第27回技術士分科会における主な発言

統合的・横断的にものを見ることができる人間が必要になってきており、技術士制度において、総合技術監理部門の位置付けも含めて、このような人材を今後どのように確保・活用していくかも重要な点である。 

CPD(継続研さん)に大学も関わらなくてはならない。大学に対する評価において、卒業生を含めた技術士のCPDを担うことをその観点の一つとすべきである。

・情報関係技術者は日々多忙であり、資格を取得しようと思っても、学ぶ時間・機会がない。現行制度において技術士資格を取得しようとすれば、第一次試験から受験して技術士補を取得しなければならず、高年齢化するなど、現実的に取得できる環境にない。このため、技術士資格をどういう立場の人に取得してほしい資格にしていくのか、企業等と協力して考えて、環境を作っていかないといけない。

建築関係以外の企業の中では、技術士資格が余り生かされていない。企業活動の中で、どのように技術士を生かすのかについて、技術士の地位や認知度を高める上で重要である。

・企業における技術士の活用の度合いが低いのは事実である。企業の中にいると、企業の意思が優先され、倫理的な面で、企業の意思決定に対して技術士個人の意思と必ずしも一致しないことがある。このような場合は、会社 対 技術士個人ではなく、企業内技術士会という1つのチームとしての総意を反映させることで解決できるのではないか。

企業で活躍できる技術士は、総合技術監理部門の技術士ではないか。総監部門を除く20の技術部門の技術士は、各々の専門分野を深める。企業の経営には横串を刺すなどのいろいろな考え方が必要であるため、総監部門と専門技術分野のもつ異質性を考慮することによって、企業が技術士を活用できる素地ができるのではないか。

・国際的通用性の観点で議論することが重要である。技術士資格が、国際的に活躍できる技術者であることを証明する資格になれば、資格取得のインセンティブにつながると思う。

・APECエンジニアやEMFエンジニアの更新にあたって、IEA(国際エンジニアリング連合)のPC(プロフェッショナル・コンピテンシー)の観点も今後追加することになり、技術士制度の改善にあたっても、この点を十分に議論する必要がある。

・COIのように研究大学として評価されれば多くの研究費が振り分けられるが、評価されなければ今後どうなるかわからないという雰囲気がある。科学技術創造立国を目指す我が国の底力を支えてきた技術者を育成してきたのは、地方国立大学や私立大学であったが、今冷遇されている。人材育成にあたっては、研究しながら考えさせることも重要であり、大学が安心感を持てるようにしないと、これらの地方国立大学が崩れていくという危機感がある。

・技術士制度改革に向けて障害となるものの可視化、例えば、インセンティブがない、大学教育を変えないといけない、国際関係的なものが障害になっているなど、「センターピン」をなるべく可視化することを忘れないようにしてほしい。また、誰が何をすべきかということも明確にすることが必要である。

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