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列島規模のプレート内の構造と変形
広域の歪・応力の蓄積・集中過程の解明のための手段としては、広域における構造や歪・応力の実態の解明を目的とした観測研究と、歪・応力の蓄積・集中モデルの構築を目的とした特定の領域における集中的観測研究がある。また、構造や応力の推定の高度化のための新手法の開発も重要となる。
広域の構造の解明のため、日本海の震源分布や速度構造の解析を実施し、また海域における活断層の有無を調査するための表層音波探査を実施する。さらに西日本において、比抵抗測定の実施に向けた予備調査・予備的解析を実施し、トモグラフィー解析やレシーバー関数解析、変換波・反射波等を駆使した構造推定を行い、沈みこんだフィリピン海プレートの位置やそれに関連すると考えられる地殻深部流体の分布について検討を行う。また、広域のGPS観測とそれに基づく変位速度の解析を継続し、東南海・南海地域については、さらに観測を強化する。
内陸における歪・応力の蓄積・集中過程のモデル化のためには、地殻・上部マントルの物性、特にレオロジー構造の推定が重要となる。この目的のために稠密観測を実施し、また過去の大地震の余効変動の解析を行う。
構造や応力の推定の分解能を上げるためには自然地震の波形データを用いるのがもっとも効率が良いと考えられる。このような観点から地震波散乱強度分布や地震メカニズム解の新しい推定法の開発に着手する。 |