第2回制度検討特別委員会における主な発言

技術士のキャリア形成

技術士は、専門的能力に加え、経験を積み重ねながらキャリアを形成していくものである。各段階に応じて、その目標・要件・レベルと技術士に求められる資質能力・役割等を示すことが重要である。

技術士に求められる資質能力(IEA:GA&PCを含む)

●技術士は、技術者としての知識・能力・資質に加えて、複合的な技術問題を解決する能力、自律した判断を行い自立して業務を遂行できる能力、業務遂行過程で倫理的判断を下す能力が必要ではないか。
GA&PCの考え方を、日本の技術士制度において具現化すべき。分野別・職業別に整理することも必要ではないか。
●「エンジニア」・「テクノロジスト」・「テクニシャン」の違いがわかりにくいが、技術士は「エンジニア」に相当するといって間違いない。議論が拡散しないために「エンジニア」に絞って議論した方がよい。

 総合技術士

総合技術士は、専門の技術部門の技術士がその後目指すものであり、CPDによる一定の研さんを積んだ上で受験することがよいのではないか。
●総合技術士の技術分野を一つにするか、ある程度大くくりにして複数分野にするか議論が必要である。
●総合技術士になる者は、企業では上位の管理職や経営層に関わる者であり、仕事の内容は異なっても仕事の性格は類似しているのではないか。よって、総合技術士は「一本」(技術分野を分けない)こととしてはどうか。
総合技術士の定義を改めて定めた上で、経験を積み重ねる過程でどのような能力を身に付けていくのかを議論しないといけない。 

CPD

技術士に求められる資質能力とキャリア形成に応じたCPDプログラムの構築が必要である。
●技術士であれば誰でもどこでも受講できるCPDの受講機会の拡大と均等化、関連学協会や高等教育機関との連携、行政の入札制度や産業界における人事システムへの活用促進、CPD登録システムの改善と関連学協会との連携、CPD実施状況を把握できるシステムの構築が必要である。 

技術士試験の在り方

●欧米では、プロフェッショナル・エンジニアになるために、技術者教育認定団体が認定した大学の工学教育を経なければならない。一方日本では、JABEE認定課程の工学教育があるが、その課程でなくとも第一次試験を合格して技術士になるルートが主流になっている。
高等専門学校や工業高校を卒業して、技術士になるルートがある。大学のエンジニアリング課程を経ていないこれらの者に配慮して、学士を取得しないで技術士になるルートを残した上で、第一次試験の在り方を考えるべき
グローバルスタンダードでは、工学系エンジニアリング教育(学士課程)の卒業生として身に付けるべき知識・能力を、第一次試験において確認する(検定する)ことが適切ではないか
●20、30年経過すると、JABEE認定課程を修了したベテラン技術者が第二次試験受験資格を有し、受験の際に第一次試験の合格と同等であることの確認が必要になるかという議論が生じるかもしれない。
第一次試験を予備試験のようにした場合、必ずしも筆記試験による確認だけでなく、例えばベテラン技術者においては講習を受けてレポートを課すなど、いろいろな形の試験が考えられるのではないか。
●現行の第二次試験(筆記及び口頭)では、口頭試験に不合格になった者は筆記試験から再受験しなくてはならない。受験の負担を考慮すると、筆記と口頭を分離して筆記試験に合格すれば、口頭試験に不合格になっても口頭試験から再受験できるようにした方がよいかもしれない。

 

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