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海洋開発分科会(第47回) 議事録

1.日時

平成28年7月7日(木曜日) 13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省 15F特別会議室

3.議題

  1. 次世代深海探査システム委員会の審議状況について
  2. 北極研究戦略委員会の審議状況について
  3. 当面の重点事項について
  4. 「海洋科学技術に係る研究開発計画(仮称)」について
  5. その他

4.出席者

委員

浦辺分科会長, 長澤分科会長代理, 浦委員, 窪川委員, 白山委員, 高橋委員, 瀧澤委員, 竹山委員, 田村委員, 津田委員, 中田委員, 西村委員, 花輪委員, 平田委員, 藤井委員

文部科学省

林海洋地球課長, 小酒井極域科学企画官, 三宅海洋地球課課長補佐 ほか

5.議事録

【浦辺分科会長】  定刻となりましたので、ただいまより第47回の科学技術・学術審議会海洋開発分科会を開催したいと思います。
 本日は鷲尾委員を除いて残りの方全員出席ということで、大変にいろいろなご意見をお伺いすることができるのではないかというふうに楽しみにしております。
 それでは、初めに配付資料の確認を事務局よりお願いします。
【事務局】  では、事務局より失礼いたします。
 お手元の資料をごらんください。議事次第と座席表がございまして、まず、資料1-1につきまして、今後の深海探査システムの在り方について(案)でございます。続きまして、資料1-2、そちらの案の概要、横長の資料でございます。それでもって、資料2-1、北極研究戦略委員会「議論の取りまとめ」(素案)でございます。続きまして、資料2-2、これまでの北極研究戦略委員会における主な意見等でございます。続きまして、資料3、海洋開発分科会(第46回)、前回における主なご意見でございます。続きまして、資料4-1、海洋科学技術に係る当面の重点事項(案)、一枚紙でございます。続きまして、資料4-2、当面の重点事項について(論点イメージ)でございます。続きまして、資料5、海洋科学技術に係る研究開発計画(仮称)骨子案でございます。
 ここからは参考資料でございます。参考資料1、前回の議事録でございます。参考資料2、研究計画・評価分科会における検討状況についてでございます。続きまして、下の参考資料3、一枚紙でございます。「海洋科学技術に係る研究開発計画(仮称)」の策定についてでございます。
 資料については以上でございます。不足等ございましたら事務局へお知らせください。よろしくお願いします。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。
 本日の議題ですけれども、最初の議事次第にありますように五つの議題を考えております。それで、この分科会の下に二つの委員会、一つは今後の深海探査システムのあり方についての委員会、それから、もう一つは、北極研究戦略委員会、二つの委員会がございまして、それに活発にご審議をいただいているところでございますけれども、両委員会大体一定の方向性が示されつつありますので、その概要について今日報告いただいて、本分科会でご議論いただきたい。この議論に関しては次回までに最終的な報告書としてまとめていただきますので、本会が個々に話ができる最後の機会というふうになると思います。
 それから、前回に引き続いて、海洋科学技術の推進の方向性ということについてもご議論いただく。それから、海洋科学技術に係る研究開発計画(仮称)というものについてもご議論をお願いすると、この5件について今日はやっていきたいと思います。
 それでは、まず議事に入りたいと思います。最初に議題1、次世代深海探査システム委員会の審議状況について、事務局よりご説明をお願いいたします。
【事務局】  それでは、資料1-1の今後の深海探査システムの在り方についてというものを、適宜、資料1-2のポンチ絵のほうも参照しながらご説明をいたします。
 この深海探査システムの在り方についてに関しましては、この報告書の一番後ろ、12ページに検討経緯とございます。1月に第1回を開きまして、これまでに5回の会議を開催してまいりました。7月1日にこの案をお示しして議論をいただき、基本的に座長預かりということになっているところでございます。
 したがいまして、今日ここでいただいた議論も踏まえて、また、この委員会の先生方からのコメントもメールでもらうことになっておりますので、そうしたコメント、あるいは、当然のことながら7月1日の議論も踏まえて、今後、座長のほうで直されて最終版にして、次回の分科会に報告をすると、そういう状況になっているところでございます。
 中身に入っていきますが、1ページ開いていただきまして、2ページから始まっているわけですが、最初に経緯ということで少し書いてございます。最初の段落では、日本の囲まれている位置づけということで、世界有数の深海フィールドというふうにその段落の最後に書いてありますが、そういう地理的な位置づけ。
 そして、また次の段落には、深海域においては科学的な知見の獲得、人類の未来に役立つ発見が期待される、そういったような意義づけ。
 そして、3段落目はこれまでいろいろ実施してきたことで、特にJAMSTECのほうで有人調査船、無人探査機等々を活用して極限環境微生物、あるいは、地震が起きたときの断層を見に行くとか、そういったようないろんな成果が上げられてきましたよということを3段落目に書いてあります。
 4段落目は「一方」ということで、「しんかい6500」、これは建造・運行から25年以上月日がたっていて、技術のノウハウがそろそろ失われるのではないかと、こんなような指摘もあると、また、海外のいろんな動向もあると、そうした状況変化、そして、次の段落は第5期基本計画ということが書いてありますけれども、その中でも深海の話に言及されているというようなことで、こういうことを踏まえて最後に、これらの背景を踏まえて今後の探査システムのあり方について検討を行ったと、こういうことでございます。
 そして、次のページから中身に入ってきますが、3ページ2ポツで探査機の特徴というふうに書いてございます。基本的な流れとしましては、統合的な探査システムを作るということでいろんな探査機のメリット・デメリット、そういうものがあるだろうと、あるいは、今後考えられるニーズとしてはこういうものがあるだろうと、そういうものを踏まえて今後のあるべき姿はこうであろうと、こんなような構成になっております。
 2ポツが探査機の特徴ということになってございますが、この部分は概要を見ていただいたほうがいいかと思うので、資料1-2の2ページを見ていただきますと、有人探査機及び無人探査機の特徴についてということが書いてあります。これはいいところとちょっと悪いところと両方書いてある部分になっています。
 有人探査機がHOVと書いてありますけれども、特徴としましては、母船とケーブルがつながっていないので機動性が高いということ、マニピュレータ等を持っているので、海底面での作業が可能であるということ、さらに、人が乗っておりますので、直接観察によりいろんな状況判断にすぐれているといったようなことがあります。
 一方で、ちょっと赤字で書いてあるのが少しほかと比べてデメリットになっているところですけれども、母船とのリアルタイム通信とか船上研究者との情報共有が制限されていると、あるいは、バッテリーの制約のために稼働時間の制限があるだろうと、最後に、特に有人であるということなのでさまざまな面で安全性が重視されると、したがって、コストというのが割高になりますし、あるいは、いろんな運航での制限が出てくると、さらに、6,500メートル以深という技術はまだ確立していないというようなことがございます。
 そして、そういうものを克服するための技術課題として観察性の向上であるとか、運動性能の向上であるとか、浮力材等々の大深度化、こういったさらなる課題があるだろうというようなことで整理をしています。
 次が真ん中の無人探査機ROVですが、ケーブルのつながっているものです。これにつきましては、ケーブルがつながっているので長時間探査というものが実施できるということと、あとは大規模な作業ですね、いろんな重たい物を持っていって複雑な作業をするとか、重たい物を持ってくるとか、そういった大規模な作業は可能であると、光ファイバーが大体通じていますので、映像等がリアルタイムで母船でも見られるというような特徴があります。
 一方で、欠点としましては、ケーブルというのがどうしてもついていますので、探査範囲に限界があるというようなこと、あるいは、カメラを通じた観察のため、人で見るよりかはその瞬時の判断というものでは劣っているのではないかと、そういったようなこと、だから、技術課題としては、高画質の映像を撮っていくための技術であるとか、操縦性の機動化といったものがあるだろうと思われます。
 今度、無人探査機の場合、AUVなど自律的に行くようなものについては、自律的なものなので自動走行で効率的にデータがとれるということと、海底地形図、海水化学データ等を長期間かつ広範に取得できます。
 ただ、ほかと比べてのデメリットは、海底付近には接近しにくいということでいろんな作業に制限があるというようなこと、あと、やっぱりリアルタイム性というのがないので、船上でリアルタイムに何かするということはなかなか難しいということと、大深水、深さの問題というのとバッテリーの制約による稼働時間の制限、そういったものがまだあるというようなことをそれぞれ有人探査機と無人探査機の特徴ということで書いております。
 本文のほうに戻らせていただきます。3ページの2ポツのところは、基本的にメリットというか特徴を(1)から(3)まで書いてあります。
 3ポツでこれまでの主な成果ということでまとめておりますけれども、(1)で海洋生物分野ではいろんな生態系であるとか、いろいろな特徴を持つ微生物、こういうものを発見してきましたというような話を書いてございます。
 次のページ、4ページ目いきまして、(2)の海底資源分野ですと、最近注目をあびている海底熱水噴出域の発見であるとか、あるいは、「また」以降、6行目なりますけれども、CO2ハイドレートの発見、あるいはマンガンクラスト等の発見、そういったような資源分野でのいろんな発見等の成果が上がっていることを明記しております。
 (3)の地震・防災分野でございますけれども、これもやはりじかに、直接見ていろんな状況を確認するということで、例えば、「しんかい6500」で最初に、初期のころに潜ったときに、昭和8年に生じた地震での亀裂、そういったものを発見したであるとか、あるいは、北海道南西沖地震の翌月には潜ってその状況を確認したということ、あるいは、東北地方の太平洋沖地震の4カ月後に潜って、やっぱりその辺の生態系の変化、地質の変化、そういうものを確認している、そういったようなこともしておりますし、また、その後に続いていますように、DONETの設置につきましては、無人探査機等を活用してシステム構築に貢献をしてきたと、そういったようなことの成果が上がっていることを明記しております。
 (4)その他では、例えば、タンカー「ナホトカ号」が沈没したときに状況確認をしたとか、あるいは、H-IIロケット8号機の捜索・発見と、そういったようなことにも成果を上げていると、そういうようなことでございます。
 そして、4ポツでは技術的な課題ということで、これも(1)(2)(3)それぞれ分けて書いてあります。これが先ほど概要のほうでご説明したときに一緒にご説明しているのですけれども、4ポツで書いてある技術的課題、先ほどの概要のほうの赤であるとか黒であるとか、そういう字で書かれている部分でございますので、一応ご説明は省略させていただきます。
 そして、その上で、今後どういうニーズがあるのかということを5ポツと6ポツにまとめさせていただいております。5ポツが分野別のニーズで6ポツが水深別のニーズということになってございますけれども、今後のあり方を考えるときにはむしろ水深別にどういうニーズがあるかというほうがあり方に反映されておりますので、8ページ目の6ポツの水深別の深海探査のニーズというのを、こちらのほうを中心に説明させていただきます。
 (1)で水深3,000メートル程度まで、これは水深を3段階に分けていて、3,000メートルまでと3,000から7,000までと7,000より深いところと。3,000メートルで1回分けているのは、3,000メートルまでについてはさまざま民間活動が行われていて、技術的にもかなり確立されているものがあるというような話であるとか、海底資源であるとか、やっぱり、経済活動が関係するようなニーズというのがここにはあるということで、一度3,000メートルのところで分けています。
 3,000メートルまでのニーズには、申し上げましたように、海底鉱物資源のさまざまな利用、生態系の調査、研究開発、こういったニーズがあるとともに、最近は特に重要視されている海洋ガバナンス、海洋の保全及び持続可能な利用のための生物多様性・生態系・環境評価、こういったものの調査研究というのが今後重要なニーズになってくるのではないかということ、さらには、これは深さに余りかかわらずというふうにあるのですが、やはり、海底地震の観測システムの敷設と、こういったものについては国民の安全・安心の観点から政策的なニーズというのがあるだろうというふうにまとめております。
 (2)番が3,000から7,000ということになってございます。この辺はどちらかというと研究上のニーズになってきておりまして、一般的にそのまま生物・生態系・多様性の調査研究、あるいは、地質・地形調査、海底地震のための調査等のニーズがあるだろうと。それとともに、政策的には、先ほど申し上げましたけれども、海底地震観測システムのニーズと、南海トラフも四、五千というような深さにありますので、DONETシステムなんかもこの辺の深さまでは敷設をやっているというようなことでございます。
 (3)番の7,000メートル以深ということでございますが、この辺については、(3)番の2段落目に書かせていただいております。これは、一つは、やはり、新たな科学的な発見ということで未知の深海生物・生態系、地震の調査、そういった地質の調査研究等があるとともに、政策的なニーズとしては、日本海溝なんか相当深いところまでありますので、超深海域での海溝底における大規模地震発生メカニズムのための調査研究、あるいは、観測機器を置いてきての長期的な検査、調査、そういったもののニーズ、さらに、最後の段に書いてあるように、日本のEEZというのは1万メートル近くまでございますので、そういうところには何かあった場合にアクセスをしてさまざまな状況の確認であるとか、簡単な作業であるとか、そういった手段というのを持っていることも必要ではないかといったニーズがあるのではないかということで、それぞれ水深別のニーズをまとめていただいています。
 概要のほうの13ページ、14ページ、15ページを見ていただくと、それぞれの水深のニーズに対してどういう探査機が向いているか、向いていないかというような表を作ってございます。それぞれ有人探査機、無人探査機、ROV、AUVとありますけれども、有人探査機は特に海底域に行っていろんな状況変化に応じて迅速に調査をする、あるいは、良質な試料をその場で判断して持ってくると、そういうニーズがあるときに向いているということで、そういうものがあるときには有人探査機が担っていると。
 無人探査機の場合は、もちろんそういうこともできるわけですけれども、より向いているというものは大型の装置を、モニタリング装置などを持っていって展開して、長期的に安定な観察・観測をすること、あるいは、特に地震の後なんかでちょっと危ないかなというようなときには有人よりも無人で行って確認してくると、そういうこともあるのだろうということになっています。
 あと、無人探査機はある一定の海域でデータを広域的に取得してくるというようなニーズに対しても十分というようなことで、それぞれの水深に応じたニーズに対してどういう探査機が向いているかというようなことを二重丸や三角であらわしているところでございます。
 そういったこの表の内容は、水深別の探査機のニーズのところの後半部分に文章として書いてあるというふうにご理解をいただければと思います。
 こういったニーズと探査機のそれぞれの長所・短所、そういうものを踏まえて、10ページにございますけれども、次世代深海探査システムの在り方というのを結論としてまとめております。
 最初の段落に書いてありますように、やはり、それぞれのニーズですね、研究分野・水深別のニーズを踏まえて、ニーズに対するそれぞれの特性を生かして機動的かつ統合的なシステムを構築することが重要であり、ニーズの緊急性や重要性、技術的なフィージビリティーを踏まえたシステムを構築するのだということ。
 具体的には、国・国民の安全・安心の観点、こういった観点から、やはり、地震でありますとか、あるいは、EEZのアクセス権の確立と、そういったようなものというのは、ニーズとしては緊急性・重要性あるのだろうということで、技術的にも確立している無人探査機ROVシステムを活用して7,000メートル以深のフルデプス海域へのアクセス能力というのを確立していくことが必要であること。
 あわせて、今は日本の技術、日本にある、AUVは3,000メートル程度ですけれども、このAUVのシステムについても大深度化を図って、7,000メートル以深についても効率的に海底地形や科学データを取得するような技術を確立していくことも重要であると、そういったようなこと。
 さらには、こういうことと並行して、有人探査機については、現在導入している「しんかい6500」、技術者はどんどんリタイアしていますけれども、「しんかい6500」自身は、潜航のやり方によっては10年ぐらいもつと、そういうことでございますので、これを最大限に活用し、運航状況を踏まえながら今後重要性が増す海洋ガバナンスに適切に対応するため、3,000メートル程度までの有人探査機の導入あるいは開発を検討することが重要であろうと。その際、有人のメリットを特に生かすためにフルビジョン化などの視野性の飛躍的な向上、これについても検討することが必要だということにしております。
 さらに、こういうことと並行して、やはり、機動的・統合的な探査システムの構築に向けては複数台を使っていくと、複数台の有人探査機、無人探査機を使っていくということがより重要になってくるということで、探査機の軽量小型化、あるいは、音響通信技術の研究開発、こういうものが重要であるということが書いてあります。
 最後に、7,000メートル以深のフルデプスの有人探査機につきましては、上で述べたように、システムの成果を踏まえながら社会的・経済的ニーズ、技術的動向、費用対効果、こういうものを勘案しながら将来的に検討していくことが望まれると、こういうような文章になってございます。
 さらに、留意事項としましては、下に幾つか、大きく三つ書いてあるわけですけれども、3,000メートル以内の部分については特に既存の技術というものがございますので、こういうものの活用であるとか、あるいは、次世代探査システムで新たに開発するような技術があれば、それが産業界や他分野にも波及していくと、そういうこともきちんと考えるべきだということと、あとは、技術の伝承・維持に関しては、特に有人潜水船を無事故で運転してきたいろんな管理技術、そういったものをきちんと引き継いでいくべきだという話と、海外等の技術的な動向もきちんと考慮すべきだと、そういうような話。
 最後に、深海の探査というのは、やはり、人類最後のフロンティアであり、深海の魅力を効果的につないでいくことによって、国民の海洋あるいは科学技術全般の理解増進につながるということもございますので、そういうことも踏まえて検討していくというようなことでまとめてございます。
 これが7月1日に委員会のほうで議論を行ったわけですけれども、幾つか大きなポイントがございまして、特に10ページの結論のところで関係あるところを申し上げますと、まず、無人探査機ROV、これが「技術的に確立している」というのは言い過ぎだろうということで、少し表現を、例えば、技術的に実績があるとかそういうふうに直すというような方向に今なっております。
 あとは、最後の結論のところで、7,000メートル以深のところで、「将来的に検討していく」ということについては、かなり先行きが見えにくくなるので、もうちょっと文言を違う形にしたほうがいいのではないかと、こういう議論がございまして、これも計画的に検討していくことが必要であると、こういうふうに直すということになっています。
 あと、3,000メートルまでの有人探査機のというところについては、これが今よりもよくなるということをもう少し明確にしたほうがいいということで、「フルビジョン化など」というのをもう少し前に持ってくると、そういった直しをしたほうがいいのではないかというようないろんな議論があって、ある程度、基本的な方向性については了解を得て座長預かりになっていると、こういう状況でございます。
 以上でございます。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございました。
 この委員会には今日ご出席の委員の浦さん、瀧澤さん、竹山さん、辻本さんら参加しておられますけれども、何かただいまの説明に対して追加でこれは言っておきたいとかありますか。
 浦さん。
【浦委員】 5回にわたって議論したのでしょうから、なかなか大変な議論だったと思います。
 一つ私が思ったのは、こういう技術的なことをきちんとサーベイして、それから、将来どういうふうに方向を向けてやっていくのかという大きな方向性とか、普段からの勉強とか、それから、関係者の皆がきちんとした方向性を持って提案をしていくというようなシステムが現在ないのではないか。
 だから、短い期間にまとめましょうと言ったときに、必ずしも十分なサーベイができているわけではなく、世界的な動向において日本の技術がどう位置づけられているかとかいうことがどうもはっきりしなくて、現在、日本のJAMSTECではこうしています、こういうことができています、こうやりました、こうしたい、こういうふうなことでしか議論が展開、会合が進んでいかなかったことが非常に残念だったと。
 私、今日ここに来て、そういったスタンディングなニーズをきちんとサーベイするような、特にここは海洋開発分科会という、海洋開発を、日本の海洋開発の特に科学技術のほうですか、所掌するところなので、それをもう少しシステマチックにやっていけるようにしていただければいいのではないかというふうに思います。
【浦辺分科会長】  ほかにございますか。
 では、竹山委員。
【竹山委員】  今、浦先生がおっしゃったとおりのことがずいぶん課題になっていると思いまして。ちょっと委員会で討議するべきことが結構各論だったので、もっと根本的に、もう少しディスカッションするところがあったというお話とか、その技術動向に関して、共有する状況にまだない状態で委員会が始まったというのがあるので、今後、海洋関係、それがスタートになればいいですけれども、コミュニティーがきちんと、それも外部からもいろんなコミュニティーがちゃんと入ってきて、内々だけの論議じゃなくて、新しい技術を持っている人たちが入って新しい戦略ができるようなコミュニティーを少し作っていただきたいということもありました。
【浦辺分科会長】  ほかにございますか。よろしいですか。
 大変、報告書を今拝見して、非常に冷静にずっとカバーしておられると思うのですが、それ以外の方でこういうふうなことをつけ加えるべきではないかとか、こういう視点が大事ではないかとか、そういうのがありましたら。ユーザーの方でも、技術の方でも、花輪先生、お願いします。
【花輪委員】  東北大の花輪です。初めて見させていただいたんですが、ちょっと教えていただきたいんですけれども、これまでの深海探査の主な成果のところを見ますと、ほとんどが有人探査船による成果のように私には思えます。
 つまり、今後どうやっていこうかというときにROVあるいはAUVも進化させると、次期には3,000メートルまでの有人探査機を数台造るのだけれども、7,000メートル以上はずっと継続して検討していくという、そういうつくりになっていると思うのですが、ROV、AUVがこれまでどういうふうに活躍してきて、これが今後こういうふうに展開するといったところでのこれまでの活躍の状況がちょっと見えないなというふうに私には思えます。
 もう一度繰り返しますと、具体的には、3番の各研究分野における深海探査の主な成果のところで、AUVあるいはROVが有人に比較してどうかわかりませんけれども、十分に活躍してきて役に立ってきたと、だから、今後もそこの部分も取り入れてやっていくのだというロジックになっているのでしょうか。
【事務局】  ちょっとそこはもしかしたら不十分かもしれないので、精査して、確かに有人とAUV、ROV、その辺のバランスをとりながらもう一回磨いてきたいと思います。
【花輪委員】  是非お願いします。
【浦辺分科会長】  ほかにございますか。
 瀧澤委員。
【瀧澤委員】  私もこのシステムの委員会のほうに参加させていただいたのですが、実は、ちょっと開催の回数の中で欠席が多くて余り議論に貢献できなくて申しわけなかったと思うのですが、全体的には当初、流れ的に見ると、有人のフルデプスみたいな話が中心になるのかなと思っていたら、割とそれをサポートする意見というのがそんなにたくさん出てきたわけではなかったというのが印象でした。
 私、個人的には1度「しんかい6500」に乗ったこともありますし、すごくそういうものも欲しいなと思っていたのですが、議論を冷静に積み上げていった結果、このような形になったというのは一定の成果ではないか、今の政策の形成過程ではこれが最善の策というふうにみなすというほかないのではないかなというふうなところが率直な感想でした。
【浦辺分科会長】 窪川委員。
【窪川委員】  今拝見しましたが、二つありますが、一つは、成果と、それから、最初の経緯のところにあります、やっぱり、これは相当なお金をかけて国として重要な、どうであろうと重要なプロジェクトになるものなので、その国家戦略上重要なものとしての位置づけというのがこのあり方のところにないという気がしました。
 それから、潜水船というのを日本は幾つも持っていますけれども、そのあり方の最後のところに技術の伝承その他とありますが、具体的でなくて、技術を伝承することを考慮すべきであるというのは少し曖昧な感じがしました。
 それともう一つは、浦先生、竹山先生がおっしゃったように、日本の中はこうですではなく、国家戦略という言い方をしてしまうと、日本としてどういうものが必要かという位置づけがないところが、また海洋コミュニティーの中のまとめというのはどこでやるのかというところが問題になっているという気がしました。
 以上です。
【浦辺分科会長】  ありがとうございます。
 では、藤井委員。
【藤井委員】  私、初めて読ませていただいたもので、ちょっととんちんかんな意見になるかもしれません。このROVとAUVとそれから有人と三つの手法の位置づけですが、これを読むとROVとAUVをやって、有人は今後よりということで、優先度が前者二つにかかっているように思います。それはそれでいいと思うのですけれども、この委員会で必ずしも財政的なことを配慮する必要はないのかもしれないですけれども、現実にはそういう財政問題が出てくるときに、先ほどの国家としての重要性の部分を強調するのと同時に、現実にどれからできるのかということが出てくると思います。そういう視点から見てみると、有人のところについては、先ほどのご説明では3,000のところですね。そこでは、資源開発等の現実的な民間利用の話も入ってきているということなので、そこで民間の利用と資金の話を踏まえてはどうでしょうか。つまり、財政以外の要素も当然あるわけですが、研究には民間の資金は、いわゆるベーシックな研究には財団以外なかなか出してくれません。したがって、民間にもできる資源や海洋生物多様性などを含めた「利用」という視点を入れていかないと、十分な資金を確保できません。かといって、国家プロジェクトで全部やっていけるかとなると、どうでしょうか。これだけが国家プロジェクトではありません。私の担当している北極の場合も同じなのですけれども、「利用」の部分というものをどう押さえていくのか、という点を考慮する必要があると思います。それが対象となるのは、特に有人の3,000のところでやるのではないかなというふうに思いました。それから、北極のほうでも議論になっているのですけれども、要するに、日本のリーダーシップみたいなところを、このシステムの中でどうとっていくのか。つまり、他国の研究者なり、他国との連携といった視点を、この中にどう位置づけていくのかという辺りを、もう少し出すといいのではないか。そうした視点も、財政的な制約を打開するうえにおいて、一つの要素になってくると思います。そういった記述もどこかで触れておかれたほうがいいのかなというような気がいたしました。
 以上です。
【浦辺分科会長】  ありがとうございます。
 ほかにございませんか。
 はい、では、平田委員。
【平田委員】  少し個別なことで申しわけないのですけれども、地震・防災分野について多くのスペースをとって書いていただいたことについてはとてもありがたいことだと思います。重要な観点だと思います。
 花輪先生がちょっと言っておられたことと関連しているのですが、地震・防災分野としては、有人の潜水艇で確かに地震なんかを見るというのは重要なことではあるんですけれども、もっと基礎的に重要なのは、例えば、DONETを設置するときに、これはROVが非常に活躍していまして、極端に言えば、ROVがなければDONETはできなかった技術で、今後もDONETを維持していくためには、深海底での作業というのが必ずしも人が行かなくても、人が行かなくてもというか、人が行かないでやらなきゃいけないことで、ROVとか、それからAUV、そういった技術をどんどんと進歩させていくということは、海底での地震観測に非常に重要なことなので、そこは内容的には入っているのですけれども、書き方をもう少し工夫していただければバランスよくなるのではないかと思いました。
 以上です。
【浦辺分科会長】  ありがとうございました。
 高橋委員。
【高橋委員】  すみません、10ページのところに技術の伝承とか維持と書いてありますが、その言葉に少しひっかかるところがあります。海洋開発は、まだ伝承とか技術の維持というところのレベルではなく、まだ開発だって思っています。この深海システムは、まさにイノベーションが必要ではないかと思います。維持という言葉は、少し後ろ向きな言葉と思いますが。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございます。
 それで、実際にはこういう深海の技術というのは、例えば、日本の重心、重さの中心ですね、重心ということを考えると、陸上だけだと富山沖か何かにあるわけだけれども、日本の200海里、排他的経済水域を考えると南のほうにずっと延びていって、父島の西のほうに日本の重心がある。さらに、今後、海洋基本計画を作っていくとなると、海洋の、水のボリュームを考えるとさらに南のほうに重心があるわけですね。そうすると、その重心から東西に線を引くと、その北側の我々が知っている、あるいは情報量と重心の南側の情報量を比べると物すごく大きく違ってきます。
 日本がやっぱりガバナンスを考えていく上で、環境にしてもいろいろなものにしても、そういう重心よりも南側の極端な南北格差をなくしていくという意味ではこういうものは非常に重要かなと思うので、是非これはそういう視点を入れていただければと思います。
 それと、ちょっとこれは素人の質問ですが、この1-2の資料には非常によくわかって、2ページのところに有人探査機及び無人探査機って書いてあって、有人、無人、無人と書いてあるのですが、ある程度、後のいろんなご検討の中では、別に有人と無人と分けて何かしているということではなくて、三つのそれぞれの特徴を言っておられるので、名前は無人(ROV)、無人(AUV)というよりは、何かもう少し区別できるような名前を考えていただいたほうがありがたいなと。
 要するに、これが一般の人に出ていくときにそういう分類しかないのかというのはちょっとあれなのかなと。それは、是非ご検討いただきたいというのが一つと、それから、もう一つ、やはり、この中で、先ほどの高橋委員のご発言にもありましたけれども、この深海の技術というものがまだ、例えば、有人についてはできていない技術もあるのだということですけれども、ここに、深海探査システムの中にどういう新しい、誰もできていない、世界で初めての、こういう技術をやればこういうことがわかるんだというような検討は、もちろんここの中ではなくて、この分科会の中でやることかもしれませんけれども、ここが技術のフロンティアであって、それを日本はやっていきましょう。例えば、最近のニュースだと木星探査機、金星探査機を打ち上げる、そういう技術をやることによってこういうことがわかるのだからというような技術の最先端の議論というのが出てこないような気がする。それは実際にはされたのかどうか。もしそれをされていないのであれば、何かそういうことを少し述べることは可能かと思うのですが、いかがでしょうか。
【事務局】  確かにそういうことは余り明示的にはされなかったのかなというふうには思っています。というのは、すなわち、議論としては、ニーズがあるからこういう技術を開発していくと、こういうようなことだったのかなと思います。まず、どういうニーズがあるのですかということがあって、それで、そのためにどういう技術があって、開発しなきゃいけないのはこういうもので、そういうようなことだったと思うので、技術から入って、この技術があるからこういうことができるという議論じゃ余りなかったような気がいたします。
 あと、これまでの関連で何点かご質問に答えさせていただきますと、藤井委員から言われた財政の面ということについては、余りぎらぎらするので明確には書いてはいないのですけれども、なぜその無人探査機を最初に書いてあるのかは、やはり、技術的には1回行ったことがあって実績があると、海底の1万メートルまで行くというのが、コスト的には大してかからないだろうという、そういう見込みの上でまず優先すべき課題ということを言っていると。
 AUVについても、やはり有人に比べれば、開発費といえどもそんなには、まだ安いのではないかということで、そういうものをやりながら、有人で一番深いところまで行くのに一番多分コストがかかるわけですので、そういうものはやっぱりその辺の成果を見ながらという、一応そういう財政的なものを踏まえて検討しております。
 あと、3,000メートルまではいろんな技術が使えるので、特に有人で、2,000メートルぐらいまで有人機は既にベンチャーとかで売っていると、こういう時代でございますので、そういう深さであればそういう技術をうまく使うことによってコストを余りかけずに同じようなことができるようになるのではないか、そういう意味も込めて書いている部分もございます。
 あと、技術の伝承のところで、確かに言い方については何かなくなっていくようなものを保持するみたいな感じには聞こえるのかもしれませんが、そこはそういう意味じゃなくて、今持っている技術をちゃんと伝えなきゃいけない、ちゃんと持っておかなきゃいけないものはちゃんと持っておくと、そういう意味でございます。
 ただ、これもやはり技術の伝承がニーズで、だから、続けなきゃいけないということではなくて、あくまでも研究上の社会的なニーズがあってという話が前面に立つので、もちろん、そういう上で、ただ、そうやった上でも、例えば、有人で今までソフト的に築いてきた安全管理技術って、1回なくすとまた築き上げていくのは大変なものなのだろうと、その点は考える必要があるのではないかということをここで簡単に述べていると、そういったような状況でございます。
 ご指摘の無人という名称についてはちょっと考えたいと思います。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございました。
 では、皆様からいただいた……はい、どうぞ、浦委員。
【浦委員】  今委員長のお話で、技術一般論の先端的ということはほとんど議論されていなくて、ここではテーマが深海探査システムであって、先ほど平田委員がおっしゃったようなDONET、これから発掘をして深海探査に使うだとか、そういうふうな別途の議論、システム議論というのは全然ないわけですよ。ですから、それはどちらかというと親委員会であるここでやるべきことではないかなというふうに思います。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございます。これは後の議題の中でまたもう一度振り返りたいと思います。
 それでは、皆様からいただいたご議論、ご意見については、今後、次世代深海探査システム委員会の道田主査とご相談して最終的に取りまとめをして、次回またご報告するということになると思います。
 それでは、次に議題2、北極研究戦略委員会の審議状況について事務局より説明をお願いいたします。
【事務局】  それでは、北極研究戦略委員会につきまして、資料2-1と2-2を用意しておりますが、2-1、「議論の取りまとめ」(素案)のほうを簡単に説明いたしたいと思います。
 北極研究戦略委員会につきましては、これまで4回やっておりまして、次回、7月25日でございますけれども、25日で一応ご議論の取りまとめを行おうと思っております。したがって、それまでの間に一度この分科会でも少し議論いただいて、そうした議論も踏まえて25日に取りまとめ、最終的にまた次回の分科会のほうに報告させていただきたい、このように思っております。
 2-1でございますが、1ページ目で、最初のほうの北極域をめぐる現状、さらには、その北極域研究の意義、役割というふうに続いておりますけれども、北極域をめぐる現状につきましては、環境問題の話を最初の段落に書いて全球的な課題であると言うとともに、経済的な活動ということについても海氷域の減少などが影響を与えていて国際的な関心が高まっていると、そういったような現状。
 2ポツで研究の意義と役割というようなことで、(1)で北極域研究の意義について、我が国の強みである科学技術力を生かして、北極に対して社会・経済的インパクトを明らかにしていくというようなことで、そうすることによって、我が国のプレゼンスの強化につながるというようなことになるわけで、3段落目では、非北極圏である我が国が利益等々に直接関与しない立場を生かしてルール作りの形成、政策形成過程へ貢献していく、そういうことも重要ではないのかというようなことが書かれております。
 (2)は我が国の役割ということで、ちょっと(1)と(2)はまだ切り分けられていないところがあるのかもしれないですけれども、最初の段落にありますような我が国の強みである科学技術を生かして課題解決を通じて国際社会に貢献していくというような話であるとか、オープンデータを積極的に主張していくこと、あるいは、情報や課題解決のための手法を内外のステークホルダーに発信していくことが重要であると、そういったようなことが書かれてございます。
 2ページ目にまいりまして、これまでの取組、成果、現状ということでございます。ここは非常に簡単ですが、(1)これまでの取組
ということで、北極につきましては、1991年、90年の初めぐらいから始まりましてということで、ずっとこれまでやってきたことや(2)の成果、そして、(3)現状のところで、ArCSというプロジェクトをやっているとか、ネットワーク型の共同利用・共同研究拠点、こういうものが認定されて始まりましたと、こういったような成果、現状を書いているところでございます。
 3ページの真ん中から4ポツで今後、取り組むべき課題ということでございますけれども、研究全般でいいますと、当然ではありますけれども、引き続き積極的に取り組んでいく必要があるということを言った上で、どういう部分をというところでは、グローバルな政策判断、課題解決に資する国際共同研究の拡充等々の必要があるというのが二つ目のポツ。
 3ポツ目では、北極域研究におけるいろんな課題を通じて中長期、短期的とありますけれども、そういうものを抽出、整理するとともに、その中で政策形成、課題解決に向けた研究や観測等の実施をしていくというようなこと。
 そして、AC、Arctic Councilですね、のそういった国際的な場で必要とされている課題を積極的にテーマに入れていくと、そういうことが重要ではないかということを全般的なところで掲げております。
 次のページにいきまして、それぞれの話になってきますが、4ページ目で(2)研究の枠組みということで、ボトムアップの部分とプロジェクト的な部分と、そういうようなことであるとか、長期的な研究観測の体制が必要であるというようなこと。
 (3)番では、研究者ネットワークということで、やはり、北極域の研究は幅広い分野が対象になりますので、専門分野を超えた研究者のネットワーク、さらに、人文・社会科学の先生方とのネットワークが必要ですけれども、人文・社会科学の分野の中でもいろいろ分かれている部分もあるので、人文・社会科学の中でも学際研究というのは重要であると、さらに、そういった意味で全部まとめてのネットワークが必要だというようなこと。
 (4)番で観測データの共有で、これはいろんな国が観測にかかわっております。そういったものがもう少し共有できないかというのが国際的な関心も高いと、メタデータは一定の連携が進んでいますけれども、実データは不十分な状況であり、こういったものに積極的に取り組んでいくというのが国際的な観点からも重要ではないかというような点。
 さらには、研究拠点の整備ということが(5)に書いてありますけれども、先ほどの北海道大学と極地研とJAMSTEC、この組織を超えたネットワーク型の共同利用・共同研究拠点というのが文部科学大臣に初めて認定されて動き出しているということでございますので、そういうものとArCSのようなプロジェクトとを車の両輪として機能させていくことということ、5ページ目に入って、幅広い分野があるので、現在空白となっている観測網の強化、これが重要であるというようなこと。
(6)番で国際連携、国際協力、当然のことながら日本は北極圏域ではございませんので、やっぱり、北極圏の諸国との国際連携と、これは引き続き必要であるということと、非北極圏国との連携、協力についてもやはり効果的・効率的な実施のために必要であるというようなこと、あと、何かそういう国際関係の中で障害となっているようなことができれば、政府としていろいろ阻害要因の除去に取り組む必要があるということをこちら書いておりますし、また最後は、南極の、同じ極域の南極や全球を専門とする、北極だけでやるんではなくてそういった全球的な観点からの協力・連携も必要ではないかと。
 (7)番で研究観測のための施設・設備ということで、そういった技術力の維持、技術力を担う人材の育成、そして、2ポツ目で、これは大きな論点ではありますけれども、研究船の話、多額な経費も必要になるけれども役割は大きいということで、何を観測するために必要なのかと、保有、傭船のいずれがいいのかと、保有する場合はどういう規模、どういう装備が必要なのか、そういうことについて議論をする必要があるということ、その他、AUV等々の技術開発も必要ですし、衛星を使ったそういったデータを取得できる体制の構築、これも重要ではないかということを書いてございます。6ページにいきまして、一番上に書いてあるのは、ハード的なプラットフォームとか、あるいは、研究基盤とかそういったものだけではなくてソフト的な、人的なプラットフォーム、そういったものの構築も必要であると。
 あと、(8)番としては人材育成ということで、これはどういう分野でも言われていますが、担い手となる若手研究者の育成の枠組みというのが必要だと、(9)番、世界との連携ということで、北極域研究の場合は、やはり、課題解決に資するということでございますので、そういう部分が必要だということでございますけれども、特に、最後のポツに書いてありますように、北極域では人がそこに居住をしているということで、そこで暮らす人々の生活にも直結すると、北極域の研究観測で得られた成果についてはそうした人々の暮らしに貢献することが必要である、そういったようなことを書いてございます。
 7ページ目から9ページ目につきましては、小さくて見にくいのですが、一応北極域の研究としてこういうものが考えられますよねというものをいろいろ分類して述べてあります。その上で、これまでやってきたGRENEというのは終わりましたけれども、これまでGRENEプロジェクトでやってきたもの、そして、ArCSという赤で書いてあるのは今やっているもの、あと、グレーで書いてあるのが国際的な枠組みで実施しているものと、それで分類をしております。
 こういうものを見ながらどういうところが欠けているのか、どういうところが今後重要になってくるのかというのをもう少し本文のほうにちゃんとリンクをさせたほうがいいのではないかというような大きなコメントを前回いただいて、今これについて少し検討して議論のテーマのブラッシュアップを行っているところでございます。
 以上です。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございました。
 ただいまの説明に対しまして、何かご質問等ございますでしょうか。
 はい、どうぞ。中田委員、どうぞ。
【中田委員】 データとかのオープン化、実データというものの扱いがなかなかしづらいということですけれども、こういうことを提案していく以上、日本のこれにかかわっているコミュニティーはどういうふうに実際行っているのかということを少しお教えいただければと思います。
【事務局】  現在、国立極地研究所では三つほどアウトプット機能を組み込んだADSというデータアーカイブシステムを運用しており、また東京大学等が参画しているDIASというデータ統合システムもございますが、各システムはメタデータでしか連携していないという現状があります。ある先生に聞いたところによると、多くの方にデータを使用していただくことでスタンダードなシステムになっていくということがありますので、特に先ほどご紹介がありましたArCSのプロジェクトの中でも8個ぐらいプロジェクトがございますが、まずはそういった取組における実データをDIASといったデータシステムと連携させ、強化をしていきたいというふうに考えているところでございます。
【浦辺分科会長】  ほかに、では、窪川委員。
【窪川委員】  研究の全体がよくわからないので教えていただきたいのですが、極域はいろんな国が連携して入っていて、特に日本はそこに場所を持っていないのに貢献するとなると、何か日本が介入をしてお金を出す立場というようなことじゃなく、日本が来たからこれが進むよねというような、日本の持ち味が生かされる、彼らが参画してよかったねというような、ポイントとしてはどういうことが挙げられるのか教えていただきたい。
【事務局】  現在も、日本がニーオルスンという場所に国立極地研究所の観測の基地を一応借りて、そこで共同観測というようなことをやらせていただいていますし、あと、もう一つはEISCAT(アイスキャット)というレーダーに、これも日本が参画をして、一応活動拠点というような形でやっているものですが、そこで、EISCATでは1990年ぐらいから活動していますし、ニーオルスンの基地も早い段階から参画していますので、そういった意味では、日本はこれまではどちらかというとそれぞれの分野の、例えば、海洋物理であるとか、大気、気候であるとか、こういった形でどちらかというと研究者及び研究者グループが参画していたというところではあったと思うんですけれども、それはやはりGRENEのプロジェクトですとか、ArCSのプロジェクトといった形である程度、研究者グループを北極に関する研究ということでまとめて行っているということが、ある程度世界的に認められておりまして、先ほどもありましたACという北極評議会、これは主に北極圏の国で組織されている会議でございますけれども、今までのそういった成果が認められた、ある程度評価をいただいたということで、非北極圏ではありますけれども、一応オブザーバー国というような形で日本もそこに参画できるような形になっているというところが現状ということでございます。
【事務局】  北極データは基本的に国、そこには国があるわけで、日本というのは北極圏域ではないので、今非常に北極の環境問題であるとか、あるいは、氷が溶けてきて、航路であるとか、開発であるとかいろいろ注目を浴びてきて国際的なルール作り、議論がまさに始まろうとしているようなところですけれども、基本的には、それは北極の国々、今言ったArctic Councilでやるものなのですが、本当に全世界に関係するようなところで、そこだけに議論をやっているのではなくて、やはり、日本はもうちょっと積極的にそこにどう打って出ていくかというふうなことを考えたときに、これは去年の秋に北極全体の政策も海洋本部で策定されたわけですけれども、やはり、科学技術力というものを生かして、こういう観測研究、データをベースに、北極の国々も今後実際どうなって、それを解決するためにはどういう技術が必要なのだということを彼ら自身が非常に知りたがっているところがございますので、そういう部分で日本としては貢献をしながら、そういった国際的な議論にきちんと参画を果たしていくと、こういったような方向でこういう研究を進めているということでございます。
【浦辺分科会長】 よろしいでしょうか。何かまだあるかもしれませんが。
 ほかに、では、西村委員。
【西村委員】  今のお話と関係するのかもしれないですけれども、いただいた資料を拝見していまして、例えば、3ページの「今後、取り組むべき課題」の研究全般の二つ目に書かれていることがほかのものと比べてやや唐突な感じを受けました。自然科学については今までの経緯、今後の取組、課題という流れがすっきり書かれていると思うのですが、外交や安全保障面の政策判断に資する研究がこれから必要ですというのは、これまでの流れや具体的に今後やるべきこととの関連も薄く、浮いている感じがするのですけれども、ここを入れられた背景や意義を教えていただけますでしょうか。
【事務局】  やっぱり、議論の中で科学的な研究というその成果をきちんとこの地域の課題解決につなげていくためには、こういったことも考慮しながらやっていく必要があるのではないかというような議論もございまして、書き方がうまく書けているかどうか別途あるとは思うのですけれども、こういった観点も考えなきゃいけないねということで書いているところでございます。
【浦辺分科会長】  よろしいでしょうか。
 それでは、今いただいたご意見については、北極研究戦略委員会の藤井主査とご相談して最終的な取りまとめをしたいというふうに思います。どうもありがとうございました。
 それでは、次に議題3、当面の重点事項についてということで、これについて事務局よりご説明をお願いいたします。
【事務局】  前回の分科会でご説明をいたしましたとおり、参考資料3のところにも書いてございますが、まず、第5期科学技術基本計画が策定されたのを踏まえまして、科学技術・学術審議会全体としてこの基本計画をどうフォローアップしていくかということで、それぞれの分野については研究開発計画のようなものを作ろうということになり、その作成というものをこの分科会でもしますというようなことを決定していただいたところでございます。
 ただ、研究開発計画というのを作るのですが、まだ6カ月とか7カ月はかかるわけでございますので、当面、来年度何をまずやっていかないといけないかということについては別途、当面の重点事項ということでまとめて来年度に生かしていきましょうということで前回の分科会でご議論をいただいたところでございます。
 それで、資料3がいただいたご意見で、資料が資料4-1と資料4-2になってございますので、まず、資料4-1、4-2を簡単にご説明してから前回あった意見というのをご紹介したいと思います。
 資料4-1が海洋科学技術に係る当面の重点事項ということで、前回ご欠席の方もかなりいらっしゃるので簡単に説明しますと、最初の段落のところでは、これまでの、最近の経緯、状況ですね、第5期が決められたというようなことであるとか、総合海洋政策本部でも参与会議の意見がまとめられたと。
 「他方」ということで国際的な動向としてSDGsの中に目標の一つに位置づけられている話であるとか、G7のサミットの中でも海洋の観測強化といったようなものについて触れられていると、そういったようなことを踏まえながら、今の点について来年度に向けて取組をしていく必要があると書いてあります。
 まず、1ポツで課題解決に向けた取組の強化ということで、従来からやっているものはもちろん継続していくわけですけれども、特に来年度ということでG7等を踏まえて科学的根拠に基づく海洋の管理等に資する取組、海洋観測の強化であるとかそういったものをやっていくぞということが(1)番。
 (2)番が今の委員会の意見、議論でもありましたけれども、今非常に大きなイシューになっています北極研究、これを戦略的に推進していくということ、(3)番は、国民の安全・安心ということで、これも分科会のほうでもいろいろ議論がありますけれども、やはり、地震、南海トラフなどの地震の切迫性が指摘されていますが、こうしたものに対する研究開発や、あるいは、復興のための研究開発、そういったものを推進していくことということを書いているところでございます。
 もう一つは、2ポツでオープンイノベーションの推進ということで、課題解決を進めるとともに、やはり、今現在、科学技術イノベーション政策の中で大きなイシューになっているイノベーションというものについて海洋の分野からどう切り込んでいくかというようなものについても少し来年度に向けて考えていかないといけないんじゃないかということで、大きく2点書いてあります。1個目のマルが、やはり、海洋というものは多種多様なデータというものが出てくる分野でございまして、それをきちんと使うことによって新しい価値、特に他分野との連携をすることによっていろいろな価値が出てくるのではないかと、そういったようなこと、次のマルがデータだけではなくていろんな技術や知見ですね、深海探査も含めてさまざまな先端技術というのがそこに使われているわけでございまして、また、海洋の微生物の機能とか、もちろんいろんなシーズもありますので、そういうものをうまく他分野と連携してイノベーションにつなげられないかと、そういったような観点が書いてございます。
 3ポツとしましては基本的な施策ということで、基礎研究、基盤技術、人材育成等と、そして、先ほどの深海探査システムの報告書にも書いてありますけれども、無人探査機の大深度化へのアクセス能力の確立、そして、研究船の運航日数の確保、そういったようなことを3ポツでざっと書いているところでございます。
 これに関して、前回いろいろ議論をいただきまして、それを資料3にまとめているところでございますけれども、主な意見ということで、総論としましては、政府も財政が苦しくなっている中でいかに民間のお金を呼び込んでいくかと、そういったときに海洋ガバナンスの観点というのはよりステークホルダーを詰める必要があるのではないかというようなことであるとか、あるいは、省庁の壁を乗り越えて施策を実施していくというようなこと、あるいは、データを集めて集約するようなスキーム、そういったような話であるとか、実証試験の枠組み、あと、これはここで重点だと言っている部分と実際に予算でどれぐらいやるかと、ちょっと別の話ですよねといったようなこと、あとは、日本がリードできる分野を明確にするというようなこと、1ページ目の最後には、誰がベネフィットを受けるか、これも結局お金をどう入れ込んでいくかということにつながっていくわけですけれども、そういったステークホルダーと、特に、安全・安心・復興というのは強調したほうがいいのではないかということ。
 次のページにいきますと、海洋リテラシーの話というのを是非取り入れてもらいたいというのが2点ほど出てきていると。
あと、個別の関係で、総合的な理解のところではロングタームの観測というのは予算が減りつつあるのだというような話、あとやはり、ガバナンスというのは国際的な問題なので地球全体の問題、どのように対応していけばいいのかと、それは民間でどういうことができるのか、そういった議論というのが必要なのではないかと。あるいは、イノベーションとか言ったときには、沿岸域の現象の予測・注意喚起、そういったものと社会的なベネフィットというのがあるのではないかというようなご意見。
 あと、次のページにいきまして、自然災害の防災・減災というような観点で、海底のプレートの観測、そのための、船ではなく探査機の技術開発を進めてもらいたいというようなことと、やはりステークホルダーを明確にすると、そういったようなご意見を最近でいただいているところでございます。
 前回の議論、いろいろ改めて拝見させていただきますと、何となく中長期的なものが多いのかなということで、なかなか当面の重点事項のほうに反映しにくいなと思っていますが、この中で特に関係省庁との連携ということについて新たに入れたということと、リテラシーについては人材育成とプラスアルファしてリテラシーを強調し、リテラシーの向上というものを入れてございます。
 あと、安全・安心の強調というのは、今もできているのかなということで、あえて意見の反映はしておりませんけれども、その趣旨は入っているということかなと思っています。
 あと、やはり、民間でのお金をどう入れ込んでいくか、ステークホルダーがどうなのか、これ、かなり大きな話になりますので、むしろ今後の計画等々の議論の中で少し考えていったほうがいいのかなというふうに思っております。
 以上でございます。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございました。
 結構資料がたくさんあって、なかなか、この間欠席された方、ぱっと全部理解するのは難しいかなというふうにも思いますが、前回、残りの委員の中で幾つかの議論をしています。これが資料3にも反映されております。
 それで、資料4については、4-1、2については改めて出していただいているので、これをご覧になった上で、前回、木島委員、白山委員、瀧澤委員、竹山委員、田村委員、津田委員が欠席されているのですけれども、何かコメント等あれば、竹山委員。
【竹山委員】  結論としての意見のまとめ、一つ一つ非常によくわかる言葉で、いつも同じコメントをさせていただいているのですが、省庁の垣根を超えとあるんですが、私たちからすると分野の垣根を超えてもらいたい。
 どうしても海洋という大きな枠の中で、大きなようで海洋をやっている人たちのコミュニティーでいつもそれぞれが動いているような気がしてしようがないというのがあって、ですので、新しい価値の創造をするためには多様な人材が外から入りやすい、そういう環境と受け皿があって、そこに海洋に行くことのおもしろさという、いろんな人が入ってきて、そうすると今までなかったアイデアも出てきますでしょうし、いろんな情報も、どうやってやるの、どういうことができるのとか、新しい計画ができると思います。
 なので、省庁の壁というのは昔から言われていて、情報のとり方もそれぞれがあってなかなか難しい。やっぱり研究者とか、民間と研究者の間の壁というのも価値観が違ったりするので、そこをどうやって共有するかというところがありますので、壁は至るところにありますので、それを是非取り払うような意識を持っていただきたいと。
 やはり、具体的なことになると、共有のプラットフォームというと情報的なところかなと思いますので、是非パラレルに、情報プラットフォーム、あと、その情報に入れるべきプラットフォームというか、どうやって情報をとるのかとか、どういう情報をとるのかという、そういうコミュニティーを、組織を作っていただくといいのかなと思います。
【浦辺分科会長】  では、白山委員から、その後、田村委員。
【白山委員】  ありがとうございます。1点だけ、海洋の研究の最大のステークホルダーは政府じゃないかと思います。人と市民と国民という単位よりも、やっぱり、海洋研究がいろんなところで、例えば、外交であったり、あるいは、科学技術、生産であったり、いろんなところで最も研究の進展がベネフィットを受けるのは政府じゃないかと思います。その点をちょっと配慮した書きぶりにしていただくといいかなと。
 政府というのは文部科学省という意味ではなくて、それこそ省庁の垣根を超えて政府全体という意味でございますけれども、垣根を超えた海洋開発の研究をすることは、省庁の垣根を超えた政府全体のベネフィットであるというようなイメージで少し書きぶりを考えていただけるとありがたいと思います。
【田村委員】  こういう感じで書かれているのが文科省としては非常によくわかるところでございますけれども、最近若者と話していて、将来的に海洋で飯を食っていけるのですかという質問をよく聞くんですね。おもしろいから来なよとか言っても、それが産業になっているのですかと。いつも反省するのですが、産業というか海洋というのは産業の規模が政府の補助金の額とぴったり同じだというか、要するに、呼び水になってプラスしていかないというところが一番の問題なのかもしれないと思っていまして、そういった意味では省庁の壁を超えてと書いてありますので、何とか、そういったもうちょっと産業というか将来的にそういったものになるような視点、ここには中小企業、ベンチャー企業の活用と書いてありますが、お金にならなきゃ単に政府が払った金を中小企業がもらうだけで終わってしまうという感じだと思います。
 だから、そういったもうちょっと先に広がる感じというのを何とかこういうところに入れていただくともうちょっと議論が深まっていくのではないかなと思っております。
 以上です。
【浦辺分科会長】  ほかにございますでしょうか。
 では、辻本委員さん。
【辻本委員】  私ども、1点ちょっと省庁の壁を超えてやっていただきたいというか、考えていただきたいのは、この中にも書いたのですけれども、データそのものをどこにどうやってためて、どういうふうに管理していくか、その全体のところを、オープンイノベーション、特にオープンデータ、オープンサイエンスの部分の考え方が入るといいのかなというふうに思っています。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございます。
 この議論の中で、一つは今後事務局のほうで具体的に概算要求をしていくというときに必要があるわけでございますけれども、そういうときにどういうふうな留意点があるのか、それから、先ほど深海探査システムの話にもありましたように、やっぱり、今第5期の科学技術基本計画の中でイノベーションということがキーワードになっているわけですけれども、海洋の部分でなかなかまだこれぞというイノベーションというものが今回の検討の中で出てきていないような気がします。
 それで、その概算要求であるとか、海洋のイノベーションであるとか、イノベーションについてはもう少し次の議題でも議論になると思いますけれども、そういうふうな面で、少しこういう点に留意したらどうかというふうなことはございますか。
 はい、平田委員。
【平田委員】  私がいつも出ている会議とここは少しメンバーが違うので、むしろ私の地震とかから見ると、ここは省庁の壁はちゃんと乗り越えているし、産官学がちゃんと協力されているところという印象を持つので、そういうことを意識された上でさらにもっとやる必要があるというご発言と理解しますけれども、誰がベネフィットかといったときに、政府というのはちょっと私は余りかなと。むしろ国民全体が、海洋国である日本としては国民があまねくベネフィットを受けると、山の中に住んでいる人もやっぱり海洋が非常に重要だということがわかるようにするというぐらいの心がけがよろしいのじゃないかなと。
 つまり、地震のことに引き寄せて言うならば、山の中にいる人もプレートの境界で起きる巨大地震によっていろんな災害を受けますから、山の中ってちょっと言い過ぎですけれども、海岸でない人も災害になりますので、是非、国民の生命・財産を守るということに海洋の研究や技術開発が重要であるということがやっぱり、一番の冠として是非掲げていただきたい。
 それで、最初の議題のところにもございましたように、海洋の場合には、人類の知識を、フロンティアだという、そういう非常に夢とロマンがあるところから安全で安心な社会を作るということで防災というところまで、非常にベクトルを広くお考えなので、これも非常に重要なことだと思います。地震や防災というときには、常に安全・安心ということだけが前面に出てきて、地球の成り立ちなんていうのは、日本列島どうやってできたかというようなことを私が一生懸命言っても大概問題にされませんが、ここはそういうこともちゃんとやっているというところで、両方あるというところは非常に重要かなと思いますので。
 さらにそれを前提とした上でイノベーションということが、それは次の議論になると思うのですけれども、イノベーションも少なくとも文部科学省が言っているイノベーションというのは、経済的価値の創出というのと、もう一つ、社会的価値の創出ということを強く言われています。これは科学技術・学術審議会の総会などでも非常に強調されることですので、海洋の開発の分野では両方非常に必要なことで、産業の分野で経済的価値を創出するというイノベーションと同時に、防災なんていうのは余りお金にはならないのですけれども、これはやはり社会的価値を増すための新しい技術開発をするということで、特に日本は海で起きる大きな地震というのは非常に喫緊の問題となっておりますし、このコミュニティーの活力というのは日本の国全体というか国民の生命・安全・財産を守るということに非常に貢献しているというふうに理解しますので、事務局の用意されていること、全体としては大賛成ですけれども、もうちょっと格調高くやってもいいんじゃないかなというような、ちょっとエールを送ります。
【浦辺分科会長】  瀧澤委員。
【瀧澤委員】  この新しい価値の創出の例のところを見ると、上の二つは既に海洋をやっている、あるいは、水産庁の人たちがやっていることへのインプット、閉じたテーマのイノベーションにしかなっていないと思います。
 さっき竹山委員がおっしゃいましたけれども、外の人にどうつなげていくかというのがすごく重要だと思いました。実際にJAMSTECと水産機構に理研が1回アプローチされてきたことがありまして、自分たちは海に近づく方法がないので是非一緒にやらせてほしいという話があって、彼らが言ってきたのは、例えば、オワンクラゲで蛍光物質を取り出した、あれはもうトップで固められているので、新たな蛍光物質を持つ海洋生物を探したいということの初めはアプローチだったのですね。
 そういうふうに外の人からのアプローチがやりやすいような環境というのを私たちコミュニティーは作っていく必要があるなと、その一件から思いました。直接にかかわることではないですけれども、一つコメントです。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございます。
 では、竹山委員。
【竹山委員】  全体的に見ていてすごく気になるのは、例えば、産業化とかいろんな話が来ても、日本は国土がこんなに小さくて、海が広いというのは対比的に言って大きいだけで、やはり、日本の中だけでいろんなことをやっていてもどっちにしろ無理なわけですね。例えば、新幹線をいっぱい造っていても、国の中だけではもう飽和してしまうので海外にどんどん新幹線を売っているわけですよね。
 だから、海というのは、日本が先進的な技術でいろんなことを改良していったり、観察したり、こういうことするといいとか、防災だったらこうだよというのをどんどん、どんどんやっていったら、それはやっぱり海の底続きのアジアの国、そういう国に、アジアの覇権者である日本が技術供与をし、そしてそこからビジネスも生まれということの発展がないと、文章見ていると何か日本の中のイメージがすごく強くて、これでは産業が起こらないのも当然で、マーケットがこんな小さい国の中の、周りもEEZ広いぞと言っていても限界があるわけなので、そういう、戦略的にはアジアに還元すると言いつつもアジアの中で稼ぐとかいうような視点がないと、今商社がどんどんアジアに出ていっているのはそういうことなので、海に関して、サイエンスに関して、セキュリティーに関して、セキュリティー、日本の中ではお金にならないかもしれないですけれども、海外のセキュリティーに対して新しい技術力を出していく、あと、センシングのこととか、10年、20年遅れているところにはやはり技術で、日本のやり方で、日本のスタンダードを出していく。
 今の全ての分野はスタンダードを誰がとるかという、そういうことが起こっているのです。だから、海の中においてもスタンダード、例えば、AUVに関しても日本のAUVはアジアで、あちこちで動いている。やっぱり同じもののほうがランニングもしやすいということがある。それを早くやらないと中国がどんどん出てきますので、持っていかれてしまう。ちょっとそこの広がりが、インターナショナルな貢献とそこにおける経済効果というのが、是非、そういう何かちょっと、どこにもそういうニュアンスはなかったので、それを書いていただけるとよいかと思います。
【長澤分科会長代理】  すみません、ちょっと今まで皆さんお話しされていることとややすれ違うのがあるかもしれないのですけれども、我々経済界から見ていて、今日は海本部が提唱するごとく海洋開発が重要であるという中で、当然それを進めるためには科学技術の開発というのは欠かせないわけですね。
 その中で、そこの科学技術の開発と産業化って、実態としてどうかみ合わせるかということの一つの例としまして、最近、私ども日本郵船という会社は千代田化工さんと一緒にサブシー業界というところに参入して、これは何をやるかというと、いろんな、主としてオイルやガス、経産省の領域ではあるのですが、いろんなものを設置する、海底に。大体3,000メートルぐらいのところにいろんな機器を設置して、海底からの情報をとるような機器とか、そういうものを設置してやる会社に資本参加したのです。
 この会社そのものはシンガポールにありまして、千代田さんと私どもで60%参加して、実質日本人が支配する会社になったと。この会社は先ほどのいわゆるROVとか深海探査システムとか使っているわけなのですね、実態として。
 ですから、まさしく今JAMSTECさんがやっておられる、「ちきゅう」なんかもそうなんですけれども、予算の限界というのは必ずどこかであるわけで、こういうものを開発されたときの有効活用先として、言ってみれば民間に転用する、いわゆるニーズがないときといいますか、「ちきゅう」なんかは予算ぎりぎりのところでやっておられるので、どうしても稼働できない時間がある。それをどう有効活用するかということで、具体的に日本海洋掘削さんとともにインド沖で実際のオイルガスの掘削に当たったと、こういうことがあったわけですね。
 そのお金は当然政府になっているわけなので、そういった科学技術をどんどん開発しなきゃいけない、これは海本部が言っていますし、安倍さんなんか1万人のそういう人間を作っていくんだなんて、そんな簡単なものかなと実際思いますが、ただ、日本の会社や企業としての、やはり、海にはいろんな資源がある、間違いなく言えるというものは熱水鉱床もあるでしょうし、メタンもあるわけで、どう開発するかというのも今後の問題なのですけれども、そういうものがあるならやっていかなきゃいけないということは、多分、いわゆる研究者の皆さんと産業界が思っている方向はある程度一致していると思うんですよね。
 それを、こういうものを作ることでどううまく転嫁して、うまく利用して、それをそういうことありで国民に見せることによってこういうものの支持が受けられるのではないかなというふうに思う次第です。
 ですから、「ちきゅう」の転用なんかは、ある意味じゃ、予算苦しい中でやられた、ある意味では苦し紛れの結果だとは思うんです。結果的にはそういう民間活用によってさらに技術的なノウハウも会得していく部分もありますし、そういった転用もいろいろ可能性としてあるのではないかなと。
 思う方向は一緒なので、その辺を、それがあるとすると、さらに言うと、先ほど来出ている、言ってみれば、省庁を超えたという、よく言われるJAMSTECさんとJOGMECさんとのさらなる連携とか、そういうものが欠かせないのではないかなというふうに思います。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございました。
 では、浦委員。
【浦委員】  4-1の資料なのですが、この3ポツの最初のマルですけれども、先ほどもリテラシーと人材育成は大切であるということはよくわかって、このことに対して何ら反対はなく、大いに賛成するのですが、この書きぶりが別に海に限らなくても、何とでも、どの分野でも通用するような一文になっていて、海だからこそさらに基礎研究や基盤技術に国が力を入れなくてはいけないというような書きぶりにならないと、これだと、ああ、そうですねで終わってしまうということになるので、もっと力強くここを書いていただきたいと思います。
【事務局】  具体的な、あれは。なかなか難しいです。
【浦辺分科会長】  よろしいですか。
 今のような具体的にこうすればいいというのは、これは実は今日のご意見を反映しまして、次回までに決めていくということになります。ですので、次回は長澤委員に司会をしていただくことになりますが、それまでには今言った、ここはこうしたらいいというのは反映されるべきことなので、事務局のほうに今日の資料を持ち帰られてそういうような具体的にこうすればいいというのがあったら、是非、お寄せいただければと思います。
 それでは、窪川委員。
【窪川委員】  4-1の2番のポツで、海洋分野における先端技術や成果の他分野における云々というところも、やはりちょっと弱いというか、ほかの分野の先端的なところを含めて海洋とがっつり組めるというところを強調するような書き方のほうがいいかなと思いますので、その辺も事務局に伝えて書かせていただきたいと思います。
【浦辺分科会長】  おわかりいただけましたよね。どうもありがとうございます。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。議題4で海洋科学技術に係る研究開発計画(仮称)ということで、これについて事務局よりご説明お願いいたします。
【事務局】  今、まさに議論をいただいたのは来年度に向けた当面のということなのですが、最後、もう少し長期的な第5期の基本計画を受けた研究開発計画の議論ということで、資料5についてまず説明をさせていただきます。
 研究開発計画というのは、前回ちょっとご説明したのですが、科学技術・学術審議会全体でこういうものを作っていくということで、特に海洋以外の分野は、研究計画・評価分科会というのが別途あって、そこでいろんな分野の研究開発計画を作ることになっています。したがって、それの並びをちょっと見ながらこの構成案というのを作らせていただいているところでございます。
 最初の頭書きは、経緯が書いてあるのでそういうことだとして、1ポツの基本的な考え方については、これは大体報告書の最初に書いてあるのですけれども、根拠となる政府方針とか、海洋科学技術の位置づけとか現状、意義、そういったものを書いていくということを示してございます。
 2ポツで、この研究開発計画全体そうなのですけれども、まず大目標というのを掲げてあります。大目標がどこにあるのかというと、科学技術基本計画の推進のための研究開発計画になっているんで、とりあえず、科学技術基本計画で海洋分野と関係するような部分というのが基本的に大目標になっていくということで、それを書いていくことになろうと思っています。それで、項目だけ今下に書いてございますけれども、具体的には、ちょっとページ振っていなくて申し訳ないのですけれども、ページのない参考資料です、別添として横紙のものがございます。
 科学技術基本計画を読んでいただくと、第2章と第3章が研究開発の課題となっていまして、第2章が未来の産業創造と社会変革に向けた価値創出の取組ということで、いわゆる超スマート社会に向けて、IoTであるとかAIであるとかそういったIT技術の発展というものが書いてあるところでございまして、その中に、実は海洋と関係するところで地球環境情報プラットフォームと、DIASということも具体的に載っていますけれども、こういうものがそういったスマート社会のデータの一つのプラットフォームとしてきちんと構築していくことが重要ではないかのようなことが書いてございまして、ここは一つ海洋と関係しているところでございます。
 この横紙の次をめくっていただきますと、次は科学技術基本計画の第3章の課題対応の部分になりますが、この課題対応の部分もいろいろ散りばめられて書かれている部分でございます。
 まず、第3章の(1)は、どちらかというと経済成長の持続的な発展に関するところなのですが、その中の1番目としてエネルギー関係がございます。このエネルギー関係の中には、例えば、エネルギー関係のそういう船舶も含めてエネルギー関係の省エネルギー、あるいは、再生可能エネルギー、こんなものが当然海洋にかかわるようなエネルギーというのも書いてあって、それの研究開発と。
 2番目に資源の安定的な確保という観点からは熱水鉱床などを含めた海底資源の発掘、3番目に食料の安定的な確保というものには当然水産業の観点というものが入ってございます。
 次のページ3ページ目にいきますと、課題解決の中の(2)の国・国民の安全・安心ということになりますけれども、そこでマル8と書いてありますように、自然災害への対応、当然大きくかかわってくると、あと、食品安全、生活環境、労働衛生、これはちょっとでありますけれども、健全な水循環ということで、恐らく環境保全的なことというのもここに入っていると。
 それで、今度マル11の国家安全保障上の諸課題の中には、海洋、宇宙空間、サイバー空間ということで海洋が明記されているというような点、それで、第3章の(3)は地球規模課題ということで大きく地球規模の気候変動への対応ということで、当然、北極域が明記されていますけれども、北極域のみならず海洋の観測研究全般で当てはまりますし、次の生物多様性、海の生物というのも当然ございますので、その多様性ということで関係すると。
 あと、ここに抜き出すのを忘れていますが、第3章の(4)ということでフロンティアの研究開発ということで、宇宙と海洋だけ特にそういった位置づけを与えられているということがございます。
 すみません、もとに戻って、1ページ目の2ポツの大目標のところですが、その科学技術基本計画から抜き出した大目標といったところについては、そういうような一応目標が掲げられるということになろうかと思っております。
 それを踏まえて、その大目標を踏まえて、2ページ目になりますが、それを達成するための中目標ということで、文部科学省としてこの大目標をやるためにどういう形で海洋分野やっていくのかというのが中目標になってきます。
 中目標としては、今現在、大体ここに書いていますが、海洋資源、これには鉱物資源、生物資源が入っていますが、海洋資源でありますとか、極域や海洋の総合的な理解、自然災害、先端的な技術開発・運用、科学的知見の拡大と、そういった分野で書いてありますけれども、そういった中目標というのを作って、それをどうやって実施いくのかということについて、2ページ目の海洋資源のほうの下にちょっと書いてありますけれども、達成状況の評価のための指標でありますとか、どういったものを重点的に研究開発していくかといった、そういった取組、そういったものをそれぞれの中目標に対して記述していくというようなことになろうかと思っております。
 そして、3ページ目で、次の4ポツにいきますけれども、研究開発の企画・推進・評価を行う上で留意すべき推進方策ということで、これは基本計画の第4章、第5章以降をピックアップして人材育成であるとか、オープンサービス、オープンイノベーション、あるいは、施設・設備、情報基盤、社会との関係、関係府省の連携、国際協議、こういったようなものがここで書かれることになるかと思います。
 最後になりますけれども、5ページ目で、これはちょっと海洋の分野の特別なところで、その他ということで固有の留意事項ということがあります。まず、念頭に置いていかないといけないのは、多分、海洋基本計画というのが別途ございまして、この海洋の分野については、その海洋基本計画の上で体系づけられている政策体系と、科学技術政策で体系づけられている体系、そのまま両方見てやらないといけないということがありまして、この5ポツのところに海洋基本計画との関係をどう整理していくかというような話があるということと、あと、多分、中目標を作るときにも、今ある海洋基本計画、あるいは、これから議論しようとしている次期海洋基本計画、そういうものとのリンケージなり、それの整合性をどう図っていくかというのを少し考えてこういった目標とかを作っていかなきゃいけなくなる、そういうふうに思っております。
 資料5については、説明は以上です。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございました。
 先ほどの資料にもありましたように、今回の第5期科学技術基本計画の中で海というのが産業競争力の強化であるとか、社会的・経済的な課題への解決に資するものであるというようなことが書かれているわけですね。海の分野がそういうものに資すると書いてあるんだけれども、具体的にどういうふうに資するのかというふうなことは、文科省の中ではこの海洋開発分科会というのは独立してありますので、ここで議論していく必要があるという、そういうふうなご説明だったと思います。
 それで、ここに、資料5というのを、これを来年までにきちっと作っていくということになるわけですけれども、まず、この1、2、3、4、5という大枠の全体構成はこれで多分いいのかなというふうに思いますがいかがですかね。この基本的な考え、大目標、それから、達成するために必要な中目標があって目標値があって、留意すべき推進方策、それから、先ほど話がありました海洋基本計画というのが、もうあと2年ぐらいでまた書き変わりますから、今の海洋基本計画と次の基本計画のことも考えなくちゃいけないということがありますので、こういうふうな構成は非常にリーズナブルなものかなというふうに思います。よろしいでしょうか。
 そうしたら……はい。
【浦委員】  海洋基本計画のほうに関係して、参与としてですね。実は、このことし1月の閣議決定されている科学技術基本計画の前に、これは科学技術イノベーション会議が作り上げているもので、そこのメインの方々と、それから、総合海洋政策本部の参与のメンバーと集まって一席設けていろいろ議論しました。
 つまり、我々、総合海洋政策本部は海洋科学技術をどうやって進めていくかということを基本計画の中に盛り込んできて、それが重要だと言っているのに、科学技術のほうがちょっとしか書いていないのは一体何なのということになってしまうじゃないですか。ということは、海洋科学は重要なんですよということをよく理解していただいているということが重要で、それを確認したりして。そのときの議論は、最終的にはことしの1月できた科学技術基本計画の中に海洋というのは割と大きく位置づけられているというふうに私は理解したんですね。
 だから、今おっしゃっていたように、それを中心として、もちろんこれはそのためにやっているんですけれども、5に海洋基本計画のほうとの兼ね合い、あるいは、それとどういうふうに整合をとってやっていくかということが書かれれば割とうまくいくんじゃないかというふうに思います。
【浦辺分科会長】  そうですね、事務局のほうでこの科学技術基本計画の、それぞれの項目の中でばらのポツ、ポツ、ポツといっぱい書いてあるので、自分たちで拾い上げるのはなかなか大変なので、非常にわかりやすく広げていただいているので、この全体の枠をまずこれでいくと。それで、あと、今の資料5の中で1、2、3、4、5とあるわけですけれども、最初に基本的な考え方、それから、2の大目標というところの辺でまずご意見をいただいて、それから、3、4、5についてまた分けてご意見いただいて、大体こういうふうな方向で行くということはオーケーなので、どういうふうにやっていけばいいのかということをご議論いただければと思います。
 作り方も少し問題で、こういうのを作っていくためにはどういうことを、例えば、ヒアリングをしなさいとか、どういう調査をしなさいとかということももちろんあると思いますし、そこら辺も含めて、ばらばらでも結構なので、少し誰か口火を切って議論をいただければと思いますが、花輪先生。
【花輪委員】  浦先生のお話しされたことに非常に関係するんですが、2の大目標の項目を見ると、科学技術基本計画にこういうふうにあったものを取り出したからということで、必ずしも包括的に見えないんですよね。大所高所に俯瞰的に立って、海洋のほうは、今から5年間こうやっていったほうがいいですよという印象がなくて、それで、基本計画の中の海洋部分はこうやりますというふうに言っているにすぎないと。
 それと海洋基本計画との関係を何か最後に言うというのはちょっと違和感があるなと思います。むしろ基本的な考え方の中で海洋基本計画があって、それはもう3年、4年たっているのだけれども、今回、科学技術基本計画が出てきて、そこをうまく使用して、今回の計画はこう作ったというふうにしないと後で何か言いわけを言っているみたいな感じがしませんか。という印象を受けました。すみません。
【浦辺分科会長】  必ずしもこの順序で作っていく必要はないかもしれないけれども、ここでははっきりこういう、科学技術基本計画の中では、言ってみればステークホルダーという人がどういうふうな、国民だけれども、国民とか企業とかいうものがどういうルート、どういう理由で海からそういうふうな、海がそういうふうに、産業競争力であるとか社会の課題の解決といったものに、海がどう寄与しているかというところを見る上では非常に便利なものではあるので、そこと全体論の、どうやって組み合わせていくかというのは順々にやっていくとちょっとばらばらになってしまうかもしれません、確かに。
 ほかにございますでしょうか。
 では、白山委員。
【白山委員】  こういう視点を入れるべきかどうかよくわからないんですけれども、最近沿岸の環境というのを考えたときに、陸域と海域との関係というのが、物すごく強調されるようになってきていて、陸域や海域を保全するために陸域を管理しなくちゃいけないとか、あるいは、それこそ瀬戸内海とかそういうところは必死になって、陸域が一生懸命管理をして海洋の環境を保全しているわけですね。
 今のところこの海洋科学技術は完全に海としているんですけれども、そういう、国際的にはICM(Integrated Coastal Management)という言葉で呼ばれていますが、総合的海洋管理と申しますけれども、そういう視点ももしかすると入れてもいい、あるいは、入れたほうがいい一つの視点かもしれません。
 余り理学的な話ではないかもしれませんが、例えば、河川工学の人たちとか、ちゃんと海のことも考えてやっていただかないと海の保全ができないとか、そういうことはこの海洋開発分科会でないと指摘できないことなのではないかという気がいたします。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございます。
 ほかに。では、藤井委員。
【藤井委員】  先ほどの議論でも出たのですけれども、この大目標のところでは、やはり、海洋ということを考えると国際的な貢献の部分をもう少し出したほうが格調が高まると同時に、実際にそういうニーズが多様にあります。環境汚染の問題もそうですし、北極での航路の確保の問題もありますし、そこにまた安全保障が絡んでくるなど、いずれも国際的課題です。ですので、どこに入れればいいのかわかりませんが、現状は日本だけの利益なのだよというのが少し出過ぎている感じ、あるいはそのように読まれる感じがあります。ですので、国際貢献ということを少し強調していただければなと思います。
【浦辺分科会長】  そうですね。
【事務局】  すみません、大目標の第3章の課題達成のところの(3)は世界の発展への貢献ということにはなっていますが、基本計画を作るときの議論では、経済、国民、世界とそういう順番だったので。
【藤井委員】  実際は個々の議論でやればいいと思うのですけれども。
【浦辺分科会長】  そうですね、本当に、結局海の場合にはやっぱり世界からの視点、それから、先ほど白山委員からありました陸とのつながり方、世界とのつながり方というのは、この科学技術基本計画よりは少し違ったカバーの仕方は確かにあるので、そういう観点は確かに必要なような気がしますね。この関係性といいますか、それと統合的に見ていかなければいけない。ばらばらに各省、各省で言われていることをぽっぽとやっていけばいいというものではなくて全体を見なくちゃいけないという、そういう視点は非常に重要だと思います。
 それと、1、2について今議論が出てきておりまして、大分方向が収れんしてきたと思うのですが、次に、3、4、5、中目標であるとか、それからこの目標値という、これは最近の流行と言ったら怒られるかもしれませんけれども、具体的な数値で3ページの上にあるように達成目標、達成状況の評価のための指標とか、いろいろ出てきますので、これも特徴だと思いますが、そういうふうなもの、それから、4の項目案が幾つか書かれています。これは推進方策の中で、これはもともとこういうふうな、さまざまなところに出てくるわけですけれども、必ずしも海ではこれだけではだめだとか、これは合わないとかあると思います。その辺についてちょっともしお考えがあればお願いしたいのですが。
 高橋委員、お願いします。
【高橋委員】  達成の評価のための指標という、目標値がすぐ出ていますが、今までどうだったかというのはどこで書くのですか。これまでの経緯はこうであるから、ここまで来ているから、これからこうすべきと、書く必要があると思います。もっと前で書くのか、ここの中で書くのか、よくわからないですが。
【事務局】  それは具体的に文章を作りながらだと思うのですけれども、二通りのやり方が、最初のほうに書くのと、ここにこれまでこうで、だから次はこうだというように書くやり方と多分両方あるんじゃないかとは思います。いずれにしても、文章化するのにどっちがわかりやすいかという話になってくるのではないかと思います。
【高橋委員】  現状をどう把握しているかは重要だと思います。その認識によって次のステップが変わってくると思うのですが。
【浦辺分科会長】  これも多分文科省のほかの、海以外の分野をまとめて同じようなものを作られるので、その辺のところを横目で見ながらというところがあると思いますけれども、それぞれが要するに何をやるか、指標及び目標値をあわせて言わないと、こういうことやりたいと言ったときにここまでやっているふうな、全てのものにここまで行きます、それをいつまで行きますかとか、どれぐらい、何%行きますかとか、そういうのを全部つけろというふうな話だと思います。
 もう少し、例えば、インダストリアルな分野だと、結構仕様書があって、今までは、画面のレゾリューションを4Kだったのを8Kにするとか、物すごくわかりやすい目標があるのだけれども、海の場合になかなかそういうふうな、4Kを8Kにするとかいうのがあるのかどうか、難しいなという気はしますけれども、この辺は、例えば、それぞれの分野でできるものなんでしょうかね。私も答えを持っていないのですが、答えがあるわけではないんですけれども、最近のCSTIの議論なんかを見てみますと、やはり、指標そのものの開発というのを、すぐにできるものではないので、リバイスしながら指標そのものを磨いていくことが大事だというような議論もあったかと思いますので、無理なところは無理かもしれませんけれども、少しずつやっていくのは意味のないことではないかと思います。
【事務局】  指標と目標値ってちょっと違うもので、目標値というのは具体的に、先ほどおっしゃられた技術的な目標みたいになるんですけれども、今の、特に基本計画を作ったときの議論では、指標というのは政策がちゃんとうまく動いているか、動いていないかと、それを見るためのいろいろなデータセットというイメージですね。
 つまり、何かの政策を決めるときにいろんなデータを見て、今こういう状況にあるからこれをこういうふうにしなきゃいけないと、そういうふうな政策を打ったときに、今度データというのは変わっていくから、このデータをモニタリングしながら政策がうまく動いているかどうかというのを見ましょう、それがいわゆる指標、評価のための指標と言われているもので、そこに、その指標に対してどこまで、50%上げなきゃいけないとか、具体的に値を決めるとそれが目標値になってくるのですけれども、基本計画の場合、必ずしも目標値を全部定めているわけではなくて、目標値を定めることの弊害もあるだろうということで、ごく限られた4個ぐらいの目標値しか置いていないので、全体的に目標値をどういうふうにして置いていくかというのは、多分ほかの分科会の議論とかも横目で見ながらやっていく必要があるのかなとは思っております。
 特に、研究開発、こういうものの部分の目標値というのはなかなか難しいかなというのは基本計画の議論の中でも実はあって、したがって、今の基本計画では基本計画の中にこういう課題達成の目標を置かずに、毎年の総合戦略で何か目標を置きましょうという話になっているので、ちょっとその辺との兼ね合いも考えながら目標値を議論していく必要があると思います。
 これとは別に、モニタリング指標というのは別途ですね、こういうデータを見ることによって政策がちゃんと思った方向に動いているかどうかというのをモニターできますよねと、そういうものを何点か決めておきましょう、評価基準みたいなものだと思うのですけれども、そういうふうなことで理解をしていただければと思います。
【浦辺分科会長】  これ、3ページの一番上の(2)のところで具体的に幾つか、例だと思いますが、例えば、一番上は極域及び海洋の総合的な理解、これ、藤井委員がご専門のことだと思いますけれども、これで達成状況、評価のための指標、目標値、その次は自然災害への防災・減災、達成状況への評価のための指標、目標値って、これは平田委員のところですけれども、なかなか今から難しそうな気もしますが、これについてはどうでしょうか。
【平田委員】  単なる理想論とか希望値なら書けますけれども、実際に限られた年数で、限られた予算でやるわけですから、そのときに合理的な目標値というか値を、その死者を半減するとか何か言うことは簡単ですけれども、それには一体どれだけの投資が必要かというのは、それほど明瞭ではないですね。
 だから、できないことを設定しても私は意味がないと思うので、5年とか何年とかでできるということがあると思いますけれども、どうしても作らなきゃいけないというなら、提案はしますけれども、なかなか難しいです。
【事務局】  さっきも申し上げた、目標値というのは指標だと思います。だから、政策を見て、研究開発の場合は例えが難しいのですけれども、人材育成の場合だと、若手の研究者の割合とか、女性の研究者の割合というのをモニターしていて、女性研究者の例えば支援策、うまくいっているか、いっていないか、これを見て判断しましょうというそういう指標なんですね。
 なので、同じことを言えば、例えば、極域とか海洋の総合的な理解というものはどういうものを目標にしていて、この研究開発を進めることによって何を見たらその研究開発、この政策がうまくいっているか、わかりますよねって、我々ちゃんとうまくやっていますと説明するためのその指標を用意できるかどうか、まずはそこがあって、その上で、目標値として具体的に2倍にしましょうとか、3倍にしましょうとか、定めるかどうかというそういうことだと思います。
【浦辺分科会長】  そういうふうなものは、ものによってすごく違うような気がします。例えば、科学的知見の拡大というのを何倍とかいうのも難しいなと思うのですが、この辺のところは、例えば、どこかでデータを集めるとか、ヒアリングをするとか、何か、ぱっとこれを、このような題目のところを、そういうものも含めて書くというのは相当、言葉遣いも含めて専門家の相当詳しい見識がないと、変なことも書けないし大変難しいような気がするんですが、これは何か情報収集とかヒアリングとか何とかとか、そういうことをやらないとできないような気もするのですが、そこら辺は何か考えておられますか。
【事務局】  いや、具体的には考えていないのですけれども、多分、こういうことをやらなきゃいけないというふうなことがあったときには裏づけのデータがあるので、基本的にはそのデータを見ていけばいいという話にはなるだろうと思います。
 ただ、ちゃんとしたそのデータがあるかないかとか、ものによっても違ったり、先ほどの科学的な知見の関係ですと、どちらかというと楽で、論文数とかそういうもので引けるので、どちらかというとそういうことになるのかなという気はするのですけれども、むしろ、課題達成みたいなほうが指標を置いたり、目標値を置くのは多分難しいと思います。これ、多分、どこの分科会というか、どこの委員会でも同じような議論になるのではないかと思うので、全体、総会とかですね、そういうもののレベルの中や、総合政策特別委員会の議論を見ながら、我々もそれを参考にしながら考えていくということなのかなとは思っております。
【浦辺分科会長】  そうすると、そこら辺のところはまだ、今日決めなくても大丈夫……
【事務局】 今日決めなくてもいいです。議論した後で。
【浦辺分科会長】  では、平田さん。
【平田委員】  そうだろうとは思って聞いていたのですけれども、だったら、もう少し議論が煮詰まってきたときに、少なくとも自然災害の防災・減災というのを正面切ってやると非常に難しい。これは、例えば、地震調査研究推進本部がもしこういうことを書けと言われても、難しい。
 つまり、防災と言ったときには、災害を防ぐとか、災害の被害を減らすというところがどうしたって最後の指標になると思います。私はここで開発されたことは最終的に防災に非常に貢献するし、ここでしかできないことはいっぱいあると思うのですけれども、それで死者が半減するとかというところに結びつけるにはもっとほかのところが頑張ってくれないとできないことがたくさんあるので、よっぽど気をつけて書いていただかないと難しいと思います。
【浦辺分科会長】  藤井委員。
【藤井委員】  指標化はいろんな形でやっているところはあります。指標化のワーキンググループなどを作ってやらないといけませんが、やればできると思います。定量的なものと定性的なものについても、指標は1個でなくてもいいのです。例えば、防災・減災の分野において評価し得る指標はこれとこれですよということで選び出し、それらを複数示せばいい。定性的な指標の場合でも、民間企業のデータならばその開示の内容で企業間の横比較ができますので、それで実際の評価はかなりできます。政府の場合ですと、経年的な変化の評価を見ることで、今回は進みましたね、今回は進まなかったですね、などと評価できます。
 ただし、そういう指標化は専門的なチームでやらないと、なかなか説得力あるものを作るのは簡単ではないのも事実だと思います。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございます。
 この議論は次回に引き続いてやっていって大丈夫と思いますので、是非、まだ言い足りないことありましたら、次回お願いしたいと思います。
 それで、一応この4の議題を終わってその他ということでございますけれども。
【木島委員】  すみません。4の議題になってしまうんですけれども、4の1から5の項目の中に生物資源あるいは海洋生態系のところが表に出てきていないのですが、これはどこに入ると考えられるのでしょうか。
【事務局】  ガバナンスのところに入ると思います。1ポツの(1)のところに。
【木島委員】  1ポツの海洋資源の開発・利用等。
【事務局】  4ポツでしょうか。
【木島委員】  3ポツのところでございます。すみません。
【事務局】  すみません、そうです。それ、両方交えて書いてしまっています。海洋資源というときに両方今入れて書いているのでそうなっています。
【木島委員】  ありがとうございます。私は2ポツのところにあるように、生物多様性への対応とか、地球規模の気候変動の対応のところで、やはり、生物資源というのを表に出したほうがいいんではないだろうかというふうに感じました。
 例えば、海洋資源のとき、別な言い方をされて、海洋生物資源の保全と持続的利用とか、そういうあたりは日本のお家芸にもなってくると思いますので、是非お考えを。
【事務局】  わかりました。
【木島委員】  もう一つ、やはり3番の、(3)の先ほどの自然災害の防災で、私のほうは指標、目標値ではなくて、ここに復興という言葉を入れることはできないだろうか。と申しますのは、先ほどの海洋科学技術に係る当面の重点事項の中の(3)のところに、「より良い復興に生かすため」という、こういうところにこの文字が出てきているので、ここに入れておくといいのかなと思いました。
 また、これだけの東日本大震災が起こって、それに対して日本はかなりきちっとしたその後の何が起こったかの調査をしておりますので、それにつなげていけるのではないかと、これも意見としてよろしくお願いします。
【浦辺分科会長】  ありがとうございました。
 あと、よろしいですか。窪川委員、どうぞ。
【窪川委員】  次でいいのですけれども、中目標のところですけれども、これ、全ての(1)から(5)までにかかわってしまいますが、海洋というのは、データがいろいろな分野から上がってきていますし、あるいは、映像データというのも非常に重要なものがありますので、(6)にデータ統合、あるいは、オープンデータ、全てを含めたデータに関する項目があったらいいかなと思いました。
【事務局】  それ、一応4ポツの推進方策のほうに、オープンサイエンスでどうですか。
 研究開発課題として見るか、それを貫く横割りのそういった推進方策として見るかによってちょっと違ってくると思います。一応、推進方策のほうにはオープンサイエンスという形でそういったデータの発信・共有、そういうものも含めて入ってくるのかなと、どうやって書くかはこれからなのですけれども、そのように思っています。
【浦辺分科会長】  よろしいでしょうか。
 それでは、一応、これについては次回引き続いて行うということにして、その他、もし事務局ありましたらお願いします。
【事務局】  次回の海洋開発分科会につきましては、8月5日に開催を予定しております。何とぞよろしくお願いいたします。なお、浦辺会長ご欠席の予定ですので、次回の海洋開発分科会につきましては、長澤代理に進行をお願いしたいと思います。
 また、本日ご意見、資料の関係ですけれども、これについては、必要に応じてメールでご意見をいただければと思います。修正につきましては、また別途事務局よりお知らせいたしますのでよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございました。
 今、事務局よりありましたように、ちょっと出張の関係で次回は欠席となります。申しわけありませんけれども、長澤様、会長代理をよろしくお願いいたします。
 では、どうもお忙しい中、ちょっと時間延長になって申しわけありませんでした。これで終わらせていただきます。ありがとうございました。


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-- 登録:平成30年02月 --