ここからサイトの主なメニューです

技術士分科会(第34回) 議事録

1.日時

平成28年3月24日(木曜日) 16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省(合同庁舎第7号館東館)15階 15F1特別会議室

3.議事録

【杉浦専門官】それでは、時間となりましたので、小縣分科会長よろしくお願い申し上げます。
【小縣分科会長】小縣でございます。よろしくお願いいたします。
ただいまから、科学技術・学術審議会第34回技術士分科会を開催いたします。
本日は大変御多忙の中、御出席いただきまして、まことにありがとうございます。お礼を申し上げます。本日は14名の委員に御出席いただいておりますので、科学技術・学術審議会令第8条に規定されている定足数を満たしております。なお、岡澤委員、風間委員、西田委員、松嶋委員の4名は、所用により御欠席でございます。
本日は報告事項が中心ですが、後ほど技術士試験、資格の活用について御議論を頂きたいと思います。今回の議論に当たりまして、事例を御報告いただく方を御紹介させていただきます。
日本大学理工学部の飯島晃良助教です。
【飯島氏】日本大学の飯島と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
【小縣分科会長】  よろしくお願いいたします。
それから、日立技術士会の柴垣琢郎会長代行です。
【柴垣氏】柴垣でございます。よろしくお願いいたします。
【小縣分科会長】柴垣様、よろしくお願いいたします。
後ほどお二人からのお話を伺った上で、活用に関する意見交換を行いたいと思います。
それでは、まず資料の確認をいたしますので、よろしくお願いいたします。
【杉浦専門官】それでは、事務局から資料の確認をさせていただきます。
議事次第がございまして、資料が1から13までございます。その後、参考資料で1から3と簡便な資料がございます。それから、委員の机の上には卓上資料としての冊子、それから法令集、それから委託調査の報告書などもございます。委託調査の報告書については、制度検討委員会の方々には既に御報告してお渡ししています。それ以外の方はお持ち帰りいただいても構いませんが、卓上資料及び関係法令集についてはおいていっていただければと思います。よろしくお願いいたします。資料がない場合には、事務局へ申し出いただければと思います。
【小縣分科会長】ありがとうございました。
また本日は、伊藤洋一科学技術・学術政策局長に御出席いただく予定ですが、業務の都合により会議途中になるとのことでございます。お見えになりましたら、後ほど一言御挨拶をお願いしたいと思います。
それでは、早速ではございますが、議事に入りたいと思います。まず、議題の1、平成27年度技術士試験の結果について、事務局から御説明をお願いいたします。
【杉浦専門官】今年度の技術士試験、第一次試験、第二次試験ともに終了し、合格発表が済んでおります。これにつきまして、資料1、2に基づきまして御報告申し上げたいと思います。
第一次試験については、資料1を御覧ください。10月12日に実施しております。申込者数21,780人、実際に受験された方は17,170人であります。合格された方が8,693人で、合格率は50.6%になります。部門ごとの合格率は、その(2)に書かれてあるとおりです。昨年よりも合格率が下がっております。過去、これまでの第一次試験の状況が2枚目に付いております。
第二次試験でございますが、資料2を御覧ください。第二次試験は、まず7月19、20日に筆記試験を行いまして、その結果を踏まえた上で11月下旬から1月中旬までの間に口頭試験を実施しております。総合技術監理部門を除く技術部門について、受験申込者数26,739名、実際に受験をされた方は筆記試験で21,585名になります。この中で、筆記試験に合格され更に口頭試験を受験され合格された方が2,985人です。
そのほかに総合技術監理部門がございます。4,084名の受験者のうち、3,293名が実際に受験され、最終的に合格された方が664名です。21部門を合わせて3,649名の方が合格されております。実際に筆記試験を受験した方の合格率は、総合技術監理部門を除く技術部門で13.8%、総合技術監理部門が20.2%になります。合わせますと14.7%の合格率になります。
資料の(5)を見ていただくと分かるのですが、これまでの合格者数の総計が今年、11万人を超えております。次ページに第二次試験の地域別、年代別若しくは勤務先、最終学歴別の結果がございます。後ほどの活性化の議論の際の参考資料になるかと思いますので、併せて御覧いただければと思います。
以上でございます。
【小縣分科会長】ありがとうございました。
それでは、ただいま御説明いただきました資料1、2について、何か御質問等があればお伺いしたいと思います。
よろしければ、次に移りたいと思います。
次は、議題の2、平成28年度技術士試験実施等についてです。平成28年度の技術士第一次試験及び第二次試験を実施するに当たり、試験の基本的方針を定める実施大綱等につきましては、当分科会のもとに置かれております試験部会において昨年11月に決定しております。それでは、事務局から御説明をお願いいたします。
【杉浦専門官】それでは、資料3から9にしたがって説明を差し上げたいと思います。ただいま、分科会長からも御説明がございましたが、来年度の試験について、試験部会を11月19日に開催いたしました。その場で、来年度の試験実施の方向性を定める試験実施大綱等、それと実際に試験をやっていただく試験委員の推薦方針等を定めております。昨年までは、資料でいいますと3、4の試験実施大綱につきましては、技術士分会での決定事項とさせていただいておりました。前回の分科会において、運営規則の改正を行いましたので、この件につきましては、今年度より試験部会の決定事項となっております。このため、今回は全て報告ということにさせていただいております。
概略を御報告いたします。第一次試験については、資料3を御覧ください。試験実施についての指針、それから試験方法について、基礎、適性、専門科目を内容とした実施の在り方を定めています。
資料4が第二次試験についてです。第二次試験については、受験資格、試験方法として筆記試験のやり方、それとその内容、時間配分などを定めております。更に口頭試験のやり方、それからその配点などをそれぞれ定めたものがございます。これを大綱として定めて、これに基づいて来年度の試験を実施することになります。
併せて実施の詳細な日程等につきましては、資料5、資料6にございます。第一次試験については、今年度は10月9日(日曜日)に実施させていただきます。これは、昨年までですと10月の月曜日の祝日にやっていたのですが、最近の大学では、月曜日は多くの場合授業をしているということで、会場の確保等に配慮をして一日繰り上げ、日曜日に実施する形にさせていただいた点が変更になっております。受験申込みは通常通り6月から7月の頭ぐらいでやっております。受験料は変わっておりません。参考ですが、昨年より、日本技術士会の試験センター、実際に試験を実施する業務をやる部分について、田中山のところから渋谷に移転をしておりますので、その点が変わっております。
それから、第二次試験につきましては資料6になります。受験資格について、4年ないし7年、総監については7年ないし10年という実務経験の規定を書かせていただいております。試験は総監の必須科目については7月17日、それからその他の技術部門及び総監の選択科目については18日に実施をする形になっております。それを受けまして、今年同様11月下旬から1月にかけて口頭試験を実施して、大体3月に合格発表することになります。昨年度から試験会場の確保等の観点から、試験実施時期を繰り上げております。さらに、これに伴って受験申込み時期も、連休前にしております。これにつきましては、技術士分科会の委員の方々の御指摘等も踏まえまして、広報等により受験者に周知徹底を図っているという状況でございます。
また、試験の根幹であります作問につきましては、法令に基づいて試験委員を定めることになっております。試験委員は、まず、科学技術・学術審議会の推薦を受けて文部科学大臣が候補者を選定します。指定試験機関である日本技術士会がその候補者から試験委員の選定をし、これを文部科学大臣が認可をするという手続を取っております。実際には、試験部会の先生方から試験委員候補者の推薦を頂きまして、その方々を試験委員に選任しておりますので、試験委員の推薦方針について資料7の通り試験部会で定めております。これも例年のとおりでございます。
資料7の推薦方針で基本的な方針を定め、資料8、資料9で第一次試験、第二次試験それぞれの試験のタイミングに合わせた推薦の時期、それから人数などを定めております。これに基づきまして、試験委員を実際に推薦していただく作業をしております。
なお、御存じのように、昨年、他の国家試験において漏えいというような問題がございました。そういったことを踏まえ、試験委員推薦に当たっては、試験委員の方々に改めてその自覚を持って職務に当たっていただくよう専門委員の先生から周知をお願いし、情報の管理の徹底を図っているところでございます。
以上が、試験実施等についてになります。以上でございます。
【小縣分科会長】  ありがとうございました。
ただいまの説明に対しまして、何か御質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。
【土井委員】すいません。
【小縣分科会長】土井先生、どうぞ。
【土井委員】すいません。大変細かいことで恐縮です。資料6の1、受験資格の注1、注2とあります。注2の左側の括弧が上の注1の括弧と合っていないのです。全角が半角になっています。
【小縣分科会長】ありがとうございます。事務局は、それでよろしいですか。
【杉浦専門官】すいませんでした。申し訳ございません。
【小縣分科会長】御指摘のとおりです。
そのほかございますか。また後ほどでも結構ですので、よろしくお願いします。
それでは、今、資料9まで説明がありました。次は、議題の3、制度検討特別委員会等の検討状況についてです。昨年2月に取りまとめました「今後の技術士制度の在り方について(中間報告)」を踏まえつつ、引き続き制度検討特別委員会等におきまして、検討が進められております。
それでは、事務局から御報告をお願いいたします。
【杉浦専門官】それでは、制度検討特別委員会等での検討状況につきまして、御報告を差し上げたいと思います。中間報告を踏まえまして、技術士制度の在り方の検討を進めていくということで、今期、第8期も制度検討委員会を設けて引き続き審議をしている状況でございます。
現在の審議の内容につきましては、試験の内容に関わることが主になっております。前期、中間報告とあわせて、技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)を定めております。それを踏まえて、今後、試験方法をどのように見直すべきかについて、前期から引き続き議論を行っております。これらの議論においては、試験内容若しくは作問方法にわたるようなかなり深い議論をせざるを得ません。通常、審議会は公開をさせていただいておりますが、これらの議論については、公開いたしますと公正かつ適正な技術士試験の実施が困難になる恐れがあるため、議事及び資料は非公開とさせていただいております。ですので、審議の内容について細かくは御説明できない部分もございますが、概略を御説明させていただきます。
資料10を御覧いただきたいと思います。制度検討委員会の下に、第二次試験適正化検討作業部会、相互活用作業部会を設けております。第二次試験適正化検討作業部会では、特に第二次試験の技術部門、選択科目の在り方についての議論を行っております。
技術部門、選択科目の見直し、適正化については、これまでの技術士分科会においてもいろいろな議論がされております。そうしたこれまで議論をもう一度振り返りながら、今の状況を踏まえてもう一度議論いたしました。
まずは、科学技術の変遷に伴って技術部門、選択科目をどのように見直していくべきなのかという点です。先ほど申し上げました技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)に基づいてどのような試験がいいのか。あるいは、社会的ニーズ、要請などをどのように考慮するか。さらには、試験制度自体の維持といいますか、この試験については独立採算制のものですので、財政的な健全性も考慮する必要がございます。このような観点から議論をしながら、技術部門、選択科目の適正化の方向性を制度検討特別委員会で定めております。その上で、第二次試験適正化検討作業部会において部門ごとに議論をしていただいている状況でございます。
20の技術部門に関わるいろいろな技術分野の方々に御参加いただきながら、現在部門ごとにその在り方について議論をしていただいております。この取りまとめを踏まえて、再度作業部会を開催し、さらには制度検討委員会で議論を加えた上で、こちらの技術士分科会に報告し議論していただくことになるかと思います。
2点目は、他の国家資格との相互活用についてです。簡単に申し上げますと、技術士試験を合格した方が他の資格試験の免除を受ける。あるいは、逆に他の資格合格者につきましては、技術士の試験の一部免除等をする、それを相互活用と言っております。他の国家試験について、現在そのような検討をしております。既に、情報処理技術者試験との相互活用について議論をさせていただいており、分科会に報告するとともに中間報告にも記載させていただきました。今回、別の国家資格活用ができないのかということで検討しております。
この検討のため、文部科学省において、今年度、外部に委託して調査を行いました。本日、その報告書をお手元においてあるかと思います。国家資格が300程度あるといわれる中で、技術士資格と類似性のあるものを100程度セレクトいたしまして、それらについて内容等を調べ、実際に相互活用の可能性について報告書としてまとめております。これを踏まえて現在、事務局で有識者等に意見を聞きながらどの試験を検討の対象とするか調べております。今後、制度検討特別委員会の池田主査とも御相談しながら、相互活用作業部会を開催して、そちらで免除の考え方等について細かい議論をしていくという段取りで今作業を進めております。以上が報告になります。
最後に、今後のスケジュールについてです。先ほど申し上げました適正化の議論は、当初予定では今年度中を目途に考えておりました。しかしながら、当初予想したよりも時間を要しております。今後制度検討委員会の議論を取りまとめたものを、技術士分科会で御議論いただく段取りにさせていただきたいと思っております。御了解いただければと思っております。
以上、審議状況についてでございます。
【小縣分科会長】ありがとうございました。ただいま事務局から、制度検討特別委員会等での検討状況について説明がありました。
検討内容につきましては、試験内容に関わる事案であり、公正かつ適切な技術士試験の実施が困難になる恐れがあるため、議事及び資料は非公開としております。このためお答えいできないことがあるかもしれませんが、ただいまの御説明に対して、是非御質問等があればお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
事務局からスケジュール感の話もありましたが、これからも更に検討を続けかつ深めていくことを、是非よろしくお願いいたします。これからの大事な制度ですので、是非実りのあるものにしていくことをお願いしたいと思います。御質問等は、よろしいでしょうか。
それでは、本日冒頭で御説明しましたように、議題4、技術士試験資格の活用について議論をさせていただきたいと思います。技術士資格におきましては、今後の普及拡大、あるいは活用促進が大変重要なテーマになっております。今回は、現在の試験資格の活用状況並びに事例等を御紹介していただいた後に、それらを踏まえまして、今後の技術士資格試験の活用につきまして、活発な御議論を頂きたいと考えております。
まずは、事務局から資格の公的活用等の状況につきまして、御報告をお願いいたします。
【杉浦専門官】それではまず、事務局から資料11をベースに御説明を差し上げたいと思います。先ほど、他の国家資格との相互活用というお話がございました。活用に当たっては、技術士試験、技術士資格を他の資格試験と相互活用するというものも1つの方法かと思います。
御存じのように技術士試験というのは名称独占であり、医者や弁護士のようなその資格がないとできないという業務独占資格ではございません。しかしながら、様々な形で公的に活用されている事例がございます。その事例を掲げたものが資料11の上段にございます。所管省庁があって、資格名称があって、その根拠となる法令等を書かせていただいています。要件としては、技術士の他、第二次試験の合格者という形のものもございます。御存じのように技術士は登録しませんと技術士として名乗ることはできないという形になっております。
有名なもので言いますと、国交省の建設コンサルタント規定がございます。建設コンサルとして登録をする際に必要な専任技術管理者について、幾つかある資格基準の1つとして、技術士が挙げられている事例が有名な話になろうかと思います。それぞれの分野において、例えば技術士の建設部門若しくは技術士の環境部門、電気・電子部門など、そのような形で部門を定める形で資格の活用が行われております。
このような活用事例を見ていっていただくと分かりますが、基本的には、インフラ系の部門あるいは科目などで、特に公的活用が行われているのが実情かと思います。受験者、登録者も建設部門は多いかと思います。上下水道、農業などでも特にインフラ系の科目は受験者が多くなっています。
そのほかに2点目です。これはあくまでも参考ですが、公的機関における公募において、技術士資格を活用することがございます。これは事例として国土交通省の入札方式の事例を抜粋させていただいたものです。各省庁若しくは各事務所クラスでいろいろなパターンがあります。入札するに当たっては、御存じの方も多いと思いますが、ただ単に価格だけを入札の基準としますと、技術の水準は確保できないことがございます。多くの場合、総合評価方式と言われる、技術力と価格それぞれの評価をしていく方法を用いております。
このような評価方法において、実際に評価基準の1つ、先ほども申しましたように技術力の基準として技術士資格を使っているということです。これはあくまでもガイドラインですので、実際のものではございません。例えば、当該プロジェクトに参加する技術者について、資格の要件の中に技術士○○部門、これは国土交通省ですので建設部門が主ですが、技術士が参加する場合には加点されるという事例になっております。建設部門だけではなくて、その事業内容、事業目的に沿って、該当する部門をそれぞれ使っていくと言う形になっています。こういったものがあるために、技術士資格を取っておりませんと、評価に影響してくるということになります。
このような形で、技術士資格が公的に活用されている事例について御報告差し上げるものでございます。以上でございます。
【小縣分科会長】ただいま、事務局から資料11、技術士資格公的活用等についての御説明がありました。私も、名称独占資格である技術士資格が今後普及拡大、活用促進されていくことは、大変重要なテーマだと考えております。
ただいまの事務局説明に対する御質問等につきましては、飯島助教、柴垣会長代行の御報告の後にまとめてお伺いしたいと思います。どうぞ御理解賜りたいと思います。
ここで、大変お忙しい中、伊藤洋一科学技術・学術政策局長がお見えになりましたので、一言御挨拶を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。
【伊藤局長】遅れてまいりまして失礼いたします。この1月から科学技術・学術政策局長を拝命しております伊藤でございます。先生方には大変技術士制度につきまして、御熱心な御議論を頂きましてありがとうございます。この場を借りてお礼申し上げたいと思います。
技術士につきましては、もう制度発足以来半世紀、8万人を超える登録者を抱えております。他方、科学技術を巡る情勢、研究開発あるいは技術者を巡る情勢も大きく変化しております。そういった中で、今後引き続き技術士制度を広く社会に普及、定着していくために、現在制度の在り方について今回も検討いただいているというように聞いておりますが、引き続きよろしく御指導、御鞭撻(べんたつ)のほどお願いしたいと思います。
どうもありがとうございます。
【小縣分科会長】局長、ありがとうございました。
それでは、まず日本大学理工学機械工学科の飯島助教に資料12を基本に御説明していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【飯島氏】日本大学の飯島と申します。今日は貴重なお時間を頂きまして、大学での活用といいますか、学生ですので技術士一次試験受験の奨励をしている取組事例について御報告させていただきます。また、この内容は特に全学的にやっているものではなくて、草の根的に学科内の私が主にやっている内容を御紹介させていただく形になります。お手元の資料12になります。
まず、大変恐縮ですが、自己紹介を簡単にさせていただきたいと思います。私は日本大学の理工学部の機械工学科を卒業しまして、その後大学院の修士課程を修了して、一度メーカーに勤務しました。その後大学に戻りまして、現在に至っております。修士課程を出て企業に行きまして、企業から戻ってきて、そのときは助手のような形で戻ってまいりました。それで2008年3月に博士(工学)の学位を取得しました。ちょうど取得した次の年度に技術士二次試験を受験していったという形になります。ですので、技術士二次試験の業務経験の主な内容は修士論文と博士論文の内容になっております。また、その後しばらくあいてしまいましたが、2012年5月にアメリカのPE試験の機械、Mechanicalを受験し合格しました。ここに書いておりませんが、4年生のときに技術士一次試験を受けました。修士1年のときにPEの一次試験に相当する、Fundamentals of EngineeringというFE試験がございますが、それを受験しました。今日本技術士会でここにございますように、機械部会、あとは国際委員会、科学技術振興支援委員会の委員として、やらせていただいております。専門は内燃機関の燃焼という分野になりまして、それは自動車用エンジンの高効率化に関することをふだんは研究で学生たちと一緒にやっています。メインは日本機械学会、自動車技術会辺りで活動しています。
前置きが長くなりましたが、私どもの学科、日本大学理工学部機械工学科は1学年の定員が160名という学科になります。御茶ノ水にキャンパスがあります。千葉県船橋市にももう1つキャンパスがあります。もう間もなく今年度も終わってしまうのですが、研究室のメンバー構成は、私のアドバイザーとして学生時代からの指導教授、名誉教授の庄司先生と私、あと大学院生は今修士課程の学生11名と4年生学部生11名で合計22名の学生がいる研究室構成になっております。
それで、研究室の中の修士の11名と学部生の11名のうちで、今の時点で技術士一次試験に合格している学生は6名で、単純な全国平均からすれば非常に多いのではないかと思います。これは実際にこのあと御紹介いたしますけれども、学生たちに基本的には受験を勧めております。ですので、研究室内での技術士一次試験合格者の割合は27%となります。
少し強引な話になってしまって恐縮です。文部科学省の統計によりますと、工学系の工業系の学生、大学生、大学院生を数えますと、このような形になっていると。学生数でいうと47万5000人程度ですが、技術士一次試験、これは平成25年度の試験の結果から現役学生の合格者数はこの年は1,029名でした。例年千名程度だと思います。千名程度が学生で受かっているとすると、単純に割合にすると0.2%程度となります。もちろん、在学、例えば学士と修士の間6年間ありますから、6年間に1回しか受けないわけではありませんから少し強引です。とはいっても、なかなか1%行かない程度なのではないかと言えると思います。そういう意味で、研究室内で27%というのは一けたか二けたぐらい、n数は少ないですが多いと言えるのではないかと思います。
それで、全国的に学生の受験者が決して多くないのではないかと思われますが、その理由として、学生と話していると技術士制度自体を知らないという学生がかなり多いと思います。紹介して説明してあげないと知らないというケースが多いのではないかというのが1つです。あとは取得したらどんなメリットがあるのかも感じにくい。私のところは機械系ですが、機械系だとどうしても大学を卒業するとメーカーに入ってエンジニアとしてそのまま活躍できますので、そこで技術士を取ると何がいいのかがなかなかイメージしにくいのではないかと個人的には思っております。あとは、技術士は1回の試験で取れるものではなくて、まず一次試験を受けて合格して、4年間の実務経験を積んで、それで合格率が低いというか、雑誌など一般的に見ると難関と言われているような技術士二次試験に突破しないといけないとなってしまうと、なかなか大分先の話なのではないかというイメージが、多分学生にとってはあるのではないかということです。なかなか着手するに至らないと。とりあえず一次試験を受けてみようというところまで行くまでがなかなか大変だと、学生と接して感じております。
では、学生の受験者を増やすためにどのようなことをしているかと申しますと、技術士制度を知ってもらうのが一番と思っております。下の1番にありますとおり、基本的に学内で学生たちに技術士制度を機会があるごとに説明しております。例えば、2年生の後期です。2年生というと、大体どの大学も専門科目の必修が置かれている、一番メインの必修科目が置かれている学年だと思います。例えば私は熱力学を担当しておりますが、熱力学の授業の最後にこういう試験があると説明します。例えば、機械系だったら大体2年生のところまでの内容プラス3年生の前期ぐらいまでを勉強すると、大体一次試験を突破できるぐらいの力が付いているはずです。ですから、2年の終わりのときに言って、3年の秋の試験を受けてみましょうと説明すると、その説明資料は後ほど御説明いたします。あとは3年の前期の授業などでも引き続き説明、締切りの少し前、夏前ぐらいにもう一度紹介することをやると。あとは、もちろん研究室の学生です。一番受ける可能性が高いのは研究室に入っている学生なので、研究室の学生にも輪講の場だとか、締切りが近づいてきた頃に、間もなく技術士一次試験の締切りになってしまうから受けたらどうですかと紹介するというような形で、受験を奨励しております。
あと2番のところで、取得するメリットを説明するという意味です。大学を卒業すれば学位記、学士の学位、修士の学位をもらえます。せっかくだから、技術士一次試験に合格すれば、国家に認められるといいますか、しかもいろいろな大学が日本にある中で、客観的な統一の試験ですから、客観的に専門的な知識をどれぐらい身につけていったかを判断できるので受けてみたらということを勧めたりしています。
あとJABEEの認定を受けている学科を卒業した学生は、入った時点で技術士一次試験は免除されているわけです。会社に入ったら同期がいっぱいいますが、その中で一部の人は技術士一次試験は免除されている状態になっています。ですから、学生時代に合格しておいたらということを勧めるという形になります。あとは具体的な試験の内容を簡単にではありますが、説明しております。
それでこれ以降、学生にこういう資料を見せて紹介、進めているというものをざっと御覧いただければと思います。まずは、技術士制度、技術士になるための道のりを説明するという形です。私どもの学科はJABEEの認定を受けておりませんので、一次試験合格してそれで実務経験を積んで二次試験に臨んで合格すると、登録すれば技術士になれますよと説明するということです。あとは25年度の年代別の一次試験合格率で見ると、20代が一番高いこともありますので、一次試験の内容は大学で学んでいることが非常に多いですから、一番受かりやすいのは学生時代だと思います。勉強する時間もたくさんありますので、学生時代が受かりやすいことを説明して、だから今受けた方がいいのではないかを学生に伝えるという形ですね。その後二次試験が待っているわけですが、二次試験の年代別合格率は、20代は低いですけれども、それ以外は余り変わらないと思います。30代ぐらいでできれば技術士二次試験突破するのがベストでしょうと。そう考えたら20代では一次試験に受かって、実務経験を積む段階にあった方がいいですから、そういう意味では学生時代に一次試験は突破しておきましょうというのを説得する材料に使っています。
あと例えば私自身の受験スケジュールを学生に見せて、このように私は受けていたと見せるという形になります。私の場合、4年生のときに一次試験を受けました。その後修士課程は一次試験を合格していれば実務経験に参入することができるということで、修士課程の研究は実際に実務経験に入っていると。その後企業に勤めまして2年間ですが自動車開発をやって、その後大学に戻ってエンジンの研究をやりましたので、6年間の実務経験がありました。それで、その6年間の実務経験で、4年以上の実務経験をクリアしておりますので、それで二次試験を2008年度に受けて、2009年4月に技術士の登録を済ませたという事例を説明します。そうすると学生はこの辺りにいる状態なので、そういう意味では自分も二次試験まで見通しを立ててもらうというイメージでそういう紹介をしていました。学生にはまとめとして、早く一次試験を受けて二次試験を意識してエンジニアの生活を送って、なるべく早く二次試験にチャレンジできるような環境を目指すといいでしょうと説明します。実務経験だって必ずしも4年間連続した実務経験を積めるとは限りませんから、そういう意味も込めてなるべく一次試験を早く突破しておくべきだということを説明しております。
それと学生の声を雑談で聞いてそこからまとめたものですが、これがまとめということです。企業への要望というほどのことではないのですが、技術士を増やすことを考えたときに、そうなった場合には二次試験の受験者が増えないといけないことを考えると、二次試験を受けるためには、一次試験を合格して実務経験を積んだ人を増やすことだと思います。そうすると一次試験を、学校としては大学という立場からすると、早い時期に一次試験を合格してもらうということで、学生時代に合格させるという意味で学生の動機付けが重要だと思っております。
技術士制度への要望として、学生と話してこんなことを学生が言っていたという例ですが、技術士の認知度を更に高め、学生の中にもどの学生も技術士といえばと知っているくらいのレベルにすること。あとは、学内で技術士受験を学生に奨励をする機会も余りないのではないかという気がします。学内で技術士の取得を奨励する、あるいは学生に技術士を受けるように奨励するような教員が増えるなど、そういうことも草の根という意味では大事なのではないかと思います。
あとは企業への要望です。これは学生が言っていたのですが、例えば最近エントリーシートにはTOEICの得点を書く欄があったりして、皆さんTOEICの点をある程度取らないといかないということで頑張って就職活動に臨んでいます。例えば、そのエントリーシートに技術士一次試験に合格しているか、していないかの丸を付ける欄があったりすると、それはもし直接の評価にはつながっていないとしても、そういう欄があるとあの会社は技術士一次試験に通っているか、通ってないかをエントリーシートの中に聞いてくるようなことがあると、受けるのではないですかと学生が言っていました。
また、最近大学の学科名もいろいろ多様化して、学科名を見てもどのような学問を学んできたかというのは必ずしもはっきりしない場合もあります。そういうときに、例えば「技術士一次試験の建設部門に受かっています」と書かれていたら、その学生は建設に関することを学んできたと分かります。そういう意味でも、透明になるのではないかと思います。そういう意味で、例えば評価に関係ないとしてもエントリーシートだけでもそういう書く欄があると違うのではないかと思います。
以上になります。それで、お手元にあるように、A4の平成26年度技術士一次試験、技術士の日程が書いた資料などを、学生に実際に申込みが近くなった段階で配付して、是非申し込んでチャレンジしてみたらというようなことを進めている形です。実際に受かっている現役の先輩がいれば、「実際に研究室でも何名ぐらい受かっている人がいる」と紹介すると、そうしたら自分も受けて見ようかとなると思います。増えてくればそれがどんどん呼び水になって、更に受ける人も学内で、研究室内で増えてきている形で、多分研究室で今6名受かっている学生がいるのはそれが効いているのではないかと思います。中には3年生の時点で受かっているという学生もその中におりますので、そういう意味で、学内で学生の中で盛り上がれば、結構増えるのではないかと感じております。
以上まとまりのない説明になりましたが、以上になります。
【小縣分科会長】飯島先生、ありがとうございました。結果も出ていますし、実行価値のある大変興味深いお話だと思います。後ほどまた皆様と御議論してまいりたいと思います。ありがとうございました。
続きまして、日立技術士会の柴垣会長代行からもお話を伺いたいと思います。柴垣様、よろしくお願いいたします。
【柴垣氏】日立製作所の柴垣でございます。日立製作所の中で、技術士という資格はどのように評価されてどのように扱われているかを、実例をお話したいと思います。
先ほど飯島先生が学生さんに対して技術士という資格をよくPRしていただいているのが非常に有り難くて、そういうことをやっていただけると、我が社に入ってきた人たちも最初から技術士という資格を意識してそれを目指して業務をやっていただけると思っております。
きょうは技術士の資格を取得することが、企業の中でどのような目的で、どのようなメリットで、意義で扱われているかを、まずお話します。その次に、企業の中で資格取得をどのように奨励されているかと、奨励するためにどのようなことをやっているかということ、それから3番目にその結果どのような状態になっているかということ、それからその上での課題、それから最後に、技術士制度への要望というこれは私個人的な思いですが、それをお話したいと思います。
はじめに、自己紹介を全くしなかったのですが、私、大学は実は機械工学科を出た人間ですが、会社に入ってやっていた業務がほとんど電気の仕事をやるはめになりました。ある時期に自分の電気の力はどんなものかと、客観的な評価をできないかということで技術士の資格に挑戦した次第です。44歳のときに技術士の試験に挑戦しまして受かりました。このときはまだ一次試験という制度がございませんでしたので、一発試験で受かったという次第です。その後に総合技術監理部門の資格を取らせていただいております。ですから、現在電気・電子部門と総合技術監理の技術士の資格を持っております。
こういう中で、私は日立製作所の中に技術士を持ったメンバーで集まって、日立技術士会というものをつくっております。これは日立グループ全体の技術士の会でございます。技術士の資格を持ったものが全員そこに参加しているわけではないのですが、多分8割、9割ぐらいはこの日立技術士会に入っているのではないかと思います。現在千人弱のメンバーでやっております。
そういうことなので、日立製作所としては技術士という資格を積極的にというわけでもないですが、技術者が技術的な資格を取るということについては、1番目に書いておりますように技術者のレベルアップをするということで技術士教育やキャリアパスの一環として奨励はしている。それから、技術士という資格を取ると技術士同士のいろいろな交流ができてこれが事業部門を超えた技術シナジー効果がある程度期待できるのではないかという思いもあると思います。3番目、これは実質的に一番必要、実用的に役に立っている項目だと思います。2,500万円以上のプロジェクトでは、現場に専任の技術者若しくは監理技術者を置かなければならないと建設業法で決まっております。このために我が社のように多くの案件を処理しなければならない会社においては、一定の人数のこういう技術者が必要でございます。このためには技術士という資格を持っておりますと、ある講義を聴くだけで監理技術者にもなれますので、これは非常に実質的に役に立っている項目だと思います。それから4番目は、建設業法で企業の評価を付けるときに技術点のところに技術士の人数というのがあります。技術士はいろいろな資格の中で一番点数が高く評価してもらっている資格の一つでございます。そういう意味では、幾らか会社にも貢献できるということでございます。それから最近は官公庁案件等で受注する場合に、引き合いの要件の中に、応札する要件の中にあるキーパーソンは技術士を当てろと指定される案件が幾つかございます。その場合は、我が社の技術士を引き当てて受注に貢献しているということもございます。それから、国家認定・経営事項審査取得、SI企業認定等々の中で、技術士という資格も認定項目の中の技術力を評価する上での1つのポイントにはなりますので、そういう点でも多少は有利です。あとは企業の技術力のイメージアップや技術士の資格を持っておりますと、APECエンジニアやIPEA国際エンジニアという資格も比較的取りやすいです。こういう点もあるということで企業のメリットとはこういう項目だと思っています。ただし、会社が全てこれを意識しているかというと決してそのようなことはなくて、3番の項目と1番の項目ぐらいは多分意識しているだろうと思いますが、それ以外は取らなくてはならない資格というほどの扱いには残念ながらなっておりません。
あと、これは余計な話かもしれません。個人としてなぜ技術士を取るとどのようないいことがあるかと、我々日立技術士会が皆さんに我が社の技術者に技術士の資格を取ることを進める上でお話している話です。まずは、国家資格で一級の国家資格、五大国家資格と言われるうちの1つです。これを取ることは技術者レベルの客観的評価、最高の評価をもらえるということ、それから技術力だけではなく技術者倫理を持ったエンジニアとして認定されるということ、それからこういう資格を持っていると、こういう資格を理解しているお客様に対しては信頼も得られるし、したがって誇りも持って仕事ができるということ、それからこれは個人的には非常にいいと思っているのですが、異業種交流それから自己研さんの機会が随分多い、それから5番目に人脈の拡大ということで、技術士という資格を持っていると所属や会社の中の地位や専門分野を超えてお付き合いができるということ、これは非常に普通ではないメリットの1つだと思います。それから、これは会社をリタイアした後、技術士事務所を開くことによって社会貢献する機会が非常に多くなることで、技術者としては社会貢献することは生涯を通じてやってほしいことだと思いますので、これは非常にメリットがあることだと思います。技術士事務所を開くと確定申告で節税するメリットもございます。それから、APECエンジニアやIPEA国際エンジニアとして活躍ということで、これは実質は最近まで余りこのメリットはなかったです。最近は海外のプロジェクトをやるときに、プロジェクトのキーパーソンにどのような人間かをお客に承認してもらわなければならないという案件が割とあります。その場合にキーパーソンがプロフェッショナル・エンジニアという資格を持っているということは、国家で認定されているエンジニアで非常に説得力があるということで、これは使い道が最近出てきたと思っております。
日立製作所の中で、技術士の資格を取得することをどのように奨励しているかということです。日立製作所の場合は、会社の幹部の御理解も得て、日立技術士会がこういうことをやっております。具体的にやっている内容としては、グループを含む会社の幹部へ技術士会の活動、このような活動をしているというPRをしております。これは海外のグループ会社へもやろうとしております。それから、技術士というのはどんな資格でどのように取るのか、取った後はどのようなメリットがあるのかをまだまだ知らない人が多いです。また非常に難しい試験だということで、取ろうとする、チャレンジする前にヘジテートすることが多くて、少しでもエナジャイズしてやろうということで、社内のいろいろな事業所を回って、資格の説明会もやっております。それから、技術士という資格の名前を社内で通りをよくするために日立技術士会賞というのを実は設けております。年に数件表彰をしております。これは社長から表彰状をもらうという仕組みにしております。それから、試験のときは試験ポスター、これは日本技術士会さんから頂いてあちこちにはると、全く食堂のように多くの人が通り、人の目に触れるようなところにはることもやっております。それから、技術士資格というのもどのように生きるかをPR するために、いろいろな部門、それぞれの部門でいろいろな事業分野でこの技術士の資格をもっているとどういうメリットがあるのかということをまとめた小冊子「技術士資格を活かす」というものを、実は発行いたしましてこれを関係者に配ったりもしております。それから、技術士の資格を価値のあるものにするためには、これが会社の中で暇で時間のある人が取る資格にしてはいけないので、優秀な職場の中で中核な人になるような人が取ってくれないと本当に価値ある資格として認められないので、特にそういう人達をターゲットにしてこの資格を取るような働きかけもしております。それから、これは一部の事業所ですが、作業服等に技術士を持っている人は技術士のラベルをはれるようなそういう仕掛けをつくっていることもあります。こういうことをやって技術士という資格をPRしております。こういうことをやって少しずつ技術士という名前は知名度は上がってはきているのですが、会社としては技術士だけに特に技術士の資格を取ることに奨励しているというわけではなくて、一般的にいろいろな技術資格を取る上で、一般的に奨励をすることにとどまっております。
それから、資格を取りますとどのような特典を我が社は与えているかということです。1番目、二次試験に受かって技術士の資格を取りますと、報奨金を頂けます。それから、資格を取得した人間はホームページや社内報にも掲載されます。それから日立技術士会へ参加することができると。このコミュニティに参加できるということです。それから、名刺、発表論文等への資格の表示もできます。それから、日立技術士会の会長が、実は我が社の社長になってもらっています。我が社の社長はたまたま技術士なものですから、初めて技術士の人間が社長になりました。社長との昼食会をやることにしておりまして、我が社も大きな会社ですから、入社式以来社長の顔も見ないで定年までなってしまう方も多いです。この日立技術士会に入ると、社長と親しく懇親をしながらおいしい昼食を食べられるという会も設けております。こういうことを推進して、こういうのが特典だということにしています。会社としては他の主要資格と同等の扱い、公認会計士や弁護士、弁理士などそういう主要資格と同等の扱いにとどまっておりまして、もちろん技術士を取ったから給料が上がる、ある課長や部長になるときに技術士を取っていないと駄目だという直接のリンクはございません。
ただ、技術士の資格を少しでも役立てようと、一部の事業部隊では技術士を活用する制度をつくっているところもございます。1つはプロジェクトマネージャー制度ということで、プロジェクトをやるときにはプロジェクトの大きさや難易度によって、そこそこのレベルの人間がやらないとまとまらないので、プロジェクトマネージャーをランク付けします。最高のランクのマネージャーを認定する条件の1つに技術士を入れております。技術士を持っていないと最高ランクにならないというわけではないですが、技術士は最高ランクになるための要件の1つ、ワン・オブ・ゼムにしている部隊もございます。また、シニアエキスパートという制度をつくっている部隊もございまして、設計品質評価を実施するそういう人たちは技術士を持っていることを決めているところもございます。もちろん、これも技術士を持っていないとできないというわけではなくて、技術士を持っているというのはこれになれる要件の1つということです。なかなか全グループの制度にはならないのですが、一部事業部隊では技術士という資格をうまく使おうという意識のある事業部隊はこのような制度をつくって活用している部隊もございます。
資格取得のために、ではどのような支援をやっているかということです。これも日立技術士会が幹部の理解も得てやっていることです。受験の講習会や、それから技術研修所という社内の技術教育をやる研修所があります。そこに1つ講座を設けまして、日立技術士会から講師を派遣して、受験対策講座もやっております。それから、日本技術士会の登録グループであります企業内技術士交流会というのも、日立技術士会として参加しておりまして、そこの相互勉強会にも参加しております。ちなみに、この企業内技術士交流会の会長は私が拝命をしております。それからまた、個人的な依頼によって指導をやったりする。こういうことで、なるべく資格を取ろうとする人たちに対しては、支援をしております。この受験講習会の中で、技術士の資格を取るためにはこのような試験を受ける、このような勉強をすればいいなど指導しております。
会社として、特に技術士に特化した支援策はないですし、また事業部門によって資格をこの資格を是非取れという積極性には上司によっては随分差があるということです。私の場合は、私の身近な人が技術士の資格を取ったりして、そういう刺激も受けまして、「おまえも取れ」と言われたりして、チャレンジをしたという経緯がございます。この意識の差は非常に大きいです。技術士という資格を全く知らない人ももちろんいますし、取っても取らなくても、日立製作所の中で仕事をする上には何の問題もないですから、そういう意味で、業務の忙しい中わざわざ取れと言ってくれる上司はそんなに多くはないというのが現実でございます。
こういう取組をしてどういう結果かといいますと、日立技術士会というのは1984年に85名で始まりました。昨年度で955名、今年先日の試験で、日立グループ全体で60名ぐらいの方が合格をしておりますので、千人ぐらいにはなっているのかと思います。認知度や幹部がこの技術士という資格を理解するという意味では、そういう理解度はかなり上昇はしてきているとは思います。まだこの資格を社内でどう活用するかという意味では、非常に低調、好きな方はどうぞお取りくださいという感じにとどまっているのが現実でございます。
社内におけるこういう活動してきた上での課題としましては、資格を取った上でせっかく難しい試験に合格してこういう資格を取ったはいいけれども、社内でこの資格をどのように活かしてくれるのかという意味では非常に低調だと。「よく取ったね」という言葉に終わって、報奨金は頂けますがその程度だということです。名称独占ですからもちろんこの資格がないとできないという仕事はありません。
これがもう少し活用できるといいと思っているのが、このグローバルな有用性です。この辺がもう少しできるといいと思っています。我が社の中でも、もう少しグローバルなところ、我が社も海外売上げがもう50%を超えるような会社になってきましたので、少しグローバルな活用を考えられないかとか検討しているのですが、なかなかいい案が思いつかないというのが現状でございます。
それから、我が社は関東地方にエンジニアの数が集中している関係で、地方の工場に行きますと、なかなか研さんや交流機会が日立技術士会として提供できないという問題もございます。それから何といっても社会における地位や認知度が低いのが致命的でございます。会社に入ればこのような資格など持っていなくても職場できちんと仕事ができるという方がはるかに評価されますので、もう少し技術士という資格の地位や認知度が上がるといいと。博士という資格ではないですが、学術の世界では一定の実績を上げると博士という称号をもらえるのですが、これも博士がないと学術研究ができないというわけではないですが、なぜか博士の方が皆さんは感心して評価されると。
海外に行ってもそうですね。ドクターという称号が名刺に入っていると扱いが随分変わります。プロフェッショナル・エンジニアというのが入ったところで扱いが変わったというのは、私も長く随分いろいろな海外のプロジェクトをやりましたが、私の名刺を見て感心した表情をしたのは1人しかいませんでした。
それから、技術士制度への要望でございます。国内で技術士の資格を今まで技術士でなくてもできたものを技術士ではないとできなくするということもなかなかできないでしょうから、これからグローバルな活用がもっといろいろ考えた方がいいのではないかというのが、私の思いでございます。それから、優先的に資格を活用できる、技術士という資格であればこれもできるあれもできるというような、独占的にはなかなかならないでしょうが、そういう領域を拡大してできるといいと思います。官界や学会、特にメディアで活用の促進をもう少し図ったらいいのではないかと思います。最近テレビなどでも技術的な問題になると専門家という名前で学校の先生が出てくるのがほとんどなのですが、学校の先生が出ていけないというわけではないのですが、技術士という資格を表に出してもう少し出ていただけると有り難いと思います。それから、地方在住のエンジニアへのサービス拡大ということ、これは日本技術士会も最近随分努力をして、ウエブを利用して地方と一緒に、地方からも参加できるような講演会をやったりしています。まだまだ、東京地区にいるのと地方にいるのとではサービスのレベルがどうしても差がある。これは日本全体がほとんどのかなりのエンジニアが関東地区に集中してしまっているので、こういう問題もあります。そういうこともあります。それから、先ほど文科省の方から説明がございました。公的資格を取得する上での特典、試験免除等、これも拡大するというのは実質的には技術士を取ってやろうかと思う少しはきっかけになるのではないかと思います。これもきっかけ的には社会的にもう少し認知度、地位が上がってくることが必要だと思います。
実情をお話しました。以上でございます。どうもありがとうございました。
【小縣分科会長】柴垣様、誠にありがとうございました。大変説得力のある御報告でした。感謝申し上げます。特に日立グループという日本を代表する大きなグループの中で、大きな民間企業が抱えている技術士をめぐる課題を共有させていただきました。特にその中でも、この技術士会の御活動は大変すばらしいと思います。ありがとうございました。
ただいま2つの大変貴重な御報告を頂きました。私自身も大変参考になりましたし、この技術士を是非普及拡大させたいと思っております。活用促進は大変重要な課題だと思いますし、そういう意味で、お二人共通だったのは、何かすごい特効薬よりも地道な活動の積み重ねが必要という思いです。そういう意味では、産官学の連携も極めて重要なキーワードであったと思います。是非皆様方から広く深く御意見を頂いて、議論させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、池田さん。
【池田委員】それでは皮切りに池田からさせていただきます。
【小縣分科会長】ありがとうございます。
【池田委員】まず、飯島先生にお伺いしたいのですが、先生はまだお若いので卒業生はまだたくさんいらっしゃらないかもしれません。卒業生の中で社会人になられて技術士に受験をしてよかった、あるいは受かってよかったという声があって、またそれが学生に伝わっているようなことがあるのかどうか、その辺りはいかがでしょうか。
【飯島氏】私が直接指導した卒業生はまだそんなに多くないですが、私の上の先生が指導した卒業生などで中には技術士を取られた方はいらっしゃるようです。ただ、卒業して社会に出て、大学に顔を出してくれる機会が現実的にはなかなかないというのがあって、あの方は技術士を取っているようだというぐらいの話にとどまって、その方に学生の前で話してもらったりという機会を設ければいいと思いますが、現時点ではそこまでのフィードバックは得られていないといいますか、そういう状態だと思います。ただ、実際に特に日本技術士会から大学向けにいろいろ説明会をやったり、そういうものに来ていいただいたこともあります。そういうときなどは、たまたまではないのでしょうが、OBなどを当てていただくなどして、OBということで学生に話してもらったりもあるので、そういう意味では学生への一定のフィードバックはあったのではないかと思っております。
【池田委員】学部のときに一次試験に受かっていてよかったというような声は、卒業生の中から出ていますか。
【飯島氏】私が直接指導した卒業生は多分、まだ技術士二次試験のための実務経験を積んでいるという状態です。ただ、卒業する学生などは、技術士二次試験を受けることを想定して会社に入っていく状態になっていると思います。そういう意味では、この数年で例えば早い段階で技術士に受かったという報告があるのではないかと思って期待しております。
【池田委員】どうもありがとうございます。すいません。もう1点よろしいですか。あと柴垣先生にお伺いしたいのですが、日立さんは大変頑張っておられて前からすばらしいと思っています。千人ぐらいの技術士がいながらまだ社内での活用度が低いということをおっしゃったと思います。その大きな原因というのはどういうところにありますか。何かもしお答えできるようであればお願いしたいと思います。
【柴垣氏】先ほども御説明しましたけれども、会社の中では技術力を評価するものは自分の職場できちんと仕事ができるかどうかであって、技術士という資格を持っているかどうかが、直接職場に有り難いわけではないので、そういうところだと思います。実際に技術士を取っている人たちは、資格を取って自分の技術のレベルをきちんと認定されたものにして外部から評価できるものにしてやろうということで、その意識をある人間がかなり難しい合格率の低い試験にチャレンジするのが現実でございます。普通の人は学校を卒業すればもう難しい試験など受けたくないと思うのが現実は多いです。会社の中で評価するというところになかなかならない。そういうことですね。結局技術士を持っていないとこれができないということが、制約がない資格、名誉資格のようなものです。だからといってそれを評価すると、そういう資格を持っているからといって会社の中のこの仕事をやらせるとはなかなかリンクしない。それより、職場の中で過去の実績できちんと一緒に仕事ができるか、プロジェクトをまとめられるかを評価する方がずっとウエイトが高いということでございます。
【池田委員】海外のインフラ案件がこれから多分増えてくると思います。そういう場合にはこれは役に立つと考えてよろしいですか。
【柴垣氏】是非役に立つようになってほしいと思います。最近先ほどもお話しましたが、これは交通の案件だったと思います。海外のプロジェクトでやるときにどういう人間がこのプロジェクトを担当するかというリストを出して、それをお客さんに承認されなければならないという条件が付いている案件がございました。その場合は、この人間は評価されたあるレベルのエンジニアだということをお客に説得する上で、この技術士という資格は非常に役に立つと思っています。それはこういう海外の案件が増えてくるにしたがって、だんだんこういう誰がやってもうまく行くわけではないので、そういう技術士のレベルを評価する上でも、資格として使ってもらえるとなってほしいと、私は本当に思っています。
【池田委員】ありがとうございます。
【小縣分科会長】ありがとうございました。そのほか御意見を伺いたいと思いますが、岸本先生、よろしいでしょうか。
【岸本分科会長代理】では、私の方でいいですか。ほかの方いらっしゃらないので先に失礼します。きょうは大切なお話を頂きましてありがとうございます。
飯島先生にまずお聞きしたいのですが、こういった活動を非常に学生たちにもモチベーションを高めるような方に働いていくのではないかと思います。大学の組織といいますか、例えば学科全体で、学部全体でというようなところに対しては、どのような形になっているのですか。
【飯島氏】学部全体でいいますと、あるいは学科全体でいいますと、もちろん教員は技術士一次試験に合格した方が当然いいという認識だと思います。実際やっている取組内容としては、技術士の一次試験のパンフレットをはったり、リーフレットをはったり、そういうものにとどまっているという形です。他には、建設に関しては、学内でe-ラーニングのシステムを導入していて、それらを受講できるようになっているようです。どのくらいの受講者がいるのかを調べてきていないのですが、そういう支援体制もあります。
【岸本分科会長代理】多くの大学の関係者の人は、なかなかJABEEも含めて技術士制度もそうですが、余り理解が進んでないところがありますので、そうではないかと思いました。それは大学の中の先生方の取組だけではなくて、文科省も含めて関係者が一緒になって進めていく必要があると思うわけです。例えば、国立大学だと国立大学の工学部長が毎年集まる機会があります。通常の会ですと高等局の方が来られて、高等教育関係の話をされるのですが、エンジニアを育成する大学に対して、このような取組が今されているというのを紹介するのも1つの手かと。そうすると工学部長の先生が理解して、学内の関係者に伝えてくれるのではないかと思います。きょうお聞きして、このような取組はすばらしい中で、もう少しほかからの援護もいるかと思いました。あともう1つ、会社のエントリーシートに、こういうような欄を設けるとか、自分で書けばいいのですが、設けていただくのが非常にいいかなと。私はJABEEの方もやっていますから、JABEEの修了生であるかどうかも書いておくなど、そうすると先ほど先生がおっしゃったように専門分野が学科名を見ても非常に分からなくなっているのが今非常に多いので、そこら辺のところについては非常に明確なのかと思いました。
あともう1つ、柴垣さんにお伺いしてよろしいですか。グローバル化の話をされていらっしゃいました。それがもっと広がっていくといいのではないかということで、先ほどAPECのエンジニアの話と国際エンジニアの話を少しされていましたが、その辺りについて何か御見解がございますか。
【柴垣氏】これから海外の案件が増えてきて日本人が海外に行ったり、また逆のケースもあると思います。海外のメーカーが日本に来てプロジェクトをやる、そのときに技術士の担当する技術者のレベルがどうやって評価するか。この人間が担当していれば間違いはなさそうだというのを、どうやって担保するか、評価するかというときに使えるのは、こういう資格しかないような気がします。従来は、会社が例えば日立製作所があるプロジェクトをやるときに、日立製作所という会社がそういう似たようなプロジェクトの実績があれば、日立製作所の中のどんな人間が担当しようが、そういうことをうるさくいうお客さんは余りいなかった。最近ときどき我が社があちこちで問題を起こすせいかもしれないですが、どういう人間が担当しているのかということをきちんと出せと言われることもありまして、こういうのはもっともっとお客の方も余り信用しないで、どういう人間が担当するかをもっと自分たちで評価するような風潮ができれば、技術士という資格は活用できるとは思います。これはただ技術士の数がまだそんなに、日本のエンジニアの中で数が多くないので、いきなりこのようなことになると困る会社もいろいろ出てくるとは思います。一律すぐそういうルールにするわけにはいかないと思いますが、徐々にそういう流れにはなってくるのではないかという気はしております。
【岸本分科会長代理】今技術士になられてからAPECエンジニアに登録されるエンジニアの方が余り伸びていないように思います。かえって継続される方が、限られているので少しずつ逆に減ってきているのではないかと。むしろ日本だけなようなそういう状況かと思いまして、会社としてのメリットもあるかもしれませんが、個人のエンジニアとしてのメリットも非常に大きいと思う中で、そういう傾向になってくるのは制度が悪いのかと。悪いというのは、例えばAPECエンジニアの相互認証をほかの国としているのが限られた国としかない、もっと国際的に通用する資格を日本としても働きかけていかないと、そういうことにならないのではないかと思います。そういったところもお聞きしていると必要な取組かと思いました。どうもありがとうございました。
【小縣分科会長】ありがとうございました。
それでは、吉田委員、どうぞ。
【吉田委員】吉田でございます。まずもって自己紹介します。日本技術士会の会長職でありますので、この委員会の臨時委員を拝命しているのだろうと思います。両先生には日頃からこういう活動をしていただきまして、敬服をしているところであります。
日本技術士会として活動の大きな目的は技術士制度の普及啓発ということです。日本技術士会の力が足りないのでしょうか。認知度あるいは知名度が向上しないと。そういった中で、きょうは大変示唆に富んだ御提言を頂きまして、これから日本技術士会もこういうものを踏まえながら大学あるいは企業に働きかけていきたいと思っております。1つは先ほど飯島先生からお話がありましたが、日本技術士会として、今29大学だと思います。大学技術士会が設置されているわけでありますが、その大学技術士会との連携を通じて、要請がございますれば、その大学に技術士制度のPR、プレゼンテーションをやることになっております。御活用願えればと思っております。
また、先ほど岸本先生からお話がありましたが、エントリーシート、企業の就職に当たる参加票に技術士一次試験合格をどの部門でしているか、あるいはJABEEの認定校を卒業したならば修習技術者であるのか、ないのかということを書かせている企業は少ないだろうと思います。今後地道な活動を通じて、こういうことも浸透させていければとこう考えております。また、APEC、柴垣さんには日頃から企業内技術交流会とともに活動していただいておりますが、APECエンジニアあるいはIPEA国際エンジニアは、現実にはなかなか定着をしないというのは、先ほど来話があるように相互認証されていないので、技術士と同じように名称のみのエンジニアという形ではないかと私は認識しているところであります。更にこれが進まない理由は、日本でAPECエンジニアに登録している数は多分1,800名程度だと思います。IPEA国際エンジニアについては、400~500名くらいだと認識しております。つまり、使い道がないので登録をされないのではないかと。この辺は今技術士会として、国際的同等性を担保する、あるいは相互に認証する意味で、民間レベルでございますが、Chartered EngineerのIMechEとも相互交流協定を結んでおりますし、エンジニアズ・オーストラリアとも結んでおります。今後とも中国あるいは台湾、ベトナムと広げていくつもりでございますので、もう少し時間を頂ければ技術士の海外での活躍の場が広がっていくのではないかと思っています。いずれにしても、今後とも皆様のお力添えを得ながら、技術士の社会的認知度の向上、地位の向上というものを一生懸命やっていきたいと思っております。きょうはありがとうございました。
【小縣分科会長】吉田委員、どうもありがとうございました。
それでは川上委員、どうぞ。
【川上委員】東芝三菱電機産業システムの川上です。私は以前東芝で仕事をしておりまして、東芝時代に技術士を取りました。日立の柴垣さんのお話は本当によく分かります。東芝に比べると技術士会の活動が活発だというように伺っていたのですが、それでも本日伺った内容は企業の中でなかなか活用が進まないという現状であり、それは一緒だと強く感じました。
私は、ドクターも持っていまして、ドクターと技術士と両方名刺に書いているのですが、海外に行ったとき通用するのはドクターの方が大きいと思っています。というのは、ドクターという名称は多分全世界でドクターとして共通に認識され通用します。相手も持っていて自分も持っているときに非常に通りがいいというか、皆さんによく分かってもらえます。プロフェッショナル・エンジニアも分かってくださる方は分かってくださるのですが、認識度合いとしてはドクターの方が大きいと感じております。
今後、技術士を活用していくにはグローバルな活用、これも何回も委員会で出ている話で、グローバルな活用が絶対に必要だということと、社会での認知度が進まないと企業の中でも活用は進まない、そこに尽きるのではないかと思いました。その推進策として、日本における資格の相互通用性の推進と、それからグローバルな相互通用性の2つがあると思います。
日立さんの技術士会の活動でお伺いしたかったのは、1つは活動の費用がどこから出ているのかと、それから活動というのはボランティアベースで業務とは切り離されたものなのでしょうか。その2点を伺いたいと思います。
【柴垣氏】まず、1番目の活動の費用ですが、これは会費を会員の方から頂いております。それから、会社からも日立製作所本体、それからグループ会社の何社からは賛助金ということで幾らか、大した額ではないのですがそれを活動の原資にしております。
それから、2つ目は何でしたか?
【川上委員】ボランティアベース。
【柴垣氏】会の役員は全てボランティアです。ただ、ボランティアといっても、この会の活動は就業時間中に会社を抜け出してやってもいいと、大体認められてはいます。ですから、学会に出るのとそういうのと同じような扱いになっているところが多いです。職場の上司によっては、余りいい顔をしないというところも現実にはございます。そういうことです。
【川上委員】私は電気学会に入っているのですが、電気学会ですと企業から見て学生さんとのコンタクト、学会とのコンタクトを取るという意味で有用です。技術士会に参加することの企業から見た意義というのは、今よく分からないという感じもしています。その辺はどうですか。
【柴垣氏】業務に直接貢献できているかというと、それは残念ながらできていないです。ですが、技術士会に属して講演会や見学会を技術士会でやっておりますので、それに出ることによって少しは視野が広がるかというのが1つと、それから他部門ですね。通常仕事では付き合いのないような部隊の方々と人脈ができるということで、何かあったときに相談をしている人たちも中にはいますので、そういうメリットはあるのではないかと思います。本当は、技術士会でもう少し直接技術士のメンバーが、会社の業務か若しくは業務から離れたところでもいいですが、そういうように貢献ができると本当はもう少しいいのかと思います。会社の中にいる以上は業務優先で物事を進めるしかないので、皆役員の方はボランティアで自分の時間を犠牲にしてやっていただいているということでございます。
【小縣分科会長】たいへん貴重な御質問をありがとうございました。
そのほかございますか。中谷委員、よろしくお願いします。
【中谷委員】非常に貴重な話をありがとうございました。日本大学の飯島先生から学位記は大学が認めた証しであり、技術士は国家に認められた証しというお話がありました。それから、柴垣様からはお客様から今度のプロジェクトではどういう技術者が参加してくれるのかというようなお話があるというお話がありました。技術を提供する側としては、例えば、技術士の資格がなくても仕事ができるから取らなくてもいいのではないかとそういう意識もあるという話もありました。しかし、お客様側からどういう人が今度は担当してくれるというお話があるということは、ひょっとしたら技術を持っている側ではなくて、お客様側にはそういうある国家資格を持っていることは、1つの技術者を信頼する1つの評価点になるのではないかと思います。そういうように考えたときに、お客様が名称を見たときに、他の国家資格、いろいろありますが、技術士であればそれならばお願いしますと言われるのか、つまり他の資格よりもよく評価してもらえるのか、あるいは同じなのか、あるいは技術士でなくても何か資格っぽいことが書いてあれば、それで信用してもらえるのか、その辺はいかがなものかを是非お聞きしたいと思います。
【柴垣氏】技術者をどういうことで信頼してもらうかという上では、従来はその人間が、そのエンジニアがどのようなことをやってきたか、どういうプロジェクトをまとめてきたかと今までは実績でほとんど評価していました。今でももちろんそうです。その方がメインですが、最近聞いた事例が1つだけあって、今それが先ほどお話した例です。その中で国家が認定した技術者だという評価があって、それが認められたという例がありました。これからそういうのは増えるのかという気もしています。
海外の例を見ますと、通常は実績を出すわけです。どのようなことをやってきたのかというのは。海外のエンジニアの各実績というのはうそ八百が多いですが、うそといっては失礼ですが、1やっても10やったように書く例がほとんどです。国家認定資格であれば、そういうごまかしが少ないだろうと、評価されるのではないかという期待はあります。
【小縣分科会長】よろしいですか。ありがとうございました。
岩熊委員、どうぞ。
【岩熊委員】資料11に関する質問でもよろしいですか。私は技術士会の方々と20年ぐらい前からいろいろなところでお付き合いさせていただいていますし、この活用については、そのときから20年も言われていることだと思っています。この表、例えば情報のところは私が理事をやっていたときに当時の情報工学の安田理事が中心になって、総務省に交渉しました。情報工学部門の技術士が、こういった案件を探してきて技術士会で力を合わせてやってきたものです。こういった資格が活用されている流れですね。どのように増えてきたのか知りたい。もしかしたら10年、20年前と変わっていないのではないか。努力がされていないのではないかと。国交省のは分かりますが、それ以外のところはどのような状況かというのは分かりますか。
【杉浦専門官】すいません。正確な今記録を手持ちに持っていないのですが記憶で申し訳ございません。最近では、ダム水路技術者などがここ数年で追加になったものです。そのほかに、実はここの中に含有されるのですが、最近解体の関係などの問題がクローズアップされて、建築業法の改正により「解体工事業」が新たな許可業種区分となります。この区分の監理技術者となるの資格要件として、技術士を、ワン・オブ・ゼムですが、入れていただいたというのがあります。
情報をなるべく集めるようにはしておりますが、確かに先生の御指摘のような形で正直申し上げまして、余り増えていないという可能性はあります。できるかどうかは分かりませんが、いろいろな議論の中で、こういったことをどのようにしていくかというのも、今後もちろん審議会での御意見も踏まえながら私どもも検討していきたいと考えております。
【岩熊委員】ありがとうございました。
【吉田委員】何も増えてないような感じがあるのだろうと思っての御質問だと思います。ここには載っていないのですが、技術士の活用の中で最近、目覚しく広がってきているのが、司法界において最高裁の事務総局から各高裁、地裁に専門訴訟においては技術士を広く活用しなさいということと、その技術士会がそれを対応できる体制をつくってほしいということで、かなりの専門訴訟に技術士の方が既にもう何十件と参加しております。
【岩熊委員】すいません。それは私が理事のときからそういう裁判の話があったのですが、文書化等の実務としてはすごく時間がかかっているということです。そういったところはもっとスピーディに動かしていく必要があると思います。そのことは昔からそういう話があるのは分かっています。
【杉浦専門官】今、技術士会の吉田会長からもありましたが、それも技術士会の活動の中でやっていただいた事例でございます。実際に最高裁の事務総局から通知という形で各裁判所等おいて活用していただくように、そういった形の活用例の1つかと思います。
【小縣分科会長】岩熊委員、よろしいですか。
【岩熊委員】はい。もう少しスピーディにやらないといけないのではないかということです。
【小縣分科会長】ありがとうございます。
伊丹委員、どうぞ。
【伊丹委員】伊丹と申します。きょうは技術士の活用というテーマだと思いますので、1つ御紹介させていただきたいと思います。
私どもいろいろな場面で技術士の受験の勧めということで、お話をしたりパンフレットのようなものをつくって配ったりやっています。そういったときに幾つかある中で、1つ付け加えているのは、JICAの専門家として海外に派遣される場合に、JICAから資格手当が出ます。金額は忘れてしまいましたが、日額2000円近くだと思います。資格手当が出ているのも、1つのメリットとして私はPRに付け加えています。それ以外のケースは私は承知していないのですが、同じような形で政府系の機関でエンジニアを活用するときに、資格手当なり何らかの形でそういったメリットを付与しているというような事例があるのであれば、そういったことも1つ事務局でお調べになったらいいのではないか。そういった点を積極的にPRされるのは非常に有効ではないかと感じます。
それからもう1点ですが、これはうちの会社は顧客が主に役所なのものですから、お役所の方によく言います。最近役所でいろいろなプロジェクトを進めるときに、関係者といいますか、ステークホルダーの方に説明するのは当然ですが、それ以外の第三者というか一般の方にもこういうプロジェクトをやるということを説明をする機会が増えている、説明責任ということで、そういう機会が非常に増えていると思います。そういうときに、技術に裏打ちされた、先ほどマスコミの話が出ましたが、専門家がきちんと説明をすることによって、一般の人が安心をすることがあるのではないかと思います。仮に同じことを説明するにしても専門家がきちんと説明することによって安心をする。専門家とは何だといったときに、技術士という国家資格を持った人間が説明をすることを最初に言って、私はこういう資格を持っている人間だということを言った上で説明をすることによって、同じことを説明しても安心感につなげるのではないかとそのような気がしてそういったことを顧客のお役所の方にもよく話をします。そのようなアプローチも技術士という資格の活用という面で1つの方向性としてあるのではないかと思いますので、申し述べました。
【小縣分科会長】伊丹委員、ありがとうございます。おっしゃるとおり、こういう一般の方の説明、マスコミの説明の中での資格を所持する人の存在というのは、当然非常に大事だと思います。
事務局は、何か考えはありますか。割と広い意味になりますよね。
【柿田課長】ありがとうございます。先ほどの資料11の関係も御指摘のとおりあると思います。ともするとこれまで文部科学省に割とクローズな議論で、この場が結構そういう感じがしますが、関係省庁も巻き込んでといったら言い方があれかもしれませんが、よく連携を密にしながらこういった公的活用が更に進められるように、我々事務局としてもこれから努力をしていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
【小縣分科会長】事前に私も事務局ともお話させていただきましたが、関係省庁はたくさん多いと思いますが、是非その壁を乗り越えて頑張っていただきたいと思います。
奥野委員、お願いします。
【奥野委員】すいません。柴垣さんにお伺いしたのですが、会社の中で事業部門によってこの技術士の資格に対する取得を奨励するなど、そういうものに温度差があるというお話がありました。どういった部門では、中でもそういう意識が高い、あるいはこういった部門では高くない、何かそういう分類のようなものはできますか。
【柴垣氏】そういう見方でチェックしたことはないですが、1つは技術士が多い部隊は必然的に認識度も上がって取れという奨励をしていただけるところもあります。そういうことがあるので、我が日立技術士会では、グループ会社やいろいろな事業部門でミニ技術士会、ファミリー技術士会のようなものを組織していただいて、そういう中で、仲間同士で技術士という資格を取ろうというような機運を盛り上げるようなこともやっております。温度差があるか、ないかというのは、こういう技術者がこういう資格を取るということに対する思いといいますか、そういうものはそういうところまで考えてくれる、そういうところまで意識を広げてくれている上司がいるか、いないかが大きいと思います。
【奥野委員】会社で、先ほど海外での交通関係で最初そういう問合せがあったというお話がありました。それから、プレゼンテーションの中で、建設業法に関連する分野では技術士が活用されるということがありました。会社で、例えば他の民間企業から何かものを調達する、あるいは他の企業の方と一緒になってプロジェクトをやるという機会は結構あると思います。そのときに、例えば柴垣さんが相手のある会社の方が、技術士を持っているか、持っていないかというのはかなり気にされますか。
【柴垣氏】正直言ってそれは余り気にしません。むしろどういう仕事をやってもらえるかという方が重要なので、たまたま技術士を持っている人がいれば親近感もわきますしそういうお付き合いができます。だからといって、そういうことは特に意識しません。お客と我々の場合はお客の方がプロジェクトをやるメンバーを承認するプロセスはあります。我々が他社と一緒に仕事をする場合に、会社を信用してそういうお付き合いをするのであって、「この人を変えろ」というのはよほどのことがないとなかなかそういう注文は出せないのが現実です。
【奥野委員】資料11のように、公的部門がどのように活用するかは非常に大事なことで、これが広がるということは企業の方にも広がっていくと思います。是非民民の間で技術士をそういう目で評価をするようなことが広がってくると、またもう少し違ってくるのではないかという気がしましたので、失礼かと思いましたが変な質問をしました。どうもすいませんでした。
【小縣分科会長】いや、私自身も民間ですが、おっしゃる質問は大変よく分かります。先ほど岩熊委員がおっしゃったように、スピーディにやっていかなくてはいけないと思います。ありがとうございます。
予定された時間になりました。今日は、すべての委員の方に御発言していただけるだけの時間がなく、申し訳なく思っております。どうしても御発言したい方はいらっしゃいますか。
では、私からよろしいでしょうか。今日多くの委員から出された御報告や御意見、特に飯島先生の学生が技術士制度を知らないという事実はショッキングでした。また、普及のために、メディアやいろいろな媒体を通してPRすることも、非常に大事だと思います。
事務局から、最後に何かひとつ押さえのところを言っていただけますか。
【柿田課長】そうですね。ありがとうございます。我々もよくいろいろな施策をやる中で、当然文科省にも記者クラブがあって、各社の記者がおられます。宣伝をしてなるべく記事に書いてもらうことをやっています。書いてもらえるときもあれば、書いてもらえないときもあります。技術士制度につきましても記者、マスコミさんからすると、ニュースバリューというか、各価値というものを当然問われるわけです。そういったことを考えると、技術士として活躍しているこんなすごい人がいるなど、何かトピック的なものがネタとしてあって、それをもとに我々としても我々の近くにおられる文科省の記者クラブの方を手始めとして、なかなか今までそういうことをやってこなかったものですから、きょう御意見を頂きましたので、そういった対応、取組も是非進めてまいりたいと思います。また、いろいろお知恵や材料など、もしもあればまた教えていただければ有り難いと思います。
【小縣分科会長】これはもう民間の方も相当努力しなければならないので、是非よろしくお願いいたします。それから、私も広報が長かったのですが、まさに課長がおっしゃったように、ただ毎年試験がありますというだけではなかなか記事に書いてくれないので、そこで先ほどおっしゃったようにいろいろ活躍している人をシリーズで来てもらうなど、何かいろいろ皆で知恵を出し合って工夫していくべきかなと思います。よろしくお願いします。
あと1点。杉浦専門官から御説明がありましたけれども、資料11の活用について今日大分御議論がありました。こういう調査も通じて、試験の相互の免除のようなものも、当然これから力強く進めていくということでよろしいですね。
【杉浦専門官】制度検討委員会で、この報告書を踏まえつつ、どういった資格を相互活用していくのかについて検討いたします。試験の免除となりますと、試験内容を相当細かく検討しないとならないということがございますので、現在、事務局において情報収集をして候補を絞っております。その結果を踏まえて、制度検討委員会等で検討していただきながら、その結果についてはこちらの方に御報告するという形になっていくと思います。
【小縣分科会長】ありがとうございます。是非その活用の1つの局面として試験等の免除も是非よろしくお願いしたいと思います。
それでは、本当にありがとうございました。まだまだ議論は尽きないと思いますので、是非またいろいろな場を通じて、きょうのお二人の御恩に報いるためにも議論を重ねていくことが大事だと思います。本当にありがとうございました。
今回頂いた多くの御意見につきましては、今後私ども検討するに当たりましての大いなる参考にさせていただきたいと思います。それでは時間になりましたので、これで本日の議論を終了させていただきたいと思います。
最後に、事務局から御連絡事項を含めてその他ありましたら、お願いいたします。
【杉浦専門官】今回の会議は公開でございます。議事録につきましては、後日私ども方で確認をさせていただくために御発言された先生方にお送りいたしまして、御了解を頂いた上で、私どものホームページに公開させていただくという段取りを取らせていただきますので、その点御了解いただければと思います。
【小縣分科会長】ありがとうございました。それでは、本当にきょうは充実した議論だったと思います。皆さん、ありがとうございました。
それでは、これにて閉会させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


―― 了 ――

お問合せ先

科学技術・学術政策局 人材政策課

(科学技術・学術政策局 人材政策課)

-- 登録:平成29年02月 --