用語解説

アウターライズ

 海溝から沈み込もうとする海洋プレートがたわむことによって海溝軸近傍に形成される隆起域。海溝外縁隆起帯ともいう。この付近で発生する地震はアウターライズ地震と呼ばれる。

アスペリティ

 プレート境界や断層面の固着の強さが特に大きい領域のこと。この領域が地震時に滑ると、滑り量が周りよりも大きくなり、大振幅の地震波を放出する。アスペリティがどのように連動して滑るかによって地震の大きさが変化する。いろいろな大きさのアスペリティが混在する場合には、それらの相互作用(スケール間相互作用)が震源核形成を含む地震サイクルに大きく影響すると考えられている。

アルゴリズム

 問題を解いたり、目標を達成したりするための計算手順や処理手順のこと。

インバージョン(逆解析)

 観測データから、それを生じさせる原因となる現象や物質の性質等を推定する解析手法。

応力

 物体内部での力のかかり具合を示す、物体内部に考えた仮想的な面を通して及ぼされる単位面積当たりの力。震源域の応力が破壊強度より大きくなったときに地震が発生すると考えられている。

応力集中

 物体内部のある部分に大きな応力が生じる現象。

応力の主軸

 一般的に、物体内部の任意の応力状態は、互いに直交する三つの軸に平行な圧縮と引っ張りで表すことができる。この三つの軸のことを応力の主軸と呼ぶ。

応力場

 物体内部の応力の向きや大きさの状態を応力場という。

階層モデル

 アスペリティの内部の固着強度は一様でなく、その内部に幾つもの小さなアスペリティが存在すると考える構造モデル。

ガウジ

 断層運動が激しく起こると、断層面の部分にある岩石が摩擦などによって破壊され粉々になって粘土状になることがあり、これをガウジという。ガウジが断層境界面に層状に存在する場合、これをガウジ層という。

火道

 地下のマグマ溜まりから地表へ至るまでのマグマの上昇経路のこと。火道でのマグマの脱ガスや上昇の仕方が噴火の様式を左右する。

間隙圧

 土や岩石中の空隙(くうげき)内の圧力。

間隙水圧

 「間隙流体圧」の項を参照。

間隙流体圧(間隙水圧)

 土や岩石中の空隙(くうげき)内を流体(水)が占めている時の流体の圧力。

貫入(マグマの貫入)

 マグマの圧力の急増等により、地殻内のマグマが周辺岩体の内部に入り込むこと。

規模依存性

 現象の規模によって、物理量などがどのように変わるかを記述する法則。例えば、断層の長さや滑り量が地震の規模にどのように依存するかを記述する法則。

強震地震観測網

 被害を起こすような強い揺れの地震波形を、振り切れることなく記録できる強震計で構成された観測網。これらの観測網のデータ等は、地震ハザード・被害リスク評価などに役立てられている。防災科学技術研究所のK-NET、KiK-netは全国規模の強震地震観測網であり、それぞれ約1000、約700の観測点からなる。

経験的グリーン関数法

 大地震による地震動を再現もしくは予測する際に、発震機構と波動伝播経路が大地震と共通する中小地震の観測波形をグリーン関数とし、それを断層の破壊過程に合わせて重ね合わせることで波形を合成する方法。半経験的波形合成法とも呼ばれる。

玄武岩質マグマ

 主成分である二酸化ケイ素(SiO2)の質量が全化学成分の45~52%のマグマ。急激に冷え固まると玄武岩質の火山岩となる。

高感度地震観測網

 人が感じない極めて微弱な地面の揺れまでを記録するために、雑微動の影響を避けるために設置した高感度地震計で構成される観測網。この記録は詳細な震源分布の把握や日本列島周辺の地下構造推定など広く地震研究に活用されている。例えば、独立行政法人防災科学技術研究所のHi-netは全国規模の高感度地震観測網であり、約800の観測点からなる。

広帯域地震観測網

 広帯域地震計で構成された地震観測網。例えば、独立行政法人防災科学技術研究所のF-netは様々な周期の揺れを正確に記録するために全国約70か所で横穴の奥に広帯域地震計を設置した観測網。日本列島周辺で発生した地震のメカニズム解の推定や地下構造の推定、火山周辺で発生する長周期振動、火山性微動の解析に用いられている。

広帯域地震計

 主として周期約100秒から0.1秒までの地面の振動を観測できる周波数帯域の広い地震計。周期数秒より長い地面の揺れに対しては他の地震計に比べて感度が高い。

コーナー周波数

 地震波のスペクトルの振幅は、ある周波数を境にして、それより低周波数側ではほぼ一定であるが、高周波数側では周波数の増大とともに小さくなる。この境目の周波数をコーナー周波数という。コーナー周波数は、震源断層の大きさや断層破壊の伝播速度などに依存する。

雑微動(常時微動)

 地面は、風、海洋の波浪などの自然作用や人為的な活動によって常に微弱ではあるが振動している。このうち比較的短周期(2秒程度以下)の振動を雑微動(または常時微動)という。長周期の振動は脈動と呼ばれる。

地震波干渉法

 物理探査における信号処理技術の一つであり、単一または複数の地点で観測された地震記録の相関処理により、一方を震源とし、他方を受振点とする擬似的な合成地震記録を得ることができる手法で、地下構造の推定に用いられる方法。

地震発生サイクル

 地震発生後、断層面の強度が回復するとともに、プレート運動などによる広域応力により再びひずみエネルギーが蓄積され、次の地震が発生するまでの一連の過程。

地震モーメント

 地震の大きさを示す指標の一つで、断層運動によって解放されるエネルギーの大きさと関係している。地震モーメントの大きさは、断層面の剛性率と断層面積と断層面での滑り量の平均値の積で表わされる。

シミュレーション

 実際の事象を、その事象を支配している法則に基づいてほぼ同様となるように組み立てた模擬空間で再現試行すること。コンピュータを用いた数値シミュレーションを指すことが多い。計画では、強震動や地震発生サイクル等のシミュレーションが行われる。

準備過程

(地震準備過程)

 地震発生直後から次の地震発生に至るひずみエネルギーの蓄積と応力集中の過程。

(火山噴火準備過程)

 火山噴火は、火口から溶岩や火山ガスが急激に地表に放出される現象である。その過程として、地下深部で発生したマグマが、マントルや地殻内を上昇し、地殻浅部にマグマ溜まりとして蓄積される。さらに、内部の圧力が高まる等の理由で、マグマが地表へ移動し溶岩や火山ガスとして噴出する。このように噴火に至るまでの一連のプロセスを意味する。

震源過程

 地震は震源域内部で、ある種の破壊が発生することにより起こる。この破壊過程のことを震源過程という。

深部低周波微動

 沈み込む海洋プレートの走行と平行に深さ30km程度で発生することが知られている低周波数の波動を長い時間にわたって励起する自然現象。

スペクトル

 時間の関数である波形を周波数変換(フーリエ変換など)して得られる周波数の関数をスペクトルという。地震波(地震波形)にはいろいろな周波数の波の成分が含まれており、その成分の大小を表わすのにスペクトルが用いられる。

滑り遅れ

 プレート境界面上において、ある部分の固着が強いことによって、その周囲に比べて滑りを起こさないでいる状態。その結果として生じる滑り残しを指すこともある。

滑り弱化

 断層面の摩擦強度が、断層の滑り量の増大とともに小さくなることを滑り弱化という。それとは逆に、大きくなることを滑り強化という。

スラブ

 マントル内部に沈み込んだ海洋プレート。このプレート内部で発生する地震をスラブ内地震と呼び、海溝の近くやプレート境界地震が起こらないような深部で大地震が起こる場合がある。

静岩圧

 重力による力だけを考えたときに地下の岩石にはたらく3つの法線応力成分の平均を指す。

脆性

 材料に大きな応力ないしひずみを負荷し、その後、ひずみが元の状態に戻らない性質。固体材料に力を加えると変形し、加える力を大きくしていくとついには破壊する。材料の変形には、力を取り除くと元の形に戻る弾性変形と、力を取り去っても変形したままの形を保つ塑性変形とがある。塑性変形をほとんど生じないで破壊する場合を脆性破壊という。

正断層

 断層面に沿って主として上下方向にずれた断層で、上盤(断層面の上側の地塊)側が相対的に下向きにずれた断層のこと。

セグメント

 活断層は常にその全長にわたって破壊されるわけではなく、いくつかの区間に分かれて活動するが、それぞれの区間をセグメントという。

遷移層

 マントルの構造的な区分の一つ。マントルは、深さ410kmと660kmの地震学的不連続面で、上部マントル、(マントル)遷移層、下部マントルの3つの領域に分けられる。

鮮新世

 地質時代の区分の一つであり、新生代新第三紀の最後の部分で、約500万年前から約258万年前までの期間。

せん断応力

 物体内部のある面に平行な方向に作用する応力。地震は、せん断応力による断層面のずれによって発生する。

全電子量

 電離圏の電子密度の総数を表す量のこと。単位面積を持つ鉛直の仮想的な柱状領域内の電子の総数を表わす。電離圏全電子数(Total Electron Content: TEC)とも呼ばれる。

素過程

 地震や火山噴火における複雑な現象を支配する基本的な物理化学過程。例えば、「断層面上の摩擦」、「地殻流体の振る舞い」、「マグマの発泡」などがある。室内実験・理論・シミュレーションなどによる研究を通して地震や火山噴火に関する理解を深める上で大切な要素である。

速度弱化・速度強化

 断層面の摩擦強度が、断層の滑り速度の増大とともに小さくなることを速度弱化、それとは逆に、大きくなることを速度強化という。

塑性

 力を加えて変形させたとき、永久変形を生じる物質の性質のこと。固体材料が力を受けて変形するとき、力がある限度より超えて変形を与えると、力を除去しても元の形に回復しなくなる。この変形を塑性変形という。

体積ひずみ

 物体の伸び縮みによる体積の変化のこと。変形に伴って物体の体積Vが⊿Vだけ増大したとき、その体積ひずみは⊿V/Vで求められる。

帯磁

 岩石などの物体が磁気を帯びること。磁化。

脱水変成作用

 温度や圧力の上昇に伴い、岩石に成分として含まれていた水が放出されて、鉱物組成や組織が変化する作用。

タービダイト

 混濁流によって運搬され堆積した堆積物。大陸棚斜面においては、発生した混濁流が海底谷を下り、深海底に堆積するなどして形成される。

弾性ひずみ

 応力を解放することによって完全に解消されるひずみのこと。

地殻

 地球を構成する大きな成層構造のうち、一番外側の層で、地表または海底からマントルとの境界面であるモホロビチッチ不連続面までの層を指す。

地殻活動

 地震のほか、火山活動、断層の滑りや媒質の応力変化などを含めた地殻内での地学現象全般。

地殻流体

 地殻の内部に含まれる水やマグマ等の流体。地殻内で水は、岩盤の亀裂や岩石鉱物の粒界などに存在していると考えられている。

調和型振動

 基本周波数とその整数倍の周波数の振動の成分で構成される振動現象。

低比抵抗域

 地殻内部などにおいて、周囲よりも比抵抗の値が小さい領域のこと。

同化(データ同化)

 複雑な現象の高精度予測のために、数値シミュレーションの結果として得られる物理量が観測データをなるべく再現できるように、適切な初期値や境界値、各種パラメータを推定すること。

透水性

 地層や岩石などの水の通しやすさ。

トモグラフィー

 地下の二次元又は三次元構造を求める手法。地震波速度や減衰構造の推定によく用いられる。医学の分野において、X線や超音波で身体の二次元断面を求めるための手法が、地球物理学に応用されたもの。

熱水系

 マグマから分離上昇した火山ガスが地下で凝縮したり、地下水と接触したりして生じる熱水の生成過程、移動経路などを含むシステム全体のこと。

粘土鉱物

 粘土を構成するカオリナイト、緑泥石などの鉱物の総称。一般に微粒(1000分の2ミリメートル以下)。

バックスリップ

 プレート境界で地震が発生してから次の地震が発生するまでは、沈み込む海のプレートと陸のプレーとの境界面は固着しているので、海のプレートの沈み込みの進行につれて陸のプレートは引きずり込まれ、内陸側に押される。このようにして生じる陸のプレート内の変形は、プレート境界面上に仮想的な正断層のずれを与えることで表すことができる。この仮想的なずれをバックスリップという。このずれの量やずれの速度を指すこともある。

発震機構(解)

 地震の起こり方。地震波の放射パターンなどから求められる震源断層の走向、傾斜角、滑り角を指す場合が多い。断層に働いていた力の方向を知る手がかりになる。

半遠洋性

 遠洋性と陸源性の中間的な性質。半遠洋性の環境では、遠洋性の生物遺骸などとともに陸源性の砕屑粒子を含んだ堆積物が発達する。

反射法地震探査

 地表の近くで人工的に発生させた弾性波が、地下の地質境界面で反射して、再び地表へ戻ってきたところを地震計などで記録し、それを解析することにより、地下構造を明らかにする手法。反射波の到達時間と振幅の解析によって、地下の地震波速度構造や地質境界での密度変化などを推定できる。

非地震性滑り

 断層やプレート境界における、地震波を放出しないゆっくりとした滑り。その滑り量や滑り速度を指すこともある。

ひずみエネルギー

 弾性体を変形させた時に弾性体中に蓄えられるエネルギー。

ひずみ集中帯

 測地観測や地形から推定される地殻ひずみが大きい領域。新潟-神戸ひずみ集中帯など。

非弾性変形

 外力によって変形した物質が、そのひずみを元に戻そうとする力を生じる性質を弾性といい、そのような性質でないものを非弾性という。非弾性で媒質が変形することを非弾性変形という。非弾性的性質には、粘性や塑性などの性質が含まれる。地殻の上部は主に弾性的性質を持つが、深部になると粘弾性的性質や塑性的性質を持つことが知られている。内陸地震の発生のメカニズムを理解するためには、粘弾性的性質や塑性的性質を持つ層の影響を理解することが重要であると考えられている。

比抵抗

 単位断面積、単位長さあたりの電気抵抗値。電気伝導度の逆数。

表面波

 地球の表面に沿って伝わる地震波。2次元的に伝播するので、P波やS波と比べて減衰せずに遠くまで伝わる。ラブ波とレイリー波の二種類ある。

プレスリップ

 地震が発生する際に、本震に先駆けて起こるゆっくりとした滑りのことで、小さな地震を伴う場合もある。前駆滑り、前兆滑りともいう。理論的には、次第に加速して本震に至ると考えられている。

プレート

 地球表面は、地殻と十分に冷却して固くなっている最上部マントルとを合わせた、厚さ100km程度の固い岩石の層で覆われている。この固い岩石の層は、いくつかのブロックに分割されている。それぞれの板状(球殻状)のブロックをプレートという。

噴火シナリオ

 火山ごとに、噴火で想定される現象の発生推移を時系列的に整理したもの。噴火の規模や現象発生パターンなどの分岐判断について示した噴火事象系統樹を指しているが、防災対応を目的としたより実効的なものを指すこともある。

噴火様式

 噴火時にマグマが地表に噴出する場合、噴火の様子はマグマの性質や破砕の程度などによって異なり、いくつかのタイプに識別される。その異なる噴火の様子を噴火様式という。

マグマ

 岩石物質の高温溶融体。噴火によってマグマが地表に出たものを溶岩という。マグマが地下で結晶化したり、地殻物質を溶かし込んだりして、多様な組成のマグマができる(分化という)。マグマが上昇すると、マグマの中に溶解していた揮発性成分が気泡となる。火道での気泡の離脱の仕方により噴火の激しさが変化する。

マグマ溜まり

 火山活動の源であるマグマが蓄積されているところ。火山やカルデラの直下にあると考えられているが、その正確な形状や内部構造は分かっていない。

マントル

 地殻の下にある深さ約2,900kmまでの固体層。その上部は、かんらん岩を主成分とする岩石で構成されている。

マントルウェッジ

 沈み込むプレートと陸域プレートに挟まれた陸側のマントル部分。この部分は、沈み込むプレートが数十度程度の角度で沈み込んでいるので、くさび状の形状をしている。

マントル上昇流

 マントルを構成する物質(岩石)は固体であるが、長い時間、強い力を受けると塑性変形を起こす。このため、マントルは長い時間をかけて、ゆっくりと対流運動を起こしていると考えられている。このマントル対流のうち、上昇する流れをマントル上昇流と呼ぶ。

ミューオン(宇宙線ミューオン)

 宇宙線が大気中の原子核と反応して生成される二次宇宙線の一つで、地上に絶え間なく降り注いでいる素粒子。透過する物質の密度差によってミューオンの減衰が異なることを利用して、X線の透視撮影のように地殻内部の密度分布を調べる試みがなされている。

有効法線応力

 ある面を挟んではたらく応力のうち面に垂直な方向の成分が法線応力であり、この法線応力から間隙水圧の大きさを引いたものを有効法線応力という。断層のせん断強度は有効法線応力に比例すると考えられている。

ゆっくり滑り

 地震波を放射しない、断層面やプレート境界面でのゆっくりとした滑り。ここでは、継続時間が数か月以上のものを長期的ゆっくり滑り、それ以下のものを短期的ゆっくり滑りと呼ぶ。スロースリップ、スロースリップイベント(SSE)ともいう。

余効滑り

 地震の後に震源域あるいはその周囲で発生するゆっくり滑り。その滑り量や滑り速度を指すこともある。

横ずれ断層

 断層面に沿って主として水平方向にずれた断層。断層を挟んで他方の岩盤を見たときに、右向きにずれていれば右横ずれ断層、左向きにずれていれば左横ずれ断層という。

リソスフェア

 地球の地殻とマントル最上部の固い岩盤を併せた部分の総称。地球表層部を占め、ブロックに分かれて水平移動しているプレートに相当する。岩石圏ともいう。

連続微動

 火山活動によって発生する地震以外の振動を火山性微動という。このうち、時間または日単位で長く続くものを連続微動と呼ぶ。

AE

 Acoustic Emission(アコースティックエミッション)の略。岩石や金属などに応力や熱が加えられると、内部に局所的な応力集中が発生し、微小破壊などが引き起こされる。このときに励起される高周波数の弾性波のことをアコースティックエミッションという。

CSEP

 Collaboratory for the Study of Earthquake Predictability(地震発生予測可能性共同実験)の略。米国・欧州・ニュージーランド・日本を中心として実施している国際プロジェクトで、できるだけ統計学的に厳密な手法で地震発生の予測を行い、その結果を評価し、統計学的手法による地震発生予測可能性を検証して手法の確立を目指している。

ΔCFF

 Coulomb Failure Function の変化量のこと。具体的には、Coulombの破壊基準に基づいた応力成分の変化量で、ΔCFF=Δτ-μ(Δσn-ΔP)として求められる。ここで、Δτは断層面の滑りに対するせん断応力の変化量、μは内部摩擦係数、Δσnは法線応力の変化量、ΔPは間隙水圧の変化量。

F-net

 防災科学技術研究所が日本全国約70か所に整備している広帯域地震観測網。奥行き50m程度の横坑の最奥部に、固有周期120秒または360秒の三成分広帯域速度型地震計、及び三成分速度型強震計が設置されており、連続データのリアルタイム収録が行われている。

GPS

 Global Positioning System(汎地球測位システム)の略。地上高約20,000kmの高度を航行するGPS衛星からの電波を地上で受信し、三次元的位置と時刻を正確に計測するシステム。地殻変動計測には干渉測位と呼ばれる電波の位相を用いた相対測位法が用いられる。

Hi-net

 防災科学技術研究所が日本全国約800か所に整備している地震観測網。深さ100メートル程度の縦孔の底部に、固有周期約1秒の三成分高感度速度型地震計が設置され、連続データのリアルタイム収録が行われている。

SAR

 Synthetic Aperture Radar(合成開口レーダー)の略。人工衛星や航空機などに搭載されたレーダーの移動により大型アンテナと同等の高い分解能を実現したレーダーシステム。SAR干渉解析(Interferometric SAR、InSAR)は、同じ場所を撮影した時期の異なる2回の画像の差をとる(干渉させる)ことにより地表面の変動を詳細にとらえる手法である。

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)

-- 登録:平成25年02月 --