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測地学分科会(第14回) 議事要旨

1. 日時
平成19年2月27日(火曜日)15時30分〜17時5分

2. 場所
三田共用会議所3階 第3特別会議室

3. 出席者
(委員)
石田委員、石原委員、今脇委員、長谷川委員、深尾委員、鎌田委員、清水委員、田島委員、平田委員、村上委員、はま田委員
(事務局)
藤田研究開発局長、板谷大臣官房審議官(研究開発局担当)、土橋地震・防災研究課長、本藏科学官、加藤学術調査官 他関係官

4. 配付資料
(1)   第4期科学技術・学術審議会測地学分科会委員名簿
(2)−1 科学技術・学術審議会測地学分科会運営規則(案)
(2)−2 科学技術・学術審議会測地学分科会の公開の手続きについて(案)
(3)−1 科学技術・学術審議会の概要
(3)−2 第3期科学技術・学術審議会測地学分科会の概要
(3)−3 第3期科学技術・学術審議会測地学分科会の審議状況
(3)−4 地震予知のための新たな観測研究計画(第2次)の実施状況等のレビューについて(報告)
(3)−5 第7次火山噴火予知計画の実施状況等のレビューについて(報告)
(4)−1 第4期科学技術・学術審議会測地学分科会の当面の審議事項について(案)
(4)−2 第4期科学技術・学術審議会測地学分科会の組織について(案)

参考資料   関連データ

5. 議事概要
 本回の議事は、分科会長の選任、分科会長代理の指名があったため、開会から議題(1)までは非公開。

(1)  科学技術・学術審議会測地学分科会長及び分科会長代理の選任について
 審議会令第五条第3項に基づき、委員の互選により、深尾委員が分科会長に選任され、同五条第5項に基づき深尾分科会長より、石田委員が分科会長代理に指名された。

(2)  議事運営等について
 測地学分科会運営規則の改正及び測地学分科会の公開の手続きについて審議・決定した。
 当面の審議事項及び分科会の組織について審議を行い、分科会の下に地震部会及び火山部会を設置することが承認された。

(3)  地震及び火山噴火予知研究計画レビュー結果報告
 地震予知研究計画レビューの結果について平田臨時委員より、火山噴火予知研究計画レビューの結果について、石原委員より報告があり、意見交換を行った。
【深尾分科会長】 平田委員が説明した中で、地震を予測するのは位置と場所ということだったが、場所と大きさではないか。

【平田委員】 そのとおり。修正する。

【今脇委員】 火山噴火予知研究計画レビューの最初のポイントの箇所で、「現在の監視能力のレベル維持は困難」という評価というか、結果が出ているが、これは今後、どのようにフォローアップというか、実際に反映させていくのか。

【土橋課長】 今回はレビューということで、石原委員、実際にレビューのかなりの部分をまとめられた藤井委員、その他の委員の方々は、現状を事実に沿って的確にまとめられていると思う。しかしながら、そのような問題が現状としてあるということは認識しているが、次をどうするかということについては的確な回答を持ち合わせていない。一方では中央防災会議が、富士山を例にして、火山情報の重要性ということを認識しているのであれば、実際には関係機関とか、あるいはこの分科会のみならず、政府全体としてそういう問題をどうとらえたら良いかということを少し考えていかなければならないと思う。
 それから、地震分野と比較しての話だが、地震のほうは予知計画だけではなく、文部科学省が事務局をしている地震調査研究推進本部という組織がある。これは阪神淡路大震災以降に政府の特別な機関として設置され、予算についてもある程度の規模があって、実際に地震の分野については、ある部分研究や観測網が維持できているという面もある。それに比べ火山については、ある意味ローカルな問題としてとらえられてしまう面もあり、なかなか全国的な規模で、そういう問題の重要性が認識されない。だからといって、地震と全く同じにはできないが、もう少しいろいろな形で社会等に対して問題提起はしていきたいと思う。
 しかしながら、火山について現状が厳しいからといって、次の予知計画で予算がつき観測網が十分に整備されるといったことも言えないが、その部分は、関係機関と検討し、社会に貢献できるものとして何ができるかということを十分踏まえながら検討して参りたいと思う。

【濱田委員】 火山分野については最近少しずつ各機関のデータ交換が進み、監視も強化できるようになってきたが、ちょうどそういう時に国立大学の法人化が行われ非常に厳しい状況と認識している。こういった状況について、気象庁として特に対策があるかと言われれば特にない状況で、国交省の中のマイナスシーリングの中で、なかなか新たな施策を展開するのに必要な予算というのは確保するのは難しく、今のところは現状維持をどうやっていくかということで精一杯な状況である。

【深尾分科会長】 国の方針としては安全・安心ということを掲げつつ、一方でこういうところで、予算がなくて何もできないというのはまずいのではないか。

【板谷審議官】 安全、安心、そして災害対策のような分野について、何か災害があり大変な状況に対しては非常に積極的に対応していく、そして国全体がそういう方向に対策費用を出していくというのが流れになっていると思う。そうした雰囲気というのが、あらゆる科学技術分野においても、いわゆる大きな流れを見てどれが重要なのかということを、世論の方向を見ながら動いているというのが実態ではないかと思う。
 そして、それを実際、確実に一歩一歩やってきているところに対して、そういったところはある意味では地味なところとも言えるかもしれないが、いわゆる資源配分が少なくなってしまうというのが、正しいことかどうかというのはわからないが、そういった流れになっていると思う。
 そのようなことを考えると、やはり一番大切なのは、こういう活動の大事さを、レビューをしてその結果をまとめて、次のステップに結びつけていくという活動を続けている限りにおいて、その大事さというものを改めて社会に訴えていくということが必要ではないかと考える。
 今後の課題にも記載があるように、国立大学法人化があるから困難になったということは決してないと思う。つまり、国立大学法人化ということは、これまで細かくあった予算を大きく一括して渡し、組織内での配分については、その組織の中で議論するようなことになっているのではないかと思う。そういった意味では、関係者が一丸となっていろいろなところで、きめ細かい活動をしていくと同時に、その研究の大事さというものを改めて打ち出していくことが必要である。

【石原委員】 先ほどの意見についてだが、火山のレビューでの意見は、法人化が悪いと言うことを述べている訳ではない。
 研究費が減額されるということで、そのような中で、やはり今おっしゃったように大学、あるいは地震、火山の研究協議会もありますけれど、そういうところが、いかにアピールしていくか、そういう活動をしていかなくてはならないということを含めてこの評価になった。

【深尾分科会長】 火山だけではなく地震についても意見はないか。

【田島委員】 例えば、今後の課題の中に、独立行政法人や国立大学法人では、施設などの維持強化が困難な状況と今後予想されという記述があるが、これは具体的には、予算が下りないことによって、その既存のものを維持できないということか。

【石原委員】 例えば、以前であれば、新たな設備等を購入すれば、それに対して維持費が付くというような格好になっていたが、それが今は法人化なので固定されていると言うわけである。理論上は文部科学省の方から出ているはずだが、大学によってはそれをどんどん減らしていくというようなことを行っていて、新たな設備の投入、あるいは維持が非常に困難だということが話題になっている。これは大学によってかなりやり方が違うかもしれないが、そのようなことが生じているということを指している。

【田島委員】 日本の大学の仕組みというか、現状を見ると、例えば、日本の場合であればコンピューターシステムとか、あるいは大学の研究所が持っている観測機器を維持管理するテクニシャンとか、システムエンジニアとかそういう人を雇う費用が付かないということ、それが非常に驚異的なことであった。アメリカであれば、どんな小さな研究所でも学科でも、例えば、コンピューターシステムを管理するシステムエンジニアが複数いたり、地震観測の観測機械をちゃんと維持管理するテクニシャンが複数いて成り立っている。
 日本の場合は、そういったことをすべて研究者がやることになっており、観測をしている研究者にとっては大きな負担になっていると思う。大学というのは質の良い研究と教育を続けていくのが今後の発展になるわけだが、そのような維持管理などに時間を費やされるような状況はあってはならないことだと思う。

【本藏科学官】 今の問題について、実は日本でも昔は技術職員というのは、かなり配置されていた。昔は本当に研究者の研究を強力にサポートする体制になっていたと思う。その後、様々な事情もあり大学も少しずつ変わってきており、技術職員の部門について、研究者や教員の人員にだんだんと振り替えを行ってきた。
 しかし、最近はやはり人件費の問題については、法人化以降外部資金なりでサポート要員というのを雇用することはできるようになっているし、そういうのは現在は非常に増えていると思う。要はこの研究資金、つまり運営交付金と外部資金、競争的資金というものを含めて、どのように獲得してくるかということだと思う。
 地震・火山関係の経費というのは、運営費交付金の中の特別教育研究経費になっているが、特別教育研究経費というのは、問題点で指摘されているところである。それは何かというと、1件当たりの経費が大きいものでも数億ぐらいしか付かず、10億程度の規模の設備の購入というのは非常に難しくなっている。1億や2億くらいであれば何とかなるがやはり10億となるとどうしようもなくなってしまう。
 それを打開する1つの方策としては、やはり、個々の大学がばらばらにやっていたのではその問題は突破できないだろうと思う。いろいろな動きを見ていると、1つのあるグループが、全体で1つのプロジェクトを起こして、大型の設備等を何とかするというようなイメージではないか。だから、地震・火山について、そろそろ個々の大学だけの努力に頼っている時代ではないような気はしている。

【田島委員】 先ほど事務局から説明があった参考資料について、どのようなことが読み取れるのかよくわからなかったのでもう少し詳細にお教えいただけないか。

【清水委員】 私は、地震と火山の両方について現場で実務に携わっているが、特に火山のレビューについては今回の執筆作業で分担をさせていただいた。
 今回問題になっている様々な課題についても現場にいて実感しているわけだが、例えば地震の分野について参考資料の地震計の数の推移という部分を見ていただきたいが、大学について第1次新計画の時と現在を比べるといわゆるモニター的な色彩の濃い地震計、つまり高感度地震計等については観測点数が減っている。その代わりに、より研究的色彩の濃い広帯域地震計や機動観測の観測点数がふえており、大学は本来の目的である研究のための観測体制にシフトしてきているといえる。
 それに対して、火山の分野についてはまだ旧態依然としていて、例えば参考資料の火山の観測点数を見ると、第7次計画と現在を比べてみても、固定の観測点はほとんど変わっていない。一方、国立大学の臨時観測点を見ると、かなり減っている状況である。実はこの臨時観測点というのが、いわゆる大学が独自に研究目的で設置している部分であって、これが減ってモニター的なものはほとんど減っていない。このような状況が示しているのが、モニターという部分では大学が気象庁の観測網のサポートをしており、その反面大学にとって重要な研究に関する観測点というものにしわ寄せが来ているという状況である。
 これを何とかしないとまずいとは思うが、私は単にお金だけの問題ではなくて、先ほどの田島委員の発言にもあったようにスタッフの問題も含めて、特に火山の場合には人数が少ないので、技術職員が1人削減になるというのは地震と比べても影響がものすごく大きい。
 ではどうすればよいかと問われれば良いアイデアはなかなか出てこないが、例えば、地震予知と火山噴火予知計画の協議会が統合したが、やはり今後とも両者が連携して一緒にやっていくということが重要である。
 それからもう一つは、やはり火山の場合は今後の課題にも記述があるように、もちろんまだ不可能な段階であるということを申し添えるが、地震に比べると異常現象はある程度つかむことが出来たり、社会に対して段階的に情報が出しやすいという事情がある。社会に対して何か役に立つ情報が出せるということを、より社会にアピールしていくことで、人的や経済的に、資金を含めて獲得していくとか、そういう工夫が必要なのではないかということを個人的には考えている。

【深尾分科会長】 地震調査研究推進本部のような体制が火山分野でもできれば、状況も変わるのかと思うがどうか。

【土橋課長】 アナロジー的に考えればそうであるが、おそらく阪神淡路大震災が発生してようやく地震調査研究推進本部が設置されたことを考えると、なかなか今すぐに火山についてもそのような体制が整備されるということは考えづらい。

【鎌田委員】 火山監視能力のレベル維持が困難であるというのは非常に重要な問題であると思う。ただ、資金面やスタッフ面でどんどん苦しくなっているというのが今の議論であったと思うが、スタッフだけではなくて、これらについて勉強し将来を担う学生の数が、火山関係は減ってきているような感じがする。
 5年後、10年後に仮にお金があっても、研究できる人材が減っていくとしたらそれは大変な問題であり、これは単に火山だけではなくて固体地球科学全般にどうも減っているのではないかという印象を持っている。この分野の将来を担っていく人材を育てるということも、非常に重要なことではないかと思う。

以上

(研究開発局地震・防災研究課)