今どういったような状況になっておりますでしょうか。
【匂坂国際交流官】 いろいろな関係機関から、各国ごとの科学技術の状況に関する資料を出していただきまして、それを特に、文部科学以外に、外務省、内閣府、経済産業省が中心になって集まって、当面、1年ぐらいの間に、どこと、どのような案件で協力をやるかということを今議論しているところでございます。
【伊藤委員】 そうしますと、ODAのように、各国別のある種の協力の方策というようなものを今後つくっていくということではないのですか。
【匂坂国際交流官】 正直申し上げますと、そこまで具体的なものは、今までそういう実績といいますか、そういうことをやっていないものですから、すぐの段階で、そういうことまではできないのではないかなという感触は持っております。
【伊藤委員】 前回、この委員会の結論にも出ておりますし、やはり戦略的に2国間についても協力を進めていく。あるいは、かなり形式的になっている2国間科学技術協力協定に基づく活動を活性化していくということも、極めて重要だというふうに考えております。
【國井委員】 若手研究者の国際活動というところで、「研究者」となっているのですけれども、科学技術からいうと技術者も含めてもいいように思うのですが、やはりこれは、この分野だと研究者が対象となるのでしょうか。研究者のみが対象と。サイエンス・アンド・テクノロジーとはならないのでしょうか。
【匂坂国際交流官】 行政の、対象といいますか、そういうあるべき論ということであれば、当然技術者も入ってくるかと思います。そういうことを提言していただく分には構わないと思いますが、具体的な施策として、我々またはJST、JSPSが対象としている中には、技術者に対する支援というのはあまりないのかなというふうに思います。国際活動をする場合に、それはあまりないのかなと感じておりますので、そういうことを踏まえて、どこまで書くかということになるのかなと思います。
【大垣主査】 今のご指摘はある意味重要で、科学技術というものをやろうとするときにワンセット、人材として、いろいろなスペクトルがあるわけですよね、基礎研究から、実務で、現場でやるものまで。だからそういうものも含めて日本として政策が一貫していないといけないので、そういう意味で、そういう点も必要であるというか、書き込むのも1つあるかなと思いますけれども。
【國井委員】 特に、第4期でイノベーションということが非常に強調されているわけですね。そうすると、インベンション(invention)だけだったら研究者というのはあると思いますけれども、イノベーション(innovation)まで引っ張っていこうとしたら、アプリケーションというか、技術も極めて重要で、車の両輪で、技術者もやはり一緒になって国際化してやっていかない限りは回っていかないと思うのですけれども。
【永野委員】 科学技術振興機構でも、アメリカの工学アカデミーと、フロンティア・オブ・エンジニアリングというもので一緒にやっていますし、ぜひ含めてほしいなと思います。問題は、技術者についての統計があまりないので施策を出しにくいという事情があるのだと思うのですが、ほんとうはやったほうがいいと思います。
【大垣主査】 私のような水分野ですと、ピュアサイエンスをやる方から、技術者、それから水道行政、下水道行政をやる人まで全部いるので、大体、通常英語でいうとプロフェッショナルという言い方。ヤングプロフェッショナルなどという組織がいっぱいありまして、何とかに関するプロフェッショナルというようなやり方があるので、これは日本語では専門家や何かになって、またちょっと雰囲気が変わってしまうのだけれども、そういう実態はおっしゃるとおりだと思うのですね。それを、だからうまく、今の永野さんのご指摘も含めて、少し意識的に打ち出しましょうか。
【高松委員】 先ほど申し上げたこととちょっと重なるのですけれども、やはり日本はまだまだ閉じた社会だという気が、私は非常にしています。科学技術の国際委員会ですから、もちろん限界はあるのですけれども、国際委員会として、もう日本人社会だけの特別な取り扱いになっているというようなところをぜひ具体的に指摘して、例えば入管の審査や、あまり入管ばかり責めるわけではないのですけれども、ほかにもたくさんあって、それが結局日本に定住しようとしている外国人、あるいはそこで研究、あるいは働こうとしている外国人の方の意欲を若干削ってしまって、アメリカのような自由なところに相対的に引き寄せられると、こういうことがやはり基本的にまだあると思うのですね。
この点を国際委員会としても、全面的にそれを指摘するということは少し違うかと思いますが、ぜひ考慮していただいて、ご検討いただく必要があるかと思います。
【大垣主査】 いわゆるグローバルスタンダードでといいますか、今の制度や労務や給与の、すべてですね。それもちょっと記録をしておいてください。
【小林委員】 1つだけ、簡単なことですが、参考資料4の一番下の機微技術の問題ですけれども、これはたしか昨年4月の段階で、各機関で制度化しなければいけなかったはずで、この問題を議論していたころと今とではかなり状況が変わってきているはずです。なので、もし書き込むのであれば、実態に合うような形で現状に合う形で書き込むような工夫が必要だろうと思います。
【大垣主査】 何か特に、状況が変わったということは震災の影響で、ですか。そうではなくて。
【小林委員】 去年の、たしか4月の段階で、各機関はきちんと制度的な整備をしなければいけない義務があったはずです。この議論をしていたのは、たしかその前だったのですね。ですから、各機関の対処は、もうかなり広がってきているはずです。ただ、現実に十分機能するリスク管理のシステムにはなっていないという問題も指摘されていて、形だけの対応で止まっているのではないかという危惧もあります。そのようなわけで、状況が変わっているので、もし入れるのであれば、その状況を踏まえて少し書き込まなければいけないということだと思います。
【大垣主査】 では、少し情報を整理して、提案が必要であれば出していただきたいと思います。それでは、本日の議論はここまでとしまして、大変有益なご議論をありがとうございました。それでは後、事務局、お願いいたします。
【奥国際交流官補佐】 既に先ほどの説明において、今後の日程について言及ございましたけれども、資料6にございますとおり、次回、第5回国際委員会は9月29日木曜日の15時より開催予定となっております。
また、本日の資料につきましては、大部でございますので、そのまま机の上に置いておいていただければ、事務局より、封筒に記載のあて先まで郵送させていただきます。
以上でございます。
【大垣主査】 どうもありがとうございました。
次回の会議の進め方について、私のほうで事務局と調整をさせていただきます。なお、本日言い尽くせなかった点などございましたら、事務局までメールでお知らせいただければと思います。
ありがとうございました。
―― 了 ――
鈴木、滝沢、安西、都甲
電話番号:03-6734-4053
ファクシミリ番号:03-6734-4058
Copyright (C) Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology