平成23年11月10日(水曜日)10時~11時半
文部科学省3F2特別会議室
[委員の出欠、事務局の交替について]
[議事1.地震火山部会の審議状況について]
(資料1-1、1-2、1-3と参考資料1-1、1-2、1-3を用いて事務局説明)
【藤井分科会長】 事務局から審議状況についてご報告をいただきました。何かご質問、ご意見ありますでしょうか。(→異議なし)
[議事2.「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」の一部見直しについて]
(参考資料2-1、2-2および、資料2-1、2-2について事務局説明)
【藤井分科会長】 資料2-2について、地震火山部会長の平田委員のほうから報告をお願いします。
【平田分科会長代理】 経緯については、事務局から今ご説明があったとおりでございますが、観測研究計画推進委員会から報告された内容について、地震火山部会でも意見交換を行い、資料2-2のように取りまとめましたのでご報告いたします。
(資料2-2について読み上げ。資料2-3について説明)
【藤井分科会長】 ただいま地震火山部会のほうから、レビュー作業に当たって現行の計画で不十分な点について判明したので、「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」の一部見直しを行い、そのために観測研究計画の再検討委員会を発足させるという報告がございました。これについて、ご意見、あるいはご質問等をお願いいたします。
【石原臨時委員】 資料2-1について、質問させていただきます。レビュー作業において明らかに本計画で不十分だった項目ということで、かなりいろいろ議論された結果とお見受けします。その中で、今回の建議の計画等に関連して、いわゆる地震発生の先行過程、先行現象の研究というのが1つのポイントだと思いますが、資料2-1には先行過程、先行現象よりも主に地震発生後のことが書かれています。先行現象についての議論はなかったのでしょうか。
【平田分科会長代理】 部会では、現行の計画を幾ら一生懸命やっても足りない部分は何かという観点を主として議論いたしました。ご指摘の先行現象の研究は、現在の建議の計画の中に先行過程の研究というのがあり、すでにその項目で実施されおり幾つかの知見が得られております。
また、超巨大な地震に伴う先行過程については資料2-1(1)の中に入っていると理解しております。
【石原臨時委員】 この建議の計画を踏まえると、発生サイクルと先行過程は別の項目に挙がっていたので、お尋ねした次第です。
【石田臨時委員】 資料2-1の項目を拝見していますと、今まで巨大地震の発生サイクルの項目で進められていた研究内容ですね。「超」をつける場合とつけない場合で、根本的に何が変わるのか、何が不足だと思っているのか教えていただきたい。
【平田分科会長代理】 ここでは超巨大地震とは、マグニチュード9クラスの地震のことを指しています。これまでマグニチュード8クラスの地震については、当然研究の視野に入っていましたが、この建議の計画に基づいて推進している研究のスコープの中にはマグニチュード9クラスの意識は非常に低かった。これらの研究は1年、2年やってすぐわかるというものではないので、長期的に取り組む必要がありますが、できる限り早く、現在進行中の非常に大規模な予効的な現象について研究を開始する必要があるため、現行計画を見直す必要があるということです。
【石田臨時委員】 平田委員の説明はわかります。お聞きしたかったのは、マグニチュード9クラスの地震の研究はマグニチュード8クラスの地震の研究と物理的に異なる研究なのかという点です。
【清水臨時委員】 お答えになるかどうかわかりませんが、観測研究計画推進委員会での議論で、同じようなご質問があったのでお答えします。マグニチュード8クラスまでは、地震領域と周辺の非地震領域の単純なモデルを考えていましたが、今回の地震は、これまでの単純な二元論的なアスペリティモデルではまずいのではないかという考え方が出てきました。
そうなると、もちろん物理も含めてですが、きちんと予知研究計画として検討する必要があり、特に超巨大地震の場合にはサイクルも長いわけなので、物理モデル、地質的なデータあるいは外国のデータなど、あらゆる観点からの見直しが必要ではないかという議論がありました。
【藤谷臨時委員】 資料2-2では、観測を早くやらないといけないから見直しましょうと書いてあり、資料2-1では、もう少し大枠で(1)から(4)までをやらないといけないと書かれています。さらに、その下にはアンダーラインで「広範で体系的な観測研究を早急かつ戦略的に実施する必要がある」とも書いてあります。だから、再検討委員会に対して、具体的にどういうことを検討しなさいという枠組みを示さないと、検討の中心的な項目が分からないのではないでしょうか。
【平田分科会長代理】 資料2-2には、第2段に、なぜ再検討をする必要があるかという理由が書いてあります。また第2段の3行目から4行目が重要で、「今回発生した超巨大地震の発生機構や、それに伴う巨大津波等の諸現象の解明を行うことが必要である」と書いてあります。この最初の部分が資料2-1の(1)と(2)に、後半の部分が(3)と(4)に関連しています。
【藤谷臨時委員】 それはわかりますが、何を集中的にやるかということを具体的に書いたほうが良いと思います。
【平田分科会長代理】 資料2-1の(1)から(4)が大きな柱になります。そのうち、早急に取りかからなければいけないというのは2つ理由があります。長期的な研究として進める研究について、とにかくすぐに着手するという観点の研究が(1)と(2)です。また、現在進行している現象について、すぐにやらなければいけない研究として、(4)があります。超巨大地震のサイクルの解明については、残り2年で完了するという研究ではありませんが、これから研究に着手して、次期の観測研究計画につなげていく必要があるという観点です。
【藤井分科会長】 石田委員と藤谷委員のご意見は、ある部分で関連があると思いますが、今回の見直し作業については、現行計画の残された期間にどれだけのことをやるかがポイントです。第22回測地学分科会では、現行計画についてのレビューを行うということでしたが、東日本太平洋沖地震を受けて、より徹底的なレビューを行った上で次期計画に向けて何を進めるべきかという議論をし、差し当たり残りの2年間に足りなかった分を補充するということと、緊急措置としてやるべきことについて、地震火山部会のほうで大枠をつくっていただき、これに基づいて観測研究計画再検討委員会の中で細部について検討していただくと理解をしております。
【日置臨時委員】 再検討委員会のメンバーの選び方については、観測研究計画推進委員会の中から選ぶのか、あるいはもっと広い範囲から集めるのか、その辺はどうでしょうか。
【平田分科会長代理】 委員の人選については現在検討中でございます。検討中ですが、観測研究推進委員会の委員以外からも選ぶ予定です。
【藤井分科会長】 この見直し作業については、来年明けるころの学術審議会に報告する必要がありますので、かなり短い期間での作業スケジュールになると思います。もしそれに当たっての何かご意見等がありましたら、ぜひお願いしたいと思います。
【長谷川臨時委員】 今回の東北地方太平洋沖地震については、やはり見直しが必要だと思いますが、もう少し過去の経緯も振り返って、見直し作業の進め方について根本から考える機会があってもいいような気がします。再検討委員会あるいは観測研究計画推進委員会で行うことかもしれませんが、ぜひ検討してほしいということを述べさせていただきたいと思います。
私は東北地方太平洋沖地震の発生後、兵庫県南部地震の後のことについてずっと考えてきました。今回、地震本部の長期予測さえも当たらなかったわけで、私たちは重く受けとめないといけないというふうに思います。長期予測さえできなかったのが、短期予測がすぐできるはずがない。あるいは中期・短期の予測がすぐできるはずがないというのはおのずとわかることだと思います。
私は、火山噴火予知研究計画については、内容について触れるつもりはありません。地震予知研究計画についてのみ申し上げたいのですが、地震予知研究計画は地震学コミュニティのサポートを受けながら進めてきた経緯があると思います。今回の見直し作業についても地震学コミュニティ、あるいはもう少し広い範囲かもしれませんが、サポートを受けて、この計画を進めていく必要があると思います。
先日の秋季地震学会で特別シンポジウムが開かれました。そこでの議論なども踏まえてこの研究計画を進めていくという観点をぜひ入れてほしいと思います。地震学は地震被害を軽減するために進められてきたという点が非常に強いと思います。したがって、被害を軽減するということにどれだけ役に立てられるかということは極めて重要で、今回、予測についてはまだまだ未熟である、地震学のレベルというのはまだまだ未熟であるということを嫌というほど痛感させられたと個人的に思うわけです。
ですが、地震予知計画は社会のニーズに合わせざるを得ないという側面があります。兵庫県南部地震の後、それまでの「地震予知計画」を「地震予知のための新たな観測研究計画」と変えて、実際の実力と地震予知研究計画でやってきたもろもろのものとの乖離を神戸の地震の後かなり縮めた経緯があります。大分縮まったとは思うのですが、現状はまだ残存しており、その残存している部分についても、この東北地方太平洋沖地震を受けて、検討をぜひお願いしたいということです。1つの例としては、「予知」という言葉です。もう一つの例は、東海地震の予知体制です。兵庫県南部地震のあと、「予知」という言葉についてはかなり議論しましたが、最終的には、それまでの地震予知計画との継続性みたいなものを考慮して「予知」という言葉を残しました。
当事者であった私は、あのとき残さなかったほうがよかったかもしれないと、実は今は反省しているところですが、やはり学術の面から提言できるところはこの測地学分科会をおいてほかにないので、ぜひその辺のところについて、東北地方太平洋沖地震を契機にご検討いただきたいと思います。
【藤井分科会長】 どうもありがとうございました。
今、長谷川委員がおっしゃった兵庫県南部地震の経緯を踏まえると、やはり建議の計画の途中段階でありまして、計画の一部見直しを行って、その後にレビューをやって、広く意見聴取して「地震予知のための新たな観測研究計画(第1次)が発足しました。今、それと同じような状況にありますが、それに関しては地震火山部会、あるいはその下の観測研究計画推進委員会のほうでも議論がされております。とりあえず当面、ここで現行計画の見直しを行いますが、同時に東北地方太平洋沖地震を含むレビュー作業をすすめていますので、観測研究計画委員会において徹底的に議論をし、いろいろとほかからも意見聴取をした上で次期計画の策定にとりかかると私は理解しています。
【長谷川臨時委員】 それを聞いて安心しました。是非よろしくお願いいたします。
【藤井分科会長】 どうもありがとうございました。
それでは、本日いただいたご意見については、今後、再検討委員会の中で見直し作業を進める中に生かしていただきたいと思います。
それから、長谷川委員からご指摘のあった件については、ぜひレビュー作業の中で東日本の太平洋沖地震についても徹底的におこなっていただき、次期の計画に反映させていただくという方向で議論をお願いします。
それでは、平田地震火山部会長には、引き続き作業をお願いします。
【平田分科会長代理】 了解いたしました。それでは、直ちに委員の人選作業を行い、再検討の作業に取りかかります。
また、作業結果については、次回の測地学分科会でご報告させていただきますので、よろしくお願いいたします。
【藤井分科会長】 それでは、次の議事に移りますが、その他について、事務局のほうから説明をお願いします。
【安藤地震火山専門官】 資料3に、前回第22回の測地学分科会の議事録を用意しております。委員の皆様には既にメール等でご意見をいただいているもので、反映されたものでございます。最終的にここで了承をいただきたいと思います。
【藤井分科会長】 これについては事前に委員の皆様には事務局のほうからお知らせをしてご意見をいただいております。ご了承いただけますでしょうか。
特にご異論がないようですので、ご了承いただいたものといたします。
【石原臨時委員】 すみません、先ほど長谷川委員から非常に大事なご指摘があったと思います。今後の検討委員会においても、外から見てもわかるような表現、つまり、それをする主体は何なのか、それが伝わる相手はどこなのかということを少し議論していただいたほうが、今後の計画を実行、評価する上で重要であると思いますので、よろしくお願いします。
個人的には、火山のほうでしばしば言ってきたことですが、予知というのは、あらかじめ知らせるという社会的な行為であるということで、現在、気象庁で噴火予警報を発表していますが、地震のほうでは、個人、研究者により、予知のニュアンスが違うように思います。できればこの辺りも議論していただき、次の計画へ向けて言葉の約束事についても、きちんとわかるような検討についても是非お願いします。
【藤井分科会長】 本日は進行が早く、まだ時間がありますので、「予知」と「予測」、あるいは別の言葉も含めて、少し自由な意見をいただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
【長谷川臨時委員】 やっぱり兵庫県南部地震のときを思い出すと、あらかじめ知らせるという「予知」は少し無理があって、レビューの報告書の中に説明を書いても、社会の多くの人たちあるいは国民はそれを読まないと思います。実は兵庫県南部地震の後の「地震予知のための新たな観測研究計画」の中に、地震予知を定義しています。しかし、この定義は我々の小さなコミュニティでは共通認識されているのですが、一般社会まで考えると、多分共通認識になっていないのが現実であると思います。
兵庫県南部地震の前の第6次地震予知計画で、既に地震予知というのは非常に困難なことであること、基礎研究が必要であることを挙げています。やってきたことは地震発生予測の研究であると。兵庫県南部地震の後も、地震予知の定義を再確認し、タイトルの名前としては「予知」はとらないけれども、実際にやるのは地震発生予測の研究であって、基礎的な研究であるので非常に範囲を広げたという経緯があるわけです。その意味では今までやってきたことは、地震予知のための新たな観測研究計画であり、地震発生予測の研究だったわけです。ただ、タイトルについては、その前の地震予知計画との継続性というのが非常に重要であったので、変える、変えないという議論をしたけれども結果的に残ってしまったのです。
現在は地震発生予測の研究であって、タイトルも「地震予知のための新たな観測研究計画」となっています。兵庫県南部地震のときとは大分違うわけで、タイトルについて、実際の中身と合わせるということが多くの地震研究者からサポートしてもらうための1つだと思います。
ですから、私としては、今回については、きちんと検討して、きちんと結論を出してほしいと思います。
【藤井分科会長】 どうもありがとうございました。
今、兵庫県南部地震のころの経緯についてのご説明をいただきました。確かにあのときも予知という言葉が旧科技庁からはすべて消えて、文部省のほうは予知を残したという経緯があります。もともと第1回目の観測研究計画が発足したときも、建議の作成過程では第8次の地震予知計画として検討が行われていて、最後の最後の段階で名前が変わったということがございました。火山のほうはそのまま年次を増やして継続しましたが、地震のほうは新たな観測研究計画となり、予測研究が主体になった計画に変わり、タイトルだけ予知を目指すという意味で「予知」が残ったという経緯がありました。
このことに関しては、先ほど石原委員から、予知を目指すのであれば、もう少し先行現象の研究があってしかるべきではないかというようなご指摘もございましたが、この件に関しては地震学者の中にもいろいろなご議論があると思います。今、この分科会の中でご意見をいただければと思いますが。
【平田分科会長代理】 現在の建議の6頁をごらんください。地震予知については定義されていませんが、地震予知研究については非常に厳しく定義されています。1段落目に地震予知研究の目標は何かということが書かれてあり、「定量的な予測を可能とすることである」と書いてあります。つまり、現在の地震予知研究は地震発生予測をするためのシステムをつくる研究であると言うことで、実は予知をするとは一言も書いてありません。また、本計画の基本方針についても「予知」という言葉は使っていません。ですから、今の地震予知研究計画は、地震発生予測をするための仕組みをつくるということと定義しているわけです。長谷川委員がおっしゃった、「やっていることと名前とを一致させたほうがいい」というご意見は、それほど難しいことではありませんが、現在の地震予知研究は、地震発生予測のシステムをつくるということであると再定義する必要があります。私としては、名前の変更と内容の変更はセットにして議論すべきと思います。
【石原臨時委員】 少し今の話題と離れるかもしれませんが、現在の地震及び火山噴火予知計画は、一般的な科研費とは区別された、国民的な要望や要請を受けてスタートしたものだと思います。古い話で恐縮ですが、火山噴火予知計画というのは地震予知計画を教科書にしながらスタートしました。1つ目のポイントは、地下のマグマの挙動を種々のさまざまな観測により検知することが噴火予知につながる。2番目のポイントは、そういう成果を、火山情報等を出している気象庁に提供し活用することが火山噴火予知の実用化につながるということ。3番目のポイントは、噴火予知等は火山学全般の基礎研究のサポートが必要であること。以上が火山噴火予知計画のスタートラインです。
昭和50年ごろには、中国で地震予知の成功例がいくつか報告され、当時の地震関係者はもうすぐ日本でも地震予知ができるとはっきり言っておられました。そういう時代もあるので、やはりこの地震予知計画がもともとスタートした背景も少し考慮して検討していただきたいと思います。地震予知や火山噴火予知というと、やはり社会一般は、自分たちにリターンがあるものだと理解しています。例えば具体的に言うと、「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」は、「地震発生予測及び火山の噴火予知のための観測研究計画」と変えていいのかどうなのでしょうか。これは次の世代の方が考えるべきで、私が言うことではありませんが、もし変える場合には「予知」と「予測」について世間から見てもわかるように、また、世間の受け取り方についても十分検討いただきたいと思います。
【藤井分科会長】 どうもありがとうございました。予知研究計画は、一般の科学研究費等による学術研究とは少し性格が違うものであるということも考えるべきだというのが石原委員のご指摘です。
【石田臨時委員】 私も、去年の地震学会のときに科研費の項目として「地震予知」を挙げてほしいという意見を出したのですが、結局、「地震発生予測」という項目で追加されました。地震学会の中でも地震予知計画というのは特別な位置づけのようなので、地震予知計画の体制全般ついては是非よく考えていただきたい。
【山岡科学官】 昨年の科研費のときには、「地震予知」という言葉を「地震発生予測」に変えたのは、より広い概念のほうがという理屈で「地震発生予測」を主張した経緯があります。要するに「予知」という言葉は「直前予知」に限るべきで、厳密に定義をするべきという考え方から、長期も中期も含んで大ざっぱに予知と考え方まで非常に幅がありました。
ただ、研究者の側から言うと、予知という言葉はだんだん扱いにくくなってきているというのが私の感触です。もし内容が同じであるならば、正直に地震発生予測と言ったほうが、本質的ではないような議論をしなくて済むのではないかと思います。
「予知」と「予測」という言葉を厳密に区別することは非常に難しいと思います。ラクイラの会議では、「prediction」と「forecast」の定義から議論が始まったと聞いています。そのときの定義は、「prediction」は決定論的に予測をすること、「forecast」はもう少しあやふやな点まで含めて予測をすることでした。なので、できれば早めに「予測」という言葉を使うようにしたほうよいと思っています。
あと、この分野の立ち位置に関しては、今は総合基本政策の中できちんと書かれているので、議論を通じて、日本の地震防災政策の中でどういう立ち位置を持つかということは、別途議論すればいいと思っています。
【藤井分科会長】 「prediction」と「forecast」は、結構複雑です。「予知」を「予測」に変えれば無用な混乱は避けられるかもしれませんが、今までの経緯を含めて、研究者側がどこまで社会に納得してもらえるかという観点もあります。今後、観測研究計画推進委員会、あるいは地震火山部会のほうでも議論をしていただいて、現行計画の見直しには影響しませんが、次の計画に向けてきちんと議論をしていただきたいと思います。
【長谷川臨時委員】 我々の計画は地震学のコミュニティ全体、ひいては広く社会からサポートされて進めていかなければいけないものだと思います。そういうことを考えると、実態と乖離しているものはできるだけそのギャップを詰める必要があります。兵庫県南部地震のときに実態との乖離を大きく詰めたと思いますが、まだ詰め足りなかった部分がありました。その結果、例えば「予知」という言葉が残りました。そういう意味ではこの機会に、できるだけ実態との乖離のギャップを詰めてほしいと思います。その上で、多くの人たちのサポートを受けながら、この計画をさらに強力に進められるような体制にしてほしいと思います。
【藤井分科会長】 長谷川委員が言われたとおり、今後、全体からのサポートを得られるような計画でなければ、立ち行かなくなるだろうと思います。これは現行計画の一部見直しではなく、次期計画に向けてのご意見と思います。
【久家臨時委員】 「地震予知」という「予知」の言葉さえ変えればいいかという問題では決してないということを念頭に置いておかなければいけないと思います。今回の地震を受けて、今後何を目指さなければいけないのか、どういう形で目指していくかという本質を明確にした上で、タイトルを付加するのか、そこを考えなければいけないと思います。
【齋藤オブザーバー】 地震火山部会でも少し話がありましたが、資料2-1の(3)にもありますように、巨大津波の予測、要するに地震発生予測だけではなくて、地震発生後の現象についてもこの計画の中で進めていくべきだということが、少なくとも地震火山部会まではコンセンサスが得られたと思っています。したがって、これも踏まえたタイトルにする必要があるだろうと考えています。
【今給黎臨時委員】 研究コミュニティの側が厳密に定義したつもりで言い換えた言葉に対しても、「予知」という言葉に対して思っているものと同じ捉え方した場合、結局世の中の受け取り方は変わらないということになってしまう。地震予知のコミュニティが定義している「予知」や「予測」という言葉の意味の世の中への伝え方についてもよく考えなければいけないと思います。
【石田臨時委員】 学会内では「予知」と「予測」の言葉を議論しますが、世間一般では、厳密にくべつしているのでしょうか。
【寺田地震・防災研究課長】 たぶん全く区別されていないと思います。例えば地震調査委員会の長期評価について、確率で表現していますが、その確率の考え方を理解しておれば、70%の場所では発生しなくて、1%の場所で発生したという議論にはならないと思います。
【藤井分科会長】 「予知」と「予測」についての議論は研究者の中では非常に熱を帯びて議論されるけれども、世の中が受けとめることは必ずしもそうでないということがあると思います。この点は、次の計画策定の際にはきちんと反映させていただきたいと思います。
【石原臨時委員】 結局、成果が具体的にどこを通して予報、予測として発表されるかというアウトプットをはっきりすることだと思います。そうすれば社会的に認知されることになると思います。
【藤井分科会長】 いろいろご意見をいただきました。今後、地震火山部会、あるいは観測研究計画推進委員会で検討をよろしくお願いします。
[議題3.その他について]
(参考資料3-1、3-2、3-3について山岡科学官から説明)
以上。
Copyright (C) Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology