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海洋開発分科会(第50回) 議事録

1.日時

平成28年11月29日(火曜日) 9時30分~12時30分

2.場所

合同庁舎4号館1F 123会議室

3.議題

  1. 海洋科学技術に係る研究開発計画(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

浦辺分科会長、木島委員、窪川委員、白山委員、高橋委員、竹山委員、田村委員、辻本委員、中田委員、西村委員、平田委員、藤井委員、鷲尾委員

文部科学省

林海洋地球課長、三宅海洋地球課課長補佐 ほか

5.議事録

【浦辺分科会長】  定刻となりましたので、ただいまより第50回科学技術・学術審議会海洋開発分科会を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、御多忙中にもかかわらず御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 初めに、事務局より配付資料の御確認をお願いします。
【事務局】  資料1としまして、海洋科学技術に係る研究開発計画(案)でございます。資料2としまして、海洋科学技術を取り巻く国際状況、資料3としまして、分科会の今後の審議予定(案)でございます。参考資料といたしまして、1で前回の議事録、参考資料2、前回御議論いただきました研究開発計画の構成案につきましての修正版でございます。参考資料3としまして、6月10日の分科会で決定していただきました研究開発計画の策定についてでございます。参考資料4としまして、研究計画・評価分科会の資料を配付してございます。参考資料5としまして、第5期科学技術基本計画の関係箇所の抜粋でございます。
 過不足ございましたら。ございませんでしょうか。
 以上でございます。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございました。
 お手元の議事次第にありますように、今日の議題は海洋科学技術に係る研究開発計画(案)について、と、その他でございまして、非常に明快な議題になっております。
 それで、もうほとんどこの議題の1ばかりでございますけれども、それについて検討に入りたいと思います。
 最初に、資料1ですね、それについて見ていただきますと、1番が基本的な考え方という第1章でございます。それから、第2章が重点的に推進すべき海洋科学技術分野、それから第3章が研究開発の企画・推進・評価を行う上で留意すべき推進方策という、この三つの構成になっております。
 この3構成の最初から、第1章の基本的な考え方から一つずつ分けて検討していただきたいと思いますので、まず第1章について事務局より御報告をお願いいたします。
【事務局】  それでは、資料1と、こちらの資料2も用いながら、まず研究開発計画(案)の基本的な考え方のところについて説明をさせていただきたいと思います。
 ここでは、海洋科学技術を取り巻く状況を説明し、この研究開発計画をなぜ作るかというようなことを(2)に書いてあるというような構成になっています。
 まず、見ていただくと、(1)で我が国における海洋科学技術を取り巻く政策状況ということで、ここはもう既にいろいろ御承知のとおりだと思いますけれども、我が国における海洋の位置づけについて、海洋基本法なんかの中身にも言及しながら書いています。例えば上から3行目から4行目にかけて、海洋基本法を引用して、「海洋の開発・利用は我が国の経済社会の基盤であると共に、海洋環境の保全は人類存続の基盤である」というようなこと、さらには海洋科学技術というのは、「海洋の開発・利用、海洋の環境の保全に係わるさまざまな活動を支えている」というような海洋の動きや海洋科学技術の位置づけ、そういうことを考慮して海洋基本計画というのは作られているというのが最初の1段落目です。
 次の2段落目が、今度は科学技術基本計画、まさにこの研究開発計画は科学技術基本計画を具体化するというような位置づけを持つものですけれども、今年の1月に策定された第5期基本計画では、海洋に関する科学技術というのは国家戦略上重要な科学技術と、こういうふうに位置づけられて、長期的視野に立って継続して強化していく必要があると、こういうふうに明記されているというような、科学技術基本計画の中での海洋の位置づけというようなものを2段落目に書いているところでございます。
 そして、(2)で、今度は国際的な状況ということで、今行われている国際的な議論の状況について簡単に触れさせていただいています。最初に書いてあるのがSDGsということで、持続可能な開発目標の17の目標のうちの一つとして14番目、持続可能な開発のための海洋・海洋資源というようなことが盛り込まれていること。また、BBNJという議論ですね。これは、国家管轄権外区域、公海にて海洋生物の多様性を図るということで、今、国連の海洋法条約のもとで国際文書を作成するということで準備委員会が設置されて、今年から議論が始まっており、2018年9月までに文書案を作成するということで、鋭意作業が進められているということ。また、海洋アセスメントで国連の中にWOAというレギュラープロセスがありますけれども、そういったものの動き、あるいは北極政策でも9月には大臣会合が開かれるなど非常に大きな動きがありますというようなこと。
 さらに、2段落目のG7の動きとして、去年のエルマウサミットでは、科学技術大臣会合で海洋プラスチックごみを含めて海洋環境の保護―2ページ目に入りますが―取り上げられ、さらに今年はG7の科学技術大臣会合(つくば会合)では、科学的根拠に基づく海洋及び海洋資源の管理、保全、持続可能な利用というものが、四つのアジェンダのうちの一つとして取り上げられたこと。さらに、そういった議論を踏まえて、G7の伊勢志摩サミットの首脳宣言の中でも、国際的な海洋観測及び評価を強化するための科学的な取組を支持すると、こういうことが盛り込まれていますというようなことを(2)でまとめているところです。
 (3)が主要国における海洋科学技術政策の動向ということで、これはPと書いてありますが、少し詳しいものを資料2として用意させていただいていますので、そちらをご覧いただければと思います。
 資料2の最初の方は、国際的な動向という意味で今申し上げましたSDGsとかBBNJ、G7の話になっていますが、1枚おめくりいただいて、3ページ目から首脳国の動き、こちらはまだ調査中のところもあるので暫定版ということにしておりますけれども、幾つかの国の動きが書いてあります。
 最初に米国でございます。アメリカは、政権が変わると結構変わったりするので、今後どうなっていくかまだ見えていないところはありますけれども、今までのオバマ政権の中での海洋政策というのは、2010年に、「海洋、沿岸及び五大湖の管理に関する大統領令」と、これは「Stewardship of the Ocean, Our Coasts, and the Great Lakes」というふうになっているわけですけれども、まずここで大枠を策定しているようです。この大統領令の中で「Interagency Ocean Policy Task Force」というタスクフォースの勧告を採用しますよというようなことが書いてあり、その勧告では、優先目標として下に書いてあるような九つの項目を挙げていること。また、この施策を実行するに当たって具体的な方策を示した「国家海洋政策実施計画(National Ocean Policy Implementation Plan)」というものを2013年4月に策定しているというような状況になっております。
 これは海洋政策の全体の話になりますけれども、さらにこういった大統領令を受けて、海洋資源の管理に当たり科学的根拠に基づく政策決定を行うため、最近特に重要性が増している海洋の酸性化、北極域の急激な変化を踏まえて海洋研究の戦略というのを改定しています。これは、2006年、5年ぐらいに1回作っているんですけれども、それを大統領令や最近の状況も踏まえて改正したということで、「海洋国家のための科学(Science for Ocean Nation)」というのを2013年2月に策定し、その戦略の中では、海洋資源の管理、自然災害と環境破壊へのレジリエンス、船舶の運用と海洋環境、気候に関する海洋の役割、生態系の改善、健康への影響、この六つの領域を課題として設定をしているということでございます。
 さらに、こういった動きの中で、2015年7月、これ去年の話になりますけれども、発表された2017年度予算における科学技術の優先事項の中に、海洋・北極問題というのが新たに追加されて、その中で「海洋政策実施計画」―上にちょっとリンクしておりますけれども―に示された科学技術の優先投資というのを提言しているということで、今、アメリカの海洋政策というのは、安全保障はちょっと別途あるのだと思いますけれども、Stewardship、保全管理、そういったものをキーワードに進められているのではないかというようなことが流れとしてはあるかと思います。
 次のページにいきましてEUになりますけれども、EUは、少し環境保護の観点と成長戦略の観点と、あとのことは別な部署でやっているからということなのかもしれませんが、この二つの観点が書かれています。
 最初に、2005年10月、ちょっと前になりますけれども、「海洋環境の保護及び維持のための主題別戦略」というものが策定されていて、この戦略では、2021年までに良好な海洋環境を実現することを全体目標として掲げるというようなことが書かれています。さらに、2007年には、これはどちらかというと成長戦略的な観点ですけれども、「総合的海洋政策(Integrated Maritime Policy)」というものを策定して、海洋に関する施策というのは、産業、環境保護等が相互に連携して統合して扱うものだというようなことで、欧州におけるグローバリゼーション、競争力に関する課題、気候変動、海洋環境の悪化、海洋安全・安全保障等々への対応能力の強化を図るというようなことで、こういった政策が作られています。
 さらに、それに関連する政策というのがBlue Growth等々五つ定められていまして、特に関係が深いと思われるのはBlue Growth、これはお聞きになったことがあるかもしれませんが、まさに海洋分野の成長戦略ということで、海洋のエコノミー、ブルーエコノミーと言っていますけれども、それが今後の成長に重要だということで、海底資源、再生エネルギー、バイオテクノロジー、水産、海洋レジャー、この5分野を中心に幅広い施策を実施しているというようなことが記載されています。
 あとは、空間利用、海洋空間計画ということや、生態系の保護や再生エネルギーというようなことについても別途計画があるということです。
 あと、2014年にHorizon 2020、これはEU全体で定められている研究開発計画でございますけれども、そういった中でも、海洋と関係するような国から、Food security、Sustainable Agriculture and ForestryとかMarineとか、そういった幾つかの環境や資源に関する部分が重点課題として明記されています。
 さらに、これは非常に直近の、今年の11月の話になりますけれども、SDG14、まさに海の管理のところへの対応を図るために「International ocean governance」というようなものを公表して、国際的なガバナンスのフレームワークの構築、持続可能な海洋環境の管理、国際的な海洋調査及びデータの利用の促進などをやっていくという新しいアジェンダを発表したところでございます。これがEUでございます。
 5ページからは、EUの各国のことになります。この部分については、まだ不十分なところがあるかもしれません。まず、イギリスについては、全体の計画というのはまだ見当たっておりませんけれども、海洋科学について言うと「UK Marine Science Strategy」という、2010年から25年にかけての長期戦略を策定しており、この中で、海洋生態系、気候変動と海洋環境の関連性、持続可能な生態系サービスの拡充と、この辺の三つが重要な課題になっているというようなことでございます。
 フランスにつきましては、海洋の研究開発計画自体も政府レベルでのものはまだ見つかっていないんですけれども、全体の科学技術イノベーション戦略としてフランス・ヨーロッパ2020というものを作っているようで、その中で合理的な資源管理と気候変動への適応といったようなものを重要課題の一つと明記しているとともに、研究機関ではEUのHorizon 2020を踏まえながら長期的な戦略を立てて、以下の9領域ですね、環境変動・海洋ダイナミクス、生物の多様性保全、生物資源利用、漁業・養殖の持続的な開発、鉱物資源・エネルギー、環境保全のための機器開発、データベース戦略、フリートの効率的活用、技術革新に向けた共有されたキャパシティーの促進、そういったような九つの研究領域での目標達成を強化しているようです。
 ドイツについても、一応調べてみたんですけれども、総合的な海洋政策というのはどうもなくて、関係各省がそれぞれの所管分野で海洋政策をやっていますよと。特に研究開発を担当する教育研究省では、プロジェクトとして以下の四つぐらいですね、FONA3と、これは持続可能な発展のための研究というようなことで、あとはMARE-Nというのが沿岸・海岸・極域研究、GEO-Nというのは地球化学と持続可能性、あとはJPI-Oceansということで、深海鉱物資源の掘削の環境影響評価とかマイクロプラスティックごみへの対応というようなことを個別のプロジェクトとしてやっているというようなことでございます。
 最後のページに中国がありますけれども、2008年に中国科学院によって2050年までの科学技術計画が発表されていて、重点研究課題の一つに宇宙・海洋の探査能力の向上というのを掲載しており、その中で海洋調査のエリアであるとか、深さですね、探査の深度というのも2020年までに7,000メートル、2030年まででHOVで1万1,000m、2020年までにROVで1万1,000mであるとか、掘削船の目標、さらには研究として環境変動予測や、生態系の総合的な管理、海洋デジタルデータの収集、鉱物資源、生物資源、そういったようなものの開発にも注力しますというようなことがこの計画に明記されています。
 こういった主要国の動向というのを、すみません、もとに戻って研究開発計画の2ページの(3)にはまだ入れていないので、これを踏まえて、まだちょっと調査をしているところがありますので、そういった調査も踏まえて少しここに加筆していきたいと思っております。
 こういった国内外の状況を受けて、(4)は研究開発計画の策定に向けてということで書いてありますのは、今御説明しましたけれども、国際的には海洋の持続的な開発及び管理、ガバナンスの実現というのが大きな流れになっておりますので、これはこういったものについて各国の協力・協働のもとに国際的な海洋観測、環境評価を強化するための取組が必要とされていますというようなこと。あるいは、国内的には、この海洋科学技術分野においても、課題への対応であるとか産業競争力の強化、イノベーション創出、こういったものが強く求められており、分野、組織の枠を超えて産学官の英知を結集し、戦略的に研究開発を実施し、社会への成果の還元というのが重要ですというのが書いてあり、最後に3ページの上ですけれども、こういった状況も踏まえながら、分科会において10年程度を見通し、5年以内を対象期間としてこの計画を策定しますと、それで文部科学省として重点的に推進すべき研究開発の取組や推進方策を示すことによって、第5期基本計画及び海洋基本計画の具体化、実行・フォローアップというものを図っていきますというこの計画の趣旨を述べたところでございます。
 ローマ数字1.については以上でございます。
【浦辺分科会長】  大変どうもありがとうございました。
 資料1と2について何か、まず御質問等ありましたら。よろしいですか。
 実際に、ここでも非常に明らかだと思うんですけれども、今、海の分野だと大きな研究開発計画、例えば海洋底であればOcean Drilling Projectであるとか、InterRIDGE計画であるとかInterMARGINS計画であるとか、そういうものが一旦終わるし、海水中の話ですとアルゴ計画というのがあったり、化学組成のGEOTRACES計画だとか、そういうふうなものもありましたが、 ある程度ラフには全海洋をカバーし終わっている。それから、バイオの方もさまざまなことが、微生物から大型生物にかけて多様性の調査というのは大体ラフには全海洋を覆ってきている。じゃ、次は何なのかというのが大変に難しいところだと思います。
 一方で、今日、資料2で林課長から御説明がありましたように、世界からは海洋のガバナンスをきちんとやれというようないろいろな要望が来ているわけですけれども、それにきちっと応えるだけの情報を我々は持っていない、データを持っていないという非常に大きなギャップがあると思います。
 この研究開発計画の中では、今後10年を見通してということで、コメントにもありますように、グランドデザインというふうなものがなければいけない。そして、その中で文科省とするとそれを個々の研究としてどう支えていくのかということを提示する必要があると思います。
 それで、この点に関して少しコメント、特に平田先生はあとちょっとしかここにおられないということで、何か一言言い残して。
【平田委員】  世界的な動向としては、サステイナブルな、持続可能な開発というのを書かれていて、日本はその中に自然災害というのをあえて入れているみたいですけれども、サステイナブルというと結構時間スケールの長い話ですが、そこで日本は地震とか火山とか台風とかという災害ということを強調するので、そこを少しうまく溶け込ませるというか、調和させる必要があると思います。世界的にもそういうところは、特にアジアは関心があるでしょうから、整合的にできると思いますので、ここは是非とも工夫していただきたいと思います。
 大変申しわけありません。ちょっと地震の方の会議があるので退席しますけれども、ちょっとぱらぱらっと見て幾つかコメントしたいことがあるので、それは後で事務局に申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
【浦辺分科会長】  ほかに何かございますでしょうか。
【竹山委員】  これからまたディスカッションをいっぱいすると思いますので、そのときまた具体的なことはあるのかなと思いますが、結局、海洋としての独自性とそうじゃない点といろいろあると思うんですね。日本のこれから進むべき、国の方はイノベーション、イノベーションと言って、今度、実践イノベーションにするといった話とか、いろんなところのキーワードと海洋とすり合わせる部分と、独自性を出さなきゃいけない部分、そしてあと今、文科省としてということをすごく強調されますけれども、お金を出すときの文科省としての立ち位置もあるとは思いますが、日本として考えるときには文科省だけの話じゃないことはいつもこの会議で出てくるんです。やっぱりほかの省庁との連携の具合はいつも聞かれるところで、いつもその成果に対して聞かれているのですけれども、一番熱いのは多分、文科省だろうなとは思っていますけれども。
 やはり外にアピールをしていくことに関しては、文科省だけがやっているというと何か一部のところだけになってしまうので、是非そこはやっぱり省庁間をまたぐ大きなコンセプトをお互いに共有するということが重要で、ここまで来ると一つの省庁だけでの争い、自分のところだけというのは、もうしようがないんでしょうけれども、何かもう少しインターナショナルな、今話が国内だけの話じゃなくなってしまっているので、そうしたときにお互いにどういう形でそのロードマップを共有できるのか。これは省庁間でどんなふうにして共有するのかなというのはちょっと疑問ですね。そこのストラテジーがないと、ここは文科省でしょうけれども、もう少し拡大した形での考え方の意見交換をしていくことが必要だと思うので、その点は。
【浦辺分科会長】  竹山先生、どうもありがとうございます。
 文科省でと言ったのは、私が勝手に言って、事務局がこう言えと言ったわけではないですけれども。実際には、特に資料2にあるようなさまざまな動きがありまして、特にその一元的な窓口は外務省さんがなっているわけで、それらがばらばらにと言ったら言葉が非常に悪いんですけれども、それぞれの項目にそれぞれの部局が対応しておられる。国連の中でも三つの大きな海に関する会合が開かれていますが、その事務局も全部別というふうなことがあって、それぞれについている研究者の方もそれぞれ違うという大変難しい問題があって、なかなか国としての政策が立たないというか、ばらばらの対応になってしまっている。
 その中で、やはり特に白山先生はいろいろなところに関わっておられると思いますけれども、それぞれのところ、またこういう問題に対してそれぞれ対応しておられるので、やはり全体の計画は必要です。その中で研究といいますか、サイエンスベースでやっていく上では、やはり文科省が非常に大きな役割を果たしている。そういう意味で、いろんなベースを作っているという意味で文科省という言葉を使わせていただいたとことです。白山先生、何か。
【白山委員】  私、さっき全体を拝見していて思ったことが三つほどあります。
 まさにこの文章の頭のところに、海というものを海洋の科学で考えて、グローバルなイシューとローカルなイシューがあると思うんですね。ローカルというか、国というか、ナショナルの問題というか。それを少し整理される必要があるのではないかなと思います。
 例えば、気候変動のことを考えて二酸化炭素を減らすという、減らすという言葉は厳しいですけれども、それが気候変動で自然災害につながっていく、これ非常にローカルなイシューに関わってくるんですね。しかし、グローバルなイシューを解決しないとローカルなイシューに貢献できないという構図になっているわけですよね。それを整理して全体が書かれないと、迫力に欠けるというか、説得力に欠けるという、何となくそういうふうな印象を持ったというのが一つです。
 それから、大目標の柱5本というのが書いてありますけれども、このうちの5番目の海洋科学技術を支える基礎的研究の推進というのは、これ何でもありというふうになっていて、ちょっと具体的でないな、具体性に欠けるな、わざとこう書いて何でも入るようにしてあるのかもしれませんが、ほかのはかなり、割にシャープな感じがしますけれども、この5番目だけは少し具体性に欠けるかなというのと、このような目標を進めて研究開発を推進すると、日本はどういう国になるのかというのは書いてほしい、あるいは書くべきだと思います。
 つまり、一番初めの前段に世界第6位の排他的経済水域があるとか、海洋国家日本をどうのこうのと書いてありますけれども、じゃ海洋開発のこの研究を進めて、例えば2050年あるいは2080年の日本の国というのはこんなふうになるんです、グランドデザインという言葉が3ページの中にありますが、グランドデザインはちょっと遠くの目標に過ぎると思うので、こういう研究をしてアウトカムは何なのか。そこをもう少し目に見える形で書いた方がいいのではないかという気がしました。何とかに資するというキーワードで書いてありますけれども、例えば観光に資するとか環境保全に資する、資した結果、日本にはどんな、例えば観光産業がこんなふうにとか、あるいは持続可能な海洋の利用としてこんな海洋の利用がイメージできますみたいなことがもう少しあってもいいのではないかというふうに。もちろん、ディテールとして後ろに書いてあるところもあるとは思いますけれども、最初で何となくイメージが出た方がいいかなという気もします。
【浦辺分科会長】  三つ目は。
【白山委員】  三つ目ですが、実は海の管理とか、あるいは海の利用自体は陸にいる人がやることで、陸にいる人の観点は非常に重要で、それは単に距離の問題だけでなくて、例えば陸の河川のガバナンスをしっかりやらないと、結局沿岸で持続可能な環境の保全ができなくて、持続可能な利用もできませんと、こういうことになります。その点は、大体どの国も視点が完全に欠けているケースが多いですが、日本のサイエンティストは、瀬戸内海という非常に象徴的な場所があるからということもあるんですけれども、ものすごくよく理解していて、かつ注目をしていて、そこを日本の独自性として可能なら打ち出すとよろしいのではないかというふうな気がいたしておりまして、総合的沿岸管理という言葉が、あるいは統合的、integrated coastal managementという言葉がございますけれども、これはもう少し強調されてもよろしいかというふうに感じております。
 以上でございます。
【浦辺分科会長】  白山先生、どうもありがとうございました。
 では、鷲尾先生、お願いします。
【鷲尾委員】  たくさんの項目があるなと思って、重みづけを考えたときに何が重要なのかというのが見えにくくなってしまうというような、今お話あったように政策的な動き、国際的な動き、それぞれの項目にここでは対応しますよということは書いてあるんだけれども、今、白山先生がおっしゃったとおり、それをどこに落ちをつけるのかというのが見えていないですね。
 各国の海洋政策を御紹介いただきましたけれども、海洋のガバナンスに対して発言力をどれだけ持つのかという目標をそれぞれの国は持たれようとしております。そのための発言力の背景となる海洋のモニタリング、一番自分ところがよく見ているんだということを主張するための根拠をそろえようとしている。そういう諸国の動きに我が国はどう対処するのか。我が国もそういう発言力を持つようにするということを考えるのであれば、まさに観測の充実。どちらかというとイノベーションで新しいことへ特化して、そこの目玉のところに予算を集中して動こうという傾向が見え隠れしてしまうのですけれども、やはり一番ベースなところで海をどれだけよく知っているのかということを主張できるような、そういう観点が一方のベースには必要なのかもしれません。
 それを立脚点として新たなイノベーションを提起していくというような、そういう二段構想みたいなのが要るのではないかというふうに私は思うところですけれども、文科省さんの方でどっちかに寄せないといけない、そういうベースな部分というのはほかの省庁でもやっていることだからということであれば、竹山先生おっしゃったように省庁連携の中でそれを統合的に観測の強化、充実ということをやっていくんだということをうたい上げる何かが必要だし、その中に研究開発として貢献できるところは何かということに的を絞ればいいと思うんです。ただ、どうしてもトピックスに、財務がお金をつけるところがそういうところに集まりがちですので、やはり計画の中にはそういうベースのところが非常に大事だということを是非うたい込んでいただけたらありがたいと思います。
【浦辺分科会長】  竹山先生。
【竹山委員】  さっき委員長がおっしゃったみたいに、いろんなところでいろんな話が出ていて、私も耳に聞くところで、結局、日本の戦略が何なのかというところに、今の話ですね。多少、今の日本のこういう研究の場合、こういうところで話すと、みんな平均して、確かに余り差があって、あそこだけに随分手厚いと言われないような、みんながうれしいような報告書になってしまいますけれども、中国なんか典型的に、もう戦略を決めたらそこへの投入の仕方が全然違いますよね。実は、そこへサイエンスは一応入れてあったりするんですけれども。何かちょっと不公平かもしれないけれども、本当に今緊急にここは押さえなきゃいけないというところは何なのかということがやっぱり明確にならないと、それに対する、多少差があってもいいけれどもというのは、何かそういう考え方があってもそろそろいいのではないかなというふうに思い始めました。
 やっぱりほかの人から聞いていると、東南アジア共通のEEZ以外の公海のところで第三国が利益を追求し始めてきて、先進国はそれを利益配分しろと、先進国が勝手に決めた条約だから、そんなのほごだと言い始めていて、それに対するバトルが今起こっていて、その勝つための知恵をくださいといって来るんですけれども、なかなか難しい、確かに勝手に決めたのかなと思っちゃうんですね。
 そういうような次元が来たときには、もう戦略になってきているんですね。だから、日本においてもどこで死守しなきゃいけないのかという戦略と、そことサイエンスとどういうバランスとるかという戦略論がやっぱりないといけなくて、確かに今、鷲尾先生おっしゃったみたいに全部書いてあるんですね。そうすると、いい文章ですけれども、じゃここから何を実際にやるのか、どこをとるんだといったときには余計争いになってしまうため、そうすると、戦略は一体誰がどこでどう決めているのかということがやっぱり重要だと思うので、委員長にそこら辺の私案がございましたら。
【浦辺分科会長】  本当にそういうところを、今日時間をとって指摘いただきたいなと思っているところです。
 この案は、やはり結構フラットに書いてあるので、ここにもう少し凹凸をつけるということは非常に大事で、議論は相当深まってくるので、具体的にいろいろと指摘していただければ。
 じゃ、木島先生、よろしくお願いします。
【木島委員】  先ほどから議論を聞かせていただいて、大きなポイントになるのは、竹山先生が言った全体戦略で、日本として何をやるかだと思うんですね。それに対して、先ほど鷲尾委員も言われたように、「海洋開発全体としてどういう問題があって、どういうところはどの省庁が関連して、そして文科省としては何をやるのか」という関係図が書かれると明確になるのではないでしょうか。ただし、関係図というのは非常に難しいので、内部資料で、実はこういう状況があるからここで文科省はこれをやるというふうにすれば、非常にわかりやすく整理ができるのではないかということを感じました。
【浦辺分科会長】  高橋委員。
【高橋委員】  海洋に対するグランドデザインというのは海洋基本計画があります。平成25年に改定されています。それを書けばある程度の全体像は見えてくると思います。それを前提に、科学技術として何やるかということを考えないと、大変な作業になると思います。
【木島委員】  私が感じたのは、整理を共通して持っていないのではないかなというイメージだったんです。私も、おっしゃられるとおり全体の海洋基本法があって、それが国家戦略となっていることは理解しています。それに対してどういうことをどの省庁がやっているのか、そして今からどうやるのかという整理の関係図があれば非常に楽じゃないかと申し上げたところです。
【高橋委員】  この資料1の海洋基本計画については、詳しくは書かれていない。海洋基本計画の次のステップである科学技術としてどうするかという話から始まっているので、議論が蒸し返されていると思います。
【浦辺分科会長】  今、高橋委員から海洋基本計画、この資料を作る上での科学技術基本計画と海洋基本計画の構造のところの質問があったので、第1章にはないかもしれないんですが、ちょっと事務局から説明いただけますか。
【事務局】  一応、この計画自身は、科学技術・学術審議会の総会で科学技術基本計画を踏まえた実行計画ということで作りましょうという話になっているので、基本的には科学技術基本計画をブレークダウンしたものということですけれども、そもそもそれぞれの分野においていろんな基本計画に関わっている部分があるところについては、そこについても引きながらやると。したがって、ローマ数字2.の方では大目標のところに付随するような形で海洋基本計画に言及をさせてもらっています。
 ただ、科学技術基本計画の目標に比べると海洋基本計画の方が若干細かい、具体的なことまで書いてあるので、どちらかというと大目標としては、何となく科学技術基本計画の方が大きくこういう方向だと書いてあるものですから、それをベースにしながら海洋基本計画に書いてあることも踏まえつつ、文科省で何をするかというのを中目標としてブレークダウンしていると、そんなような構造として出されております。
 ちょっと議論が大分ローマ数字2の方に入ってきているので、説明を差し上げた方がいいのかもしれないですけれども。
【浦辺分科会長】  それでは、ちょっとまだ御意見もあると思いますけれども、2のところで一番時間をとって議論したいと思いますので、2の説明をよろしくお願いします。
【事務局】  4ページ以降の20ページ近く、2ということで、重点的に推進すべき海洋科学技術分野と、こういうことで書かせていただいております。
 これの位置づけなんですけれども、今申し上げましたように、基本的には科学技術基本計画に書いてあるものをブレークダウンして、文部科学省として海の分野で何をするかというのを書いています。ただ、当然、海洋基本計画とも関ってきますので、科学技術基本計画にない部分については―ない部分というのは基本的にないと思いますけれども、これを補完するような感じで、海洋基本計画にも言及して、それを達成していくというような構造で今書かせていただいているところです。
 また、若干悩ましいのは、この研究開発計画自体がある種、実施計画のような位置づけもあるので、今やっていることについては基本的に位置づけて、これをやってフォローアップ。フォローアップのベースとなる実施計画という意味合いもあるので、そういった今やっていることは基本的に盛り込んでいくと。一方、今後やらなきゃいけないことについては、いろんな意見も踏まえながら、今フラットには書いてありますので、今日の議論等を踏まえて少し重点的に書くというようなことなのかなと思っております。
 4ページから入りますと、4ページに海洋の全体の大目標ということで、第5期基本計画に書いてある国家戦略上重要な科学技術として位置づけられた云々というところを一応大目標として挙げておりますけれども、これだけでは目標達成に至るというのには具体的なことにならないので、それぞれの項目に分けてやりますよというのが4ページの上の方に書かれております。
 このときに、先ほど状況のところにもありましたけれども、イノベーションとか海洋のガバナンスというのが具体的に大きく求められているということもあって、分野として前回と少し変えて、参考資料2を見ていただくと、前回は海洋の生態系の保全と生物資源というのを一緒にしていたんですけれども、むしろ生態系の保全というのはガバナンスみたいな話なので、まずその海を、海洋を理解してガバナンスを強化すると、知って、保全、利用をしていくために基盤を作っていきましょうというようなところをまず大目標の柱にしています。それが、極域及び海洋の総合的な理解とガバナンスの強化。それと、そういった基盤の上に立って海洋を開発・利用していくというような部分を鉱物・生物と合わせて海洋資源の開発・利用という形で入れております。
 3番目としては、先ほど平田先生もありましたけれども、自然災害への対応という形のものが入っていて、4番で、これも前回は基盤的技術、産業競争力強化と分かれていましたけれども、基本的に基盤的技術を開発することによって産業競争力の強化につながっていくと、イノベーションにつながっていくという部分があるので、そこを合わせたような形にしています。
 それで5番目に、先ほど白山委員からもありましたが、一応ほかの委員会の分もいろいろ見ながら、基礎的な研究というのを2.の重点推進分野に入れた方がいいんじゃないかということで、5番目の柱として科学的研究の拡大と基礎的研究の推進というものを持ってきたところでございます。
 そして、それぞれの部分には6ページから入っていきますけれども、まず6ページ、最初1ポツということで極域及び海洋の総合的な理解とガバナンスの強化ということになりますけれども、これは第5期の科学技術基本計画に関連する部分が、気候変動の部分と生物多様性の部分と二つあります。気候変動の部分というのは、いろいろ書いてありますけれども、端的に言うと、目標として掲げられているのは、我が国のみならず世界における気候変動の影響への適応に貢献すると、これは基本計画上書いてある大目標と。あと、その下に海洋基本計画として関連するようなモニタリングの取組であるとか極域を強化すると、そういったものが書かれています。
 生物多様性の方については、科学技術基本計画にも書いてあるんですが、端的に言うと生物多様性の損失の防止というものが大目標として掲げられるんではないかということで、この二つの項目を大目標として、それを海洋の分野、あるいは研究開発の役割としてどうブレークダウンしていくのかというのが、6ページのその下に書いてある大目標達成のために必要な中目標ということになっています。
 最初に、これちょっと順番を変えて生物多様性の対応ということでガバナンスの話を書いておりますけれども、まず初めに書いてあるのは、生物多様性の損失の防止というのが大目標ですけれども、これだけだと非常に漠然としていますので、海の役割と文科省の役割を少し位置づけるために、海洋は生物多様性の確保に大きな役割を担っていること、したがって、生物多様性損失の防止の観点から科学的根拠に基づいて海洋・海洋資源の管理・保全及び持続的利用を行うことが重要だということを明記して、生物多様性損失の防止という大きな目標の中で、海洋はこういうことをやっていきますよというのを一つ落とし込んでいく。また、こういうことによって、海洋国家である我が国の国益の確保にも貢献できると、一定の便益もあわせて書いております。
 2段落目に「このため」と書いておりますけれども、このために中目標として掲げているのが、海洋の総合的な観測、海洋生態系の構造、機能等に関する研究を強化することによって、海洋環境の変化の把握とその生態系への影響の解明を進める、このアンダーラインを引いているところが端的に言って中目標ということになります。それを進めるとともに、海洋資源の管理・保全及び持続的利用を図ると。また、ここの部分についてはそれだけではなくて、やはり最終的には政策的な議論に反映させるということが出口になろうかと思いますので、情報を発信して国際的なルール作りに貢献というものを中目標に置いているというようなところでございます。
 そして、次のページにいきますと、また同じように気候変動について書いております。
 気候変動についても、いろんな観点の研究がありますけれども、海洋については、地球表面の7割を占め、気候変動に大きな影響を与えていることから、その調査研究の推進が不可欠だと、ここで海洋の位置づけをちょっと与えて、このため、海洋の継続的な観測、シミュレーション等を推進して、中目標としては、海洋の現状、将来の状況、気候変動への影響等を理解すると、それで知見を国内外に発信して政策的な議論に反映させていくと。さらに、極域、北極域については取組を強化すると、その辺が中目標、アンダーラインを引いているところを中目標として掲げているところでございます。
 そして、今度は中目標を達成するための研究開発の取組と、また1段階ブレークダウンするような文章が次に書かれておりまして、これは中目標を引きながら、この構造としては海洋環境の変化を把握という中目標をするために、海域での調査・観測の強化であるとか生態系の保存及びその利用に資するデータを継続的に取得、把握していますよと、そのための技術開発を進めますよというようなことが書いてあると。把握するための手段を書いてあると。次に、海洋環境の生態系等への影響を解明して、海洋資源の管理・保全、持続的利用、こういう中目標に資するために、生態系サービスの評価に関する研究開発を推進するとともに、生態系の維持・回復技術等の研究開発を推進しますというようなことを書いてあり、さらに海外に発信するというような取組について、国際的なルール作りに貢献といったような中目標を引きながら、それを具体化するような取組をここに書いています。
 下の方は余り説明しませんけれども、それを具体的に落とし込んでいるのが、その下に書いてあるマル印ですが、生態系の保全・再生に資する先進的な観測・計測技術の開発であるとか、次のページにいきますと、生態系機能の解明、持続的利用に資する研究開発、あるいは生態系サービスの評価技術、持続的な管理・利用技術、生態系の被害と回復過程の解明に関する研究開発、こういった四つの項目に分けて取組をしていきますと。基本的に、この取組の中には、大体今我々がやっているようなことが入っているというようなことになっていまして、重要なところについてはこういうような取組のところで新しい目出しというのも少ししていったらどうかとは思っていますけれども、構成としてはこのようになっています。
 それで、(2)の地球規模の気候・海洋変動への対応というのも基本的には同じような構成で書かれていて、海洋の現状、将来の状況、気候変動への影響を解明するためには、海洋を総合的に観測しますというような目標、さらにそういったデータをもとに気候変動メカニズムを把握・理解すると、そういった研究をすると。その上で、予測モデルやシミュレーション、そういったものを駆使して環境変動がどうなっていくのか予測をして、我が国に及ぼす影響を把握するということ、さらには、それをデータとして発信していくと、地球環境情報プラットフォームを構築するというような目標、最後にそれを海外に発信して政策決定に位置づけること、そういったような流れのことを(2)で中目標として掲げているところであります。あと、その下のマルに具体的な取組を示しているということです。
 9ページの(3)の極域だけは特にということで特出しをしておりますけれども、これも国際共同研究の推進、観測技術の開発を進めることにより、我が国の強みである科学技術を生かして北極をめぐる諸課題に貢献しますよというようなことが取組の頭書きとして書いてあって、具体的なことをマル印のところに書いているというようなことになります。
 それで、ここの部分の総合的な理解と海洋のガバナンスというものの中目標では、文科省のやることも大まかな流れは基本的に状況を把握しますと、そのために先端的な技術開発をしますと、その状況を把握して、その状況が例えば多様性であるとか気候変動であるとか、そういう政策課題にどうつながっていくんだと、このメカニズムを解明する研究をして解明しますと、そのメカニズムがわかれば、次に現状の評価であるとか将来の予測をしていくと。それを政策に反映させるということで出口につなげていくというのが一つの流れとしてあり、またこういう政策に反映して、こういうことを合意形成やっていかなきゃいけないと、対応していかなきゃいけないということになったときに情報把握、観測のところでいろいろずっと先端的な技術というものをスタンダードにするということにより、イノベーションであるとか産業競争力であるとか、そういったものにも貢献していくと。産業競争力については余り書いていないのですが、大まかにはそういう流れでここは今書いてあるということです。
 この研究計画自身は、基本的に文科省がやること、文科省のための研究開発計画になっているので、我々がやらなきゃいけない部分を明確に書いた上で、もちろんスタンドアローンでやるというわけじゃなくて、関係省庁と連携をしながらやっていくということは別途推進方策の方に書いてありますけれども、ただ、ここの多様性であるとか気候変動というところは、結構、状況把握のところから政策の反映のところまで、関係省庁と連携をしながらも、今、一気通貫、出口までやっている部分、ある意味で出口までやっている部分が文科省としてあるのかなということで、そこまで書かせていただいているということでございます。
 次が12ページで、ちょっと2ポツが海洋資源の開発・利用ということになります。
 ここの海洋資源の開発・利用というのは、出口は例えば鉱物資源であったり水産資源であったり、出口を所管する役所が別途あるんで、どちらかというと文科省の役割としては基礎・基盤の技術、手法を開発する、新しい先端的な技術を開発する、そういうことによって出口の所管官庁にどうつなげていくかというような役割になろうかと思います。ここは、ちょっと1ポツとは文科省の役割が少し違うのかなということで、そういう意味で中目標としても基盤的技術の開発というのが趣旨になっています。
 2ポツの海洋資源は、大きく分けて鉱物資源と水産資源に分かれています。鉱物資源の方は基本計画では、端的に言うと資源の安定的な確保というものが大きな目標になっています。水産資源の方は、食料の安定的な確保の中にある農林水産物の輸出促進及び食料自給率向上の実現との大目標に基本計画上はなっています。それを文科省の中目標としてどう落とし込んでいくかというときに、下にありますけれども、海洋鉱物資源では、資源の安定的な確保という観点からは、我が国の周辺海域に存在すると期待される海洋鉱物資源、これを開発・利用に向け取組を進めると、そういうのが重要だと、海の分野ではこういう貢献をしますというようなことを言った上で、このために、まずは広大な海域を効率的に調査する技術開発、あるいはどういうところにありそうかというものにつなげるための成因論の研究開発、こういうのを推進して、賦存量を科学的に把握する手法の確立というのがまず文科省の役割としてあるわけです。
 それとともに、やはり我々、深海におけるいろんな生態系も含めて調査研究していますので、今般の開発利用に当たっての海洋環境の影響の把握、手法のための開発というのも役割があるだろうということで、こういうことを書かせていただいています。
 2番目が生物資源ということで、基本的に水産資源の研究開発みたいな話はあるわけですけれども、我々としては、今いろいろ水産資源の安定的供給というものに懸念が表明されているということで、増殖や養殖に関する革新的な生産技術の開発、そういったものであるとか、関係機関と連携のもと高精度の海洋観測をすることによって、海洋環境や水産資源の変動を再現・予測する手法を開発する というのが我々の役割だと。ちょっとガバナンスのものとかぶるような部分があるかもしれませんけれども、水産資源のところでもそういうことになってくるのではないかということで、それを具体化するのが13ページの(1)の海洋鉱物資源ですけれども、調査技術の確立ということであれば、要素技術であるセンサーの高度化、あるいは複数センサーを組み合わせたシステム化を進めると。その際、将来、民間への移転ということを考えたときに、高性能であり、かつ新たな技術というものを目指していくべきだろうと。
 あと、成因解明ということであれば、鉱物資源、いろんな部分であって、総合的に調査研究することが重要なので、深海や未調査海域等の調査も含めて研究しますということです。あるいは、その影響等の評価のために鉱物資源の周辺の環境調査や、生息する生物の生態を把握するための技術開発、こういったものは文科省としてやれることだろうということで、具体的なことを下のマルに展開して書いてあるということです。
 そして、14ページに今度は生物資源の方ですが、革新的な生産技術の開発という中目標に貢献するために、遺伝子や細胞操作といった新たな手法による養殖技術の研究開発。これ、具体的にサバにマグロを産ませるかみたいな話をしていますけれども、そういった研究開発であるとか、海洋生態系を高精度に、長期的に観測して、生態系及びその変動を総合的に観測・解明するための研究開発というようなことを行いますよということで、それを合わせたプロジェクトとしてやっているのが、下に一つのマルとして展開をしているところです。
 あと、これPで、ちょっと何か前回の議論でも出てきたので書いているんですが、まだ具体的になっていないためPとしていますけど、海洋空間というのを海洋資源の一つとして利活用するという考え方があるといいのかなということで書いております。ただ、具体的なプロジェクトを今進めているわけではないので、余り具体化はできておらず、とりあえず入れてある状況です。だから、いい技術があれば、ここは意見を伺いたいと思っています。
 そして、次、16ページで3ポツということで、海洋由来の自然災害への防災・減災ということでございます。
 ここは、第5期基本計画に書いてあるように、自然災害に対して、国民の安全・安心を確保してレジリエントな社会を構築すると、こういうものを大きな目標にして、やはり海の分野で何をするかというのが下の中目標で、海溝型の巨大地震・津波について防災・減災対策をしていくというようなことをまず掲げ、そのために地震発生帯における動的挙動の調査分析、地震の発生メカニズムの理解・解明と社会・環境に与える影響の評価と、政策的な議論に反映というような一連の流れとともに、あとは今具体的にやっておりますけれども、地震や防災に対してレジリエントな海洋にしていくというような観点で、地震・津波等による被害の状況とその回復過程の把握というようなことも、この防災・減災の中に位置づけたらどうかということでございます。
 そういうものを中目標にして、取組の方を具体的にマルで書かせていただいているところでございます。これも、やっぱり文科省の役割としては、総合的な調査分析をして現状を把握して、地震の発生のメカニズムというのを解明、理解していき、観測のデータがどう地震につながっていくかというのをつないで、それが起こったときに社会環境にどう影響を与えるのかと、そういうものの知見を政策的な議論に反映させていくという、政策的な議論は地震調査研究推進本部や中央防災会議などですけれども、そういう場に反映させるというのが我々の役割かなということで、整理をして書いておるところでございます。
 次は、19ページ、4ポツで基盤的技術の開発と産業競争力の強化と。この辺からちょっと何となくまだうまく整理され切れていないなというところですけれども、第5期基本計画上は基盤的技術、産業競争力の強化、二つあります。国家戦略上重要なフロンティアの開拓というような中に、いろんな開発・利用技術を支える基盤技術、こういうものを位置づけた上で、今回の第5期基本計画のトピックでもあります超スマート社会、このスマート社会実現に向けた基盤技術という中にも幾つか関連するものが入っていて、ビッグデータでありますとかAIでありますとかロボット、センサー、そういったものが入っていますので、そういったものを受けて少しブレークダウンしていったらどうかということでございます。
 こういう大目標の達成のために、中目標というのが19ページの下の方に書いてありますけれども、まず1から3の研究開発を支えるいろんな調査技術、観測利用技術の開発・運用とともに、シミュレーション技術やビッグデータ収集技術等の情報基盤の整備・運用と、このように分けて考えるとともに、また、こういったものの中で特にビッグデータ解析、AI技術、センサー、ロボット、バイオテクノロジーは、超スマート社会を支える基盤技術ということで、これは科学技術基本計画に入れられた技術でございますので、そういった観点からも強化を図っていますよというようなことを中目標に掲げているということでございます。
 具体的な中身は20ページに掲げておりますけれども、大きく基盤技術の方が二つ、先端的基盤技術と言われているのはちょっとややこしいですが、いわゆる要素技術です。前の方を見ていただくと、イメージがある程度わかると思います。音響通信、複合通信、計測・センシング、測位、検知・探知と、いろんな要素技術の高度化を図り、技術の高度化につなげていくという部分と、そういったものを高精度・高機能観測システムの開発につなげていくという、そういった大きな二つの取組を掲げております。
 特に、高精度・高機能観測システムの開発では、分科会の下の委員会でも深海探査システムのあり方という報告書をまとめていただいておりますので、そういうものも踏まえながら、また、今、掘削、専門家を活用しながらいろいろやっていますけれども、そういった掘削技術についても高度なものを開発するというようなことがここの取組として書かれています。
 情報基盤の方については、地球シミュレーターなんかを活用しながら海洋地球科学の推進のために必要な先端的な融合情報科学ということで、先進的なプロセスモデルの開発であるとか、そういったものをデータ統合・解析システムという手法で開発する、あるいは情報基盤として構築していくと、こういったような取組を具体的なものとして掲げさせていただいております。
 そして、23ページからは、先ほどありました基礎研究の推進ということで、ここは大目標が基本計画に、これを支える科学的知見ということを踏まえつつ書いておりまして、ここは確かにちょっとまだうまく整理をされていなくて、一般的な基礎研究と、あと特にIODPでやっている科学掘削の部分というのが、これまでの部分にちょっと入りきらないかなと思うものですから、基礎研究という項目を立てる必要がある。それで、少しここでも位置づけたというような経緯がございます。
 中目標というのが深海底の科学調査や観測による実態解明であるとか新たな知見の蓄積、そういったものを中目標に掲げ、それをやるために、(1)は掘削科学による科学的知見の拡大ということで、まさにIODPの話が書かれていると。(2)が科学的な知見の拡大ということで、一般的な基礎研究をきちんとやっていきますよというようなことを(2)で掲げていて、基本計画上、基礎研究というのは課題解決の中に入っていないですけれども、ちょっとほかの分野のものも見ながら、やっぱり文部科学省では基礎研究というのも研究開発に係る重点推進分野の方に入れるのがいいんじゃないかということで、この大きな2.に基礎研究を今回移してきたということでございます。
 ちょっと雑駁になりましたけれども、時間も限られていますので、ローマ数字2.については以上でございます。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございました。
 この参考資料の2というところに赤と緑で項目があるのが、この間と今回と変わった点が書かれています。この五つの項目が妥当であるかというのは、今日少し話し合いをする必要があります。
 それで、それぞれの項目の構成というのを理解していただく必要があると思うんです。参考資料2の2ページ目を見ていただくと、1.という、極域及び海洋のというところから、その下の構成がどうなっているかというと、いろいろな形の括弧があってわかりにくいですけれども、具体的には資料1の6ページと7ページを見ていただくと、ここに「1.極域及び海洋の総合的な理解とガバナンスの強化」というのがあります。これが要するに大目標の1番ですよね。その下に<大目標>というのがあり、その次に大目標達成のために必要な中目標というのがページの真ん中よりちょっと下にあります。
 それで、その中目標の下に、今度は7ページの上から7行目ぐらいのところに【中目標の達成状況の評価のための指標(目標値)】というのとか、この下に、【中目標達成のために重点的に推進すべき研究開発の取組】という辺りの【】があり、その下に(1)というのがあります。これがその中に入る小さな項目で、7ページの下の方を見ていただくと白マルが幾つかあります。この白マルが実際に、例えばこの部分をやるべきですよとか、具体的な研究テーマが書かれていますよね。
 ですので、今日話をしていただくのは、最初、極域及び海洋の総合的な理解という大目標の部分、それから中目標の部分、そして最終的には(1)の中でのマルが幾つか書いてある、それから(2)の中で白マルが幾つか書かれている、そういうふうな構成となっていて、白マルの部分が実際にそれぞれの研究テーマに対応しているという構成ですね。そこら辺の文章構成は非常によくできていると私は思いますけれども、研究テーマを正当化する前半の方のストーリーは、もう少し強く言う必要があるのではないかという議論があったと思います。
 それで、見ていきますと、一番目の極域及び海洋の総合的な理解とガバナンスの強化というのは11ページまであるわけですが、10ページの下半分ぐらいにこれまでの分科会での主な意見というのがあって、その意見は大分現在の文章には反映していただいていますけれども、今日の議論を受けてさらに強化をしていただく。
 そして、具体的にやることは白マル、構成の一番下の白マルのところになっているわけですけれども、その前は科学技術基本計画であるとか海洋基本計画で制度化が行われていて、そういうことがあるから具体的にはこうやるんだという、つまりその文章にグランドデザイン的な部分と、先ほど説明があったように実際に文科省としての役割というのとが両方入っていて、大目標の柱が五つに分かれているという、そういう構成ですね。
 まず、全体の大目標の柱の分け方、今回少し変わっていますけれども、それが良いかという議論と、それからその一個一個の中身を見ていくという議論を分けてやる必要があると思います。とりあえず、一個一個まず見ていって、やっぱりこの分け方はまずいねと、これはこれと組み合わせた方がいいねというふうな方向があればその後議論していただければと思います。
 ですので、まず五つの項目について一個ずつ、1ポツ、2ポツという一番大きな部分からをそれぞれちょっと何十分かかけて議論していきたいというのが希望です。
 つまり、全体として、そういう大目標の柱が適切かどうかということはありますが、一応仮にここの1.はいいと仮定して、それで内容をこういうふうに直すべきだとかを少し議論していただければと思います。
 じゃ、白山先生。
【白山委員】  全体はとてもうまく整理されていると思いますが、1ポツの(1)の大目標で生物多様性損失防止というのが大目標になっていますけれども、これ、極端なことを言いますと、生物多様性の損失を防止するために 人間が一切それを使わないというのがベストかというと、そうではないと思うんです。つまり、これ、多様性の損失を防止するだけじゃなくて、生態系サービスを持続的に利活用するということも、研究開発としては非常に重要なポイントだと思うんです。
 今の世界的な流れとしては、むしろそっちに、ある種の保全ということだけ考えるのではなくて、生態系の機能と役割をしっかりと持続可能な形で使うということが、むしろ多分、研究開発のゴールになっているのではないかと思います。
 日本の研究者、特に生態系サービスなんか一生懸命やっている研究者の視点では、むしろ今の社会は利用可能な生態系サービスを十分に使っていなくて、本当はこれだけ使えるのに、そのうちの持続可能に使える生態系サービスはもっと大きなものがあるのに、そのうちの一部しかまだ使っていなくて、アンダーユースだという視点も最近は出てきていて、例えば里山という考え方は、アンダーユースであるがゆえに生物多様性が損失しているというような議論すらあるということなんですね。
 何となく、どうしても議論として多様性の損失という言葉だけが出てきちゃうと、人が介入するなというふうについつながってしまいがちですけれども、そうじゃなくて、アンダーユースによる多様性の損失というのもあり得るので、適切な生態系サービスの利活用ということをもう少し前面にお出しになってもいいかなと。もしかすると新しいそういった理念の考えかもしれませんが、去年ぐらいの日本のJBO(Japan Biodiversity Outlook)というんですか、生物多様性についての報告書なんかにもそのように書かれています。
【浦辺分科会長】  じゃ、藤井委員、お願いします。
【藤井委員】  今の御議論につながるんですけれども、2ページの辺とか文言の問題で、「海洋及び海洋資源の管理、保全及び持続可能な利用」という表現が、ちょっと微妙に何か使い分けているのかどうかわからないんですけれども、「及び海洋資源の管理、保全及び持続的利用」というのとか、それから「管理、保全」のところが「、」になっているのと「・」になっているので微妙に意味が違ってくると思うんですね。
 この辺を統一して書きたいのと、今、白山先生の言った御議論は非常に大事なところで、海洋の管理・保全の問題と海洋資源の管理・保全と別なので、恐らくそれをこのガバナンスという言葉で両方見ようということで入っていると思うんですが、ガバナンスについての説明がほとんどないので、どっちを見ているんだと、その資源利用が不十分と見る人もいるし、逆に資源利用に偏っていると見る人もいる。そこのところは全体を通して見ると、まずはガバナンスでいいと思うんですけれども。最初の案ですと、海洋生態系の保全と海洋生物資源の開発、利用と明確に二つに分けていましたけれども、両方とも実はガバナンスでくくらないと、どっちかに偏っちゃうといけないということだと思います。このガバナンスとした場合に、海洋部分は特に、我が国だけのガバナンスじゃなくなってくるのに、そこら辺の言及も余りないので、国際的、インターナショナルな部分、つまり公海の部分をどうするかとか、できればそのガバナンスのところをその前の方で補強していただいて、なぜここでガバナンスという言葉を使うのかというのがわかるように書いていただくと、海洋及び海洋資源という両方の視点をガバナンスという言葉で担っていくというふうに読めると思いますから、そこのところをちょっと修正いただきたい。
 それと、「海洋資源の開発・利用」としちゃうと、これは開発と利用が一体になりますよね。ですから、そういうふうに理解して進めた方がいい部分とそうじゃない部分とを書き分けているとはちょっと思えないですけれども、例えば2ページの上のところは「、」でやっていて、それから2ページの下のところもですね、「海洋資源の管理、保全、持続可能な」と書いているんですけれども、大目標のところでは「海洋資源の開発・利用」となっているという、これに意味があればそういうふうに書き分けていただきたいと思うんですけれども、ちょっとその辺が気になりました。
 基本的には、ですから海洋の保全の議論と海洋資源の開発・利用の分というものが両方大事なので、そこは今先ほど事務局の御説明では大体わかるんですね、ずっと聞くと。だけど、多分多くの方はずっと聞かないので、ちょっと最初に整理していただければと思います。
 以上です。
【浦辺分科会長】  じゃ、窪川委員。
【窪川委員】  今の御議論と関係しますけれども、最初に委員長がお話しされたように、海に関する研究も大分進んできましたが、やはり海洋、生物多様性というものの全解明というのはまだまだずっと先の話ですので、沿岸から超深海までの、あるいは深海までの生物多様性の解明というのは、まず強調してしかるべきではないかと思います。それから、日本でもその研究が進んでおりますので、国際的な評価基準も、これは国際的なルール作りに貢献されますけれども、具体的な評価基準を作るというようなことを盛り込まれるといいと思いました。
 それから、ゲノム解析とかその他もろもろの先端技術がありますけれども、これも実際にはばらばらな研究がいろんなところで行われているので、先端的な、体系的なといったような言葉を入れて、向かう方向というのが見えるようにする方がいいように思います。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございます。
 ちょっとお尋ねしたいのですが、結局、個々の場の生物情報に関してはすごく足らない。いろんなことで、いろんな分野の人がすごく足らないと思っている。しかも、それが一体どういう理由で魚がとれなくなった、ある魚がとれないのはなぜというふうな非常に素朴な疑問にもなかなか答えられない。それから生態系に何かが物すごく悪い影響を与えているのか、それとも先ほど白山委員の話にあったようにアンダーユースの部分があるのかとか、そこら辺の答えを出してくださいと言われても、なかなか今の状況では難しいと。
 そうすると、実態がわからないというところがある一方、科学の利活用の方はどんどん要望としてサイエンティストに向けられているわけですね。そうすると、その中で今、窪川委員がおっしゃった、まだこのデータは足りない、だからそこは体系的なデータを取るような協議をしなさいということと、今のガバナンスに関して言うと、じゃ足らないのは後でやりましょうというのもあるので、ガバナンスについてはどう書けばいいのかちょっとわからなかったので、教えていただけますか。
【窪川委員】  やはり介入することにより、先ほどから議論があります利活用に対する方策ができてくるというような流れを考えていたのですけれども、要するにそれは多様性評価、それから環境評価です。その上に立つガバナンスという形です。この流れが別々になっていて見えなかったというところがあります。
【浦辺分科会長】  ほかに。
 じゃ、中田委員、お願いします。
【中田委員】  先ほどの前の議論のときに、みんな並列的に書かれていて、どこに重みづけがあるかわからないという話があったと思いますけれども、比較的この1から5番目というのは、その流れをちょっと意識された並べ方かなと思って、まず見ました。そうしたときに、各国の動きを見ると、サステイナブル、持続可能な発展とか発達とか、そういうものが出てきて、日本も多分そういうところを目指していて、それをベースにして多様性の話とかいろいろあると思うので、例えば1番目の目標のときに「持続発展のための」というのをどこかに補うとか、そういうのをしておくとちょっとわかりやすいかなと思いました。
【浦辺分科会長】  鷲尾委員。
【鷲尾委員】  すみません、小さいことですけれども、6ページの生物多様性のパラグラフの一番下の行で「里地里山等」と書いてあるんです。せっかく海のことですから「里海」というふうにしていただけたらありがたい。どうやって利用するか、それがどうガバナンスしてマネジメントしていくかという思いを込めて「里海」という言葉を入れていただけたらありがたい。
【事務局】  第1点のところは引用なので、つまり第5期基本計画とか海洋計画とかに書いてあるものをそのまま引用する、一応全体的な話になって、ルールというか、この計画を作る上での入れ方になっていて、中目標では、具体的に文科省内部でやることを書いているので、そこら辺、例えば生物多様性の損失防止ということだけではなくて、さっきも出ていた持続的な利用とか、ちょっと変えたりしてやっているところです。上は基本的に引用なので、もうこれはこれです。もし「里海」と書くのであれば、中目標に何かどういう形で入れていったらいいかと、そういう話になると思います。
【浦辺分科会長】  竹山委員。
【竹山委員】  明快な言葉が浮かばないんですが、例えば「海洋環境の変化の把握とその生態系への影響の解明」と、多分この何年間も言われている言葉ですよね。なので、もしここで新規にまたこういうふうに置くのであれば、言葉で今までとは違うんだよということを言わせるべきではないかと思います。
 なぜかというと、モニタリングってすごく何十年もやってきてはいるんですけれども、結局、各省庁でモニタリングをやっていて、もうモニタリングじゃ何も出ないとかいってお金が切られた時期があって、再度今またモニタリングと言っているんですけれども、じゃ、その何十年前にやっていたモニタリングと今と何が違うのかということを何かここに盛り込むような、今までじゃない重要性のある、やり方も違うわけですよね。ここで何かプロジェクトを上げると、みんな自分が思っている同じ手法で、昔ながらのやり方でばらばらにまたやって、相変わらずデータのとり方も何もみんな違っていて、最後に集約するときにまた苦労するみたいなことが起こるんですね。
 そうでない、新しい考え方でのいわゆる手法論を、ルールと書いていますが、標準化した上での次世代のデータとして活用できるような次世代型のモニタリングシステムの開発であって、それが本当にイノベーションにつながるような手法論であって、そこが多分20年前の言葉と変わっていないので、どうにかならないのかなと。
 すみません、ちょっとすぐ、いきなり見て、そう思うイメージが余りにもあるので、何かいい書きぶりがないかなというのがちょっとあるのですが。
【浦辺分科会長】  ありがとうございます。
 いろいろ政府の委員会に竹山委員はたくさん出ておられて、そういうところを非常に強く印象づけられたのだと思います。やはり全体として書くべきことは皆書いてあるんだけど、そこのストラクチャーは少し弱いような気がするんですが、今非常に大きなキーワードとしては、やはりレジリエンスという、いろいろな意味でのレジリエンスというのがキーワードになると思うんですね。
 先ほど白山委員のお話も、結局は、何かただただスタティックな美しい自然というのがあって、それを守るというような概念は、ある一部の方がおっしゃるわけだけども、それは基本的には古い概念で、やはりダイナミックな生態系がそこにあって、さまざまに変化していくということが、今までの基礎研究でわかってきたことはそういうことですよね。生態系というものはスタティックなものでなくて、非常にダイナミックなことを繰り返していると。そうすると、そこで重要な概念はやっぱりレジリエンスなので、全てのいろんなデータがそちらに向かって、どういうレジリエンスがあって、だから、どういうポリシーを作ればいいのかという、そういうところに多分向かっていくのかな。
 そうすると、観測であるとか、それから環境保護とかの目標を大きく見直していく、そのために必要なデータベース、そのために必要なデータというのが何であって、それをどうとっていくのかということが、今後、政策を決定していく上に必要で、それを我が国としては世界に、これはやらなくちゃいけないとはっきり言う、そういう政策につながる、本当のダイナミックな生態系の保護につながるような情報をきちっととって、それをガバナンスと呼んでいくのだという、そういうふうな大きな枠が必要かなというふうに思います。
 それで、アメリカの言葉遣いをすれば、スチュワードシップ(stewardship)という言葉を使っていますけれども、それは非常にわかりやすい言葉だと思うんですね。それから、もう一つの別の言い方をすれば順応的管理、アダプティブ・マネジメント(adaptive management)みたいな、そういうふうな管理のやり方が可能になるような、政策に資するような、ダイナミックな生態系を見た上でのレスポンスであるとかに向けてどうサイエンスベースで政策を作っていくのかというようなことが出てくるのかなという気がします。
 このガバナンスという言葉がなかなか難しいんですけれども、今いったようなものを背景にしたガバナンスを国として構築していく、そのために何が必要なのかということになってくるかと思うんです。国際法でいろいろ、西村先生は非常にこういうことにお詳しいと思いますけれども、そういう意味で国の外交政策というか、国家政策の上でどういうふうな視点を持ってここのガバナンスを考えるべきなのかというのを、ちょっと御意見をお伺いできればと思います。
【西村委員】  直接のお答えをする前に、ガバナンスをどう捉えるかは設定される目標との関係になると思うのですが、資料を拝見していまして、6ページ目の中目標の下の方に「国際的なルール作りに貢献する」とありまして、7ページの中目標達成のための研究開発の取組の(1)の最後にも、「国際的なルール作りへも貢献する」と書かれているのですけれども、その両者の違い、文章の構造がまずよくわかりませんでした。
 それとの関係で、中目標達成のために重点的に推進すべき研究開発の取組の直前に書いてあります目標値というところ、空欄になっているところが、この文章の中でどういう位置づけになっているのかがわかりません。最終的なアウトプットとの関係で記述の流れがどうなっているのかについて教えていただけませんでしょうか。
【事務局】  よろしいですか。そこをまずちょっとお答えして。
 まだうまく書き切れていないというのがあるんですけれども、基本的な考え方としては、6ページの下に書いてあるのが中目標になります。なので、中目標としては、国際的なルール作りに貢献というのは多分中目標だろうと。その手段として、前に書いてありますけれども、得られた知見を国内外に発信して政策的な議論に反映させますよと、これは手段として書いてあって、そういうことをやることによって国際的なルール作りに貢献するというのが中目標として掲げられています。
 それで、今度、取組では、今言った手段の方をより具体化して本当は書かないといけないのですが、その手段の具体化が余りされていないので、同じような形になっていて、アンダーライン引いているところだけ違いますけれども、要はこれ国際的なルール作りへの貢献のために、いわゆる科学的知見を国内外に発信する等の取組を書いているわけです。
 本当はここをもう少し具体化できれば、例えばこういうこと、こういうこと、こういうことで、こういう取組をすることによって、中目標の国際的なルール作りに貢献していきますよというように取組をもうちょっと具体的に書ければ、本当はここに書く方がいいのですけれども、そういう書かれているところの重点が違うという、そういう趣旨ですので、基本的に同じようなことを取組のところでは具体化して書くというのが考え方になっていて、じゃ目標値のところに何を書くかというと、中目標は国際的なルールへの貢献ということが中目標なので、他のアウトカム指標であればそのルール作り、指標ができるかどうかわかりませんが、どれぐらい貢献しましたかというのが多分アウトカムの指標になって、アウトプットは、その取組についてはどれぐらい発信しましたかというのが、多分ここで言うところの基本的なアウトプット指標になってくるのではないかと思います。それをどうやって測るかというのは、ちょっとできることとできないことがあるので、具体的に何を定めたらいいかというのは少し検討が必要かと思いますけれども、考え方としてはそういうことになるかと思います。
【西村委員】  ありがとうございます。
 ガバナンスですけれども、国際法上のルール作りの場では、余りガバナンスという概念は使われていません。BBNJにおいてもガバナンス概念を用いて統合的にルール作りを行うという対応はされておらず、個別イシュー毎の交渉になっています。それに対して、ガバナンスという形でイシュー間のバランスをとって対応しなければ実際はいけないのだということをこちらから入れていく必要があるのだと思うんですね。
 国際的ルール作りの場で言われている言葉遣いと、多分こちらでやろうとしていることとの間にはずれがあると思うので、国際ルール作りに対する貢献というときに、保全と利活用をうまくバランスをとってやっていくために、概念作りをして提案していかないと、こちらの言葉遣いだけで提案してもなかなか受け入れてもらえないというところが出てくるのではないかなと思っております。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございました。
 たっぷり時間はとっていたんですけれども、次の海洋資源の開発・利用というところもやる必要があるので、12ページですね、海洋資源の開発・利用に移ります。これも大目標、中目標というふうに書かれていて、ここでは生物資源と鉱物資源というのが分けて書いてあります。これは両方の資源が入っているわけですけれども、これについて少し議論を続けたいと思いますが、いかがでしょうか。
【辻本委員】  海洋鉱物資源のところについては、どこよりも深く関わっておりますけれども、ここに書かれていることは、今現在進行していますSIPのプロジェクトとかなり調和的な内容で書かれているなということと、この事業については経済産業省もかなり関わっておるわけですが、SIP等を通じて経済産業省ともかなりいろんな議論を重ねられているということで、その辺りを踏まえた書かれ方になっているというのが私の印象です。
 今実際、最も力を入れております海底熱水鉱床については、今のところ平成30年度で一旦区切りがつくわけです。来年、採鉱・揚鉱試験の後、平成30年度にはその時点での経済性評価を行うということになっております。
 海洋基本計画では、平成30年代の後半以降に民間が参画する形での商業化を目指したプロジェクトを始めるという動きになっておりまして、今、経産省の方と我々の間で平成31年以降は具体的にどういうことに取り組むかというのが大きな議題になっています。
 そういう中で、一つやはり大きなのは、資源量を明確に定量的に目標を置いて商業化を目指せるレベルまで確認するということが大きなテーマになっておりまして、どの辺の数値を置くか。例えば3,000万トンなり5,000万トンなり1億トンというそういう具体的な数値を置いて探査を推進して、その目標を達成しようということが大きなものになっておりますので、ここに書かれておりますような一連の調査技術の推進、資源量把握に貢献するための諸施策は、そのまま直結するということで、海洋鉱物資源に係るものとしては、ここに書かれている書かれ方というのは、今の我々が経産省と進めております流れの中でも非常に調和的なものではないかなというふうに考えております。
【浦辺分科会長】  辻本委員、どうもありがとうございました。
 じゃ、竹山委員。
【竹山委員】  質問ですけれども、ここ、「開発・利用」となっておりますよね、その2ポツは。実際、大目標に対する中目標が手法論の開発でとまっているものが余りにも多くて、今回これでやるべきことは、今日から5年の先なのか、たしかこの初めは10年を見据えてというふうになってくると、研究者側からいうとこれは一番楽な話で、開発、開発、開発で、実際にそれ使えるかどうかはまた別問題で、手法論を開発というのは、手法論とかは開発はいっぱいできるんですよね。ただ、その開発されたものの中から、本当に使って、みんなの標準的なプロトコルになって、国力に資するものにまでつながるかというと、ここがいつも弱くて、もう海洋だけじゃなくて、全てにおいてこういう体言止めは多いんですけれども、物になっていないものが余りに多いんですよね。
 だから、ここをもし今、国もイノベーション、イノベーションと言い続けて、次は実践イノベーションで本当にやらなきゃだめですよと言ってプッシュしているんですが、ここも手法論の開発はもちろん必要ですけれども、その先を書かないといけないと思うのですが、じゃ実際、今どうなっているのかということがちょっとわからなくて、今お話しになって、もう既にSIPとかいろんなもので経産省からも予算をとってやっている中で、多分手法論だけじゃなくて、実際データをとっていって、本当にラインがどこにあるかというのもにらみながらかなりやっていらっしゃるのではないかなと思うんですね。
 そうすると、開発だけじゃなくてそれを実施するということをここに盛り込まないと、来年だけの話だったらいいですけれども、先の10年というのでしたら、ちょっと言葉が足りないと思いました。
【事務局】  趣旨はよくわかりましたので、手法の確立というのは、そういう意味を込めて一応書いたつもりですが、もう少し、手法を確立するということは、当然使えるものを作るということだろうと。手法の確立に向けた研究開発というのはそういう研究開発ですけれども、共通した手法の確立なんか当然使われてというのがあるのかなと思ってはいるんですが、少し明確にしたいと思います。
【竹山委員】  研究者側からだと、大体この体言止めだとどこら辺までやればというのが何かあるんで、もっと明確に……
【事務局】  それだけ入れたら結構きついかなと思ったんです。
【竹山委員】  もう本当に実践させるというところを明確に出した方がいいと思います。
【浦辺分科会長】  白山委員。
【白山委員】  ありがとうございます。先ほど大目標というのは、ある特定の文章から引っ張ったらしいみたいな、そういうお話でしたが、海洋空間の利活用という(3)、ペンディングになっていますが、これももし大目標、中目標という形にするならば、何らかのレファレンスが必要になってくるんですけれども、これ、可能性のあるレファレンスがあるんだろうかと。ただ、是非この項目は入れていただきたいなというふうに思うので、やっていただきたいという願いと、じゃ具体的に何があるのかということですよね。
 例えばですが、現在既に実証段階ではありますけれども、CCSなんかは一つのケースで、今のところどこにも入っていないのではないかと思いますが、それから養殖技術等々も結構夢のある話がたくさんあって、海藻類なんかを広大な海洋空間に底をざっとならして、あとはゆっくりゆっくり回すと1年かけて大きくなったやつを回収するとか、そんなような議論もあるようです。
 非常に遠い将来の、事業実施は10年で物になるということで、やや、今の2番目のケースはちょっと難しいかもしれませんが、CCSなんかはもう既に始まっているものですので、海洋空間をいろいろと鉱物資源の開発以外にも、いろんなアイデアがいろんな形で利活用するというのは、是非とも視点として入れていただきたいというふうに思いますけれども、お願いします。
【浦辺分科会長】  では、木島委員。
【木島委員】  大目標2番目の海洋生物資源ですね。海洋資源の開発・利用のところで、(2)の海洋生物資源の安定的な確保及び利用と記載されていますが、これは沿岸に限られるような印象があるんですけれども、増殖、養殖、そのほか全体の漁業ということに対するイメージが低いと感じたんですけれども、中田先生や鷲尾先生はいかがでしょうか。
【中田委員】  私自身は、必ずしもそうはとらないで見ています。ただ、まず1番目に理解の問題ですけれども、1番目の方で生物多様性というのがあって、多分そこで出てくる知見とか情報というのは、この海洋生物資源というところと随分オーバーラップしてくる部分があるんですよね。多様性で言われる生態系サービスのうちの供給サービスを利用するという視点だけ取り込んで、ここに持ってきているという整理がまず必要かなというのは感じました。
 あと、(2)に関しては、増殖、養殖という沿岸域の部分、先ほど白山先生がおっしゃったああいう沖合というような話も入ってきていると思います。それから、もう一つ、後段の方の資源の話ですね。海洋生態系を高精度かつ長期的に観測し、海洋生物生産を支える云々とある部分は、沿岸も沖合も関わりなくという部分で、先ほど竹山先生から、ずっと長い間観測していて何が出てくるのかみたいな話があって、結構印象的には出てくるよという話がありましたけれども、最近、長期のデータが積み重なったからこそ、例えば親潮域と黒潮域、何で同じタイミングで生物生産がふえるのかとか、あとそれには北太平洋の中層水が湧き上がってくるというのが重要だよとか、いろんなことが見えてきて、これも1と関係しますけれども、理解が進む、その理解を進める必要があるというニュアンスがもう少し出てくるといいかなと思いました。
 以上です。
【浦辺分科会長】  じゃ、木島委員。
【木島委員】  ありがとうございました。
 今のそういう理解で、私もそういう理解をしたいと思ったんですけれども、やはり海洋生物の正確な資源利用予測を行うための生態系を総合的に解明する研究というのがあって、海洋全体の生産を考えたとき、沿岸域と沖合域、また沿岸域の中でも遺伝的な変化を加えた生物(GMO)をどういうふうに開放系で養殖するか、あるいは放流するのか、その部分が非常に重要なポイントとなってくると思うんです。そのところを、私もちょっと文章が今すぐ浮かびませんけれども、考えてみないと、将来に向かって気をつけなきゃいけない部分があるのではないかなというふうに感じましたので、ちょっと発言させていただきました。
【浦辺分科会長】  じゃ、藤井委員。その後、鷲尾委員、お願いします。
【藤井委員】  すみません、この大目標、今の御議論聞いていて思ったんですが、大目標の1からこういうのは並列ではなくて、1が全体を包含するものだというのは明確に書いた方がいいと思いますね。したがって、そのガバナンスも入ってくると、結局、具体的に言えば予算の問題が入ってくるので、何を優先するか。それから、モニタリングも先ほどの御議論のようにずっとやっているものじゃなくて最新のものを、それできかないものはやめちゃうとか、そう考えなくてもいいですけれども、なかなか、その辺りは当然入ってくるので、そういうことでこの2から5までは各論でやっていますということがわかるように書けば、幾つかの問題点が整理できるのではなないかと思います。
【鷲尾委員】  同じような話ですけれども、資源利用というと、やっぱり人間活動に利するという観点が強いかと思いますけれども、そういう意味では、偏った利用が行われているという部分があると思うんです。ですから、未利用資源を活性化させるというような方法もあると思いますし、生態系全体像をどういう形で維持するかという観点とか、ちょっといろんなレベルの違いが生じてきているのではないかと思っています。
 そういう意味で、この「高精度かつ長期的に観測し」というのは非常に大事なことですけれども、それぞれが我田引水的に取り組んでいる部分があるのではないかと。今お話があったように、遺伝子改変した生物を開放系に持っていっていいかどうかという環境倫理の話も絡んでくると思いますので、その辺り、逆に言うと閉鎖性で確実に閉じ込められるというような技術開発も一方で要るかと思うんですね。その辺りの何をどこにというのが全部くるめられているという印象があって、ちょっとわかりにくいなという気はいたしております。
【浦辺分科会長】  じゃ、田村委員。
【田村委員】  大目標に書いてある資源というのは、明らかにエネルギーを含んでいる感じはしますけれども、中目標になると、もうそこはないという感じになりますが、これは意図的なものなのでしょうか。
【浦辺分科会長】  次の14ページに懸念としては書いていますね。
【田村委員】  はい、14ページ。
【事務局】  科学技術基本計画上、資源とは別にエネルギーというのが書いてあるので、この資源にはエネルギー資源は基本的に入っていない鉱物資源……。鉱物資源、化石燃料とかそういう意味でのエネルギー資源は入っていますけれども、再生エネルギーみたいなやつは別の項目であると、もしそれをやるんだったら別途大目標をエネルギーのところから移してくる。科学技術基本計画の抜粋をちょっとお配りしていますけれども、参考資料5で。その17ページを見ていただくと、そのエネルギーの部分と資源の部分というのは二つに分かれていますというのがまずあって、それで今現在、実際にこの海洋開発という観点からは、海洋エネルギーはやっていないものですから、今位置づけていない。
 もしやるのであれば位置づけてこういうことをやっていきましょうということになるわけですけれども、この研究開発計画、ずっと最初から説明していますが、ある意味、実施計画という部分があって、どこまでとなると、後からフォローアップをかけるとかそういう話があるので、余りきちんと位置づけておくと、まあやらなきゃいけない、わかっているんだけども、なかなか手がつかないのでというところを明確に書いてしまうと、後からフォローアップしたときに変な話にもなってしまうので、ある程度見えるところを書きながら、それでもやっぱり重要なところ、例えばガバナンスの話であるとか、そういう今大きく湧き上がっているものはこういうことをやらなきゃいけないというのを書いてもいいと思うんですけれども、やっていないようなところをいっぱい書くと、後からフォローアップしたときに変な話になってしまうので、ちょっと書き方にそこは工夫が必要だと思います。
【浦辺分科会長】  じゃ、高橋委員。
【高橋委員】  竹山委員の意見に賛成です。大目標の「海洋資源の開発・利用」は、いつも使っている言葉です。また他の大目標は「強化」だとか「推進」と書かれていますが、これだけは名詞でとまっています。例えば、海洋産業の育成だとか、新しい言葉もあると思います。新しい言葉を使って、新しさ、前向きさを示した方がいいと思います。
【浦辺分科会長】  ここも、やはり資源の安定的な確保とか開発・利用には、やはり資源量予測であるとか推定であるとか、影響を与えている各生物資源のですね、全体の理解の中でそれを利用していくなかで、将来の姿を知る手段も必要になります。たとえば、先ほどありました遺伝子改変をした生物を放してもいいのか、あるいはさまざまなデータを取ったときに、それが本当に資源予測につながるのか、そしてどの程度のことをやるべきなのかというふうなことは、全体の大目標の柱1.の中から2.を抜き出して、それ特有のものを議論しているということですので、手法開発だけではなくて、予測であるとか、資源を利用するために必要な手段であるとか、そういうものを少し記載できればいいかなというふうに思います。
 それでは、時間もあるので……
 はい、鷲尾委員。
【鷲尾委員】  14ページの(3)の海洋空間の利用のところですけれども、上にあるところをもとにまとめられようとしておりますけれども、その空間利用のルール作りということが必要になってくると思います。そういう意味では、どうしても自然科学系ばかりになっておりますけれども、人文社会科学に関わる検討というものもこの部分では出てくるのではないか。社会的な環境調整ということが必要になってくると思いますので、それも是非書き込んでいただけたらと思います。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございます。非常に重要な点です。
 それでは、3.海洋由来の自然災害への防災・減災ということで、16ページに移ります。
 これも先ほどの区分でいくと、ある程度ローカルな部分が非常に入ってきていて、17ページの真ん中の辺りに論点、中目標は海洋分野における文科省の役割として適当か、それから、研究開発の取組で新たなものは何かあるのかということでございます。
 これは、相当はっきりと、目標が非常にローカルな問題なので、明快に出ているかなと思うので、これについては新たに何かつけ加えることがあれば。
 ここのところでの特徴は、要するに沿岸域と沖合の問題とに分けた場合、沖合の災害というのは余りないので、沿岸域の生態系に対して災害がどう影響するのかという、特に陸と海とのつながりの部分ですね、そこが問題になると思うのですが、この辺、白山委員、何かありますか。
【白山委員】  全体として、とてもよく出来ているかというのが、むしろここのところについては私の印象で、特にレジリエントというような重要なキーワードも入っているし、それから基本的に自然災害、はっきり言って大きく二つで、地震・津波みたいな突発的かつ適応が非常に難しいものと、それから台風等々である程度数日ぐらいの、現実では多少動き予測可能なものとあるわけですけれども、それぞれにうまく対応したレジリエントな社会の構築に資する、そういうようなイメージがしっかり出ていていいなというふうに私としては思っておったんですけれども。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございます。
 これについては、18ページにいろいろこれまでの議論がありまして、鷲尾委員等からも出されていますけれども、復興のキーワードであるとか、それから普通の気象ですね、異常気象というべきか、津波・地震だけじゃなくて異常気象の問題もやはり少し加えるとか、その辺のところは今まで議論が出ていたかなというふうに思うんですが。
 鷲尾委員。
【鷲尾委員】  その辺、気象関係も海洋に関わる部分で加えていただけたらと思いますし、海岸浸食というのも一つの自然災害に当たってくる、ああいう人為的なものもまざってきてしまうかもしれませんけれども、海岸浸食という観点も要るんじゃないかというふうに思います。
【浦辺分科会長】  藤井委員。
【藤井委員】  同じことですが、それをこの結果、国際的な取組、国際貢献として位置づけて、防災・減災が、今言われた異常気象、温暖化対策の海面上昇等の対応策に応用できるという面を強調されるといいのではないかと思います。
【浦辺分科会長】  ありがとうございます。
 ここのところは非常に直しやすいというか、どうもありがとうございます。
 ほかに何かこの点で質問ございますか。
 じゃ、木島委員。
【木島委員】  今ちょうど防災・減災に関連した研究を担当しているので、一言あるんですけれども、これもレジリエントな環境を作るということでは、海洋空間をどのように震災から復興していくかが問題となります。そこに国際的な貢献ができるのではないかというふうに感じているところです。
 また、復興という名前を入れると日本の特有なものが出るのかなと思って、前にも申し上げたんですけれども、やはり防災・減災で復興の意味が含まれるのであればそのままでも構わないかなというふうに感じておるところです。
 以上です。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございます。
 窪川委員。
【窪川委員】  ちょっとここに入れるのかよくわからないで発言してすみません。
 科学的な知見の蓄積で、これはこの文章で大変ありがたく読ませていただきましたけれども、やはり実際に現場を見ると、住民ですとか、あるいは国民のそういう意識ですとか声ですとか、そういったことも中に入ってくると思いますので、少しだけでも触れていいと思います。
【事務局】  推進方策の方で。
【窪川委員】  ありがとうございます。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございます。
 そうすると、大体、次に移ってよろしいでしょうか。
 次は、4と5というのは、だんだん何となくぼやっとしてくるので、難しいところですけれども、4が19ページ、基盤的技術の開発と産業競争力の強化ということでございます。
 今、科学技術基本計画の中ではしょっちゅう出てくる超スマート社会であるとか、ここにも19ページの真ん中に書いてありますけれども、Society 5.0であるとか、なかなか海の分野では取組が難しい言葉も目的として出てきています。さらに、ビッグデータの問題というのも、一体、海の分野でのデータベースのあり方というのがどうなるのか。産業だけではなくてデータの問題というのはどうやっていけばいいのか。
 それは、最後の5番目の基礎研究にも非常につながっていくと思うんですけれども、データベースが、Society 5.0なんかでもそうですけれども、社会のニーズにどう役に立っていくのかという視点を持って語りなさいというのは大変難しいところだと思うんです。現在データベースに関しては、先ほども皆さんからお話がありましたように、各省庁でやっている基礎的なモニタリングというものが非常に痩せ細っている中で、基礎研究なり基本的な観測というものをきちっと担保していかなければ、いろんな要望に応えられない。
 その間のギャップを埋めるためにも、データベースという言葉であるとかモニタリングであるとか、それを安価に可能にする技術ですね。大量にデータをとるための技術というのがこうやれば可能になるんだというような目標がないと、なかなか、もう傭船代はどんどんけずられていくし、船も減っていくし、それを大学なり国の研究所で全部賄えといっても、これはなかなか難しい話になってきています。
 データベースもお金のもうかるものはやりなさいということだけだとなかなか難しいので、この全体のことについてちょっと皆さんの御意見を伺えればと思うんですが、いかがでしょうか。
 じゃ、中田先生。
【中田委員】  とったデータをデータベース化するのに、例えばデータを一々整理して、また新たにデータベースに入れ直しなさいと言うと、みんなすごく大変なわけですよ。あるところに入っているんだけど、それをまたみんな統合するためにそういう作業をするというのもなかなか難しいなと思うんですけれども、二つあると思っていて、一つはJST CRESTの生物多様性領域の中で作成されたMitoFishというデータベースがあります。次世代シークエンサー等で魚のゲノムをシーケンスしたら、それをクラウド空間上で解析し、シーケンス結果をMitoFishに照らし合わせてどのような魚がいたのか情報をえることができる。MitoFishで得られた結果がサンプルを採取した位置とともにどこかに蓄積されていくみたいな形になれば、「有り無し」だけですけれども、随分いろいろデータがたまりやすいかなというのが一つと。
 もう一つは、日本ではやっぱりまだまだ研究者が観測してデータをためるということをやっているので、しかもそういう研究者はいろんなことで評価されるわけですね。一番大きいのは、論文書いて、インパクトファクターといったら、どれだけ引用されたんだみたいな話ですけれども、ちゃんとデータをとって発信する、昔から言われていることですけれども、ちゃんとデータ集みたいなものに登録したとか、そういうことをきっちり評価していく仕組みというのが必要だと思います。
 最近、ある雑誌のレフェリーをやったときに、レフェリーやったということを業績として登録ししていいですかというのが出てきたんですけれども、そういうふうに世界的なシステムとしても、いろんな働きを登録してその人の実績に蓄積されていくということが出てきていますので、データについてもそういうふうな仕組みがあると随分違うかなと思いました。
 以上です。
【浦辺分科会長】  木島委員。
【木島委員】  我々もデータベースを非常に重要視しています。このデータベースの継続性をどのようにするのかが問題点の一つです。もう一つは、データベースの一番の問題点はデータの質だと思うんですね。これを信用していいかどうか。また、ネット上で、あるいはデータベース上でアーカイブする場合には、ハッキングの問題もあるし、壊される問題もあるので、管理のできるシステムが非常に重要だと思っています。今、農水もデータベースを持っているところはありますし、文科省も持っておられるでしょう。そういう統合的なデータベースを管理するところがあると非常にいいなというふうに感じているところです。
 ただ、基礎的な研究は知の集積である文科省として、こういうことをやれればいいと思っています。本当に全体の海の中に関連するデータが全て入るような、そういうようなデータベースが今後できると、世界をリードしていけるのかなというふうに感じているところです。
 以上です。
【浦辺分科会長】  じゃ、窪川委員。
【窪川委員】  データベースはユーザー側から言うとアップデートはすごく重要なので、何かがあったときに最新データで素早く対応できるシステムになると思います。
【浦辺分科会長】  では、白山委員、どうぞ。
【白山委員】  これ、先ほどのグローバルとローカルな話なんですけれども、これ全体で見ると何となくローカルなイメージですけれども、これから超スマート社会として日本が進むとしても、超スマート社会と海との関係を考えたときには、グローバルなデータがないと適切な確度のある気象予報もできないし、そういう意味からいうと、海洋研究の視点から考えると、このサイエンスを進めるというのについて、もっともっと数値を出していただいた方がいいのではないかというふうに印象としては受けております。
 結局、日本の生態系を日本で一生懸命データを幾らとっても、それで、太平洋辺りの赤道周辺、低緯度で発生する台風に関する適切な予報にはならないということなので、やっぱりこの辺りだけはもっとグローバルな要素を入れた方がよいです。
 それから、例えばですが、マグロだって日本の周りだけいるわけじゃなくて、太平洋を横断して泳いでいるわけですから、そういう観点からしても、やっぱりグローバルという視点を持ってすることが大事です。
【浦辺分科会長】  今回の研究開発計画案は、工学的なところが余り詳しくは書かれていないというか、海洋工学的なものは大分抜けているということはないけれども、重点が置かれていないようですが、ここの4番目のところはまさに工学なので、高橋委員、田村委員の方で、例えばこういうふうなときにどういう工学が必要なのかというふうな視点をつけ加えていただければありがたいんですが、何かお二人、ありますでしょうか。
【田村委員】  大体、工学系の人間は機械を造れば満足するところがありまして、何をとっているかというか、サイエンティストの方にいいネタを上げられればいいという感じでやっています。その意味では、このデータのとり方とかため方ってすごく重要で、最初にうまく使えるようなもので設計というか、設計はこちらでやれるんですけれども、勝手に造ると多分使えないものができ上がるというか、深海のデータなんかは結構いろんなものが届いてくるんですけれども、どうやって使うか結構難しいですね。
 その辺のところ、やっぱりサイエンティストの方々が必要な形式というものを割と早目に出していただければ、昔に比べるとデータは物すごく細かく出てくるので、やたらと多いんです。それを今度、多分利用するという、自分が行かなくても利用していろいろなことをできるサイエンティストというのがこれから出てくると思うんですけれども、そういった方がちゃんとした形で、このビッグデータというのは特にそういうことですけれども、そういったものを早目に、特に文科省さんで決めていただければ、割とそこに合わせた継続とか、もう余り入れるための努力をしなくても賄えるようなものでやっていけるという形に持ち込めるのではないかなと思います。
 だから、そういう意味では、結構ここはこの先、重要なところで、多分昔に比べると物すごいデータ量が今上がってきています。工学部の人はどうするんだろうしか言わないんですけれども、それは多分、見る人が見れば何かもっと貴重なものが中に含まれているのではないかなということが上がってくる世の中になっちゃいましたので、そういったところに早目に対応できるという意味では非常に重要な競争力強化になるのではないかというふうに考えております。
【浦辺分科会長】  まず、高橋委員、それから竹山委員とお願いします。
【高橋委員】   技術的なところは、ニーズが出てくればかなり対応できると思っています。データはあるところにはありますが、EEZを含めて日本全体を考えれば、そんなにデータがあるわけではない。陸上と同じように詳しいデータをとっていくという意思決定がないと、全体的には進まないと思います。
 以上です。
【竹山委員】  私も一応、工学ベースのバイオ、生物。
 こういうのを見ていると、今のはやりのAIや超スマート社会が入っていますけれども、一応Society 5.0とパラレルにIndustry 4.0というのがあるようなないような、そういうのもあったりするんですね。今ちょっとお話があったみたいに、ニーズとシーズというのはすごく大きくて、ただ、開発現場にいると思うのは、これは自分たちが造ると意外にニーズが作られていくという、技術がニーズを作る。そういうのを生物系の、例えばメディカル系なんて特にそうですけれども、今まで見られなかったものが、ある技術が特化してきたら見えるようになって、それをベースにしてがんの治療の仕方が変わるみたいな、そういうことってあるんですね。
 そうすると、海洋の中で技術を高めたことによってこれまで見えなかった新しいものが見えてくるということもあると思うんですね。データのとり方なんかも、今とっているやり方は、新しく原核生物 が入っていって新しい世界が開けてきたんですけれども、AUVか何かでいろんなものをとってくるときに大きなものはとってこられないですよね。そしたら、いかに少ない量で今までとってきたデータを確保できるかということになったりとか、結構そうするとAUVがすごく小さくてよかったりとか、どんどん変わってくるんですね。
 そうすると、データ量はたくさんとれるけれども、至るところに安く、サブマリンは安くなる、小さくなる、いっぱいあちこちでもっとデータをとってこられるとか、そういうことも出てくるので、もう少し技術をどうしたいのかということも含めて、海洋でこんなことができたらもっとすごいことになって、日本はリーディングポジションがとれるのにとか、出てきたデータをどうやるかということはどういうふうに解析するかなんですけれども、どういうデータをとるような技術ができればというところに日本のものづくりをここで復活させていただいてというのが、ちょっと日本の中でものづくりが余りにも収縮しているのでというのはあるんですね。じゃ、海洋で造ったからといって売れるのかというのは別問題で、一つの起爆剤にするということであってもいいのかなというのはあるんですね。
 だから、もう少しここの部分は、国のほかの会議から出てくる言葉に引っ張られ過ぎちゃっていて、海洋として何かいいワーディングをここに持ってきてもいいんじゃないかなと思うので、そうじゃないと、「またあの話ね」みたいなことになって、海洋だからこそ海洋のデータを今後もっとこういうふうにするためには、こんな技術、AIだけじゃないですよね。というのは、何かやっぱり少しワーキングなりで考えるべきところかなと思います。
【浦辺分科会長】  実際に、文科省では基盤ツール、新基盤ツールというプロジェクトでさまざまなセンサーを開発して、資源開発に向けた、資源調査・探査に使うセンサーですけれども、それがいろいろ新しい製品であるとか新しいセンサーであるとか、さまざまなものを生み出しているんですよね。
 そういうものを共有して、しかもそれで自動的にいろんなものが測れるようになり、小型化されると、一瞬にして、先ほど田村委員がおっしゃったように膨大なデータがわっととれて、それと、極端な話、漁獲量との関係とかが統計的に出てくるというふうな可能性がありますので、やはりデータのとり方、データベース、そしてその目的というものを、非常にうまく戦略的に立てる必要があります。海洋分野で、センサーとか技術を使った新たな方向性というのが出てくるべきだろうと思います。それが産業競争力にもつながるのかなということで、この辺の視点を少し考えていければと思います。
 それで、最後5番目、海洋科学技術を支える基礎的研究の推進というところですけれども、これも大目標の柱の後の方になると、白マルのテーマがなくなってくるので、少し書き込まなければいけないのが明快です。5.基礎的研究について、基礎的研究というのは絶対に必要なものなので、文科省としてそれには是非予算をつけてほしいと思って、お願いしているのですが、基礎的研究目的だけで予算が取れるかというとなかなか難しいものがあるので、この辺はどうすべきか、項目名を変えることも含めて御発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。
【白山委員】  すみません、私、そろそろ出なくちゃいけないので。
 なるほどIODPかなと思うんですけれども、IODPはもちろん非常に重要で、それはなぜ重要かというと、単に基礎科学として、あるいは地球物理学、固体地球物理学として重要だというのはそうですけれども、それ以外に、例えば鉱物資源の開発にもこのIODPの技術は最終的に生かされるようにしておりますし、あるいは生命の限界を探るなんていうような、うまくいったかどうかちょっとまだわからないですけれども、基本的に教科書の書きかえ、あるいは人類が持つべきリテラシーを根底から覆す可能性があるような研究というのは、まだ海の中にいっぱい残っていると思いますので、それはやっぱり日本という国のステータスとリテラシーをしっかり守って、必ず推進しなきゃいけないと思います。
 我田引水になりますが、例えば深海ではL型ではなくてD型のアミノ酸を使うバクテリアがいっぱいいますというようなことは、我々の年代だったら、ともかく生物はL型アミノ酸しか使えませんとずっと教わってきたわけですから、全く教え込まれたものと合ってないわけですよね。竹山先生を前にしてあれですけれども、それこそコドンであっても、絶対こういうふうにこれまでの教えがぼんとあっても、その辺り実は生物によっては違うように動くやつもいるんだよというのは、これはやっぱり海の中にあると思います。
 そういう相対性理論に相当するようなものになるかどうかわかりませんけれども、ともかく海の研究、特に基礎的研究というのは、本当に全てのサイエンスを揺するような新しい発見がまだまだ幾らでも残っているということから考えても、大いにいろんな面で推進しなきゃいけない。あるいは推進すべきというふうに、可能性はいっぱいある、海洋環境だけじゃないという感じのことを思っています。
【浦辺分科会長】  竹山さん。
【竹山委員】  私も長くこういうのを勉強させてもらうと、深海の開発に関しては、そのかわり何かくれるのでいいもの作れという、しょっちゅう圧力かかるんですけれども、考えてみると、人類の知ということですよね。新しい人類の知というのが、私たちの人体をフィジカルで、とそういうことだけではなく、一方、地球が進化をしていく過程の中から出てきているところのどこをひもとけばわかるのかというのは、やっぱり深海とか海というのは大きいのかな、特に深海は大きいので、文科省的に好きな言葉は人類の知ということですので、もちろん教科書というのはそれは大きいと思うんですけれども、それを担保できる研究にインダストリーをかける必要性はやっぱりないですよね。
 ただ、実はそういうところから、最近、ノーベル賞だって、一番初めはそういうところでこつこつやった者が後でそれを見つけた人が応用に発展していって、全員ノーベル賞とっているわけですね。日本は、そういうところをこつこつやってきたからノーベル賞をとっている量も多いわけですね。そこで、また海のところからそういうのが出てくるというのは、またすごく大きいかもしれない。一足飛びにそれを見つけたらすぐ産業化できるんですかではなくて、今までのいろんなことを見てみればそういうことが起こると、10年、20年の間に起こる可能性があるので、人類の知を求めたこの研究というのが非常に重要だということがあると思います。
【浦辺分科会長】  じゃ、田村委員。
【田村委員】  多分、1から5を眺めてみて、1から4までは割と目的が出ていて、5が一番出てないので弱いという感じがちょっとします。別に5をやめろと言っているのではなくて、5はやっぱり国の品格というか、そういう意味においてこれやるべきもので、それをもうちょっとうまい言葉にしないと、またそれこそ工学系の人間の役に立つのかみたいな話が出てきてしまっているのを別に卑下して言っているわけではないのですけれども、これ、科学技術を支える基礎的研究の推進というのはちょっと硬いというか、もうちょっと本当に人間として知らなきゃならない、海の知見を解明しなきゃならないのは文科省の役目だとか、もっと堂々と言ってほしいなと思います。そうじゃないと、ここだけ攻撃される可能性もあるよねという感じがちょっとします。
【浦辺分科会長】  ありがとうございます。
 では、鷲尾委員、お願いします。
【鷲尾委員】  23ページの下から中期目標のために重点的なということで(1)(2)とあるんですが、(1)の方は各論ですよね。(2)の方が総論ですので、この論法を変えて、要は具体的な内容の一つとして掘削を記載していただき、そういう意味ではもっと評価して、これもある、あれもあるというふうに並べていただくといいと思います。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございます。そうですね。
 それで、時間の問題がありまして、最後に、ちょっとまだ議論は尽きないところですが、ローマ数字3の研究開発の推進方策について、ちょっと林課長の方から御説明をお願いします。
【事務局】  それでは、3の推進方策について簡単に説明をいたします。
 項目としては、人材、オープンサイエンス、オープンイノベーション、社会との関係、関係府省連携、国際協働と書いてありますが、特に一般的な話は、ほかの人材委員会とかそういうところにあるので、海洋に特に留意すべきという観点から少し書いてございます。
 人材育成については、海洋科学技術は他分野や社会との関連性が強いということで、後ろに括弧して書いている専門性、学際性のみならず、社会性、論理性、国際性、そういうことも兼ね備える人間性が必要でしょうということで、幅広い分野から基本的に人を集めるというような話、産学官が連携して人材育成を図るという話、あるいは国際的なネットワークへの参画を通じて国際的に活躍できる人材育成を目指すという話、さらに、児童・生徒への海に対する理解などを提供しているということなので、そういったいろんな出前授業や体験学習などのいろんなバリエーションによって児童・生徒への海に対する理解を深める機会を提供するという旨を人材育成の観点で書いてあります。
 次のページ、26ページにいきますと、(2)のオープンサイエンスということで、これはさっきデータのところでもありましたけれども、こういうデータを集めてオープンにしていくことによって新しいサイエンスを創っていこうというのが第5期基本計画の中で少し芽が出ております。海洋のこの分野というのは、結構このデータのオープン化というのは進んでいる分野でもあり、G7の議論の中でもこういうことがうたわれていて、そこには3行しか書いていないですけれども、データやサンプル等についてはオープン・アンド・クローズド戦略などに留意しつつ、研究者や一般国民が利用しやすい形で整理・保管、提供というのを進めるということで、もう少し具体的なことを今後は書いていきたいと思います。
 次が、(3)オープンイノベーションということで、研究開発いろいろやっている中から、産業競争力や新しいものを創り出していくかというようなことでございます。特に分野、組織、地域の垣根を超えた結集の場ですね、そういうものの形成と活用というようなことが必要だろうということと、異分野の研究者を積極的に受け入れるということで、新しい価値の創出と、こういうものが必要ではないでしょうかというようなことが書いてあります。
 27ページの(4)で、社会との関係深化ということで、やはり海洋の保全と利用のあり方についていろいろ議論が活発化している中で、多くの国民がそういったものの重要性や科学的な理解を深めるということは、今後の持続可能な利用を促す上で必要不可欠というようなことから、説明会のみならず公開シンポジウム、公開イベント、施設公開、そういったものを通じてアウトリーチ活動を積極的にやっていきますというようなことを書いてあります。
 (5)関係府省の連携ということで、これは最初の方にありましたけれども、いろんな府省庁に関わっていますということなので、政府全体として効率的な研究開発が行われるように、関係府省で役割と連携を進めて、研究開発から社会実装までの取組を一体的に進めていく必要があるというようなことが書かれております。
 最後、(6)国際協働ということで、28ページになりますが、特にこの海の分野の気候変動にしろ生物多様性にしろ、いろいろ地球規模においては大きく関わっている問題がありますので、我が国のポテンシャルを生かしながら国際連携・協力に積極的に関与するということでいうと、まず国際的な議論をリードしていくというようなことが必要だろうと。そういうことの中で、もちろん国際会議に出ていろいろ発言するというようなことも必要でしょうし、国際的な枠組みの中での調査研究をきちんとやっていくことによって、プレゼンスの向上を図っていくということも必要でしょうということが端的に書かれております。
 この3ポツについてはまだ簡単にしか書かれていなくて、もう少し具体的な内容を少し足していきたいと思いますので、今日はそういう点も含めて少し意見もいただけたらと思います。
 以上です。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございます。
 ここのところは、これだけ書いても何十ページも必要なところですけれども、特に何か。
 はい、じゃ窪川委員。
【窪川委員】  人材育成のところから始めさせていただきます。
 まず、今、次期学習指導要領の審議が進んでいるのですけれども、11月14日の中央教育審議会の教育課程企画特別部会添付資料の中で、先日、10月からのパブリックコメントが次期学習指導要領に対して求められていましたが、それに対して答申に向けて記述の充実を図る事項の案が出ておりまして、その中に教科横断的な視点に基づく資質・能力の育成という項目があります。そこの中に海洋教育という言葉が入りました。このパブリックコメントは非常に大きな力を持つものと考えられます。
 ただ、具体例として挙げてあるのは、海運など海事関連の産業が国民生活、日本経済を根底で支えている重要なことと理解させるべきであるとか、あるいは、領土あるいはEEZなどの理解も深めるという、一例ですけれども、こういったことで、海洋教育が子供のときからなされる可能性が若干見えてきました。そこでもうちょっと最後の「初等中等教育の現場」というのは強く書いたほうがいいのではないかと思いました。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございます。よかったですね、海洋教育が入って。
 では、藤井委員。
【藤井委員】  今の人材育成のところについて、もう少し官民の協力というか、出した方がいいと思うのと、民の方については、これも既にグローバル企業になっているところは国際的な人材育成になっていますので、官民をベースとすることで国際的、要するに例えばベトナムの人とかそういう人たちもどんどん使っていくという視点が入った方がいいのと、あと(4)のステークホルダーとの関係深化のところですけれども、この場合のステークホルダーは、海洋を考えると、やはり国内だけではなくて、まさに近隣の諸国との関係が入ってきますので、そこのところも触れていただければなと思います。
 それから、関係省庁との連携というのは、これも最初に出た議論で、結局これこそが海洋ガバナンスを構築する場になるので、今までもやっておられるわけですけれども、少し視点を、本当は私は個人的には海洋省ぐらい1個作ってやられればいいと思いますけれども、それぐらいの政策がばらばらになっているとは言いませんけれども、統合しなきゃいけないという視点を関係省庁連携の中に盛り込んでいただければなと思います。
 以上です。
【浦辺分科会長】  ありがとうございます。
 この国際協働とか、この部分のことは単に日本だけの問題ではないので、国際的なものが関わってくると思うんですが、ここにちょっと注意をして書くべきことというのは、西村先生の方で何かコメントございますでしょうか。
【西村委員】  前もどこかで申し上げて、この文章にどう書くかというのはなかなか難しいと思うのですけれども、国際会議などに出ていくときに、実際に交渉するのは各省の方であって、それぞれに科学者がもちろんバックアップしてくださっているのだと思いますが、前提知識が官民間あるいは省庁間で余りきちっと共有されないままに議論がなされることが往々にしてあると思うのですね。そこがうまく協働していけることが非常に重要だと思いますので、その点についても既に書かれているとは思うのですが、留意していただけるといいかなと思いました。
【浦辺分科会長】  本当にそれは重要なことだと思います。これは日本だけの問題じゃなくて、世界、いろんな国の人と話をしても、どの国も政策対応はばらばらで、国連の事務局の中も本当にばらばらなんで、もう本当に残念な気がするんですね。国連の隣の部屋にいる人同士、この人はこの担当、あの人はあの担当で、担当者同士は話をしないという大変に縦割りになっていて、本当に世界的にもばらばらにいろんなことが進んでいます。日本の国策という意味では、何かそういう連携は強調していただく必要があると思います。
 竹山委員、どうぞ。
【竹山委員】  2点ありまして、日本の中の人材育成は重要ということで、文科省も動いていらっしゃると思うんですけれども、結局、グローバルの中で日本がやっぱりトップを走るためには、人材を例えば東南アジアの人は日本で海洋研究、海洋教育を受けて戻るということの歴史の積重ねというのはやっぱり重要で、そういうことももう少し、もちろん留学生という形になって、留学生はなかなか難しい問題はあるんですけれども、そこに何かもう少し考え、日本の学生を、もちろん人材育成をするだけじゃなくて日本でもリクルートして、もっとこういうふうに勉強させる、海外の人が勉強してディプロマをとらせて帰すというのは、もう少しやっぱりミッションを持ってやっているんですね、各大学。でも結構、疲弊しながらやっているんですね。もうちょっとそれを選択的な意味合いでやればいいのかなということが一つです。
 あと、ここにあるオープンサイエンスの推進は、本当にいろんな会議でいつも同じような話がいっぱい出てきて、先週やった会議でも全く同じことになっているので、是非ここに関しては、文科省さん、多分横のつながりを持っていらっしゃるので、大もとは海洋かもしれないけれども、もっと全体的なこととして同じ話なので、そこはリンケージをして国の方針というものをある程度共有して、ここに置くべきだと。全く同じことが書いてあるので、是非それはお願いしたいと思います。
【浦辺分科会長】  中田委員。
【中田委員】  人材育成のところ、研究者を育てる視点にすごく重きを置いて書いてある、それはそれでいいと思うんですけれども、是非サイエンスコミュニケーションの能力がある人を育てていく、もう少し一般の学生さんにそういうものをつけ加えると、科学がいろいろなところに広がっていくと思うので、そこをちょっと入れていただけるといいかなと思いました。
【浦辺分科会長】  ありがとうございます。
 じゃ、木島委員。
【木島委員】  この国際協働のところですけれども、国際協働、国際貢献というような形にしていただき、その今まで日本だけが集中的に科学的調査研究を行っているので、経験した震災、防災・減災、復興の記述を、内容に入れていただくと、かなり幅広く出るのではないかなと思います。
【浦辺分科会長】  藤井委員。
【藤井委員】  今の国際協働、貢献と同じように、人材育成のところも、人材育成・活用としたらどうでしょうかね。育てるだけじゃなくて、海外のいい人たちも一緒にやるというふうに。
【浦辺分科会長】  高橋委員。
【高橋委員】  海洋基本計画には、海洋産業の育成を重要なこととしてうたっています。そこにつながるように書くべきと思います。海洋基本計画についても、もっと書いていただいた方がいいと思います。
【浦辺分科会長】  ほかにございますでしょうか。
 今、大変皆さんに熱心な議論をいただいて、研究開発計画の1から3まで、この案についてコメントをいただきました。さっきの平田委員もそうですけれども、なかなか、あっと思って、全部が細かいところまではちょっと言えないところがあると思います。随分この資料がまとまってきていて、もう大分最後の展開に近いと思うんですけれども、次が12月の、後で予定の説明がありますが、12月16日ですよね。だから、それまでに、もしコメントがあればメールして、それに反映していただく必要があるんですが、締切りというか、16日に何か出てくるためには相当早目にやらなくちゃいけないと思いますので、事務局の方で、もしいつぐらいまでに出せば反映していただけるのか。デッドラインを決めていただいた方がいいかなと思うんですが、いかがでしょうか。
【事務局】  二、三日前でも大丈夫だとは思うんですが、できれば1週間ぐらいですかね。
【浦辺分科会長】  ということですので、内容はちょっと今日お帰りになった委員の方も多いんですけれども、またメールで、コメントがあったらというのをお送りいただければと思います。
【事務局】  大きな話であれば早い方が。小さい話であれば、極端なことを言えば二、三日前でも大丈夫だとは思います。目安として9日、1週間ぐらい前に。
【浦辺分科会長】  1週間ということでございます。
 それでは、時間もありますので、この1の議題の「海洋科学技術に係る研究開発計画について」を終わりまして、2のその他に移りたいと思います。
【事務局】  次回の海洋開発分科会の審議日程をお知らせいたします。次回については主査からも説明があったとおり、資料3のとおりでございます。12月16日の午後の開催を予定しております。委員の皆様におかれましては御多用中ではございますが、よろしくお願いいたします。
 時間については、また別途お知らせいたしますので、よろしくお願いします。
【浦辺分科会長】  次は12月16日午後ということでございます。それから、この前の12月9日までに、1週間前までに何かコメントがあればということでございます。
 何か最後、委員の方で、補足等、言っておきたいというのがありましたらあれですが、大丈夫でしょうか。
 事務局の方も。はい。
 それでは、どうも長時間にわたりまして御議論いただきまして大変ありがとうございました。大変私もおもしろく拝聴することができました。事務局は大変だと思いますけれども、今日の意見を反映して少し手直しをしていただければと思います。
 今日はどうも長い時間、ありがとうございました。



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-- 登録:平成30年02月 --