平成19年12月21日(金曜日)14時〜16時
東京會舘11階 シルバールーム
野間口分科会長、石田分科会長代理、國井委員、鈴木委員、中西委員、池田委員、大中委員、大橋委員、河野委員、高橋委員、玉田委員、戸嶋委員、鳥養委員、長島委員、廣瀬委員、松
委員、山辺委員
山脇基盤政策課長、佐々木基盤政策課企画官ほか
社団法人日本技術士会
(試験問題に関する情報の公開等、公正かつ適正な試験を実施することが困難になるおそれのある案件を含むため、技術士分科会運営要領に基づき冒頭の一部は非公開)
資料2「平成19年度技術士第二次試験(筆記試験)の結果について」について、事務局より説明があった。なお、委員から次のような意見があった。
【高橋委員】
電気電子部門の合格率は毎年低く、その理由は強電、弱電両方の分野を含み幅が広いことも要因であり、弱電分野の技術者は電子の問題だけで解答できるように求める声がある。
【石田会長代理】
試験部会でも電気電子部門の専門委員から今回の合格率を踏まえ、対応したいとの意見が述べられている。
【池田委員】
電気電子部門については制度検討作業委員会でも十分検討したい。一方、今年度の第二次試験筆記試験においては、申込に対する実際の受験率は高まっており、試験方法を見直した成果が出たものと考えている。
資料3「平成20年度技術士第一次試験実施大綱(案)」及び資料4「平成20年度技術士第二次試験実施大綱(案)」について、事務局から説明があった後、いずれも原案のとおり決定された。なお、委員から次のような意見があった。
【松
委員】
今回の変更点はなにがあるのか。変更された部分を明確に示して頂きたい。
【佐々木基盤政策課企画官】
昨年から実質的な変更は行っていない。指摘された点については、来年度以降反映させるようにしたい。
【河野委員】
第二次試験口頭試験における技術者倫理の配点を高めてはどうか。
【佐々木基盤政策課企画官】
試験部会でも同様の意見があったが、今年度からは技術体験論文を参照しながら口頭試験を実施していることも踏まえて、今のような経歴及び応用能力の配点となっている。今後、口頭試験の結果を踏まえつつ、制度検討作業委員会などで見直しの必要性を検討していきたい。
【河野委員】
技術士制度の魅力を提起するときに技術者倫理は大きなステータスとなるため、その手法を考えて欲しい。
【石田会長代理】
試験部会でも同様の議論があり、技術者倫理については経歴、応用能力等でも審査することが可能であり、全体として技術者倫理を重視することで対応するとともに、昨年より大幅な見直しを行ったため、その結果を踏まえ、今後対応することになると考えられる。一方、技術者倫理は試験に馴染まない部分があるものの、技術士における技術者倫理の責務のアピールは重要であるとの議論も行われている。
【長島委員】
学協会の技術倫理協議会においても技術者倫理を議論している。技術者倫理については試験配点よりも教え方、若しくは教材に工夫の余地があると考えており、日本技術士会は同協議会において重要な役割を果たしている。
【大橋委員】
技術者倫理については、第一次試験の適性科目において技術者倫理が出題されているとともに、第一次試験が免除されるJABEE認定プログラム課程の修了者においても技術者倫理の履修が必須となっている。第二次試験の口頭試験で技術者倫理を問うことは重要なものの、配点等については試験体系を踏まえ議論すべきである。
【大中委員】
APEC(エイペック)エンジニアなど国際的な技術者資格については、国際的な技術者資格及び技術者教育の枠組みが合同して議論している国際エンジニアリング(IEM)会議において、求められる能力要件が固まりつつある。技術士試験においては、第一次試験における基礎科目の導入など国際的な整合性を図ってはいるものの、今後、技術士が国際的な技術者資格となるにはどのような要件が求められているのか検討して欲しい。
【鳥養委員】
第一次試験の共通科目においては、得点がその科目の平均点以上が合否基準と定められているが、相対評価ではなく絶対評価のほうが望ましいのではないか。
【社団法人日本技術士会 竹下専務理事】
従来、共通科目を受験する者の合格率は低く、絶対評価の導入により合格率は更に低下する可能性がある。
【中西委員】
第一次試験に合格した者が遅滞なく第二次試験を受験できるように試験日程等を見直すことが、技術士の裾野を広げることになるのではないか。
【佐々木基盤政策課企画官】
第二次試験の受験要件には実務経験が求められており、基本的には第一次試験合格後、実務経験を積んでから第二次試験を受験することになるため、現在の日程で特段の問題はないと考えている。
【石田会長代理】
試験日程の見直しは現行制度では困難な面があるが、なるべく早期に技術士資格を取得できる工夫も重要である。
【池田委員】
国際的な技術者資格の要件では、技術者が専門の技術的職業に一定期間従事していることが求められており、技術者の経験を問うことも重要である。
【長島委員】
技術士の育成には、試験、教育及び実務経験の3つが必要と考えられる。そのうち、技術士取得に求められる実務経験は大学教授などの工学教育の関係者には受けづらい内容となっており、見直しの余地があると考えられる。海外では工学部の教授は技術士相当の資格を保有していることが多い。
【高橋委員】
技術士取得者は技術コンサルタント業に偏っており、大学及び行政などには広まっていない。資格取得者の層を拡大することが科学技術創造立国を支えることになると考え、日本技術士会においては資格取得促進に向けた活動を行っている。
資料5「平成20年度技術士第一次試験の実施について」及び資料6「平成20年度技術士第二次試験の実施について」について、事務局から説明があった。
資料7「平成20年度技術士試験委員の推薦方針」、資料8「平成20年度技術士第一次試験試験委員の推薦時期及び推薦数について」及び資料9「平成20年度技術士第二次試験試験委員の推薦時期及び推薦数について」について、事務局から説明があった。なお、委員から次のような意見があった。
【高橋委員】
資料7において試験委員の任期は原則3年となっているが、実際の運用では困難な部分もある。
【石田会長代理】
試験部会でも議論があり、第一次及び第二次の試験委員の任期はそれぞれ別々に運用することが確認されており、また、3年が困難な場合は柔軟に対応することで了解している。
【高橋委員】
指定試験機関である日本技術士会としては、出題ミスが発生しないよう努力しており、平成18年、19年において出題ミスは起こらなかった。今後も万全の体制で試験を実施していきたい。
制度検討作業委員会の検討状況について、同委員会主査である池田委員から下記のとおり説明があった後、委員から意見が述べられた。
【池田委員(制度検討作業委員会主査)】
制度検討作業委員会は、11月13日に開催し、委員の互選により私が主査に選任されるとともに、主査代理は大中委員にお願いした。制度検討作業委員会の公開については、今後の公正かつ適正な試験の実施が困難になるおそれがあるため、技術士分科会運営要領の規定に基づき、会議及び会議資料のすべてを非公開とし、議事要旨については公開することとした。
同委員会では、日本技術士会が検討した「技術部門のあり方についての検討結果」及び同技術士会が文部科学省の委託調査として実施した「技術者に関する資格制度についての調査・分析」の報告が行われた後、技術士制度の検討課題等について議論を行った。
主な意見は、下記のとおりであった。
上記の各意見を踏まえ、制度検討作業委員会においては、平成12年に行われた技術士法改正の効果の検証、及び今年度から第二次試験の試験方法が見直された結果を踏まえ、今後も引き続き検討していくこととした。
【大中委員】
我が国では、技術者は科学上の技術(スキル(技能)、テクニックを含む)を扱う者全般を指す概念で用いることが多いのに対し、欧米における技術者(エンジニア)は、数理科学と自然科学の知識とその応用力が能力の中核である者とし、スキル(技能)を中核とする技能者(テクニシャン)等とは明確に区別されている。我が国においても技術者(エンジニア)、技能者(テクニシャン)等の位置づけについて議論を行うべきであり、議論の過程において、プロフェッショナルエンジニアとしての技術士の位置づけも明確になると考えられる。
【戸嶋委員】
技術士を企業で評価しているのは技術コンサルタント業界以外では非常に少ないのが現状である。日本技術士会若しくは国で技術士をどのように活用しているのか調査し、普及させて頂きたい。
【大中委員】
エンジニア教育においては、政府が用いている研究者の定義が曖昧なこともあり、いわゆるサイエンティスト(科学者)まがいの研究者が増加し、本当のエンジニア教育の実践が困難となっている。また、技術士資格については、エンジニア共通の資格に育成していくべきである。
【松
委員】
制度検討作業委員会で意見のあった第一次試験のコンピュータ化は他の試験では受験者増につながっており、技術士試験でも有効ではないか。また、技術士資格を取得した者は、企業で高い評価を受けており、企業においても技術士の評価が形骸化していることはない。
【高橋委員】
個別の業務において、技術士であることが実質的な要件となる可能性のある業務の検討を進めているところであり、今後、技術士の活用を訴えていくに当たっては支援を頂きたい。
【河野委員】
技術士が産業界の技術者倫理をリードする存在になることができれば、技術士にとって大きな魅力になる。本分科会の委員には経団連の方もいるので技術士の活用を働きかけてもらうと良いのではないか。
【鈴木委員】
JABEE(日本技術者教育認定機構)認定の進捗状況はどうなっているのか。
【大中委員】
JABEE(日本技術者教育認定機構)認定を受けた大学等の理工学や農学課程(履修者は第一次試験を免除)は増加しているものの、名門大学が認定を受けようとしない問題がある。韓国の大企業においては、同国で実施している技術者教育認定課程の履修者は入社試験で優遇するなどの措置を講じており、我が国の産業界においても同履修者の採用等に関して更なる配慮をお願いしたい。
【廣瀬委員】
女性技術士の会として、JABEE認定課程の学生に技術士を周知するPR活動を行っているところであり、本日出席の委員におかれては大学の先生も多いため、PR活動にご協力頂ければと考えている。
【山脇基盤政策課長】
各委員からいただいた意見を踏まえ、文部科学省としても技術士を含めた技術者の問題について検討していきたい。特に、技術士制度については、技術士のPR、企業における技術士の待遇改善の必要性などの意見を踏まえ、多様な対策が必要になると考えており、今後、技術士分科会及び同分科会の下に設置された制度検討作業委員会で検討を行っていきたい。
一方、技術者全般の人材育成に関しては、科学技術・学術審議会の人材委員会で研究者及び技術者に対する報告が出されている。本日の分科会で提起された意見は、同人材委員会にも反映させ、技術者に対する育成・確保という問題について取り組んでいきたい。また、産業界とも協力して、産学人材育成のパートナーシップなど大学と産業界を結ぶ事業も徐々に拡大しており、今後、大学院の教育等も含めた形での技術者の育成についても取組みたいと考えている。
社団法人日本技術士会において検討した「技術部門のあり方についての検討結果」(参考4)について、日本技術士会から報告があった。なお、委員から次のような意見があった。
【長島委員】
船舶・海洋、資源工学部門の受験者は少ないものの、国際情勢及び日本の国益を踏まえると非常に重要な分野であり、著名な業績を挙げている大学教授を技術士にするなど部門の魅力を高め、受験者を増やす方策が求められる。
【玉田委員】
技術士の活用は建設業界に偏っており、その他の業界では活用されていない。行政としては、技術士の活用を法律で義務付けることを検討してもよいのではないか。
【國井委員】
ニーズに合わせた部門の新設など技術士の魅力を高めることが重要である。また、米国等と異なり、我が国は大学教授などの教える側に企業等での実務経験が少ないとの課題があり、そのため、実務経験が求められる技術士の魅力が学生に伝わらない面がある。
【野間口会長】
技術士を継続的な制度するには、技術士を供給する側、及び活用する側においても必要性を納得できるものとする必要がある。現在、技術士のステータスを上げていく様々な議論が出始めていると認識しており、今後、技術士が我が国の競争力向上にどのような役割を果たせるかを提案していくことが重要である。先ほど山脇課長の発言にもあったが、各委員の意見は、今後の科学技術・学術審議会あるいは他の部会等への提案も含め、様々な課題を承ったものと認識している。
【大中委員】
技術部門の専門高度化を進めることは、技術士の人数を増やすこととは矛盾が生じる側面もある。各種技術者に関する国家資格と技術士制度との関連を考慮し、技術士制度は技術者全般のベースとなる資格とし、更に高度な資格については、技術士資格取得者を優遇するような制度を目指すべきである。その結果、技術士資格の取得を強制しなくとも活用が促進されるとともに、技術者倫理も徹底し、安全な社会の構築に貢献すると考えられる。
【戸嶋委員】
技術士試験において技術者倫理を審査するには、審査側が単なる実務経験を有する専門家であることにとどまらない、技術者倫理に対する確固とした基準が求められる。
【池田委員】
大中委員も発言しているとおり、従来、企業に任されてきた製品等の品質保証における信頼が揺らいでいることを踏まえ、品質を誰が保障するのかという観点が国家戦略として非常に重要であり、その中で技術士はどのような役割を果たせるのかが求められている。
また、資源及びエネルギー問題は、国家戦略として大変重要ではあるものの、大学でも資源工学を教える学科は極めて少ないのが現状である。技術士の技術部門においては、将来を見越して必要な技術部門を育成する姿勢が求められる。
文部科学省からの委託調査として社団法人日本技術士会が実施した「技術者に関する資格制度についての調査・分析」(参考5、参考6)について、日本技術士会から報告があった。
以上
Copyright (C) Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology