第8期 技術士分科会 制度検討特別委員会(第1回) 議事録

1.日時

平成27年7月6日

2.場所

文部科学省 旧文部省庁舎2階 第1会議室

3.議事録

委員紹介、事務局より資料1,2に基づき説明があった後,委員の互選により,池田委員が主査として選出された。その後,池田主査によって,福山委員が主査代理に指名された。

【池田主査】   それでは、一言御挨拶させていただきたいと思います。前回に引き続き主査を務めることになりました。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 前回までは、技術士制度の在り方あるいはその試験制度の在り方について皆様方から御議論いただき、分科会等でも中間報告いたしまして御承認いただいたところですが、次のやはり作業としまして、試験制度に具体的にどのように落していくかという作業があるかと思います。それが中心ですが、あるいは、国内外、今、大きな変化が起きておりますので、そのようなものに対して技術士制度はどのように対応していくかという観点もこれから議論をしていく必要があるのではないかと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 福山委員からもお願いいたします。
【福山主査代理】  御指名いただきました主査代理の福山でございます。一言御挨拶申し上げたいと思います。
 ただいま池田主査からお話しがありましたように、分科会報告を受けて、この制度検討特別委員会で具体的なテーマを一つ一つ議論を深めて、着実に実行できるように、微力ながら務めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【池田主査】  よろしくお願いします。どうもありがとうございました。
 それでは、次に議題2、今後の技術士制度の在り方についてに入ります。
 今後の技術士制度の在り方については、前回分科会において設置された本委員会で、その見直しに係る主要論点について検討することになりました。まず本委員会の今後の検討の進め方について、事務局から説明をお願いいたします。
【杉浦専門官】  それでは事務局の方から、資料3を中心に御説明申し上げたいと思います。今後の技術士制度の在り方については、既に分科会でも御報告申し上げましたように、第6期の論点整理に始まり、前期の「今後の技術士制度の在り方について(中間報告)」をまとめて頂いております。そうした中で、残された課題につきまして、今後議論をしていくということでございます。
 資料3をご覧ください。1.主な論点ということで、中間報告等にも載せてある内容でございますけれども、一応おさらいさせていただきます。まず、第一次試験につきましては、出題内容と評価方法などにつきまして議論をしていきたいと考えております。第二次試験につきましては、まず技術部門・選択科目の見直しということを考えております。その後、試験方法、試験時間、配点、採点等について、さらに議論を進めていくということを考えております。
 そして、前期でも御議論いただいております、いわゆる普及拡大・活用促進の方策として、他の国家資格との相互活用の検討をさせていただいております。これにつきましては、前期にこの委員会の下に作業部会を設けまして、具体的に検討させていただいております。その点につきましても引き続き進めていきたいと思っております。なお、この国家資格との相互活用につきましては、現在、様々な国家資格と技術士資格との活用可能性について、委託調査を実施する準備を進めております。その調査・分析結果が10月末頃に出る予定でございますので、その結果を活用しながら議論を進めさせていただくということを考えております。
 次に他の論点でございますけれども、総合技術監理部門について、また、CPD(継続研さん)につきましても、これも前期におおむね議論をしておりますけれども、引き続き議論をして参ります。
 国際通用性につきましては、IEAのPC(プロフェッショナルコンピテンシー)を踏まえた「技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)」を策定するなど、これまで議論を進めていただいております。そうしたことを踏まえつつ、通用性についても改めて議論を進めていきたいと思います。なお、大学教育との連携という課題につきましても、併せて議論をさせていただきたいということを考えております。
 このような内容につきましては、今回の議論を踏まえつつ、今後毎月1回程度、開催したいと存じます。次回は、既に御連絡させていただいておりますが、8月5日を予定させていただいております。主に、第二次試験について議論をさせていただきたいと思います。3回目以降はまた日程を調整しながら、進めさせていただきます。第二次試験の、特に技術部門・選択科目につきましては、この委員会の下に作業部会を置いて検討したいと思っております。細かい内容につきましては後ほど御説明しますが、資料4として、第二次試験適正化検討作業部会設置要領(案)をお配りさせていただいています。また、相互活用作業部会、これは前期においても設置されたものですが、同様のものを設置して、国家資格との相互活用についてそちらで細かい議論をさせていただくということを考えております。そうした作業部会からの報告も踏まえながら、この委員会で議論をさせていただくということでございます。
 そして、必要に応じまして、親会であります技術士分科会の方に進捗状況について報告をして、議論をしていただくというような段取りをとりまして、できましたら平成28年、来年2月頃を目途に、この委員会の最終案を取りまとめて決定していただき、分科会において最終的な議論をしていただくということを事務局としては考えている次第でございます。
 大まかですけれども、以上が今後の技術士制度の在り方についての検討の進め方についてです。
【池田主査】  どうもありがとうございます。
 いかがでしょうか。これにつきまして御意見等ございましたらお願いしたいと思いますが。 8月5日のところに※で「非公開」となっているのですが、説明をお願いします。
【杉浦専門官】  この「非公開」につきましては、資料1をごらんいただきたいと思うんですけれども、基本的には、この会議は原則として公開となっております。ただし、過去にも何度かあったかと思いますけれども、具体的な試験内容、試験方法について議論をする際には、この設置要領の3.のただし書きにありますが、「試験問題に関する情報の公開等公正かつ適正な試験を実施することが困難になるおそれのある案件について審議する場合」、会議の一部又は全部を非公開とすることができるということになっております。次回につきましては、今回の議論を踏まえつつ、試験について少し深い議論をしたいと考えておりますので、非公開とさせていただきたいと考えております。
【池田主査】  第3回以降も、内容によっては非公開もあり得るということですよね。
【杉浦専門官】  はい。3回目以降も、内容に応じて、御了解いただきながら、公正かつ適正な試験を実施する観点から非公開ということにさせていただくことになるかと思います。
【池田主査】  皆さん、そういう取り扱いでよろしいでしょうか。試験のことですから、やはり慎重に取り扱った方がいいと思いますので、そういうことで、内容によって非公開と、次回は恐らく非公開ということでお願いしたいと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
【奥野委員】  ちょっと済みません。後でまた話題になるのかもしれませんけれども、論点のところで、第一次試験について、出題内容とか評価方法というのが挙げられているんですけれども、前回議論になりました大くくり化、これもこの内容の中に入っているという理解でよろしいですか。
【杉浦専門官】  はい、そうですね。大くくり化につきましては、前期のときに、第一次試験適正化検討作業部会を作りまして、おおむねの議論ははできていると思います。現在の20技術部門を5つの系という形で、それから、それに属する技術部門を定めていくということで前期、そこに該当する専門科目までは御了解いただいているかと思います。それをもう一度確認をしていただくと同時に、併せまして、その作業部会において議論できませんでした各専門科目の内容範囲についても、今後議論させていただきたいと考えております。第一次試験の専門科目については、第二次試験で定められている「選択科目の範囲」のようなものはもともと定めておりませんでした。ただ、そのためにいろいろ誤解が生じたり、作問の仕方にもいろいろ影響があるのではないか、やはり範囲を定めた方がいいのではないかという御議論がありました。一方で、そういうものがあると、それによってデメリットもあるということと、あと時代の変遷によって大学等のカリキュラムも変わりますので、あくまでも参考として、何らかの形で明示した方がいいのではないかというような議論だったかと思います。実は現在、(一社)日本技術者教育認定機構(JABEE)の方の御協力を得まして、その専門科目の範囲、内容について整理をしているところでございます。そうした御協力を得ながら、案がまとまった段階でこの場で御確認いただくという作業にさせていただきたいと考えております。
【福山主査代理】  同じく論点の丸の5番目にございます総合技術監理部門の件でございます。これは中間報告等で、一部、総合技術監理部門の取り扱いみたいなものをまとめてあると思うんですけれども、あの段階で方向性は決まっていると考えてもよろしいんでしょうか。それとも方向性はこれから議論をして深めていくというふうに考えるんですか。
【杉浦専門官】  この件につきましては、これまでの議論の中で論点整理をさせていただいているんですが、引き続き、ブラッシュアップした中で、御議論いただく素材を提供しながら御審議いただくという形になるかなと考えております。
【池田主査】  そうですね、これは随分議論しましたけれども、結局、こうしようというのははっきりまだ決まっていなかったような気がしますね。ですから落としどころをどこにするかというのをちゃんと決めていかないといけないですね。
【福山主査代理】  そうですね。
【池田主査】  よろしくお願いします。
【吉田委員】  今の続きでございますけれども、前回の技術士分科会、野間口分科会長のときに、20プラス1にするということで、当面は一応決着を見たと。ただ、総合技術監理部門の、この部門の持つ特異性から、一体どのフィールドで使うのかということが定まっていないねということになっているのではないかと僕は認識していると思うんですが、もう一度、この総合技術監理部門を議論してしまうと、私が2年間いた間、あるいは、その資料を見てみますと、その前年も延々と議論しているんですよ。
【杉浦専門官】  まさしくそのとおりでして、議論をしていながらも、最終的な取りまとめという意味のことをしていないということだったと思います。
【吉田委員】  いや、だから、技術士分科会の野間口先生の分科会長のときに、20プラス1で、これを上とか下とかで扱うと、じゃあ、今までの技術士はどう扱うんだと、また戻ってしまうということで、そういう議論はしないと。と同時に、私が記憶している限りは、この話は、いわゆるこういうことでいいんじゃないのというふうに決まったと私は思っているんですけれども。
【杉浦専門官】  済みません、先程の言い方が的確でなかったかと思います。その辺は、いわゆる議論をするという言い方がよかったかどうか、つまり、まだ取りまとめをしていないということです。形の上で、報告として中間報告に一切載せておりませんので、一応整理をした上で報告をしていくという形になるかなと思っています。
【吉田委員】  いや、私が言っているのは、中間報告を持ってきているんですが、確かにそういうふうに書いていないんですが、議事録を見れば明確に書いてあるんです。
【杉浦専門官】  はい、ですので……。
【吉田委員】  だから、あえてなぜここに載せなかったか分からないけれども、載せなくていいと、要するに総合技術監理部門のフィールドを今後どういうふうにしていくんだということを今後議論するだけで、つまり総合技術監理部門を、はっきり言えば、なくすのか続けるのかという論点だろうと僕は思うんです。それをひっくり返すとなると、分科会で分科会長までが裁定したわけですけれども、どうなるんだろうと。もう一回蒸し返してやるのかということになれば、新しい分科会長と私もお話しをして、そういうお考えなのかと聞かなければいけないと思うんですけれども。
【池田主査】  特に蒸し返すつもりはないですね。
【杉浦専門官】  はい。
【池田主査】  蒸し返すということには多分ならないだろうと思うんですけどね。
【吉田委員】  特に、実はこの論点の中に密接に関係するんですが、国際的通用性ということを、いわゆる技術士の資格を国際的に通用する、あるいは同等性を保つようにするためにはどうだという議論をしてきたわけでありますけれども、これはここと密接に絡む話なんです。だから、どういう議論の論点でもう一度この議論をするのか、それこそしっかりと整理した上で、フォーカスを当てて議論してもらいたいと私は思います。
【杉浦専門官】  先ほどから申し上げましたように、今までの審議の中で、取りまとめの形として今はまだ出ていないという形なんですね。ですので、それを取りまとめる形にして、御相談して……。
【吉田委員】  確認をするということですね。
【杉浦専門官】  確認をするという意味の議論でございます。
【吉田委員】  はい、分かりました。
【杉浦専門官】  今までいろいろな議論があったかと思います。その中で、第6期に課題として挙げられた項目で、現時点の中間報告の中で、形式上、整理をされていない、そういった項目についてはきちんと整理をしていくという意味の検討議論をしていくという意味でございます。
【吉田委員】  はい。
【池田主査】  よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。それでは、以上でよろしいでしょうか。それでは、資料3での説明でもありましたように、作業部会ですが、第二次試験適正化検討作業部会と相互活用作業部会を設置してはいかがかと思いますが、まず事務局から説明をお願いします。
【杉浦専門官】  先ほど検討の進め方ということで少しお話し申し上げましたが、前期、第7期におきましては第一次試験を中心に議論をしております。今回、第二次試験、特に技術部門と選択科目を中心とした議論を進めていく上で、やはり具体的な内容をやる上では専門の方々に入っていただいた議論をした方がよろしいのではないかということで、第二次試験適正化検討作業部会を設置させていただいて、そちらの方で議論をしていただくということでございます。
 設置要領(案)にございますとおり、中間報告において取りまとめた技術士制度の在り方の見直しに係る検討の一環として、技術士第二次試験の適正な在り方の検討を行うため、制度検討特別委員会設置要領第2条に基づき、以下のとおり、制度検討委員会の下に第二次試験適正化検討作業部会を設置するという案でございます。
 設置目的は、今申し上げましたように、技術部門と選択科目及び選択科目の内容等の適正な在り方について検討することを主たる目的としております。この内容については、公正かつ適正な技術士試験の実施が困難になるおそれがあるため、作業部会の議事録及び資料は非公開といたします。運営については、検討の結果は作業部会の委員が制度検討委員会に適宜報告するということでございます。
 2つ目につきましては、相互活用作業部会の設置要領(案)でございます。これにつきましては、前の第7期においては、高度情報処理技術者試験の関係において特に中心に検討をしていただいたものを改めて設置し、内容的にはもう少し幅広く、技術士資格の普及拡大・活用促進のため、他の国家資格との相互活用を検討するということでございます。同じく会議は非公開です。それから運営についても制度検討特別委員会に適宜報告するということになります。
 この設置を御了解いただきました後、後日、所属いただく委員の任命をいたします。これは、ある程度、制度検討委員会で議論が深まったことを踏まえつつ、作業部会において実際に審議を行って頂くためです。また、相互活用作業部会についてですが、現在、当課において国家資格に関する委託調査を行っております。国家資格およそ300のうち、技術士資格と類似性の高いと思われるものをおよそ100選びまして、その資格について、それぞれの目的とか内容等について、今、調査をしております。その結果を踏まえて、ある程度絞り込んでいった上で議論した方がよろしいかなと考えております。今年10月末ぐらいまでには調査を終わらせたいと考えておりますので、それ以降に作業部会を開催して、こちらの委員会の方に報告をいただくという形にさせていただきたいと思います。
 また、第二次試験適正化検討作業部会については、こちらの制度検討特別委員会の方である程度の方向性の議論をした上で、細かい具体的な内容について議論をしていただくというふうに考えておりますので、これにつきましても、こちらの審議状況を踏まえつつ、実際に開催するということになると思います。
 属する委員につきましては、皆様に適宜御相談させていただきながら人選等をさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。
【池田主査】  どうもありがとうございます。
 ただいま2つの部会の設置要領について御説明がありましたが、何か御意見とか御質問がありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょう。
 具体的には、二次試験の適正化の検討作業部会はいつ頃設置になりますか。
【杉浦専門官】  事務局の案としては、できましたら2回ぐらいこちらの方で非公開の会議をやって、ある程度方向性が出た上で、ここにございますような具体的な技術部門と選択科目、、かなり細かい内容になりますので、それについては、例えば9月以降かなというふうにはイメージはしております。
【池田主査】  なるほど。そうすると、相互活用と同じぐらいということですかね。相互活用が10月頃かと思いますが。
【杉浦専門官】  相互活用は11月になると思います。
【池田主査】  じゃあ、こちらの方がちょっと早いということですね。
【杉浦専門官】  そうですね。少しずつタイミングをずらしながら議論をして、先ほど言いましたように、報告を上げながら審議していくという形にしたいと考えております。
【池田主査】  はい。大体の日程の感覚は分かりました。
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、本日付けで、第二次試験適正化検討作業部会及び相互活用作業部会の2つの作業部会を設置することといたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【池田主査】  どうもありがとうございます。
 それでは、きょうのメーンの議題だと思いますが、技術部門と選択科目について、まず事務局から説明をお願いしたいと思います。
【杉浦専門官】  それでは、資料6、7、8をベースに御説明を差し上げたいと思います。技術部門、選択科目については、これまで既に多くの議論をしているところがございます。念のため、おさらい的に説明させていただきますが、その点は御了解いただきたいと思います。
 技術士の部門、御存じのとおり21ございます。特に試験については、総合技術監理部門については選択科目がございませんので、実際は20の技術部門にそれぞれ選択科目があるという形で、96の選択科目がございます。技術部門20、選択科目96ということになります。
 これにつきまして、これまでいろいろな議論が行われてきております。こちらで最近の議論について整理したペーパーが資料6でございます。時代のニーズに合わなくなってきて受験者がいないという選択科目については、技術継承という観点で残すか、あるいは技術の変遷に合わせて統合あるいは廃止を検討すると。それ以外の今後成長の可能な分野については、時代のニーズに合った科目を新設することにより活用促進を図り、当該部門の技術士数を増やすことにより、技術士全体の認知度の向上を図るという形で、事務局からの素案を提案させていただきました。こうした考え方を踏まえて、制度検討委員会において、技術士試験の見直しについて議論し、取りまとめ、この後、分科会の了解を得て、見直し案を出しております。
 そのうち、技術部門のところでございますけれども、今後の2年程度の受験者の動向を見て、受験者数が20部門全申込者数の0.05%を下回る選択科目について、廃止を含めてその在り方を検討し、0.1%を下回る選択科目については、他の選択科目との統廃合や内容の変更を検討するという決定をいただいております。また、現行の96ある選択科目の総数は上回らないこととしております。これは平成24年5月23日に制度検討特別委員会として出しまして、6月27日に分科会の方で御了解いただいて、これに基づいて、25年度から試験制度の改正等をやっています。
 その他の部分については、先生方、多くの方は御存じだと思いますので省略させていただきますが、いわゆるこの技術部門・選択科目の部門については、正直言って、議論が残っているという形になっております。論点整理の中でも、業種(部門)における技術士の活用状況並びに技術部門及び選択科目の将来性や技術の変遷に留意しながら、長期的、多面的、総合的な見地から、現在の技術部門・選択科目の在り方を検討するということで、現在、議論をしていただいているのですけれども、その際に、ここに書いてありますように、いろいろな議論を踏まえまして、高度な専門性が重要であるという考え方の上に、個々の技術部門に培った共通部分や総合技術監理部門を位置付けて、縦の専門性と横の幅広さをともに備えることに留意するということで論点を整理しております。
 さらに、ここで参考となりますのが、日本技術士会の方で検討委員会を設けて、そこにおいて答申を得ております。技術士会の理事会で承認を得て技術士会として出しているものです。主要な内容としては、選択科目の再編等ということで、機械、化学、繊維、金属、資源工学、上下水道の各部門の選択科目を変更し、現行の96の科目を86とすること、また環境関連選択科目の見直しということが提案されております。
 実際に、平成24年に整理した内容について、具体的に前期において議論についてはしておりません。これは、前に戻りますけれども、2番目の丸の「技術試験の見直しについて」というので、「今後2年程度の受験者の動向を見て」ということで、25年と26年の結果を踏まえて見るということであったためです。このため、今までおよそ2年間ばかり、この議論は進めておりません。このたび、この2年間が経過しましたので、再びこの技術部門・選択科目の在り方についての議論を再開させていただくということでございます。
 この論点については、は中間報告にも再整理をしておりまして、一応御確認いただいているのは、同じような形の整理になりますけれども、技術部門及び選択科目の将来性や技術の変遷に留意しながら、長期的、多面的、総合的な見地から、これらの在り方を今後検討する。選択科目の在り方については、技術士第二次試験制度検討特別委員会答申の内容を参考とするという形で前期は取りまとめております。
 また、検討に当たっての観点ということで、今までの議論を踏まえて事務局の方で整理したものでございます。技術部門・選択科目の再編に当たり、特に以下の観点を踏まえて検討する。社会経済環境の変化、科学技術の変遷、現在の技術士資格の活用状況、将来性や時代のニーズに合った試験の在り方について、成長可能な分野での科目の新設、受験申込者数が極端に少ない選択科目の再編、共通性の高い選択科目の再編、あくまでも事務局の提案ですけれども、こういった観点で今後の議論をしていくのかなと考えております。
 先ほど申しましたように、これまでの議論において受験者数の動向をみてということが指摘されておりますので、それを整理したペーパーが資料7になります。資料7をごらんいただきますと、各部門、選択科目ごとに受験申込み者数が記載されております。平成25年度、平成26年度、それぞれ記載しております。
 総受験申込者数があって、それに占める割合ということで、基準に示しております数字である全20部門の0.05%又は0.1%の部分を色塗りをしているものでございます。0.05%未満が黄色、0.1%のものがグリーンというふうになります。
 上の方から見ていただきますと、01とかというのは一応整理番号でございます。技術部門の機械部門のロボットの部分、これが0.1%以下、船舶・海洋部門、これは全てが0.05%以下、航空・宇宙部門、これは3部門それぞれ0.1%以下と0.05%以下になっていると。同じくずっと下を見ていっていただきますように、年によっては全体の受験者数等の変動がございますので、色が塗られていないところもございます。ただ2年間見たときに、こういったそれぞれの科目において、確認をする基準となる数字を下回っているものがあるということを、この表で御提示させていただいております。
 それで、資料8の方ですが、参考として付けさせていただいた、実際の登録者数の推移でございます。過去5年間の推移を掲載させていただいております。御存じのように、受検者数と登録者数というのはおおむね比例している形になっていると思います。実際は、第二次試験を受かりましても、いわゆる合格者の段階ですので、実態的には登録をしなければ技術士として名乗ることもできないということで、登録されない方もいるとは言いながら、多くの方は登録されております。
 比較をしていただければ分かりますが、先ほど資料7で言った、部門において全ての選択科目が示している基準を下回るものが、上からいきますと船舶・海洋部門、こちらの方が、26年度末、平成27年3月末現在の登録者数が203人、航空・宇宙が191人、それから繊維部門につきましては792人、あと資源工学が466人になっております。ほかはあったりなかったりしますので、それぞれ見ていただければと思いますが、伸び率ですけれども、例えば船舶とか海洋、それから繊維、資源工学等につきましては伸び率がやはり低くなっているというのが実情かなと思います。
 こういったデータを参考にしながら、先ほど言った観点で御議論いただければと思っております。また必要なデータにつきましては、場合によっては机上資料の方にもう少し細かい資料も若干用意しております。机上資料の方にもございますので、必要に応じて私の方から補足させていただきたいと思いますが、そういった資料を参考に、少し御議論いただければなと考えます。
【池田主査】  以上でよろしいでしょうか。
【杉浦専門官】  はい。
【池田主査】  どうもありがとうございます。
 それでは、資料6、7、8について御説明いただきましたが、技術部門・選択科目の在り方という、これは非常に重たい議論になると思いますが、まだ1時間強、時間がございますので、御議論をお願いしたいと思います。どれからでも結構ですので、御質問等ありましたらお願いしたいと思います。
【岩熊委員】  この受験者を分母にしている、参考に見ると、確かにこうなるのですが、もう少し産業に近い形で分母がとれないかなと。もともと働く人が少ない部門もあります。この手元資料の中に、例えば専門的・技術的職業従事者数がありますけれども、こういったものも、数値を出すときに参考にしないと偏ってしまうかなというのと、もう一つは、部門そのものに対してどうするのかという議論は余り考えていない、選択科目の方をどうするかというふうに考えているのですか。
【杉浦専門官】  技術士試験の構成として、技術部門があって、その選択科目が存在するという形になっております。ただ技術部門についても、先ほど言いましたように、相対的に見て、各技術部門ごとの申込者数が、色は縫っていませんけれども、実はそれ自身が審議会で出していただいた基準の数字を既に下回っている部門もございます。ですので、その辺は、議論をしていく過程の中で、やはり整理していく必要があるのかなと思っております。
【池田主査】  この資料を拝見しますと、前の制度検討特別委員会では数値で一応しきい値を作ってという議論だったんですが、それ以外のファクターについては余り議論していないですよね。例えば、もう日本で働く人も余りいらっしゃらない、あるいはこれから採る人もいないというような分野もあるかもしれませんし、あるいは少ないけれども伸び率が大きいという分野もありますよね。それについては余りきちんと議論していないので、そのあたりをどうするかと。それから我が国として、戦略的にこれはやはり残しておいた方がいい、必要ではないかというのもあるのではないかという気がするんですね。そのあたりを少し皆さんに御意見をいただければいいのではないかと私は思います。単に数値だけで議論すると見誤る可能性もありますので、ポイントとしては、そういうことを我々としては考えておかないといけないのかなと思います。
【中谷委員】  こちらの議論のポイントというところに「今後成長可能な分野に時代のニーズに合った科目を」というところが書いてあるんですけれども、やはりその傾向を見てみないと、ある時期、例えば20年前、30年前には物すごくたくさんの技術士の方が増えたけれども、最近は伸び悩んでいるという傾向なのか、それとも、新設して、今、やっと伸び始めたけれども、まだ毎年の合格者は少ないという、その傾向がちょっと分からないという感じがします、この5年間、6年間というところですと。
【池田主査】  資料8は5年間ぐらいのがデータとして出ている。
【中谷委員】  もう少し前の方から見たいなという感じがするんですけれども。
【岩熊委員】  そうですね、多面的にファクターを入れて見ていかないと。
【中谷委員】  減らすということも1つあると思いますけれども、最近非常に伸びてきて、科目が例えば4つ、5つに分けていて、本当にそれで受験生の方たちが……、要するにもっと細分化する必要があるという科目もあるのではないかと思うんですけれども、その辺はどうなんですか。
【杉浦専門官】  先ほど申しましたように、一応今までの議論の中で、おおむねの傾向として、廃止・統合とかの考え方というのが示されてきている。ただし、その新設の話、若しくは、まさしくこの議論の中でも出てきましたけれども、見直しという議論については、まだ十分尽くされていないのかもしれないですね。そういったものも整理したいとは考えております。
 あと、まさしくその制度のデータについては、済みません、今回は余り細かいデータを出してはいないんですが、いろいろな面で、できる限りデータは整理していきたいというふうには事務局としては考えております。
【続橋委員】  私、きょう初めてで、理系の人間でもなくて、試験科目と言われて、見たとき、お呼びでないのかなと思ったんですけれども、全然違うところで言いますけれども、戦略といったときに、このデータですと、過去のデータで減っているとかということなんですけれども、そこをどう考えるのかというのと、これからどう考えるのか。
 もっと具体的に言うと、例えば6月に再興戦略というのが出て、そこで、これとかなり重なるような分野もあるかなと思うんですけれども、例えば、今、議論している第5期科学技術基本計画というのがあって、これは来年4月からで、今、いろいろ議論していますけれども、もうちょっと具体的に分かりやすく言うと、例えば資料7というのを見たときに、この0.05%未満というところで、例えば02の海洋部門、それから03の航空・宇宙部門、この辺は軒並みだめ出しを食らっているみたいな感じですけれども、確かに、私も海洋とか宇宙とかをやっているんですけれども、どっちかというと宇宙とかというのはずっと低迷していて、これからひょっとしたら伸びる可能性もあるのかなという部門で、海洋なんかも、これもなかなかよく分からないんですけれども、海洋資源開発という、これは、資源工学、08というのも、下の方を見ると、人気がないところですけれども、自分の国の資源をどう開発するかということで、これもさっき言った再興戦略なんかに上がっています。だから、そういったこれからの部門をどう考えるのか。これは、あくまでも国としてそこにリソースを投入していくということであれば、それはこれまでと違うことが期待できるのであれば、過去のデータを見てずばっと切ってしまうのも厳しいかなという、その判断も1つあるのかなという感じはいたします。
【池田主査】  それは、これまでの議論のポイントにおいてもそういう指摘はありますので、単に数値だけで切るというのは恐らくできないのではないかと思います。
 それから、例えばこの中でも、数値ではっきり表れている生物工学なんていうのは、数は少ないけれども、トレンドとしてどんどん増えていっているというのがありますね。ここで資料7を見ると、黄色とか緑に位置付けられているんですが、そういうこれまでの伸び率みたいなものも、これは恐らく必要ではないかなという気がするんですね。資源というのは、大学の資源関係の学部をなくしたりして、ちょっと低迷したところがあるんですが、これから日本はどうやって資源を確保していくかというのはすごく大事で、そういう観点で少し議論をしていただいた方が私はいいのではないかという気がします。
【続橋委員】  そういう意味では、私はよく分からないんですが、IoTとかというのは、例えばこの資料7の表で言うと、どんなところが一番関係してくるのかというのは……。
【池田主査】  どうですかね。情報工学でしょうか。
【中谷委員】  情報工学、IoTというと、多分16の03ですね。
【吉田委員】  あるいは04ぐらいが関係してくる。
【池田主査】  それから私が気になるのは建設部門なんですね。建設部門は、これは切り方が、都市だとか、河川とか、港湾とか、それぞれ対象別なんですね。これに共通してこれからやっていかないといけないのは、これまでの発想は多分ものを造るだと思うんですね。造っていくことだと思うんですけれども、そうではなくて、それぞれの部門に共通して、今、問題になっているのは、メンテナンスだとか、あるいは災害が多発していく中で、どうやって社会基盤を整備していくかという発想が必要で、ところが、選択科目は多分そういうふうになっていないんですね。そういうのを少し考えないといけないかなという気がするんですけれども、まあ、そういう観点で見直すと、私はいろいろな見直し方があるのかなという気がします。
 ほかにはいかがでしょうか。
【奥野委員】  よろしいですか。
 前回の、これまでの検討についての丸の2つ目、0.05ですとか0.1という数字が出ていますけれども、これをやったときの、この部門の主査を私が務めておりまして、こういうのがとりあえず出てきたわけですが、今、御意見あったように、数字だけではないというのもそのとおりだと思います。例えば、個別に余り言及するとあれですけれども、ロボットなんていうのはこれからの期待成長産業ですから、ただ、こういう数字が何を意味しているかというと、やはり現時点でこういう受験者の非常に少ない部門というのは、実は多分技術士の資格というのが現実世界で余り重く見られていないということの裏返しではないかと。それと全体的に先端技術でも携わっている方が少ないというのももちろんあると思いますけれども、そういういろいろな面が反映された数字だと思うんですね。ですから、今、この時点で、例えば非常に少ないからといって、今、御意見のあったような、将来、成長……、国の方針としても位置付けられているような部門の選択科目をただ単になくすというのは、これはいろいろな大きな影響があると思いますから、そこらはかなり柔軟に、数字だけではなくて考えていかなければいけないのではないかと思っております。
 あと、各部門それぞれ、こういう選択科目は、この前、この議論をしたときに、各部門の代表の方といろいろな意見交換をさせていただいたんですけれども、やはりこういう科目が生まれてきたというのはそれなりの歴史があるので、そこらも踏まえてちゃんと整理する、あるいは再編するというのは議論を進めなければいけないだろうと思います。もちろん今のままでいいとは思いません。再編した方がいいと思いますし、あるいは再編した上で、もう少し適切な名前、分野にするというようなこともあり得ると思いますので、その辺は検討する必要があると思います。
 あと、この技術士会の方で96を86にしたらという提言があったようですけれども、この辺がどのような議論を踏まえてなされたのかというのも一度お伺いしたいなと。別に今日ではなくていいですけれども。
【杉浦専門官】  それについては、実は机上資料の方に置かせていただいております。資料の9ですね。この議論は、技術士会の中でまず特別委員会を作って、その特別委員会の中で議論をしていったという経緯がございます。
 その議論の中身をちょっとかいつまんでいきますと、基本的認識というところがございます。資料9の2ページ目になりますね。受験者人数が少ない中で、どうあるべきかということについて、そのニーズを踏まえつつ議論をしていくということになっております。経営的な観点も、技術士会自体が、御存じのように、試験を実施する指定試験機関でもございますので、そういった観点もその要素の中には実際には入っております。もともと平成16年に大規模改正、試験科目、選択科目の大規模改正をしておりまして、それから10年近く経過している中で経済環境が変化し、技術産業部門のニーズも変化しているということで見直しを行うと。それらは先生方と多分同じような認識だったかと思います。今の時代に合っているのかなという議論がやはりあったやに聞いております。
 そして、技術士会としての提案として、主に再編に当たっての留意点は、まず申込者人数を見ながらやっていったというのが1つでございます。事実として、申込者人数がやはり極端に少ない科目について見ております。あとは、選択領域がどのような内容なのかということを考慮しております。
 さらに、再編の案を検討するに当たっては、各部門からアンケート等を聞いて、意見を踏まえております。それぞれ意見がございまして、その内容については、別紙にアンケート結果の内容等がございますけれども、各選択科目の名称と内容の変更について、別表ということで、先ほど言った96を86にするという形で出ております。このページで言いますと9ページ目になるかと思いますが、変更案ということで、具体的に試験科目を新たな形で整理統合する形を提案をしていただいているという内容でございますですので、選択科目の内容についても、現行の制度の中でどのような形で科目を統合していったらいいかという具体的なものも出ております。内容が変わっていないものももちろんございます。
 具体的な細かい話になるので、これは概略を申しますと、実際に具体的な試験範囲とか、試験の内容とかという内容を、次の10ページ以下の中に、具体的な範囲まで決めて提案をしていただいているということです。
 先ほど申しましたように、各部門からの意見については、29ページ以降に、例えば統廃合についての意見とか、環境についての意見とかということになっております。さらに、再アンケートということで、37ページに、各部門からの趣旨の中に、今後の将来性の話というような議論も各部門から意見が出ております。こういったことを踏まえつつ、技術士会として、特別委員会で案を取りまとめ、それを踏まえて、理事会の方で御了解いただいて、御提言を頂いているというのが、この資料の経緯になります。以上です。
【池田主査】  どうもありがとうございました。
【吉田委員】  基本的には、この前段の、受験者数を母数にした、ある一定のしきい値以下は廃止したらどうかとか、統廃合したらどうかとかという議論ではなく、もっと大きな、現行と、現社会と、近い将来の社会構造を踏まえて、10減らしたように見えますけれども、統合した、あるいは、ある部分はくくったというような形で、選択科目の名称も変更したらどうかというのが提案なんです。だから、奥野委員が言ったように、選択科目の名称も変更した方がいいのではないかと。
 ただ、このときとまた若干時間がたっていますので、いろいろと見直す必要があるかなと思うのは、先ほど池田主査が言ったように、建設部門の中で、今、注目されているのは防災とか減災の分野、あるいは維持管理の分野、そして環境というところで捉えた方がいいのか分かりませんが、気候変動の問題ですね、こういう問題を、新たに作り替える制度の中ではやっぱり議論して、そういう分野の技術者を、専門的な専門家を技術士として世に問うし、求める必要があるのではないかと思っています。
【池田主査】  技術士制度も、やはり世の中の変化あるいは価値観の変化を取り入れていかないと、次第に古臭くなってしまって、全体としては受験者が少なくなっていくと思うんですね。だからやはりそれを取り込むという発想が必要ですね。
 一方では、日本の国はこういうことはもう余りやらないのではないかという分野も多分あると思うんですよ。そういうのは、全く廃止するというよりも、統合していくとか、そういう方向性が必要かなと思います。私、吉田委員がおっしゃったことに全く賛成します。単に数値だけでは見られないところがあると思います。
【福山主査代理】  技術部門のところは、大学を卒業される方が、自分の専攻したコースと対比させながら選んでいかれるという実態があると思うんです。前回、前々回ぐらいから、もっと前でしたか、岸本先生がおっしゃっていた総合工学部門というのがそれぞれの大学の中で、今、だんだん増えつつあると。その人が、どちらかというと縦串よりも横串に近い形の部門になるのではないかと思うんですけれども、そういうのも今の時代で考えると考慮すべき部門の1つになるのではないかなという気はします。
【池田主査】  総合工学ですね。この技術士というのは、その対象を中心の先生になっていますので、いわゆる対象、例えば化学だとか、繊維だとか、そういうものになっているので、総合というものの位置付けというのは非常に難しいですね。このあたりをどういうふうにすればいいのか。一方では総合監理がありますからね。
 イギリスあたりはロボットにすごく興味を持っていて、彼らは多分、それは成長産業だと思っているんですね。ロボットには、産業と情報と両方あって、日本はどちらかというと、まあ、産業は前からやっていて、最近のはやりは情報関係のロボットではないかと思うんですけれども、これも、奥野委員おっしゃったように数はまだ少ないけれども、将来的にはやはり国際的にも我が国が打って出ていかないといけないところなので、そういうものは考えておく必要があるでしょうね。
 先ほどの説明だと、機械部門で、まあ、余り細かいところは言いたくないんですけれども、ロボットが消えているんですね。情報と何かに統合されているんですけれども、そのあたりはどういうふうにお考えになったんですかね。当時とは、また状況が違ってきているのか。
【金友技術参与】  機械部門のロボットというのは工場の生産ラインで使うようなロボットなので……。
【池田主査】  生産ロボットですよね。情報ロボットだと、またちょっと違いますよね。
【金友技術参与】  ええ。生産ロボットだとファクトリーオートメーションのところに入っていますね。
【吉田委員】  これからは様々な分野でロボットは活用されてくると思うんですね。だからそれを情報工学だけで捉えるのか、難しいところでしょうけれども。
【池田主査】  そうなんですね。そこは、先ほどの災害とか、あれもそうなんですね。それをどのようにそれぞれの分野間で捉えていくか、部門間で捉えていくかというのはすごく難しいけれども、やっぱり考えておかないといけないですよね。それは、部門の編成の中で、どのようにすればいいですかね。例えばロボットなんかだと、機械と電気、電子だとか情報関係が関係するでしょうね。横方向の連携を資格としてどうするかというのはすごく難しい問題ですよね。そうすると、いろいろ物すごく複雑になってしまうので、どうすればいいのか、そのあたりはいかがでしょうか。
【福山主査代理】  1対1ではないんですよね。
【池田主査】  1対1ではないところがありますね。
【奥野委員】  ただ、非常に難しいんですけれども、1人で何でも知っていなければいけないということでもないのではないかと思うんですね。従前からいろいろな技術士の資格の中で、マネジメントの能力ですとか、そういうふうなことも言われていますけれども、マネジメントが必要だということは、マネジメントをする対象があるということで、そうすると、企業でもそうだと思いますけれども、1つのプロジェクトなりに関わる方は大勢いらっしゃって、いろいろな専門家がいらっしゃるんだろうと思うんですね。そういうそれぞれの部門で能力の発揮できる人という意味では、例えばロボットに関することでも、機械部門に関わるロボットに関することとか、情報工学に関わる部門とか、そういったいろいろな人の協力が必要になるのではないかなと思いますので、資格としては、その点は少し割り切らないといけないところがあるのではないと思いますね。
【池田主査】  そうですね、考え始めると収拾がつかなくなるので。ただし基本的に、先ほどから申し上げているように、将来性というか、我が国の戦略性をよく考えて、部門と選択科目を設定するということが必要なんでしょうね。
【福山主査代理】  よろしいですか。
 さっき続橋さんもおっしゃった、国の大綱・戦略でありますとか、科学技術推進計画であるとか、ああいうものを1回大枠で左側に例えば置いて、この技術士制度の技術部門というのがどう連携し、足りないところがどうあるかというような見方というのはできませんか。
【池田主査】  それは位置付けていかないといけないんですね。恐らく技術士に期待されているところも非常に大きいと思いますので。
【福山主査代理】  大きいですよね。
【池田主査】  それは多分言及されているのではないかと思いますけれども。
【福山主査代理】  そこが一番上位の仕事になるような気がするんですけれども、そこをもう少し詰めていくと、こういう話に落ち込んでくると。
【吉田委員】  ただ、第5期の中間報告を見てみますと、前期と違うんですね。前期は技術士の活用というのが文言の中にあったと思うんですが……。
【池田主査】  ありましたね。
【吉田委員】  今期はどうも研究者を対象にした人材の育成というか、基礎研究に重きを置いて、国家戦略としては国際的に出ていこうというような内容になっているという認識を私はしているんです。ただしそれであっても、技術士が担うべきところというのはあると思うので、福山主査代理が言ったようなところに、対比で、どういう分野の技術士がこれに対応するのかというのは、幾つも、複数だろうけれども、置けると思うんですね。それはやっぱり、将来を見るのと、国の科学技術の戦略とマッチングさせなければならないのが技術士の責務ですから……。
【池田主査】  そうですね。私もまさにそのとおりだと思います。
【吉田委員】  それは検討すべき事項だと思います。
【池田主査】  それをやらないと技術士がどんどん衰退をする可能性がありますので、古臭いことだけやっているのではやっぱりいけないですね。
【続橋委員】  そういう意味で言うと、例えばさっきIoTと言いましたけれども、IoTとも絡む、例えばサイバーセキュリティという、これからの話として。それは、この資料7の表で言うと、どことどの辺に引っかかってくるのかとか、そういうのがあるとよくて、あと第5期の中間取りまとめで言うと、あれはずっと専門委員会で議論してきたんですけれども、検討の中心がどうしても基礎研究というか、そっちが中心だったので、特に人材とかをやっていたので、今までの進捗状況をまとめるとああなりましたというのが実は正直なところで……。
【吉田委員】  そうですね、網羅的に全部入れたんだね。
【続橋委員】  ええ。ですので、今言った今後の技術とか、基幹産業とか、まあ、新しい面は幾つか、頭出しだけは出ているんですけれども、実は余り、時間的な関係で、その辺はしっかりやってこなかったので、これからやりますみたいな、後半戦頑張りますみたいな話にはなっています。
【池田主査】  そうですね、技術士のこの分野、あるいは部門がどこにコントリビュートできるかという発想は必要でしょうね。
【杉浦専門官】  済みません、今、手元に計画を持っていないんですが、今、続橋委員の方から御説明がありましたように、現在、基本計画が中間まとめの段階にきています。この中で、技術士については人材育成の観点ということで、まさしく吉田委員の方からも御説明がありましたが、位置付けられているというふうに私どもは認識しております。
【池田主査】  どうもありがとうございました。
 ほかにはいかがでしょうか。
【岩熊委員】  検討に当たっての観点の中で、この技術士会の報告を見て、私も以前意見交換を行った記憶があります。全く変更なしというところもあるようでした。これをどこまで参考にするかという話で、共通性の高い選択科目は上の社会経済環境の変化とかを受けた共通性の高い選択科目の再編という言い方になっていますが、選択科目の中身の文言が、これは部門間では全く同じものはないのですか、どうなんでしょう。
【池田主査】  その前、何かちょっと調べたんじゃなかったでしたか。
【杉浦専門官】  そうですね、類似性の高い科目というのは、実際、環境の分野についてあって、その内容が、やはり重複性があるのではないかということで、たしか技術士会の方の報告書の中に具体的な内容がどこかに書いてあったと思います。ただ実際に、ここからが難しくなるんですけれども、試験内容として、例えば「環境」というキーワードもとても幅が広くて、実際に同じ「環境」であっても、技術部門によってはやっていることが違ったり、若しくは、共通性の高い部分があったりというのがあります。たしか、記憶で申し上げますと、試験を比較した内容の中では、共通性の高いときがあったりなかったり、結局試験内容が、毎年同じものを出しているわけではございませんので、やはり似て非なものもあれば、似ているものもあるかというふうな内容だったかと思います。ですから、実際の話になると、例えば統合とか整理になると、先ほど言ったように技術的な話を相当しないとできないのではないのかなというのが事務局としての今の段階の検討状況です。
【岩熊委員】  この共通性の高い選択科目というのは、同じ部門の中というイメージなのですか。
【杉浦専門官】  あくまでもこれまでの議論を踏まえて技術士会の報告の中に、環境分野が類似性が高いということですので、それを受けて、事務局として整理させていただいております。
【岩熊委員】  もう一つ、「新設の効果が出ていない」とかいう文言が報告の中にあるのですけれども、これはどういう意味ですか。
【吉田委員】  これは、御存じのように要請があって、様々な機関で議論をして選択科目を新設したと。ところが、その認知度が低いのか、それとも社会はそんなことを本当に必要、望んでいなかったのかが分からないと。新設したにもかかわらず受験者数が少ない。だから、まだ効果が現れていないのか、それとも本当は要らなかったのかというのが、この段階では結論付けられないということで、結論付けたのが、まだ効果が出ていないという言葉で締めくくったと。
【杉浦専門官】  事実関係として、参考までに申しますと、大きな科目の改正をやったのは平成16年になります。16年のときに、いろいろな科目の整理・統合をし、場合によっては新設をするということをやっております。そうした中で、例で言いますと経営工学部門については、例えば新たな科目を設けたり、逆に統合してやっていたりということもあります。あと、まさしく情報とか、その当時の時代で、今後ということをいろいろ検討して、例えば情報ネットワークとか、ソフトウェア工学とかという形で新たに新設をするということもさせていただいております。
 そのときは、まさしく各部門の方々に御協力をいただいて、どのような科目が必要なのか、またどういうのを置くべきかというような議論をしたやに記憶しております。ですので、当時としては、やはりそういった必要性とかを考慮して設置をした……、議論があったんでしょうけれども、実際の形として、それが時代のニーズに合っていたのかとか、ここの議論は難しいんですが、現実の話として、基本となるのがやはり名称独占になりますので、そこのところで、どうしてもなくてはならない資格ではないという現実の話、それとあと、学問として確かに成り立っていても、例えば現実の話として資格を取る方がいるかいないかという話とか、いろいろな、今、議論が出てきた議論があったんだろうと思います。
【池田主査】  まあ、はやりすたりみたいなところもありますからね。そのときはわーっとなっていても、後で消えてしまったりとかというのもあり得ますので、そこのところは見極めないといけないですね。
【吉田委員】  だからやはりどこかで検証する必要があると思うんですね。だから、奥野委員が言ったように、ロボット工学で少ないというけれども、今、事務局がおっしゃったように、もともと技術士法の誕生は名称独占で、業務独占ではありませんから、そういうことが分かっている中で、新たに生まれた産業が技術士を必要としないというのかもしれませんね。だから、そういう産業界で働く方が、技術士を受ける必要はないという結論をお持ちの方が多いということではなかろうかなと思う。だから、古くからある部門は伝統的に受験者がいて、結構、ある一定数あるんですね。
【池田主査】  ロボットの話が出ましたけれども、例えば外国でロボットに非常に力を入れていますね。彼らは、例えばイギリスだとチャータード・エンジニアがありますね。そういうのがどういうふうに位置付けられているのか、そういうのも調べないといけないかもしれませんね。もしやっているんだったら、日本は少ないからやめましょうという話に……、相互承認のときに、お互いに、あるいは日本の技術者が向こうに行って働くときに、資格なしというのではやっぱりだめだし……。
【奥野委員】  今までの議論に参加させていただいていて、多分外国では、余り細かい専門性というのは、資格としては言っていないのではないかという気はするんですけれども、例えば、今おっしゃったように、外国に行って、私は日本のこういうエンジニアの資格で、なおかつロボットの専門家ですと言ったときに、やっぱりそういったことが、この人はすごい、ロボット技術が非常に進んでいる日本の中でも、さらにその専門家として位置付けられているというふうな評価が得られるならば、資格に対する見方が随分変わってくると思うので、だから、外国でどういうふうな見方をされるかということも大事なことではないかなと思いますね。
【池田主査】  それはある面で、その観点のところでさっきからちょっと気になっているのは、国際的な観点が少し書かれていないので、そういう観点もまた必要ではないかと思いますね。
【杉浦専門官】  今の国際的な観点といいますか、一般論で申し上げますと、記憶で、間違っていたら申し訳ありません、外国のエンジニア資格については、技術部門は確かにございますけれども、選択科目のレベルでは、たしか日本ほど細かく入れていなかったやに……、PEの試験とか、ここまで決めていなかったやに記憶しております。
【吉田委員】  しかし、技術士も同じなんですよね。
つまり、どの選択科目で受けても、その技術部門の技術士として振る舞うことができるわけですね。それは明確に技術士法に書いてあるわけですね。
【奥野委員】  資格としてはそうですけれども、いろいろ話をする中で、私のなじみの建設部門であれば、技術士で、まず括弧して建設部門で、さらに何とか何とかと、そういうのを書いておられる方もいらっしゃるわけで、この人はそういうことの専門家なんだという、まあ、それでどうだこうだというわけではもちろんない、資格としては技術士、建設部門ということなんですけれども、やっぱりそういう点で何がしかの評価というのはどこかにあるのではないか、ですから選択科目というのがずっと位置付けられてきたんだろうと思いますね。
【池田主査】  今、技術士でも、会社の人を見ていても、やっぱり1つだけではない人が多いですね。いろいろなものを、多い方は3つ、4つ取っている方もいらっしゃるし、ダブルで取っているというのは結構多いですね。恐らくそれだけのニーズがあるのではないかと思います。いろいろな分野で働きたいという意思があるのではないかと私は思いますけれども。
 ほかにはいかがでしょうか。
【中谷委員】  一次試験の方で大くくり化というのをやりましたけれども、そことの整合というのはもう考えなくてもよいですか。科目を統廃合していきましょうということであれば、やはりある程度くくって、科目を新たに統合していくということも考えられるのではないかと思うんですけれども。
【杉浦専門官】  一応これまでの議論を整理させていただきますと、一次試験の専門科目については、今、既存の科目をベースとしながら、分野を類似性の高いもので大くくり化していくという作業で一応議論は済んでいるという整理です。二次試験は、もともと必須科目のの在り方についてこの間議論があったと思いますけれども、選択科目部分について、どのような在り方があるのかということで、今期、継続して検討するこことされております。
 その内容については、次回までに具体的な事務局案を作って御提案したいなというふうには考えています。
【池田主査】  そういうことでよろしいでしょうか。どうもありがとうございます。
 ほかに、次回に向けて、こういうことも少し議論したいというのがあればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。次回は8月5日でしたか。議論の内容を少し詰めていかないと部会の方にもおろしていけませんので、もしありましたらお願いしたいと思います。これも是非議論したいというのがありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。大体出ましたかね。
【岩熊委員】  済みません、教えていただきたいことがあるのですけれども、96になったのは、部門を増やせば96になりますが、部門の中でかなり科目を増やしたという例はあったのですか。
【杉浦専門官】  先ほど言いましたように、16年のときが最終になります。そのときには、やはり時代のニーズとかを踏まえながら、新設を結構しております。数は、今、すぐデータは出てこないんですが、相当数を、統合とともに新設はしております。先ほどから議論がありますように、整理・統合と言っているのは、あくまでも減らすというだけの意味ではなくて、必要があれば、新設するということもあり得るかと思いますし、そういう意味で御理解いただければと思います。
 ちなみに、例えば機械部門で言いますと、機械設計というのがたしか新設になったと思います。それとか、それまでの科目が変わって統合されたりとか、部分的には統廃合で共通性の高い部分を出して、それまでは、例えば熱工学とか、流体力学はたしかなかったかと思いますし、そういった形で変遷をしております。過去の経緯もということで御指摘いただいておりますので、できる限りそれも分かるような形の資料を検討してみたいと思います。
【池田主査】  ありがとうございます。
 それから、今、やはりいろいろな産業とかというのも変わりつつあるので、新設の部門の要望とかそういうのはひょっとするあるかもしれないですけれども、そういうのは今はないんでしょうか。
【杉浦専門官】  最近では、御存じのように、部門自体を新設したのは原子力、放射線部門になります。それ以来、部門の新設はしておりませんし、要望がございません。経緯を話しますと、そういった関係者からの強いニーズと要望、それとあと将来性等を踏まえて、池田先生はよく御存じだと思いますけれども、審議会で審議いただいて、今後の将来性を踏まえて、新たに部門を設けるべきということで結論をいただいたものを踏まえて新設したという経緯だったと記憶しております。
【池田主査】  そうですね、原子力・放射線部門は学会等から要望がありました。それで議論してスタートさせたと思います。じゃあ、今はそういうのは特にないということですね。
【杉浦専門官】  私の承知している限りではありません。ただ選択科目にレベルでは、先ほど池田先生もおっしゃた建設部門の中に、時代の流れの中似合わせて、メンテナンスとかそういったものがあってもいいのではないかという御提案は頂いております。
【池田主査】  そうすると、部門に関してはないと。科目の方で、そういう要望が少しあるということでしょうかね。分かりました。
 ほかにはいかがでしょうか。
【福山主査代理】  よろしいですか。
 資料7ですけれども、これは試験申込者数の25年と26年の数字ですよね。例えばもう一つの資料8は技術士登録者数の推移ですけれども、これは21から26年度までありますよね。これと同じような資料7、ちょっと面倒でしょうけれども、作ることは可能ですか。
【杉浦専門官】  はい。既に別添の方の机上資料には入れさせていただいております。
【福山主査代理】  これを見ればいいんですか。
【杉浦専門官】  今後、細かい議論をしていく中で、先ほど言ったような指摘事項、長期スパンで見るべきというようなお話もありましたので、もう一回データを整理させていただきます。
【池田主査】  それでは、皆さん、よろしいでしょうか。ほかに御意見はありませんでしょうか。どうもありがとうございます。
 それでは最後に、事務局から何かありますでしょうか。
【杉浦専門官】  そうしましたら、本日の会議ですけれども、冒頭の人事案件を除く議事録につきまして、後日、事務局より送らせていただいて御了解いただいた上、ホームページに公開ということにさせていただきたいと思います。
 次回の日程ですけれども、既に日程調整をさせていただきまして、8月5日13時からということにさせていただきますが、次回はちょっと試験内容に関わる内容でございますので、先ほど申し上げましたように非公開でやらせていただきたいと考えておりますが、よろしゅうございますでしょうか。
【池田主査】  その後は、第3回はいつ頃の予定。
【杉浦専門官】  第3回は、速やかに日程調整をさせていただいて、もう一度確認の上、日程を御連絡させていただければと思います。
【池田主査】  そうですね。きょうは岸本先生がいらっしゃらないので、日程調整をお願いします。
 じゃあ、よろしいでしょうか。どうもありがとうございます。それでは以上で本日の会議を終了いたします。どうもお疲れさまでした。

―― 了 ――

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