技術士分科会(第39回) 議事録

1.日時

平成30年12月18日(火曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省(合同庁舎第7号館東館)3階 3F2特別会議室

3.議題

  1. 平成30年度技術士試験の結果について
  2. 平成31年度技術士試験の実施等について
  3. 今期の議論の取りまとめについて
  4. その他

4.出席者

委員

小縣分科会長、岸本分科会長代理、鈴木委員、天野委員、伊丹委員、岩熊委員、川上委員、塩原委員、高木委員、高橋委員、中谷委員、松嶋委員、前田委員(名簿順)

文部科学省

松尾科学技術・学術政策局長、渡辺大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)坂本人材政策課長 ほか

5.議事録

【小縣分科会長】  それでは、定刻になりましたので、ただいまから科学技術・学術審議会第39回技術士分科会を開催いたします。皆様におかれましては、本当に御多忙な中だと思いますが、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日は13名の委員の方に御出席を頂いております。科学技術・学術審議会令第8条に規定されております定足数は満たしてございます。
 なお、欠席の方のお名前を申し上げます。奥野委員、風間委員、酒井委員、土井委員、西田委員、吉村委員の6名の方が所用により御欠席でございます。
 それから、参考資料1に今日時点での新しい委員名簿が配付されておりますので、御確認をいただければと思います。
 本日は、報告事項をはじめ、今期の議論の取りまとめ案が委員会から提出されておりますので、それに基づきまして、今期の検討内容を取りまとめるべく幅広く御意見を伺わせていただきたいと存じ上げます。
 また、前回2月22日の分科会以降、事務局に人事異動がございましたので、事務局から資料確認と併せて紹介をお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
【渡邉専門官】  それでは、事務局の異動について御紹介させていただきます。
 まず7月27日付けで科学技術・学術政策局長に松尾泰樹局長が着任しております。
【松尾局長】  松尾でございます。どうぞよろしくお願いします。私、5年前まで人材政策課長で技術士の担当をしておりまして、その頃にも皆様方にお世話になっていたかと思いますが、その頃から課題になっておりました国際通用性の問題とか、試験の内容の問題、それから、他の試験との相互乗り入れ等進展があるということで、先生方には引き続き御審議、御検討いただければ有り難いと思っています。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
【渡邉専門官】  ありがとうございます。
 次に、8月10日付けで大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)に渡辺その子審議官が着任しておりますが、本日所用で少し遅れて参ります。
 最後に、4月1日付けで人材政策課長に坂本修一課長が着任しております。
【坂本課長】  人材政策課長の坂本でございます。今後とも是非よろしくお願いいたします。私はもう20年近く前になりますが、省庁再編のときに人材政策課の前の基盤政策課の総括課長補佐を務めておりまして、直接技術士制度は担当しておりませんでしたけれども、総合技術監理部門を立ち上げるときの検討に加わっておりまして、今回改めて技術士制度に関わらせていただいて大変有り難いと思っています。よろしくお願いいたします。
【渡邉専門官】  事務局の人事異動につきましては以上でございます。
 なお、誠に恐縮でございますが、松尾局長、坂本課長におきましては、別の用務のために会議の途中で退席させていただきます。申し訳ございません。
 それでは続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。本日は資料が非常に多くて恐縮でございます。まず配付資料は、資料1の「平成30年度技術士第一次試験の結果について」から資料13の「技術士制度改革に関する論点整理(案)」まで13ございます。さらに、資料13の別紙が、別紙1の技術者キャリア形成スキームから別紙8の「技術士第一次試験専門科目の適正化について」まで、別紙1から8までございます。
 ほかに参考資料として、参考資料1の「技術士分科会委員名簿」から7の「国際的通用性検討作業部会委員名簿」まで、こちらも参考資料として7つございます。
 あと、机上資料としまして、日本技術士会の中間報告などがございます。
 恐れ入りますが、もし足らない資料等ございましたら、お申し出いただければと思います。よろしいでしょうか。では、分科会長、お願いします。
【小縣分科会長】  それでは、資料の御確認を頂いたと思います。先ほど申し上げた参考資料1、この名簿が割と下の方に入っていますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。まず議題1、平成30年度技術士試験の結果について、事務局から御説明をお願いいたします。
【渡邉専門官】  御説明いたします。資料1の「平成30年度技術士第一次試験の結果について」、資料2の「平成30年度技術士第二次試験筆記試験の結果について」でございます。
 本年度の第一次試験につきましては、受験申込者数2万1,228名のうち、受験者数が1万6,676名でございまして、10月7日に北海道から沖縄までの12都道府県で試験を実施いたしました。そのうち6,302名を合格者として決定いたしまして、12月13日に官報で公告いたしました。合格率は、今年度は37.8%となっております。
 資料2は11月の試験部会で御説明したものと同じでございますが、本年度の二次試験につきましては、受験申込者数が3万2,774名のうち2万5,914名が7月15日及び16日に北海道から沖縄県までの12都道府県で筆記試験を受験しまして、2,573名が筆記試験に合格いたしました。合格率は9.9%となっております。なお、筆記試験合格者につきましては現在口頭試験を行っているところでございまして、最終合格者は来年の3月8日に官報公告等により公表する予定でございます。
 議題1に関する資料については以上でございます。
【小縣分科会長】  ありがとうございます。ただいまの御説明に対しまして何か御質問があれば伺いたいと思います。何かございますか。
 では、よろしければ次に議題2、平成31年度技術士試験実施等につきまして御説明いたします。平成31年度技術士第一次試験及び第二次試験を実施するに当たりまして、試験の基本的方針を定める実施大綱等につきましては、当分科会の下に置かれております試験部会において11月に決定しております。また、平成31年度からは試験科目や方式に変更がありますので、その点も含めまして事務局から御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
【渡邉専門官】  それでは、御説明いたします。資料3から資料11、参考の3、4の説明ということになります。
 まず順番が前後しますが、資料4、技術士法施行規則の一部を改正する省令及び技術士法施行規則の規定に基づく告示の改正でございます。こちらにつきましては、本年2月に開催されました技術士分科会でも御説明しているところでございます。こちらの改正は前期第8期の技術士分科会の報告を受けまして、昨年12月28日に省令及び告示の改正を行ったものでございます。施行につきましては来年の4月1日を予定しております。主な改正内容は、第二次試験の選択科目の大くくり化と、他の国家資格との相互活用の促進でございます。
 改正後の試験の実施方針につきましては、資料3の方に詳しく書いてございますので、ごらんいただければと思います。資料3で、まず第一次試験につきましては、他の国家資格との相互活用の促進ということでございます。マル1としまして、情報処理技術者試験につきまして、高度試験及び情報処理安全確保支援士合格者に対しまして、第一次試験の専門科目、これは情報工学部門ですが、これを免除されるということになっております。次に中小企業診断士試験につきましては、中小企業診断士第二次試験合格者等に対しまして、第一次試験の専門科目(経営工学部門)を免除というふうに相互の活用を促進するようになっております。
 次は、第二次試験の方は、選択科目の大くくり化ということがございます。今まで細分化されていた第二次試験の選択科目を96科目から69科目へ大くくり化しました。これにつきまして詳しいものは、参考3の方をごらんいただければと思います。参考3の「技術部門・選択科目の適正化の概要」ということで、どの科目とどの科目が大くくり化されたということが一応一目で分かるような、このカラーで印刷されたものでございます。
 その他の主な改正内容としましては、総監以外の技術部門の筆記試験の必須科目が、択一式から記述式に変わるというものがございます。また、総監以外の口頭試験につきましても、試問事項が、技術士としての実務能力として、コミュニケーションやリーダーシップ、評価、マネジメント等が加えられることになっております。
 あと、資料5から資料11までにつきましては、これも11月6日の試験部会におきまして、昨年度の試験部会の資料に、今申し上げたような改正内容を加えて実施大綱等を決定したものでございます。
 あと、11月の試験部会におきましては、総監の関係で、今までいわゆる青本というものがあったんですが、それの絶版のために、総監キーワード集を総監の先生方を中心に作成されまして、それが報告され、了承されております。こちらにつきましては、文科省のホームページ等に掲載して公表しております。資料の説明は一応以上でございます。
【小縣分科会長】  ありがとうございました。渡邉専門官の方から、資料2から資料11まで、参考資料の3と4もお使いいただいて説明を頂きました。ただいまの御説明につきまして、何か御質問等あれば伺いたいと思います。よろしくお願いします。
 もう既に試験部会でいろいろ議論がなされて決定しているということでありますけれども、今回内容も変更になるので、あとはしっかりそこを徹底していくということだと思いますので、よろしくお願いします。
 では、もし追加の御質問があれば後ほどまた伺いたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは次に議題3、今期の議論の取りまとめにつきまして御説明いたします。今期は、もう皆さん御存じだと思いますが、参考資料2「第9期技術士分科会の組織構成について」にございますけれども、当分科会の下に委員会が置かれております。そのうち、国際的通用性検討作業部会からは資料12の報告書が、また、制度検討特別委員会からは資料13に分科会としての報告書案が作成されているということになります。
 本日はまず、今期のこれまでの審議経過につきまして、制度検討特別検討委員会主査の岸本分科会長代理より御説明いただきまして、それを受けて資料13の分科会の報告書案をより充実したものとすべく、皆様から様々な御意見を伺うことができればと思っております。
 それでは、まず制度検討特別委員会の主査でいらっしゃいます岸本分科会長代理、大変御苦労をお掛けしましてここまでまとめていただきましたけれども、御報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【岸本分科会長代理】  それでは、御説明させていただきたいと思います。お手元の資料ですけれども、先ほど参考資料2でこの分科会の組織構成の説明がありましたが、そこの中の制度特別委員会からのレポートということで御報告させていただきます。
 この制度特別委員会の審議の中で、国際的通用性に関しては、検討作業部会を設けて集中的に審議することが適当であるということで作業部会を作りまして、その作業部会からの報告書、これが資料12になりますが、この資料12を受けまして、制度検討特別委員会の方で更に整理したものが資料13になっております。ということで、資料12については簡単に説明させていただいた上で、資料13について御説明させていただきたいと思います。
 それで、参考資料5になりますが、あちこち説明してしまって申し訳ありませんけれども、こちらが制度検討特別委員会等における検討の経過等ということで、今期どのような経緯で特別委員会、作業部会が検討してきたかというスケジュールになります。制度検討特別委員会の方につきましては、都合7回委員会を開催いたしまして、いろいろな形での論点整理をし、レポートを作ったという形になっております。
 参考資料5のところをごらんになっていただきますと、一番上の方にありますが、1回目のところで、技術士資格の国際的通用性、技術士資格の普及拡大・活用促進、継続研さん(CPD)の在り方、更新制の導入、技術士補の在り方、第一次試験の適正化、総合技術監理部門の在り方について、これらの6つのテーマが前期から残された課題という形で確認をいたしました。それぞれについて審議を行ったということでございますが、その中で、先ほどの繰り返しになりますけれども、技術士資格の国際的通用性については作業部会を設置して検討を進めるということで、そちらの方の検討をその後進めていったという形になります。
 その後、第5回になりますけれども、国際的通用性検討部会の検討結果の報告がありました。その中では、国際的通用性検討作業部会ではいろいろな方々にヒアリングを行いまして、その調査結果に基づく議論も加えたということであります。それを踏まえまして、第6回、第7回ということで、資料13に関しての議論を行ったという経緯になっております。以上が検討の経緯になります。
 裏のページは国際的通用性部会の方ですけれども、全4回作業部会を実施いたしまして、先ほど申しましたようにいろいろな方々にヒアリングを行ったということでございます。あわせて、制度検討委員会としてもヒアリングを重ねて行っているということであります。
 参考資料6と参考資料7が、それぞれの委員の名簿になってございます。多くの方々に御協力いただいて取りまとめたということでございます。
 それでは、内容について御説明させていただきます。資料12、こちらの方が国際的通用性検討作業部会検討結果報告ということです。1のところは、どういう作業部会かというのが書かれております。2のところが検討内容の概要ということです。(1)として、国際的通用性とは何かということと、(2)作業部会の検討課題についてということで、そういったところがまとめてございます。
 これはずっと資料として整っているわけですけれども、3のところが検討内容の報告ということで、課題ごとにそれぞれ検討内容が列記してございます。下線を引いたところが重要な項目ということでございますが、こちらについては後ほどのところで説明させていただきます。(1)のところから順にごらんになっていただきたいと思います。4ページのところですけれども、(1)の国際的通用性、7ページのところでは、普及拡大・活用促進、特に国際的な資格の活用についてという観点から検討しているということでございます。8ページは、継続研さん(CPD)の在り方、更新制の導入、9ページでは、技術士補及びIPDの在り方(若手エンジニアの育成)ということになっております。(5)が技術士試験の適正化、(6)が総合技術監理部門の在り方ということであります。
 それを受けまして、12ページから13ページについては、それぞれの項目ごとに、見やすい形で、事務局の力をかりまして表にしてございます。それぞれ、方策・検討項目、それに関する備考、それと、「目標」と書いてあるのが、技術士が国際的通用性を持つための4つの目標ということです。こちらの方は12ページの上の方にありますけれども、技術士の資格が他国の対応する資格と同等なものであること、マル2、技術士の試験合格者が、IEAのGA・PCに示されているエンジニアとしての能力を有していることを客観的に証明できる制度であること、マル3、実際に海外で活躍する日本人技術者(エンジニア)が、技術士資格を取得していることが通常の状態となること、マル4、日本から世界に国際的なエンジニア像を提示し、技術士資格をそれに適合する内容とするとともに、技術士資格の相互承認に反映できるようになることということで、こういった目標に対してそれぞれの項目がどう対応しているかというふうに整理してあります。
 また、後ろの方は、第9期の検討項目、先ほど説明させていただきましたけれども、それぞれに対してどういうふうな対応がなされているかということで整理してございまして、今期の6つのことについて、それぞれに対して方策、検討項目を立てたという形になっております。
 次の別紙以降ですけれども、まず別紙1は「各国のエンジニア資格との比較表」ということです。技術士会の方々の方での調査と、IEAに出席いたしまして、そこの参加国に対してアンケート調査を行うということで、この比較表がまとめられております。ほとんどの国から回答が来たものでありますけれども、中には数字を公表したくないというような申出もありまして、そういったところについては控えた形での取りまとめということになってございます。
 次に、別紙2のところでは、「技術士と他国のエンジニア資格との比較について」ということで、18から21ページにわたって検討がなされております。その中で特に目に付くのは、ほとんどの国が更新制度を持っているということが大きなポイントになっています。また、学歴要件についても、いわゆるJABEE認定課程の修了生と同等ということで、それぞれの国でカリキュラム認定がされていますけれども、その修了生であるということを基本要件にしているということが目に付いているというところであります。
 続きまして、別紙3でございます。こちらは、先ほど申し上げましたヒアリングの調査を行いまして、それぞれの関係の方々、国際的な資格を持たれている方あるいは海外の資格を持たれている方等にお伺いいたしまして、それぞれの項目ごとにどういったことがポイントかということのお話を伺って、そちらを整理したものであります。少し細かい字で恐縮ですけれども、多くの方々から調査したということで御理解いただければと思います。
 そういったことから、別紙4のところで、「ヒアリング調査に基づく今後の検討方針」をまとめました。こういった中の委員の方々からもいろいろな御意見を伺って資料を整理してきたというのが経緯でございます。
 別紙5は、これは既に公表されているものですけれども、「技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)」ということと、別紙6は、「技術者キャリア形成スキーム(コアスキーム)(例)」ということで、こちらについても前期に検討されたものということで、参考資料として付けさせていただいております。
 以上が国際的通用性検討部会の検討結果の報告でございます。
 それで、それを基に致しまして、整理したものが資料13になります。こちらの方を本日ごらんになっていただきまして、ここの分科会としての論点整理という形にできればということで、今回と、たしか次回も年明けにありますので、そこで今期のまとめという形になればなということで御用意させていただいたものであります。
 それでは、こちらの方の内容について説明させていただきます。クリップどめがなされていると思いますが、後ろの方の別紙1から別紙8というのは、先ほどの資料の中にも出てくるものと重なるところがありますけれども、この資料をまとめるに当たっての補足資料になっています。
 それでは、資料13について御説明させていただきます。タイトルは、「技術士制度改革に関する論点整理」という形になっております。まず目次ですが、1、はじめにというところで、現状の認識と、基本的な検討の視点ということで書かれています。2が第9期技術士分科会における審議ということで、1が審議経過、2が審議の内容ということで、6つの項目について審議の内容を整理した形になります。それを受けまして、3のところが当面重点的に取り組むべき項目ということで、早急に対応していくものが必要であるということをまとめた形になっております。こちらの方は制度検討委員会の方でまとめたものが案となっておりますけれども、いろいろな形で御意見を頂いて、これを更によいものにできればと思っているところであります。
 それでは、内容に入ります。はじめにのところが1ページですけれども、現状認識ということです。技術士法が制定されてから60年余りが経過している中で、約9万人の方々が技術士として登録されてきております。その中で、日本を取り巻く環境あるいは日本の中での産業構造が大きく変化しているところでありまして、エンジニアの人たちの活躍が大いに期待されるところであります。
 それで、技術士分科会としましては、第3段落になりますけれども、第6期、第7、8、9といろいろな形で検討を進めてきております。その中でも具体的にされたことがあります。例えば技術者キャリア形成スキーム(コアスキーム)を公表するとか、技術士に求められる資質能力を明確化する、あるいは他の国家試験との乗り入れ、具体的に来年31年度から実施がされますけれども第二次試験の改正、そういったところが実際になされてきたことでありますけれども、まだまだ未着手の問題が残されているので、それらについて今期審議を行ったという形で整理してあります。
 特に、この報告書の記述の中でということで最後の段落がありますけれども、エンジニアという言葉を使っております。その意図は、脚注にも書いてございますけれども、国際的な中では、技術者をエンジニア、テクノロジスト、テクニシャンという形でグループ分けをして考えているわけですけれども、技術士については、複合的な問題解決能力を持つ技術者ということからエンジニアという形で整理できるであろうということで、エンジニアという形でこの報告書の中では表記しています。
 それで、次が基本的な検討の視点でございます。第2段落の真ん中ほどに書いておりますけれども、技術者に求められる資質能力がますます高度化、多様化する中で、国民の信頼に応える高い専門性と倫理観を有するエンジニアを確保するために、技術士制度の活用を促進することが必要であるというのが視点になっております。そして、多くの技術者の人たちがキャリア形成過程において技術者の資格を通じて資質能力を向上するということを促していくということが重要ではないかということであります。さらに、我が国のエンジニアの資質能力が国際的に適切に評価されることが重要で、技術士制度の国際的通用性の確保が求められるというふうに視点を立ててございます。
 それを受けまして、2のところ、3ページになりますけれども、第9期技術士分科会における審議ということです。1が技術士分科会における審議の過程ということで、先ほど説明させていただいたこと、6項目について検討を行ったというようなことがまとめてございます。
 以上が前段階で、4ページ以降が具体的な内容になります。審議の内容ということです。ここのレポートでは、冒頭にありますように、6つの事項ごとにまとめたという形になりまして、それぞれについて、現状と問題点と、それを踏まえて提言(議論の内容)、さらに、それらに基づいた今後の取組という形で3項目挙げて、それぞれの6つの事項ごとに取りまとめを行っております。さらに、要望が大きい内容を問題点として捉えまして、それらについて今後の取組の進め方において提示をしているという形になります。具体的に進めるに当たっては、新たな制度の導入が必要なものも含まれているということから、これらの項目については、実現に向けて更に詳細な検討を行う必要があるという形でまとめてございます。
 それでは、国際的通用性等6つの項目について簡単に説明させていただきます。全体のまとめと致しましては、21、22のところに参考という形で、今後取り組むべき項目の一覧ということで、それぞれ国際的通用性、活用促進・普及拡大から総合監理まで含めまして項目が表の形で出ております。これに至る経緯のところが4ページからは文章になっているということであります。
 4ページに戻っていただきますと、国際的通用性の確保の中で現状と問題点ということです。そこの下の図を見ていただきますと、国内のAPECエンジニア登録者数の推移ということですが、平成17年をピークにしましてその後漸減しておりまして、現在は1,000名程度ということです。国内の登録者がこういう形で減少しているということは、非常に大きな課題があるということの認識を持つ必要があるんじゃないかということであります。
 続きまして、5ページです。分科会及び各委員会等からの主な提言ということで、技術士資格の国際的通用性に関してはどういうところがポイントになるかということで、これを箇条書きしてございます。後の表でそれをまとめておりますので、それぞれの項目についてこういう形でまとめたということでごらんになっていただければと思います。5ページの下の方は、(b)ですけれども、APECエンジニア等の登録・活用、続きまして6ページですけれども、こちらは、国際的に活躍するエンジニアの育成、(d)他国のエンジニア制度との関係というような形でまとめていっているということであります。
 7ページが、そういったものを踏まえまして、今後の取組の進め方ということで、取り組むべき項目ということで表にしてございまして、それが1から8になります。APECエンジニアについては、例えばAPECエンジニア登録者数を増加するような取組の検討・実施ということが必要であるというようなことでございます。
 そういった中で、二重丸が付いている項目、これは特に急ぐ項目であるということで書いてございます。相互承認のところにありますけれども、国際的な相互承認の在り方についての検討と、今後の方針及び対応方策の立案・実施ということを急いで検討を進める必要があると考えているということで二重丸が付いてございます。
 そのほか、そこの中ですと、その他の項目の中に、他国のエンジニア資格制度の構築及び普及への協力ということで、国際的に通用するという観点からしますと、関係する諸外国にも同じ制度があることによって初めてその資格が認識され、生きるということなので、そういった資格が整っていない国については、早急に我が国も援助をして普及の協力をしていくということが必要ではないかということで二重丸を付けているということでございます。
 続きまして、8ページ、(2)活用促進・普及拡大ということであります。こちらについても1と同様に、1)のところに現状と問題点という形、2)のところで、分科会及び各委員会等からの主な提言ということで、それぞれの項目ごとに提言がまとめられてございます。3)のところに今後の取組の進め方というふうにまとめ、それらを表形式にしたものが10ページの下になっているということです。こちらについては、公的活用ということについて二重丸が2つ付いているような形になっております。公的事業・業務における活用の促進、他の国家資格との関係性の明確化及び相互活用の実施、民間等での活用、技術士の資質能力とそれをいかせる活用方法の紹介というようなところに丸を付けてございます。次に、技術系人材育成に活用ということからしますと、民間企業において、技術士キャリア形成スキームの周知とそれに合うGA、PC取得の支援ということで、IPD、CPDが非常に大切だということで、こういったところを優先すべき項目として二重丸を付けているということでございます。
 11ページからは、(3)ですけれども、継続研さん・更新制の導入ということです。現状と問題点ということですが、先ほど御説明しましたように、諸外国を調査いたしますとほとんどの国が更新制を持っているということで、国際的な通用性の観点からも、技術士制度について更新制を導入することが望ましいということで、そちらについては実施に向けた本格的な検討を進める必要があるという形でまとめてございます。2)分科会及び各委員会等からの主な提言ということで、項目(a)、(b)という形でまとめてございます。それらを今後の取組の進め方としてまとめた表が12ページにございます。16項目としては更新の要件や実施方法の検討、17、CPD制度の見直しという形で、取り組むべき項目を特に優先する項目の形で提示してございます。
 続きまして、4項目ですけれども、技術士補の見直し・IPDの導入ということでございます。その中で真ん中の方に、「諸外国ではエンジニア育成の一環としてのIPD制度が確立されつつある。一方、技術士二次試験の合格者の平均年齢が諸外国に比べて高いことが指摘されているが、IPD制度が整備されていないことが要因の一つとして考えられる」というような指摘をしてあります。2)には、分科会及び各委員会等からの主な提言ということです。(a)の技術士補制度の在り方、(b)IPDの在り方、その他という形でまとめております。15ページのところには表形式になっておりまして、ここでは、繰り返しになりますけれども、IPD制度の整備、充実と、技術士補制度の見直し、活用促進ということが優先項目として考えられるということでまとめてございます。
 (5)技術士試験の適正化ということです。技術士試験については来年度以降試験のやり方が改正されますけれども、一次試験等まだまだ課題が残っているということで引き続き検討が必要であるということと、後半の方に書いてございますが、外国人エンジニアによる技術士資格取得を促進するために試験面での対応を検討する必要があるということを入れてございます。
 2)分科会及び各委員会等からの主な提言について、それぞれの項目ごとに16、17となっております。17ページの後半に今後取り組むべき項目ということで、二重丸を付けたところだけを取り上げさせていただきますと、第一次試験の適正化と、外国人エンジニア、特に外国人留学生が受験しやすい試験方法の検討ということが重点項目であろうということであります。
 最後になりますけれども、6番目が総合技術監理部門の位置付けの明確化ということになります。表のところをごらんになっていただくと、18ページの一番下ですけれども、総合技術監理部門については、総合技術監理部門に求められる資質能力等の整理が必要であるということであります。
 ということで、6項目、現状・問題点の整理と、今後の取組の進め方という形でまとめたということで、この資料の説明をさせていただきました。
 それで、19ページがまとめとなっております。当面重点的に取り組むべき項目ということで、先ほど二重丸を付して表の中に示されたものについてまとめたものが19ページになっております。今期検討を行いました(1)から(6)について、それぞれ重点的に取り組むべき項目ということで整理したものがここでございます。左側にある3、8というのは、それぞれの通し番号の中で何番かということになってございます。
 さらに、それを今後どのような形で取り組んでいったらいいかというのをまとめたのが20ページになっております。こちらの方は、A、B、Cというグループ分けになっております。Aというグループは、今期の検討により対応の方針及び方策が明らかになっているということで、そちらについては実際に対応を行っていくのがふさわしいと考えられる項目の整理になっております。Bについては、対応の方針が明らかになっていて、今後具体的な方策を検討するもの、Cについては、対応方針を明らかにするために検討が必要なものということでまとめてございます。それぞれA、B、Cがどの項目がそれに当てはまるかということでありまして、9、10、11という形になっております。
 さらに、その取組の内容としてはどういうふうに具体的に進めていったらいいかということですけれども、例えばAの中の9、10については、文部科学省と日本技術士会が中心となって、活用の提案がなされている資格に関して関係機関に働き掛けるということでまとめています。19ページと20ページを読み合わせていただくと、何がAグループ、Bグループのどれなのかということと、具体的な取組内容が何なのかということでごらんになっていただけるかと思います。
 その中で、B、Cに当たる項目については検討がまだ必要だということで、こちらについては太字で示してありますけれども、更新制導入については、その導入に向けた検討を行う作業部会の設置をして、具体的な対応方策を早急に進める必要があるというふうにまとめてございます。もう一つは、技術士試験に関する検討についても、引き続き検討が必要で、そちらについても作業部会を設置するということで、来期については2つの作業部会を設置して早急に検討し、具体策を出していくということが必要だということで取りまとめた形になっております。
 少し長くなりましたけれども、以上で「技術士制度改革に関する論点整理(案)」ということで御説明させていただきました。
【小縣分科会長】  岸本さん、どうもありがとうございました。この間の制度検討特別委員会並びに特に設けた国際的通用性検討作業部会での作業は大変だったと思います。本当にありがとうございます。また、ただいま大変分かりやすく御説明いただきました。
 その前に事務局から、渡辺審議官がいらっしゃっておりますので御紹介します。
【渡辺審議官】  すいません、冒頭遅れまして失礼いたしました。8月からこちらの方に審議官で着任しております渡辺と申します。よろしくお願いいたします。
【小縣分科会長】  よろしくお願いします。では、続けさせていただきます。
 それでは、これまでの御説明に対しまして御質問、御意見等を伺いたいと思います。ただ、きょうは時間も限られておりますが、事務局からもございましたけれども、今回皆様方の御意見を幅広く頂きまして、次回があるわけでございます。次回が年が明けて早いんですけれども、1月8日でございますので、そういった中でまとめていくということになろうかと思います。ですから、できるだけ広範な御意見をきょう出していただきまして、そして、事務局などを含めまして改めて報告書案を皆様の御意見に基づいた形で御提示するという形になりますので、きょうの位置付けはそういったことで御理解いただければと思います。
 本日岸本分科会長代理から説明いただいた作業に関わった方もたくさんいらっしゃいますけれども、その中で出されたいろいろな具体的な御意見も含めましていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。どうぞ、どなたからでも。
 伊丹委員、よろしくお願いします。
【伊丹委員】  それでは、口火を切らせていただきたいと思います。今期、非常に多くの課題がある中で、精力的に御検討されて、ここまでこの論点整理の案ですか、資料13を今御説明いただきましたけれども、こういった形でおまとめいただいたということ、分科会長も、それから、特に岸本先生、主査として御苦労いただいて、本当に敬意を表したいなと思います。
 事務局の方からあらかじめペーパーを送っていただきましたので、さっと目を通させていただきました。本日御提示いただいた論点整理の案について気付きの点、的外れな点もあるかもしれませんが、若干話させていただきたいなと思います。
 今回6項目について整理をされておると思うんですけれども、順番に行きたいと思います。最初に国際的通用性の確保ということでまとめられております。ペーパーの中にもどこかに書いてあったと思うんですが、国際的通用性の確保という観点から考えると、我が国の技術士の試験の仕組みとか内容も、受ける受験者がプロフェッショナルのエンジニアとして必要なコンピテンシーを有しているか否かということを確認できるような試験にしていくというのが基本かなと思うわけです。そういう意味では、16ページの一番下のところに、筆記試験と口頭試験のそれぞれで測る項目をコンピテンシーベースで整理して、その結果に基づいて試験内容や面接の時間を見直すと、こういう方向性が妥当ではないのかなと思います。
 そういう意味では、これは私の理解が十分なのかどうか分かりませんけれども、欧米を中心に諸外国でのコンピテンシーの確認という意味での試験というのは、どちらかというと、ペーパーベースの試験もさることながら、経歴というか業務実績と、それから、インタビュー、面接を重視している傾向が強いのではないのかなと、こんな感じで思っています。そういう意味では、我が国の技術士の試験でも、やはり業務実績の評価とか、あるいは口頭試験、こういったものをもう少し充実した方向に持っていくということが適当かなと、これは個人的意見ですけれども、私はそんなふうな考え方を持っております。特に数年前から面接の時間がかなり短くなっていますけれども、これはどうなのかなとこんなことも思っておりますので、ひとつまたこの先御検討いただければと思います。
 それから、2番目が活用の促進・普及拡大ということで、これは非常に重要なことだと思います。特に、更新制の導入を検討するという場合に、仮に更新制を導入するとなると、やはり技術士の制度、資格に更なるメリットの付与が必要かと思うんですけれども、そのメリットというのは、すなわち、技術士資格の活用促進にほかならないと思うんです。ですから、これは非常に重要なことかなと思います。そのためにはやはり産業界の御理解あるいは関係する省庁の御理解が不可欠ですので、そういう意味では、一に、私は文科省の熱意といいますか、御努力というか、それに非常にかかるところが大きいのかなと、こんなふうに思っておりますので、これは事務局の方に是非期待をしたいなと思っております。
 それから、今回、情報処理と中小企業診断士の制度改正がなされましたけれども、やはり、少し表現が適当でないかもしれませんが、一方通行でなくて、相互乗り入れで、例えば向こうの資格を持っていれば技術士試験の一次試験免除ということがあるならば、技術士の資格を持っていれば向こうの方の試験の一次試験を免除とか、何かそういう相互乗り入れ的な形での相互の普及拡大が図られていくのが望ましいのかなと、こんなふうな気がします。
 それから、ついでにお話しさせていただきますと、8ページの一番下のところに、技術士の活用が考えられる場面で、現在社会的に問題となっている場面への技術士の活用例等を具体的に提案していくという非常に面白い記述が書いてあります。これを読みながらふと思ったんですが、これは本当に思い付きなんですけれども、例えば企業の経理とか会計なんかは公認会計士による外部監査というのがございますけれども、同じような形で、企業活動の技術面に関して技術士による外部監査を、義務付けるのは難しいにしても、少なくともそういったことを推奨するような考え方はできないのかなと、これは思い付きですけれども、こんなことを思いました。特に、昨今の例えば検査データの改ざんとか、技術士の面から見ると技術者倫理に反するような企業活動が、多々とは言いませんけれども、そういった企業活動の不祥事が報じられるようなことを考えますと、そういった企業活動の技術面に関して技術士による外部監査みたいな仕組みが何か考えられるのかなと、こんな本当に思い付きみたいな話で申し訳ないですが、活用促進という観点からお話しさせていただきました。
 それから、すいません、長々となって申し訳ないですが、もう一つ。今期の取りまとめの一番の中心になろうかと思いますのが、3番目の継続研さん・更新制の導入ということだと思いますが、私としてはやはり更新制というのは、技術士資格の社会的な信頼性の確保という観点で導入する意義は大きいのかなと思っております。また、更新制ということになりますと、CPDというか、継続研さんの義務化という表現がいいのかどうか分かりませんが、何らかの形で継続研さんを確認するということも出てくると思うんですが、これも技術士に継続的な資質向上を促すという意味で非常に意味があるんじゃないかなと。そういう意味からも、更新制の導入というのは是非私としては前に進めていただければと思います。
 そういう意味で、12ページに今後取り組むべき項目として書いてありますけれども、この中で更新あるいはCPDの義務化についてはその可否も含めて慎重に検討を進めると、こんな表現になっていますけれども、もう少し踏み込んだ表現にしてもいいのかなという、私個人としてはそんな感覚を、読ませていただいて持たせていただきました。
 それから、ついでに言いますと、ここで更新制あるいはCPDの義務化と書いてありますが、やはり更新制を導入するということになると、それからまた、技術士の国際的通用性の確保、あるいは技術士資格の活用促進という観点からも、登録した技術士の名簿の公開もセットでないのかなと、こんなふうに思っております。そういう意味では、更新制とCDPの義務化と名簿の公開をある意味で3点セットで考えた方がいいのではないかなと、これもこんなふうな印象を持ちました。
 あと、4点目は、技術士補の見直し・IPDの導入ということですが、これも是非今後しっかり議論をしていただきたいと思います。1点だけ申し上げたいのは、前回の報告が出た以降、JABEEを持っている大学の先生方から、これはもちろん誤解なんですが、技術士補という国家資格はなくなるのではないかという、そんなことをおっしゃる先生方が結構おられまして、不安といいますか、懸念が広がっていたという印象を持っています。大学から見ると、JABEEという制度の売りの面は、JABEEのコースを出れば技術士の一次試験免除というメリットはもちろんあるんですけれども、それよりも技術士補という国家資格が与えられるということにメリットといいますか、JABEEの売りの面を感じている先生方が多いというのが私の印象なんです。
 ですから、何が言いたいかというと、要は、名称は別として、技術士補という国家資格として残すということは、これは是非考えていただきたいと思います。産業界から見るとそうではなくて、正直言って、技術士補という資格を持っていてもすぐさま使い物になるかというと必ずしもそうではないとは思うんですけれども、どうも大学の先生から見ると、名前は別として、国家資格が得られるということの方のメリットの方が大きいと感じておられるようですので、その辺も踏まえて是非技術士補の見直しについては御検討いただければと思います。
 あと、技術士試験の適正化については今後の議論になろうかと思いますけれども、17ページにも書いてありますように、特に一次試験の適正化に関しては、前回も議論がありましたように、また、第二次試験との関係とか、それから、関係業界の意見を十分聞いて、関係省庁とも十分連携してと案にも書いてありますけれども、是非そういった方向でこれは進めていただければと思います。
 とりあえずざっと読ませていただいて感じたことを発言させていただきました。以上でございます。ありがとうございます。
【小縣分科会長】  ありがとうございます。ただいまの御意見についてどうでしょうか。
【岸本分科会長代理】  どのような形で進めましょうか。御指摘いただいたところは非常に大切なことと思いますし、今回のこのレポートの中の、事務局との相談になりますけれども、これから御発言していただく委員の方々も、分科会及び各委員会等からの主な提言の中に、今までにないものについては加えていくという形で整理させていただいて、必要な修正を、特に今後の取り組むべき事項についてはそこに加えていくというようにしていくのが適切かなと思いますので、ここで議論を戦わせるということよりも、いい御意見については含めていくという整理がいいかなと思います。
 それで、この2点なんですけれども、二次試験の在り方を、プロフェッショナルコンピテンシーを確認するための試験という中で面接試験の時間を考えていくというのが1つ大切だということもございますが、もう一つは、諸外国の制度を見ていると、試験で1回で決めるのではなくて、IPDの中で順次技術者の人たちが伸びていったところはそれぞれに確認して、最後はそれの全体確認みたいなやり方をして確認するということで、むしろ二次試験というのがもっと合格率の高いやり方になっているので、そういったところも参考にしながら日本の制度を直していくのがいいかなとは個人的には思っております。
【伊丹委員】  今、岸本先生がおっしゃったのは、私もそういう考え方に全く賛成でございます。IPDを充実していくというのは非常に重要だと思います。そういう意味では、さっき言わなかったんですけれども、IPDを充実していくときに、例えば研修会、講習会みたいな座学をカウントしてIPDをどれだけやったかということ、もちろんそれも必要なんでしょうけれども、それよりも技術を磨くといいますか、技術者を育てるというのは、私はやっぱりOJTが一番有効だと思っているんです。
 そういう意味では、座学的なものもさることながら、実際の物を見るということは非常に大事なことなので、見学会だけでも私は有効だと思っていて、見学会も含めて、そういったOJT的なIPDの仕組み、それを是非、これはどこが考えるべきかいろいろあるかもしれません。産業界も考えるべきだと思うんですけれども、是非そういったIPDの仕組みを今後日本でも積極的に導入・充実していったらいいのかなと思っております。すいません、付け足しで。
【岸本分科会長代理】  あともう一点だけ伺った中で今期余り検討されなかった中で重要かなと思いましたのは、活用の中で、技術士がすべき仕事を作っていくというんでしょうか、先ほどの御指摘のように、そういった認定をする仕組みを作ることです。このことは、これまで余りそういったことについて積極的に考えてきてなかったので、どこかにそれを入れられるといいかなと思います。技術士でなければならない仕事をこれから作っていくというようなこともあるかなというふうに伺いました。ありがとうございます。
【小縣分科会長】  ありがとうございます。
 ただいま伊丹委員からは、項目でいうと2、3、4、5と広範に頂いております。今回関係する項目1から6までについて御意見あれば広くお聞きしていきたいと思っています。よろしいでしょうか。
 塩原委員どうぞ。
【塩原委員】  塩原と申します。今回国際的通用性のためにCPDを必須化するというような形で、技術士の方々にかなり負担を掛けるような形になります。そういうことで、早くその成果を出してあげる必要があるということを考えますと、7ページで3番に国際的通用性のための相互承認の在り方というところがあるんですが、やはりこの相互承認を早い形で取っていく必要があると。そういうことで、ここにマルチ協定とかバイ協定とか書いてあるんですが、例えば参加国全ての国が1回で相互承認でお互いに認めるというような形の提案を日本からして、早い機会に成果を出してあげるのが有効ではないかと感じる次第です。それがまず1つ。
 それから、CDPで、これから必須化するということでいろいろ日本技術士会さんの方で検討されております。APECエンジニア等で必要とされる50時間とかいうととても若い人は達成できませんので、今、日本技術士会さんの方では例えば20時間とか、そのような若手の方々でも取りやすい方策を是非考えていただきたいと。
 それで、今の継続研さんのカウントの仕方がかなり細かく規定されていて、何時間というのをカウントするために非常に細かい規定があって、これだけ細かいと若い人たちというのはなかなか、20時間といえどもカウントするのがかなり大変じゃないのかなと。そういうことで是非もっと簡単に取れるような方策、この辺も日本技術士会で検討されているようですので、この辺、若い人たちにも取りやすいような方策を是非考えていただきたいというところでございます。
 以上です。
【小縣分科会長】  先ほどまさに岸本先生からもございましたけれども、今回例えば19ページでいいますと、今塩原委員からの御意見について、特に優先すべきとされた項目は、最初に(1)の3で挙がっております。それに対して20ページで重点的に取り組むべき項目ということで分かりやすく挙げていただいていますけれども、まさにおっしゃるとおりでありますので、次回に向けてはそういう面で事務局としていろいろ頂いた御意見をきちんとまとめ込んで入れていくようにしていきたいと思います。
【岸本分科会長代理】  最初の御指摘のところで、相互承認の在り方についてなんですけれども、ここの書き方は、「国際的な動向を把握しつつ検討する」という形になっているんですけれども、もっと積極的に日本として動いた方がいいんじゃないかということで、もうちょっと強く書いた方がいいかなという御指摘かと思いますが。
【塩原委員】  そうしていただけると非常に助かります。
【岸本分科会長代理】  ありがとうございます。
【小縣分科会長】  天野委員、どうぞ。
【天野委員】  私もこの技術士制度の委員会の方で参加させていただいて最後にお願いしたのは、もうこれだけいろいろ検討してきていますから、とにかく早く実行に移せるものは移してほしいということで、重点的な項目に関しては主語を明確にしてくださいということをお願いしました。それで、文章の中には、文科省がとか、技術士会がということを入れていただいたんですけれども、これ、より明確にしていただく方がよろしいかと思います。
 というのは、今、日本は実用化研究を始めていますので、国のプロジェクトの成果を世界展開するようなことを大いに働き掛けています。社会実装は、国内だけじゃなくて海外にも持っていってほしいと。SIPで成果はいろいろ上がっているんですけれども、それをISO化して世界に展開しようとすると海外で言われるのが、ところで、これ、制度を作るのはいいけど、誰がやるのと。海外ではエンジニアというふうに言われて、日本には技術士という制度があるので、それは同等だということを各担当者が展開しようとして海外で戦うんですね。
 そうすると何が起こるかというと、じゃ、エンジニアの資格を受ける前段階の、受けてもいい資格で認めてあげてもいいよと。やっぱり担当者で戦うとこのぐらいで終わってしまうんです。なので、これは行政の方でどういうふうに動けばいいのか、それぞれいろいろな分野の動きがあると思いますけれども、今非常に大きなチャンスだと思いますので、是非文科省さんが中心になっておやりいただければいいかなと。
 そのときに、単独で文科省だけがとか、技術士会だけがとか言うつもりはありません。誰が一番主体的で動きやすいかということをお考えいただければよろしいかと思います。そうでないと、この制度検討委員会も委員会の中で検討するだけになってしまって、いくらいい報告書を作っても実際に実務に生かされないということになるので、これだけいろいろおやりになって成果もお出しになっていますから、そろそろ実務に反映する時期じゃないかなと思います。
【小縣分科会長】  ありがとうございます。今の天野委員の御発言、全くそのとおりだと思います。いろいろ関係省庁などもあると思いますが、是非、今回これだけ検討したという形の中で早く実行するというのは、官民問わず同じだと思います。そういうことが反映できるような表現も含めて、次回までいろいろ考慮して検討していくということにしたいと思います。
【天野委員】  私はちょっと過激な意見を言いまして、最後の参考資料や何かを文科省と技術士会と委員会で分けて、誰が主体になるのか見せてしまったらどうかというようなことを申し上げましたが、こんな形になったようです。
【小縣分科会長】  そうですか。それでは川上委員よろしいですか。
【川上委員】  川上です。私、企業で経営サイドというよりは技術者として働いている技術士として、この報告書を見させていただきました。非常によくまとまっていた力作で、大変ありがとうございました。
 報告書内で気になった点の1つはまず更新制度です。技術士の質を維持するという意味で非常に重要だとは思っています。ただし、企業のエンジニアは前も申し上げたんですけれども、とても忙しい状況です。その中で義務化されたときに、やっぱりそれに見合うだけの価値がないと、非常に忙しい業務の中で更に更新というために時間を費やすというのはなかなか難しいんじゃないかと思います。
 そうすると、どういうメリットがあったら、ふだんの仕事の上に更に加えてやるような、多分更新についてはどうしてもそういうことになると思うんですね。そうするとどうかというと、やはり先ほど言いましたように、国際通用性ですね、ほかの国に行っても通用するような資格であるというと、頑張って更新しようという気持ちになりますし、それから、ほかの国家資格とも相互活用があると、それもやはりモチベーションになる。
 それから、企業としては、従業員に絶対取らせようとあるのは、公的事業とか業務で必須になるという、そういう業界、例えば建築業界とか水道関係では相対的に技術士の比率が高いと思いますので、そういったことがあると、やはりそれもモチベーションになるだろうと思います。
 ただ、公的事業にそういったかせを付けるというのは、規制緩和とは全く逆行してしまうので、そういう意味では、経営サイドから見ると、恐らくそれは反対の立場もあると思います。技術者サイドからいうと、更新しないと自分の仕事にならない、自分の仕事はできないという環境があると更新をやっぱりやろうという方向に行くと思います。
 更新については、企業の技術士がやりやすい形を是非考えていただきたいと、お願いしたいと思います。以上です。
【小縣分科会長】  どうもありがとうございました。
 今の御意見に対し何かございますか?
【岸本分科会長代理】  先ほど来出ているのと同じかと思いますけれども、特に若い人たちが仕事をやりながら更新できる仕組み作りが非常にポイントになるかなと。委員の方々も同じような発言をされていたので、そこのところを更に強く出てくるような書換えができるといいかなと思います。
【川上委員】  是非よろしくお願いします。
【岸本分科会長代理】  ありがとうございます。
【小縣分科会長】  ありがとうございました。坂本課長、どうぞ。
【坂本課長】  今の点非常に重要ですので発言させていただきます。先ほど伊丹委員の方からお話があった12ページの16番のところで、更新CPDの義務化を「その可否を含めて慎重に検討する」というところが、慎重な表現がなされているということで、補足の説明をさせていただきたいと思います。
 今、川上委員の方からお話がありましたように、現場の負荷がどの程度あるのかというところ、ここをきちんと見極めないと、義務化というところは、これは当然議論が分かれてくるというところもございます。そもそも今、この技術士の資格を有している方々が、更新制が義務化されたときに例えば登録を取り消されるかというような不利益処分を持ち込むということは果たして法的に可能かどうかというところの法律論的な詰めも必要でございます。
 そういったことで、「その可否を含めて慎重に検討する」と書いておりますけれども、これは義務化かどうかというところで大きな分かれ道がございます。もしかするといろいろな事情、制約条件によっては、義務化ではないけれどもCPDについては何か制度化するというようなことも選択肢が出てくる可能性がございますので、ここは表現をちょっと緩めることも工夫はしてみたいと思っています。そうすると、もうちょっと前向きに書けるところが出てくると思います。以上です。
【小縣分科会長】  ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 では、高橋委員、どうぞ。
【高橋委員】  少し議論が戻ってしまいますが、各国のエンジニアの資格との比較をやっていただいていますが、我々はどこの国の制度を目標としているのでしょうか。我々独自のものを作ろうとしているのか。
【岸本分科会長代理】  私からというのもあれかもしれませんけれども、技術士制度としては当初は我が国の制度として技術士法が制定されてということでございましたけれども、グローバル化されるにつれて、技術士という資格そのものが国際的に通用するという形でこれまでも議論がされ、いろいろな形での制度改革がなされてきたという認識で、それを基に今期議論してきたという形になってございます。
【高橋委員】  じゃ、日本独自のものだということですね。
【岸本分科会長代理】  スタートはですね。
【高橋委員】  今は例えば米国の制度に近付けようとしているのか。
【岸本分科会長代理】  制度という形ではなくて、技術士を持たれた資格者が、海外の同等な資格を持たれた方々と国際的に同等なものになるという、制度というよりは、その資格がそういう通用性のあるものにしていこうという形での考えを持って進めているという理解です。
【高橋委員】  各国の制度を調べる中で、例えば米国では何が問題になっていて、どういうふうに変革をしようとしているのかについて調べているのでしょうか。今の各国の制度がどうあるのかということも大切だけど、どういう方向に向かっているのかというのを知る必要があると思います。我々が向かっている方向が本当に正しい方向なのか……。
【岸本分科会長代理】  1つは、IEAというところに教育認証する部会と、今度は技術者の資格の相互乗り入れをする部会がありまして、日本はAPECエンジニアのところとIPEA国際エンジニアという形で入っています。それぞれの国でそういった資格を持っているところを相互承認していこうということで、お互いに同等性がある国がそこに加盟できるということで、我が国はそこに加盟していて、ほかの国の人たちもどんどん改訂をしていきますので、そこと同等な形で日本は、少なくとも必要条件としてはやっていこうというふうに動いているというところであります。
 その中で、IPEAの加盟国がアジアの諸国も入って増えてきていますし、南米の方まで広がっていくということで、世界的に広がっていくということを考えていくと、我が国も同じような形でやっぱりグローバルな形で生きていくには必要だというふうな認識を持っているというところであります。
【高橋委員】  分かりました。
【天野委員】  すいません、いいですか。
【小縣分科会長】  天野委員、どうぞ。
【天野委員】  例えば今、技術士をお持ちの中で一番比率が高いのは建設分野ですよね。今、海外に日本の国として商売ツールを広げようとしているのも建設分野ですよね。インフラ展開というようなことを言っています。日本のゼネコンが全部外に行って赤字になってしまっているのは、やっぱり制度の中でエンジニアというのは非常に大きな障害だったわけです。
 なので、例えば全部一遍にうまくやるということは難しいのであれば、例えば国交省さんのインフラ展開のようなところで、日本の技術士の制度をエンジニアとしてうまく活用するにはどう動けばいいのかということを文科省さんと国交省さんのあるところで相談していただいて、それで、実務的に技術士会さんが支えていただけるなんていうことになると、これは非常にやりやすいと思うんです。
 そういう成功体験が1つでもできれば、どんどん「じゃ、うちのこういうのも」ということは名乗り出てくると思います。やっぱり全部の実務を知った上で全部に適用するようなものをお作りになるというのは難しいですし、それは不可能でしょうから、まずは一番実入りのありそうなところでちょっとトライしてみるというのはいかがでしょうか。先ほど私が例として挙げたのも、SIPのインフラのところです。
【小縣分科会長】  ありがとうございます。
 そのほか御意見ございますか。
【岸本分科会長代理】  天野委員のお話をすると、7ページのところの8項目ですけれども、「エンジニア資格制度構築の協力要請のある国に対して」というのは、何か待ちですよね。もうちょっと積極的にもう少し考えて書き方を、こちらから出掛けていってもやるぐらいのつもりで書いた方がいいということかなと思いまして、少し考えてみたいと思います。
【天野委員】  委員会でもかなりしつこく申し上げましたけれども、是非もう具体的に、行政なり何なりの動きを1つでも2つでもやっていただけるといいなと。この委員会の大きな成果になると思います。
【岸本分科会長代理】  協力要請というのはちょっとあれですよね。
【天野委員】  行政と言っていいのかどうか私にもよく分かりませんけれども。
【岸本分科会長代理】  ありがとうございます。
【小縣分科会長】  岩熊委員、どうぞ。
【岩熊委員】  岩熊と申します。制度検討の岸本先生の委員会でも参加させていただいていて、そのときに余り気付かないでいたのですが、現行のCPD制度というのはどういう定義を考えているのかなという点です。法律では、資質向上のCPDをやりなさいということだけで、私は技術士会の会員ですので、技術士会のCPDの継続研さんのガイドライン等はよく知っていますが、技術士全体に関わる問題となると、技術士会の会員でない人には、現行のCPD制度と言われたときにどういうことか分かりにくいのではないかと。
 具体的にどういうことをイメージできるのか、最後に制度という言葉が出てきたので、少し気になったんですけれども、いかがでしょうか。多くの技術士の人、それから、建設でない方に対しては、CPD制度の見直しということに、報告書として外へ出るものですので、その辺が言葉が足りないかなと思いました。
【岸本分科会長代理】  当初念頭に置いてきたのは、国際的通用性という観点から、APECエンジニアの中でのCPDの取扱い、それをCPD制度というふうに呼んできたのが1つと、あとは、各学協会がそれぞれ制度を持たれているんですけれども、そういったところも踏まえて制度と書いています。おっしゃるとおり、そこに対しての説明がないのですごく漠然としてしまっているかもしれませんので、少しそこら辺説明が要るかなと思います。確かにそのとおりだと思います。
【岩熊委員】  よろしくお願いします。
【小縣分科会長】  どうもありがとうございます。岸本先生、これは12ページでCPD制度の見直しとあって、その下の文章で「CPDを実施しやすい環境づくりのため、現在の制度を見直す」となるので、現在の制度とは……。
【岸本分科会長代理】  とは何かというので行かないと。例えばAPECエンジニアの認定などに用いられている制度の見直しだとかという、そういうふうな言い方になるんでしょうかね。
【岩熊委員】  ふだん余りCPDを意識していない人から見ると、突然言われているような形で、そこは何か加えていただいてもいいかもしれません。
【小縣分科会長】  加えると分かりやすいですね。ありがとうございました。
 そのほか御意見を頂ければ幸いでございますが。中谷委員、どうぞ。
【中谷委員】  国際的通用性というのは非常に重要な問題なんですけれども、技術士の人数を増やすということも非常に大きな課題であると思います。一次試験については、情報処理技術者試験と中小企業診断士試験との一次試験の専門科目の免除ということが決まりました。これでうまくいくのかなというふうに思ってはみたのですが、よく見てみると、これは専門科目だけが免除されるのであって、基礎科目と適性科目については受験をしなければいけないわけですよね。この辺が情報処理技術者試験の合格者、高度試験及び情報処理安全確保支援士の合格者に対して周知できているのか、それから、中小企業診断士第二次試験合格者に対して周知できているのかということを考えてみると、いかがなものかなと思います。
 何か枠を作っただけで、あとは、先ほど岸本分科会長代理がおっしゃっていましたけれども、待ちの姿勢ではやはり具体的に世界は動いていかないのではないかなと思いますので、是非広報活動を活発にしていただきまして、既存の試験というか合格者、一次試験の専門科目が免除される方々に対して、どういう手続を取って、どういう科目を受験して、そして、どういう資格が与えられるのかといったことを是非広報していただきたいと思います。
【小縣分科会長】  ありがとうございました。ただいまの御意見についてはいかがですか。塩原さん、どうぞ。
【塩原委員】  ちょっとこの報告書とは少し離れるかもしれないんですが、今日の前の資料で話がありました参考資料3で、今度、技術部門の適正化ということで、少し大くくりになってくると。今ほどの御意見の中で、技術士の合格者をもっと増やすと。その中に、今の技術士の問題が余りにも広過ぎてなかなか合格できないという問題もあるのではないかとちょっと感じております。
 例えば電気電子で、昔、発送配変電というのがありました。ここの中には、発電ですから、原子力、火力、水力、太陽光、風力、バイオマスとか山ほどある。例えば問題として、水車のキャビテーションに関して対策を論ぜろとかいう問題が出た例がございます。やはり部門が電気電子だとすると、選択科目が発送配変電といえども、電気の人がある程度分かるような問題にしていただかないと、合格率がかなり低いのではないかと。ちなみに、電気電子の二次試験の合格率は14%とか、前の方の資料でもかなり低い数字になってございます。
 やっぱりこういうものをもっと高くしようと思うと、余りにも広い出題範囲ではなくて、やはり部門に適した問題にすると。今度、選択科目の適正化ということで、非常に多くの選択科目がまた1つの選択科目に変わっていくと。そうすると、過去に該当していた幾つかの選択科目分が1つの選択科目のところで問題として出てくると。そうすると、専門外の問題が非常に山ほど出てくる可能性がございまして、そういうところをやはり出題していただく方に、部門を前提に考えた出題をしていただきたいというところでちょっとお願いでございます。
【小縣分科会長】  合格者数を増やすという面で共通性のある御意見として、先ほどの御意見、また、相互の認証の御意見と2つ頂きました。
【岸本分科会長代理】  よろしいですか。今のお話は、二次試験の中身ということで、今期は、来年度から新しい形で進むので、それを見守ろうという形でとどめているんですけれども、実際にはどういう問題が出て、それをさらに、これは科目の適正化というよりは、今度は出題内容の適正化に入っていくかと思いますけれども、今期はそこまで書けなかったということで、これは継続的に見ていかなければいけないことだろうと思っておりますけれども、そんな理解でよろしいでしょうか。
【塩原委員】  はい。今回の報告書の中には入りませんので、それは今後の選択科目の適正化の動向でまた考えていただきたいという話になります。
【岸本分科会長代理】  はい。
【小縣分科会長】  相互の活用に対するPRという趣旨もございましたので、そういったことも最後のまとめのときは参考にしていくということだと思います。要するに、更に強化しろという趣旨だと理解しました。
【岸本分科会長代理】  その観点からすると、技術士だけの試験にとどまらずに、技術者に関わる国家試験を全部総ざらいして、どういうふうにしていくかというのを、これから技術者が大事だというときに、どこがリードしてやってもらえるといいのかなと。ここの分科会の範囲を超えてしまうので、多分省庁もまたいでいろいろな資格を整理するというのはどこがやればいいんですかね。文科省中心にやってくださいというのが一番書きやすいことではあるんですけれども。
【坂本課長】  現実的に言うと、先ほどの資格の活用拡大のところで、私も技術士会の皆さんと一緒に今、経団連に働き掛けをもう既に始めています。それで、経団連ベースで、技術士の持っている能力というか、あるいはその活用の意義の理解を深めるとともに、実際に各業界で使われている資格の要件に技術士を使うということになると、業界の理解が非常に重要になります。
 業界の事情によって、やっぱり能力がこれほどのもので、かつ需給バランスからすると今需要の方が大きいので是非技術士さんも活用してほしいという流れができないと実際には使いにくいということになると、これはやはり各業界に応じて各省庁あって、なおかつそこがそれぞれすごくたくさん資格を持っています。なので、やっぱりそこをきちんと押さえていくのと、更に日本全体での資格の位置付けというのは内閣府とかになると思いますけれども、多分各分野でも相当入り組んでいて、業界全体で技術者の育成どうするかという議論がなかなかなされていないというところが現実じゃないかと思いますね。
 当然我々は技術士という制度を通じて、各業界の方々との接点がありますのでそういった議論の場は作っていきたいと思いますけれども、やはりその資格をどうしていくのか、あるいは先ほど国際的な展開の話もありましたけれども、インフラ輸出へ技術者の能力をどういうふうにきちんと打ち出して活用を促進するかというのは、本当に大きな政策問題です。
 それは技術者のことだけ考えても駄目なんですね。インフラを輸出するという事業そのものの中での戦略になりますので、そういったところをどう考えていくかということでは、やはりまず、我々文科省は技術士の件では国交省と話をしますけれども、そのようなときにインフラ輸出にどうつなげるかというのを国交省がどうお考えなのかというのは我々もきちんと勉強させていただきたいと思います。ただ、これは多分各省で技術者育成政策を考えていただくというのがまず前提になるんじゃないかと思います。
【岸本分科会長代理】  その中でいろいろなインタビューをしていくと、技術士という資格が、エンジニアにとってある種最高の資格であるという位置付けがふさわしいのではないかというので、技術士を取ると次になるというのもあるんですけれども、いろいろな資格を取った上での最高の資格であるというふうな技術者の持つ資格としての位置付けをもっと明確化してほしいという形で皆さん発言されているのかなと。そんな中でほかの資格の関係と言ったのは、そういう整理ができないだろうかという意味かなと。国際的に通用するというのは、ほかの資格だとなかなかそういうところは、本当に個別事業のことでみんなやっていますけれども、この技術士というのはかなり特別な資格として認識しているんじゃないかなと思うんですね。
【天野委員】  いいですか。やっぱり今、課長がおっしゃっているとおりだと思います。ただ、今の課長の話は、ごめんなさいね、ちょっといじわるに聞くと、国交省の方できちんと整理したら、文科省としては乗ってもいいよというふうに聞こえるんですけれども、そうでは駄目だと思います。それで、今やっぱり日本全体が本当に海外で打ち勝っていくためには、府省連携、オールジャパン体制でやらないともうどうにもならなくなっているいうのは、前提条件だと思うんです。なので、是非一緒に、国交省の部局の方と考えていただけるといいなと思います。
【坂本課長】  すいません、私の言葉遣いがミスリードになってしまいおわびしますが、我々、この技術士という制度、あるいは技術士という実際に活躍されている方々を国交省なり、あるいは建設業界の戦略にいかに組み込んでいくかという、そういう意味では前向きに今動こうとしています。そこのチャンネルを開くというのをどうやってやったらいいかということは、これは決して国交省さんに整理していただいて、そこに我々が乗っかるとは全く思っていませんので、それは是非御理解いただければと思います。
 その上で、先ほどの岸本先生のお話ですけれども、これは実は非常に複雑な問題があって、私のバックグラウンドの話をすると、技術士の中に原子力の話がありますけれども、原子力の世界でも、放射線取扱主任者と、あと、核燃料取扱主任者とか原子炉主任技術者、いろいろな資格があるんですね。そういった業務独占の資格とこの技術士をどう位置付けるかというのは、結構難しい問題です。それ1つ考えても、これは文科省だけで整理というのは、そこまではできないです。だから、そこはやっぱり各資格の所管の官庁としっかり議論しないと、うまく技術士資格を技術者育成に組み込んでいくかというところのチャンネルは開けないということは、我々も行政的に見るとそれが実態であるというふうに考えております。
【天野委員】  頑張ってください。
【小縣分科会長】  ありがとうございます。先ほどから出ているように、これだけ議論がかなり熟成し促進されているので、これをいい機会としてやはり是非前進していくということだと思います。ありがとうございました。
 そのほか、時間も大分経過いたしましたが、御意見があれば是非、お願いします。
 川上委員、どうぞ。
【川上委員】  さっき岸本会長代理がおっしゃってくださったように、技術士というのは実業というか、エンジニアの部分で最高の国家資格だというふうに書いてあるんですね。私はドクターも持っているんですけれども、ドクターは学術で最高で、技術士はいわゆる応用で最高だと書いてあります。その割には、学生さんに聞いても、それを認識している人はほとんどいない。だから、技術士というのはそういう面の国家で認められた最高の資格だよというPRというのは、大学とかそういったところでもやっていただくといいと思います。
 以上です。
【小縣分科会長】  ありがとうございます。
 どうぞ、鈴木委員。
【鈴木委員】  似たような発言ですが、門外漢としてなんですけれども、技術士という言葉がどの程度社会に認知されているかということを考えたときに、極めて低いのではないかという気がいたします。例えば私は理学部の方におりましたけれども、理学部の中で技術士という言葉を知っている教員はいません。地質関係のところでは、JABEEのことがございますので、若干言葉としては知っているけれども、卒業生から教えてもらう、例えばコンサルに勤めた学生に教えてもらうというふうなことでしか知らないという認識でした。
 例えば災害が起きていて建物が壊れたとか、いろいろな建築、例えば原子力、いろいろな問題で災害が起きたときに、技術士という言葉は出てこないと思います。地震が起きたら、地震屋さん、火山だったら火山屋さんというのが出てきて、それが当たり前のように社会の人は受け入れているけれども、技術士さんという言葉が出てこないというのはとても残念だと思います。
 そういう意味で啓蒙を社会に訴えることが必要かと思います。例えばテレビの番組で技術士を取り上げることができないかと思います。要するに、世の中の人が技術士というものがあるんだということを知って、こんなふうなことをしてくれる人だと分かれば多分、今、人が減っていますけれども、そういう減少を止めることにもなるし、若い人に対して魅力を与えることになると思いますので、そういうふうな打開がどこかでできないかなということを強く願っております。門外漢ですが、すいません。
【小縣分科会長】  ありがとうございます。
 そのほかございますでしょうか。前田委員、どうぞ。
【前田委員】  前田と申します。大学に所属していて、技術士でもあるので、その観点からお話しさせていただくと、おっしゃるとおり、やはり学生は知らないですね。今現実にどういうふうに知ってもらうかというと、各大学に技術士のOB会みたいなものが随分できていまして、それがかなり、私どものところでも年に数回、学生向けの講座とか、その後懇親会をやったりとか、技術士はこんな仕事をしているんだよというようなことを説明してもらう機会を設けるようになって、やっと認知されてきたかなということがあります。いろいろなやり方はあると思うんですけれども、今、私の大学の中では技術士そのものが私1人なので、そういったところの方々の力をかりながら少しずつ進めているというのが現状です。
 あと、それに関連して、技術士制度という、技術士補の方ですかね、JABEEのお話もありましたけれども、私どもの学科はJABEEやってないんですけれども、JABEEをやっている学科の教員に言わせると、当初はJABEEをやったら就職がよくなるんじゃないかというのが、これが第1の目的だったということなんですけれども、現在やってなくてもそこそこいいので。となると、先ほど伊丹委員からの御意見があったように、技術士補というような国家の資格、修習技術者というよりは技術士補という方がやっぱり学生に対しては魅力なのかなと思います。
 ただ、私の認識が間違っていなければですけれども、技術士補になるには、多分その分野の、同じ部門の技術士の下で指導を受けなければいけないので、例えば私は持っている資格は化学で、今いるところは電気電子で、ちょっと変わり者なんですけれども、何にしても、自分のところの学生がもし化学で一次試験とか、あるいはJABEEとか取ったら、その指導してあげるよと言えば、彼は技術士補ということになると思うんですけれども、多分今の制度のままだと、同じ部門の技術士が指導しないと駄目だと思うので。もし技術士補制度の見直しというのを、その制度そのものが今後どうするかというのはあると思うんですけれども、あるとしたら、違う部門の技術士でも指導できるとかというようなことにしていただけると、少し学生のモチベーションというかインセンティブになるんじゃないかなと思います。
【岸本分科会長代理】  最後のコメントについては、13ページのところに、技術士補に対する見直しということで、指導技術士に対する制度を緩和しようという。これがあるためになかなか登録できないということがありますので、御指摘のとおりだと思います。そういった意味で、技術士補の制度の見直しというのはそういうところも含めて検討していこうという位置付けになってございます。
【前田委員】  ありがとうございます。
【小縣分科会長】  ありがとうございます。
 高木委員、どうぞ。
【高木委員】  先ほど鈴木委員の方からお話あったので、少しだけ技術士会としての取組を紹介させていただきます。技術士としての社会での貢献、いろいろなことをやっているんですが、なかなか技術士の活動として伝わっていないという現状があります。ただ、各地域におられる方々が努力されており、この前の西日本豪雨のときの復興の支援に関しては、士業連絡会の一員として、弁護士等といろいろ一緒に活動する中で、技術士が地域の中に入って活動をしたという報道が、あそこは中国新聞でしたけれども、出していただけるような状況になりつつあるというところを紹介をさせていただきます。
 まだまだ全然足りないと思います。そこについては技術士会の方でもすごく認識をしていまして、そういった活動をしていこうということは申し合わせているところでございます。ただ、マスコミの方が、技術士と言ってもの肩書の方を書いてしまうケースが多いものですから、そこは努力の余地がまだまだあると考えています。
【小縣分科会長】  ありがとうございます。
【坂本課長】  鈴木委員がおっしゃったようなお話というのは先ほどの経団連の議論の中でもやっぱり出てきております。技術士の制度を産業界で活用するのはどうしたらいいかというのは、大きな問題があるんですけれども、産業界、例えば経団連に限っていいますと、経団連が注目しているところとつながりが出てきそうなのが、経団連さんが12月4日に今後の採用と大学教育に関する提案を出されたんです。これは例の就職協定を廃止するかどうかという提言です。その中で、今後、産学の対話の会議、協議会を設けると。そこで企業が求めている人材像を企業側がきちんと明らかにしていくということが明確に述べられています。
 したがって、大学がそれを受けて、学部あるいは大学院の教育のカリキュラムをやはりそのニーズに合ったような形に変えていくと。そういった動きがある中で、経団連側から我々に対しては、技術士の育成プロセスの中で、例えば第一次試験というのは、これはグラデュエートアトリビュートを確認する、要は、能力をクオリファイする制度ですけれども、この第一次試験を活用する、あるいは技術士補を活用することによって学生さんの能力を認定するようなことに使えないかというふうな議論が出始めています。
 JABEEの認定もありますけれども、一次試験を使えば、技術士補は別に4年を待たずに3年でも2年でも取ろうと思えば取れるんですね。それで、インターンとか、あるいは就職のときに有利になっていくというふうなことが、もしそういう流れができれば、技術士というものを学生さんに活用していただくということはできると思いますので、そういったところもこれから経団連等と追求していきたいというふうに、今、技術士会さんと内々に話を進めつつあります。
【岸本分科会長代理】  今の最後のところは実は非常にまずいことで、一次試験が大学を卒業せずに取れるということになってしまうと、技術士制度そのものが国際的に通用しない制度になりますので、そこは注意深くやる必要があると考えていただいた方がいいと思います。なので、むしろ学部教育の4年を修了しないと取れない試験にしていかなければいけないと私は思っています。
【坂本課長】  ありがとうございます。国際的にどう見えるかについては我々も分析が不十分ですので、産業界側のニーズに応えるということと、国際的に水準を合わせるということを、そこをどうきちんと整合させるかというところはよく御相談をさせていただきたいと思います。ただ、技術士補は1つの能力のクオリフィケーションのツールにはなり得るのではないかというふうなことは1つ可能性としてはございます。
【岸本分科会長代理】  むしろ就職については、日本は早く決めてしまうことが問題で、ちゃんと4年の課程を終わってからきちんと就職する方向に持っていかないと、大学の教育が形骸化するので、そこは注意深く進めていただきたいなと思います。
【小縣分科会長】  よろしいでしょうか。次のその他の議題のところで、技術士会の高木委員から今までの議論にも大変関連する御説明がありますので、先へ進ませていただいてもよろしいでしょうか。ありがとうございます。また最後にいろいろと御意見がございましたらお聞きしたいと思います。
 それでは、冒頭も申し上げましたように、皆様から頂きました御意見等を基にいたしまして、事務局で改めまして報告書案に皆さんの御意見を盛り込んで、次回の委員会では、今回議論できなかったことについて議論も行いつつ、この報告書案を取りまとめていきたいと思います。次回、余り時間のない中ですけれども、是非よろしくお願いします。
 それでは、関連もございます。次の議題4、その他に移りたいと思います。本日は日本技術士会の技術士制度検討委員会からの御報告があるとのことでございまして、高木委員から御説明を頂きたいと思います。ただ、こちらの資料は技術士会が作成されたものでございまして、現時点では会員のみに公開されているものということでございます。今回は委員と関係者のみに机上の資料として配付させていただいておりますので、よろしくお願いします。それでは、高木委員、よろしくお願いします。
【高木委員】  よろしくお願いします。机上資料として3つございます。1つが、技術士制度改革について中間報告その2の概要。それから、その本編が机上2になります。机上3が、技術士制度の検討状況についてです。
 昨年の6月に中間報告を出しまして、それ以降、技術士会の中で制度検討委員会を設け、これまで検討してきました。その検討状況について机上資料3を用いて簡単に御説明をしたいと思います。
 まず右下のスライド番号でお話をしていきたいと思います。2ページ目に部門別の技術士の登録者数を載せております。現在、登録者の実数としてはおおむね9万人で、複数部門持っておられる方もおられますので、各部門別の登録者を合計しますと10万9,000人近くという状況になっております。その中で建設が45%という状況です。
 次のページですが、今期の検討項目ということで載せております。技術士制度検討委員会を設置して引き続き検討しておりますけれども、大きく4点ほどの検討を行ってきました。その中でも1番目の更新制度の導入、これは更新制度が必要だろうということで、その制度を導入するとすればどんな制度にしていったらよいかということを検討していったものです。あと、技術士補の在り方、それから、国際通用性の確保。それからもう一つ重要視していたのが、資格の相互活用、資格の活用についてということです。先ほどからの議論の中でも、技術士の価値を高める、その結果として技術士の数を増やしていくというためには、やはり産業界で技術士の資格が活用されるということが重要だと思っておりますので、この2つを主に検討してきました。
 次に技術士制度改革の提言の中間報告その2の目次を示しております。まず、はじめに、それから、各国の技術者資格制度の比較、更新制度の導入について、技術士補の在り方、技術士の国際通用性について、それから、資格の活用についてとなっています。7番目に、更新制等を導入するに当たっては法改正が必要になるということで、一部その記述もしております。
 次のスライドの5番目です。先ほど見ていただいたものの簡略版ですので簡単に言いますけれども、更新制度の導入という観点で各国と比較をした表になっております。更新期間、それから、CPDといったところを見ていただきますと、他の諸外国に関しては1年あるいは3年の更新期間で、CPDも15時間から30、40といったところのCPDをもって更新をする制度となっております。こういうものを受けて、更新制度が必要だろうと思っております。そこだけではなくて、やはり資質向上の責務の確認、それから、登録状況の把握が不十分であると、こういうことも含めて更新制度の検討をしていったところです。
 概略、どんな制度にしていったらいいだろうかということの説明です。更新対象者は、もちろん技術士の登録者全員とするということで、先ほどの9万人を対象としましょうと。全員を対象とするということですので、諸外国は3年ぐらいまででやっていますが、今回、更新期間としては5年に1回ぐらいを基本としたらどうでしょうかと。CPD時間ですが、これは全員対象ということですので、年20時間は必須としましょうと。海外勤務をされている方もおられるので、そういう方でも取得可能な制度とするということで、自己学習とかeラーニング制度等の仕組みも導入しないといけないでしょう。それから、APECエンジニアでは50時間ということがありますので、他の資格との関連から50時間を推奨とするということにして、50時間以上の方については何らかの特典も検討していったらどうだろうかということを考えております。
 あと、更新に当たっては更新講習を必要とすることと、技術者倫理や法令等の研修を行うということです。もしこれを受講されない方については、技術士の名称を使用することができないようにするということにしたらどうかと考えております。あとは、名簿の公開をしていきます。あと、研修の実施機関、それから、CPDの登録機関についても検討が必要だろうと思っております。
 次のスライドのところは、導入のシステムとしてこういう段階でやっていったらどうかということで案を載せております。ここの費用についてはまだ概算ですので、今後検討が必要かと思っております。
 あと、この更新制度に対して会員からの御意見を伺っています。その中では、90%の方から賛成を頂いています。この背景には、この検討の過程において会員に対してかなりの様々な場面で説明をし、御意見も頂いてきたということもあってだと思います。90%の方に賛成を頂きましたが、条件付賛成の方、反対の方もおられるということです。
 次のページは建設関係の業界紙ですが、かなりここの更新制の導入というところについては取り上げて報道してもらっています。
 あと、もう一つの大きな課題である技術士資格の活用というところなんですが、現状では、建設系分野の業務では活用のシステムが構築されておりますが、そのほか公的な資格では18の資格について活用が認定されているところです。ただそうは言っても、全般的な状況からいうとまだ活用が不十分だということで、今、各部会から要望をもらいながら要望書という形で整理をしています。ただ、これだけではなくて、産業界で技術士をもっと活用いただくということも含めて、先ほども話がありましたけれども、業界団体と協議を進めていく、あるいは関係省庁と協議を進めていくということを、技術士会としても文部科学省の御指導も得ながらやっていきたいと思っております。
 その次のページは、ちょっと細かいですので、説明は省略したいと思います。
 以上です。
【小縣分科会長】  高木委員、ありがとうございました。きょうは議題、その他ということで御報告いただきましたけれども、御質問、御意見等ございましたら承りたいと思いますが、よろしくお願いします。
【高木委員】  1つだけ。先ほど産業界における技術士の資格の位置付けというところで、私も何かいい指標がないかなと思って以前調べたことがあります。学協会の会員の数と、それから、技術士のその分野の数を比較してみると、例えば土木学会と建設分野の技術士の数はそう大差がないんですね。ですけども、例えば機械学会と機械部門の技術士を比べると、非常に割合が少ない。そのようにある指標を見ながら、どういうところにアプローチしていくかを検討していくことも必要かなと思っています。産業界でいろいろな資格を持って活躍されている方が技術士の資格も持っていてほしいというのが私たちの気持ちですので、指標化をした上で、そこを目標にやっていければと考えています。
【小縣分科会長】  ありがとうございました。
 これに対して何か御質問ございますでしょうか。よろしいですか。きょうの議論と大変関係ございますので、また引き続き検討をよろしくお願いします。
 それでは、時間も所定の時刻に迫ってまいりましたけれども、先ほど申し上げたように、更に何か御意見、御質問がございましたら承りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 きょうはかなりこれまで検討してきた内容、岸本委員はじめ関係された皆様、本当に御苦労さまでした。様々な御意見を頂きました。今回は、国際的通用性を軸にして前期から課題になっていた議論をまとめていただいたので、きょうの場でも内容的にはやはり肯定的な御意見がかなり多かったと思います。むしろもっと早く進めましょうということとか、技術者の数をもう少し増やしていくというのはもともとの課題ですので、活用をもっと積極的にできるようにしていくというような、前向きな御意見が多かったと思います。
 いずれにいたしましても、事務局の方できょうたくさん頂きました御意見等につきまして更にまとめていただき、次回に反映させていただくと同時に、次回でまた議論をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 では、きょうのところはこれにて御意見、御質問を等伺ったということで修了としたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 では、最後、何か事務局からございますか。
【渡邉専門官】  本日の会議の公開に係る議事録につきましては、後日事務局より委員の皆様にお送りさせていただきますので、御了解を得た上で文科省のホームページに公開させていただきます。
 また、次回の技術士分科会につきましては、新年早々でございますが、1月8日を予定しております。
 以上でございます。
【小縣分科会長】  事務局からの御連絡でした。ありがとうございました。
 それでは、次回が今期の最終回になります。引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 本日はこれにて閉会したいと思います。本当ににありがとうございました。



―― 了 ――

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