20.TLOの形態とそれぞれのメリット・デメリット
|
メリット |
デメリット |
内部TLO |
- 大学の研究契約部門、産学官連携部門等との一体的連携活動が円滑に行える
- TLOの財政基盤の安定性
- 税法上のメリットが多い
(技術移転に関して利益がでた場合でも非課税。特許費用の全額損金処理ができる)
- 技術移転を自ら遂行しているという姿勢を内外に示せる
|
- 人材の機動的な登用が難しい
- 経営の迅速化が図られにくくなる
- 学内での合意形成が難しい場合もある
- 特許権等の名義書換コスト、時間等
|
外部TLO |
- 外部の適材を登用しやすい
- 複数大学を対象にできる
- 効率的な運営、意思決定の迅速化が可能
- 学内での合意形成に伴う困難が少ない
|
- 大学の研究契約部門、産学官連携部門等との一体的連携活動ができにくい
- 採算を偏重した研究成果の特許化の懸念
- 税法上のデメリット
(特許権の損金処理が限定的にしか認められない。権利の譲渡価格や実施料が課税対象。)
- 技術移転を自ら遂行しているという姿勢を内外に示しにくい
|
〈外部TLOの一形態〉
産総研型TLOスキーム
( 内部の知的財産部が権利化及び維持管理を行う。
内部知的財産部から外部TLOへ専用実施権を設定。
TLOがライセンス契約を締結。)
|
- 外部の適材を登用しやすい
- TLOは知的財産権に関して資産計上不要
- TLOの財務基盤が安定
|
- 大学の研究契約部門、産学官連携部門等との一体的連携活動ができにくい
- TLOと大学トップとの信頼関係に過度に依存
- 企業からの要請に柔軟に対応できない(知的財産権所有者とライセンス実施者とが分離)
|
※ 東北大学未来科学技術共同センター「今後の国立大学設置形態の在り方を視野に入れたTLOの組織・運営に関する研究」(平成14年3月)に基づき文部科学省研究振興局研究環境・産業連携課技術移転推進室で作成。