第9期技術士分科会からの申し送り事項

資料9

第9期技術士分科会からの申し送り事項

第9期の検討報告「技術士制度改革に関する論点整理」に記載されていない、第9期技術士分科会委員からの意見等を以下のとおり取りまとめた。

【国際的通用性の確保について】

  • 各国の制度と比較を行っているが、現在の制度のみでなく他国が今どのような方向を目指して制度を作っているのかというのは知っておくべきである。
    →資格の国際的通用性確保の方向性としては、制度を他国に合わせるのではなく、技術士を持つ資格者が海外の同等の資格保有者と同等になるような、資格の通用性確保を目指している。少なくともIEAの加盟国はAPECエンジニア、IPEA国際エンジニアの基準に合うようにしているので、必要条件としてこの基準には合わせていくべき。
  • せっかく他国の資格について調査を行っているので、そのデータをもっと活用するべき。つまり、日本とどれだけ制度が違うのかをもう少し議論・分析するべきと思う。例えば資格の活用度や社会の認知度について、各国の状態と日本の状態を比較し、それに基づいて日本の制度をどうすべきか議論し、問題点や改善策に反映させるとよいと思う。他国に成功事例があるなら、それをある程度参照できるはずである。

【活用促進・普及拡大について】

  • 技術士の人数(技術士試験の受験者数)が増加するよう目指すことも大きな課題である。
  • 産業界における技術士の位置付けについて、何らかの指標を見ながらどこにアプローチするかなどを見ていくとよい。例:学協会の会員数と技術士のその分野の数の比較(土木学会と建設分野の技術士→大きな差が無い、機械学会と機械部門の技術士→非常に割合が少ない)など

【継続研さん・更新制の導入について】

  • 更新制の導入には国際的通用性の確保、技術士資格の活用促進という観点から名簿の公開もセットで考えるべきなので、更新制、CPDの義務化、名簿の公開の3点は併せて検討してほしい。
  • 更新制の導入に向けたスケジュール感が分かるのならば早めに出して検討を進めるべき。
  • 更新制に関して、他の公的資格との関係(技術士資格を所有していることが条件となる業務に携わっている(資格を公的に活用している)場合において、更新をしない技術士をどのように扱うかなど)についてもよく議論いただきたい。
  • エンジニアの育成や継続的な研さんは技術士だけの問題ではないので、これをもっと広げて日本の技術者全体をよくするための中心の仕組みとしての技術士制度となればよい。

【技術士補制度の見直し・IPD制度の整備・充実について】

  • 大学教育からエンジニアの育成をどう連続していくかが重要な問題である。

【技術士試験の適正化について】

  • 第一次試験の適正化については、論点整理にも記載の通り、第二次試験との関係や関係業界の意見を十分に聞いて進めて欲しい。
  • 試験の内容が部門に適した問題となるようにすべきである。専門外の問題が多く出題されると合格率の低下にもつながるので、見直していただきたい。
    →二次試験の出題内容については来年度からの試験の状況を見守るという言及になっているが、今後は実際に出題内容の適正化に入っていく必要があると思う。
  • 必要な知識や能力を問うのは当然だが、若いエンジニアの資格取得を促すためにも、その能力を図る上で試験に係る受験者の負担を減らしていくことはできないか。

【総合技術監理部門の位置づけの明確化について】

  • 総合技術監理部門に求められる能力等を明確化することはもちろん重要だが、他の20の技術部門との関係についても整理をしていただきたい。

【論点整理を受けた今後の議論について】

  • 2年(技術士分科会は2年で1期)というのは短いので、今後取り組むべきテーマはいくつかあるが、課題は多少絞り込んでいかなければ、2年後までにそれぞれの検討が十分に行えない可能性がある。
  • 第9期の論点整理では各課題に取り組む「主語」が明記されているので、今後できる限りの範囲で取組のロードマップや期限を示し、実質的な議論をできるだけ早く進めていけるとよい。
  • 方針がある程度定まった課題については、今後は具体的なアクションにつなげていくことが大事なので、論点整理の中で主体になって動くとされている文部科学省や日本技術士会にはいろいろな関係者を巻き込みながら、それぞれ進めてほしい。

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科学技術・学術政策局人材政策課

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