地震火山部会 次期観測研究計画検討委員会(第4回) 議事録

1.日時

平成30年1月26日(金曜日)13時30分~16時45分

2.場所

文部科学省3階 3F2特別会議室

3.議題

  1. 次期観測研究計画の検討について

4.出席者

委員

(委員)平田直、鈴木桂子
(臨時委員)石川直史、市原美恵、榎原雅治、尾崎友亮、加藤尚之、関口渉次、仲西理子、西村太志、矢来博司
(専門委員)伊藤順一、大湊隆雄、香川敬生、加藤愛太郎、阪本真由美、松島信一、山中佳子

文部科学省

竹内地震・防災研究課長、松室防災科学技術推進室長、 中村地震調査管理官、根津地震・防災研究課課長補佐、大河原地震火山専門官、三浦科学官、鶴岡学術調査官

5.議事録

[委員の出欠状況など]

【加藤(尚)主査】  それでは、時間になりましたので、ただいまより測地学分科会地震火山部会次期観測研究計画検討委員会(第4回)を開催します。
 会議は測地学分科会運営規則第4条により公開となります。
 まず、委員の出欠状況等について事務局からお願いします。
【大河原地震火山専門官】  事務局です。本日はよろしくお願いいたします。
 本日は、清水委員、田村委員より御欠席の連絡を頂いております。また、雪等もございまして、何名かの委員の皆様から遅れの連絡を頂いております。
 本日の委員と臨時委員の出席者は過半数を超えておりまして、科学技術・学術審議会令第8条により会議は開催されます。
【加藤(尚)主査】  本日の議題は、前回に引き続き、「次期観測研究計画の検討について」です。
 それでは、配付資料について、事務局から確認をお願いします。

〔配付資料確認〕

[議事1.次期観測研究計画の検討について]

【加藤(尚)主査】  ありがとうございました。
 それでは、これより議事に入ります。次期観測研究計画の検討についてですが、初めに、前回からの経過などについて、事務局から説明をお願いします。
【大河原地震火山専門官】  それでは、経過について簡単に御説明いたします。
 前回12月27日に開催いたしました第3回検討委員会では、実施機関や関連学協会の皆様からのアンケートの結果を踏まえて、引き続き、次期観測研究計画の骨子(案)について御議論をいただいたところです。
 一方、実施機関の皆様には、次期観測研究計画で実施する具体的な観測研究課題を御提出いただくようお願いをしておりました。御提出いただいた観測計画を一覧表にまとめたものが、本日の席上配付資料の1つ目及び2つ目になります。1つ目は、機関ごとにまとめたものです。2つ目は、建議の最も関連する項目の順番に並べまして、なおかつ右側には現行計画の研究課題を載せておりまして、御提出いただいた計画と現行計画との対応が分かるような表に整理しております。
 また、これとは別に、次期観測研究計画の新規実施機関の募集を行っておりました。この募集状況を示したものが、席上配付資料の3つ目の1枚紙となります。現時点で4機関6項目の応募となっております。ただ、これらは新規実施機関として決定したものではなく、今後、地震火山部会において審査を行い、決定するものであるということには御留意いただきますようお願いいたします。
 これらを踏まえて、今回の検討委員会では、引き続き、骨子(案)について残りの御議論をいただくとともに、研究計画の各論に関しても適宜御意見などを頂ければと思っております。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。
 ここまでの点について質問はありますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、資料1の骨子(案)について御説明いただきたいと思います。前回の委員会でお配りしていた骨子(案)から少しだけ変更がありますので、その点について、加藤愛太郎委員より御説明お願いします。
【加藤(愛)専門委員】  加藤です。お手元の骨子(案)の資料をごらんください。大きく変わった点として、まず骨子(案)の3ページをごらんください。1の(2)の「低頻度大規模地震・火山現象の解明」は、前回の案では、アとして「低頻度大規模地震現象」、イとして「噴火履歴とマグマの発達過程」という項目がありましたが、低頻度大規模噴火、いわゆるカルデラ噴火も想定した方がいいという御意見を前回頂きましたので、その点を考慮いたしました。また、課題の数も鑑みまして、アとイという小項目をなくして(2)としました。実施内容、中に書かれている概要に関しては大きな変更点はございません。
 基本的に1つ目の段落が、低頻度大規模地震を主に研究する内容になっていまして、下の段が火山になっております。史料、考古や、地質データ、観測データは両方に出てくるように見えますが、両者の対象としているデータの中身は異なる場合がありますので、両者は一緒に統合しないで、それぞれ別途記載という形にしてあります。
 骨子(案)の3ページに戻っていだいて、3の「地震・火山噴火の災害誘因予測のための研究」の(3)の、以前議論いただきました「地震・火山噴火の災害誘因予想を災害情報につなげる研究」という中項目について、ここも前回の資料では、アが地震、イが火山の災害情報に関する研究と分けておりましたが、前回の御議論と、課題の数の状況等をこちらも考慮いたしまして、アとイという区分けはなくして、基本的には地震と火山を小項目としては分けずに、そのまま記載しております。内容に関しては大きな変更はしておりません。
 あとは、4の(2)「地震・火山噴火災害に関する社会の共通理解醸成のための研究」のところは、文意が伝わるように、少してにをは等を修正しました。
 あとは、5の「研究を推進するための体制の整備」のところで、「国際共同研究・協力の推進」は元々(6)にあったのですけれども、順番を入れ替えて、(4)に移動しております。
 以上になります。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。
 では、御質問、御議論お願いします。
 まず大きい変更は、1の(2)「低頻度大規模地震・火山現象の解明」の中項目をなくしたということですね。前回の案では、アとして「低頻度大規模地震現象」、イとして「噴火履歴とマグマの発達過程」とあったのですが、表現の仕方が違うということでやや議論になりましたけれども、低頻度大規模という言葉は中項目のところに出ているので、イのところで繰り返す必要はないだろうということだと思います。あと、課題の数もそれほど多くはないので、統合しても構わないという判断だと思いますけれども、御意見ありますでしょうか。
 鈴木委員、特にいいですか。
【鈴木委員】  はい、大丈夫です。
【加藤(尚)主査】  よろしいですかね。
 では、もう1つの大きい変更ですけれども、3の(3)「地震・火山噴火の災害誘因予測を災害情報につなげる研究」です。これも小項目が、アとして「不確実性の高い地震の災害事前情報の活用に関する研究」、イとして「火山の災害情報に関する研究」となっていたのですが、これを統合したということです。アは地震、イは火山で、やっている内容はやや違うものですけれども、これも課題数はそれほど多くないということがあると思いますけれども、御意見ありますでしょうか。
 よろしいですか。では、後でまた内容については議論があるので、思い付いたらそこでお願いします。
 では、骨子(案)の修正いついては、とりあえずここで一旦切り上げて、次に行きたいと思います。それでは、席上配付資料について御説明お願いします。
【大河原地震火山専門官】  席上配付資料について説明いたします。先ほど申しましたとおり、席上配付資料の1つ目は、「H31-35建議計画策定用-様式3提出課題一覧(機関別)」というタイトルのA3横長の資料ですけれども、現行の各実施機関の皆様から御提出をいただいた次期計画の観測研究課題名と主担当者名、そして、骨子(案)のどの項目と関係が深いかを丸で示した資料となっています。
 先ほど加藤愛太郎委員から説明頂きました5の(4)から(6)の並べ替えは反映されていませんので御了承ください。それぞれの計画において、骨子(案)の中で一番関連が深い項目に黒丸、それ以外の関連がある項目のところに白丸を付けております。現行計画の実施機関である各大学や研究所から頂いております。国土地理院から頂いた計画の反映が間に合いませんでしたので空欄としておりますが、現時点で約170課題を挙げていただいているということになります。
 それから、席上配付資料の2つ目は、同じものですけれども、今度は項目別になっております。先ほどの1つ目の表を次期計画の小項目別に並べ替えたものになります。次期計画の各論の執筆をこれからお願いすることになりますけれども、その際にはこういったまとめも参考に各論を書いていただきたいと思っております。
 この表の右の半分は、各研究課題に対応すると思われる現行計画での観測課題を右側に並べております。なお、これは事務局で整理したものですので、もしかすると、提出していただいた機関の意図していないような項目を私が勝手に対応付けてしまったかもしれませんので、御了承ください。もし気になるという場合には、別途、私の方までお知らせいただければと思います。
 この右側の現行計画の観測研究課題で下の方に枠外で記載しているものは、現行計画にはあるけれども、新規計画の中には、私が見る限り見当たらなかったという項目になります。これにつきましても、指摘などございましたら、お知らせいただければと思います。
 それから、席上配付資料の3つ目ですけれども、これは「次期地震火山観測研究計画新規実施機関募集状況」という1枚紙になります。先ほどもお伝えしましたけれども、新規実施機関の募集を行っておりました。これまでに4機関から6つの課題についての応募がありました。なお、このリストに書かれておりますのは、新規実施機関として決定したものではなく、新規実施機関は、提出された書類を基に、ここに書いてある条件に基づいて科学技術・学術審議会測地学分科会地震火山部会において決定することとなっておりますので、その点は御留意いただければと思います。
 このうち、東北大学災害科学国際研究所から提出された3項目につきましては、別途、東北大学理学部からも提出されています。新規実施機関として認められた場合には、災害科学国際研究所の方に一本化する方向とお伺いしております。また、千葉大学大学院理学研究院から提出された項目につきましては、別途、東海大学から提出されているものと同じとなります。
 4つ目と5つ目の資料につきましては、また後で説明をさせていただきたいと思います。
 皆様の机の上にUSBをお配りしております。このUSBの中には、各機関から提出された次期地震観測研究計画の個票(様式3)が保存されておりますので、こちらも必要に応じて適宜御参照いただければと思います。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございました。
 では、ただいまの説明について御質問等あれば。特にないでしょうか。
 なければ、これから議論に入りたいと思います。きょうこれから議論するのは、これまでにまだ解決していなかった内容、例えばまだ議論が十分でない5の「研究を推進する体制の整備」や、重点的な研究課題、総合的研究の取り扱いなどについて議論したいと思います。それから、研究者から提出していただいた研究の内容が十分かどうか。まだ十分内容を見られてないのでどこまでできるか分かりませんけれども、それについても議論したいと思います。
 それから、今後の予定が資料2にありますけれども、4月ぐらいまでにはこの研究計画をある程度取りまとめる必要がありますので、そろそろ執筆に入る必要があります。その執筆の担当などについて、きょうの後半で少し議論したいと思っています。
 ではまず、骨子(案)です。先ほど加藤愛太郎委員から説明していただきましたけれども、この並びが提出していただいた研究の内容などとも関係してこれでよいかどうかをもう一度議論したいと思います。
 1つ、やや個別のことになりますが、提出していただいた研究課題の中で項目の変更を提案しているものがあります。名古屋大学のNAG07「地表地震断層の位置・形状を重視した断層変位と強震動のハザード評価」の中で、3の(1)の「地震・火山噴火の災害誘因の事前評価の高度化」に、新たに小項目「地表地震断層に起因する災害ハザード評価手法」を追加することを希望するとありますけれども、これについて結論を出したいと思います。新たに小項目を作るほどの量の研究があるかどうか。小項目アが「強震動の事前評価」、イが「津波の事前評価」となっていますが、その次あたりだと思いますが「地表地震断層に起因する災害ハザード評価手法」という小項目を作ってほしいという希望です。この計画内容に、断層のずれによる被害事例とかそういうことも書いてあるので、それを扱ってほしいということでしょうけれども、私は独立させるほどのこともないのではと思います。もちろん内容はちゃんと実施内容概要や実施内容のところにこういったことも書くべきだとは思いますけれども。
 関連が深そうな松島委員、何かありますか。
【松島専門委員】  今伺った中では、特に断層変位と強震動のハザード評価ということなので、やはりアの中でできるのではないかと思います。
【加藤(尚)主査】  ほかに何か。
【加藤(愛)専門委員】  私も同じ感想で、アの中でできるのではないかと。確かに、地表断層が及ぼす直接的なハザードの研究については記載がないので、それを追加するという対応でいかがでしょうか。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。
 では、今、加藤愛太郎委員が提案されたような方向で進めたいと思います。
 次は「研究を推進するための体制の整備」について議論しようかと思います。先ほど加藤愛太郎委員から項目の順番を変えたという話がありましたけれども、どういった考えによってそうなったかを簡単に説明してもらっていいですか。
【加藤(愛)専門委員】  最初、「国際共同研究・協力」は(6)にありました。全体の流れからいいますと、前半の方は、(2)で「研究基盤の開発・整備」があって、これは地震・火山が主な対象になるのですけれども、(3)は「関連研究分野との連携強化」ということで、地震・火山に関連した関連分野との連携を強化するということが書かれていて、国内で関連分野との連携を強化した後に、今度はそういった知見を国際展開するという、そういった流れの方が適切ではないかということで、国際共同研究は前に持ってきて、その後に社会との共通理解の醸成や、次世代の人材育成という並びの方が並びがよろしいのではないかということで修正いたしました。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。何か御質問ありますでしょうか。
 ちなみに現行計画の並びは、「研究を推進するための体制の整備」のところは、(1)推進体制の整備、(2)研究基盤の開発・整備、(3)関連研究分野との連携の強化、(4)研究者、技術者、防災業務・防災対応に携わる人材育成、(5)社会との共通理解の醸成と災害教育、(6)国際共同研究・協力となっています。
 特にはないですか。前回までの観測研究計画の策定に関係した方で、以前の並びに何か考えがあって、これではまずいという意見がもしあれば。
 あと、「社会との共通理解の醸成と災害教育」と「次世代を担う研究者、技術者、防災業務・防災対応に携わる人材育成」の順番が替わっていますけれども、ここは何か考えがあるのでしょうか。この順番は特別、重要な順に並んでいるというわけでもないと思うので、問題がなければこれでいいかとは思いますけれども、いいですか。では、もし後で思い付いたら御発言ください。このまま進めます。
 ほかに体制の整備のところで御意見ありますかね。よろしいでしょうか。
 では、次は、重点的研究課題とか総合的研究について、議論したいと思います。特に総合的研究については、目次に見えるような形で観測研究計画の中に位置付けた方がいいという議論があって、そこまでは多くの方が賛同されていたと思います。それをまえがき部分、ローマ数字の1章、2章に入れるか、それとも、ローマ数字の3章の「実施内容」の中に新しい大項目を入れて、そこに入れるかというのが議論になっていました。それと同時に、前回問題提起されたのは、地震と火山の方で総合的に研究する対象の扱い方にかなり違いがあるんじゃないかという発言があって、それは重要な問題で、加藤愛太郎委員と大湊委員中心に少し考えていただきました。
 今この資料1の骨子(案)の2ページ目の一番下のところにあるように、総合的な研究を推進する対象として、南海トラフ沿いの巨大地震(西南日本弧の内陸地震も含む)、首都直下地震、東北地方太平洋沖地震(千島海溝沿いの巨大地震も含む)、桜島火山噴火と4つになっています。これで西村委員から指摘があったのは、地震については日本中ほとんど全部ではないか、それで対象を絞り込んだことになるのか、それから、火山については桜島だけで、総合的な研究の扱いが地震と火山でかなり違うのではないかという意見がありました。
 前回の委員会からの間に少し検討していただいたと思うのですけれども、検討結果について、どなたかから説明をお願いします。
【加藤(愛)専門委員】  こちらはいろいろ議論をいたしました。地震については私から、火山については大湊委員から説明をお願いします。
 地震については、現骨子(案)ですと、先ほど加藤尚之委員長が御説明されたように、南海トラフ沿いの巨大地震や東北沖地震や首都直下地震と、確かに結構幅広い領域をカバーしていたわけですけれども、幅広くなった1つの理由としましては、1つの地震に余りにも焦点を当ててしまうとそこだけ注目されてしまうので、それ以外の地震によっても災害は起こるわけですので、そういった誤解が余り生じないようにということで幅広に書いたという背景がありました。
 ただ、火山とのバランスというのは重要な点ですので、その点を考慮し、あとは、災害の犠牲者数や経済的な損害の規模を考慮して、あとは、研究課題の充実度という点から、地震については南海トラフ沿いの巨大地震の1つに絞ってはどうかと考えています。ただ、先ほども言いましたように、誤解が生じないように、基本的な方針や長期的な方針の、前部分のところでちゃんと総合的研究を位置付けて、モデルケースとして分野横断型の研究をより進めていくと。そういったものを一番やりやすいターゲットとして南海トラフ沿いの巨大地震を選んだという説明を書くという条件付きで、南海トラフ沿いの巨大地震を1つ選びました。
 ただそれでも、課題の一覧表をごらんいただくと分かるんですけれども、例えば十勝・根室沖の地震、プレート境界型地震の総合的な研究課題が北海道大学から提案されているなど、比較的幾つか分野、大項目を結び付けるような総合研究も提案されておりますので、その点を考慮して「その他」という項目も付けるべきだと考えております。
 以上、地震についての説明であります。
【加藤(尚)主査】  それでは、火山について、大湊委員からお願いします。
【大湊専門委員】  火山については結論が出ているわけではないのですけれども、やはり総合研究グループという形でやるのは1から5全体に関わるもの、という考え方で始めました。その時点では、恐らく桜島以外にはかなり難しいだろうということで、最初の文案ではこうなっています。その中で、1から5全部ではなく、その中の一部でいいから複数の大項目にまたがるものという条件であれば、まだできるところもあるであろうというところで、「など」を付けたというのが最初の提案の時点です。
 火山の考え方では、日本全国をカバーするという発想はほぼなくて、全ての項目をカバーできるものは何かという視点で考えたわけですけれども、一方で、地震の方と見比べたときには、理学的というよりも、災害軽減というタイトルからすると、災害が起こったときにその規模が大きくなり得るような火山がどうして入っていないのかという声があるわけです。例えば富士山はどうか、箱根はどうか、といった意見がこの議論をしている間にも出てきております。ですから、そういうものを含め得るような形にし得るかどうかというのを議論はしているんですけれども、まだどうしていいか分からない。ただ、具体的な火山名というよりも、例えば人口密集中地に影響を及ぼす火山とかという書き方にすれば、そういうことに応えられる可能性もあるのかと。そういう書き方であれば、桜島も入るわけですし。ですから、そのあたりは、どういう形がいいか、地震との対応がいいかというのはまだいろいろ議論している途中の段階です。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございました。今お二人から説明がありましたけれども、その話は私も事前に聞いて、先ほど事務局から説明があった席上配付資料に「次期地震火山観測研究計画執筆担当者(案)」がありますが、そこに今の加藤委員、大湊委員の意見を取り入れて、2章「本計画策定の基本的な考えと計画の概要」の中に、3番目の節として「分野横断で取り組む総合的研究」というものを作って、(1)南海トラフ沿いの巨大地震、(2)桜島火山噴火、(3)その他というふうに仮に置いています。
 これを見ながら少し議論していただきたいと思うんですけれども、1つは、総合的研究をどういう考えで行うのか。そのとき、対象を南海トラフ沿いの巨大地震、地震はこの1つに絞ったわけですね。2番目として桜島火山噴火と、火山もこれ1つに絞ったと。そのほかに、「その他」というものを作ったということです。この対象についても議論をお願いします。その後に、これをどこに置くか。2章に置くか、3章に置くかについても後ほど議論したいと思います。
 まず総合的な研究の考え方ですね。地震は南海トラフ1つに絞って、火山は桜島に絞って、「その他」というのをまた別に作ったと。この「その他」の考え方ですけれども、わざわざ名前を入れないで「その他」ということにしたのはどういう意味があるのか。南海トラフ巨大地震とか桜島火山噴火のように、全体を網羅するほど総合的ではないけれども、その中の幾つかの関連する研究を行うという、ある程度分野横断で行う対象を幾つか考えている、そういった意味なんでしょうか。
【加藤(愛)専門委員】  課題数がメーンだと思うんですけれども、一応、北大の先ほどの総合研究も、白丸が全大項目に付いていますので、基本的に課題数と、あとは、はっきりと目立たせるという点では、1つに絞った方が外から見ると分かりやすいのではないかなと思います。
【加藤(尚)主査】  ほかに。はい。
【大河原地震火山専門官】  2章の3の「分野横断で取り組む総合的研究」の(1)から(3)、つまり南海トラフ、桜島、それから特に「その他」というところについて、具体的にはどのような文章を書くようなイメージでしょうか。
【加藤(尚)主査】  加藤委員からでいいですか。
【加藤(愛)専門委員】  現行の骨子(案)のまえがき、基本的考え方の最初の2ページ目に、最後の段落に、総合的研究についての概要がありますが、この辺をもう少し膨らませて、ポイントとしては、分野横断で実施する課題であるという点を明確にして記載すると。ただ、今、2章の中に入っていますので、そういう意味では、3章の「計画の実施内容」には入っていませんので、そういった概念的な説明というのは、今の基本的な考え方にある、最終段落にあるような書きぶりということになると思います。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。2章に書くということは、何をやるかを具体的に書くというよりも、どういう考え方でこの対象を選んで、それで、どういう考え方で総合的研究をやるかとか、そういったことを書くということですね。
【加藤(愛)専門委員】  そういうことですね。
【加藤(尚)主査】  ほかに何か御意見。地震はかなり大きく変えたわけですよね。対象を絞り込んだんですよね。
【石川臨時委員】  南海トラフの1つに絞り込むということ自体は賛成ですけれども、一方で、現行計画でやっている東北地震と首都直下地震についてやめるという形になるので、それについての説明といいますか、現行計画の総括的な説明も必要になると思うのですけれども、その辺りについてはどうお考えでしょうか。
【加藤(愛)専門委員】  一応それで「その他」という項目を入れています。例えば東北地方太平洋沖地震でしたら、日本海溝、千島海溝、両方視野に入れるべきですので、そういった研究というのは、ある意味、総合的研究分野。先ほど言いました、充実度という点からいうと、南海トラフに比べると見劣りする点もあるかもしれませんけれども、一個一個の研究テーマというよりは分野横断という点ではあるかもしれません。でも、そういった分野横断にやはり取り組むべき要素はありますので、そういった研究課題があれば、それについての説明というのは「その他」のところに記述すればいいのではないかなと考えていますが、いかがでしょうか。
【加藤(尚)主査】  石川委員、いいですか。
【石川臨時委員】  はい、分かりました。
【加藤(尚)主査】  格下げと言うと変な言い方ですけれども、この案だと、首都直下地震と東北地方太平洋沖地震はここで明示しないということになると思うのですけれども、東北地方太平洋沖地震については、地震からかなり時間がたってきて、まだいろいろ重要な現象はあるわけですが、分かることはそれなりに分かってきたと。これから時間とともに分かっていくことはだんだん減っていくだろうというのは理解しやすいので、東北地方太平洋沖地震が外れるのは分かりやすい気もするんですけれども、首都直下地震についてはどういった理由で外しているのでしょうか。
【加藤(愛)専門委員】  出てきた課題の状況から、首都直下地震関連で主要なテーマとして挙げられたのは1課題しかなかったので、課題充実度という点から「その他」に移動したという背景があります。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。
【大湊専門委員】  ここのところで議論していたときに加藤愛太郎さんの説明をちょっと私が誤解していたのかもしれないのですけれども、この議論の途中経過として、南海トラフという項目にはするけれども、それはこれから起こる災害ということを考えたときに、やはり南海トラフが最重要だからそれを挙げるけれども、ただ、実際は南海トラフはまだ起こっていない地震でありますし、それを理解するためには、最近起こった東北地方太平洋沖地震に関する研究を十分して、そうすれば、それが南海トラフ地震の災害等を理解するときに必要なデータになるはずなので、これに書いてあるからもう東北地方太平洋沖地震はやりませんという議論ではなかったと思うんです。だから、むしろ今までの総合研究グループでやっていたものの幾つかの項目はこの下に含まれているというイメージで聞いていたんですが、違いましたか。
【加藤(愛)専門委員】  やらないというわけではなくて、でも、名称としては分けるということではなく。
【大湊専門委員】  では、やるとしたら、それはその他のところに入るというイメージですか。
【加藤(愛)専門委員】  そうですね。イメージとしては今、「その他」となりますね。
【大湊専門委員】  分かりました。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。
 ほかに御意見。
【阪本専門委員】  火山の方なのですが、桜島火山噴火に限定されるというお話はすごく意図もよく分かるのですが、ただ、やはり被害の大きさなども考えると、先ほど大湊委員がおっしゃった、人口密集地における火山被害みたいな視点を入れておかないと、桜島というのは防災対策もある程度進んできてはいるのですが、富士山にしろ、浅間にしろ、まだまだ整っていないような、箱根もそうですが、噴火すると人的被害が大変大きくなる災害があって、むしろそちらの方に総合的研究の視点があるといいのかなという印象は受けます。
 それから、「その他」は大変幅広い内容になりそうな印象なのですが、その辺りはいかがですか。
【加藤(愛)専門委員】  そうですね、結果的にそうなってしまうので。もう1つの考え方としては、(1)、(2)、(3)と書かないということですよね。「分野横断で取り組む総合的研究課題」とのみ書いておいて、中の説明で個々の地震や、阪本委員おっしゃったような、人口密集地の付近の火山噴火とか、ほかにも幾つかそういった地震・火山の対象があると思うので、そういったものを記述するという案もあると思います。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。目次に明示しないというのはまた後で議論するとして、まず阪本委員から話があった、桜島火山以外の、割と人口があるところの火山の扱いについて何か御意見ないですか。
【西村主査代理】  阪本委員がおっしゃったように、それから、大湊委員も既に少し説明があったと思いますけれども、人口密集地とか、あるいは観光地を抱えるような火山については、いろいろなところでの議論ではやはり重要な項目で、取り掛かるべき総合的研究テーマだという考えは多分皆さんお持ちだと思います。ただ、実際に火山名を出そうとすると、例えば箱根火山を入れようと思うと、1番、2番、3番という大きな3つの柱で主要な研究課題を作ることは多分難しいだろうということが考えられます。
 そういうことで、あえて入れるのであれば、先ほどあったような、人口密集地に近い火山とか、あるいは観光地を抱える火山というようなくくりでするのがよいとは思うのですけれども、そういうくくりで加えたときに、では、どれぐらい1から3まで研究課題をきちんと挙げられるかというところはまだ不確かであったのではないかと思います。ですから、シンボルとしてそういうものを立てて推進するという考え方があるのではないかと思いますが、今のところのアンケートでそこまで立てられないので、その他という形にして、随時、研究が進展したときに作っていくのでもいいのではないかというのが私の考え方であります。以上です。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。
 阪本委員、よろしいですか。
【阪本専門委員】  そうですね、文章の中でもう少し内容を補強していくとかそういう形で、実は桜島と書いてあるのですけれども、実はそれ以外もみたいな話をしていただけるといいんじゃないかなと思います。
【加藤(尚)主査】  分かりました。火山の、観光地だとか箱根だとかいう議論と少し似ているかもしれませんが、首都直下地震について、課題が十分にないので総合的研究にするのは無理だろうという説明でした。私は非常によく分かるんですけれども、やや消極的な印象があって、重要であれば、ちゃんと研究課題を出すように努力をして、その研究も総合的に取り組むというのも、そういう考えも重要だと思うのですけれども、現時点ではそれは現実的ではないということでしょうか。
【加藤(愛)専門委員】  なかなか難しい質問ですけれども、現状のようなある程度ボトムアップ的な側面の強いテーマがあるとですね。もちろんそれはやり方次第だとは思うんですが、ただ、総合的研究、いわゆる分野横断のそういった研究を進めていく重要性というのは最初からうたって、一番重要なのはやはりそういった課題を取りまとめる代表者の方になりますので、代表者の方を最初に選んでおいて、リーダーと課題名を同時に出して、そういった総合的研究分野を行うので、そこに関連する課題を出してくださいという方針でアンケートを取るというのも有効ではないか。もちろんボトムアップの幅広な研究テーマを集めるということも重要ですが、それに加えて、やはり分野横断的な研究を進める上では、課題を最初から提示した上で、リーダーも提示した上で課題を集めていくという、そういった方針の方が有効的に機能するのではないかなと個人的には思いました。
【加藤(尚)主査】  それって、ある意味、これからもできるということですよね。
【加藤(愛)専門委員】  そうですね、はい。
【加藤(尚)主査】  そういうやり方をしたときに、首都直下地震というのは総合的な研究の対象としてどう思われるか。なかなか総合的な研究ができるような研究者の状態ではないのか、少々無理してでもやった方がいいのか。
【加藤(愛)専門委員】  そこは即答はできないですね。難しいですね。そう簡単にはできないというのは確かだと思います。
【尾崎臨時委員】  すいません、ちょっと役人的な立場でコメントをさせていただきますと、この災害軽減に資する研究計画は、ボトムアップとは言っているのですけれども、そういう中で、首都直下や、千島海溝も先般、地震調査委員会の方で新しい評価が出されていますし、日本海溝の方もこれから出す予定と聞いています。それから、千島海溝日本海溝、首都直下はいずれも特措法があって、国全体で計画を作っているというところがありますので、東日本大震災のことを書いていましたけれども、日本海溝、千島海溝、それから、首都直下をここに書かないということは、国全体で進めていることに対して学術が若干一歩引いているかなという印象を与えてしまうのではと少し危惧するところです。現実的にどれだけうまく書き上げられるか分かりませんけれども、災害軽減に資するということをうたっているということと、国全体の動きも見ながらということを踏まえるとするならば、やはりそういうところにもかんでいるというところは何がしか見えた方がいいのではないかなと思います。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。ほかに何か。
【竹内地震・防災研究課長】  形式的なことを申し上げますと、今、基本的な考え方のところに、南海トラフと首都直下と東日本と桜島と4つ書いてありますが、目次の方の横断的研究はそれとそろっていないというところがあるのは若干気になります。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。それは2章に書くのであれば、3章にも見えるように書いた方がいいということ、そういうことですか。
【竹内地震・防災研究課長】  整合性が取れている方がベターかなということです。
【加藤(尚)主査】  3章での扱いはまた後にして、対象についてですけれども、特に首都直下ですかね。
【石川臨時委員】  結局、総合研究グループが何かという、この位置付けの説明だと思います。今までの議論でも、やはり総合研究グループというのは1から5までの項目を横断的にやるという目標の下で、現実、今の課題でできるものとしてのある種のケーススタディとして南海トラフ地震と桜島をやりやすいターゲットとして選んでいるということであって、災害軽減に資するという目的としては、別に南海トラフ地震と桜島だけの減災を目指しているわけではなくて、この2つでケーススタディ的にやった成果を更にほかの地震、ほかの火山にも適用していくものというふうに思います。
 そういう考え方で言えば、地震と火山の1つずつだけを重点化しているわけではなくて、当然ほかの地震や火山も視野に入れていますよというようなことになると思います。そうした意味で、ここの書きぶりとして、総合研究グループというのはそういうものを目指しているというのをしっかりと書き込んでもらえれば、別に東北地震とか、ほかの火山とか、首都直下、千島などを別に軽視しているわけではないというようなニュアンスは出せると思いますので、そういった形にしていただければいいと思いました。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。
 平田さん、何かありますか。
【平田委員】  一応、測地学分科会として希望を申し上げます。今の議論の中で、この計画はボトムアップの要素があるので、アンケートの調査をして余り課題が挙がってこないものについては項目を余り立てないというような議論が時々出てくるんですけれども、ボトムアップというのはそういうものではありますが、これは最終的に災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画という大きな目的がある課題だと思います。そのために必要な計画を作っていって、今具体的に検討されているわけですので、やはり必要である以上は計画としては是非立案していただきたいと思います。
 それで、今、調査としてのアンケートはしていますけれども、計画が出来た段階でまた実施者を決める必要がありますので、そのときにそれでもやる人がいないというのであれば、この項目については実施者がないので今期はできないということはあるかもしれませんけれども、計画を作る段階で必要なものを除くということは現時点では余り好ましくないと私は思います。ですので、本当に必要だと思うものについてはきっちり項目に書いていただきたいと思います。そうは言っても、誰もやる人がいないということが明らかに分かっていることを計画に書くわけにはいかないという点もありますので、研究者の動向を十分把握した上で計画を作るということは必要かと思います。
 それから、資料1の2ページ目にも書いてあるように、「以上の方針や研究背景に基づき、以下の項目に分けて、次期計画を推進する」と、こう言い切るわけですね。以下の項目に分けてやると言っておきながら、次に、項目間を横断する総合的研究をすると言っているわけです。これはある意味で、この現行計画を作るときに後から足したような感じでこの考えが出てきたと私は理解しています。つまり、基本的には、個々の項目を分けてやるんだと言っておきながら、だけども、この項目に分けないで項目を横断するような形の研究もありますよと。ですから、これはある種、おまけみたいな形で総合的研究がここには書かれている。この書き方は、現行計画はこうなっているわけです。
 それは議論した上でそうなっているのであれば結構ですけれども、基本的には最初の1から5の項目というのは、ある意味、研究の手法というか、研究上のターゲットが何かということで分類したもので、それから、総合的というのは、災害が起きたときにどういう災害が起きるかということを中心にして考えたという分け方だと思います。従来の地震・火山予知の研究であれば、自然現象としての研究の手法としては今の1から5までのそういう項目でいいのですけれども、災害の軽減に資するという観点を入れたときにはやはり災害がどういうものかということが1つの項目の軸になるので、研究のディシプリンで分けるのと、それから、災害のターゲットとして分けるという、そういう分類の仕方があると思っています。
 ただし、議論がここまで進んできましたので、全部をもう1回考え直すということはできないと思いますので基本的にはこれで結構ですが、私は石川委員の考えと少し違って、ケーススタディとして南海トラフや桜島を取り上げるのではなくて、やはり災害の種類として典型的なというか、重要な災害、軽減しなければいけない災害として南海トラフを、つまり、これは超巨大地震が西日本を襲ったときにその災害を軽減しなければいけないという、そういう観点からやはり取り上げるべきものだと思います。それで、桜島というのも、実際に項目横断的にできるからこれというのは実際上の理由ではありますけれども、やはり社会的な影響力が大きいという観点から、むしろ人口稠密地域の火山とか何かそういう方が、私はそういう観点が必要かなと思います。
 それから、首都直下地震はなぜ重要かというと、自然現象としては熊本地震や兵庫県南部地震程度のそれほど大きな地震ではないけれども、これが首都圏で起きると大災害になるということが災害の軽減という観点から非常に重要なので、そういう視点から、自然科学的な研究と社会科学的研究を連携したようなこととして重要だという意味で首都直下地震があったと思います。現在アンケートに答えている中で提案している課題が少ないというのはこれをやめる理由にはならないと思って、むしろそういったものをちゃんと掲げて、実施者がいるかどうかをもう一度調査をして、それでもやる人いないというのであれば、実行段階の中で落とさざるを得ないかなと思います。
 これが私の基本的な考え方なので、実際上計画を立てて、それを実施するというところも含めたときにできないことを書くことはないと思いますので、その辺をもう少し考えた上で、これしかないというのであれば、これ以上は私は主張しません。以上です。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございました。総合的研究の考え方、石川委員の考え方も平田委員の考え方も非常に私はよく分かるのですけれども、ほかの方、何か御意見。
【三浦科学官】  今の平田委員のお話ですが、もしそうなると、これ、2章の3のタイトルがやはりそぐわなくなってくるのではないかと思うんです。ですので、ここで少し方向性を変えるのであれば、分野横断とかそういうことがあると、さっきの首都直下で件数がないとかそういう縛りが出てしまうので、その辺の変更も含めて検討しなきゃいけないのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
【加藤(尚)主査】  そうすると、どういうタイトルになるんですかね。何となく分かるんですけれども。
【三浦科学官】  ですから、平田委員の考え方ですと、将来起こるべき大災害とかそういったものに備えた研究をするという観点だと思うんです。ですので、それは現行計画のベクトルとは少し方向的に違ってくるので、そういう意味では2章の3のタイトルというんでしょうか、それを変えた上で少し検討した方がいいような気がします。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。
 西村さん、何かありますか。
【西村主査代理】  皆さんの御意見よく分かりますが、少し気を付けなければいけないなと今感じたことなんですが、これは基礎研究を積み上げていって、少し時間は掛かるかもしれないけれども、一つ一つ理学的な研究、あるいは工学的な研究、あるいは社会科学の研究のベースをきちんとして将来の災害軽減を図ろうということだと思います。分野横断で取り組む総合的研究というと、その名前から分かるように、そういういろいろな学問が総合的に1つのターゲットを絞ってやろうということが分かるんですが、将来起こりそうなという表現、災害が起こりそうなという表現が入った途端に、この次期観測研究計画が何か具体的な予知をしているような印象を持たれてしまうのではないかというのが今の心配事として出ました。
 ですから、いろいろなところに枠をはめておけばもちろんやっていたことになるのですけれども、具体的な名前を挙げるときには、この計画は予測のためにやるのですけれども、ここが起こりそうだからやるとか、ここに大きな災害が起こるからというか、将来的にすぐに起こるようなニュアンスを出してはいけないような気がしました。そういう意味では、将来起こりそうな災害に総合的に取り組むという意味では、例えば具体的な名前を挙げないで、先ほどの、火山の場合であれば、人口密集地とか観光地という言葉で挙げる方が素直に入るのかなと思いました。ただ、地震の場合はまたそれだと総合的研究と基礎研究の方の差をどう付けるかというのが悩ましいのかなという気もしますけれども、そういう意味では、総合的研究は何かということをかなりよく考えてからタイトルに付けないといけないんだということを今改めて認識したというところです。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。
 ほかに。はい。
【加藤(愛)専門委員】  私も関連して。石川委員がおっしゃったように、我々としては基礎研究を行っているわけですので、やはりケーススタディとして分野横断型の一気通貫の何かしらの新しい手法ですね。災害予測にしろ、そういった予測手法というのはいろいろあるわけですけれども、そういったものをやはりもっとリバイスして、よりよいものを提供していくと。その1つのケーススタディのターゲットとして南海トラフ沿いの巨大地震をやるという、やはり位置付けが重要ではないかなと思います。あくまでも災害自体の軽減に「貢献する」ですよね。災害の軽減自体はやはり内閣府などのタスクになるのではないかなと思いますので、私としてはケーススタディという観点がやはり重要ではないかなと思います。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。
 ほかには。
【石川臨時委員】  建議としては実際に計画を進めていく課題を書いて、そこに研究グループを作っていくので、そういった意味でケーススタディ的なものが出てくる。一方で平田委員の言われたように、課題数が少ないからといって、できないからといって落としてしまって、首都直下地震をここで目立たなくしてしまったことによって、それっきりになってしまうということも危惧しています。やはり首都直下地震自体の重要性は言うまでもないので、重要だけれども課題数が集まらないという状況自体も重要なので、研究としての重要性はあるけれども余り進展していないという、そういったところが今後につながるようなところで、「その他」に書くのかもしれないのですけれども、忘れないようにしておかなければいけないのかなと感じました。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。
 ほかにありますか。
【松島専門委員】  ここで南海トラフに地震を絞ってしまうということは、今、石川さんおっしゃったように、ほかはやらないぞという宣言をしているのと同じことになるのではないかと思います。それはそれで、皆さんの意見をくんでいるという意味であれば、それはそれでいいのではないかと思うんですけれども、1つ危惧するのは、あくまでも自然現象としての興味というか研究対象としての首都直下というのはもしかしたらもう終わっているかもしれないのですけれども、災害につながるという意味では、先ほども少しお話がありましたけれども、マグニチュード7クラスの地震が起こったとするとそれなりの災害になるわけですけれども、それについて一言も何も発しないというのはかなり問題だと思います。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。
 ほかには。
 それでは、大体意見が出そろったと思います。総合的研究の考え方ですけれども、現行計画と同じように分野横断である幾つかの地震・火山の災害を対象とした総合的なケーススタディを行える対象を選んで、それを明示するという意味で、南海トラフと桜島火山は、これは確実に行えるということだと思います。あと、首都直下地震については、やはりこれは重要なので、現時点では「その他」に書くことになるとは思いますけれども、この計画の実施の中核となる地震火山噴火予知研究協議会の方で検討してもらって、何らかの形で課題が立てられないかどうかを検討してもらって、それでうまくいきそうだったら、次の段階で名称を明示するようにしたいと思います。それでいかがでしょうか。
【大河原地震火山専門官】  ここで総合的研究のところに立つ課題というのは、その前の各1から5に記述するものと重複するということも当然あるということですよね。
【加藤(尚)主査】  はい。そのような扱いにしたいと思います。
【西村主査代理】  地震火山協議会の方で議論するのであれば、先ほど話題に出ました、火山については例えば観光地を抱える火山とか人口密集地での火山など、そういう方向でも課題が集められるかどうかを少し検討していただけないかなという気がいたします。
【加藤(尚)主査】  はい。
【鈴木委員】  私も同感で、桜島火山の環境が整っていて研究ができるというところは十分大事なことだと思うのですけれども、それ以外に、人口密集地とか、昨今の草津白根の場合も観光地でしたし、被害を受けるときに、人が大勢住んでいるところとか、観光地というのはやはり大きいわけですよね。そういうことを目して研究を進めるということもやはり大事だと思いますので、何かキーワードでも入れていただければと思います。日本の活火山は大体国立公園にありますから、火山があるところは概して観光地ではあるので、それ言い出したらどれも当てはまるかもしれないけれども。例えば、富士山は結構一般の方の関心が高いように思います。富士山で噴火が起きたらどうなるかということは、メディアでは流れますけれども、ちゃんと、そういう研究は出せないのかもしれませんけれども、まさに分野横断型でできれば、やることの意義があるのではないかなと私は思います。以上です。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。総合的な研究というのは、地震・火山の理学的研究に限定するものでは当然ないわけで、これまでに分かっている、ある場所での地震や火山の性質をどういうふうに使って、災害などに関係する関連研究分野の方に研究を進めてもらう、そちらがメーンになった総合的な研究というのも当然あり得るので、そういうことも考慮して、ほかにも、今確定して南海トラフと桜島火山以外にも総合的な研究ができるかどうかを地震火山噴火予知協議会の方で具体的に検討してもらって、格上げもあり得るという形にしておきたいと思います。
 次は、これらを3章の実施内容の中にどのように組み込むかです。これについて、はい。
【加藤(愛)専門委員】  もし火山の方を増やすのであれば、個人的には東北地方太平洋沖地震も入れてほしいです。なぜかというと、アウターライズの地震はまだ起きていませんので、それによる災害はかなり注意すべき点なので、もし火山が増えるのであれば、アンバランスが余り目立たないのであれば、個人的には入れていただきたい。
【加藤(尚)主査】  その辺も含めて協議会の方で具体的なことを考えてください。よろしいですか。
 次、この内容を2章で書くか、それとも、3章で書くかですね。この執筆担当者の席上配付というの裏のところに「5?」と書いてありますけれども、ここに入れるかどうかということですね。入れるとしたらここになると思うんですけれども、いかがでしょうか。
【大河原地震火山専門官】  確認をしたいのですけれども、2章の「本計画策定の基本的な考えと計画の概要」は、今のこの骨子(案)を更に少し圧縮した、エッセンスの部分がここに入るというイメージなのか、それとも、これがそのまま基本的な考えと概要というところに入るようなイメージなのでしょうか。
【加藤(尚)主査】  今考えているのは、現行計画の建議、計画の書き方に非常に似たものを考えています。計画の概要というのは、それぞれの項目で何を目的として、どういったことをするかですよね。それはほとんどこれまで加藤委員と大湊委員と田村委員に作っていただいた骨子の実施計画概要、これを実際出てきた研究課題を見てリバイスするような形になるだろうと思っています。そのほかに、新たに3「分野横断で取り組む総合的研究」をここに書くことになるとすれば、それぞれの総合的な研究がどういったものかをここで書くということになると。それは分野横断で行うので、2の「本計画の概要」の項目ごとに記述とは幾分重複するところは出てくるとは思いますけれども、こういった対象の総合的な研究をどういうふうに行うかということを3で書くということになるのだろうと思っています。それでいいですか。質問の答えになっていますか。
【大河原地震火山専門官】  恐らく今のこの骨子(案)の内容は、現行計画の2章よりは少し分量的に多いのかなと。
【加藤(尚)主査】  その辺はここの執筆担当者に努力してもらって、もう少し簡潔に書いてもらえると思います。
【大湊専門委員】  実際的な質問ですけれども、このページ数には縛りがあるのか、それとも、例えば今、我々の作ったものはこの2倍ぐらいの量になっているのですけれども、それだと何かまずい部分があるのか。
【大河原地震火山専門官】  ページ数の縛りというよりは、読みやすいものになっているかどうかというところです。
【加藤(尚)主査】  私も同感で、最初から言いましたけれども、やはり長いんです。簡潔でないと、読んでいられないと思います。
【加藤(愛)専門委員】  分かりました。
【加藤(尚)主査】  ほかにいいですか。では、3章での扱いについて。3章に書くというのは、恐らく総合的な研究を1つの研究課題にするということになるので、これまでの縦糸・横糸と言っていた整理とやや違ってくると思います。ただし、研究課題を集めるときには整理はしやすくなるかもしれないというので、どちらがいいかとは直ちに言えないと思うのですけれども、御意見等あれば、お願いします。
【三浦科学官】  よろしいですか。現行計画の目次を見ると、2章の内容というのは、基本的な考えと計画の概要ということで、3章の各項目について説明しているんですよね。なので、それは、要は、総合研究の取り扱いをどうするかによるのだろうと思うんですね。提案としては、3章の中に総合研究というような項目を立てて、2章の中ではその概要として説明するというのが一番すっきりするのではないかと思います。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。
 ほかに御意見はありますか。
【加藤(愛)専門委員】  私は2章の方がいいのではと思います。3章に入れた場合、非常に具体的に書かないといけないわけですよね。どうやって分野横断型の研究が進んでいくかというのはなかなか読みづらい面が計画段階であると思うのですけれども、その辺をやはり考慮して皆さんで議論、我々も議論はしたのですけれども、なかなか結論が出なかったという背景もございますので、御意見のほどお願いします。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。
 はい。
【石川臨時委員】  総合研究に関係する課題というのは、結局、個別にもほかの項目にも掲載されているわけです。3章で各項目に、個別の課題、どういうことをやるというのをどんどん書いていくわけですけれども、そこにまた総合研究のことを書いても、結局同じことを書いてしまうことになってしまうのではないかというのが気になります。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。確かに今のはかなり説得力がありますね。
【阪本専門委員】  やはり今回、地震・火山の総合研究をやるというのは、今回の計画の大変よいポイントで、目玉となるようなところだと思うんです。従来であれば、個別、3章の部分で書いていたことを、そうではなくて総合研究で取り組むというのは重要なことなので、前に出して大きくアピールするというのは重要だと思います。それも、被害軽減に向けてちゃんと地震観測の研究をそれぞれ進めていくと。ただし、これは将来的に有機的に結び付いていくんだというのをアピールするポイントだと思うので、このまま2章に置いておくのがよいのではないかと思います。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。
【仲西臨時委員】  私も2章に、タイトルは別としても、現行計画では、「研究を推進するための体制の整備」という項目で説明が書かれていますが、体制の整備よりは強いアピールの書き方になると思うので、そういう形で記載しておいて、先ほど加藤委員からも説明がありましたけれども、年度計画を提出する際に、2章のこの取組に対して各課題提案者の方々はどういった貢献ができるかというか、どういった協力ができるかというようなことを一言書き加えていただくようなことを御検討されたらいいのではないかと思います。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。
 ほかには何か。
【平田委員】  私はもうどっちがいいということは言わないのですが、論理的に、2章というのは3章全体のサマリーです。ですから、3に書いてないことを、今のままだと2に書くというのは変です。もしこういうふうにするのであれば、3は2の計画のうちの一部であるということを明示しなければいけなくて、つまり、3に書いてあることのほかにもやることがあるというようなことを2に書く必要がある。だから、もし3に書かないのであれば、そういうふうにしてください。つまり、3というのは、少し言葉が混ざっていますが、分野という言葉と項目という言葉があって、ここでは3に書いてあるのは項目なんですね。項目だけがこの項目ではなくて、項目以外の項目を横断した総合的なものを併せてこの計画であると。3は、項目しか書いてないと。だから、書き方は難しいですけれども、そうしないと、論理的には変です。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございました。
【尾崎臨時委員】  今後の進め方と絡んでよく分からなくなってきたのですが、これからまた改めて課題を募集するというタイミングは、資料2のスケジュール感でいくと、どのタイミングというイメージになるんでしょうか。とりあえず今、建議の案をお示しした上で、課題の提案があって集約されていますけれども、また似たようなことをどこかのタイミングでやるということですか。
【加藤(尚)主査】  そこまでは考えてないです。事務局とは相談してないですけれども、とりあえず既に課題は提出していただいていますので、それ以外に、地震火山予知協議会の方で、こういう課題ができるのではないかと、ある意味狙い撃ちでこの計画に参加している機関の研究者などに検討をお願いするというのが現実的かなと私は思っています。新たにここで公に募集することはしなくてもいいと思っています。
【尾崎臨時委員】  そうすると、先ほど来話に出ていました例えば首都直下とか日本海溝とかで余り提案がないなというときには、4月か5月かとかの時点で、本文中の書き方が変わるというか、落ちるというか、そういう流れですか。
【加藤(尚)主査】  はい。
【尾崎臨時委員】  分かりました。
【加藤(尚)主査】  今の今後の進め方も含めて何か御意見あれば。
【西村主査代理】  この建議の計画書の全体でいけば、2章は3章の説明なので、やはり3章に何がしかの形を入れなければいけないというのは私も理解します。仲西委員がおっしゃったように、総合的研究というのは全体を束ねるものなので、3章の5の中に入れるというのが、いろいろな意味でもまとまるのかなという印象を受けました。特に個別の課題を南海トラフや桜島火山で取り上げるのではなくて、1から4のところをまとめてやるという意味では、この研究を推進する体制の中で総合的研究をやるという位置付けになると思いますし、それから、総合的研究をやるということを目次にきちんと示すという意味でも、現在の5の「研究を推進するための体制の整備」の中に1つ項目を設けたらどうかと思います。以上です。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。
 ほかにはありますか。
 5の中に入れるというのはきょう出てきた意見ですけれども。
【大河原地震火山専門官】  例えば南海トラフのプレートの地震に関するこのような研究をしますというのが多分この研究の内容の2のどこかに入るんでしょうけれども、そこに加えて、「研究を推進するための体制の整備」で仮に総合研究について書くとすると、そこは個別の課題みたいなことは特には書かなくて、どのように研究を進めていきますとか、書き方はいろいろあるかと思いますけれども、何かそういうような書き方になるようなイメージなんでしょうか。
【西村主査代理】  現在の現行計画の総合的研究のやり方というのは、各研究課題、いろいろな、1、2、3、4の基礎的なところで行っている研究の中で、例えば南海トラフに関する研究の一部を持ってきてワークショップを開いて、そこで討論をして、新しい研究の方向性とか、あるいは成果を統合して結果を出すということをしていると思いましたので、そういう意味で、個別の課題が細かく立つものではないと私は理解しております。
【加藤(尚)主査】  文章をどういうふうに具体的に書くかというところも大河原さんの質問には含まれていたと思うのですけれども、そうですかね。例えば5の中で括弧を新たに作って総合的研究が入って、そこには南海トラフ巨大地震に関しては何々の研究をするとか、そういったイメージになるのかな。
【大河原地震火山専門官】  そういう意味では、先ほどの西村先生の話でいうと、ここに書かれるのは、例えばそういう各課題について皆さんが持ち寄って御成果を交換するみたいなことをここに書くようなイメージなのかなと今、理解しましたけれども。
【大湊専門委員】  この辺りを恐らく書くことになる私の理解からすると、3章は機関ごとに書いてありますね。例えば大学はどうする、気象庁はどうする、国土地理院はどうするという書き方があるので、それが2章にそれぞれ対応しているわけです。それに対して2章の3というのは、機関ごとでなくて、内容ごとの切り方というイメージを持つので、例えば南海トラフ地震に関してはこれこれの研究をするという概要が書いてあって、その中にもう少し具体的な細かいことが書いてあります。3章に持っていったときには、南海トラフのこれこれの研究に関しては、新しいことが加わるというよりも、3章の1、2、3、4までに書いてあることの中から持ってきて、それが南海トラフ地震の研究に関してはこれとこれとこれを組み合わせて実現するんですよ、別な研究に関しては別なこれとこれを組み合わせて実現するんですよということの説明が書かれるというふうな、そんなイメージなら書けるかなと思っているのですけれども、どうでしょうか。
【加藤(尚)主査】  西村さん答えますか。どなたか何か。
【平田委員】  総合的研究というのは何かというと、やはり災害の軽減に貢献するために、基本は理学でいいですよ、理学のハザードの予測をして、そのハザードの予測ができたときに、どうやったら軽減に役に立つかという、その全体をやることで、研究としてできてないことがなにかということをきちんと指摘して、そのできてないことのうち、この5年間でできることは何かということを定義しなければいけないので、アンケートで出てきた計画を集めて、それを組み合わせると自然にできるぐらいだったら、そんなものは研究でも何でもないです。
 ですから、ここで南海トラフの地震はなぜ重要かというと、私の理解では、東北で起きたようなことが西南日本、南海トラフで起きると。だから、それがどういうものが起きるかという研究が1つ必要で、それは個別の研究課題で現象を解明するというところである程度できるわけですね。それを受けたときに、それが南海トラフの地震がいつ起きるかというのを、長期評価的な統計的な方法でもいいし、物理学的な方法でもやる。だから、それもそういう個別の課題で研究がされるので、そのうちのどこを組み合わせて、南海トラフの地震がマグニチュード8の地震か、マグニチュード8.5の地震か、9の地震かがどれかが起きたときにどんなことが起きるかといったときには、強震動の予測や津波の被害予測が必要であるということを指摘して、それについて、今の我々の持っている科学的な知見はどこまでできているけれども、どこから先はできないかということをちゃんと、書くのは長く書く必要はないけれども、そういうことが頭にあってこの総合研究を定義して、それをやる研究者を集めるというような仕方にする必要があると思います。だから、そのときに、今までどおり、大学はとか気象庁はとか何とかいうのを必ずしも踏襲する必要は私はないと思います。
【加藤(尚)主査】  よろしいですか。では、まとめますね。結局、私の考えは、2章の3に入れて、ここで総合的に研究する対象を、とりあえず2つですけれども、これを増やすような努力をしてもらうと。ここに書くことは、3章の実施内容にある幾つかの項目を総合して災害軽減に貢献するような研究をどういう目的でどのようにやるかということをここで書くという形にしたいと思いますけれども、よろしいですか。
 では、そういうふうにしたいと思います。
 一応結論が出たので、ここで10分間休憩したいと思います。
( 休憩 )
【加藤(尚)主査】  それでは、時間になりましたので、再開したいと思います。
 総合的研究をどこに組み込むかですけれども、休憩中に西村委員と話をして、別の案があるということなので、西村さんに話してもらおうと思います。
【西村主査代理】  具体的にどうしたらいいかということを最初に申し上げますと、今の席上配付資料で「5?」とありますが、この「5?」は消して、5の「研究を推進するための体制の整備」のところに、(1)が「推進体制の整備」となっておりますけれども、例えばこの前に、(1)として総合的研究という形を入れて、その下に、小項目、ア、イ、ウという形で、例えば南海トラフ沿いの巨大地震とか桜島火山噴火などという形を入れることはどうかということです。
 そうしますと、2章の本計画の概要は3全体を書きますので、総合的研究についてもきちんと振ることができますし、総合的研究を新たに入れて研究を推進するということも読めると思います。1つ問題は、南海トラフ沿いの巨大地震や桜島火山噴火について、これを非常に推進して、これについて研究課題をきちんと作って推進するという形はできないのですけれども、そもそも総合的研究という考え方は、今までのやり方を踏襲すれば、1から4のそれぞれの研究課題の中で進めている課題を総合的研究グループのいろいろな会合で討議することによって、新たに出た問題をフィードバックするという機能になると思いますので、次善の策としては、いろいろな機能が入れられた総合的研究ができるのではないかと思います。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございました。確かに西村委員のような提案であれば、縦糸・横糸のような考え方がぐちゃぐちゃになることもないですし、まとめやすいかもしれないと思いますけれども、いかがでしょうか。先ほど阪本委員が指摘した、2章のところにあった方が目立つというのは確かですけれども、小項目レベルでは目次には出るということです。
【松島専門委員】  先ほどの平田委員の御発言と同じになるんですけれども、やはりやるんだということを示す……、ごめんなさい、その前に、今お話があったのは、現行の計画でやっているものを踏襲するというような理解を私はしています。それで、総合研究がうまくいっているという評価というふうに理解するわけですけれども、果たしてそういう理解でよろしいのかどうかと。私個人としてはなかなかうまくいってないのではないかというふうに見えています。それは外野にいるからかもしれませんけれども。そうであるとすれば、やはりもう少し明確にやることをちゃんと考えて、総合研究としてどういう研究ができるのかということを考えて書き込む必要があるのではないかと思いますので、また振り出しに戻ってしまうかもしれないですが、2章に入れるよりも、3章の「5?」と書かれていたところにやはり総合研究として入れて、そこに項目として立てる。そうすると、総合研究をやるということが明示的に見えますし、その中でどういうふうに1から4をつなぐかということも含めて書くのであればいいのではないかなとは思います。
【西村主査代理】  多分総合研究と言っているその研究のやり方についてのイメージが必ずしも一致していないので、どこに入るかが分からないのだろうと思います。1から4までの総合的な研究をどうするかという、研究課題を立てろというお題が来たときに、それを明示的に今書けるような段階に我々があるかというところだと思うんです。だから、個別のことを一つ一つやって、それらのリンクを考えていくということは今、現行計画でやっていますので、少しイメージが出来てきた。ですけど、それをつないだときに、一つ一つはつなぐことはできると思うのですが、全体を全てつないだような研究課題が作れるかというところに具体性があるかということではないかと私は思います。私自身はまだそのイメージが出来ていないということです。
【松島専門委員】  そうであれば、現行計画でもう既に総合研究をされているわけで、その中で、うまくいっているところとうまくいってないところがあるはずだと私は思うので、そこについて考えつつ、では次期計画でどういうことができるのかということも言えないということでしょうか。
【西村主査代理】  ただ、私の思っている総合研究というのは、やはり個別の要素は各分野の研究成果だと思うんです。全体1つを通じてどういう研究テーマがあるかを考えたときに、やはり要素に分割されるのではないかとは思うんです。そういう意味で、やはり基礎研究がベースになるのであって、総合研究課題といったときに、どのような研究課題を立てるかがすぐイメージができないということです。ですから、今の総合研究をやっている桜島とかを見ていますと、トータルで聞くと、いろいろな分野が進展して、お互いにインプット、アウトプットを渡すことを考え出しているので、それをより発展させる形でいいのではないかということで、今の枠組みを1つ明示的に書くことでいいのではないかという提案です。ですから、何か総合研究課題というのを新たに立てるというよりは、いろいろな研究分野の情報をうまく連携できるようなシステムを作るのが今の段階ではないかと思っています。
【加藤(尚)主査】  恐らく総合研究をしなければいけないというのは皆さんお考えだと思うのですけれども、どうやったらうまくいくかとか、理想の形がなかなか思い描けていないので、なかなか収束しないんだろうという気がしています。現行計画で4つ行っていますけれども、かなりうまくいっているかなと思うのは桜島ぐらいかなという気はしなくもないです。なかなか難しいですけれども、ほっといていいものではないので、先ほども言いましたように、地震・火山噴火予知研究協議会の方で、どういうふうに実施するかというのを具体的に検討してもらうということと同時に……、はい。
【西村主査代理】  すみません。今、総合研究が単に寄せ集めだという表現ばかりしましたけれども、今の現行計画で多分足りないのは、災害に向けてどういうテーマがあって、どういう問題があって、それをどういう立場の人が何をしているかということをきちんとまとめて、どのような研究が必要か、この分野が足りないかということをまとめていないということはあると思います。そういうことをする機能は、例えば今度の総合的研究のグループに付け加えるべきだと思います。ただ、最初から何か研究課題として全体を見通したものができないということとは思っているので、何か新しい機能は付け加えて、総合的研究をもっと推進するようにしたらいいと思っています。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございました。
 松島委員、いいですか。
【松島専門委員】  はい。恐らく今おっしゃったようなことを書けば、私もいいと思います。要するに、何ができていて、何ができてないかということを書いて、次にこういうことをやろうと。それは全体を通した計画というよりも、やはり全体を通して研究を進めていって、最終的に災害に資する研究としてまとめるためにはどういうピースが足りてなくて、そこはどういうふうに進めるべきかということを研究することも1つの研究課題ではないかと思います。1研究分野だけで考えていると、なかなか最終のところまで行き着かないので、そういうことを全体として考えることが必要だというのはおっしゃるとおりだと思いますので、そうしていただければいいと思います。ただ、みんな集まって話をしただけでそれが解決できるわけではないと私は思うので、そこをいかに有機的につなげる方法を考えていくかというのが重要ではないかというのが私の趣旨です。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。実施のことを考えると、見ていると相当難しくて、やはり非常に広い分野の内容を含むと、そのグループのリーダーもなかなか把握し切れないんですよね。それもなかなかまとめるのが難しい原因の1つになっていると思います。桜島というのはほどよい対象で、研究の内容もほどよくて、割と少数の核となる人が全体をかなり把握しているので、非常にうまくまとまっているように見えているのだろうと思います。そのほかの地震の3つに関しては、非常に多様なものがある内容なので、1人のリーダーではなかなかまとめ切れないところもあるのだろうなと思います。だから、それはこの研究計画の中にどういうふうに書くかというのも大事ですけれども、実施する方でどういう工夫をするかがより重要なのだとは思います。
 記述に関しては、先ほど西村さんが話したような形で体制の整備のところに書き込むように進めていきたいと思いますけれども、重要なのは、単にここに書いて終わりではなくて、実施主体の方で責任を持って、重要な研究テーマについて出てきたものを集めるのではなくて、核となる研究ができるようにいろいろな研究者に働き掛けると、そういうことをしてもらおうと思っています。
 総合研究についてはこれでよろしいでしょうか。
【大湊専門委員】  5に入れる小項目にしてしまうと、中項目しか見せないような骨子の見せ方の時に見えなくなりますよね。やはり中項目レベルで何かそれが見える形にすることをもう少し検討した方がいいような気がします。要するに、5の(1)のア、イ、ウの段階に落としてしまうと、多分どこかの段階で骨子の要約版を作ったときにはもう見えないものになってしまうと思うんです。
【加藤(尚)主査】  具体的にはどうしたらいいとかありますか。
【大湊専門委員】  いや、どちらかというと、私は2章のところに出てくるのだと中項目レベルですからというところにどうも戻ってしまうのですけれども。
【西村主査代理】  現行建議では総合的研究というのがそもそもタイトルに出てなかったので、中項目に総合的研究が入ることで1つ新しくなると思います。そういう意味で、そこで1つ、例えばいろいろな説明をする際には、そこに着目したことを伝えることはできると思います。
【加藤(尚)主査】  ほかに。
 ここは皆さんいろいろな意見をお持ちで、先ほども言いましたけれども、理想形が思い浮かべられていないというところが根本的な原因なんでしょうけれども。
 では、先ほどの案で進めてよろしいですか。
 加藤委員、何かありますか。
【加藤(愛)専門委員】  では、5に入れた場合、小項目で地震や火山の名前を挙げていくということですが、その場合、具体的に個数をどうするのかは?
【加藤(尚)主査】  個数については、先ほど話をしたように、とりあえず南海トラフと桜島とその他にするけれども、その他の中で格上げできるものがあるかどうかを地震・火山噴火予知研究協議会の方で検討してもらうということです。
 よろしいでしょうか。では、その方向で進めます。
 あとは、研究課題のアンケートが出てきたので、これから実施内容を書いていただくことになります。まだ皆さん、出てきた課題などごらんになってないと思いますけれども、事務局の方でまとめていただいたテーブルなどを見て、この辺が足りないとか、この辺りは独立した項目とするのは無理があるとか、そういった意見というのは現時点でありますか。詳細見ないと分からないかもしれないのですけれども。
 項目別の提出課題一覧がありますけれども、例えば3-(3)は2つしか課題が出てないんですね。このアンケートを取った時点では、3-(3)はアとイに分かれていて、この時点ではアが2つで、イがゼロだったんです。そういったこともあってアとイを統合したのだと思いますけれども、この表には出ていませんが、新規実施機関のアンケートがあって、そちらでは3-(3)のイが出ているようです。3-(3)というのは、災害誘因予測のための研究のうちの「地震・火山噴火の誘因予測を災害情報につなげる研究」ですけれども、災害情報関係の研究がやや少ないということですね。今見て意見を言うというのは少し無理だったかもしれないので、なければ、きょうのところは飛ばしますけれども。
【大河原地震火山専門官】  資料の字がすごく小さくて恐縮です。皆様から頂いた個票はパソコンでも見られるようにしていますけれども、これはまた後ほど委員の皆様に何らかの形で共有をしたいと思います。今パソコンをお持ちの方は、ダウンロードしていただいても構いません。ですので、それを見て、特に担当の部分について、ここは足りないというようなものを後で判断していただく方が落ち着いて見ていただけるかもしれません。
【香川専門委員】  緑の丸は何か意味があるのでしょうか。
【大河原地震火山専門官】  最重点が2項目付いているものについて、両方の行に書いたというだけです。緑が付いているのは、同じものが2行入っています。
【平田委員】  もとはエクセルで作ったのですよね。
【大河原地震火山専門官】  そうですね。エクセルと、計画もワードで出していただいていますので、それを共有したいと思います。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございます。では、後ほどそのようにお願いします。
 この後、実際、観測研究計画の執筆をしていただきたいのですけれども、席上配付資料で執筆担当者(案)というのがあります。これは私が西村委員ほかと相談して作ったものです。これでよいかどうかを委員の皆さんに確認したいのですけれども。
 まず1章、最初のまえがき、「現状の認識と長期的な方針」は、主査と主査代理で書ければと思います。その後の2章「本計画策定の基本的な考えと計画の概要」は、骨子(案)の作成に携わった、加藤愛太郎委員と大湊委員と田村委員に書いていただこうと。計画の概要については既に骨子(案)のところにありますから、ここから出てきたアンケートの結果を見ながら修正して、更に簡潔にしていただければいいのだろうと思います。その後、3章「計画の実施内容」については、全ての委員に分担していただこうと思います。全体は、加藤愛太郎委員、大湊委員、田村委員に統括してもらおうと思っています。
 この分担でよいかどうかを確認していただきたいのですが。研究分野が必ずしも委員の中でうまく均等になっていないので、専門から外れたところを担当していただく場合もありますけれども、ここはできないとかいうのがあれば。
【尾崎臨時委員】  一応作業イメージの確認なんですけれども、今の建議を見ますと、ここの箇所は、大学などが何をするなど、そこを今上がってきている個票の文章も見ながらまとめて、それを2章の文章とも照らし合わせて、場合によっては2章の文章を変えた方がいいということも多分出てくるだろうと。その辺りは加藤先生や大湊先生と適宜相談するような、そんなイメージでよろしいですか。
【加藤(尚)主査】  はい、そうです。どういったイメージかというと、現行計画の建議の3章の記述を見ていただければ、項目ごとに、大学は何をする、気象庁は何をする、そういうことを書いてあるということです。この書いてある内容は、皆さんのPCに出ているアンケートの結果をまとめたものです。
 書いていただくときは、この程度の長さの文章になりますから、余り細かいところまでは書く必要はないと思っています。これまでの記述内容を見ながらどの程度かというのを見ていただければと思います。
 用語ですけれども、いろいろな用語が混ざると読みにくいので、基本的にはこれまでの計画で使っていた用語を使ってもらえればと思います。後の方に用語解説がありますから、ここに出ている用語を使っていただくのが一番ありがたいです。余りにも難しい専門用語は使わない方がよいと思います。必ずしも研究者だけのための計画書ではないので、一般の方が見ても何となく分かる程度の言葉遣いや文章にしていただければと思います。
【石川臨時委員】  書きぶりの確認ですけれども、前回のものを見ると、中項目の下のところに全体の概要みたいなものが書いてあって、その下のア、イとかの小項目のところに大学は何々をやるという形になっていて、今回もこういう形になるということですよね。そうすると、大項目の1のところにも概要が書いてありますが、これの分担は? 大項目のところに名前がないので、それは全体の、一番上の加藤さんたちが書くということでしょうか。
【加藤(尚)主査】  それでいいと思っていますけれども、いいですか。2章の本計画の概要との書きぶりがちょっと微妙に難しいんですけれども。
【石川臨時委員】  3章の概要的なところが結構2章ともかぶるのではないかという感じもします。
【加藤(尚)主査】  これ、なくしてしまうのはだめなんですか。
【大河原地震火山専門官】  2章と3章で、現行の計画も、微妙に表現は違ったりしているんですけれども、かなり同じようなことを書いています。その後にそれぞれの項目について、個票に基づく計画を丸で書いていると思うんですけれども、それだったら、いっそのことそれを共通にしてしまうというやり方もあるのかなと思うんですけれども。
【加藤(尚)主査】  それも無駄な感じもしてしまうのですけれども。なくしてしまうというのはだめ?
【大河原地震火山専門官】  それはまとめるときにどういうまとめ方、出し方とするということも少し考えないといけないですけれども。
【石川臨時委員】  いっそのこと3章の方は、そういう概要的なことをなくしてしまって、個票の内容だけ、個別課題だけにしてしまうというのもあると思います。
【加藤(尚)主査】  これ、前回の5年前は私この辺書いたと思うのですけれども、やはりかなり悩んで大変でした。3章の大項目とか中項目にある概要的なもの、これをなくしたら困るということはありますかね。
【大河原地震火山専門官】  まず2章は加藤愛太郎先生、大湊先生、田村先生に書いていただいて、各個票のところ、3章の丸のところはそれぞれの担当の方に書いていただいて、要するに、読み手側にとっては、2章を読みたい人は2章を読めばいいし、より詳しく読みたい人は3章を読めば全体が分かるという形にもできるかなと。
【加藤(愛)専門委員】  それでいいですか。
【加藤(尚)主査】  多分、歴史ある書き方と言うのも変だけど、ずっとこういうやり方を使ってきたので、今ぱぱっと決めてしまっていいのかどうかやや心配なんですけれども、平田さん、何かありますか。
【平田委員】  合理的にやりましょう。
【加藤(尚)主査】  いいですか。では、3章の大項目とかにある概要はなしの方向で。書いていて何か変だなというのがあったらまた考え直しますけれども、3章は実施内容だけをまとめていくというふうにしたいと思います。
【加藤(愛)専門委員】  大河原さんのおっしゃっていることは多分違いますよね。
【大河原地震火山専門官】  3章の各執筆者は丸の部分を書いて、最後、例えば製本の時に、2章の文章をそのまま持ってくるということができるかなと思います。
【加藤(尚)主査】  それは理解したんですけれども、何か同じ文章が2回出てくるのは変な感じもするんですけれども、そんなことないですか。
【加藤(愛)専門委員】  ただ、3章だけ読む人にとっては、いきなり丸しかないのは分かりづらいですよね。2章だけ読む人にとっては2章だけでいいんですけれども。
【加藤(尚)主査】  3章だけ読む人というのは余り思い付かない気もする。
【加藤(愛)専門委員】  結構、我々コミュニティの人はむしろ3章を読みますよね。
【加藤(尚)主査】  では、実用的にはあった方がいい?
【西村主査代理】  前回私も書いたと思うんですけれども、大項目の下はまだしも、それぞれの中項目のところは、何をやるかをベースに書き直したと思うんです。2章の方は、やはり目指すところを中心に書いてやって、3章の方は実際にやることを中心に書いたと思いますので、内容は若干違うのではないかと。
【加藤(尚)主査】  もちろん若干は違うんですけれども。
【西村主査代理】  加藤主査ももちろん書いていますけれども、読んでいる読み手からすると、順番に読んでいくと一応違いが分かるようには記述した記憶があります。
【加藤(尚)主査】  いかがでしょう。残すという意見の方が何か強くなってきたんですけれども。
【大湊専門委員】  今の西村委員の考え方だと、何かこの文書を作った経緯も含めて、要するに、2章はまだ計画段階で、3章は皆さんの個別の課題を見て最終的なものを書いたという言い方に聞こえるのですけれども、本来は3章で最終的になったものを2章にも書いてあるべきものだと思うので、だから、2章と3章は同じでも差し支えないように思えます。
【平田委員】  3章が本文で、3をまとめたものが2のわけね。だから、大項目ごとに書いてあるパラグラフも、本当は3より2の方が短いはずなんだけど、不思議なことに逆転しているところもあるんだよね。それは作業の都合でそうなってしまったので。だから、本当は3から出来ていて、3のエグゼクティブサマリーが2なんです。そうは言っても、3というのは個別に積み上げていくから何か筋が通らないので、2の概要から書き始めていて、2の概要を少し膨らませて3が出来て、膨らませるときに更に小項目が出来てくるというのが多分筋なんです。だけれども、書く人を別にするから。でも、一応、加藤さんと大湊さんと田村さんは両方見るから、加藤、大湊、田村が3の項目ごとのを先に書くのね。それを更に要約したのが2になるわけです。
【大湊専門委員】  さっき尾崎委員からもあったんですけれども、やはり3章の方を見て、今、平田委員の言われたようなことを書いていて、それを2章に縮めるという、そんなイメージを持っているので。
【平田委員】  そうそう、だから、正しいのはそう。
【大湊専門委員】  2章を先に作って、違うものがまた3章として出てくるということは考えていませんでした。
【平田委員】  それはないけど、だけれども、小項目のアとかイとかいうのを積み上げていくと、自動的に中項目の説明にはならないんだよね。
【大湊専門委員】  いや、小項目のア、イ、ウを積み上げて3の説明文を書くというつもりはなくて、こういうことをやるべきだということで、かつ小項目のア、イ、ウに書くことを含むような文章はもちろん書きますけれども、単なる積み上げをそこに書くということではないです。要するに、ある程度つじつまが合うようにするぐらいの調整はするけれども、基本的な考え方はもう既に議論して出来ているので、それはもちろん生かすけれども、それが出てきて、具体的に書かれた小項目ア、イ、ウと矛盾なり、つじつまが合わない部分がないような調整をするぐらいという考え方です。
【平田委員】  それはいいんですけれども、そもそも文章がどんどん長くなるので、それをだんだん圧縮していくと、結局は2と3は同じ文章になってきてしまうので、加藤主査はもうなくてもいいのではないかと言ったのだと思うんです。でも、2はともかく短くしなければいけないんですよ。いけないですよというか、更にこれの全体のサマリーみたいなものを作って、それは余り長過ぎると誰も読まなくなるので短くしたいという気はあるので。
【加藤(尚)主査】  現行計画だと、本計画の概要、2-2 は6ページなんです。これぐらいだったら少し読む気になると思うんです。このぐらいにせめてしてほしい気がする。結局、3章の大項目、中項目のサマリーはどういたしましょう。
【平田委員】  みんな書きたいと言うから書いてもらいましょう。
【加藤(尚)主査】  書きたいですか。書くのだったら、単なるコピペではなく、違いをそれなりに説明できるように書いた方がいいですね。
 では、書くということにしますか。
 それで、あと、担当者はこれでよろしいですか。中項目については担当の方で、大項目は、加藤委員、大湊委員、田村委員でいいですね。大項目の、例えば現行計画の3章の「計画の実施内容」の1「地震・火山現象の解明のための研究」の後に7,8行の文章が書いてありますよね。これが大項目のサマリー。それは加藤、大湊、田村委員でお願いします。
 その1の(1)「地震・火山現象に関する……」という中項目のところにもサマリーがありますけれども、これはそれぞれの担当の方にお願いすると。
【石川臨時委員】  中項目のサマリーというのは、単なる課題をあわせたものではなくて、例えば今の骨子(案)に書いてあるような、考え方も含めたものを書くというか、むしろ考え方みたいなものを書くということですよね。
【加藤(尚)主査】  そうですね、はい。
【市原臨時委員】  具体的なものを書くときに、これの縛りというのはどのぐらいあるんでしょうか。というのは、アンケートをそれぞれの方々が出してきて、必ずしも意図した課題に黒丸を付けてない、又はいろいろな重複があったり、あるいは課題に最初、骨子から提案したときとは外れたようなものもあると思うのですが、そこの判断など調整をしてからでないと、これを反映したものを書き込むのは難しいと思います。
【加藤(尚)主査】  最初からきれいに調整するのはなかなか難しいと思うので、基本は、黒丸が付いている項目を書くように努力してもらって。ただし、担当者がこれは違うだろうと思ったら、適切な項目の担当者と相談して、どちらに書くかを関係者で決めてもらうというような進め方がいいと思います。収拾がつかなくなったら、全体をまとめている加藤委員、大湊委員、田村委員や西村さんや私と相談。
【市原臨時委員】  はい。このアンケートを取るに当たって私が大湊委員から聞いたのは、これはまだ頭出しの段階なので、これがそのまま課題になるわけではないというふうに言われて。だから、多めに出ている場合があると思うんですね。その場合、例えば2個とか3個しかないような課題をそのまま残して書き込んでしまうと、最後ふたを開けたらなくなったということもあると思うのですが。
【加藤(尚)主査】  その辺りは、変な言い方ですけれども、困らない程度に曖昧に。だから、何とか火山で何とかの観測をしますとか、余り具体的に書いてしまうと困るような、そんな危険がありそうな内容はそこまで詳しくは書かない。場所だったら、何とか火山等とかね。
【市原臨時委員】  では、場合によっては、調整の末、アとイが合体するということもあり得るということも考えて……。
【加藤(尚)主査】  可能性としてはもちろんあり得る。
【市原臨時委員】  分かりました。
【西村主査代理】  確認ですけれども、そういう意味で、このアンケートで出たことを必ず全て反映しなくてもよくて、ある程度はこの委員が、今までの基本的考え方とかの趣旨を判断するとか、それから、実行可能性を考慮して文章を作るということでよろしいんですよね。
【加藤(尚)主査】  はい、いいと思います。例えば10億円も掛けないと研究できないような内容があったとして、それを具体的に書いてしまったら大変なことになりますので、そんなことは非常に明確には書かない方がいいと思います。
【平田委員】  それとあと、小項目のところに丸が付いていますけれども、提案された課題を全部この丸に分けて書く必要もない。統合することのできるものは、例えば「大学、気象庁及び海上保安庁は、…」など、幾つかを合わせたものにしていいと思います。
【松島専門委員】  すいません、そのときに、今の話で、必ずしも全部拾わなくていいということなのですけれども、それはその取捨選択をしたときに、どれを書いて、どれを書かなかったかというのを分かるようにしておくべきなんでしょうか、その理由と併せて。
【加藤(尚)主査】  非常にきれいな資料を作るのは大変だと思うので、そこまでしなくていいと思います。これ、どこかの段階で関係者に見てもらって、ここ書いてないと困るといったことは確認しますから、大丈夫だと思います。
【松島専門委員】  分かりました。
【加藤(尚)主査】  ほかに、具体的な執筆のことについて。
 当然担当者によって書きぶりが違ってきてしまうと思うので、その辺りは、全体を見る人がある程度書き直すことはあるだろうと思います。
【西村主査代理】  複数の委員が担当しているところは、一応左の方が主だと思って取り掛かってもらった方がいいですか。
【加藤(尚)主査】  それでお願いします。
【西村主査代理】  最終的に報告や、いろいろな責任を持つという意味での主担当という意味で私は言っていますので、その人が全部書くという意味でなくて、分担の調整などをするのが基本的に左に書かれている人としておいた方がよいということです。
【加藤(尚)主査】  よろしいですかね。後で事務局と相談しますけれども、3週間程度でとりあえずまとめていただき事務局に提出していただいて、それを全体で回覧して見ていくというのがよいかなと思いますけれども、よろしいですか。では、そうしたいと思います。
 それから、次の席上配付資料ですけれども、第1章、全体のまえがきを途中まで書き進めています。これも事前に読んでいただいたわけではないので今すぐ御意見を頂くわけにはいかないと思いますけれども、どういう構成にしているかというと、現行計画のまえがき、第1章を踏襲した形にしています。
 第1章として、「現状の認識と長期的な方針」があって、その後に、1「地震火山観測研究に関する現状認識と本計画の位置づけ」とあります。ここでは、地震や火山に関する観測研究は、地震・火山の多発国である日本では非常に大事で、そのためにこれまでにどういった研究計画が行われてきたかということを書いています。地震や火山の観測や研究はこの計画以外にも様々なところで行われていますけれども、本計画はどういった位置付けにあるか。地震本部や火山噴火予知連等との関わり、それらとどういうふうに違っていて、この計画はどういった位置付けにあるかということをここまでに書いています。今言った最後のところ、本計画の位置付けというのは、現行計画まででは余り詳しくは書かれていないところです。
 2として、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画の成果と今後の課題」ということで、それまでの地震予知・火山噴火予知の計画から、平成26年度の現行計画からは、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」となって、地震火山観測研究計画の考え方がかなり変わった経緯や、その考え方や計画の進め方などについて書いています。その後に、この計画でどういう成果があったか。5年間、正確には5年間ではないですけれども、3年4年でどういった成果があったかについてまとめています。
 2-2として「今後の課題と展望」ですけれども、現行計画が始まって3年目からレビューが始まり、それから、外部評価を受けて、外部評価で指摘された事項などをまとめて、こういった外部評価の結果などを受けて新しい計画について検討しているということを書いています。
 3として「観測研究計画の長期的な方針」として、まず基本的方針としては、新しい計画になったということで、地震・火山噴火の予測研究に加えて、地震・火山災害誘因の予測の研究など、地震学、火山学の成果を活用した災害軽減のための研究を分野横断で取り組むと。つまり、これは現行計画の考え方を踏襲するということです。それから、地震や火山噴火の予測研究の展望については、それらの限界も含めて丁寧に記述したいと思っています。というのは、地震については最近、東海地震とかの予知の体制とか南海地震の対策などの議論が進んでいますから、そういったことを受けて、基礎研究として地震の予測研究についてどのように進めるべきかを少し詳しく書いた方がいいと思っています。それは火山噴火についても同様と思います。
 それから、中長期的な方針で、これは現行計画でも書いていますけれども、地震や火山噴火の知識を災害軽減に役立てる方法というのはいろいろあるわけです。1つの究極のものが地震予知、火山噴火予知と思いますけれども、それ以外にもいろいろあると。それぞれの研究の発展段階というのはいろいろな段階がありますから、それぞれの段階についてどういうふうに研究を進めていくかを書くと。中でも、5年や10年程度である程度の目標が達成できそうな研究については重点研究として明確にして、その目標をできるだけ、ある程度書ける範囲で具体的に書いた方がいいと思っています。これは骨子(案)を作っていただいた加藤愛太郎さんや大湊さんが、重点研究課題かな、といったものがこれに対応するのだろうと思っています。
 それから、3-3として「観測研究計画実施体制の整備と計画の推進」ということで、推進体制について。これは現行計画でも書いてありますけれども、それと同じようなことを書いていきたいと思っています。
 まず、ローマ数字の第1章の構成について御意見があれば。文章の細かいところは後で読んで御意見頂ければと思いますけれども。
 はい、どうぞ。
【香川専門委員】  災害の軽減という意味では、例えば中央防災会議とかには触れなくてもいいのですか。
【加藤(尚)主査】  計画の位置付けですかね。そうですね、どこまで触れるかですけれども、検討してみますが、どうですか。
 平田さん、何かありますか。
【平田委員】  それは計画の推進という5のところにちゃんと書く必要はあると思います。まえがきのところで書くかどうかということですが、例えば中央防災会議が被害予測をするときに実はハザードの予測もしていて、そのときに使われている手法などは、この観測研究計画で進められた研究の成果も使っているので、だから、そういったものの基礎的な研究をするんだというようなことは書いてもいいかなとは思いますけれども、中防までは今までは書いてなかったですね。だけど、どちらかというと、地震本部との役割分担で、地震本部の成果はハザードの予測を、それを中央防災会議が使ってほしいと思っていて、そのハザードの予測をするための基礎研究をこの観測研究計画で進めるということなので、まえがきにそれを書くか。同じことは火山の方もそうで、火山噴火予知連だとか中央防災会議などの判断にこの計画はそういうものにどういうふうに関係があるかというようなことはさらっと書きますかね。
【加藤(尚)主査】  少し検討します。今すぐは結論出ないですけれども。
 ほかには何か。
【竹内地震・防災研究課長】  すいません、大きいところでなくて恐縮なんですけれども、1枚めくっていただいて1の1の最後のところで、火山の調査研究につきまして、地震本部のように一元的に推進する組織は存在しないというふうなところがありまして、事実関係としてそのとおりだとは思うのですけれども、書きぶりについては相談させていただければと思います。
【西村主査代理】  文章は随時練り直しますので。
【加藤(尚)主査】  ほかには何か。それでは、後ほどでもいいので、気が付いた点があれば、連絡頂ければ検討したいと思います。
 次回会議まで時間がありますので、先ほど言ったようにそれぞれ担当のところの作業を進めていっていただいて、必要があれば、ほかの項目の担当者や、全体をまとめている加藤、大湊、田村委員や、西村、加藤に相談していただければと思います。
【加藤(愛)専門委員】  先ほどの議論で、項目間を横断した総合的研究が5-(1)に入るんでしたっけ。それの執筆担当はどうしますか。
【加藤(尚)主査】  それは加藤委員、大湊委員、田村委員を想定しています。
【加藤(愛)専門委員】  ここも書くんですか。概要は書きますが。
【加藤(尚)主査】  項目横断なので、全体を把握している人でないと書けないので、そこはお願いするしかないかなと思いました。
【加藤(愛)専門委員】  ほかも既に担当振ってありますよね。例えば関係研究分野との連携強化とか、(3)とかがありますけれども。
【加藤(尚)主査】  誰に任せていいか分からないところはその3人にみんな振っているので。西村さんと私も手伝いますけれども。
【加藤(愛)専門委員】  お願いします。
【加藤(尚)主査】  はい。
 ほか、よろしいですか。
【三浦科学官】  計画の名前は、これはどうするかという議論は今まで余りされてなかったような気がしますけれども、それはいいんですかね。
【加藤(尚)主査】  前回も余り議論しなかったというか、最後にばっと決まったというところがありまして、この段階で事務局の考えはどうですかね。
【大河原地震火山専門官】  今、どの名前で行くという明確な案を持ち合わせているわけではないですけれども、何か皆さん、タイトルについて御意見ありますか。
【加藤(尚)主査】  個人的には、現行計画の考え方を更に発展させるという内容と思いますので、今の計画の名前とすごく変わったものにするのは不自然な感じはしています。
 御意見は何かありますか。
【平田委員】  名前はやはり内容を表しているので、今、加藤主査が言われたようなことは基本的な方針のところに書くべきで、平成26年から実施されている計画の話が2ページ目の上のほうに、建議され、実施されていると書いてあるのですけれども、この、現行計画というのは災害科学の一部としてこの研究計画を位置付けるというようなことが2-2に書かれていて、それを更に発展させる計画であるというようなことをもう少し明確に書ければと思います。
【加藤(尚)主査】  2-2の「今後の課題と展望」の最後のところに、「「国民の生命を守る実用科学」と位置づける考え方をさらに推し進めるべく、本計画を策定した。」とあるので、これまでの計画を発展させるという位置付けは、これまでのレビューとか外部評価とかでも大体一致した意見だと思います。表現などはこれからもう少し変えてもいいいですけれども、基本的な考え方は大体合意が得られているのかなと思っています。
【大湊専門委員】  過去の地震予知あるいは噴火予知計画で、同じ名前のときには第1次、第2次というものを付けていると思うのですけれども、それは今回同じ名前だとすると、第2次という形にするということですか。
【加藤(尚)主査】  細かいところまでまだ考えていないんですけれども、事務局は何か意見とかありますか。
【大河原地震火山専門官】  方針が変わらないとなっていくと、さっき大湊先生おっしゃったような、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)の推進について」というようになるんでしょうけれど、これも案段階です。
【平田委員】  それは地震の方で、地震予知のための新たな観測研究計画を作って、それの「2次」というのをやったことはあります。だから、頭に第2次と付ける、あるいは末尾に「(2次)」と付けるのは、基本的には計画を踏襲して新たに進展させるというような考えで、大きな軌道修正をしたときには名称が変わるというようなことがあると思います。だから、これは内容を議論していったところで、あるところで名前も決めるということでよろしいのではないでしょうか。
【加藤(尚)主査】  名称についてはよろしいですかね。
【大湊専門委員】  もう1個。先ほど加藤委員と西村委員の作った第1章の素案で、3-2の「中長期的な展望」のところで、「5-10年程度で達成する目標(重点研究)を明確にする」とあります。それで、私と加藤愛太郎さんの方で基本的な考え方を作ったときの重点研究関係に関しては、最後に「目指す」という書き方をして。要は、確実にできるようなものを一生懸命やるという考え方もあるけれども、これから新しいことをやるよということも含めたいと思ってそういう書き方になっていて、そういうものに関しては、5年後にここまで行きますと必ずしも書けないものも入っているつもりなので、ここは後で調整ということで良いでしょうか。
【加藤(尚)主査】  これはあくまでも基礎研究なので、すごくスペシフィックな目標を作るのはそぐわないと思うんです。それは無理なので、5年間、10年間でこういうところには重点的な研究を行って、どう言ったらいいのか難しいのですけれども、ある程度の目標は書いた方がいいと思うのですけれども、それはそれなりに曖昧さが残るというのも変な言い方ですけれども、例えば地震予知を実現するとか、そんなものではないと思います。例えば地震予測の長期予測の新手法を開発するとか書いてありますけれども、それが100%当たるものが出来るとはとても思えないので、新たな手法をもう少し実用化するところまで行くとか、何かそんな感じの書き方になるんだと思いますけれども、その辺はそんなに心配しなくてもいいのではないかと思います。
 今の計画の3-2の「課題への対応」というところが、この「中長期的な展望」に対応するとところと思っていて、ここには例えばどんな技術があるかというと、今後10年程度、歴史学や考古学、地質学などに基づく地震・津波・火山災害の研究を系統的・組織的に推進し、国内外で発生した大規模な地震・火山噴火と災害事例を集積することにより、低頻度大規模現象についても一定の知見が得られると期待されるとか、今後10年程度は、地震の統計的性質も考慮した大地震の長期予測手法の開発や、発生の繰り返し間隔や規模の揺らぎに関する理論的な研究を進める。火山噴火に対しては、地質調査を着実に推進し、国内火山の詳細な噴火履歴の作成に努めるとか、こういう記述があります。もうちょっと踏み込めるといいとは思いますけれども、この程度でいいのだろうと思っています。ほかにも似たような記述が何か所かにあると思いますけれども、この程度では物足りないという意見もあるかもしれない。それはできるだけ、可能であれば、もう少し明確にした方がいいかもしれないですね。
【大湊専門委員】  はい。
【加藤(尚)主査】  ほかには何かありますか。
【榎原臨時委員】  リテラシーに関する研究というのがあって、社会科学系の人たちにもう少し入ってもらう必要があるのではないかと以前から申し上げていたのですけれども、今のところ、新規実施機関の募集状況を見ると、余りはかばかしくないようなのですが、その辺りどういうふうに誘っていくかということ。待っていてもなかなか現れてこないと思うので、どういうふうにされるのかなというところを教えていたけますか。
【加藤(尚)主査】  1つは、席上配付資料の新規実施機関募集状況の中に東京大学の情報学環が入っていますけれども。
【西村主査代理】  あとは東北大災害研。災害歴史学です。
【加藤(尚)主査】  歴史関係は実は結構あるんですよね。社会科学の方が。
 阪本委員、何か御意見ありますか。
【阪本専門委員】  私自身が仕組みをよく分かっていなかったりするんですけれども、例えば私の大学とかはこういう案内が来たりはしないんですね。防災を研究している社会科学系の機関でこの建議の対象となっているところとなっていないところがあるのではないかなと思うんですが、その辺りまた教えていただけると。
【加藤(尚)主査】  新規実施機関の募集というのを12月から行ったんですよね。
【大河原地震火山専門官】  新規実施機関の募集を測地学分科会のホームページに掲載するという形で行って、あとは、主査の方から幾つか当たっていただきました。
【加藤(尚)主査】  私が幾つかのところに、出しませんかというのは言ったんですけれども、ある意味その程度ですね。
【阪本専門委員】  そうなんです。そこを例えば学会を絡めて御案内いただくとかすると、恐らく社会科学系の応募もぐっと増えてくるようには思います。ただ、そこは今後の課題かもしれないですね。今出してきているところも幾つかはあるんですけれども、ただ、皆さんメーンでは出してきていらっしゃらないというところがちょっと痛いところかなと思うので、それを将来的に変えていけるようにしなければいけないなとは思います。
【榎原臨時委員】  4年前のことを思い出してみると、歴史系がここに入ってくるに当たっては、募集とか応募というふうなことではなくて、個別に私のところに説得にいらっしゃって、そういう形で、それから私の方から考古の方もお誘いしてというふうな形だったので、やはりかなり積極的に動かないとなかなか難しいのではないかなと思います。
【加藤(尚)主査】  なかなかそちら方向の人脈がなくて苦労しているんですけれども、どうしましょうか。更に新しい機関を誘うことはこれから可能ですか。
【大河原地震火山専門官】  そういう意味では、締め切りは過ぎていますけれども、積極的にというところであれば、もちろん考えたいと思っています。
【加藤(尚)主査】  分かりました。そうですね。では、可能な範囲で誘ってみたりはしたいと思いますけれども、なかなかどこがいいのかというのが分からないところもあるので、御協力いただければと思います。
【阪本専門委員】  はい。
【平田委員】  学会には出したんですか。学会には出てないの?
【大河原地震火山専門官】  文科省から働き掛けという形ではやっていません。
【加藤(尚)主査】  学会は意見を聞くだけでしたっけ。
【大河原地震火山専門官】  はい。
【平田委員】  だから、兵庫県立大学には行ってないということ? それはゆゆしきことですな。
【大河原地震火山専門官】  ホームページ上での掲載としていました。
【平田委員】  せっかく委員で来ていただているにもかかわらず、その情報が行ってないというのは申し訳ないですけれども。
【山中専門委員】  今からでは間に合わないんですよね。
【平田委員】  今からだっていいと思うよ。
【山中専門委員】  今、結局、阪本さんが出すためには、名古屋経由になっているんですよ。だから、私のところに「(阪本)」と書いているのがあるのですけれども、一応出していただいているので、大学単独に出していただくようにすれば、とりあえず阪本さんの件に関しては解決するんですけれども、もっと人を増やすためには、もう少し声を掛けた方がいいとは思います。
【平田委員】  そうか、これの考えとしては、個人の研究を応募するというのは次の段階で、今は組織を公募しているんですね。組織というのは、担当の先生が定年で辞めてしまったり、どこかに移ったとしても、組織としてちゃんと後任の人事をして、この研究課題を続けるという意思がないとできないというようなハードルを作ったんですね。だから、たまたま1人しかいないようなところでは、かなりその研究科長や学長が頑張る意思がないと、組織としてこれに参加するというのは難しいかもしれないですね。ですけれども、5年間はともかく頑張ってやるということであれば問題はないので。1人しか先生がいないという大学は結構実際にはいて、そういう人たちはこの後に個人の参加する公募研究というようなものに参加していただくという道は一応あるんですけれども。でも、兵庫県立大学は、少なくとも私が知っているのは2人の先生がいますから、大丈夫ではないかと思いますけどね。
【加藤(尚)主査】  ほかに何か御意見ありますか。
【阪本専門委員】  すいません、素案の中、先ほどの名称の中にも、今回、災害軽減という言葉がよく使われているんですが、よく言われるのは、災害というのは社会的被害も含めて災害だと、これ、素案でも書いてらっしゃるんですが、被害軽減という言葉はとても我々防災研究者はよく使うんですが、災害軽減というと、災害の発生自体をも減らしていくという、非常にアグレッシブな名称かなと思うんですが、それはもうそこを意図してこういうふうに使ってらっしゃるということでよろしいですよね。念のため確認をと思いまして。
【加藤(尚)主査】  これは答えられる方はおられるでしょうか。
【平田委員】  だから、これは貢献するための地震火山観測研究計画で、貢献することを目指しているので。
【加藤(尚)主査】  でも、今の質問は、被害軽減と災害軽減の違いなんですよね。
【阪本専門委員】  そうですね、はい。災害軽減とすると、やはり災害の発生自体をも防ごうとする、非常に大きい、意欲的なタイトルだと。それはそれですばらしいなと思って伺っていたんですが、念のため確認をと思いました。
【加藤(尚)主査】  多分ここにいる多くの地震・火山研究者は、被害軽減と災害軽減のニュアンスの違いというのはそれほど気にしてなかったと思います。それが事実だと思います。では、そういうところも含めて、計画の名前とか表現の仕方とか考えていくことも重要かなと思います。
 ほかによろしいですか。
 時間超過しましたけれども、幾つか最後の方でも課題が出ましたけれども、この後、それぞれの担当のところを執筆してください。
 それから、1章のところについて、文章について御意見があればお願いします。
 あとは、先ほど言ったように、3週間程度で実施内容の文章を一旦事務局の方に戻していただいて、全員が見られるような形にして、全体で議論を進めていきたいと思います。
 では、事務局の方にお返しします。
【大河原地震火山専門官】  どうもありがとうございました。
 では、事務局より、今後の日程について説明させていただきます。資料2に今後のスケジュール予定がありますけれども、3月2日に測地学分科会・地震火山部会合同会を開催いたします。ここでこの計画の方向性について御意見を頂いて了解頂きたい、ここで概要的なものをお示しして、方向性を了承いただくというふうに考えております。
 それから、この委員会の第5回以降の日程は現在まだ未定です。3月中に第5回を開催できるか、もしかしたら年度ずれ込むかもしれませんが、そのように考えています。改めて調整をさせていただきたいと思います。今ここから個別の執筆に入っていきますので、先ほど加藤主査からもありましたように、実際に皆様に執筆をお願いをしてから3週間程度で書いてもらって、それをまた集約して、あるいはまたメールベースでその後の調整などをさせていただくという流れを考えております。次の会議の日程については改めて調整をさせてください。
【加藤(尚)主査】  ありがとうございました。
 その他何かございませんか。
【尾崎臨時委員】  スケジュールで質問なんですけれども、きょうの話の中でもよく出ていた、最終的に課題の提出、個別の課題を各機関が出すというのがどのタイミングかということと、あと、作業の進め方的に、このメンバーで案を作って、それを1回、実施機関にもチェックしてもらってというか、自分たちが出そうとしている課題がちゃんと整合しているかとか、そういう照会のタイミングが、最終案が出来るまではどこかでやる必要が多分あるなと思うんですが、その辺はどんなスケジュール感を持っていますか。
【大河原地震火山専門官】  まだ具体的に何週間後にというふうにはしていないですけれども、例えば抜けている課題があるかどうか、予知協でもいろいろ調整して、ここは抜けているというのがあったら追加で御提出いただくとか、そういう必要な手続は踏んでいきたいと思っています。
【尾崎臨時委員】  最終的に課題の募集というのは、建議が決まった後になるんですかね。
【平田委員】  後です。本当は建議が後で、かつ31年度の概算要求の前にしたいわけですね。だけど、それは結構微妙なところというか、実質、だから、見込んで、建議の原案が出てくるぐらいに多分各機関は予算要求をしつつ、最終的に建議が出た次の日に具体的な計画が出来ているというのが理想だけど、そこはタイムラグが出来てしまうんでしょうね。
【加藤(尚)主査】  ほかに何かありますか。よろしいですか。
 それでは、本日の審議はこの辺りで終了することにします。
 事務局からその他連絡事項等あれば、お願いします。

〔事務局より事務連絡〕

 これで本日の議事を終了します。本日は、お忙しい中、また長時間の御議論どうもありがとうございました。


―― 了 ――

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)