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海洋開発分科会(第46回) 議事録

1.日時

平成28年6月10日(金曜日) 13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省 3F2会議室

3.議題

  1. 平成28年度海洋開発分科会における評価の実施について
  2. 各委員会の開催状況について
  3. 海洋科学技術に関する動向について
  4. 「海洋科学技術に係る研究開発計画(仮称)」について
  5. その他

4.出席者

委員

浦辺分科会長, 長澤分科会長代理, 浦委員, 窪川委員, 高橋委員, 辻本委員, 中田委員, 西村委員, 花輪委員, 平田委員, 藤井委員, 鷲尾委員

文部科学省

白間大臣官房審議官, 林海洋地球課長, 三宅海洋地球課課長補佐 ほか

5.議事録

【浦辺分科会長】  何人かの方が遅れて来られるということで、時間になりましたので、始めさせていただきたいと思います。
 大分暑くなってきて、レジャー的には海の季節になっているわけですけれども、政策的にも早く海の季節になってほしいなというふうに思います。
 それでは最初に、事務局の人事異動があったと聞きますので、ご報告をお願いいたします。
【三宅海洋地球課課長補佐】  では、事務局から失礼いたします。ご報告いたします。
 平成28年4月1日付で研究開発局担当の大臣官房審議官として、白間竜一郎が着任しております。
【白間審議官】  白間でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【三宅海洋地球課課長補佐】  以上でございます。
【浦辺分科会長】  それでは、続きまして、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。
【三宅海洋地球課課長補佐】  失礼いたします。では、お手元の配付資料のご確認をお願いいたします。
 座席表、議事次第がございまして、まず資料1、平成28年度海洋開発分科会における評価の実施について(案)でございます。続きまして資料2-1、海洋資源利用促進技術開発プログラムの海洋鉱物資源広域探査システム開発の中間評価結果でございます。資料2-2といたしまして、「海洋生物資源確保技術高度化 中間評価結果」でございます。続きまして資料3、各委員会の開催状況についてでございます。続きまして資料4-1、海洋科学技術に関連する政府方針でございます。続きまして資料4-2、総合海洋政策本部参与会議意見書でございます。続きまして資料4-3、G7伊勢志摩首脳宣言(抄)でございます。続きまして資料4-4、つくばコミュニケ(仮訳)でございます。続きまして資料5-1、「海洋科学技術に係る研究開発計画(仮称)」の策定について(案)でございます。続きまして資料5-2、海洋開発分科会(第45回)における主な御意見でございます。続きまして資料5-3、「海洋科学技術に係る研究開発計画(仮称)」に関する当面の重点事項について(論点)でございます。続きまして、横紙でございます資料5-4、当面の重点事項について、論点のイメージでございます。
 ここから先は参考資料でございます。参考資料1、委員名簿でございます。参考資料2としまして、前回の会議録でございます。参考資料3といたしまして、第5期科学技術基本計画の推進に向けてということで、総会への提出の資料でございます。続きまして参考資料4で、研究計画・評価分科会における「研究開発計画(仮称)」の策定についてでございます。
 資料については以上でございます。
不足等ございましたら事務局までお知らせください。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございました。
 ここにありますように、本日の議論としては5件ございまして、最初は評価の実施。それから、委員会の報告、開催報告。さらに、科学技術に関する動向。これはG7の伊勢志摩サミットの開催に伴うものも含めまして、そういう動向について報告をお聞きした後、4番の「海洋科学技術に係る研究開発計画(仮称)」について議論をするという予定になっております。
よろしくお願いします。
 それでは、これから順次、議事に入りたいと思います。
 初めに、議決事項として、議題1、「平成28年度海洋開発分科会における評価の実施について」という点について、事務局よりご報告をお願いいたします。
【林海洋地球課長】  それでは、資料1に基づきまして、平成28年度海洋開発分科会における評価の実施について説明いたします。
 これは、これまでも毎年、海洋開発分科会で評価の実施について、こういうものを決めていただいて、事前評価をしていただきました。
 ただ、これまでは事前評価のみでして、中間評価とか事後評価とかは特に定めていなかったわけですけれども、第5期基本計画になって、そういったPDCAの強化というものもうたわれる中で、他の分科会の並びを見て、今回改めて中間評価・事後評価についてもこの中で規定をさせていただいているところでございます。
 「1.評価の区分」ということで、事前評価、中間評価、事後評価とございます。
 事前評価につきましては、どういうものが対象になるかと言うと、総額10億円以上のもの、あるいは分科会において評価することが適当と判断されたもの、こういった二つのジャンルで事前評価をします。対象になるのは、いわゆる内局でやっているものだけではなくて研究開発法人の事業も含む、そういったものになります。
 中間評価と事後評価については、事前評価したものに関して、中間評価あるいは事後評価を行うということになりますが、少し米印で書いてありますように、研究開発法人の事業として行われている課題を10億円以上としてしまうと、かなりの部分が出てきてしまうというような状況にもなって、それは煩雑でもあるし、評価疲れの原因にもなること。一方で、独立行政法人あるいは研発法人につきましては、主務大臣の業績評価というものがございますので、基本的には、その中で評価を行い、分科会では報告を受ける、そのような形にできたらと思っています。
 ただ、ここに「原則として」と書いてありますように、例えば「ちきゅう」のようなものについては、この分科会でも何回か評価をしてもらったことがあるのですが、そういった国費を相当程度投入した重要なものに関しては、例外的にこの分科会でもきちんと評価をしていくということはあるのではないかと思っております。
 「2.評価対象課題」ということで、事前評価につきましては新規要求がまとまるころにやるので、それに該当するものということで、中間評価につきましては、今年度対象になる施策は、そういう意味ではございません。(3)で事後評価の対象になるものが、昨年度事業が終わった二つの事業、東北マリンサイエンスの拠点形成事業と大学発グリーン・イノベーション創出事業、これは北極気候変動分野。この2事業が事後評価の対象となるということでございます。
 次のページへいきまして、「評価方法」でございますけれども、これは、事前評価につきましては、他の分科会との並び、あるいは今までやってきたものと同様に、必要性、有効性、効率性の観点から評価を行いますということ。中間評価、事後評価も、この事前評価の項目をベースに、時期に応じた観点から評価を実施する。ただ、分科会とは別の有識者による合議体により評価が行われている課題については、その評価をもとに分科会において評価を決定するということにしたいと思っています。
 ちなみに、今年度行う事後評価につきましても、既にそちらの体系の中で別途評価委員会を設けて実施するという仕組みになっておりますので、別の評価委員会でやったものを分科会に報告してもらって、最終的にこの分科会で評価を決定するという形でやらせていただきたいと思います。
 留意事項で、利益相反で評価に加われない委員について、例えば対象課題に参画している委員等々が定められております。あるいは、(2)が評価委員に係る負担軽減ということで、その他につきまして、必要な事項はさらに別途定めるということで作っております。
 資料1については以上でございます。
【浦辺分科会長】   ありがとうございました。
 ちょっとわかりにくいところがあるかとも思いますけれども、この海洋開発分科会にかかわる課題については、今まで事前評価のみで、中間・事後をやっていなかったわけです。ほかとの並び上、海洋開発分科会にかかわる事業についてもきちっと評価をしましょうということになり、資料1の書類がこれでよろしいかということで、ただいまのご説明についてご意見、ご質問等ございましたらお願いしたいと思います。
 なお、議事録を作る都合上、ご意見のある方は手を挙げていただいて、マイクロホンが来た時点で名前をおっしゃってご意見を言っていただければと思います。
よろしくお願いします。
【鷲尾委員】  恐れ入ります、鷲尾です。よろしくお願いいたします。
 2ページ目の評価方法の2のところで、中間・事後評価において、別の有識者による合議体での評価を受けて、分科会において評価を決定すると書かれておりますけれども、こちらの分科会で決定したことが、上の有識者合議体に何らかの形でフィードバックされるということがあるのでしょうか。やりっ放しになるのでしょうか。
【林海洋地球課長】  それは、我々のほうで当然承って、評価にフィードバックするというよりも、そもそも今後の事業の進め方、事業の推進のほうにフィードバックをしたいと思っております。
【浦辺分科会長】  よろしいでしょうか。
ほかにございますでしょうか。
 次の資料2-1と2-2に実際の中間評価が二つございまして、これは本来、資料1の文書の趣旨としては、中間評価・事後評価をこの分科会においてやるわけですけれども、今回は移行期、新たにこういう制度を始めるということで、別の評価主体による評価が行われたわけです。この分科会では、資料2-1と2-2に先駆けて、資料1の文書はこれでいいかというのを議決する必要があります。先ほどの鷲尾委員のご質問にも少しかかわることかもしれませんけれども、この文書、これは、ほかで行われている評価と、文案としては非常に並びの文案にはなっていると思うんですが、何か修正点等ございますでしょうか。
 特によろしいですか。今ちょっと文書を眺めておられる委員の方がおられるので、もうちょっと時間をとりたいと思いますが。
 浦さん、しきりに見ておられますけれども、何か。大丈夫ですか。
 それでは、この資料1に関しては、特に修正点が出ませんでしたので、これをもって当分科会としての決定としたいと思います。よろしいでしょうか。
 ご異議ないようでございます。
 それでは続いて、先ほど事務局より説明がありましたとおり、昨年度に中間評価を実施した研究開発事業について、評価結果をご報告させていただきます。
 よろしくお願いします。
【三宅海洋地球課課長補佐】  では、失礼いたします。
 先ほどの説明のとおり、今回二つの中間評価結果をご紹介させていただきます。こちらにつきましては、分科会における評価対象ではないというふうにはさせていただいておりますが、昨年度中間評価を実施した研究開発事業の評価結果でございますので、分科会へのご報告という形で示させていただければと思います。
 それでは、資料につきましては、資料2-1、2-2をごらんください。
 まず、資料2-1ですが、こちら、海洋資源利用促進技術開発プログラムのうち海洋鉱物資源広域探査システム開発、こちらの中間評価結果でございます。
 1ページをおめくりいただきまして、こちらのプログラムの中間評価については、1ページ目に記載されていますように、浦辺主査にもご参画いただきまして、こちらの7名の委員により評価を行っております。
 まず、簡単に事業の概要等をご説明させていただきます。2ページになります。
 実施期間につきましては、平成25年から29年度とさせていただいております。
 事業の概要としましては、こちらのポイントにありますとおりでして、我が国の領海等の海洋資源鉱物に関して、資源の正確な分布や量の把握が必要であるという状況を、効率的・効果的な、広域的な資源調査を行う新たな手法の開発が求められているところで、もともとこちらのシステム、この事業の前にあった「海洋鉱物資源探査技術高度化(基盤ツール)」事業、こちらで開発を進めてきた要素技術をシステムとして統合し、実海域で実用化できるよう開発をする、このような内容の事業になっております。
 具体的な研究開発課題につきましては、こちら、2ページの下のほうに書かせていただいております。
 海底熱水鉱床等の海洋鉱物資源が存在する水深3,000メートルまでの海域において、探査技術を実際に用いた調査を実施する。
 データを取得、処理、解析しながら、実用化に向けた問題点を抽出し、解決するために必要な高度化を実施する。
 複数技術を用いた実海域における調査等を実施し、取得したデータを統合的に解釈する。
 海洋鉱物資源の正確な分布及び量が把握可能となる効率的な広域探査システムを開発する。
 次のページにまいりまして、5年間で実用に供することとできる技術及びシステムとして完成させ、民間企業等への技術移転を進める、とうたわれております。
 予算額につきましては、平成25年から、おおむね5億前後の予算額となっているものでございます。
 実施体制につきましては、本事業には、中核機関として東京大学生産技術研究所、そして分担機関として8機関が参画をしているところでございます。
 中間評価に係る経緯でございますが、こちら、平成24年9月の海洋開発分科会において事前評価を実施しておりまして、翌年度4月に公募を開始しまして、6月に外部評価委員会によって採択課題を決定しております。こちら、中間評価につきましては、平成28年1月、こちらの外部評価委員会において中間評価が取りまとめられたという状況でございます。
 続きまして、成果報告及びその評価結果についてご紹介をいたします。
 4ページ目でございます。成果報告の内容はこちらになっております。
 平成27年度現在までの主な実用化推進策の成果と今後の課題といたしまして、個々の課題の開発すべき課題・目標を整理し、それらに即した技術の高度化、実用化を達成した。技術移転については、総括的指導により全体としての実用化を充実させ、多数の技術移転成果を輩出した。統合調整につきましては、複合調査、複合解析の内容の高度化を促進し、複合探査技術の基盤を構築した。計画調整につきましては、調査内容調整、航海調整により研究内容の充実化を達成したということです。
 2番目として、平成27年度までに実施した民間への技術移転推進策の成果としては、総合的に実用化が充実したこと、技術移転の推進策の効果により多数の成果が得られたとしております。
 3番目、平成28年、29年度の統合調整計画及び期待される成果としましては、最終の2年度でございますが、最終2年度は複合観測、複合解析の充実に重点を置き、現有機器の改造にとどめ、新たな機器開発は行わない方針とする。サブ課題の内容と充実度に合わせた目標を設定し、総合的な調整を行う。海域と熱水鉱床の特徴を整理し、適切な探査法を工夫調整し、調査解析のガイドラインを構築する。これらにより、今後の鉱物資源探査を効果的に実利用できる技術資源を開発するとしております。
 研究統括として全体の方向性をどのように指揮できるかという点でございます。SIP事業との効果的連携を踏まえた統合的な調査手法の充実強化を目指す。既知の鉱床においては、それぞれの特徴や観測研究の度合いを見て、達成度合いに合わせ、本課題で構築してきた開発技術が有効に作用するように調整を行う。新鉱床の探査法、鉱床の規模と資源量の概要把握をサブ課題に合わせた目標となるよう調整し、実のある成果に導く。伊豆小笠原海域等での集中観測、複合観測、複合データ解析に重点を置き、探査技術の多様化を進め、効果的な探査のガイドラインの構築を進めるとしております。
 次のページ、ポンチ絵になっておりますが、平成25から27年度の成果及び28年から29年の新体制について記載をしております。
 最後、6ページでございます。中間評価結果でございます。こちらの外部評価委員会は総合評価Aという評価結果になっております。
 コメントといたしまして、適切な総括的指導により、全体として実用化が促進されており、多くの成果について技術移転が進捗している。また、集中観測、複合観測、複合解析を重点的に実施する計画は適切である。今後、対象主要海域別の特徴にも留保し、開発技術を組み合わせて全体としての探査手法の確立を期待すると書いております。
 資料2-1については以上でございます。
 引き続きまして、資料2-2でございます。海洋資源利用促進技術開発プログラムのうち、海洋生物資源確保技術高度化の事業につきましての中間評価結果でございます。
 1ページおめくりいただきまして、外部評価委員名簿でございます。主査は田中克先生。公益財団法人国際高等研究所チーフリサーチフェローの田中先生に主査を務めてもらっております。
 続きまして、2ページ目です。
 事業の概要でございますが、こちら、事業の実施としましては平成23年度から平成32年度、10年間の事業として設定しております。
 事業の概要といたしましては、これまでの背景としまして、海洋生物の生態、資源量変動について、複雑な、不明な点が多く、海洋生物資源の確保にとって、それらの解明が課題となっている中で、事業概要でございますが、海洋生物資源を持続的に利用するとともに、産業創出につなげていくことを目的に、海洋生物資源の新たな生産手法の開発や海洋生態系の構造・機能の解明について研究開発を実施し、科学的基盤を構築するという問題になっております。
 具体的には、二つのテーマで三つの課題がございますが、次のページでご紹介させていただきます。
 予算額の推移につきましては、1億5,000万ほどの金額で推移しております。
 こちら、次のページにまいりまして、3ページ目でございます。
 「5.実施体制」でございますが、まず、大きくテーマが二つに分かれております。
 テーマ1といたしましては、海洋生物の生理機能を解明し、革新的な生産につなげる研究開発としまして、研究課題、生殖幹細胞操作によるクロマグロ等の新たな受精卵供給法の開発であります。
 もう一つのテーマが、テーマ2といたしまして、海洋生物の正確な資源利用予測を行うための生態系を総合的に解明する研究開発として、一つ目の研究課題、我が国の魚類生産を支える黒潮生態系の変動機構の解明、二つ目の研究課題、沿岸海域複合生態系の変動機構に基づく生物資源生産力の再生・保全と持続的利用に関する研究という2課題となっており、全体として2テーマ、3課題が実施されているところでございます。
 ここまでの経緯でございますが、こちらにつきましては、平成22年8月に当分科会において事前評価を実施しておりまして、23年5月に公募を開始、7月にうちの外部評価委員会の審査を経て採択課題決定しておりまして、平成28年3月に委員会による中間評価を実施しているところでございます。
 では、中間評価結果にまいります。4ページ目でございます。こちら、課題が三つに分かれておりますんで、それぞれの課題につきまして評価を実施しております。
 まず一つ目、生殖幹細胞操作によるクロマグロ等の新たな受精卵供給法の開発ということです。
 こちら、外部評価委員会の総合評価はAプラスとさせていただいております。
 具体的な中身でございますが、平成27年度までの成果・達成状況としては、代理親魚の養殖技術や移植用生殖幹細胞の保存・培養技術など基本的な技術開発では計画を上回る成果が上がっており、論文等の成果公表は期待以上のレベルである。多くの若手研究者が参加し、育成されていることも評価できること。
 また、事業最終年度までの研究開発計画・体制の妥当性につきましては、現実的な問題を現実的な方法でクリアしながら、事業終了後が見えるような形に研究を進めている。平成27年度までの成果は、今後5年間の研究により、計画を上回る画期的な成果が上がることを十分期待させるもの。一番ハードルの高いクロマグロへターゲットを絞ることにより、いろいろな汎用性が広がる。生物多様性保持への貢献も期待されるが、本研究の中心課題でなく、必要以上に注力すべきではない。成果公表戦略を検討し、インパクトの強い成果公表を精力的に行ってほしいとのこと。
 研究成果の発展性・出口戦略については、食用として消費するものは、天然資源にできるだけ負荷をかけずに、養殖で賄うという出口が妥当である。事業化に当たっては、養殖現場との連携が必要になってくるとうたっております。
 ページをおめくりいただきまして、次の課題、我が国の魚類生産を支える黒潮生態系の変動機構の解明についてです。
 こちらの外部評価委員会の評価は、総合評価についてはAとさせていただいております。
 内容としましては、平成27年度までの成果・達成状況につきましては、黒潮パラドックスの解明に向けて着実な取組が行われており、系を統合した研究の深化と、流軸とその内側及び外側との違いがより典型的で明瞭な海域での調査を通して、黒潮パラドックスでは解明が十分期待される。これまで未解明であった黒潮生態系の総合的な生産力の評価とその有効な活用が組織的に展開され、計画以上の新たな知見が多く得られており、今後の展開が十分期待されること。
 最終事業年度までの研究開発計画・体制の妥当性につきましては、さまざまな要素を連関させた総合化が必要であり、前半の5年間と後半の5年間は性格が違うため、選択と集中が必要である。黒潮の源流から続流まで、また、親潮との関係を含めた広い視点に立ってモデル化をすべき。モデルを作るというのは学者の業界で閉じている。社会に何を見せるかというのを意識した着地点を作るべき。統合的な研究の深化と、インパクトの大きな雑誌への公表を期待するとのこと。
 研究成果の発展性・出口戦略につきましては、変動性が大きな水産資源が低水準から高水準へ移行するメカニズムの解明に向けたきっかけになるような成果が得られれば、大きなインパクトがあるとしております。
 続きまして、三つ目の課題でございます。沿岸海域複合生態系の変動機構に基づく生物資源生産力の再生・保全と持続的利用に関する研究であります。
 こちら、外部評価委員会の評価、総合評価はBマイナスとなっております。
 具体的な中身でございますが、平成27年度までの成果・達成状況につきましては、成果として学術論文の公表数がやや不十分である。個生態系に関する成果は上がっているが、複合生態系の概念と実態については深化が余り見られないと指摘されています。
 最終事業年度までの研究開発計画の体制妥当性については、東北マリンサイエンス拠点形成事業の連携・一部統合等を検討する。さまざまな要素を集めた総合化が必要であり、前半の5年と後半の5年は性格が違うため、調査対象の海域等の選択と集中化が必要である。自然科学者だけでは限界があり、新たに社会系や経済系、あるいは人文系などの文系分野を含めた文系研究者とどのように連携していくかが重要である。統合的なモデル構築には、陸域との関係、特に流入する河川等の変化を入れるべきである。既存の生態系サービスよりも大きな役割を複合生態系が担っているとのスタンスの取組が求められるとのこと。
 研究成果の発展性・出口戦略については、複合生態系をどのように捉えるかということを出口として考えておくべきである。将来の海洋保護区の設計や海洋生物資源管理の推進における科学的な背景への形成が期待されるとされております。
 資料2-1、2-2については以上でございます。
【浦辺分科会長】  丁寧なご説明、ありがとうございます。
 それでは、資料2-1、2-2という報告に関しまして、何かご指摘、ご意見、ございますでしょうか。
 花輪先生、よろしくお願いします。
【花輪委員】  東北大学の花輪です。一つは意見で、一つは質問なんですが、まず質問のほうから。
 これは今回、ここの場所には結果が出ていますけれども、具体的に評価する場合、いわゆるこういう観点から記述しなさいというフォーマットがあって、研究者のほうから出されているでしょうかというのが1点です。いわゆる評価フォーマットはございますかと、それを提出してもらって書面評価したんですか。さらには、委員会でヒアリング等も行ったのでしょうかという、評価のプロセスを教えていただきたいというのが一つ。
 二つ目です。利益相反のことについてお伺いしたいんですが、先ほど承認した文書の4の留意事項の(1)が利益相反で、マル1からマル4まで確かにこう書かれています。今、中間評価の委員会の委員の名簿を見ますと、確かに厳密に言えば利益相反になっていないと思うんですが、二つ気になることがありまして、一つは、やはり同じ組織の人たちが入っているのが少し多く見えます。例えば海洋研究開発機構、2のマル1のほう。2のマル2は東京海洋大学の先生が代表、一つの課題の代表ですけれども、そこの学長さんが評価委員会に入っていますよね。学長さんというのは、大学が法人になったとき、言うなれば経営者の立場ですよね。一研究者であるならば、厳密にそこを排除すると評価する人がいなくなるってこともありますので、私はいいと思います。良心に従ってやっていただいていると思うんですが、やはり法人の長というのは少し気持ちが悪いなというふうに思います。だから、別に私は、これは意見でありまして、少なくとも利益相反の各個別のところには相反していないと思いますけれども、法人の長はちょっと避けていただいた方がいいんではないでしょうかというのが私の意見です。
 以上、一つ質問、一つ意見です。
【林海洋地球課長】  わかりました。
 質問についてでございますが、基本的にはフォーマットを決めて、書類を出してもらって評価をするというプロセスを踏んでございます。
 それで、ただ2-1は、ヒアリングを1回、夏、中間ヒアリングみたいな形でして、意見を述べて、それを踏まえてやった。改革案も踏まえて1月の評価をしたというプロセスになっております。
 2-2のほうは、各課題から、3月の段階でヒアリングをして評価をしたということになってございます。
 そして、利益相反の関係については花輪先生のおっしゃるとおりだと思います。それで、そういった場合には、課題に関係するときには評価から抜けてもらう、そういうような対応をしてやっているところでございます。
【花輪委員】  どうもありがとう。
【浦辺分科会長】  実は2-1の課題、私が評価をしたわけですけれども、この中にも利益相反の方もおられて、それは必ず退場していただいてヒアリングもやっております。ただリストだけ見ますと、先生のおっしゃるように、何となくそれは全員でやっていると、ちょっと疑問があるようなところもあるかもしれませんけれども、実際にはきちっとやっているということだと思います。
【花輪委員】  どうもありがとう。
【浦辺分科会長】  他にございますでしょうか。
 藤井先生、よろしくお願いします。
【藤井委員】  上智大学、藤井です。
 質問です。この評価、総合評価を、受けてどうするかという点です。ここでは要するに、5段階に分けていますが、これを読むと、Aについては注文が余りないので、Aはいいということだと思うんですが、Bマイナスについてはいろいろ注文がついているので、この注文の部分を次の活動に反映させなさいということですよね。まずは仮に、それらを反映した結果でも要するに十分でなく、Aにならない場合は、研究途中段階でも打ち切るというような仕組みになっているのでしょうか。大学の評価の場合ではBでもいいほうですけれども、この場合はAでなければいけないような、そういう尺度になっているのかどうかということの確認が一つです。それと、それを下回った場合の対応が不十分、あるいは対応の成果が上がらなかった場合にどうされるのか。この2点、お聞きしたいと思います。
【林海洋地球課長】  2-1と2-2、評価基準が若干違うのですけれども、見ていただくと、2-1の評価基準はAが普通になっていますね。Bだと不十分ということになるのですけれども、2-2の評価基準はBが普通で、Aだとそれ以上できていることになっています。
 そういう意味で、2-1のほうは評価Aということになっていますので、評価の中ではいろいろ意見が出ていますが、そういうものを踏まえて今後ちゃんとやっていく。それを我々も見ていく、そういうことになろうかと思います。
 2-2のほうは、AとBがありますけれども、Bマイナスのほうはいろいろ注文がついていると思いますので、これは我々としても今後の計画に反映をして、少しでも計画を変えた形でやってもらうということをお願いしているところでございます。
【藤井委員】  それもうまくいかなければ、途中打ち切りもあるということですか。
【林海洋地球課長】  これは10年計画で、5年で中間評価をしていますので、次、その中間評価と、それではどうかなんですけれども、推進委員会がございますので、そこで見て予算に応じて差配をしていくということになるかと思います。
【浦辺分科会長】  中田先生。
【中田委員】  中田です。
 これ、既に平成23年度開始時から28年度までの間で、3分の2ぐらいに予算は減っていますよね。AプラスがついたりAがついたりしながら非常に大きな減少があって、これ、かなり若い学生さんたちを雇っている例が見られるんですけれども、そういうところに余り支障がないように。評価によって下げていくのは当然だと思うんですけれども、いい評価がついている部分は、やっぱりそういう予算減少による支障がなるたけ出ないようにしていただきたいという要望が1点です。
 それから、もう1点ですけれども、これ、10年間の結果で、しかもポスドクの方たち随分入っていると思いますが、その方たちがずっと固定して10年間いるとは余り考えづらくて、どんどん現場に出ていっていると思うんですね。そうすることによって、得られた結果が既に結構波及効果みたいな形で、現場にも染み出ているような例ってあると思います。私も、例えばクロマグロの養殖技術に関してですけれども、これをほかの魚種に、もう少し簡単な魚種に適用してみたというような技術の例を実際には見たことがあります。
波及効果が大きいというのは非常に重要なので、そういうのを今後評価していくような仕組みもあったらいいなと思いました。
 以上です。
【林海洋地球課長】  わかりました。
【浦辺分科会長】  辻本委員。
【辻本委員】  海洋鉱物資源の広域探査システムの開発の事業については、ここに基盤ツールを引き継ぐ形で、その基盤ツールで開発してきた要素技術をシステムとして統合して、実海域で実用化できるような探査システムを進めるというふうに書かれておりますけれども、別途、内閣府が推進していますSIPの事業も、基盤ツールという、そういう特定のことはないわけですけれども、最終的には効率的な広域探査システムのようなものをつくろうというのが一つの目標になっているんですが、SIPでのプロジェクトとこの広域探査システムの開発というのは、位置づけとしてはどういう切り分けになっているのかということと、この資料には、ここでの成果はSIPに引き継ぐような形、そういう位置づけも結構あるのでしょうか。実際に、これまでの中でSIP事業の中に引き継がれているような具体的な成果というのはありますでしょうか。
【林海洋地球課長】  基本的には、ここで要素技術とシステムを含んだものをSIP、あるいは、一部使えるものについてはSIPを超えて民間にいっているものも一つ、二つありますけれども、かなりSIPの探査システムの中では使われるようになっております。
 たしか浦先生が開発しているものなんかもそういう形で、SIPで使われていると認識しております。
まだ幾つかあると思いますが、次回にまた別途資料をお出ししたいと思います。
【浦辺分科会長】  窪川先生。
【窪川委員】  窪川です。
 資料2-2のほうの最後の課題のところで、例えば事業最終年度のところの真ん中辺のところですけれども、大変大きなコメントがありまして、「東北マリンサイエンス拠点形成事業との連携・一部統合等を検討すべきである」という。こういったようなコメントに対しましては、恐らく何らかの判断及び対応をなさっていらっしゃるとは思うんですけれども、こういったことが最終年度の評価というところで、まだ中間評価ということは、評価の中に組み込まれるようなことにはなっているのでしょうか。
【林海洋地球課長】  これは10年物で、5年たったところで中間評価していますので、後半の5年間に対して反映をされていくということで、したがって、中間評価を踏まえて計画を変えたりして進めていくことになるかと思います。それは、先ほど申し上げました推進委員会がございますので、そっちのほうで見ながら進めていくということです。
【浦辺分科会長】  他にございますでしょうか。
 花輪先生。
【花輪委員】  この評価結果、原案どおり承認されるかというふうになるだろうと思うんですが、これはミスプリではないんでしょうか。知りたいのは2ですね。2-2の5ページの下から2行目、「低水準から高水準へ移行する」という、これはミスプリかと。
 同じようなところで、その上のところで「モデルをつくる」って、次の事業最終年度の項目の3番目、「モデルをつくる」が平仮名で、次の「着地点を作る」が漢字ですけれども、上の「つくる」はこの作ると違うってことですか。
【林海洋地球課長】  間違いです。修正させていただきます。
 あと、ちょっとすみません、花輪先生に何か、もしかしたら我々の説明が悪かったのかも知れませんが、この2-1と2-2は27年度にやれられた中間評価になっています。先ほど資料1でご説明したのは28年度の評価をどうするかということでして、そこでは28年度には中間評価はないと書いておりました。27年度の中間評価をこの分科会との関係でどうするというのは、実は決まっていないんですけれども、一応全体を見てもらうという観点から今回報告をさせていただいている、そういうような趣旨になります。
【浦辺分科会長】  幾つか質問が出ましたけれども、これはちょっと新たなシステム、制度を始めたことによって、少し齟齬がございますけれども、今出た課題、ご質問、それからご指摘については、ぜひそれぞれのところにお伝えいただいて、今後の課題の運営に参考にしていただければというふうに思います。
よろしくお願いします。
【林海洋地球課長】  わかりました。
【浦辺分科会長】  それでは、次の議題に移りたいと思います。次は、(2)各委員会の開催状況、それから、一緒に(3)の海洋科学技術に関する動向について、あわせて事務局のほうから、ご説明お願いします。
【林海洋地球課長】  それでは、まず資料3に基づきまして、この分科会に設置されている各委員会の開催状況についてご説明します。
 今現在、議論が動いているのは二つございます。
 1.に書いてありますように、北極研究戦略委員会。これは、第1回を2月に開きまして、今までのところ2回やっております。第3回は来週の月曜日行われる予定ですが、あと3回程度開いて、7月ごろを目途に意見の取りまとめを行おうと考えております。議論の内容としては、今行われている北極研究の全体像を把握した上で、足りない点あるいは必要となる観測技術等々について明確にしておくべきではないかというようなことで、少しその辺のことを今議論しているところでございます。
 二つ目が次世代深海探査システム委員会ということで、これは既に3回ほど開いております。第4回、第5回と、6月の後半と7月の初めに開きまして、そこで意見を取りまとめようということで、中間段階の意見をとりあえず取りまとめようということでございます。
議論の内容としては、今の深海探査システムというのは、とりあえず7,000メートルまでの無人機と6,500メートル有人機であって、最新がそうなってございますけれども、今後、深海探査について、どういうニーズがあるか、どういう成果が上がっていって、これからどういうニーズがあるのかというものを把握した上で、有人としてどこまでやる必要があるか、無人としてはどこまでやる必要があるのか、その辺のことについて議論を今深めているといったようなところでございます。
 続きまして、資料4に入らせていただきますが、最近の状況ということで、まず資料4-1が、最近、幾つか来年度に向けて、いろんな政府の方針が閣議決定等なされております。その政府方針での海洋科学技術に関する記述について、幾つかご紹介をしたいと思います。
 まず、科学技術イノベーション総合戦略2016。
 これは、科学技術基本計画に基づいて、毎年重点を置くべきものを、総合科学技術・イノベーション会議が定めているものですが、この総合戦略2016の中では、第1章の未来産業創造と社会変革に向けた新しい価値の創出、これはいわゆる超スマート社会を実現するための施策になっていますが、その中では、1ページの下に書いてありますように、データベースの構築の中で、地球環境情報データベース、こういったものが位置づけられて、こういったデータを防災対策、農業生産、医療、そういうものと組み合わせ、価値を創出するというようなことが書かれているところでございます。
 2枚目にいきまして、第2章としましては、これは経済・社会的課題への対応ということで、これも基本計画の枠組みに沿った形で総合戦略は書かれているところでございます。また、エネルギーバリューチェーンの最適化という部分については、海洋資源の記述があるところでございます。
 そして、(2)の安全・安心の部分につきましては、まず、自然災害に対する強靭な社会の実現というところで、具体的には3ページの上のほうに重きを置く課題、取組とありますが、その中で自然災害として地震、津波、豪雨、そういった海洋と非常に関係のある部分についての予測力の向上、そういったものが記述されているところでございます。
 同じく安全・安心の中ではもう一つ、国家安全保障で諸課題への対応ということがございます。この中で、海洋へのリスクの対応というのは、記述はございますが、具体的に、じゃあ何をするかということについては、4ページの上のほうに、重きを置くべき取組ということで、国内外の科学技術に関する動向を把握して、俯瞰するための体制を強化するとともに、そういった国及び国民の安全・安心の確保に資する技術力の強化のための研究開発の充実といった一般的な枠組みが書いてあって、特にこれと示された特定の分野が今あるわけではございません。
 3本目の柱としましては、地球規模課題への対応ということで、これは先ほども申し上げましたように、地球環境情報プラットフォームの構築ということは書かれているとおりでございます。この中で、具体的にどういうものが挙がっているかというと、5ページの真ん中あたりに、重きを置くべき取組ということで、地球環境情報プラットフォームの構築とあり、その成果目標のところでは、例えば北極域での観測であるとか、G7を踏まえた海洋観測技術の研究開発、あるいは気候変動の予測技術、あるいはデータを統合した情報基盤の構築、こういったものに取り組むということになっているところでございます。
 次のページにいきますと、今度は、これも基本計画に沿って国家戦略上重要なフロンティアの開拓ということで、ここは具体的に何かということが書いてあるわけでもないですが、Cのところに書いてありますように、海洋分野で言えば、総合海洋政策本部と連携して、海洋基本計画と整合を図りながら取組を推進する、こういったものが記載をされているところでございます。
 次の7ページにいきますと、経済財政運営と改革の基本方針2016。
 いわゆる骨太方針と言っているものですけれども、その中で海洋に関係あるところは、防災・減災の部分、そして資源・エネルギーで海洋資源の部分、さらに地球環境への貢献ということで、地球環境への貢献という部分では、その中で地球温暖化対策計画及び気候変動の影響への適用計画、この二つの計画を引いて、それを推進するというような形になっています。その二つの計画の中では、下の点線の四角囲みの中に入っていますけれども、海洋に関する、関連する部分として、地球温暖化対策計画では気候変動に係る研究の推進、観測・監視体制の強化という部分。次のページにいきますと、気候変動の影響への適応計画とありますが、ここにおいても観測・監視、調査・研究等に基盤政策ということで、この中でも地球観測の推進戦略等々が引かれて、海洋分野の観測というものを位置づけられているところでございます。
 最後の9ページは、日本再興戦略2016ということで、これはいわゆるアベノミクス三本の矢の経済政策に当たる部分でございますけれども、その中で具体的な施策、第2の具体的施策の中で、資源開発・確保ということで、海洋の資源というものがこういうところで位置づけられているのと、あとは、その下に書いてありますように、イノベーション・ナショナルシステム構築の仕上げという中で、Society5.0の実現・具体化に向けて科学技術イノベーション総合戦略2016の内容を推進するということで、イノベーション総合戦略、先ほど紹介した部分について引いてあるといったような状況になってございます。
 続きまして、最近の状況の資料4-2でございます。これは前回、浦先生から口頭で説明していただいたもので、総合海洋政策本部の参与会議の意見書でございます。
 これは、5月19日に安倍総理にも手渡されているものでございますが、1ページ開いてもらって、目次というところを見ていただくと、参与会議の意見書というものが1ページから16、17ページぐらいまでございます。その中の一つとして海洋科学技術についてというものが位置づけられて記載があるのとともに、それぞれの別添ではPTの報告書ということで、別添4で海洋科学技術のPTの報告書というものがついております。全てのPTの報告書をつけると大部でございますので、別添としましては別添4の海洋科学技術のPTの報告書がついてございます。
 内容的には、意見書のところの海洋科学技術について、11ページになりますけれども、ここの部分を特に簡単に紹介したいと思いますが、11ページを開いていただきますと、「海洋科学技術について」と書いてあり、(1)海洋科学技術の重要性と国際動向ということで、特に新しい話としては、2段落目でございますけれども、G7サミット、これはエルマウ・サミット、去年の話になっていますが、そういったものや国連のSDGsの話等々を引きながら、海洋のガバナンスというものが最近、国際的にも認識されつつあり、これが重要なものになっているというようなことを書いてございます。
 (2)のところでは、国として取り組むべき重点課題として10の課題ですね。ここでは、科学的知見の充実、あるいは地球温暖、気候変動の把握・予測、あるいはエネルギー資源・海洋鉱物資源、再生可能エネルギー等々、10個の課題が打ち出されているところでございます。
 今回、PTのほうで特に新たにというようなところは(3)番の推進方策だと思いますけれども、推進方策のところでは、実際のPTの報告書では短期と長期に分けて書かれておりますが、ここで書かれているもの、マル1から5までが短期のもので、マル6が長期のものに当たります。このマル1が最初の、先ほども紹介しましたけれども、海洋のガバナンスの確立の主導、科学的知見に基づいたガバナンスの確立の主導と、そういったもの。マル2が課題対応のための研究開発・イノベーションの推進と、出口に向けたもの。マル3が、分野融合・分野横断的な取組の推進といったところ。次のページにいきまして、マル4が研究プラットフォームの整備・運用・有効利用やその情報の管理・提供、そういったもの。マル5が北極に関する観測・調査・研究・観測技術の開発等の推進。ここまでが短期的な視点と書いてあって、長期的なものとしてはマル6で人材育成と基礎研究が書かれています。本体のPTの報告書を見ていただくと、もう少し書いてありますけれども、そういったものがこの参与会議のことに特に挙げられているというところでございます。
 参与会議の意見書は以上でございます。
 次に、4-3と4-4で、G7関係のコミュニケを配らせていただいております。
 4-3と4-4で、順番がちょっと逆になりますが、資料4-4を見ていただきますと、これは「G7茨城・つくば科学技術大臣会合」となってございます。科学技術大臣会合では、六つのトピックを挙げて議論をし、コミュニケを出しておりますけれども、そのうちの一つとして「海洋の未来」、副題として「科学的根拠に基づく海洋及び海洋資源の管理、保全及び持続可能な利用に向けて」と、こういったものがコミュニケとしてまとめられております。
 最初の段落で趣旨等々書いてございますが、見ていただくと、SDGsなぞも引きながら、真ん中あたりから書いてあるように、海洋の大部分は十分に観測されていない。海洋で起きている変化やその経済へ与える影響を評価するために必要な科学的な知識を発展させることが極めて重要である。海洋の持続可能な利用を確立するため、海洋に関する適切な政策を立案しなければならない。
 そういったことで、下に五つほど行動やアクションが書かれておりますが、1番目がまず、アルゴネットワークやその他の海洋観測プラットフォームを通じ、あるいは既存の海洋観測、そういったものをやりながら、気候変動や海洋生物多様性をモニターするのに必要となる地球規模の海洋観測の強化のためのイニシアティブの取組を支援する、こういったこと。2番目としては、そういうものをも含めて、海洋アセスメントシステムの強化を支援する。3番目としては、グローバルなデータ共有のインフラ等々、そういったものがアクションとしてコミュニケに書かれているところでございます。
 こういった議論を踏まえまして、G7の伊勢志摩首脳宣言では、資源効率性及び3Rの項目の最後に、「我々は、科学的知見に基づく海洋資源の管理、保全及び持続可能な利用のため、国際的な海洋の観測及び評価を強化するための科学的取組を支持する。」といったものが盛り込まれたところでございます。
 以上でございます。
【浦辺分科会長】  どうもご説明、ありがとうございました。
 それでは、今の二つの、大きく分けて、資料3の各委員会の開催状況、それから資料4-1、2、3の動向、これについて、何かご質問等ございましたらお願いします。
 私から一つ質問ですが、この各委員会からこの分科会のほうに報告があるのはいつ、どういうタイミングになりますでしょうか。
【林海洋地球課長】  多分、意見書がまとまって、その意見書を報告し、議論いただくという形になるかと思います。
 それで、予定では、次世代深海探査システムは、ここに書いてありますように7月1日で終わりますので、次回のこの分科会、7月7日でございますが、そのときに取りまとめというのをご紹介できるのではないかと思います。
 北極は、7月の終わりのほうになりそうですので、8月の分科会で報告をさせていただくような感じになってございます。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございます。
 それでは、そのほかに。
高橋委員、お願いします。
【高橋委員】  高橋です。
 4-2の15ページに書いてありますもので、PTの報告書の中の海洋状況の把握とあって、海洋調査とか観測・モニタリングの重要性を強調されておられますけれども、私もそのとおりだとは思うんですが、聞いたところによると、予算も減ってきているということがあるし、なかなか難しいという話ですけれども、具体的にどれくらい減っているんですかね、予算的には。それをどういうふうに、どの程度伸ばせば、この体制の整備、つながっていくのでしょうか。今、そういう議論があったら、それを教えてほしい。
【林海洋地球課長】  海洋機構の船舶に限って言うと、年々その運行日数というのは減ってきているのは確かです。それは全体、海洋機構に配分されている運営費交付金が年々減少しているというのが大きな要因になっておりまして、我々としては、やはりもう少し、後の議論のところにも出てくるんですけれども、船を使った観測とかモニタリングというのが、どういう成果が上がっていて、どういう重要性、どういう意義を持っていて、やはりこれぐらいやらないといけないんだというのをもう少し明確にしていかないと、なかなかそういうものに歯止めがかけられないのかなと思っておりますので、そういうことも含めて、いろいろ意見いただけたらとは思っております。
【高橋委員】  ありがとうございます。
【浦委員】  浦でございます。
 資料4-2に関係して、この主査をやっていたんですが、課長さんからご説明にあったところがやられたところだと思って、重要なポイントは、前回も申し上げましたけれども、要するに結論の、15ページの「結びに」というところを見ていただきたいんですが、そこに、3行目に、とにかく海洋科学技術は「人類の幸福に大いに寄与する」と。
 つまり、科学を普通、科学の人たち、こういうふうに科学者はいるので、口幅ったいところもありますけれども、お金をくれればいろいろどんどん新しいことできますよ、こう言うことは簡単なんですね。特にまた、海洋ってお金がかかるから、金くれ、金くれと言っていたので、じゃあアウトプットは何なのかということになったときに、それを言わなければならないのか。特に科学、サイエンスというのはキュリオシティ・ドリブン(curiosity driven)なんで、なかなかそれが人類の幸福に役に立つということはうまく言えない。いや、言える、言わなきゃいけないんですけれども、なかなか難しいですね。
 そこで、この中では、それが実はそうじゃないんだ、人類が平和、安全とか幸せに生きるイニシアティブに直接つながっていくということを主張していて、それで、また今、世界的に海洋のガバナンスということがいろいろ言われているときに、データに基づかないで議論してはいけません、きちんとしたデータを持ちなさいということだと思うんですね。
 それは、そういうベースに立っていて、これは前期の参与会議の報告、意見書ですけれども、5月の末から新しい参与会議は始まって、そこでは、意見書を出したので、それはどうフォローされているか。海洋科学にちゃんと予算がついているでしょうかねということを多分聞くようなことになるんじゃないかなと思うんですね。
それは、ぜひ文科省さんが、かなり予算を、今質問があった船の費用というのは、JAMSTECばかりじゃなくて、中田さんがいらっしゃいますけれども、そういう水産センターも予算は減っていて、だから研究者の数も減っていると聞いているんですが、それは文科省と直接関係ないというか、水産庁ですけれども、これは非常に重要です。
 それで若干、もう一つ新しい情勢として、今終わりに4-3と4-4で示されたところが、今度新しい期の参与会議では、ここの資料で4-4の五つ上がっているという5番目に、ここのところで重要なのは海洋観測。観測データが重要になっていますけれども、それが一体どういうシステムでやられていて、もっと強化しなくちゃいけないんじゃないかっていうことを踏まえて、新しいPTを作ることになっています。
 それは6月3日の参与会議で決まったということですが、この中で特に重要なのは、この5番のところですね。定常観測、海洋観測の強化。定常的に観測することは非常に、海はロングタームで観測しなくちゃいけないんですけれども、なかなかロングタームのものは結果が出てこないというか、論文になりにくいんで、ついついないがしろにされてしまう。海洋観測というのはそういうものではなくて、ないんですけれども。
 このつくばコミュニケの中の書きぶりは、実は定常的な海洋観測の強化に必要な「追加的な活動」と書いてあるんですね。この「追加的な」というのはちょっといろいろ意味があるんですが、そのことを若干述べて、私、書いておりますが、定常的な海洋観測そのものも非常に問題があるじゃないか。予算が減っているからできないということですね。
 ですから、それをどういうふうにすればいいかなということを次の参与会議ではPTで検討していきたいというふうに思いますので、ぜひ、ここは大いに関係があるところと思います。
【平田委員】  いいでしょうか。
【浦辺分科会長】  平田委員、お願いします。
【平田委員】  私も、定常的な観測が重要だということ、大変賛成します。
 私も関連している地震とか津波とかの関連で言うと、最近、海底で、海面のGPS観測データと音響の技術を使って海底の地殻変動を精度よく測る技術というのが、ほぼ、かなり実用化に近づいてきました。最近では、海上保安庁が南海トラフで海底地殻変動を測定して、南海トラフのプレート境界の結合度の分布を初めて実証的に測ることができたということで、「ネイチャー」にも載って、大変すばらしい成果が出たんですが。
 これ、9年、10年、およそ10年かけて図が一つできたということです。基本的には船で南海トラフの10カ所ぐらいのところに、15カ所ですね、15カ所のところに行って、そこで測定をするということが重要なことです。いろいろな事情でシップタイムが制限されているとか、そういうことがなければ、もっと頻繁に海底の地殻変動を測ることができて、これは直接南海トラフの地震の研究に役立ちます。海洋の水の部分ではないですけれども、そういった利用にも船の利用は非常に重要で。
 もちろん船じゃなくて、浦先生がやっているような無人艇がどんどん行けるようになればもっといいと思いますから、そういう技術開発も含めて、海洋の技術というのは今後ますます発展していくべきだと私も思います。そういう観点から、このような報告書で提案されていることは大変重要なことと思います。
 以上です。
【浦辺分科会長】  窪川さん、どうぞ。
【窪川委員】  窪川です。
 一つだけ、ちょっとご案内申し上げたいことがありましたので。日本学術会議の地球惑星科学委員会のSCOR分科会が、先ほど船舶のお話が出たんですけれども、報告という形で、6月9日に、我が国の海洋科学の推進に不可欠な海洋研究船の研究航海日数の確保についてというものをホームページに公開されておりますので、ぜひご覧いただきたいと思います。
 これは、実際の運航日数が減っているということで、半分程度になっているということで、先ほどからお話があります海洋観測に支障が出るということを、現状とそれに対する皆様のご理解をお願いしたいということです。
よろしくお願いいたします。
【浦辺分科会長】  藤井委員、お願いします。
【藤井委員】  話の流れなので、ここで言うべきかどうかわからないのですけれども、予算の議論をする必要があると思います。というか、費用の面ですね。国の予算だけではないという時代に、この分野もなってきていると思います。
 海洋のガバナンスという議論をしていくと、やっぱり民間のお金をどう使うのかという議論が必要です。要するに政府にお金が十分でない場合は民間のお金を使う以外ないのです。それが、官民の連携ということです。これまでもこの点は既に、いろいろ取組はされていると思うのですけれども、研究開発の部分についても、もう少し民間との連携なり、あるいはその場合の民間の範疇には、企業だけではなくて、ユーザーである消費者も含めた、つまり消費者に価格転嫁できるような仕組みも検討する必要があると思います。もちろん、いきなり研究の費用を消費者には転換できないですけれども、より広く海洋の開発及び海洋の保全という議論をしていく上においては、そうした海洋のガバナンスという視点は非常にいいと思います。ガバナンスの中身的に言うと、誰がステークホルダーなのかというところを詰める必要がある。そして結局、そこにファイナンスの議論を必ず入れていかないといけないと思います。
 我が国は消費税の引き上げも延ばしましたので、これから予算は十分には出てこないというか、むしろ削られていく方向にあるというのは、これはもう間違いない事実だと思います。そういう環境下でこういう大事な研究ができるのか、あるいは、その成果を人類のために協議できるのかということです。財政状況を踏まえると常識的に考えて、国の予算だけではできない方向に向かっていると思います。しかし、それでは必要な研究開発が回らないことに対して、民間の役割を入れた何か中身的な提言をしたほうがいいのではないかと思います。
 以上です。
【浦辺分科会長】  花輪先生。
【花輪委員】  つくばコミュニケ、あるいはG7伊勢志摩首脳宣言、こういう形で海洋のことが盛り込まれたというのは、非常に私たちにとってはうれしいことに、幾つか認識されてきつつあるなというふうに思います。
 海洋は本当にいろんな観点から重要ということで、サイエンスだけではなくて、それこそ運輸等も含めて、いろんな観点から重要であることは議論をまたないと思うんですけれども、社会的ニーズに対して、それに応えようとするときに、やはり一つの省庁等で対応するというのはもう違うだろうと思うんですね。関係するいろんなところが集まって対策を取り進めるということで、そういう意味では、もう我が国は総合海洋政策本部というのができて、まさにそこがヘッドになって施策を進めていくだろうというふうに思っております。特にアメリカなんか顕著ですけれども、海洋の何かの政策をするときには、インターエージェンシーのコミッティ、省庁間委員会というのを必ず作って、予算のダブり等々がないかどうか、それから抜けがないかどうかというのを、そういうコミッティがコントロールして政策を進めるというふうな構成になっているというふうに私認識しているんですけれども、全く同じように、そういう本部等々がヘッドクオーターとしてある意味仕切ると言いましょうか、そういう体制を今まで以上に強力にやっていく必要があるのではないかなというふうに思います。
 非常に小さな試みですけれども、ちょっと紹介したいんですが、つくばコミュニケの1番に国際アルゴネットワークってありますけれども、これ今、全世界的に進んでいるんですが、日本でもこれに対応するアルゴ計画推進委員会という委員会ができています。2000年から2004年まではミレニアムプロジェクトの一つとして走っておりまして、その後は各省庁の独自の予算で進んでおりますが、2005年以降現在まで、少なくとも文部科学省、国土交通省、水産庁、それから外務省等々の多くの関係する省庁から委員が出て、日本のアルゴ計画をハンドリングしているんですね。そういう努力というのがアルゴ計画をうまく成り立たせているバックグラウンドになるだろうというふうに私は認識しているんですけれども、果たして、海洋というのは非常にいろんな分野にまたがるということで、いろんな施策は省庁の壁を越えたところでやっていくというのを常に意識していくことが必要ではないかなというふうに考えております。
 以上、意見です。
【浦辺分科会長】  ありがとうございます。
 本日は、この後、重要な議題がありまして、今の資料4について説明をしていただいた後、議題(4)の「海洋科学技術に係る研究開発計画(仮称)」という、これをここで議決事項として考えていただく必要があります。今の状況説明、それからバックグラウンドの動向説明の話、大分議論が始まっており、大変皆さんの重要な指摘が数多く出されたと思います。それで、そういうものを含めた形で議題の4に移って、まず、この計画というものの説明を受けて、それをこの分科会としてどう決定するかということをやって、それから今の議論を続けたいというふうに思います。
 それでは、ちょっとご説明をお願いします。
【林海洋地球課長】  それでは、まず、資料5-1についてご説明いたします。
 これは前回のこの分科会において、基本計画等々の状況を踏まえて、海洋の戦略的な推進方策についての議論を始めたところではあるのですけれども、その後、科学技術・学術審議会の総会、この分科会の親会議に当たりますが、そこの議論も踏まえて、もう一度その辺を整理し直したのが資料5-1でございます。
 そして、参考資料3、4もちょっと照らし合わせて見ていただくとよろしいかと思います。
 参考資料3は、これは今言いました科学技術・学術審議会総会に出された資料ですが、そこの1ページの本審議会における進め方(案)の下の真ん中あたりに、黒線でアンダーライン引いてあるところをちらちらと見ていただきながら、資料5-1の説明をいたします。
 そうした背景の中で、28年4月に開催された科学技術・学術審議会総会(第54回)、つまり、これは今の参考資料3のことになるわけですけれども、ここで、第5期科学技術基本計画の策定を踏まえて、各分科会等において、各担当領域にて当該計画を具体化・実行していくための調査審議等を進め、その方向性や具体的な取組をまとめ、フォローアップしていくことが望ましい、こういうことになりました。こういった議論も踏まえて、分科会のほうでは一歩先んじて議論を始めておりましたけれども、改めて「海洋科学技術に係る研究開発計画(仮称)」ということで、これを策定して、海洋科学技術に係る基本計画具体化、実行及びフォローアップを図るというのが背景・目的でございます。
 そして、その計画の対象期間、範囲というのは、これはもう科学技術基本計画のほうの並びになりますので、今後10年で、5年程度と書いてありますが、中身的には、重点的に推進すべき研究開発の取組及びその推進方策を内容とする研究開発計画、このようにしています。
 この辺は、実は参考資料4を見ていただくと、科学技術・学術審議会の中の同じ分科会レベルの話として、研究計画・評価分科会と呼ばれているところ、ここは、海洋以外のほとんどの分野のいろんな委員会が設置されている分科会になりますが、そこでやはり同じように研究開発計画を作るということになっておりますので、基本的に海洋分野についても4の内容を見ながら作っていくことがいいだろうということで、2.の対象期間及び範囲については同じような感じにしております。
 そして、検討に当たっての留意事項としては、マル1に書いてありますように、海洋分野が他分野と少し違うのは、海洋基本計画がございます。したがって、海洋基本計画との整合性に留意するとともに、次期基本計画に係る議論への貢献ということも視野に入れながら、ここで検討を行っていったらどうかということ。
あと、マル2、マル3は、これは計画・評価分科会と同じようなことになってございますが、重点的に推進すべき研究開発というのは、第5期科学技術基本計画に示されている重要政策課題のうち、海洋科学技術に係る取組として、内局予算及び研発法人で行う研究開発の内容を含む。この辺の取組には紛れは余りないんですが、マル3の推進方策に何を書くのかということについては、科学技術基本計画の第4章、第5章、第6章の内容を踏まえたものということで、第4章が基本計画上は基礎研究や人材育成、そういった部分、第5章が産学連携等を含めたイノベーションの部分、第6章は社会との関係、そういったものに当たっています。したがって、この推進方策のところでは、重点的に推進すべき研究開発の企画・推進・評価を行う上で具体的に留意すべき事項、評価の考え方、指標・定量目標の設定、人材育成、知財戦略、産学連携、社会との関係深化、こういったものに関する事項を含むものとするというようなことが書いてございます。
 そして、裏の2ページ目にいきますと、策定スケジュールということで、これも科学技術・学術審議会のほかの委員会等々と並べて、本年度末、来年1月、2月ぐらいの策定を目指して分科会で議論を行います。ただ、来年度予算ということをまた考えたときに、早急に対応すること、これだけいろんなG7の議論なんかもありますし、海洋本部での作業会議の議論なんかもあります。こういったことで、早急に対応する必要があるものというのはございますので、6月から8月にかけては、そういった事項を中心に当面の重点事項を取りまとめる、そういうことをしたらどうかというのが書いてある。だから、2段階になっています。
6月から8月にかけて議論をするのは当面の重点事項の取りまとめ。さらに、1月、2月を目指して研究計画全体を作っていく。こんなようなことになってございます。
 なお、検討に当たっては、その委員会、先ほどの北極委員会とか審議会のシステムとかありますけれども、そういった委員会の議論というのも活用するものとするということで書かせていただいております。
 資料5-1は以上でございます。
【浦辺分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、この5-1は大変重要な文書になりますけれども、これについて、何かコメント等ございましたら、お願いいたします。
 ぱっとこれを見てコメントをしろと言われると、なかなか難しいものがございますけれども、先ほどありました研究開発・評価分科会がたくさんほかの分野を含んでいて、海洋開発分科会だけちょっとそういうものから離れて、研究計画・評価分科会と並びになっちゃっているものですので、研究計画・評価分科会という分科会でやる研究開発計画と同じように、この海洋開発分科会でも研究開発計画を作っていく必要があります。その策定についてという提案の文書が5-1だということになりますが、よろしいでしょうか。
 浦さん。
【浦委員】  浦です。
 今の策定のスケジュールは、今年度は6月~8月と書いて、当面の重点ですけれども、この対象期間及び範囲は、10年後を見通して5年間のものを作るということで、これはどういうスケジュール感で作っていくんでしょうか。
【林海洋地球課長】  それは本年度末、来年の1月、2月ぐらいを目指して。
【浦委員】  それで作る。
【林海洋地球課長】  はい。
【浦委員】  そういうことですか。
【林海洋地球課長】  そういうことです。
【浦委員】  ああ、そういうこと。
【林海洋地球課長】  書いてある内容も、もちろん議論しながら変わっていくものであり、まず、取っ掛りとして基本的に書いておりますので、議論をしながら、やはり海洋にも、その分野の特性に応じて内容というのは少しずつほかと違ってくる、こういうものになろうかと思います。
【浦辺分科会長】  よろしいでしょうか。
だから結局、来年度予算の策定に向けて、6月から8月までの一つのエポックがあり、もう少し長期的なものに関しては、先ほどの研究計画・評価分科会との並びで来年の1月くらいまでに、もう少し長期的なものを作る。二つのことをこの分科会でやるということが書かれていると私はここを理解しているんですが、よろしいでしょうか。
 じゃ、これについてはこれで進め、修正がなかったということで、これを当分科会の決定としたいと思います。
 それでは次に、残りの資料について説明をいただいた上で、残り時間いっぱいまで議論をしていきたいと思いますので、残りの資料の説明、よろしくお願いします。
【林海洋地球課長】  それでは、残りの5-2、5-3、5-4です。
 5-2というのが、前回行った議論の復習みたいな形になります。先ほど申し上げましたように、前回から実は、今後どうしていきましょうかという議論もしていまして、別添についていますように、前回3月22日には、海洋科学技術の戦略的な推進方策についてと、こういう形で論点を示して議論をいただいたところでございます。先ほど申しましたように、6月から8月にかけては当面の重点事項ということで、資料5-3、5-4を中心に議論いただこうと思っていますが、もちろん前回の議論の中での意見も踏まえながらということになろうかと思いますので、まず資料5-2で前回出た主な意見、これは事務局側が勝手に整理したものでございますけれども、そういったものをまずご説明して、当面の重点事項ということで、5-3、5-4を説明させていただきたいと思います。
 資料5-2、その主な意見は、これは別添について、論点メモに従って整理をしたものでございますけれども、「1.留意すべき状況変化」ということで幾つか書いてあります。最初の二つ、1番目、2番目には、やっぱり海洋のガバナンスの議論、こういうものが出てきています。3番目は北極域の重要性の話で、4番目が、基礎研究・学術研究を進める上でも、先ほど藤井先生からありましたけれども、民間からの投資や産業化につながるような研究開発もしていかないとなかなかそこもできないと、そういったような状況変化の意見があったところでございます。
 そして、3.に関して、これは論点整理に合わせたものですが、そこでの関連する意見としましては、推進全体の方向性として、最初のマルに書いてあるのが、海洋国家である我が国の将来ということを踏まえれば、グランドデザイン、そういったものを考えたほうがいいのではないかというような話とか、政策を考える上では時間の要素が、短期的なもの、中長期的なもの、こういったものを入れて整理をすべきではないかというようなことであるとか、あるいは社会的な理解を深めること、そういうものが重要で、実際に復興、東北での復興の研究の中では漁業者との関係でいろいろ変化を及ぼしている、そういったような意見があったところでございます。
 2ページにいきまして、人材育成の観点でも幾つか議論があったんですが、その中でも科学的知見、研究者だけではなくて、それを社会に生かしていく人材の育成と社会的評価の見直しであるとか、あるいは、研究者と産業界の双方的な対話というようなことであるとか、あと、海洋の分野、いろいろ関連する分野が分かれていて、ただ、個々に分かれているような分野であっても統合的に取り組むこともあるんではないか、そういったような意見もございました。
 あと、各分野のところについては、海洋資源の開発・利用に関しては、海洋の開発・利用に関して政府主導の取組が必要ではないかというようなことであるとか、最近になりますけれども、生態系の保全の観点、そういったものも重要なのではないか。
 また、極域・海洋の総合的な理解では、北極のコミットメントは戦略的に進める必要がある。
 あと、自然災害・防災のところ。これはいろいろ意見もございましたけれども、南海トラフの掘削計画や、海底の地殻変動を測るための技術不足、あるいは、東北でいろいろ今培っている知見というのをいろんな形で活用できるのではないかというような話であるとか、3ページ目のほうにいきますと、やはり復興で培われた知見というのを世界的に展開していく、そういったものが書かれております。
 4番が最先端の調査技術を開発・運用ということで、深海探査技術には戦略的な推進が必要であるとか、あとは、我が国がこれまで蓄積してきた経験を生かして他国にはできない取組、そういったものが必要ではないかという話。
 あと、科学的な知見というものは長期的なビジョンをもって取り組む必要があるのではないかということと、あと、技術・成果の展開では、オープンイノベーション、オープンデータ、オープンサイエンス、そういった新しいイノベーションの動き、科学の動き、そういったものにきちんと対応すべきではないか、こういったような意見があったところでございます。
 そして、こういった意見を踏まえ、また、先ほど資料4の関連でいろいろご説明した最近の状況も踏まえて、資料5-3は、当面の重点事項(論点)としてまとめさせていただいたものでございます。
 簡単にご説明をいたしますと、最初の頭の段落のところには状況を説明しています。1段落目では、第5期基本計画ができました、海洋政策本部の参与会議で海洋科学技術について取りまとめられていますという、先ほど説明したものです。
 第2段落目が国際的な状況ということで、SDGsの一つのゴールに海洋というのが入っていますし、G7なんかでも、先ほどご説明しましたように、科学的知見に基づく海洋の持続的可能な利用のための科学的取組、こういったものが打ち出されています。
 3段落目で、こうした国内外の状況を踏まえて、海洋の位置づけ等も考慮しながら、来年度に向け重点的に取り組む必要があるのではないかということで、以下の3点について記載しております。
 まず、経済的・社会的課題の解決に向けた取組の強化ということで、1点目として挙げているのが、G7なんかも踏まえて、海洋のガバナンスですけれども、海洋鉱物・生物資源、持続可能な利用を確保する観点からも、科学的観点に基づく海洋の管理、保全、持続可能な利用に資する取組を推進することが重要ではないかといった点。
 2番目が北極の関係で、今、北極研究戦略委員会のほうでも議論していますけれども、そういったことを、検討をもとに戦略的な推進を図ることが重要ではないか。
 3番目が安全・安心・復興ということで、熊本地震は海とは少し関係ない部分でございますけれども、やはりそういった中で安全・安心に関するいろんな心配と、国民の意識というものが高まっている中で、やはりそういったものの研究開発というのはますます重要になっているのではないかというようなこと。
 最後の段落になお書きでちょっと書いてあるのは、課題解決に向けた取組といった場合に、課題というのを設定するのも重要ですけれども、実際に施策をやっていく段階で、この課題に向かってちゃんと施策が動いていっているのか。そういったPDCAサイクルというような仕方についても、これは第5期基本計画の中でもいろいろ問題意識が書いてありますので、研究開発計画、来年に向けて定めていく議論の中で、少しその辺もちゃんと議論を深めていくことが必要ではないかということが最後の段落に書いてあるところでございます。
 そして、次のページへいきまして、2点目としては、これはいろいろ言われた基本計画の、海洋基本計画、科学技術基本計画でも言われていますし、先ほどの参与会議の中でもこういうことを言われていますけれども、やはりイノベーション推進ということで、海洋に関するいろいろな、多種多様なデータはいろいろあります。こういったものを解析して、他分野との連携を含めた新たな価値を創造する研究開発しながら、超スマート社会に向けた基盤技術、こういったものを構築していくことが必要ではないかというようなことであるとか、産業界、大学、研究開発法人の協働の推進や、他分野の技術の利活用によって海洋におけるイノベーション、そういったものを加速化するとともに、海洋分野のいろんな技術を他の分野、特に海洋以外の分野も入ると思うんですが、そういったものの移転・利活用を推進することにより新たな価値の創造、こういうことにつなげていくことは必要ではないかというようなこと。
 そして3点目で、基盤的施策の推進ということで、基礎研究、基盤研究、人材育成、この辺については着実に取り組むということですが、この辺の長期的なスパンの話については、これは多分、研究開発計画の中で議論される話だと思います。また、2番目のマルで、先ほど来話になっています研究船の運行日数も確保するためにも、やはり海洋観測・研究の必要性、意義、成果、これをより明確にしていくようなことが必要ではないかというようなことが書かれております。
 資料5-4として、これも5-3の論点に関連して、少しイメージ図を作ってみましたけれども、まず、それは上のほうに海洋の、特にこの図の中の緑色の部分もやるべきじゃないかということではあるんですが、「海洋の特長」ということで、一番初めに書いてあるのが、これ、よく言われていることですが、我が国の四方を囲んで、我が国の社会経済、我が国や人類の持続発展の基盤である、そういうような特徴を有しているものですから、やはり何かの課題解決については海を活用するという部分というのは結構あるだろう、そういったこと。そういう意味で課題解決に貢献する海洋科学技術、こういった部分があるだろうということ。
 2番目の特徴として、さまざまな現象が絡み合い、その現象自身が距離的あるいは時間的なスケールが大きいということで、もちろん観測研究というのは必要ですが、そのとったデータの処理については、やっぱりデータ科学・計算科学の活用というのが従来からやられてきていましたし、今後、ビッグデータの処理というものがどんどん、ビッグデータの処理あるいはAIの活用と、そういったものが発展する中で、こういった分野を先導するようなことにもなっていくのではないか、そういったような話であるとか、あるいは多数分野・多数機関の連携が必要な分野であろう、そういったような特徴。
 さらに3番目の特徴として、陸上とは異なる特殊な環境であろうという意味で、先端技術を使っていく、そういったフィールドとしての場。あるいは、そこで新たな先端技術、海で先端技術を創って、それを違った形で生かしていく波及効果。そういったものも考えられる場ではないか。
 こういった科学技術、イノベーションでの海洋の特徴なんかも踏まえて、下に書いてありますけれども、ちょっとこれ、余りにも単純化し過ぎて、余りにもリニアモデルではないだろうということで議論もあるんですが、少し単純に書いています。
 観測技術の枠には、ここにいろんな要素、いろんな先端技術が入って観測技術へ組み立て、それを海洋に適用、掛けるになっていますけれども、適用していく。そうすることによって、いろんなデータが出てくる。ここに書いてありますように、本当にたくさんのデータというのがとれてくる。それは、時間的、場所的、そしてこういったようなデータの種類的に、すごく多くのデータが出てきます。それをいろいろ解析し、分析することによって、科学的な知見というのが得られていく。
 この辺まではある意味、海洋でも今までいろいろやってきて、科学的な知見の拡大というようなところでおさまっていると思うんですが、更にそれを課題解決にどう生かしていくか。この緑の部分、この辺の話というのを更に強化していく必要があるし、この課題解決ということの中身についても、昨今の状況を踏まえて、ガバナンスの話であるとか、安全・安心・復興、あるいは極域の話、こういうところというのが今後さらに注目をしていかなきゃいけない分野ではないかというような観点。
 さらに、そういった、ある意味、縦にも、これは課題解決に向けた、いろんな縦のそういった取組とともに、その下に矢印とかで書いてあるのは、例えば観測技術。先ほど「陸上とは異なる特殊な環境」と書きましたけれども、こういったところでいろんな先端技術というのは使われ、また生まれているということを考えますと、この観測技術を使って海洋の観測をする段階で、産業界、中小・ベンチャーって書いてありますが、そういったものを企業も活用しながら先端技術の開発・多分野での活用を図る。あるいは、出てきたデータをいろんな形で確保する。データ分析する、あるいはシミュレーションで処理していく、こういったインフォマティクス。こういった基盤技術というのが今後、超スマート社会を創る上での基盤技術にもなっていくでしょうし、こういったデータを他分野と連携することによって、「新しい価値の創出」と右下に書いていますが、スマート水産業であるとか、船舶航行支援でありますとか、あるいは農業の高度化、自動走行への高度化、あるいは医薬品、食品、その商品化、そういった新しいものを創り出すためのイノベーションを生み出すようなことにもなっていく。
 こういったところで、第5期基本計画であるとか先ほどの海洋本部の参与会議の意見等を踏まえて、特にこの緑の、イノベーションを生み出して、あるいは課題の解決、社会に役立つ、この辺が今非常に我々として弱いところなのかなと思っておりますので、今後、来年度に向けた重点課題のところでは、そういったようなところを重点的に少し手当てしていく必要があるのではないか、こういうのが資料5-4のイメージ図でございます。
 5-3と5-4、以上でございます。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございました。
 資料5-2に関しては、前回の議論のまとめで、非常によくまとまっていると思います。やはりグランドデザインが必要だ。やはりこれから目指すのはグローバルな海洋ガバナンスということなんだけれども、さまざま、幾つか、きょうもご指摘ありましたように、なかなかそれを理解してもらうのは難しい問題がある。
 それから、産官学の連携をどうやっていくのか、どう説明していくのかというところでは、そこら辺をうまくジグソーパズルを組み合わせていく必要があるということで、今回、課長にもお願いして、資料5-4のような図と、それから文章である5-3と、両方提供していただきました。これで大分、前回の議論をもとに、もう少しインテグレートしていく基盤ができているのかなと思いますけれども。
 これをもとに、何かコメントがありましたら、お願いいたします。
【中田委員】  先ほど花輪先生のほうから、いろんな省庁が協働でデータを集めていく、そういうふうな場というのがあるし、それをもっと活用していくのがいいというような話がありましたけれども、もう少し、例えば国の予算を入れた事業なんかでもう少し、一押ししてほしいなって思うところがあって、それはどういうことかって言いますと、いろんな事業で出口というのを備えられていて、その中で、途中でいろんなデータがとられていきます。それを集める、それとは別に、データは皆さんどこかに集めましょうとか言われても、プラスアルファに見えて、なかなかそこの部分がうまくいかない。だから、いろんな省庁の事業とかそういうものでデータをとったときには、こういう形でここに入れましょうというところまで含めて事業に落とし込んでいくっていう工夫次第で随分違ってくるのかなっていうのを思っています。
 あと、同じような話で、さっき民間の力を入れていかなければいけないって藤井先生のお話がございましたけれども、例えば、今、大分事業なども変わってきて、実証実験というのが結構事業なんかで入って、いろんな技術を開発して、現場の、例えば水産業であれば水産、漁業の部分を入れて自主事業をするというところまで入ってきているんですけれども、そこまでではなくて、それを回していく仕組みまで考えなさいという、そういう事業の立て方というんですかね、そういうのがもう少しプッシュされると大分違うのかなと感じているところです。
 以上です。
【浦辺分科会長】  藤井先生、何かコメントございますか。実際には、前回のときもやはり民間からの投資とか、そういうふうな話がありました。例えば資料5-4の図だと、文章では入っているPDCAサイクルであるとか、投資がこれをぐるぐる回っていくとか、そういうふうなイメージをこの図に描くのはなかなか難しいと思うんですが、先ほどもおっしゃった、いわゆるファイナンスの問題も含めて、どのようにやっていけば官民連携がこういうふうなものを回していくのにつながるというふうにお考えでしょうか。
【藤井委員】  あり得るのは、さきほど言った、ガバナンスの中にステークホルダーとして民間を入れていくという方向がそうなのです。具体的にそれをどう仕組んでいくかというのは、まさにそれが課題なのですけれども。個々の先生方も実際には個々の研究ベースで企業の方と一緒にやってこられているケースが多々あると思うんですね。しかし、そういう個別研究のレベルではなくて、やはり、まさにこういう会議、こういう仕組みづくり自体に民間の人が入って議論をするような仕組みがまず、いると思います。つまり、ガバナンスという議論をするときにはステークホルダーとしての民間の参加が必要です。かつ、最終的には、民間はビジネスで判断しますので、経済社会にプラスの効果があるという方向感が必要です。もちろん、民間企業も余裕があれば、寄附とか超長期のことを考えて協力していただける企業もあるのですけれども、基本はビジネスに落とし込んでいけるかどうかが判断のポイントになります。つまり、経済社会にプラスのアウトプットができるようなものでないと企業としては対応できない。
 しかし、海洋の研究自体も超長期でみても、あるいは短期的にみても、ビジネスにつながるプラス面などもいっぱいあるわけですね。種はいっぱいあるのです。その種のセレクトのところに最初から民間の人たちが、個別の研究とは別に、我が国全体の資源の有効活用という視点で関わっていく。かつ、海洋ということを考えると、これはもう、実は日本だけではなくて、ほかの国の資本も、あるいはほかの国の企業も、当然いろんな形で関与してくる。国対国の対立・対決の部分と同時に、内外のステークホルダーを合わせて、本当にマルチでやっていく部分が必ず出てくる。そこのところの議論に民間の方々が最初から入っていく。そういう仕組みがまずいると思います。お金だけ民間に出してくださいと言っても、民間はもうかるプロジェクトには当然参加しますけれども、もうからないところは、これは当然やらないのが当たり前です。個別プロジェクトじゃなくて、全体のフレームワークづくりをまず一緒にやっていくということが大事だと思います。
 今の議論の中で言えば、海洋にはグローバルな視点がまずある。北極の場合は、日本だけのことじゃなくて、ユーザー国としての国際連携みたいなものがないと、絶対まとまらないと思います。それがないと我が国もプラスにならない。ですから、そういう複数の国同士の場を一つ作ったほうがいいと思うのです。海洋ガバナンス何とか委員会みたいなものを作って、そして、超長期の国全体、経済世界全体にとってプラスになることであれば当然企業は参加されと思います。企業の方は、個別にメリットあるものは自分たちで囲い込みたいし、余り大きなものだと自分たちが引き受けさせられるのではと敬遠して嫌がる傾向にあります。しかし、そういうことではなくて、まずはこの国、あるいは海洋ということで言えば地球全体の議論の中で、民間、要するに国よりも資本を持っている民間セクターに、こうした問題にどう対応して、最終的には自分たちのプラスになる、新しい社会を潤していけるのかという議論の場に入ってもらうことがいいと思います。
 私に十分な知恵があるわけではないので申しわけないですけれども、いろいろ知恵を持っておられる方々は内外にたくさんおられます。場合によれば海外の民間人も入れたような形でやることも考えられます。そういう場を日本がまずセッティングして、内外に声かけして、一緒にやりましょう、ということで提案するということです。まずスタート段階としては、そうした提案がまず要ると思います。
【浦辺分科会長】  ほかにございますか。
 鷲尾委員、お願いします。
【鷲尾委員】  ちょっと話の論点をずらすようで申しわけないんですけれども、こういう5-4に示されたようなことを重点事項として議論していく。課題などを吟味するということはいいので、やっていったらいいと思うんですけれども、これが重点だから予算資源等をここに集中するんだという、その重点とは意味が違うのではないかなという気はしております。
 と言いますのは、先ほどから出ていますように、科学的根拠で海洋、あるいはいろんな事象をコントロールしていくというのは非常に大切な観点ですけれども、科学的根拠というのは先進国が独占しているんですね。地球規模で考えると、多くの国々がよその国のスタンダードを押しつけられて困っているという状況もあります。
 こういう例でスマート水産、漁業関係ですからスマート水産業ができればいいよなというふうには思うんですけれども、まだ圧倒的に多数は泥臭い水産業をやっておるわけで、やっぱりその中の一部で、こういうモデルケースとして動いていくものは重点検討事項の中で解決していくものもあろうかと思うんですけれども、ここにだけ予算投入しとけば将来が見えてくるということではないと思うんですね。そういう泥臭い現場の問題にもやはり別に対処しながら積み上げていくという、その過程も一方では要るのではないかと思いますので、力量の配分の点ということをどこかで議論する機会を置いといていただけたらありがたいと思います。失礼します。
【浦辺分科会長】  ほかに。
浦委員。
【浦委員】  浦です。
 どういうことをターゲットにして日本がやっていくかということがあると思うんです。今、鷲尾先生がおっしゃったように、水産も非常に強いので、世界のリーダーですから、世界のリーダー、押しつけかもしれないけれども、それはそれぞれリーディングをするということは非常に大切なことだと思うんですね。
 それで、幾つかの海洋の、日本の重要なところは、今申し上げた熱水地帯の開発という意味だと思うんですけれども、もう一つあるのは、やっぱり地域的な問題では、沈み込み帯じゃないかと思うんですね。この間の3.11の地震もそこから発生していて、それからインドネシアも沈み込み帯で。沈み込み帯というのは、私が説教することでもないですけれども、この辺りにというか日本周辺で独特な地形で、そこでリーダーシップとっていくというような作戦と言うんですかね、それが非常に重要なんじゃないか。何でもかんでもやりましょう。北極海という話があると、北極海はもう北極の周りの人たちが非常に強い力を持って、そこに割り込んで行くということですから、この沈み込み帯とか水産とかというところは、日本が先頭に立ってリーディングをしていける分野である、そういうことをもう少し考えなくちゃいけないかなというふうに思っています。
 沈み込み帯は非常に広いところですし、かつ、日本海溝だと8,000メートルぐらいあって、なかなか、いわゆる総合的な戦略でやらないとできないことがある。今は3.11に関係して東北沖には地震計のネットワークが作られつつあるんですけれども、それは何か、こう言っちゃ悪いんですけれども、既存の技術の延長線上にやっていて、総合的な戦略になっていないような気がする。そう言っちゃ失礼かもしれませんけれども、そんな気がします。それを総合化する。
 先ほどちょっとお話がありました。各省庁が集まって何か戦略を立てると、アメリカ式な、花輪先生がおっしゃったんですかね。そういうふうなやり方をしていかないとうまくいかないんではないかなというふうなことで、そういう得意なところを攻め込むということを考えてはいかがでしょうかということです。
【浦辺分科会長】  鷲尾委員の、スマート水産業、泥臭い水産業の区別であるとか、それから官民の連帯、それから今、浦委員の、どういうターゲットやるかという、さまざまな仕組み、分け方と言いますか、フレームワークの作り方みたいなものが提案されているわけですけれども、ほかに、皆さん、何か。
 高橋委員、お願いします。
【高橋委員】  高橋ですが、浦先生が前に言われたPTの話で非常に感銘を受けていますけれども、海洋の科学技術は人類の幸福に寄与する。まさにそのとおりだと思うんですが、この報告書なんかを読んでいると、人とか市民とか国民という言葉はほとんど出てこないですよね。だから、誰がベネフィットを受けるのかということはもっと書くべきじゃないかと思っているんですね。
そういう意味で、5-4の新しいイメージ図を見ると、新しい価値の創出というのは、これは国民が受けるベネフィットの例だと思うんですけれども、もうちょっとそういうところに力を入れて、そういうものがわかっていくような書き振りがあるんじゃないかなと思います。
 それから、例えば海洋のガバナンスの確保と言うと、僕なんかわからんと思うんですね。具体的に何を意味しているのか、国民にとって何になるのかということです。やっぱり、例えば安全・安心・復興というのはわかりやすいですね。市民にとっては、これ、非常に大切なニーズとして一番あるところだと思うので、そういうようなところをもうちょっと強調したほうが、予算の獲得とか、国民からの支持を得るのにはいいんじゃないかと思います。
【浦辺分科会長】  窪川委員。
【窪川委員】  窪川です。
 重点事項、大変よくまとまっていて、勉強させていただきましたけれども、先ほどのPTの、御紹介いただいたほうの資料のPTの報告書にもたくさん載っていましたし、今、高橋先生からのお話にもあったんですが、私はちょっとここの重点事項の中に海洋リテラシーという言葉がどこかあったらいいなと思ったんですね。
 例えば長期観測というのは、当然、我々から考えると重要なものですけれども、長期というのは、例えば10年、20年たった後で、非常にそれが価値あるということを私たちはわかっていても、研究者の中でも、それがどうであろうかと思う方もいらっしゃるだろうと思うし、なかなか国民の理解というのは難しいかもしれないので、長期的なものをやっても、短期的なデータも当然出てくるので、その利用も考えなくてはいけないんですが、それを含めてリテラシーを上げるということが逆に大切じゃないかと思います。
【浦辺分科会長】  ほかにございますか。
 確かに、ここで資料5-4の右側の四角は、課題の解決と新しい価値の創出というのは、上が基本的にはプラスの面、下がマイナスの面というふうに分かれているんだと思いますけれども、このマイナス……、マイナスと言えるかどうかわかりませんが、海洋のガバナンスの確保とかいうのは確かに大変難しいのと、それから、総合的理解というのは、これも窪川さんがおっしゃるように、国民の間に海洋リテラシーがあればわかるんだけれども、なかなかそれがすぐには企業の利益とか富とかに繋がらないので、価値には違いないんだけれども、その価値が金銭的に換算できるかと言うと、大変難しいものがあると思います。
 それで、グローバルな海洋ガバナンスというものの中には、ある程度、これ以上続けていると地球がもたなくなるので、基本的にはもう少し海のことをよく知った上で、マイナスのエフェクトがないようなものにしていかなければいけないという、国としての責務であるとか、大きく言えば人類としての責務的な部分が含まれていると思います。それからもう一つは、何か新しいイノベーションがあることによって富が発生するという新しい海洋産業と、水産業のように持続的に生活を支えていく、既存の産業との間で、きちっと整理することが難しい。もしグローバルな海洋ガバナンスが産業にとっても富になれば、それがビジネスとの間でいろいろなことができるかもしれないけれども、今、そういう新しい価値によってある特定の会社が非常に利益を上げられるというふうな姿は、なかなか見えてきていないのかなというふうに思います。
それで、むしろこの間、長澤委員がおっしゃったように、海運業をやっていく上でも、船からの排出による海洋の汚染というふうなものに対し、排出基準がどんどん厳しくなっていて、今までどおりのビジネスはできなくなる状況もあり、そういうふうな意味できちっと海洋ガバナンスもやっていかないといけないというふうなお話もあります。
 そこら辺の、この資料5-4の右端の四角に書かれている課題の解決、新しい価値の創出というところと海洋観測が、緑色の矢印できちっとなかなか結びつかないという、そこら辺のところが少し悩みかなというふうに思います。
これについて、窪川委員のおっしゃるように、リテラシーを上げてほしいというのはあるんですが、すぐにはなかなか難しいので、この辺については何かご議論があれば、少しお伺いしたいんですが、いかがでしょうか。
 浦委員。
【浦委員】  アメリカの例を挙げてみると、アメリカはかなりリテラシーに力を入れていて、それで、例えば調査船をするときに、調査船で調査を国の仕事なりなんなりにやるときに、例えば高校の理科の先生を乗せてルポルタージュを、ちゃんと記事を書くとか、そういうふうなプログラムを作っているんですよ。
 日本は、そういうふうなところの取組がほとんどなくて、実際に現場の人は観測をしながら高校の先生の面倒を見なきゃならないことは、とても大変なので現場の人たちは嫌がります。嫌がるんですが、そういうことがうまく組み込まれていくようになれば、高校の先生を通じて、それで現場のことがわかるんですね。そういう努力というか予算措置って今まで日本では全くなかったので、ぜひそういうことをやっていただきたいなと思います。それはお金がかかることなんですけれども。
 実は、例えばここ数年の話だと、2年前だか3年前だったか、「しんかい6500」がカリブ海に行ったときにニコニコ動画で、深い5,000メートルかなんかの熱水を中継しましたよね。あれも非常に反響が多かった。それとか、最近の話題でダイオウイカとか、あれは科学博物館の中ではトップレベルの集客数だった。それから、NHKがやっている、あそこの噴火しているところの調査やなんかの放送とか、非常に高い視聴率をとっているんですね。ですから、一般の人たちというのは恐らく非常に海洋に関する知識、あるいはそういうイメージを得たいと思っているんだけれども、発信しているものがないというのが現状だと思うんですよ。
 今、例えばJAMSTECだと、インターネットに各船はつながっていますから、リアルタイムで状況だって報告することはできるんですけれども、報告する人がいない。そういうシステムになっているので、それはもう何か、僕がいつも言っているように、16世紀的な海洋調査を相変わらず続けているということになっていて、それを今の時代になって変えていかなくちゃならないということがリテラシーにとって非常に重要だと思います。
よろしくお願いします。
【浦辺分科会長】  花輪先生、お願いします。
【花輪委員】  話がまとまらないままにお話しするような形になろうかと思いますけれども、勘弁してください。
 気象のほうで、いわゆる民間の気象会社というのが幾つかありまして、きちんと成り立っているんですね。じゃ、どうして海洋は同じように成り立たないんだろうかというふうに、まず問題設定いたしますと、多分我々は、小規模性の現象にまだなれていないというか、それを観測するのも、それを再現するのも、予測するのも、まだ力不足であるというのが一番かなと思うんですね。
 日本海洋学会で、今後5年、10年、何が一番大きいテーマですかという議論を数年前やったんですけれども、大きく二つの方向性があって、やはり地球規模の現象に海洋が非常に大きく関与している。例えば気候変動、あるいは気候変化としての地球温暖化等々に関与しているから、そこをきちんとやりましょうというのと、もう一つは沿岸域なんですね。沿岸域に一番社会との接点がありまして、なおかつ、悪いほうで言うと、被害をたくさん与えるようなことも沿岸域で起こっているんですね。じゃ、その沿岸域に対して今、我々の力が及ぶかと言うと、観測も及ばない、それから、モデル等々はかなり進んできていると思うんですが、初期条件を与えるところで弱いということで、一番、社会との接点である沿岸域に関するところが手薄になっているんで、今後5年、10年で、そこをきちんとやっていきましょう、そういうお話になっていったんですね。
 「新しい価値の創出(例)」のところは、そこと結びつけると非常にわかりやすくなるのかなという気がいたしました。
 一、二例挙げてみたいと思うんですが、例えば相模湾では、黒潮のほうから非常に暖かい水が次々流れ込みます。これは急潮という言葉で言われていて、入ってくると相模湾を反時計回りに数日かけて回るんですけれども、網なんかが上げられなくなっちゃいます。それから、定置網なんか流されたりいたします。それがわかると非常にいいのかなというのもあります。
 それから、沿岸で高潮って、これも非常に厄介ですけれども、高潮は二つ理由があって、一つは風、低気圧、台風等々の風の場が高潮を作りますし、もう一つは暖水が、暖かい水が近寄ってくると作るんですね。時々、沖縄全体が高潮に見舞われることありますけれども、あれは、あの緯度に存在する大きな渦が、暖水渦が東のほうから走ってきまして、沖縄をほぼ覆うというようなことが起こるんですね。
 そういうものがあらかじめ予測できて、コーションと言いますか、注意を喚起できれば非常に社会的なベネフィットというのはあると思うんですね。そういうところに特化して情報を出すというのは一つのあり方かなとは思います。
 ただ、今すぐ我々がそこに向かっていけるかというと、もう少し真骨頂的なところから始めて、観測システムの構築等々も含めて、間があるだろうとは思うんですけれども、新しい価値の創出のところに、例えば今、気象の、いろんな気象の会社が成り立っているような観点で、海洋も同じことができないかなんていう視点は考えてみるのもいいのかなというふうに思いました。
 ちょっとまとまっていない話で申しわけありません。
【浦辺分科会長】  大分時間が迫ってまいりまして、実はこの議論は次回、7月7日の日にまた継続して行って、8月の末、まだ日にちは決まっておりませんけれども、そのときまでにさまざまな意見の集約ができればと思います。ですので、この議論は7月7日の次回にまたつながっていくので、ぜひそのときまでに、きょう、事務局側で用意してくださっている資料をもとに、みんなで少し頭を整理して、より具体的なことが決まればと思います。
 それでは、ちょっとまだ議論は途中ですけれども、(4)の議論も終えて、次のその他に移りたいと思います。
【三宅海洋地球課課長補佐】  では、次回のご予定をお伝えさせていただきます。次回の海洋開発分科会につきましては、7月7日木曜日、開催を予定しております。委員の皆様におかれましてはお忙しいかと思いますが、何とぞよろしくお願い申し上げます。
【浦辺分科会長】  ありがとうございます。
 それでは、本日の活発な議論をありがとうございました。
本日の分科会はこれにて終了したいと思います。
ありがとうございました。

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研究開発局海洋地球課

-- 登録:平成30年02月 --