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技術士分科会(第24回) 議事録

1.日時

平成24年11月5日(月曜日)午前9時58分~午前11時57分

2.場所

文部科学省東館3階 3F2特別会議室

3.議題

  1. 技術士制度の在り方について
  2. 「東日本大震災を踏まえた今後の科学技術・学術政策の在り方について(中間まとめ)」について
  3. 技術士法施行規則の一部を改正する省令について
  4. その他

4.出席者

委員

野間口分科会長、石田分科会長代理、柘植委員、池田委員、内村委員、岡澤委員、小林委員、斉藤委員、戸嶋委員、中谷委員、西川委員、西田委員、廣瀬委員、府川委員、福山委員、吉永委員、和里田委員

文部科学省

土屋科学技術・学術政策局長、板倉基盤政策課長、吉田専門官ほか

オブザーバー

関係者:公益社団法人日本コンサルティング・エンジニア協会 山下事務局長
関係機関:経済産業省、国土交通省、総務省、農林水産省、公益社団法人日本技術士会

5.議事録

午前9時58分開会

○野間口分科会長 皆さん、おはようございます。少し早いようですが、委員の皆様方、おそろいでありますので、ただいまから科学技術・学術審議会技術士分科会の第24回会議を開催いたします。本日は大変お忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 まず初めに、前回分科会より新たに議論に参加いただくことになりました委員の方を御紹介いたします。西田委員でいらっしゃいます。

○西田委員 西田でございます。よろしくお願いいたします。

○野間口分科会長 よろしくお願いいたします。
 それでは、早速、事務局から資料の確認をお願いします。

○小林係長 おはようございます。資料を確認させていただきます。お手元の資料ですが、議事次第の後、配付資料が資料1から資料7-3までございます。続きまして、参考資料、参考1から7までございます。
 資料1、技術士制度の論点(案)という資料がございます。資料2につきましては、西田委員の御説明される資料でございます。資料3につきましては、これから御説明いただく日本コンサルティング・エンジニア協会の山下様の資料でございます。資料4につきましては、経済産業省からいただきました資料でございます。資料5、内村委員の資料でございます。資料6-1、6-2につきましては、東日本大震災を踏まえた今後の科学技術・学術政策の在り方について、中間まとめの御意見をまず資料6-1に掲載させていただいております。資料6-2につきましては、中間まとめにつきまして、皆様よりいただいた意見を反映した修正案をお示ししております。続きまして、資料7-1につきましては、前々回の技術士分科会で配付いたしました、試験の見直しについての資料でございます。資料7-2につきましても同様に、試験制度の見直しに係る資料でございます。資料7-3、その中の一部、省令の改正につきまして、後ほど事務局より説明させていただきます。
 続きまして、参考でございます。参考1は、委員の名簿。参考2につきましては、データを掲載させていただいております。参考3につきましては、IEAの文書でございます。参考4、参考5、参考6につきましては、中間まとめに関係する資料となっております。参考7につきましては、前回の分科会の議事録をつけさせていただいております。

○野間口分科会長 よろしいでしょうか。
 それでは、議事に従いまして進めさせていただきます。
 まず、議題1「技術士制度の在り方について」であります。9月28日に開催いたしました前回分科会において、技術士制度の在り方について、大中委員及び福山委員より御説明をいただき、意見交換をいたしました。本日は、前回に引き続きまして意見交換をしていきたいと思います。
 まず、事務局から資料1に基づき、前回分科会の主な意見等について御説明をお願いします。

○吉田専門官 資料1につきまして御説明させていただきます。
 資料1につきましては、6月及び9月の分科会における主な意見について、今後の議論を進めていただく上での論点をまとめたものでございます。アンダーラインを付したものは、前回9月の分科会でのものとなります。
 前回分科会での主な意見といたしましては、まず、技術士資格の必要性につきまして、産業界が求めている技術者とはどのような能力を有する者かということを明確にすることが必要ではないか。企業における技術者像は、いわゆるT型、Π型というように、深い専門技術とともに、技術横断的に広い問題を捉える能力を兼ね備えたものではないか。多くの企業では、資格の取得が業務の始まりではなく、仕事の到達点、あがりなどになっているのではないか。資格を取得したとしても、業務の幅の広がりにつながっていないのではないか。多くの部門、分野があるが、さらに広い分野の一般的知識、コアコンピテンシーのようなものを持った国家資格という位置付けが大事ではないかという御意見をいただいております。
 次に、技術士資格の活用促進でございます。活用促進につきましては、技術士を評価する仕組みはあるが、それを積極的に活用する仕組みが機能していないのではないか。技術者が業務を行いながら、資格を取得するために必要な知識を積極的に得ることが必要ではないか。また、技術者に対してキャリアパスを提示することも必要ではないか。若い技術者をターゲットとして資格を取得させることが大事である。技術士資格が運転免許証であるというようにインセンティブがあれば、資格取得を目指すのではないか。公的活用をもう少し図るべきではないかという御意見がございました。
 次に、資格の取得方法(技術士試験)でございます。技術士試験につきましては、一次試験合格後に実務経験を経て二次試験を受験するシステムが負担となっているのではないか。知識を問う問題の比重が非常に高いのではないか。技術士資格が技術者として現在及び将来の力量を証明する資格とするために、産業界のニーズにマッチした試験内容にすることが必要ではないか。技術士資格が総合的、経営的に判断、管理する能力を有する資格とするために、総合技術監理部門の位置付けを明確にし、他部門との差別化を図ることが必要ではないか。総合技術監理部門という名前にあるように、世論は総監部門の技術士資格をもう一つ高い見地の資格に位置付けることを求めているのではないか。技術士資格が専門知識と幅広い応用能力を有する資格とするために、部門制の廃止、又は5部門程度に統合することが必要ではないかという御意見をいただきました。
 資料1につきましては以上でございます。

○野間口分科会長 ありがとうございます。
 続きまして、企業における技術者・技術士の現状・課題、企業における高度な技術者に期待される役割等について、西田委員より説明をお願いいたします。
 西田委員におかれましては、株式会社東芝において、生産技術センター長、生産企画部長などを経て、現在は同社執行役常務、技術企画室長であり、東芝における技術及び技術者を統括していらっしゃいます。
 それでは、西田委員、よろしくお願いします。

○西田委員 ありがとうございます。先ほど御紹介いただいたときに、本当は今、野間口分科会長から御紹介があった話をこちらからしなければいけなかったんですけれども、申しわけございませんでした。
 改めまして、東芝の西田でございます。今回、この分科会の委員に選任されましたこと、非常に光栄に思っております。微力ではありますけれども、少しでもこの委員会に貢献したいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、資料に沿いまして御説明させていただきます。
 まず最初に、おさらいとなりますけれども、平成24年6月27日の第22回技術士分科会で技術士制度の在り方について、以下の1から3の問題が提起されております。一方、第4期科学技術基本計画におきましては、その推進方策といたしまして、国は、技術士など、資格制度の普及、拡大と活用促進を図るとともに、制度の在り方についても見直しを行う。また、産業界については、技術士を評価し、その活躍を促進することが期待されると述べられております。本日は、これらのことを踏まえまして、一企業の立場から現状、課題、意見等を述べたいと思います。
 まず最初に、企業における技術者をめぐる現状を述べたいと思います。そこに書いてありますけど、1、非常に技術、ノウハウを持っておられる団塊世代以下の多くのベテラン技術者が退職の時代を迎えているということでありまして、これに対して技術、ノウハウをスムーズに次世代に継承していく必要があるということ。
 それから、2つ目、新規事業への早期参入やグローバル展開、このために、キャリアや留学生の採用等とあわせまして、専門技術力を持つ自律かつ自立した技術者の育成の必要があり、そのため、企業内の教育が必須であるということ。
 3つ目として、社会インフラ系のビジネスにおきましては、従来の指名入札から提案型、公募型の入札に変わってきつつありまして、問題解決、提案能力のある技術者が求められており、そのためには専門技術力だけではなくて、関係法令、国際規格、異文化知識等、幅広い知識や応用能力が要求されるビジネスになってきているということです。
 一方、コンシューマ系のビジネスにおきましては、ニーズを先取りしたタイムリーな製品開発及び提供とあわせまして、発展途上国に適合した製品開発、これに対応できるような技術者が求められているという状況でございます。
 次に、東芝の技術士の現状について述べさせていただきます。
 まず、事業との関連でございますけれども、技術士資格が直接役立っているということにおきましては、公的な社会インフラ系事業部門でありまして、技術部門としては、電気電子、上下水道、機械等であります。一方、当社もコンシューマ系の事業をやっていますけれども、コンシューマ系におきましては、資格保有と製品設計の良否の強い相関があまり感じられず、技術者における認知度もそんなに高くはないという現状でございます。
 東芝の技術士に対する認識、スタンスでありますけれども、産業界における技術応用部門の権威ある資格と認識されております。特に、公的社会インフラ系の事業部門につきましては、事業運営からも資格取得を積極的に勧奨しているところでありますけれども、先ほど申し上げましたとおり、コンシューマ系におきましては、資格取得を積極的に行っているという状況ではございません。
 資格の活用分野でございますが、その下に書かれているビジネスにかかわる事業分野、特に公的な社会インフラ系の事業分野で活用されておりますけれども、ただ、その活用も全面的ではなく、十分に活用しているとは言えないという状況でございます。
 全社につきましては、国交省の技術力の評点獲得対応、建設業法対応の技術士の配置、及び特定事業会社の登録要件の対応というところで活用。社会インフラ系につきましては、入札参加資格要件、品確法対応、さらには建設業法の監理技術者資格取得、及び海外ビジネスの名刺肩書きの活用等が例として挙げられてございます。
 技術士の社内評価でございますけれども、これも以下の観点で評価されています。1つとしては、自己技術レベルの個々の技術レベルの客観的認定、それから提案型ビジネスにマッチするということ。さらには、技術者倫理を担保する上でも有効だということ。さらには、英文名称の肩書き等について海外ビジネスで有効であると評価されています。ただ一方、社会インフラ系の事業分野におきましては、技術者としての実力は、技術士の個々人の資質、技量に依存しているという側面もございます。
 それから、資格取得に当たりまして、特にベテラン技術者にとってのハードルということで書かせていただきましたけれども、二次試験の受験には、一次試験に合格するということが必須条件となってございまして、ベテランの技術者にとっては、この一次試験が意外にハードルが高くて、なかなか資格取得が難しいという現実が当社ではございます。
 以上、述べてきた現状を踏まえた課題ということでございますが、これは現状の裏返しとなりますが、まず、企業内技術者につきましては、専門技術力、ノウハウをいかにベテランから継承していくかという話、それから自律かつ自立できる技術者を育成する。イノベーションの展開ができる技術者の育成、確保していく。課題解決、ソリューション提供ができる技術者の育成、確保。グローバルビジネス対応、技術経営ができるようなセンス、社会インフラ系以外の取得者の拡大、建設業法の監理技術者資格取得というようなところが挙げられます。
 一方、企業内技術士の課題につきましては、上記の課題に加えまして、社会インフラ系以外の事業部門での資格の認知度向上、それから、資格保持者の企業内外での有効活用。これにつきましては、官公庁、自治体での活用分野が広がりますと活躍の場が広がると考えております。
 それから、継続研鑽、CPDによる資質の向上とCPD時間の確保ということで、特に我々が思っておりますのは、CPDにおけます企業内研修の申請可能時間、上限値が以前より厳しくなりまして、この影響で外部研修とか講習等を増やさなければいけないというようなことが出てまいります。なかなか忙しい業務の中で、CPD時間をいかに確保するかというところが課題となっております。
 それから、高度な技術者ということで、総合技術監理部門の技術士資格の取得ということも考えていかなければいけないということでございます。
 それから、技術士に代表される高度な技術者、これが企業としてどのように期待しているのかということで、以下に示す7項を挙げてございます。イノベーションや先進的な研究開発を図ってビジネス展開ができること。それから、技術力を向上して技術基盤の整備を図ること。学会、協会等の活動をリードできること。技術力とあわせ、幅広い教養を身に付けて、社会から信頼されるような技術者となること。グローバルビジネス対応ができること。それから、IEC、ISO等、国際規格制定活動に参画して、戦略的な活動展開ができること。さらには、経営的視点を持って、新規の事業展開等ができることということでございます。
 以上をベースといたしまして、提言を3項目にまとめました。まず、産業構造と技術者、技術士との間のミスマッチ対応ということにつきましては、現在のビジネス、ICTの環境では、技術者は専門分野の技術力のみならず、周辺技術、関係法令等、多様な技量、知識が求められる時代でありまして、以下の3点、1から3の3点を今後検討していく必要があると考えてございます。
 1つ目ですが、先ほどから申し上げております優秀なベテラン技術者に対する受験要件の緩和と受験機会の増加ということでございまして、緩和につきましては、ほかの国家資格とか優秀な論文とか特許等の考慮による緩和、又は機会の増加につきましては、サイバー試験を導入することで、従来の年1回から、2回から3回に増やすというようなこと等の配慮も必要ではないかと考えます。
 2つ目としては、技術部門、選択科目の統廃合、追加でございますけれども、技術部門につきましては、国のビジョン、また政策・施策等を踏まえまして、受験者の少ない部門の統廃合、あるいはニーズのある部門、選択科目の追加等を検討していただければと考えてございます。
 3つ目のCPD時間の企業内研修時間の上限設定見直しにつきましては、海外の国際的資格制度も参考にして、CPD時間の緩和、例えば20とか30、及び特定条件を満たす場合には免除する、このようなところが実際の海外での例としてございますけれども、こういうことを検討してもいいのではないかと考えます。
 提言の2つ目でございますけれども、技術士資格の国際的同等性や通用性にかかわるものでございます。現在、国際的同等性を確保するために、APECエンジニア制度の対応等、技術士法が2000年に改正されまして、英文名称としてProfessional Engineer. Japanと改称されたという経緯がございます。このように、表面的には国際的同等性が確保されているということになりますけれども、実態としては、以下に述べるような相違があるので、改善が必要だと考えてございます。
 1つ目としては、CPDについてですが、海外の資格制度では資格更新要件になってございます。しかしながら、我が国では現在は責務という形でございまして、努力目標的な位置付けにあるということでございます。今後、実質的な資質の向上に資するように、CPDの登録の勧奨や、CPD未達者には警告する等によりまして、CPDというものを常態化するということ、将来的には登録の義務付け等も視野にして運用の改善を考えていただければということでございます。
 2つ目としては、海外の状況を鑑みまして、海外では若い年代で資格を取得して、それを社会で活用するというスタンスで進めておりますけれども、我が国の合格率で見ますと、30代、40代、50代と大差はなくて、合格の平均年齢が42歳となっていると。実態として、実績、経験の積み重ねが要求される業務に適した形になっているということでございます。技術士という制度は有用な制度でございますので、社会で活用、活躍できる若い年代で資格を取得できる配慮が必要ではないかと考えます。
 しかしながらということで、バランスの問題になるかもしれないのですが、ベテランの技術者と若手の技術士に実力のギャップ―これは当社においてでございますけれども―があるのも現実でありまして、国際的技術者資格制度との同等性、整合性の確保の観点も踏まえた議論が必要ではないかと考えます。
 それから、3つ目、技術士資格の国際的通用性というのは先ほど申し上げたとおり、以前よりは増してございますけれども、これを向上していく必要があると、ますます向上させる必要があるということでございます。
 提言の最後でございますが、技術士資格の社会での評価向上と活用促進についてですが、高度な技術者を社会での評価につなげて、技術士の活用、促進に結びつけるためには、やはり公的な事業、業務分野での活用範囲を広げることが有用であると考えます。
 2つ目として、企業においては、企業内の認知度のさらなる向上を図って、デザインレビューでの第三者の評価や顧客の提出資料の照査技術者として位置付ける等、社内での仕組みを強化することも検討していかなければいけないということでございます。
 私からは以上になります。

○野間口分科会長 ありがとうございました。それでは、説明をいただいてからディスカッションするということにしまして、続きまして、海外における日本人技術者の現状と課題等について、公益社団法人日本コンサルティング・エンジニア協会事務局長の山下佳彦様より御説明をお願いいたします。
 日本コンサルティング・エンジニア協会につきましては、コンサルタントである技術士等で構成される全国組織として設立されて以来、日本のコンサルティング・エンジニアの職業を代表する唯一の機関として、国際コンサルティング・エンジニア連盟、FIDICに加盟し、日本におけるコンサルティング・エンジニアの国際的な水準を高める等の活動をされておられます。本日は、御多忙な中お越しいただきましてありがとうございます。それでは、山下様、よろしくお願いします。

○日本コンサル(山下氏)  御紹介ありがとうございます。公益社団法人日本コンサルティング・エンジニア協会(AJCE)事務局長の山下と申します。よろしくお願いいたします。
 日本コンサルティング・エンジニア協会(通称AJCEと呼んでおります)は、1977年、科学技術庁に承認され、今年3月まで文部科学省の所管でしたが、4月に公益社団法人に移行し、内閣府の所管となりました。
 それでは、海外プロジェクトにおける日本人技術者の現状と課題につきまして、御報告させていただきます。
 技術士制度の在り方について、技術士分科会では3点ほど課題があげられておりますが、2番目の課題、技術士資格の国際的同等性や通用性をどのように考えるかということに焦点を絞りまして、以下の3点から御報告させていただきます。1点目は、日本の技術士制度がODAや海外プロジェクトでどのように活用されているか。2点目は、技術士の国際的な活用。3点目は、海外で勤務される方の技術士制度の要望です。
 まず、第1点目の日本の技術士制度がODAや海外プロジェクトでどのように活用されているかに関し、インフラ整備におけるコンサルタント業務の概要を、続いて、日本人コンサルタントの実績が多いODA事業がどのような内容になっているのか、更に、国内及び国際調達において、どのように技術士が活用されているか、について説明いたします。
 インフラ整備事業でコンサルタントが業務を行う場合、数人程度から、大きな規模では100人程度のチームを編成します。日本人コンサルタントの海外事業はODAが大半です。ODA事業は、有償資金協力事業、無償資金協力事業、技術協力事業という3つの事業から構成されています。
 3ページ目の図にODA事業の概要がまとめられています。技術協力事業は、開発途上国の課題解決能力と主体性の向上を促進するため、専門家の派遣、必要な機材の供与、人材の日本での研修などを通じて、開発途上国の経済・社会の発展に必要な人材育成、研究開発、技術普及、制度構築を支援するものです。
 有償資金協力事業は、通常「円借款」と呼ばれる政府直接借款であり,開発途上国に対し,低金利で返済期間の長い緩やかな条件(譲許的な条件)で開発資金を貸付ける援助形態です。有償資金協力では、コンサルタントが調査・計画、設計・管理等の業務を行います。業務の契約はJICAとの契約、又は途上国政府との契約になります。
 無償資金協力事業は、発展途上国のニーズを受け、開発途上国が経済社会開発のために必要な資機材,設備およびサービスを購入するために必要な資金を贈与するものです。契約はJICAとの契約、これは主に基本設計等になるかと思います。それと途上国政府との契約になります。
 国際調達方式における技術士の活用について説明いたします。調達方式は国内調達と国際調達に分かれます。国内調達は、自国の資金による国際的な案件です。日本国内の公共事業でもWTO案件は、国際入札の対象になります。また、新興国、途上国政府が大型案件、あるいは高度技術が必要であると判断した場合は、国際案件になります。
 国際調達はJICA、アジア開発銀行、世界銀行等の融資案件等が対象になります。日本のODA事業における国際案件は、主に有償資金協力が対象となります。基本的に円借款を通して相手国政府に資金を供与し、相手国政府が国際入札をかけてコンサルタントや請負業者を選定し事業を実施します。
 国際調達におけるコンサルタントの選定では、企業及び投入する技術者の評価が非常に重要です。次いで、技術提案内容の評価、これに価格要素が加わる場合もあります。
 企業の評価は、企業の同種業務の経歴、経営の健全性が主に評価の対象となります。技術者の評価では、業務の経歴、経験年数、学歴が主として評価の対象となります。
 評価の対象になる技術者は、プロジェクトマネージャー、主たる分野の技術者、又は投入される技術者全員を対象とする場合があります。
 評価点の例を載せておりますが、概ね業務経歴80点、学歴10点、経験年数10点程度となっています。
 資格要件として、例えばプロジェクトマネージャーの学歴は修士以上、経験年数20年以上等の制約がつく場合があります。
 国際調達では、技術士等の各国の持つ資格制度が評価の対象になることはほとんどありません。各国の資格の同等性を担保するものとしてAPECエンジニアがありますが、適用事例はほとんどないのが現状と思われます。
 今後の調達において、価格要素が加味され、質の悪いコンサルタントチームが選定されるケースが増えることがあれば、何らかの共通資格で縛るという方向へ行くということはあるかと思われますが、今のところ、そのような議論にはなっておりません。現在、重要な案件は、事前審査段階のコンサルタントチームの業務経歴で評価するということで縛っておりまして、不適格業者を排除していく方法がとられております。
 一方、国内資金での国内事業の調達は、これは日本のみならず、ベトナムでもインドネシアでも同じですが、国内資金での国内事業ということで、おおむね各国の現地のコンサルタントが対象になっており、各国の持っている資格制度が適用されます。
 日本の国内調達における技術競争の場合、技術士であることは非常に有利であることが確認されています。コンサルタント登録制度では、技術士が常駐しているということが条件となっており、これは国内の公共事業と同じです。
 JICA発注の無償資金協力、技術協力、技術調査事業等では、技術士を評価対象としていますが、技術士等の資格の分野が対象とする事業と関連がない場合は評価されません。
 続きまして、今後、技術士を国際的に活用させる場合、APECエンジニア制度を導入することが具体策として考えられます。しかしながら、APECエンジニアを国内型事業に活用させようとした場合、二国間での相互乗り入れ協定等を結ぶ必要があり、実現は非常に難しいと思われます。状況によっては、日本の市場を国際的にオープンするという議論にまでなる可能性があります。
 国際調達の場合、援助機関が国際的な資格として、例えばAPECエンジニアを推奨すれば可能性はあります。しかしながら、アジアだけに限定できないということを考えると、世界の全ての国の資格の同等性を担保する制度でないと受け入れられないのではないかと考えます。このような背景から、資格で縛るというのは非常に難しいと思われます。
 国際コンサルティング・エンジニア連盟(FIDIC)も資格で縛ることを目指しているわけではありません。FIDIC(本部:スイスジュネーブ)は、1913年に設立され、会員相互の連携や能力開発を図ると共に、コンサルタント企業、国際機関及び関連業界との協働をとおし、コンサルティング・エンジニアの地位向上や事業機会の促進を支援しています。現在95カ国(1国1協会)約6万社、150万人の技術者等の会員が加盟しています。AJCEは日本を代表して1974年からFIDICに加盟しています。
 民間投資の場合とかPPP(官民連携)における事業調達等においても、コンサルタントの選定は基本的に実績主義です。
 最後に、海外で勤務される方の技術士制度への要望について述べさせて頂きます。海外で勤務される技術者が技術士試験を受験する場合、業務を休んで一時帰国しなくてはならないため、発注者、又は所属長の理解に頼っているというのが現状と思われます。このような中で、海外での受験や電子的な受験が可能になるとか、面接日の調整等において、弾力的な試験運用が望まれます。

○野間口分科会長 どうもありがとうございました。もう一方お願いいたします。経済産業省で複数の業種の企業に対して、技術士制度に関するヒアリング調査を実施されたと聞いております。その結果について、経済産業省産業技術環境局大学連携推進課、佐藤課長より御説明をお願いいたします。

○経済産業省(佐藤課長) おはようございます。御紹介いただきました経済産業省、佐藤でございます。よろしくお願いいたします。
 資料は資料4を御覧いただきたいと思いますが、今、分科会長からお話がありましたとおり、技術士制度についてできるだけ広く企業の意見を求めたいということでヒアリングを行いましたので、その結果について御報告させていただきたいと思います。
 2ページをお開きいただきたいと思いますが、ヒアリング項目は主に7項目でございます。文部科学省とも御相談させていただいて、今日たびたび出てきております幾つかの問題提起に対するヒアリングを含めて行ったところでございます。1番目が、企業が求める技術者像はどのようなものであるか。それから、2番目は、技術士の比率は各企業でどれくらいいるものなのか。企業は技術士資格をどのように評価しているのか。企業はどのような目的で利用しているのか。5番目がミスマッチの問題。そして、6番目が社会においての評価、その活用の促進の方策。そして、7番目が先ほど御説明ありました国際的同等性や通用性についての企業の認識についてヒアリングを行いました。
 3ページを御覧いただきたいと思いますが、時間の制約もあり、またできるだけ丁寧にヒアリングをしようということにいたしましたので、社内に技術士を多く擁する企業を抽出させていただいて、対面によるヒアリングで12社のヒアリングを行ったところでございます。主に人材開発部門や事業統括部門が中心と書いてありますのは、もしかしたら直接技術士を統括しておられない部門の率直な声も含んで聞きたいということでありまして、そういう意味でそういった部門を中心にヒアリングをしたところでございます。
 ヒアリング先ですが、建設系コンサル、その他コンサル、エンジニアリング、総合電機、材料系ということで、1社に偏らないということで1業種複数をできるだけ行うということでヒアリングを行いました。
 技術士の数での分類で言いますと、500人以上おられるところが3社、100人以上おられるところが4社、こういった状況でございました。
 4ページを御覧いただきたいと思いますが、各社どういう技術士がおられますかということで、電気電子分野の技術士が一番いますと言われた会社が3社でございます。機械が一番おりますと言われた方が3社、それから建設分野がおられますと言った方が2社、こんな分布になってございます。
 では、ヒアリングの結果について、5ページ以降で御説明させていただきたいと思います。5ページを御覧いただければと思いますが、まず、企業が求める技術者像と技術士という項目でありますけれども、企業が求める技術者像はどのようなものかということですけれども、図では電機系と建設コンサル系を別に集計したグラフを1枚掲載させていただいておりますが、総合電機系では、やはり経験あるいは分野の知識といったものを非常に重視されているというのが平均値でございました。一方で、建設系のコンサルであると、分野の経験に加えて、電機系と比べてですけれども、論理的思考力、こういったものが少し強調されているということがございます。自由記載ですが、コミュニケーション能力、折衝力、プレゼン能力、プロジェクトマネジメント能力、統率力、こういった先ほど西田委員から御説明があったポイントが重要であるという御指摘があったところでございます。
 問2の企業内での全技術者中の技術士比率ですけれども、建設系コンサルではやはり50%を超えるように高い比率になっておりますが、一方で製造業では1%前後という数字になってございます。
 6ページを御覧いただければと思います。企業は技術士資格をどのように評価していますかということですけれども、これも西田委員からのお話と重なるかと思いますが、技術者の資格として高く評価するという会社が7社、専門性の目安といった会社もありましたが、必ずしも技術のレベルを反映しないのではないか、あるいは評価するのがなかなか難しいのではないかと率直にお答えいただいた会社も数社ほどございました。
 技術士資格を取得するのに会社として何らかのインセンティブを与えておられますかという質問もあわせてさせていただきましたところ、取得及び報奨金の制度については、多くの会社がそういうインセンティブを出していますよということを言っておられますが、それを給与へ反映しておられますかとお伺いしたところ、給与への反映まではしておりませんという会社がほとんどであったということでございます。
 ヒアリングの中では、一定レベルの技術者の証明、専門性というのが1つの目安であるけれども、それを給与、待遇面までには直接反映していないという状況がわかったのかなと思っておるところでございます。
 4番目ですけれども、企業は技術士制度をどのように活用しておられますかという御質問をさせていただいたところ、事業に活用、あるいは育成・自己研鑽に活用しております、さらには技術のアピールにも活用しておりますといった会社がありましたけれども、これも率直な意見として、あまり活用しておりませんといった意見の会社も3社ほどございました。
 活用事例としては、これも先ほどから何度も出ておりますけれども、入札資格や、あるいは技術評価項目での評価の活用ということに加えて、海外のビジネス展開の際に、PEの称号を活用しているという御指摘がございました。
 まとめますと、事業への直接的な活用のほか、能力開発、昇格といった関連付け、さらにはモチベーションの向上ということで活用されている会社が多うございますが、製造業においては、事業での活用を直接行うというのは極めて限定的であったという状況かと認識しておるところでございます。
 7ページを御覧いただきたいと思いますが、技術者の持つ基礎・専門知識及び業務経験と技術士試験の内容の整合は取れていますでしょうかという御質問を率直に投げかけたところ、よく整合しておりますという会社が2社、ほぼ整合しておりますという会社さんが7社でございました。
 これを見ますと、ミスマッチは限定的であるのかなということですが、意見の中では、部門がある程度細分化されることはやむを得ないので、もしかしたら、専門科目などはむしろ選択肢を増やす必要があるのではないかなといった御意見を言われる方もおられたということでございます。
 6番目に、技術士資格がより社会において評価され、その活用を促進するために何が必要ですかという質問では、選択肢を挙げて複数回答でいただきましたので、使われそうな形のものに回答が集中したわけですけれども、業務独占やあるいは認知度のアップ、権威付け、入札資格の案件拡大と、さらには公的活用の拡大といったものが幾つか出ておりますけれども、こういったことに期待するとともに、一部の意見としては、業務独占すること自体が企業活動を妨げることにはぜひならないでほしいといった注意喚起などもあったところでございます。
 8ページでございますけれども、技術士資格の国際的同等性や通用性をどのように考えるかということで、海外で技術士資格相当の資格が必要な業務がありますかとお伺いしたところ、あるという会社が5社でございました。技術士資格の国際的同等性や通用性は必要ですかと、これになりますと、やはり9社、多くの方々が必要ですねという御回答でございました。そういう意味では、現時点での必要性は一部でありますけれども、今後という意味では、国際的同等性や通用性に期待するという答えだったかと思います。
 9ページ以降は、各社がいろいろ自由意見として言っていただいたことをほぼそのまま書きおろしたものでございますが、ところどころおもしろいのがありますのでコメントさせていただきますと、10ページ上の方は、おおむね評価していますという御意見が並んでおりますけれども、大変厳しい見方をされる方もおりまして、下の4つは、活用する制度になっていない、あるいは認知度が低い、あまり評価していない、最近は評価し始めていると、こういった御意見も自由意見としては出てきたところでございます。
 11ページ目ですが、内容の整合性の問題ですけれども、これも率直に言うと、いろいろな意見があるなというのが率直な感想でございまして、少ない部門の統廃合が必要だと言っておられる方がおられれば、現状のままで問題ないと言っている方もおられますし、5つ目ですけれども、分野の細分化は致し方ないと言っておられる方もおられるという状況でございます。
 その下の国際的同等性や通用性については、これはおおむね前向きというかぜひということでございまして、PE.Jになったことが有効である、海外での知名度アップを期待するという御意見がありますが、4つ目に、技術士は国内での運用が前提となっており、英語力の規定がないということを御指摘された方もおられるようでございます。
 12ページでございますが、技術士制度がより社会において評価され、活用されるためにはどうですかということに対しては、先ほど申し上げたとおりですけれども、公的資格取得上の特典拡大といったものもありますけれども、業務の妨げになることには注意をしてくださいというお話がございます。
 その他、技術士全般についてですけれども、いろいろ書いてありますけれども、一番最後のところで、技術者の能力の定量化がなかなかしにくいんですよねという御意見もいただいたところでございます。
 13ページ目を御覧いただきますと、JABEE認定プログラムについて、あわせてどう評価しますかということで、JABEE認定プログラムそのものについても評価するというのが実は3社ほどで少し少のうございますけれども、逆に、認定プログラムの特典を活用させているという会社は7社ほどでございまして、全体的な自由意見としては、4つ目にありますけれども、有名大学が認定に興味を示さないということにいささか問題があるのではないかなということ、それから最後のところで、第一次試験から、認定者を受けさせているんですけれども、認定コース出身でも不合格者は出てしまうんですよねという、こんな御意見もあったところでございます。
 私どもからは以上でございます。

○野間口分科会長 どうもありがとうございました。それでは、お三方のお話をもとに、これより技術士制度の在り方について意見交換を行いたいと思います。前回に引き続きまして、技術者、技術士はどのような能力を身に付けるべきか、技術士がどんな分野や場面で活躍しているか、又は活躍すべきかというテーマで意見交換をしたいと思います。
 3人の方の大変すばらしいお話をいただきましたので、それに関する御意見、あるいは御質問も含めて、自由に意見交換していただけたらと思います。よろしくお願いいたします。どなたからでも結構です。どうぞ。

○柘植委員 全てに共通しているかと思うんですけれども、最後の佐藤課長のお話で、11ページのところの技術士資格の国際的同等性や通用性をどのように考えるか、これを見ると、そんなに深刻に産業側は受け取っていないのかなと意外に思いまして、実は前回、私がセンターピンというか、技術士制度の実態と実質化に向けて、一番センターピンは、むしろこの点じゃないかと発言したんですけれども、意外と産業はそんなに深刻に考えていないのかなというのが11ページから見えてしまいまして、そういう認識ではいけないんじゃないかなと思うんですけれども、これは山下様からもぜひコメントをいただきたいんですけれども。

○野間口分科会長 それでは、まず佐藤課長にコメントいただいて、次に山下さん、お願いします。

○経済産業省(佐藤課長) 8ページの数字を見た結果が、おそらくこの11ページのコメントに非常につながっているのかなと思っておりまして、技術士の資格が必要な業務はありますかと聞いたところ、12社のうち5社でございますので、過半にいっていませんが、それに対して、将来は必要ですがということ、将来性を含めて必要性ということでは9社ということになっております。この辺のニュアンスがもしかしたら後ろのコメントにも出てしまったのかなというのが私の感想でございます。

○日本コンサル(山下氏)  私の資料の3ページ目を見てください。1行目から2行目のところですが、APECエンジニアを採用するというのは、国際的な資格の同等性という意味で現実的でありますが、これを導入する場合、政府間で相互乗り入れ協定を結ぶ必要があります。状況によっては、日本の市場を国際的にオープンにするという議論にまでなる可能性があります。二国間の乗り入れ協定については、日本政府、コンサルタント業界、請負者業界等の関係者による周到な議論と準備が必要と考えます。
 国際入札では、技術者の経歴、学歴等が評価されるわけですが、高い評価を受ける技術者は、ほとんどがPEやチャータードエンジニアの資格を保有しています。日本でもプロポーザルで高い評価を受ける技術者の大半は技術士資格を保有しています。

○野間口分科会長 どうぞ。

○内村委員 国際的同等性の件で少しお話をさせていただきます。これは、まさに今、AJCEの山下事務局長からお話があったとおり、日本の貿易の自由化がどのような方向に進むかということと非常に密接に関連していると思います。現状では、山下事務局長や経済産業省の佐藤課長の御説明のとおりかと思いますが、先般、韓国技術士会の会長と会談する機会がございました。韓国は御存じのとおり、アメリカとFTA協定を締結いたしました。その後、技術士制度がどのような動向にあるかということを質問したところ、APECエンジニアの受験者が急増しているということと、アメリカのPE制度の受験者が非常に増えている、こういうお話をいただきました。やはりそういう大きな背景がどのように動くかということと関連していく問題ではないか、このように考えております。

○野間口分科会長 日本から世界を見るか、世界から日本を見るかによって少し位置付けが変わってくるかと思います。実際に事業の現場をリードしておられる西田委員、この点いかがでしょうか。

○西田委員 先ほどから申し上げていますように、東芝におきましては、この技術士の活用というのは、社会インフラ系の事業部門が主にやっているんですけれども、グローバル展開ということを先ほどからやらなきゃいけないということを申し上げていますように、実は、やらなきゃいけないというのはやっていないことの裏返しでございまして、特に社会インフラ系は、今までどちらかというと、やはり国内の事業が中心でございまして、国内では技術士の制度はいろいろ活用させていただいていますが、海外にはこれからだと思います。それぞれ個別の機器とか、そういうものの輸出というのはやっていますけれども、個別の技術士の力が適用されるような応用分野とか、そういうところの問題解決型の事業につきましては、これから我々が打って出ていこうというところでございまして、この技術士の活用というのは、今後の我々の課題になってくるのではないかとは思っております。

○野間口分科会長 ほかにございませんでしょうか。

○岡澤委員 ちょっと話がずれるんですけれども、お話をお聞きしていて、西田委員の方からお話があった社会インフラ系といわゆるコンシューマ系という、企業の中でそういう分野があるんでしょうが、どちらにいるかによって、全く技術士制度の考え方は変わりますよね。我々、技術士制度一本で議論しているんですけれども、実は受注を受けて仕事をするようなタイプの仕事では、客観的に技術者の行為といったものを外部に示すという意味では、技術士制度というのは活用の余地が非常に高いと思いますけれども、一般消費者相手に製品開発するような部門では、消費者に対して、うちはこういう人が作っていますよと説明してもしようがないですよね。それは、企業のブランドイメージの方が優先されるわけですから、そういう技術者のクオリティーを外に示す必要がない部門では、技術士制度を外側に向けて活用するのは非常に難しい。
 だから、逆に、むしろお聞きしたいのは、なぜ東芝なりほかの会社なり、製品開発部門で技術者を置かなければいけないのか。まず、置く必要ないですよね。例えば技術者の研修とかトレーニング、研鑽ですか、そういうレベルアップのために奨励するとか、いろんな講習会に出るのと同じような感じで、そういう何らかの社内的な必要性に関連付けていかないと、なかなか難しいんじゃないかと思うんです。
 ただ、部門で見ると、例えば電気だとか機械だとか化学だとか、消費者向けの製品開発をする技術部門と、外から受注するようなプロジェクトの中に入ってくる技術者は同じ分野の人がいますよね。だから、同じ機械だとか電気だとかいっても、ある人は社会インフラの整備にかかわる仕事をする。そうでない人は、社内的に製品開発をするというようなことになって、分野というよりは働く部門によって、技術士の意味付けをしようとしても、そこの議論が変わってくるんじゃないかと思うんです。
 ですから、技術士一般制度というものも、もちろん議論するべきだと思いますけれども、それとは別に、スペシフィックに2つに分けて、製品開発部門と一般的な社会インフラ、あるいは受注を受けて何か物を提供するというようなものとはやっぱり違うということを頭に入れて、基本、進めないといけないのかなと思いました。

○野間口分科会長 ありがとうございます。これからの技術士の在り方を考える上で、お三方の意見もそうでしたけど、今の岡澤委員の御指摘もそのとおりだと思います。
 課長か局長かいかがでしょうか。まず、福山委員にお話をいただきまして、その後、局長にお話しいただくことにいたしましょうか。

○福山委員 日立の福山でございます。
 今、岡澤委員がおっしゃったことは全く同感ではありますが、具体的な現場で考えますと、私どもも社会インフラの事業やコンシューマ事業みたいなものもございます。しかし、その事業部門における商品でありますとかサービスの開発という、いわゆるものづくりのプロセスがあるわけですね。バリューチェーンがございます。その過程では、その計画の妥当性を評価すべきプロセスをきちんと経なければならないことになっており、事業が認可されるとか継続できるとかということについて縛りがございます。
 具体的に申し上げますと、例えばデザインレビューというプロセスがございます。私どものどういう人材がそこで議論するかというのが重要なんですけど、日立の職制上は主管技師長でありますとか技師長等が参画して専門的な立場で意見を述べるということになっております。ある事業部門におきましては、その専門家の中に技術士資格を持った人が、いわゆるシニアエキスパートとして参画するということが今なされております。コンシューマ部門におきましては、そういう制度はまだ採用されてはいないんですけれども、基本的にはそういう流れに沿って、事業の第三者評価というのをきちんとやるべきではないかというふうになっています。
 入り口では確かにおっしゃるように、2つの部門に大きな分け方はできると思うんですけど、開発プロセスとかものづくりプロセスで見ますと、やっぱり共通的なものは両方が持っているんじゃないかなというふうに私は考える次第でございます。

○野間口分科会長 それでは、岡澤さん。

○岡澤委員 まさにそういうことだと思うんですが、多分、そういう第三者のチェックとか監査みたいな仕組みは、社内的な仕組みですよね。つまり、日立の中でそういうふうに技術士を運用している。

○福山委員 はい。

○岡澤委員 つまりそれは、ほかの会社ではそうはやっていないかもしれない。それはただ、要するに技術士制度をうまく活用するという意味で、1つの社内的な活用例だと思うんです。ですから、そういうふうに活用できるような技術士を育成していかないと、つまり社外として製品開発などに客観的にそれを評価できるような人材が必要なんだというふうに考えていかないと、そこはだめなんじゃないかと思うんです。
 社会インフラというのは、要するに外側の方ですから、外側のニーズを評価してそれに合わせていくということが我々は必要だと。しかし、企業内での活用ということで見れば、企業はまさに高い技術者をどのように活用しようと考えているかということを踏まえて議論しないといけないという意味で申し上げたわけです。

○野間口分科会長 お二人の議論の方向性は、過去からの議論を見ますと、いかに技術者の社会における役割を広く認識してもらって、活用を広げてもらうかということでありましたので、方向性は合っていると思いますが、どのフェーズを切り取って見るかということだと思います。全体をいろいろと考えておられる局長か課長、現時点での御意見等ありますでしょうか。

○土屋科学技術・学術政策局長 ありがとうございます。
 今日も幾つか御議論いただいたんですが、この論点というのは結構昔からずっとある論点だとは思うんですが、この制度の原点に戻って、この技術士制度は何のために作ったのか、あるいは世界のPEとかCEとかそういう制度は何のためにあったかということになれば、釈迦に説法でございますけれども、技術者の能力を客観的に保証して証明して、エンジニアリング業務の質の向上を図ろうというのがそもそもの発端だと思うんです。こういう中で経済活動が非常にグローバル化してきて、企業の名前だけでは仕事ができなくて、その企業がやる仕事、日立製作所は国際的に有名な会社ですが、その名前だけで評価するのではなくて、そこで行われるエンジニアリング業務がどこまできちんとできているかという証明を求められるというのが、ここまでどんどんそういう方向になっていますし、今後も会社の名前ではなくて、その会社ではどういう技術を、能力を発揮できるか、あるいはその人が何とか会社の何とか部長だから大丈夫じゃなくて、この方がこういう能力を持っておられるから大丈夫なんだという評価で動くのではないかということで、この制度を文部科学省は運用し、これからも技術者の能力向上を目指した育成に取り組んでいくと思っております。
 今、私が申し上げたようなことで実際の経済活動が行われているかどうかというと、なかなか個人の評価と会社と、そこは複雑に組み合わさっているんだろうと思うんですが、制度そのものは個人のエンジニアの能力を評価するということがありますので、この辺をベースに、さらに御議論を深めていただければと思います。よろしくお願いします。

○野間口分科会長 関連する大変貴重な御報告と御意見をいただきましたけれども、日本技術士会会長の内村委員から、技術士制度の検討課題等について資料を提供していただいておりまして、これも御報告いただいた上で、また意見交換したいと思います。内村委員、お願いします。

○内村委員 大変貴重な資料と御説明を今日聞かせていただきました。
 私の資料は項目だけで大変申し訳ありませんが、前回の分科会からの議論も踏まえまして、5つの検討課題ということで挙げさせていただきました。
 まず1点目でございますけれども、技術士の公益確保ということでございます。これも2000年の技術士法改正の中で技術士の責務ということで盛り込まれたわけでございますけれども、今般の東日本大震災、あるいは原子力発電所の事故等を考えるまでもなく、公益確保の責務を一層明確化する必要があると思っております。先ほどの経済産業省のアンケートでも、この倫理項目については大変高い評価をされております。
 現在、技術士法の目的に掲げられておりますのは、科学技術の向上と国民経済の発展でございますが、やはりこの目的事項に公益確保というのを加えるべきではないかということと、現在の技術士法では公益を害することのないよう努めなければならないという、やや消極的な義務になっておりますが、これをやはり積極的な義務の表現に改めるべきではないかということが1点目の課題でございます。
 それから2点目は、もう議論が出ておりますが、国際的に通用する技術者資格ということでございますが、先ほど私が発言させていただきましたように、我が国の海外戦略、あるいは自由貿易協定の伸展、そういった背景を踏まえた上での促進を図るべきではないかと考えております。
 3点目は、継続的な資質の向上、CPDでございます。これも2000年の法改正で義務化されたわけでございますが、そのことによって、現在の技術士はCPDに対する意識とその実践というのは高いレベルにあると考えておりますけれども、このCPDの登録実績を定期的に確認するシステムというのが確立されていないのが課題ではないかと考えております。
 技術士の登録の更新制ということには、登録事項の正確性であるとかCPDの担保という面では大変有効であると考えておりますが、規制緩和という動向の中で、その導入については慎重な検討が必要ではないかと考えております。
 また、更新制を導入することによってメリットがある部門、例えば建設部門等については、技術士の増加という面もありますが、逆にそうでない部門については、登録者に減少を生じるという懸念もあるのではないかということを留意すべきだと思っております。
 具体的には、例えば日本技術士会で全ての技術士を対象としたCPD登録の定期的な確認を行うといったことも資質の向上とともに、登録制のないこの制度を補完するということは可能ではないかと考えております。
 4点目は、技術士資格の普及でございます。これについても御議論が既に進んでおりますけれども、今日も幾つかの省庁の方がおいでになっておりますが、現在、文部科学省がこの試験制度を所管しておられますけれども、その活用ということにつきましては、やはり関連する省庁との連携をにらんで、場合によっては技術士法の改正といったことも検討する価値があるのではないかと思っております。
 前回の分科会で、私は、技術士について、広範な技術者の必要条件というような位置付けであるとすれば、方向性としては部門、科目については統合の方向であるというふうに申し上げましたけれども、部門、科目の統合ということについても普及の拡大ということにつながるのではないかと考えております。
 ただ、これについては、先ほどのアンケート等では逆の御意見もあるようでございますので、まさに技術士制度がどのようにあるべきかということと本質的にかかわっている問題ではないかと思っております。
 それから、技術士の数の拡大ということで、活用が進めば当然増えるということでございますが、制度面で見ますと、先ほど来の御意見にもありましたように、JABEE認定課程を経た者の第二次試験受験者は、今年の申し込みは898名で、まだ1,000名にも満たない状態でございます。一方、第一次試験を経由して第二次試験を受験される方は約3万2,000名ということで、圧倒的な数でございまして、これが現実でございます。また、第一次試験の受験者につきましても、やや減少しつつあるものの、平成24年度で約2万2,000名が第一次試験を受験しておられますし、その合格率とJABEE認定課程修了者との整合性ということも課題ではないかと思っております。このため、第一次試験制度の変更を視野に入れた再吟味を行って、受験者の増加を図るということも検討に値するのではないかと考えております。
 それから、5番目でございますが、総合マネジメント力の重視ということでございます。産業界において、総合的なマネジメント力を備えた技術士資格の要請が強いということは、先ほど来からの資料等にもございます。ただ、現行の総合技術監理部門の位置付けが、その要請に十分に応えているとは言えないと考えておりまして、そのような背景を踏まえまして、他の20部門との位置付けがやや不明確な現在の総合技術監理部門の受験要件、あるいは部門、科目の在り方、試験の内容等の制度について、改めて特定の格付を検討するなどの必要があるのではないかと考えております。
 口頭での御説明になりましたが、今後の議論の参考のために5点ほど検討課題を申し上げさせていただきました。

○野間口分科会長 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの内村委員の御説明を含めて、引き続き意見交換をお願いいたしたいと思います。池田先生。

○池田委員 ただいまの内村委員の検討課題についてですが、最後に口頭で、教育あるいはJABEEの問題についておっしゃったんですが、この検討課題を拝見しますと、技術士資格を取得した後どうするかというものが中心で、私は2000年の制度改革で教育との関連というのを重視するようになりましたので、その問題をやはりもう少し検討しておく必要があるのではないかと思います。
 先ほど御説明にあったように、有力大学を受けないとか、JABEEそのものが余り評価されていないとか、そういう議論がございますし、私自身はやはり第一次試験よりも、むしろJABEEが本来は中心になって受験者を出していかないといけないと思うんです。それが10年以上経って、まだ800人という状況では、やはり何らか問題があるのではないかと思います。そういう面での検討が今後必要かなと思います。
 ぜひ日本技術士会の方からも発言していただいたほうがいいのではないかと思います。
 以上です。

○野間口分科会長 廣瀬委員。

○廣瀬委員 今、池田先生がおっしゃったのは、技術士になる前の教育という観点からの意見だと思うんですが、私からは、先ほど内村委員から出ましたCPDについて考えるところがありまして、今日最初に西田委員からの説明でもCPDについては触れられていましたが、今までこの分科会でもCPDの運営方法等については議論されることもありましたけれども、CPDの内容とか質については、なかなか今まで議論される機会が少なかったように思います。
 西田委員の資料には、企業内の研修と外部研修の比率について述べられていますけれども、研修がどこで行われるかということが問題なのではなくて、CPDの質、内容がどの程度担保されているものかということについても議論される必要があるのではないかと思いました。

○野間口分科会長 ありがとうございます。

○土屋科学技術・学術政策局長 すいません。ちょっと事実関係だけなんですが、2000年の技術士法の改正のときに、このCPDの議論が相当ありまして、これはどういう意味かというと、資格制度を更新制にするかどうかということがベースにありまして、その時点では、自動車の運転免許が、確か国内唯一の更新制免許だったと思うんです。そういう中で、更新制を入れるということについていろいろ議論がありまして、既に資格を持っておられる方は、自分はしっかりできているんだから、更新制を入れるのはいかがなものかというような議論も相当ありまして、結局、さらに議論を深める必要があるということで、制度としては更新制にはならなかった。ただし、技術士法の更新制的な制度運用になるようにということでCPDを導入しようということになったものですから、今御指摘ありましたように、CPDの具体的な制度としてのやり方が、まだ中途半端というか不十分だったというのがあると思いますので、今回また改めて御議論いただく際は、そういう背景もあったということを踏まえながら御議論いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○野間口分科会長 技術も進歩して、状況も変化しておりますので、ちょうどいい機会だと思います。

○土屋科学技術・学術政策局長 補足ですが、その後、文部科学省関係で言えば、教員免許が更新制になりました。これも政党間で意見が違う部分ではありますが、現在は更新制が施行されております。30時間の講習を受けることによって、10年の免許が更新されるということなので、事実上、このCPDと似たような運用にはなっているということがございます。

○野間口分科会長 どうぞ。

○廣瀬委員 よく技術士制度資格との比較で、建築士制度というのが述べられますけれども、現在、建築士制度も更新制で3年に一度講習を受講して試験を受けるという制度も導入されています。私自身も建築士の資格を持っているんですが、試験と講習の時間と費用が本当に有効に使われているのかというところで、ただ形式的な試験に終わっているのではないかという問題も指摘されていますので、更新制度が必ずしもいいというようには考えませんし、それよりは、CPDがただ時間を重ねればいいというものではなくて、技術士の質の向上に寄与していくような教育がなされるということが重要ではないかと思います。

○野間口分科会長 まさにそのとおりで、仏つくっても魂が入らなければ意味がないので、今の御発言は大変貴重な御指摘だと思います。
 これに関して、いろいろ議論を聞きながら感じたのですが、JABEEのコースを実施している大学と日本技術士会との連携、あるいはそれをプロモートするような施策とか、そういうのは今現在あるのでしょうか。どうなっているのでしょうか。

○板倉基盤政策課長 そういう意味で、JABEEの認定を受けた大学等と技術士制度の運用上の連携は、制度としてはございません。第一次試験の免除の部分だけでございます。

○野間口分科会長 今、廣瀬委員や皆さんの話をいろいろと聞きながら、CPDの質の向上や実効性の向上は、大学側にとっても産学連携のきっかけを見つけるいい方法のような気がいたします。

○土屋科学技術・学術政策局長 分科会長がおっしゃるように、その部分は、現在でも反省点というか改善点の一つだと思っています。

○野間口分科会長 格好いい方向ばかりに目が行って、本当に世の中のために役に立てるというところで、きっちり取り組む必要性を感じます。
 それでは、斉藤委員、池田委員という順番で。斉藤委員からどうぞ。

○斉藤委員 斉藤です。
 私自身もJABEEの立ち上げに関係したので、JABEEの卒業生が第二次試験の受験者で非常に少ないというのは、非常に意外に思っているんです。私も幾つかの大学とか高専の審査に行きますけれども、わりあい地方の学校が多いんですよね。先ほど来、有名大学はあまり興味を示さないという話もあったので、なぜJABEEの卒業生から技術士があまり生まれないかという観点をきちんとするために、JABEEの卒業生がどういう会社に行っているのかという分布と、興味を示さない一流大学の卒業生が行っている比率がどうなのか、それをベースに考えないと、誤ることになるのではないかと思います。
 JABEEも少し元気がないという話を時々聞きますけども、本当にそういう問題なのか、それともJABEEの卒業生が就職していく先の問題なのか。あまり違うところに就職すると、それどころじゃないという話になると思いますので、一度もそういう基礎資料を見たことがないので、お調べいただけるものならお調べいただきたいと思います。

○野間口分科会長 それでは、池田委員。今のお話、企画官か課長で後ほど対応できる範囲でお願いします。

○池田委員 先ほどJABEEの件を申し上げたんですが、私はCPDについても大学がもう少し関与していただいた方がいいんじゃないかと思っています。最初、CPDをやらないといけないということで、建設系CPD協議会というのを作らせていただいて、これは多分、メンバーは学協会の人数を合わせると30万とか40万いるんじゃないかと思います。
 ところが、私は大学の方にいろいろ声をかけたんですが、大学は全然やってくださらないんです。イギリスはCPDのプログラムを大学がしっかり持っていまして、大学のベテラン教員が関与するんです。ところが日本の場合は、大学がなかなか、JABEEにあまり有力大学は関心を示さない。それから、出ていった人たちのケアもあまりしていないということで、これから技術士制度をどうやって発展させていくかという中で、大学の役割というのをもう少し高めていく必要が私はあるだろうと思います。それが、柘植先生がおっしゃっているようなT型人間とか、そういう人間をつくっていく1つの方策にもなり得るのではないかと思っていますので、今後、大学との連携をぜひよろしくお願いしたいと思います。

○野間口分科会長 戸嶋委員。

○戸嶋委員 資料1は案ですから、これは修正することも可能ですよね。そこでお願いがあるんですけれども、一番初めに産業界が求めている技術者とはどのような能力を有する者かということを明確にする必要がある。この能力の前に、資質や能力ということを入れていただけたらありがたいと思います。
 といいますのは、私どもの議論の中で倫理の話も随分したんですけれども、この中にちょっと欠けている側面がある。西田委員から、企業の中で倫理が結構高く評価されている、山下委員からもそのようなことがありました。皆さんから、産業界でも、斉藤委員からも佐藤課長からもそういう説明がありました。そんなことで、私どもが思っている以上に倫理に関する問題は大きなウエートを占めているんではないか。技術に対する評価が非常に難しいというのが、経産省の12ページに「技術者の能力は定量化しにくい」と書いてありますけれども、一方で個別意見の中で、技術士がサインをする等をやることによってステータスを高めていったらどうかというのが、同じページの「促進するために何が必要か」の下から5項目め以降に書いてあります。そういうことで、倫理に関する評価は企業内でも社会的に結構高いことがありますし、それは非常に大きな要素ではないか。試験の中でも、もう少しその辺の位置付けをしっかりしたい。
 内村委員から、制度の検討の中で公益確保を目的の中に加えるべきだという御意見がありました。非常に貴重な意見だと思いますので、ぜひとも前向きに検討していただきたいと思います。以上です。

○野間口分科会長 ありがとうございました。小林委員。

○小林委員 少し方向が違うので恐縮ですが、資料4の中の6ページ目、「企業は技術士資格をどのように評価しているのか」で、「評価しない、評価段階にない」、「必ずしも技術者のレベルを反映しない」、「その他、無回答」も入れて4社というのが多いのか、少ないのか、よくわからないんです。現在の技術士制度のもとにおいて技術士制度の活用を本当に必要としている産業界はどういうところにあるのかが、もう一歩、読めるような形であればよかったし、その辺がわかるのであれば教えていただきたい。
 業界による問題なのか、それとも会社の規模によるものなのか、管理者というか代表者のそういったことに対する認識によるものなのか、よくわからないので、その辺をもう少しはっきりさせることが今後、技術士制度の改革において大事なことじゃないのかなと感じます。
 また、技術士制度の改革の方向を検討するに当たって、産業界のどういった形をターゲットにするのかを検討するにあたっても、そういったことが大事なんじゃないのかなと思いますし、先ほどのメーカーの方々の会社においても、今の技術士制度において本当に技術士制度の資格が必要なのかどうなのかが今一歩、わからない。もう少し言ってしまうと、ベテランのきっちりとした技術者、能力、資質のある技術者がおればいいようにも聞こえる。誠に申し訳ないんですが、その辺がはっきりしないのが残念だなという感じがいたします。

○野間口分科会長 経済産業省、今の御質問について、答えられるところについてお願いします。

○経済産業省(大家企画調整官) 非常に難しいお話なんですけれども、まず一つ、業種という点からすると、やはりコンサルタント系につきましては、5ページの右側を見ていただきますと、技術者の比率そのものが如実に物語っている状況です。ですから、コンサルタント系あるいはコンサルタントに近い、一部、建設的な要素を含むエンジニアリング系につきましては、それなりの比率で技術者の数はおられます。それに対して、さきほどの話がありましたコンシューマ系が大部分を占めるところにつきましては、技術者の比率は非常に低い状況です。
 あと、今回の調査の中で、幾つかの企業の中で技術士が増えていく要因が幾つかパターンとしてありまして、1つの例としましては、やはりある程度まとまった事業部内の方が技術士という認識を持つ。つまり、総合電機などですと、社会インフラ系の事業所はそういった要素が強くなります。そういったところで技術士の数が増えて組織ができると、トップが認識する。そこで報奨制度ができて、普及していくパターンがありました。もう一つは、企業が新たな特定の事業に取り組む際、新たに中途採用するときに、たまたま技術士の必要な分野の人たちを採用しますと、企業の中でまとまったグループができ上がって、企業の中で認識される。その後、普及していくパターンがありました。そういった形で、ある種、企業が事業上のメリットを感じる部分が出てくると、技術士の認識が行われて普及するという形になっています。それは特定の事業に依存しているわけではありませんで、材料系という、今回の製造系の中でも特に技術士の比率が低いところでも同じような事例はありました。

○野間口分科会長 なかなか難しい御指摘ですし、答えも難しいと思います。スーパーエンジニアがいたら解決してしまいます。しかし、これだけ事業分野が広がって、これだけの量の事業を世界で展開していこうとしたら、質も含めてあるレベル以上の技術者が必要ですので、そういう意味で技術士制度は生まれてきたのだと認識しています。そのためにはどういう制度であるべきかということではないかと思います。経産省の味方をしているわけではないですけれども、1つの調査から全てを導き出すのはなかなか難しいのではないでしょうか。
 石田分科会長代理から。

○石田分科会長代理 どうもありがとうございます。今、委員の先生方の御意見を承って、いろんな論点が相当出てきておるのかなという感じもするわけでございます。
 私は、たまたま最初に公務員になりましたときに既に技術士制度があったわけでありますけれども、そもそも技術士の沿革と申しますのは、ほかの、特に技術系の国家資格は、具体的な法律目的をしっかり施行するために、その受け手である人間がどれほどの技量、技能を持っていなければいけないかということで、非常にフォーカスされた資格であることは多いわけであります。技術士も、もちろん一部、そういうところもあったわけですけれども、他面、それと並んで、昭和30年代でありますので、科学技術を振興していく、技術は非常に大事だということを我が国全体に推し及ぼしていくという理念もあったように思うわけでございます。そういうこともあったりするものでありますので、確かに技術士の活躍、活用のされ方はいろんな局面があってしかるべきなのであって、今、それぞれ委員の先生方からお話しになったようなことは、それぞれの局面でいろいろやっていただければ非常にいいんじゃないかという感じがしておるわけでございます。
 それから、さきほど戸嶋委員からもお話がありましたけれども、私が今、たまたま関係しております一般社団法人技術同友会での議論で、これは一回、申し上げたことがあるかもしれませんが、技術系の資格に使命感や、使われた言葉で言いますと「品格」という要素をぜひ導入してほしい。品格というのは、どうも当時の流行語にやや引きずられた感じの言葉でもあるような感じもしますけれども、そういう要素もあるのではないか。それに関連して、技術的に高い能力がちゃんと生かされるためには、全ての技術士に期待される資質として、まさに一般的な教養やリベラルアーツの能力も非常に大事ではないか。どう織り込んでいくかは非常に難しいわけですけれども、そういう要素も要るんじゃないかという議論があったことを、ぜひ御紹介させていただきたいと存じます。
 大学の役割は、各先生方からお話のあったとおり、非常に大事だと思っております。先ほど局長からもお話がありましたように、更新の問題はなかなか難しいところもあって、私もたまたま大学の現場で教員の10年研修30時間というのをやりましたが、ぜひ実のあるものにしたいし、努力はしておるんですけれども、なかなか期待どおりにはいかない面も確かにあります。ポイントは、更新制といいましても、ぴしっと、本当に更新されなかったらそれで終わりというだけでなく、資格は停止させておいて、さらに何かしたら復活するとか、いろんな考え方もあると思うんですが、先ほど内村会長が言われましたように、資格制度みたいなものをあまりぎちぎちにやっていくことよりも、むしろなるべく若干のフレキシビリティーがあった方がいいんじゃないかということもあったりいたします。そういうことで、大学との関係は非常に大事であるわけでありますけれども、何とかフレキシブルな姿にできないものかなという感じがいたします。
 JABEEの議論がございました。私も実態はあまりよくわかりませんが、最近、一部の有力大学でもJABEEについての関心は若干持つ向きが出てきておるやにももれ承りますので、そういう傾向は非常にありがたいと思っております。以上でございます。

○野間口分科会長 大変貴重な御意見をたくさんいただきましたが、今後、さらに議論を詰めていく必要があると思います。今後とも引き続き議論を重ねたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 本日は時間の関係もありまして次に進めたいと思いますが、課長から今後の予定等を紹介いただきたいと思います。

○板倉基盤政策課長 本日は、貴重な御意見、どうもありがとうございました。
 次回の会合は、12月中に1回開催いたしまして、さらにその次は1月に1回開催して議論の方向を取りまとめたいと考えてございます。次回、12月の会合では、本日までの議論を踏まえまして、集約できる意見は集約し、さらには、まだ意見が分かれておるところも明示しながら議論の方向性をまとめたものを御提示して、議論を続けていただきたいと考えてございます。

○野間口分科会長 本日、もう一つの重要な議題がございます。「東日本大震災を踏まえた今後の科学技術・学術政策の在り方について(中間まとめ)」に移ります。
 これは、本年8月に科学技術・学術審議会総会において取りまとめられたものであります。中間まとめについては、参考5のとおり、科学技術・学術審議会の野依会長より、各分科会等において中間まとめの記載に追記・修正すべき点等について検討するよう、依頼がありました。先日、事務局よりメールにて照会いたしましたが、幾つかの御意見をいただき、資料6にまとめてあります。
 これにつきまして、事務局から説明をお願いします。

○吉田専門官 資料6-1及び資料6-2につきまして、御説明いたします。
 まず、資料6-1につきまして、今、分科会長から御発言がありましたとおり、先日、委員の皆様に意見照会させていただきまして、5件の御意見を頂戴いたしております。そのうち、御意見1につきましては、事務局から提示させていただきました案に対しまして、技術士が国家資格であることを明確にすべきであるという御趣旨、御意見2につきましては、理由に書いてありますとおり、技術士が主体となった文章では整合がとれないとの御意見をいただきましたので、御提案の趣旨を踏まえて修正したいと考えております。
 次に、裏面になります御意見3及び4につきましては、復旧・復興に当たって技術士の活用、活動の在り方につきまして御意見をいただいたと思っております。復旧・復興に当たりましては、日本技術士会が本年1月に技術士が復興支援に協力できる内容を取りまとめ、復興支援技術士データベースを構築し、その情報を復興庁や関係自治体等に提供することで復興支援を推進している状況でございます。
 次に、御意見5につきましては、技術者の他分野とのコミュニケーションの重要性、安全に関する事項についての経営者等デシジョン・メーカーとの意思疎通の重要性等について御意見をいただいたと思っております。いただいた御意見の内容から、資料6-2、中間まとめの本文2ページ目下段に括弧でございます「多様な専門知の結集によるシステム化」という項目の記載内容に通じるものがあると思われますが、技術士として取り組むべき事項であるかについて、本日、御議論いただければと考えております。
 資料6-1につきましては、以上でございます。
 次に、資料6-2につきまして、御説明いたします。
 資料6-2につきましては、先ほど御紹介させていただきました御意見1及び2を踏まえまして、事務局案に修正したものを反映しております。事務局として提案させていただきたい部分につきましては、本文13ページのアンダーラインを引いているところになります。以上、簡単ではございますが、資料6-1及び6-2の説明を終わります。

○野間口分科会長 今の事務局の報告を踏まえて、さらにここで、どうしてもこういうことが必要ではないかという御意見がありましたら表明していただいて、それらを含めて参考6の様式に反映するようにしたいと思います。どうでしょうか。
 従来以上に基本計画並びにこういった審議会としての意見表明に、分科会の意見を反映していただくように努めているつもりではありますので、委員の皆さんからの御意見があれば、よろしくお願いします。よろしいでしょうか。
 それでは、総会への提出は分科会長に一任いただきたいと思います。よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○野間口分科会長 ありがとうございます。
 それでは、最終的に分科会としてまとまりましたら、事務局より皆様にお知らせすることといたします。
 最後でございます。議題3、技術士法施行規則の一部を改正する省令について、事務局より報告をお願いします。

○小林係長 資料7-1、7-2、7-3を順に御説明させていただきます。
 資料7-1につきましては、本分科会に置かれました制度検討特別委員会にて御議論いただいた技術士試験の見直しについて、6月27日の第22回分科会にて報告していただきまして、さらにその場で御議論いただき、取りまとめられたものでございます。資料7-1は、その第22回分科会で配付した資料でございます。資料7-2は、今、申しました第22回分科会でお示しし、そのときの議論も加味した上で、パブリックコメントの募集の際に公表させていただいた資料でございます。
 技術士試験の見直しに当たっては、第一次試験の共通科目を廃止することにつきまして、技術士法施行規則を改正することで対応いたしました。この省令の改正につきましては、8月10日から9月9日までの1か月間、パブリックコメントの募集におきまして99件の御意見を頂戴いたしました。その御意見の中身につきましては、資料7-3の2枚目以降に書いてございますので、その部分を簡単に御説明させていただきます。
 資料7-3を1枚めくっていただきますと、別紙としまして縦にございます。99件の御意見がございましたけれども、こちらより、共通科目の廃止以外でも第二次試験ですとか技術部門、選択科目等について様々な御意見を頂戴いたしました。一部ではございますけれども、紹介させていただきます。
 別紙の1ページと書いてあるところの一番上、共通科目の廃止につきましては、賛成する、妥当と考えるという御意見がございました。また、「共通科目の学習による知識や技術の習得は必要不可欠である」ということで、反対という意見もございまして、賛否両方ありました。
 2ページ目に移りまして、第二次試験以降のことにつきましても、御意見が多数ございました。第二次試験の筆記試験につきましては、「択一式試験の導入に反対」ですとか、真ん中の下「最近の専門分野におけるトレンドを問うような択一式試験があってもよい」ということで、こちらも、反対もございますけれども、賛成するという意見もございました。
 続きまして、3ページ目、2ページから引き続き第二次試験の筆記試験のところで、「課題解決能力だけでなく論理的考察力を試験において明確に位置付けるべきである」という意見がございました。
 第二次試験につきましては、技術的体験論文や口頭試験についても御意見がございます。技術的体験論文につきましては、その廃止に反対する、又は賛成するという意見がございました。この廃止に当たって、業務経歴票に「技術的体験論文と同等の情報が記載できるようにすべきである」という意見、またその下に「技術的体験だけでなく、得意とする技術分野、学会等での発表及び学会誌等への投稿履歴、保有資格、CPD実績についても記載を求める必要がある」という意見がございました。一方では、「業務経歴票では、過度な記載事項を要求しないでほしい」という意見もございました。
 口頭試験については、20分という時間では短過ぎるという意見がございました。また、この20分の試験時間又は試問事項については賛成するという意見もあり、やはりこちらでも賛否両方ありました。
 4ページ目に移らせていただきます。技術部門及び選択科目についても御意見がございました。選択科目の統廃合については、「統廃合を望む」という意見がございます。「時代の流れに合わせた技術部門・選択科目の新設を提案する」ということで、例示として知的財産管理部門をおっしゃっている方がいらっしゃいました。一方で、「技術部門・選択科目の見直しに反対する」という意見もございます。「部門・科目ごとの資格の有効性、有用性は、技術的推移、経済的、社会的等、多面的、長期的、総合的な見地から判断すべきである」という意見でございます。
 続きまして、実施時期につきまして、平成25年度からの試験に対応すると御案内させていただいておりますけれども、御意見としては、時期尚早である、早過ぎるという意見がございまして、これについては、受験者の皆様が混乱することのないよう、新たな試験制度について積極的に周知していくとお答えさせていただいております。
 5ページ目、その他、技術士制度の全般についても、有益な御意見をたくさん頂戴しております。上の方から紹介させていただきますと、「第一次試験の受験者の多くにとっては敷居が高いと思われる。受験する年齢の若年化を図るべきではないか」という御意見がございました。また、その下には、技術士の社会的認知度を向上させるためには、資格のイメージの明確化と専門性の追求が重要だという御意見、さらに下の方へいきますと、「現状では、第一次試験と第二次試験が分離されることで、受験者の受験意欲が減退し、受験者の減少につながっているのではないか」という御意見もございます。「優秀な受験者を増やすには、第二次試験の受験資格を緩和すべきである」、またCPDにつきまして、技術士としての技術力・適性力を審査して力量を担保するために、CPDの義務付け等が必要ではないかという御意見がございました。
 技術士試験の見直しに当たりましては、先ほど申し上げた第一次試験の共通科目の見直しについては省令による改正で対応させていただいております。また、第二次試験の筆記試験、口頭試験の試験方法等につきましては、本分科会に置かれました試験部会で今後、御議論をいただいた上で、次回の分科会で試験実施大綱として決定させていただく予定になっております。以上、御報告申し上げます。

○野間口分科会長 ありがとうございました。本件は報告となります。
 最後に、事務局から、今後の取扱い等について何かありましたら、お願いします。

○小林係長 本日の会議の議事録につきましては、後日、事務局より皆様に御照会させていただきまして御了解いただいた上で、文科省のホームページに掲載させていただくことになります。
 また、次回及び次々回の分科会の日程につきましては、皆様に御照会させていただきまして、決定の上、御案内させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○野間口分科会長 本日は、貴重な御意見をいただきまして、また3人の方から貴重な御報告をいただきまして、本当にありがとうございました。終了といたします。

午前11時57分閉会

 

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