先端計測分析技術・機器開発事業 平成17年度公募・採択の実施について

平成17年1月25日
科学技術・学術審議会・技術・研究基盤部会・知的基盤整備委員会・先端計測分析技術・機器開発小委員会

 独立行政法人科学技術振興機構が実施する先端計測分析技術・機器開発事業の平成17年度公募・採択にあたっては、以下の事項を十分念頭に置いて行うことを強く期待する。

1 機器開発プログラム

戦略性の評価について

 国のプロジェクトとして、開発する計測分析機器の戦略性の観点が必要であるため、関連の研究分野における当該機器の重要性と将来性、国際的な開発状況と我が国の優位性から見た開発の必要性等を選考時に評価するべきである。
 このため、「関連研究分野の将来的観点から見た申請課題の戦略性」という項目を申請様式に加え、申請課題の戦略性を自己評価させ、これをもとに評価をするべき。
 また、同様な戦略性を記述する項目は要素技術プログラムにおいても追加すべき。


産と学・官の連携による事業推進の実効性の確保について

 先端計測分析技術・機器及びその周辺システムの開発においては、産と学・官各々の果たす役割が大きいため、産と学・官の役割分担を明確化し、等しく開発の責任を果たすべきである。
 従って、従来から設置してきたチームリーダーに加え、産と学・官の他方より分担開発機関を束ねる役割を負うサブリーダーを指定すべきである。
 面接時にはチームリーダー、サブリーダーが出席し、それぞれの分担開発課題について説明し、その開発責任を明確にすべきである。
 また、採択課題の発表時には、参画する全ての分担開発機関を公表すべきである。


2 要素技術プログラム

公募対象について

 本事業は、先端計測分析機器の性能を飛躍的に向上させることが期待される新規性のある独創的な要素技術の研究開発を支援する。
 公募対象の例としては、以下のようなものが挙げられる。
  1 計測分析の感度を高める試薬、光源、光学系、検出器
  2 計測分析の精度を確保するための標準試料、標準試薬となりうるもの
  3 データ解析、可視化処理等を高速に行うソフトウェア


選考の観点について

  選考の観点については、以下の事項を加えるべき。
  1 現在の要素技術に比べ飛躍的に性能を向上させること
  2 標準試料、標準試薬となりうるもの等の場合については、波及効果が大きいこと


3 共通項目

書面選考・面接選考の充実について

 機器及び要素技術開発の経験がチームリーダー、サブリーダーの資質として重要であるので、チームリーダー、サブリーダーが著者等として関与している主要な文献別刷り、特許申請書の写しを選考委員の要望に応じて迅速に提供できるようにすべきである。
 優れた課題を選考するためには、面接選考の充実が不可欠であり、可能な範囲で面接選考する課題数を増やすことを検討すべきである。
 このため、評価委員を増員することも必要であり、特に、機器開発の経験を持つ人材、要素技術の専門家を加えることが有効である。

(研究振興局研究環境・産業連携課)