平成24年12月25日(火曜日)午前10時00分~午前12時04分
文部科学省東館3階 3F2特別会議室
野間口分科会長、石田分科会長代理、柘植委員、山脇委員、内村委員、小林委員、斉藤委員、田尻委員、戸嶋委員、鳥養委員、中谷委員、西川委員、廣瀬委員、府川委員、福山委員、松嶋委員、吉永委員、和里田委員
斎藤基盤政策課長、吉田専門官ほか
関係者:日立製作所電力システム社原子力事業統括本部 林氏 関係機関:経済産業省、国土交通省、農林水産省、公益社団法人日本技術士会
午前10時00分開会
○野間口分科会長 皆様、おはようございます。ただいまから科学技術・学術審議会技術士分科会の第25回を開催いたします。大変お忙しい中、多数御出席いただきまして誠にありがとうございます。
まず初めに、基盤政策課長に異動がございましたので、御紹介いたします。斎藤課長でございます。
○斎藤基盤政策課長 皆様、おはようございます。斎藤と申します。急な異動でしたが、12月10日付で、前任の板倉課長の後を継ぎまして基盤政策課長に就任いたしました。よろしく御指導、お願いいたします。
板倉課長は内閣府に異動となり、原子力委員会の見直しという、また大変困難な業務を担当することになりまして、私が基盤政策課の業務を引き継ぐことになりました。直前はJSTの社会技術研究開発センターにいまして、この中の何人かの先生には当時から御世話になっておりますが、それ以前にも科学技術あるいは教育行政も経験いたしましたので、その経験を生かしながら、この技術士制度の改革にも取り組んでいきたいと思っております。引き続き、よろしく御指導のほど、お願いいたします。
○野間口分科会長 それでは、事務局から資料の確認をお願いします。
○小林係長 おはようございます。お手元の資料の御確認をお願いいたします。
配付資料につきましては、1から15までございます。順に確認をいただければと思います。参考資料につきましては1から4がございまして、1、委員名簿、参考資料2がデータでございます。参考資料3、IEAの翻訳でございます。参考資料4が前回の議事録でございます。おそろいでしょうか。
○野間口分科会長 ありがとうございます。
議事に入りたいと思いますが、その前に、本日は報道機関より冒頭のカメラ撮影を求められております。本分科会は公開としておりますので、御承知おきください。
それでは、議題1「平成24年度技術士試験の結果について」であります。事務局から、説明をお願いいたします。
○吉田専門官 平成24年度技術士試験の結果について、御報告いたします。
まず、資料1が第一次試験の結果でございます。
第一次試験につきましては、去る10月8日に12都道府県で実施いたしまして、1万881名の合格者を決定したところでございます。合格者につきましては、12月19日に官報公告等により公表しております。
次に、試験結果の概要でございます。
(1)の総表を御覧いただければと思います。受験者数1万7,188名、合格者数1万881名、合格率は63.3%で、昨年に比較いたしまして3倍程度の伸びとなっております。
(2)につきましては、機械部門から原子力部門までのそれぞれの合格者数、合格率を示しておりますので、後ほど御確認いただければと思います。
次の2ページ目、(3)、昭和59年度から平成24年度までの結果を掲載してございます。こちらにつきましても、後ほど御確認いただければと思います。
3ページ目、試験地別の試験結果、年代別の試験結果、勤務先別・最終学歴別の試験結果を掲載しております。これにつきましても、後ほど御確認いただければと思います。
次に、4ページ目につきましては、どういう受験のパターンがあったかを掲載したものでございます。最終的な合格率につきましては、右になります。一番右が平成23年度の合格率、その隣、右から2番目が平成24年度の合格率となります。右の欄の下の方にいきますと、23年度が21.4%、24年度が63.3%という合格率になっております。中身の詳細につきましては、こちらも後ほど御確認いただければと思います。
次に、5ページ目につきましては、年度別の合格率の推移をお示ししております。一番右が24年度の合格率でございます。昨年度に比べまして、大分伸びていることが読み取れる資料となっております。
次に、6ページ目につきましては、部門別の合格率をお示ししたものでございます。赤色で示したものが24年度の結果となっております。航空・宇宙と資源工学が80%を飛び抜けておりますけれども、おおむね60%を前後した結果となっていることが読み取れるかと思います。
簡単でございますが、以上で第一次試験の結果についての御報告でございます。
次に、資料2に移らせていただきます。第二次試験の結果でございます。
第二次試験につきましては、8月4日と5日に、こちらも12都道府県で筆記試験を行いまして、4,090名の合格者を決定しております。現在、口頭試験、面接試験を行っておりまして、最終的な合格者の発表は3月4日に官報他で行う予定にしておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、(1)試験結果の総表でございます。24年度は、受験者数2万4,848名、合格者数4,090名、合格率が16.5%で、前年度と比べまして若干、1ポイントほど下がっております。
次に、総合技術監理部門を除く技術部門は、受験者数2万1,194名、合格者数3,787名となっております。
総合技術監理部門は、受験者数が3,654名、合格者数303名で、昨年度と比べまして半数程度の合格者となっております。
次に、2ページ目、(4)、部門別の結果でございます。アにつきましては、総合技術監理部門を除く20の技術部門でございます。合計といたしまして、受験者数2万1,194名、合格者数3,787名、合格率17.9%となっております。20部門につきましては、前年度と比較いたしましても、合格率は遜色ないことが読み取れるかと思います。
総合技術監理部門につきましては、先ほど申し上げましたとおり、合格者数が303名でございます。前年度と比較いたしまして、合格率が17.6%から8.3%に下がっているところでございます。
次に、3ページにつきましても合格率の推移をお示ししたもので、一番右が24年度の結果でございます。パーセンテージは14%から20%までの間でお示ししておりますので、23年度と比較して、かなり急激に下がっているように見えますけれども、実際の変動は1ポイント程度になります。
次に、4ページ目は部門別の合格率をお示ししたものでございます。こちらにつきましても、赤いグラフが24年度の結果となっております。飛び抜けて高い生物工学のような部門もございますけれども、おおむねばらつきが少ないところが読み取れるのではないかと思っております。
以上で、平成24年度の試験結果についての御報告を終わらせていただきます。
引き続きまして、平成25年度の試験実施大綱について、御説明の上、御審議、決定いただければと思います。御審議は、試験の関係をすべて御報告した後で行っていただければと思います。よろしくお願いいたします。
まず、資料3、第一次試験の実施大綱でございます。
一次試験につきましては、共通科目を廃止することが一つの大きな改正のポイントとなっております。共通科目を廃止したことに伴いまして、文言を昨年度から修正させていただいております。
1の(2)、試験科目につきましては、4科目が3科目になります。
基礎科目で問う内容につきまして、平成25年度からは技術連関に変わり環境・エネルギー・技術に関するものについて問うこととさせていただければと思っております。
基礎科目と専門科目の試験の程度につきましては、4年制大学の自然科学系学部の専門教育程度の難易度としていただければと思っております。
次に、2番、一次試験の試験方法に移らせていただきます。
1試験の方法は択一ですので、変更はございません。
2試験問題の種類と解答時間は、次のとおりでございます。基礎科目につきましては1時間、適性科目につきましては1時間、専門科目につきましては2時間でございます。
3につきましては、従来、計算尺の記載がございましたが、最近、計算尺の使用はありませんので整理させていただきました。
配点につきましては、共通科目を廃止いたしましたので、専門科目が3となります。
1枚めくっていただきまして、新旧対照表になっておりますけれども、こちらは6月の分科会で御審議、御決定いただいたものとなっております。これに基づきまして、ただいま御説明いたしました試験大綱を作成しております。よろしくお願いいたします。
次に、資料4、第二次試験の実施大綱でございます。
二次試験につきましては、20部門の必須科目が記述式から択一式に変更になること、筆記試験の合格者にこれまで課しておりました技術的体験論文を廃止することが大きな改正のポイントとなります。
大綱の説明をさせていただきます。
1、試験の実施、(1)につきましては、変更はございません。
(2)につきまして、20部門につきましては、新たに選択科目に関する課題解決能力を問うものが新設されますので、この整理をあわせて行っております。試験につきましては、総監を除く20部門の必須科目につきましては「技術部門」全般にわたる専門知識、選択科目につきましては「選択科目」に関する専門知識及び応用能力、並びに新設の課題解決能力を問うものとなります。
総合技術監理部門につきましては、変更はございません。
筆記試験及び口頭試験を通じて、問題作成、採点、合否判定に関する基本的な方針や考え方は統一するようにお願いしたいと思います。
次に、試験方法でございます。
筆記試験につきまして、20部門の必須科目については、先ほど御説明したとおり、平成25年度から択一式に変更になります。
総監につきましては、変更はございません。
2の筆記試験の問題の種類及び解答時間は、次のとおりとなります。20部門の必須科目、「技術部門」全般にわたる専門知識が1時間30分、従来からの選択科目、「選択科目」に関する専門知識及び応用能力につきましては2時間、新設の課題解決能力を問う試験につきましても、2時間とさせていただきたいと思います。
次に、2ページ目、総合技術監理部門の必須科目につきましては、変更ございません。択一式につきましては2時間、記述式につきましては3時間30分となります。選択科目につきましては、20部門の試験科目と同じ内容になりますので、説明は省略させていただきます。
次に、3につきましては変更ございません。
(2)口頭試験につきまして、これまで筆記試験合格者に提出を求めておりました技術的体験論文は25年度から廃止となり、それにかわりまして受験申込時に提出いただく業務経歴票になりますので、それに関して修正させていただきました。論文に関する部分を削除いたしまして、業務経歴票に係るものを追加し、併せて筆記試験の答案も使うことを追加しております。
「口頭試験は、技術士としての適格性を判定することに主眼をおき、筆記試験における答案(総合技術監理部門を除く技術部門については、課題解決能力を問うもの)及び業務経歴を踏まえ実施するものとし、筆記試験の繰り返しにならないように留意する」ということでございます。
3につきまして、これまで口頭試験は45分で実施しておりましたが、20分に短くするという変更を御決定いただいておりますので、20分とさせていただきました。ただし、試験時間は10分程度延長することを可能としまして、受験者の能力を十分確認できるように留意していただければと思っております。
次に、3ページに移らせていただきます。総合技術監理部門の口頭試験の時間も、20部門と同じく20分になりますので、そのように修正しております。
次に、(3)配点でございます。
まず、20部門の筆記試験につきましては、必須科目が30点、選択科目は、従来の選択科目と新しい課題解決能力を問う選択科目の2種類ございますけれども、トータルといたしまして80点満点とさせていただきたいと思います。それぞれ目安といたしまして、これまでの選択科目は40点、新しい選択科目、課題解決能力につきましては40点とさせていただければと思っております。
総監につきましては、変更はございません。必須科目の択一式が50点、記述式が50点、選択科目につきましては、20部門と同じ内容になりますので、説明は省略させていただきたいと思います。
口頭試験につきまして、御説明いたします。
20部門の口頭試験は、受験者の技術的体験を中心とする経歴の内容及び応用能力を問う問題としまして、経歴及び応用能力が60点、技術士としての適格性及び一般的知識としまして、技術者倫理が20点、技術士制度の認識その他が20点とさせていただきたいと思います。
次に、4ページにつきましては、総監部門の口頭試験でございます。総合技術監理部門の必須科目に関する技術士として必要な専門知識及び応用能力につきまして、体系的専門知識が40点、経歴及び応用能力については60点とさせていただきます。選択科目につきましては、20部門と同じ内容になっておりますので、省略させていただきます。
5ページ目、受験資格は変更ございません。
次に、6ページ目につきましては、6月の分科会において御審議いただいたものから、試験部会等で御議論いただき、先ほど説明をさせていただきましたとおり時間と配点につきまして修正させていただきました。
20部門の必須科目につきましては、6月の分科会では15点満点となっておりましたが、これを30点とさせていただいております。選択科目につきましては、それぞれ独立して50点満点とさせていただいておりましたが、総合的に判定させていただくことから、トータルといたしまして80点満点、それぞれの目安として40点、40点とさせていただければと思っております。
総合技術監理部門につきましては、変更ございません。
7ページ目は口頭試験でございます。20部門の配点につきまして、1は6月の時点で40点でございましたが、これを60点に、2、3につきましては、それぞれ10点ずつであったものを20点にさせていただければと思っております。この変更の観点として、筆記試験につきましては、時間配分と配点のバランスを考慮いたしまして、このようにさせていただければと思っております。口頭試験につきましては、筆記試験とのバランスを考慮いたしまして、60点、20点、20点とさせていただければと思っております。
総合技術監理部門につきましては、試問事項1つで60点となっておりましたが、体系的専門知識と経歴及び応用能力をそれぞれ確認するということで、専門知識につきましては40点、経歴及び応用能力につきましては60点とさせていただきたいと思っております。
以上で、第二次試験の大綱についての御説明を終わります。
次に、資料5、平成25年度第一次試験の実施について、御報告いたします。こちらにつきましては、去る11月14日の試験部会におきまして御審議いただいており、まだ試験実施大綱を御決定いただいていない段階でございますけれども、この方向で進めさせていただければと思っているものでございます。
1及び2につきましては、変更ございません。
3につきましては、先ほど試験実施大綱のところで説明いたしましたとおり、共通科目が廃止になることからの修正でございます。共通科目を廃止するに伴いまして、これまで免除になっていたもののほとんどが対象から外れますけれども、平成14年度以前に第一次試験の合格を経ずに第二次試験に合格している方につきましては、なお引き続き試験の一部が免除されることとなります。これは、施行規則第6条に基づいた免除でございます。
次に、4の試験の日時等につきましては、日時の変更のみでございますので、省略させていただきます。
5以下、次のページにつきましても、日時等の変更でございますので、省略させていただければと思います。
以上で、第一次試験の実施についての御報告を終わります。
次に、資料6、平成25年度第二次試験の実施について、御報告させていただきます。こちらにつきましても、11月14日に開催いたしました試験部会で御審議いただいたものでございます。
第二次試験につきましては、大きな変更はございません。主に日時の変更でございます。ただし、先ほど大綱で説明しましたとおり、2ページ目の5、受験申込書類につきまして、技術的体験論文が廃止され、これにかわり受験申込時に詳しい業務経歴票を提出いただくことになりますので、その修正でございます。変更前は「業務経歴書」でございましたけれども、「業務経歴票」に修正となります。
以上で、資料6についての説明を終わります。
次に、資料7、平成25年度の試験委員の推薦方針でございます。こちらにつきましても、試験部会で御審議いただいたものでございます。
第一次試験、第二次試験ともに試験内容等に大幅な変更がございましたけれども、こちらにつきましては従来と変更ございません。試験委員の推薦につきましては、この方針に基づきまして、試験部会の専門委員の皆様から御推薦いただくことになっております。
以上、資料7の御報告を終わらせていただきます。
次に、資料8、平成25年度第一次試験の試験委員の推薦時期及び推薦数でございます。こちらにつきましても、試験部会で御審議いただいております。
推薦方針は変更がございませんので、変更点としては、年度の更新のみでございます。
次に2ページ目、推薦していただく委員の数に変更がございます。共通科目が廃止されますので、共通科目につきましては平成25年度の試験からは御推薦いただく必要がなくなることが大きな変更点になります。
次に、試験委員の候補者名簿でございます。こちらも様式としては変更ございませんが、様式の裏面に留意事項が書いてございまして、アンダーラインのところに御注意いただいて推薦いただきたいという趣旨でございます。最後の8番目に推薦の締切が平成24年12月20日となっておりますが、今後の日程等の関係でこのようにさせていただいておりますけれども、御了承いただければと思っております。
以上で、資料8の御報告を終わらせていただきます。
資料9、第二次試験の試験委員の推薦時期と推薦数でございます。こちらも、同じく試験部会で御審議いただいております。
基本的に、平成24年度の推薦時期、推薦数と変更はございません。
ただし、推薦時期につきましては、20部門の試験委員総会が来年2月上旬にございますので、締切等につきましては、先ほど第一次試験で御報告したとおりでございます。
20部門の試験委員総会が2月上旬、総監部門につきましては3月上旬となっております。これによりまして、問題の作成期間は、20部門については3カ月間程度、総監部門については2カ月程度、確保することができると考えております。
以上で、第二次試験の試験委員の推薦時期と推薦数につきまして、御報告いたしました。
次に、3ページ目以降につきましては、択一式試験が導入されることになりますので、それぞれの部門で審査委員を御推薦いただくことになっております。3ページから5ページまでが、その表になっております。
最後に、後ろ2枚につきましては、試験委員の候補者の推薦名簿となっております。同じく裏面に留意事項が記載されておりますけれども、推薦の締切が12月20日となっておりますけれども、御了承いただければと思います。
以上、簡単でございますが、資料9の御説明、御報告を終わらせていただきます。
資料10につきましては、平成25年度の技術士試験の流れを記載しております。これにつきましては、後ほど御確認いただければと思っております。
以上、議題1から6までにつきまして御報告させていただきました。よろしくお願いいたします。
○野間口分科会長 議題1から6まで、試験にかかわることですので、通して説明いただきましたけれども、御質問、御意見等がございましたら伺いたいと思います。今回、少々、変更点がございますけれども、議論を重ねてきた点ではございます。戸嶋委員。
○戸嶋委員 資料1について、前年度、21%であった一次試験の合格率が63.3%になったことに関しましては、議論を重ねてきた結果、事務局が大変御尽力されて、非常に幅広く有為な人材を集めようと、一次試験の門戸を広げて、二次試験を受ける人が多くなって、裾野が広がるようにしようという意図で、非常にいい結果になった、喜ばしいことだと思っております。
あわせまして、二次試験のうち、これも結果的には非常にいい状況ではないかと思っておるんですけれども、総合技術監理部門を除く技術部門につきましては安定した合格率で、総合技術監理部門については若干、厳しくということになった。これも多分、皆さんの意図しておられるところと非常に合致しているんじゃないかと思っておりますが、この辺について、もし何か背景があれば、教えていただければありがたいと思います。以上です。
○野間口分科会長 事務局、いかがでしょうか。
○吉田専門官 ただいまの御指摘で、総合技術監理部門につきましては、試験委員の先生から技術体系としてなかなかバックボーンがないという御指摘がありまして、新しい、これまでにないようなものを出題すると、こういう傾向になるんだという御説明を受けております。したがって、今、先生の御指摘のとおりのことではないかと思っております。
○戸嶋委員 ありがとうございます。
○野間口分科会長 石田分科会長代理、試験にかかわる流れに取り組んでいただいております。コメントをお願いいたします。
○石田分科会長代理 大事な点だと思います。全体で戸嶋委員がおっしゃるような傾向だと思います。一次試験はなるべく門戸を広くする、二次試験はしかるべきところでぴしっと押さえて対応していく、そうしながらも、当然、それにふさわしい人をなるべくきちんと選んでいくということだと思います。そういう意味では、結果として、この試験結果は大体、意図した方向には行っておると考えておるところでございます。
それから、ただいま全体を御説明いただきました中にありましたように、資料3及び資料4の試験実施大綱はここでお決めいただくものであり、実際、試験部会では、本来、大綱が決まったことに応じて資料5、資料6以下を決めるべきところであるわけでございますけれども、試験部会は非常に大きな部会であるものですから、頻繁に開くことが非常に難しいことがございますので、ここで大綱を御了承いただけるという前提に試験部会で決めさせていただきました。今ほど御説明がありましたように、一部、締切がもう来ておるわけでございますけれども、全体で1年サイクルで試験をやっておるということの結果、そうならざるを得なかったということで御承知賜れば幸いでございます。以上でございます。
○野間口分科会長 どうぞ。
○内村委員 先ほどの戸嶋委員の御意見に対しまして、私としても、皆様の御議論の結果、このように改善されたことは大変望ましいことだと思っております。一次試験の結果が5ページにありますような推移をたどっておるわけですが、このグラフを見て、国家試験として、合格率がこのように変動するのは大変望ましくないことだと思っておりますので、平成25年度以降も安定的に合格率が確保されるように、日本技術士会としても努力をしていきたいと思っています。
総合技術監理部門につきましては、後ほどの御意見でもありましたけれども、総合技術監理部門がどうあるべきかということによって技術体系が決まっていく、その中で合格率等も議論されるべきものだろうと思っております。
以上でございます。
○野間口分科会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
○和里田委員 平成25年度から試験の内容が変わるということで御説明いただきましたが、特に二次試験で、これまでの技術的体験論文を書かないかわりに問題解決能力の論文が課されることになるわけでありまして、それをこれから受ける受験生としては心理的な負担がいろいろあると思います。それに対して、試験のお知らせをする中で工夫するなり、お願いしたいということは試験部会でお話しさせていただいたんですけれども、具体的にどのような手が打たれるようになるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○野間口分科会長 では、吉田専門官。
○吉田専門官 事務局から説明させていただきます。
試験の方法が変わることにつきまして、問題の作成方針等を事前にPRした方がよいのではないかという御指摘をいただきまして、去る12月6日に、池田委員のもとで制度検討特別委員会を開催させていただき、来年度の問題作成方針等を議論させていただきました。この分科会で大綱を御決定いただいた上で、来年早々に日本技術士会のホームページでそのようなものをアップしていきたいと思っております。以上でございます。
○野間口分科会長 ほかによろしいでしょうか。はい、どうぞ。
○吉永委員 今の議論とちょっと変わるかもしれませんけれども、資料1で、全体的に申込者数が減ってきているんですよね。15年度に比べて、今、3分の1ぐらいですか。やはり、ここが問題なのかと。資料1の最後から2枚目にこの10年ほどの申込者数と合格者数がいろいろ書いてありますけれども、だんだん減ってきているというのを、これからいろいろ考えていかなくてはいけないと思います。
○野間口分科会長 どうぞ、吉田専門官。
○吉田専門官 今、いただいた吉永委員の御指摘につきましては、これから技術士制度のあり方について検討していく中で、魅力ある技術士制度、どのような方向に進めていくのかを御議論いただき、それを踏まえて試験制度のあり方等を検討していくものかと思っております。
○吉永委員 この場では結論が出ないのはわかってはいるんですけれども、先ほどの資料1の中でも明らかにはっきりわかるのは、建設部門が合格者数あるいは受験生の約半分を占めていて、各部門の合格率は置いておきまして、全体のところがここで決まってくる可能性があると思うんですね。去年と比べると、この辺がかなり変動が激しいのかと思いながら、社会的背景等があって、がくんと建設部門の数値が下がっているから全体的な受験生数等も落ちてきているのかということも含めて、もう一度、これから受験申込者数をどういうふうに増やしていくかを考えていかないといけないんだと思っております。
○野間口分科会長 ありがとうございます。
今までの議論は、大変貴重な御意見、御指摘、御質問をいただいたと思います。次に進む前に、斎藤課長から何かございませんか。
○斎藤基盤政策課長 着任したばかりで、今、提案事項の引き継ぎを受け、これからいろいろと事務局で考えていこうという段階ですけれども、いずれにしても、これからどういった制度改革を進めていくか、次回の会合にかけて十分御議論いただきまして、それを次の制度改正にぜひ繋げていきたいと考えてございます。貴重な御意見として受けとめさせていただきたいと思っております。
○野間口分科会長 ありがとうございます。
技術士制度の定着、技術士の地位の向上といいますか、よりよい技術士を確保するための試験制度の改革等、いろいろ取り組んでいただきまして、その一つの形として、こういった形に提案といいますか構想が成り立ったと、分科会長としては考えております。議題6までの御審議いただく件、報告事項、よろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
○野間口分科会長 ありがとうございました。
それでは、技術士制度は社会の中でも大変重要な存在だと我々は思っているわけですけれども、そのあり方につきましては、まだまだいろいろと向上を図っていく余地があるかと思っておりまして、技術士制度のあり方という議論をさせていただきたいと思います。これが議題7でございます。
これまでも、6月、9月、11月の分科会におきまして、委員及び有識者の方々より技術士制度の現状と課題等について御説明いただき、意見交換をしてまいりました。本日は、委員と企業の方から技術士制度に関係して様々なテーマで御説明いただきながら、「今後の技術士制度の在り方に関する論点整理」をまとめていきたいと思います。
まず、事務局から、資料11、12を使って説明をお願いします。
○小林係長 御説明いたします。
まず、資料11につきましては、第22回から第24回まで、3回の分科会における御発言をもとに、論点を列挙したものでございます。前回の御発言をもとに追加した箇所につきましては、下線を施しております。
前回は11月5日に開催いたしましたけれども、そこでは、東芝の西田委員より、企業における技術者・技術士の現状・課題等について御説明いただきまして、その後、日本コンサルティング・エンジニア協会の山下事務局長より、海外プロジェクトにおける日本人技術者の現状と課題を御説明いただきました。さらに、経済産業省より、技術士制度に関する企業ヒアリングの結果についてもお話しいただきました。これらの説明を踏まえまして、追加した箇所は下線のとおりでございます。
1ページ目の下のほうにポツを2つ付けておりますけれども、現在のビジネス環境では、技術者は専門分野の技術力のみならず、周辺技術、関係法令等、多種多様な知識・技量が求められているという御意見がございました。
一番下のポツでは、社会インフラ系やコンシューマ系という言葉もございましたけれども、ものづくりの過程の中で、例えばデザインレビューというプロセスで、事業の計画等の妥当性を評価し事業を継続するために客観的に判断しなければならない場面で技術士が活躍するべきではないかという御発言がございました。
2ページ目に移りますと、現在の技術士につきましては、「科学技術の向上と国民経済の発展に寄与することを目的としている」とございますけれども、公益確保を積極的に図ることも目的の一つとすべきではないか、また、技術者としての使命感・品格を持った者という資格にするべきではないかという御意見がございました。
2ページ目の下、CPDについても御発言がございました。技術士の資質の向上を図るために、CPDの内容や質だけでなく、実施主体等を含めましてあり方を検討する必要があるという御指摘でございます。
3ページについては、一番下にJABEEについての御発言がございました。先ほどの資料2でも数字が掲載されておりますけれども、今年度の技術士第二次試験の受験申込者2万8,000人弱のうち、JABEE認定課程の修了者につきましては891人というデータがございまして、JABEEの認定が評価されていないという御指摘もあるのではないかということでございました。JABEEの認定と技術士制度のあり方、活用についての御発言と受けとめております。これらが資料11でございます。
資料12につきましては、これまでの議論に基づきまして、「今後の技術士制度の在り方に関する論点整理(案)」を、事務局として作成させていただいたものでございます。簡単に説明させていただきます。後ほど、御意見等を頂戴したいと思います。
まず、1ページ目「はじめに」では、本分科会としましては、「技術士制度の在り方について、時代の要請に合わせた見直しに向けた検討を開始した」と書かせていただいております。平成12年の技術士法改正後、既に10年、経過しておりますが、中段にございますポツ3つ「産業構造や技術者と技術士制度との間でミスマッチが生じていないか」等の問題意識をもとに、技術士制度のあり方の見直しに向けて検討することとしております。
これまでの議論を踏まえまして、2ページ目以降で技術士制度の問題点を整理し、これらの改善を図るために、今後、必要な検討課題や論点をまとめて書かせていただいております。こちらにつきましては、今期1月末までの任期以降の2月からの次期分科会において、この論点等を出発点としまして、産業界の幅広い意見を聴取しながら、論点ごとに詳細な検討を行っていきたいと書かせていただいております。
本資料の構成につきましては、2ページ目以降、問題点を1から8と挙げさせていただいております。それぞれにおいて、白丸で本分科会での委員の主な意見をまとめておりまして、黒丸で今後の検討課題・論点等を記載しております。
まず、問題点1は、「技術士に求められる資質能力」と書かせていただいています。技術士法においては、御覧のとおり、「高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計等の業務を行う者」と定義されておりますけれども、技術士に求められている資質能力がますます高度化、多様化している現在の状況におきまして、業務を履行するために必要な資質能力の基本的な要素が――事務局ではこれまでコアコンピテンシーという言い方をさせていただいておりますけれども、明確になっていない、明示されていないという問題点があろうかと思います。産業界が求めている技術士のコアコンピテンシーも明確に把握できていないという問題点も挙げることができると思っております。
これらについて、分科会におきましては、例えば1つ目の白丸に、企業が直面している当面及び将来的課題に対応できる人材の確保が必須である。このようなニーズに対して、今の技術部門だけの狭い範囲の知識だけでは十分ではない。広い範囲の知識と見識を持って、変化する社会ニーズに対応することが求められているという御意見を入れさせていただいております。
3つ目の白丸では、科学技術を応用する製品の開発・製造・販売・サービス等を生業とする企業の技術者は、広い分野の知識と見識を有することが求められているという御意見。
その下では、技術士が「実力ある技術者」のキャリアモデルとなり、より多くの技術者を先導すべきである。正解のある問題を解けるだけの人材ではなく、実社会で遭遇する課題に適切に対応できることに加え、知識のみならず、倫理力、コミュニケーション力、継続的研鑽能力等を有する人材であるべきだという御意見。
また、下の方の白丸では、技術者のキャリア形成を描きながら、この資格を、例えば「運転免許証」のように、業務の「スタート地点」であると位置付けるべきだという意見もいただいております。
3ページ目に移ります。これらのことを含めまして、以下の黒丸のとおり書かせていただいております。
例えば、専門技術のみならず、技術横断的に広く課題を把握し解決できる能力を兼ね備えた者である等、産業界が求めている技術者・技術士というのは、どのような資質能力等を有する者かというコアコンピテンシーを明確にする必要がある。これが一つ大きな課題だと考えております。
このためには、産業界のあらゆる業種の方々から御意見をお聞きし、それを踏まえて技術士の現状と課題、又は技術士制度の現状認識等を調査し、コアコンピテンシーを把握することが必要ではないか。これにつきましては、今後、丁寧な作業と検討が求められているのではないかと、考えております。
4ページ目、問題点2「技術士試験」のところにつきましては、今、一次、二次の大綱の話がございましたけれども、受験者の年齢を見てみますと、昨年度の第一次試験につきましては36歳、第二次試験につきましては42歳と、やはりほかの国家試験に比べて年齢が高いのではないかという御指摘もございます。また、第二次試験につきましては、第一次試験に合格して技術士補の資格と所要の実務経験を有することを受験要件としておりますので、それが受験者にとって負担になっているという御意見もございました。
分科会での主な意見では、今、申したことのほかに、「知識を問う問題の比重が非常に高い」といった御意見がございました。
論点としましては、問題点1でコアコンピテンシーの話がございますので、まずそれをきちんと踏まえた上で、技術士試験の内容や方法等を検討してはどうかと書かせていただいております。
また、受験年齢の若年化を図るための方策を検討することや、受験者の負担を考慮した上で、例えば第一次試験や技術士補という資格、所要の実務経験の必要性を含めて、今後、検討していってはどうか。
また、平成25年度以降の技術士試験が変わってきますので、その出題傾向や受験者の動向等にも留意した上で、技術者のキャリア形成、企業における技術人材育成等の観点から、試験の内容や方法等を検討していってはどうかと書かせていただいております。
5ページ目では、問題点3「総合技術監理部門」につきまして、その位置付け、あり方を見直してはどうかということでございます。
6ページ目は、総監のあり方の議論と連動しまして、今ある21の技術部門、96ある選択科目について、時代のニーズに見合ったものに見直していくという議論が今年6月にございましたけれども、それを今後、進めていこうと考えております。ただ、主な意見の中では、現在の技術部門・選択科目が適切、技術伝承が必要な部門については維持すべきという現状維持、又は選択科目を増やすことも必要ではないかという御意見もありましたので、ここは並行して、今後議論する必要があるのではないかと考えております。
7ページ目、問題点5のCPDのところにつきましては、前回の分科会で御議論がありましたように、具体的な取組内容に関する議論が不十分であったのではないかということで、今後、その内容、質、また高等教育機関も含めた実施主体につきまして、どうあるべきかを論点の一つとして挙げてはどうかと書かせていただいております。
8ページ目の問題点6「普及拡大・活用促進」のところは、御案内のとおり、一部の業務資格取得上の特典はあるものの、基本的には名称独占資格であり、一部の分野以外では活用が進んでいない状況がございます。
こちらにつきましても、今後の論点のところで、技術士資格が個人に求められる資質能力を修得していることの公証力を有するものという位置付けをきちんと再確認することがまずあるべきではないか。その上で「運転免許証」のように、業務のスタート地点という位置付けとして、企業の人材育成等で活用を図るべきではないかという点がございます。また、名称独占資格の性格を維持しつつも、公的活用の範囲拡大を図るべきではないかという方向性で、今後検討してはどうかということでございます。
9ページ目、問題点7「国際的通用性」のところにつきましては、これまでの資料でもつけさせていただいておりますIEA、国際エンジニアリング連合が示す「専門職としての知識・能力」(プロフェッショナル・コンピテンシー)をどうやって技術士制度に落とし込んでいくか、活用していくかという点が重要な論点になってこようかと思いますので、今後、その点を重点的に検討していってはどうかということでございます。
10ページの問題点8「大学教育との連携」でございます。現行制度では、技術士第一次試験の合格とJABEEの認定課程の修了が同等だということを制度的に設けておりまして、この制度自体それでいいのか、そもそも大学教育も含めて、技術者教育の段階から技術士資格付与、その後のCPDまでの一貫した整合性のある技術者のキャリアデザイン、キャリア形成について、今後、検討してはどうかということで、このように書かせていただいております。
以上、問題点1から8、それぞれ説明させていただきました。今後、御意見を頂戴しながら、中身を充実したものにしていただきたいと思っております。以上です。
○野間口分科会長 それでは、今日は、3名の先生方に御説明を賜りたいと思っております。
「東日本大震災と原発事故に学ぶ技術士の社会的使命」につきまして、柘植委員より御説明をいただきます。
柘植委員におかれましては、三菱重工業株式会社の代表取締役、常務取締役技術本部長、それから総合科学技術会議議員、芝浦工業大学学長を歴任され、現在は公益社団法人日本工学会の会長でいらっしゃいます。また、科学技術・学術審議会では、人材委員会の主査を務めておられます。当分科会では、9月より議論に参加いただいております。
それでは、柘植委員、御説明よろしくお願いします。
○柘植委員 ありがとうございます。柘植でございます。資料13を見て、今、スライド、スクリーンが出てきますので、資料13で始めさせていただきたいと思います。
今日、この「東日本大震災と原発事故に学ぶ技術士の社会的使命」としまして、少し技術士という制度を俯瞰的に、表紙にありますような3つの論点でお話ししたいと思います。
まず、2ページを開いていただきたいんですけれども、論点1が「我が国の危機的様相と技術士の使命」ということを書いてあります。1.に書きましたように、まず脆弱な社会経済的体質になっているということは、もう言うまでもないわけですが、2.に書きましたように、教育面においても、科学技術分野の人材育成、私も科学技術・学術審議会の人材委員会の主査を仰せつかっておりますが、やはり初等・中等・高等教育全体にわたって劣化しているということ、負のスパイラル構造と言っても過言ではない状況であります。
3.に書きましたように、まさに国自身が1,000兆円を超える財政赤字の健全化に向けた、まさにイノベーション政策の実行しかないわけですけれども、この持続可能なイノベーション牽引エンジンの設計と、その司令塔機能が不備であるということ。そこに輪をかけまして、東日本大震災と原発事故による国力の減衰ということで、まさに第三の国難であると、重大危機である。
一方、3ページを見ていただきますと、このイノベーションの創出人材の弱体化ということを言わざるを得ません。まさに従来の縦割り型学術ディシプリンの枠にはめられた教育・研究、これに重きを置く余りに、科学技術的知を創造・活用して、社会・経済的価値を創造する、こういうイノベーション創出の視点からの教育が決定的に欠けております。まさに工学教育・研究の欠陥と言っても過言ではないと思います。
6.に書きましたように、特にイノベーションプロセスに不可欠な実務型のB型。後ほど触れますが、B型の基盤人材と、これも後ほど説明しますが、Σ型統合能力人材、この育成のメカニズムが崩壊していると言えます。この復元が、社会における工学・技術者のリーダーたる技術士の使命であると私は思います。
先に進ませていただきますと、次に論点の2でございますが、「国民の科学技術に対する信頼喪失」。これが科学技術創造立国の危機からの復元の要だと思います。
御存じのとおり、この文部科学省の調査によりますと、表題に書きましたように、技術者の話は信頼できるかということでありますけれども、震災前と震災後、このように変わっております。震災前では、「信頼できる」「どちらかというと信頼できる」というのを合わせて87%だったのが、52%まで減ってしまっている。私が非常に深刻だと思いますのは、むしろ「わからない」と答えられた方が10%以下だったものが、震災後は28%になってしまっているということであります。
この事故調査・検証活動から学ぶことと課題についてですけども、私の意見だけではないと思うんですけども、福島第一原発の真の原因は、科学技術そのものの限界や信頼性の問題ではないと。科学技術を社会へ適用する、これを「社会技術化」と名前をつけますが、その使命を持つ技術者・経営者の個人とか組織が行う行為だと、その信頼性の問題であるということであります。人災と言っても過言ではないんじゃないか。技術士・技術経営者は、このことを社会に発信して、もっと理解を得る使命があると私は思います。これなしには、社会からの技術への信頼の回復は得られないと思います。
論点の3番に移りますが、「工学の原点回帰」ということであります。このロゴは、私が3月まで学長をしていました芝浦工業大学の「工」という大学のロゴでございますけれども、エンジニアリング、工学の工という字を図案化したものであります。私も学びました。第1画目は天をあらわすそうでありまして、第3画目は地をあらわしました。そして、真ん中の縦、第2画目は人をあらわして、工学というものは天と地の空間において人が価値あるものを生み出す営みであると。まさに今流に言えば、社会経済的価値の創造、イノベーションであると思いますが、そういう意味で、社会のための技術士の原点回帰というのも、やはりこのロゴでも象徴されると思います。
その中で、少し踏み込んでみますと、社会のための科学としての工学のミッションでありますけれども、日本学術会議は、この科学の定義を、そのチャーターにおいて、「人類が共有する学術的な知識と技術の体系」と位置付けております。当然、工学は科学の中に入っているわけですけれども、それで大きく分けると2つ分けております。1つは、認識科学というもので、「あるものの探求」でございます。まさにピュアサイエンスは、このカテゴリーだと思いますが、当然、知の総量が増加するに伴い、必然的に細分化の道を辿ることでありますが、一方、設計科学というものを定義しておりまして、これは「あるべきものの探求」とします。これはまさに「持続可能なイノベーション創出のミッション」そのものが、この設計科学と言えると思います。
工学のミッションというのは、認識科学に立脚した設計科学であると、今まで我々、私自身もそう思って、それを教育と研究、社会貢献の場で実践してきたんですが、今回の大震災を経て、新たな命題が「工学は、認識科学に立脚した設計科学だけで社会的使命を果たせるか?」ということを、今、私もいろんな学会の仲間と議論をしております。それを少し、未成熟ですけれども、開陳したいと思います。
まさに工学の社会的使命の再認識であります。今申し上げたことを少しビジュアライズしてみますと、X軸に先ほど申し上げた認識科学、まさに「あるものの探求」ということ、そしてY軸に設計科学、まさに「課題解決型研究」でございます。従来はこのA点で工学の教育・研究のドメインをしていたんではないか。やはり今度の大震災、原発事故を踏まえて、このZ軸というものも工学の社会的使命として再認識せねばならないのではないかということであります。これを縦軸を「技術の社会技術化科学」と名前をつけました。別な表現しますと、「設計科学が創るシステムの社会受容に向けた科学」と言えると思います。
やはり、このB点ですね。これがやはり本来の工学研究・教育・社会貢献のドメインであるべきじゃないかというのが、この工学の社会的使命の再認識の提案であります。
例えば、設計科学と社会技術化科学の重要視点でありますけれども、技術者の視座からの設計科学と社会の受容の視座からの社会技術化科学の両輪、イノベーション創出としては、これが不可欠であると。まさに社会の工学の、社会のための工学の原点ではないかと。
例えばですけれども、設計科学の深掘りをすると。これは確率論的に考えてもよい失敗。失敗に学ぶということがありますが、確率は低いけども、社会的価値観からは絶対に犯してはならない失敗というものもある。これをやはり峻別して考えて、社会システムの創成と設計基準、運用基準に実践することも重要な視点ではないでしょうか。
同じように、設計科学と社会技術科学の重要視点としては、多重性を持たせた重大事故防止の設計科学の深化。同時に、その設計の残余のリスクを社会に説明する責任もあると思います。同時に、残余のリスクを回避した場合ですね。社会が残余のリスクを回避した場合に、他の選択肢が持つリスクの説明責任も持つと思います。脱原発、原発依存のリスクと脱原発、こういう議論が一つの例だと思いますが、もう一つの重要視点は、社会システムとしての稼働後に新知見が出てきたら、その新知見のバックフィットに対する社会的責任感を工学教育段階でも教える必要があると思います。そして当然、それを犯した場合に対する社会的制裁の文化つくりということも、この設計科学、社会技術化科学のミッションだと思います。そういう意味で、技術者倫理のパラダイムと言ってもいいんじゃないかと思うんです。拡大と、それを社会にコミットメントすることが必要だと思います。
少し、今申し上げたことをビジュアライズしてみますと、「拡散する工学が社会的使命を果たすために」ということで、まさに今、21世紀のフロントランナー型のイノベーションということを我々言っておりますが、20世紀のキャッチアップ型に比べますと、このフロントランナー型で築かねばならないイノベーションも、ますます巨大・複雑化していると思います。まさに個別の先端科学技術と、その統合化能力の両方の能力と人材が不可欠である。これはこのピラミッドでいいますと、個別の先端科学技術というのは、この一つ一つの白いこまでありまして、これは非常に大事であります。技術士制度でいいますと、各専門分野になると思いますが、しかし、同時に、この巨大な複雑化するイノベーションというのは、縦と横に統合化しなければ、社会経済的な価値が生まれないというわけでありまして、学術としての細分化と社会のための統合化の両立ということが、我々、特に工学は求められています。そういう意味での人材育成と教育にも、この両面の実践が急務であると考えます。
どういう人材が必要かと。今の巨大・複雑化する社会経済システムをつくる能力を支えてくれる人材を大きく分けると、私はこの4つのタイプがあるんではないかと思います。左は世界をリードするイノベーションで、今申し上げたことでありますけれども、順不同でいいんですけれども、通称Differentiator、差異化技術といいますが、この差異化技術を生み出してくれる人材、これはどちらかというと認識科学指向の人材だと思います。Type-D型と私は名前付けております。
一方、今まで不可能だったものを可能にするという可能化技術、Enabler Technology、これを創造してくれる認識科学と設計科学の融合指向、このType-E型という人材を名前付けました。
さらに、この幅広い基礎技術と基盤技術・技能を有する人材、設計科学指向の人材だと思いますが、私はこれを基盤ということで、Type-B型という人材と。
さらに忘れてはならないのは、Type-Σ型人材ということを私は提案したいと思います。これは知の結合によって社会的経済的価値の創造をする人材であります。言い換えれば、イノベーション、巨大なイノベーション構造の縦と横を統合して、本当に社会的な価値、経済的な価値につくり上げてくれるリーダー的人材であります。これは認識科学に立脚した設計科学指向の人材でありまして、私の理解といいますか、思いは、技術士というのはType-Bの素材は当然持つ。しかし、同時にType-Σ人材でもあるべきだと思います。このあたりが今後の技術士制度の改革の方向ではないかと私は思います。
Σ型人材についても、こういうビジュアライズして、私は芝浦工業大学の大学院教育の実質化に挑戦してきました。まさに科学技術革新を統合して、イノベーション創出をリードする人材である。大きく分けると、今日は時間がないんですけれども、21世紀の新リベラルアーツの素養ということがまずベースになっておりまして、そして、ある程度幅広い工学的な能力と、その工学を社会経済的価値化するというものを技術経営能力、そして、もう一つ非常に大事な話は、メタ・ナショナル能力ということを、これはアメリカのビジネスの用語ですけれども、私はこのΣ型統合能力にメタ・ナショナル能力ということを取り入れました。これは自国を基盤に置きつつ、地球的視点で発想・行動できる能力と言えると思います。まさに、この3つの能力、特に技術士はメタ・ナショナル能力というものをコアコンピタンスとして不可欠だと思います。そうしますと、国際互換性というのは実現できると思います。
時間が来ましたんで、最後にまとめますと、技術士の社会的使命の原点回帰ということで申し上げたことは、第3の国難を乗り切るには、科学技術駆動型イノベーション創出は不可欠であるわけでありまして、その牽引役は、まさに工学・技術者である。技術士は、そのリーダー役だと。
それから2番目が、国民からの技術者への信頼回復は、工学と技術士の社会的使命だと思います。これは科学技術創造立国の危機になっていますが、それを実現する要であります。
そして、3点目、申し上げたことは、工学と技術士は「設計科学」だけでなく、「技術の社会化科学」も探求せねばならない。
最後に、技術者のリーダーである技術士は、Σ型統合能力人材であることが求められます。特に国際互換性も含めると、メタ・ナショナル能力の強化が必要であると思います。
以上でございます。
○野間口分科会長 大変有益なお話をありがとうございました。
続きまして、企業における技術士及び技術士制度の現状認識と課題につきまして、株式会社日立製作所電力システム社原子力事業統括本部放射線管理センタ長の林克己様より御説明をお願いします。
日立製作所電力システム社は、高効率で信頼性の高い火力・水力・原子力発電、送配電設備を提供するとともに、風力、太陽光、スマートグリッド等の新エネルギーにも積極的に取り組んでおられると伺っております。
本日、林様におかれましては、大変お忙しい中、御参加いただきまして、本当にありがとうございます。
それでは、林様、お願いいたします。
○日立GE林様
日立の林でございます。今回、日立の全体の話は、福山委員の方から2回前に御紹介いただいたと思いますので、原子力事業の部門について紹介させていただきます。
ここで日立GEニュークリア・エナジーという会社が出ておりますけれども、これは平成19年に日立とGEの原子力事業部門が統合してつくった会社でありまして、米国の方にはGE日立という名前の会社をつくっております。
これをつくる前、平成15年から既に日立の原子力事業部門におきましては、技術士の取得奨励と、それから社内活用について行っておりますので、それをちょっと紹介させていただきます。
まず、平成15年に「原子力・放射線部門」の設置が答申されまして、平成16年から試験が始まったわけですが、これに先立って、原子力学会が中心になりまして、受験を広く関連組織に呼びかけました。この部門は平成12年の法改正後に作られた初めての部門でありますので、公益確保とか資質向上というところに重点が置かれておりまして、原子力にかかわる技術者は目指すべき資格であるというふうに位置付けられております。当社におきましても、そういう意味で技術士の資格取得を奨励するという方向にしまして、事業部長の方針としましてやっております。
その奨励の仕方でありますが、日立ではもともと資格取得表彰とか報奨金はありましたけれども、これに加えまして、以下の4つをやっております。
まず、社内の組織として教育委員会というのをつくっておりますが、そこにワーキンググループをつくって、講習会、それから受験支援、個別の受験支援をやっております。それから、あと日立の報奨金に加えまして、受験費用や登録費用を負担させていただいております。それから、この3、4がちょっと特異なところでありますが、応接ロビー、お客様が通られるところに技術士一覧ボード、顔写真付きでつけておりまして、これは会社の技術士取得に対する姿勢を示すとともに、お客様がちょっと待ち時間に見ていただくことによって、自分のところも取ろうかというぐらいの気持ちになってもらえればなと思ってつくっております。それから、作業服にそれぞれ技術士のワッペン、図2に示すようなものをつけております。これは社長のサインをつけた趣旨説明書とともに配っておりまして、1つは、技術士というマークをつけた者は、公益確保とか、それから資質向上という意味で、皆さんの模範になってくださいという意味と、もう一つは、ほかの社員が受験相談に来たらちゃんと対応しなさいと、こういうことを書いてあります。
それから、平成21年度より、新入社員には全て第一次試験の受験を必須化しておりまして、ただ、JABEEコース卒業生については受験を任意としておりますが、受ける方もおられます。そういうことをやりまして、第二次試験に早く挑戦できるような準備としております。
さて、2ページ目にまいりますと、技術士会を原子力の中だけでつくっておりまして、日立GEでは、医療加速器核融合事業部門も含めますが、会長を日立GEの社長として、会員103名で今いろいろやっております。中の内訳は、図3に示しますが、やはり他の会社と違いまして、特異なところは原子力が半分であると、それと機械が4分の1、総合技術監理というふうに続いております。
主な活動としては、本拠が茨城県日立市ですので、隣の東海村にあります日本原子力研究開発機構の技術士会、その他と共同で講演会や見学会の開催とか、独自に合格祝賀会等を実施しております。
図4が技術士数の推移でありますが、赤が技術士数、青が第一次試験の合格者数でありまして、だんだん一次試験の合格者の年齢が若い方にシフトしてきましたので、このまますぐ受けられるという状態にはありませんけれども、増えていく状況にあります。
技術士制度につきまして、少々説明させていただきます。
先ほどちょっと申し上げましたように、原子力技術者として求められる資質能力として、原子力は広範な技術分野を含む複雑なシステムであるということから、T型の人間が必要となる。特に原子力安全にかかわるために、高い倫理観を有する技術者が必要とされる。こういう2点から、この技術士試験を受験勧奨しているわけですが、そのときには全ての技術者が目指すべき資格という位置付けで受験勧奨しております。
さらに総合技術監理部門も受験を推奨しておりますが、今年に関しましては、ちょっと傾向が変わりましたようで、いろんな分析が後で出されるとは思いますけれども、ちょっと問題の幅が広がったという話があります。この資格は、当社としましては、今まで5つの管理ということで、いろいろ幅広く横を見ながら、所掌範囲の業務を果たすということで、ベテラン技術者にとっては非常にいいということで使っておりましたので、これからこの部門の今後の議論をしていただくときに、そういう使い方もちょっと考えに入れて議論していただければありがたいと思っております。
それから、技術士試験の活用につきましては、もともと原子力メーカーとしては、原子力の出身者だけじゃなくて、機械・電気工学科の出身者が必要となりますので、一次試験というのは、そういう意味で原子力システム全体の知識の整理として非常に有効な試験です。そのように、技術士試験を位置付けております。
それから、第二次試験は難関でありますが、知識と論理的考察力及び業務経験、これが問われるということでありますので、もう既に業務の取組姿勢を問われているということになりますので、これは非常に有効な試験であると認識しております。
また、合格して技術士登録した後は、公益確保と資質向上の責務が個人的に課せられますので、それだけで会社としての一定の効果が、間接的ではありますが得られていると考えております。
技術士制度の実際の活用です。これは御存じのように、原子力の分野では全く進んでいないという状況です。例えば、アメリカの例でいきますと、PE資格は非常に幅広く使われておりまして、例えば、それにプラスしまして、原子力の場合、一例としまして、発電プラントの機器の仕様書、設計書へのサインはASMEの規格で決められたやり方でやるわけですけれども、その規格の中に米国のPE資格を要求している。これは州で要求しているわけではなくて、アメリカの機械学会の規格で決められている、民間活用というような感じでありますけれども、そういうところまで使われているということを考えますと、そういう適用が技術者にとっては非常に業務に直接影響しているということが実感できて、これがまた民間企業のビジネスの力のもとにもなる、こういういい方向に動くと考えられます。
原子力では、原子炉等規制法によりまして、設置許可申請書に技術士の数を書くことができます。これは電力事業者のみでありまして、これ以上のことは、まだ進んでいないので、社会的認知もまだ進んでいないという状況です。
平成21年度より社内の活用としまして、シニアエキスパート制度を開始しました。これについては2回ほど紹介させていただいておりますので省きますが、日立GEでは、現在その4割を技術士が担当しているということになっております。
これからの技術士制度について、ちょっとお話をさせていただきます。
社内活用、まだ始まったばかりですけれども、将来、多くの民間企業で技術士資格の社内活用が進めば、民間企業間の仕組みにも活用が進む。これが公益確保を進める方向になると思っているんですが、そういう仕組みができるはずです。しかし、残念ながら公的活用がない状態では、社会的認知が進んでおりませんので、技術士制度を活用した正のスパイラルには入れない状況に今あります。
技術士試験だけでも、試験委員の方をはじめ、多くの方の尽力で成り立っておりますので、制度の公的活用をしないというのは実にもったいないというふうに感じております。これは逆に言えば、非常に毎年無駄なことをしているともとらえられかねないと思っております。
技術士制度の趣旨であるところの、究極的には「公益確保」のために、公的活用及び民間活用がうまく両輪になって動いてくれることが望ましいと考えております。以上です。
○野間口分科会長 ありがとうございました。今後の技術士の活動に関する大きな示唆をいただきました。
それでは、続きまして、「技術士の継続的な資質向上(CPD)について」、日本技術士会会長である内村委員より、御説明をお願いします。
CPDにつきましては、前回の分科会で、その内容や質について、これまでなかなか議論される機会が少なかったのではないかという御意見もいただいておりますので、内村委員に、ぜひ説明をお願いしたいと思います。
○内村委員 日本技術士会及び技術士のCPDの現状につきまして、説明させていただいて、その後で課題と今後の方向性についても少し意見を述べたいと思っております。時間の関係で、添付いたしました、日本技術士会が出しております「技術士CPD」というリーフレットを先に説明させていただきたいと思います。
このリーフレットは技術士に配布しておるものです。表紙の冒頭に書いてありますように、CPDが対外的に評価を受ける機会が増えてきているということで、そのCPDの信頼性の確保と登録の質の担保、これを確保するために改訂を行いました内容を記載してあります。
実際のガイドラインは、少し厚目の小冊子ですけれども、このリーフレットはその抜粋版という形になっております。
開けていただきまして、左側のページに、CPDの目的が書いてあります。それから、その下の黄色い部分に、CPDの目標の時間数等が書いてありますが、年平均50時間、3年間で150時間というのを目標にしておりまして、これはその3つ目に書いてあります、APECエンジニアの5年間の250時間ということと整合をとっております。
それから赤い部分ですが、CPDの記録とか登録に関して日本技術士会の場合には、Webを使って随時入力できるというシステムを構築しています。
CPDの区分と課題ですが、左側のページの下の方に書いてありますように、一般共通課題と技術課題になっておりまして、一般共通課題には、倫理、環境、安全等が並んでおります。それから技術課題には、専門分野や法令関係等を含んでおります。
実際、どのような形態でCPDを行っているかというのは右側のページですけれども、一番多いのは、多分、1番の講習会等の参加ということだと思いますが、これは参加されて聴講された時間数に重み係数1を掛けたのがCPD時間ということになっております。例えば、論文を口頭で発表された場合には、この重み係数が3というようになって出ておりますが、そのようにCPDの形態に応じて重みをつけたり、中には、その上限時間を設けるということも行っております。下を見ていただきますと、企業内の研修であるとか、あるいは産業界における業務経験、あるいは公的な機関での活躍等もCPDの内容ということで盛り込んでおります。
裏のページを開けていただきますと、そこにカードがありますが、その下にCPD登録証明書が示されております。実物はA4判ですけれども、このような形で、先ほど言いました課題区分、あるいは形態区分ごとに、それぞれ内訳を表示したものを発行するということを行っております。
下の方に発行手数料を書いてありますが、会員と非会員で若干の区別をつけております。
資料15の本編の方へ戻っていただきたいと思います。
1番にCPD事業の経緯を示しております。平成13年からこのようなシステムを開始いたしましたので、丸10年たっているわけですが、経緯は前回、説明いたしましたので省略いたします。
それから、CPD登録の現況につきましても、前回、報告をいたしておりますけれども、現在、平成23年度末で7,862名が日本技術士会に登録されておりまして、これは技術士全体から見ますと1割ですけれども、日本技術士会の会員の中では4割、こういう割合になっております。残りの9割の技術士の方はどうされているかということですが、技術士の方はCPDに非常に熱心に取り組んでおられますので、他の学協会のCPDに登録されているケースがかなり多いのではないかと推定しております。
それから、登録の質の向上については先ほど申し上げました。
つぎに3番ですが、日本技術士会は、具体的にどのようなCPDを実施しているかということでございます。委員会、部会、あるいは地域で年間400回程度開催しておりまして、テーマは、そこにも例がありますように、昨年度は、やはり震災関係のテーマが多かったわけですけれども、セミナーあるいは現地の見学会、こういったものを実施しております。
4番の広報につきましては、先ほどのようなリーフレット、あるいはホームページ等を使っております。
それから5番ですが、他の学協会との連携ということでございます。現在、10の学協会、下に書いてあります土木学会等ですけれども、このようなところとCPD実施のための連絡、情報交換を行っております。
それから6番ですが、その中のマル1の建設系CPD協議会において、その下に書いてあります学協会、建設コンサルタンツ協会等と連携を図って運営しております。それから、マル2番は建築士の関係ですが、建築士法には、そこに書いてありますように、技術士よりもさらに義務的に、明示的に、CPDが表現されておりまして、このCPDを財団法人建築技術教育普及センターというところが登録機関として所管されております。こういったところも技術士のCPDの今後のあり方として、参考にすべきものではないかと考えております。
それから、活用の状況ですけれども、今、最も公的に活用されておりますのは、やはり建設コンサルタントの入札における技術的な競争、通称プロポーザルと言っておりますが、そういったところでの企業評価項目の1つに技術士という資格があり、あわせてCPDを受けているかということを追加してもよいということになっております。ただ、まだこれは義務的になっておりませんので、現段階では適用は一部に限られております。
8番に、以上申し上げました点を踏まえて、5つほど課題を挙げておりますけれども、次の9番に述べます目指すべき方向との裏返しですので、9番の方で説明をさせていただきます。
まず第一に、CPDを入札制度や先ほど、日立製作所の林様の方で御説明がございました産業界での人事システムへの活用など、公的、あるいは民間双方での活用を図っていくということが大事であろうと思っております。それから、技術士の中でも1割しか日本技術士会の登録をされていませんし、技術士が、全国的に展開しておりますので、CPDを実施しておられます他の団体、これとの協調、あるいは整合性といったものが今後大事だと思います。前回の分科会で、委員の方から、大学でのCPDの提供の場という御発言もございました。それから、今後、この公的活用、民間活用をしていくとなると、登録の適正化、質の担保といったことも大事であろうと思っております。
最後でございますが、先ほどの論点にも整理されておりましたけれども、登録者を増やすということと、このCPDの記録を定期的に確認するというシステムが、やはりぜひ必要ではないかと思っております。その場合には、技術部門による活用の違いといったものへの配慮も必要ではないかと思っております。
残りのページには、登録者数のグラフと、それから5ページ以降に、先ほど項目だけ申し上げましたCPD行事の、プログラムを含めたもう少し具体的な内容を書かせていただきましたので、参考にしていただければと思います。以上でございます。
○野間口分科会長 ありがとうございました。
それでは、お三方の御説明をいただきましたので、今後の技術士制度のあり方について、意見交換を行いたいと思います。
また、小林係長から、資料12「技術士制度の在り方に関する論点整理」と、これまでもいろいろ議論したことも含めて論点整理していただいておりますので、これも含めて、意見交換したいと思います。
大変熱心に御説明いただきまして、また、最初に大変重い議題もございましたので、少々時間が押しておりますけれども、あと15分ほどありますので、議論をいただきたいと思います。
そして、次回も本件に関しては議論する予定になっていますので、どうしてもいろいろと意見をおっしゃりたいということがありましたら、事務局へもお知らせいただけたらと思います。
では、残りの15分でございますけれども、御意見ございませんでしょうか。
戸嶋委員、どうぞ。
○戸嶋委員 資料14で、林さんから大変貴重な御説明をいただきました。技術士資格の取得を奨励し、それから資格を取得した方について、それぞれのネーミングをちゃんとワッペンにして記すだとか、ボードを写真で掲げるとか、大変な努力をしておられると、非常に敬意を表する次第であります。
2ページのところに、日立の社長が、日立原子力技術士会の会長になっておられる。この方について、どういう方なのか。個人について伺うわけではないんですけども、やっぱり技術系の企業のリーダーというのは、私の意見ですけれども、総合技術監理を持っているだとか、そういうことをしてやっていくのは非常にいいことだというふうに思っておりますし、こういう技術士会の会長に、企業のトップがなられると、非常に有意義なことだと思います。そういう理解のある方はどういう方なのかなと思いまして、お聞かせいただけるとありがたいと思います。
○野間口分科会長 林さん、お願いします。
○日立GE林様 当社(日立GE)の社長は、原子力の機器、なかでも原子炉圧力容器の中の構造体を設計する部門の出身でありまして、純粋な技術者であります。この技術士を会社として推奨するというときからずっと一貫して、この制度は会社の役に立つはずだということでやっていただいておりまして、当然のごとく会長も引き受けてくださった、こういう方です。
○戸嶋委員 ありがとうございます。
○野間口分科会長 他にございませんでしょうか。
福山委員。
○福山委員 福山でございます。これまで23、24、25回と会議に出席させていただきまして、私なりに、ちょっと整理の途中のものがあるんで、お話しさせていただいてよろしいですか。
私の着目点は、この産業界が求める技術士像というところにございまして、先ほど柘植委員とかおっしゃったようなことに全く同感でございます。何としてでも、そういう人間をつくらなくてはいけないと思います。
産業界はT型でありますとか、π型でありますとか、Σ型でありますとか、先生がおっしゃったような、いろんな幅広い人材が必要になってくるわけです。現在の技術士法によりますと、3つの義務、2つの責務がございます。この中で、例えば3番目に、技術士の名称表示の場合の義務というのがありまして、「技術士は、その業務に関して技術士の名称を表示するときは、その登録を受けた技術部門を明示してするものとし、登録を受けていない技術部門を表示してはならない」となっております。自分の部門を明確にしなくてはいけないのですが、逆に言うと、その自分の部門以外で部門を名乗ることはできません。これは当然のことだと思うんですけれども、これをやりますと、なかなか横展開が難しいと、私は考えております。この名称表示の場合の義務の文言をベースにして、さらに発展させるにはどうしたら良いかを考えなくてはいけないのではないだろうか。そのときに必要になってくるのが、20の技術部門以外の総合技術監理だと私は思います。
総合技術監理は、経済性、人的管理、資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理等がございまして、横串が結構広がっているわけであります。しかし、企業におきましては、これでも不十分だと思いまして、私はこういうふうに考えるんです。産業界と学会がもっと連携しなくてはいけない。そのためには例えば技術士が大学の専門講座を持たせていただくとか、学生の指導とか教育をするとか、特に倫理面のことをお話し申し上げるとか。それから学会との連携によりまして、技術士はもっと専門性を追求しなくていけないというふうに私は思うわけであります。こういうことができる状態になった技術士は、例えば、一級技術士ということにして、総合技術監理の名称を改正して、位置付けを明確にしたらどうだろうか。そうすることによって、産学官でこの技術士の資格を使いながら相乗効果が出して、日本という国の、この社会のいろんな仕組みを向上させたり、欠陥を保全することができるんではないかと思っています。
今日、柘植委員がおっしゃったお話は、12月21日に技術士倫理協議会、建築会館でお話しされたと思うんです。あのときも私も非常に感激を覚えまして、何とかこういうことをマスタープランにして、個別にいろんなことが、その下にぶら下がりながら、全体を解決しなくてはいけないんじゃないかと。このままでいきますと、やっぱり国とか企業にとりまして大きな損失でしかないというような認識を持っております。ぜひ次回とか次々回に発展的にこの技術士制度が深まることを希望する次第でございます。よろしくお願いいたします。
○野間口分科会長 貴重な御意見、ありがとうございます。
柘植委員、何か。それを受けて何かありますか。
○柘植委員 先ほどの私の話は、まだ入り口論で、まさにおっしゃったように、具体化に向けて一緒に考えたいと思います。
○福山委員 よろしくお願いします。
○野間口分科会長 次期といいますか、次回というか、次期の委員の方に大変重たい宿題が出たように思いますが、大変重要なポイントでありますので、ぜひ、しっかりと記録しておいて、次の委員に伝達できるようにお願いいたします。
ほかにございませんでしょうか。はい、どうぞ。
○鳥養委員 私は柘植先生のΣ型人材育成ということに非常に感銘を受けました。4年前から、山梨大学で、基盤政策課の理数学生応援プロジェクトという御支援をいただいて、そういう学生を育てる環境をつくってまいりまして、大変、私どもの教育の柱の1つになっております。
先生の9ページにあります、認識科学、設計科学、それに第3の軸の技術の社会技術化科学ということを取り入れるべきであるというところで少し伺わせていただきたいんですが、私はこの設計科学、Y軸のところで、産業界と大学の教育の連携ということをもっと深めていく必要があると思っていたところですけれども、この技術の社会技術化科学のところは、具体的にはどういう内容で、どういうところが担うべきか。これも大学の教育研究の柱の1つという御提案でいらっしゃいましょうか。もう少し御教示いただければありがたいと思います。
○柘植委員 よろしいですか。
○野間口分科会長 はい、どうぞ。
○柘植委員 ありがとうございます。御関心を持っていただきまして。
私自身も、この9ページの議論を機械学会の仲間と議論をしているときに、今、鳥養先生の問題も議論しました。つまり、本来、このY軸の設計科学の中に、当然この技術の社会技術化というのは、もう我々工学者、あるいは技術者は社会的使命を持っているんだと、何も縦軸、Z軸なんか新しいものを起こす必要ないんじゃないかと、こういう意見もありました。私自身も半分ぐらいそれがあるんですが、やはりつらつら考えてみると、設計科学というのは、主語は我々技術者であって、やはり今議論しているZ軸の主語は社会であると。つまり、そこのところが両方、設計科学の中に入れて、両方やっていますと、これがやはり無理なんじゃないかということで、今はZ軸をやはり立てざるを得ないと。1つは、主語がどうも違うんじゃないかと、こういうことであります。
それから、やっぱり10ページ、11ページに書きましたように、各論でいくと、Z軸も要るということになっていますが、まだまだこれは、私、機械学会の仲間で今もんでいるところでありまして、今は未熟な状況であります。
○野間口分科会長 ほかにございませんでしょうか。はい、どうぞ。和里田さん。
○和里田委員 柘植先生のお話、非常に興味深く聞かせていただいたんですが、我々建設部門に関係する者として、先日の中央道のトンネル事故、あれは非常に我々にとって、ほっぺたをひっぱたかれるような事態だったわけですが、我々、思い返してみますと、これまでは設計という分野でも、社会資本をつくるに当たっての、つくる時々の構造力学で安全であるとか何とかということ、つくるということに視点を置いた形で、随分、土木技術を進めてきたということがあるわけですが、やはり社会インフラがこれだけできてくる中において、国民が利用しながら、長年それを活用し、守り育てていくという視点での技術が、技術視点が非常に欠けていたんではないかというふうに、私はほっぺたをひっぱたかれたような思いをしたわけです。そういう意味で、先生のこのZ軸の視点って非常に大事なことで、これを随分生かした技術士の物の考え方を進めていただければと思います。
○野間口分科会長 ほかにございませんでしょうか。石田先生。
○石田分科会長代理 どうもありがとうございます。
それぞれの委員の方々からの問題提起、本当にそのとおりだと思っております。ぜひそれを深めまして、今期の技術士分科会の議論をまとめたいと思っているわけでございますけれども。
特に先生方からのプレゼンテーションの中で、林様のおっしゃっておられます原子力関係でございます。私もその関係者の一人でもあるわけでありますけれども、全体の、やはりあのような巨大システム部門になりますと、必ずしも個人としての技術者に対するウエイトの置き方、あるいは責任の重さというのは、必ずしも十分、メカニズムとしてでき上がっていなかったということがあるんじゃないかと思っておりまして、まさにそのことを資料14でお書きになっておられるようにも思うわけでございます。
技術士ではありませんけれども、原子炉主任技術者という制度が原子炉等規制法でございまして、これは1回申し上げたかもしれませんけれども、福島第一原子力発電所では、原子炉主任技術者は、これは私、詳しく法律を読み込んでいないんですが、原子炉1基1基について置いてもいいのかもしれませんし、あるいは所全体で置いてもいいのかもしれませんが、少なくとも福島では原子炉主任技術者は2人指名されておったと。1人が1号機から4号機まで、いま一人は、御承知のようにちょっと離れている5、6号機を担当しておったということでございますけれども、御承知のように、あの事故の全体、あのような事故が大きくなっていって、全体、原子炉主任技術者の活動といいますか、あるいは防護のための努力というのは外から全然見えなかったということもあるわけでございまして、それはしっかり、原子力発電所の運転等に関しましても、きちんと位置付けるべきだというのは、政府事故調等で、表面的にはあまり出ていないんですが、そういう議論もあったやに聞いております。
あのように本当に大きなものになりますと、個人にどこまで、どういうことを、どう責任を持った仕事をしていただくか、なかなか難しいところがあるわけでありますけれども、確かにこれは法律の問題も含めまして、いま少し、その辺はきちんと勉強すべきではなかろうかというふうに思っているところでございます。
それから、いま一つはバックフィットの問題、柘植先生もここで書いておられますけれども、確かにどんな技術でも、特に原子力は典型的にそうでございますけれども、新しい知見がどんどん出てくると。出てきた知見に対して、どこまでどうやれるかと。しかも、一応、国は設置許可なら設置許可、あるいは設計及び工事方法の認可という形で、それぞれ許認可をしておるわけでありますですね。それに対して新しい知見が出たときに、どこまで強制的にどうできるか、あるいは政府から許可されたから、認可されたから安全なのか、あるいは企業は当然、許認可をもらうのは当然なのであって、もらった以上に、さらなる安全性を追求すべき責任はあるわけであって、それをしなくてはいけないのか、あるいはそういうことに資金を投入し過ぎることは、あるいは場合によっては、社内的には過剰な努力であって、あるいは株主は、何そんなことやっているんだということになる可能性もある。そのあたりのメカニズムのつくり方というのは、必ずしも我が国では、まだ十分でないというふうにも私自身思っているところでございます。また、それも含めまして、ぜひ、次回、この議論をさらに深めて、すばらしい技術士制度に少しでも近づけるような努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○野間口分科会長 ありがとうございました。
石田先生から大変いい意見をいただいたところで、時間がちょうど来ましたので、これまでにしたいと思います。
大変貴重な御意見を賜りましてありがとうございました。今日、お三方のレクチャーも、今後の活動に対してとても有益と思いますので、資料12にまた反映していただいて、次回の議論がよりよいものになるように、事務局としてはよろしくお願いします。
また、皆さん方も、今日は限られた時間でありましたので、もう少し、こういった点を強調したいというようなところがございましたら、事務局まで、この資料12に反映するようにということでお伝えいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○小林係長 本日はありがとうございました。
既に御案内しておりますが、次回につきましては、来年1月28日月曜日、午後2時より、同じ会場で分科会を開催させていただきたいと思います。そこでも、本日議論になりました論点整理について、引き続き御意見を頂戴したいというふうに思っております。
また、本日の会議の議事録につきましては、後日、事務局から皆様にお送りさせていただきまして、御了解いただいた上で、ホームページに公開させていただきたいと思います。お願いいたします。
○野間口分科会長 ありがとうございました。
それでは、本日はこれで終了いたしたいと思います。どうもありがとうございました。
午後0時04分閉会
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