ここからサイトの主なメニューです

海洋開発分科会(第45回) 議事録

1.日時

平成28年3月22日(火曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 5F3会議室

3.出席者

委員

浦辺分科会長,長澤分科会長代理,浦委員,木島委員,窪川委員,白山委員,瀧澤委員,竹山委員,田村委員,西村委員,平田委員,鷲尾委員

文部科学省

森大臣官房審議官,林海洋地球課長,三宅海洋地球課課長補佐 ほか

4.議事録

【浦辺分科会長】  年度末のお忙しいときにもかかわらずお集まりいただきありがとうございます。
 今日は議論に時間をかけたいということで先に進めたいと思います。
 まず、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。
【三宅海洋地球課課長補佐】  では、お手元の資料をご確認ください。
 まず、議事次第がございまして、資料1としましてA3の横紙でございますが、第5期科学技術基本計画の概要でございます。資料1-2につきまして、A4の一枚紙でございますが、海洋をめぐる国際動向でございます。資料2といたしまして、文部科学省における主な海洋関連予算の資料でございます。続きまして、資料3-1、科学技術・学術審議会海洋開発分科会の構成でございます。資料3-2、北極域研究のあり方に関する審議にあたっての論点(案)でございます。資料3-3、次世代深海探査システム委員会の論点整理案でございます。資料4、海洋科学技術の戦略的推進方策について(論点案)でございます。資料5、一枚紙でございます。科学技術・学術審議会海洋開発分科会 今後の審議予定について(案)でございます。
 資料については以上でございます。不足等ございましたら事務局までお知らせください。よろしくお願いいたします。

【浦辺分科会長】  よろしゅうございますでしょうか。
 本日の議論の趣旨ということですけれども、第5期科学技術基本計画の策定、国内外の議論など海洋科学技術にかかわります最近の状況と状況変化を踏まえまして、文科省としての推進方策の全体の方向性を議論するということで、この議論をもとに今年8月をめどに方向性を取りまとめていくということが我々に課された課題でございます。
 それでは、議題に入りたいと思います。
 まず報告事項ですけれども、議題(1)海洋科学技術に関わる最近の状況と、併せて議題(2)文部科学省における主な海洋関連予算案の2件を事務局よりご報告お願いいたします。
【林海洋地球課長】  それでは、資料についてご説明いたします。
 まず、資料1、第5期科学技術基本計画の概要についてA3の紙でご説明いたします。
 まず、表の一番上のほうでございます。これは、もう既にご承知のとおりでございますけれども、基本計画につきましては、科学技術基本法に基づきまして、10年先を見通した5年間の総合的な計画ということでつくっております。
 特に第5期基本計画、これは平成28年度、来年度から32年度までの5年間の計画ですが、総合科学技術会議が総合科学技術・イノベーション会議となって初めての計画ということで、特にイノベーションという部分について強力に推進をしていくということが最初に書いてございます。
 また、第1章で基本的な考え方となっているわけでございますが、まず、現状認識のところで、第5期基本計画の中で一番大きなコンセプトとなっているのが、最初に書いてあるような、ICTの進化等により、社会・経済の構造が日々大きく変化する「大変革時代」だと、先がよく見通せないこういう時代になってきていること、そういったような認識を強く述べた上で、国内外の課題の増大、複雑化というようなことも述べ、こうした中で、科学技術イノベーションの推進が必要で、特に成果を適切に活用していく必要があると、こういったようなことを言っているわけでございます。
 (2)といたしましては、20年間の実績と課題。これは、第1期がつくられてから20年間という長期の実績がございます。20年間で見ると、最初のポツに書いているように、国際競争力の強化ということは見られるわけですけれども、2.にあるように、このしばらくの間を見ると、やはり論文の質・量の低下や産学官連携が弱い、そういったいろいろな課題もあるというようなことが(2)に書いてあるところでございます。
 そういった中で、科学技術イノベーション政策で目指すべき国の姿というものを(3)で捉えていまして、これは四つ、経済的な観点、国、国民の安全・安心、生活の観点、世界への貢献の観点、そして知の資産の創出の観点、こういった四つを目指すべき国の姿というふうに捉えた上で、じゃあ、この基本計画の大きな方針としては何かというのが(4)に書かれているわけです。
 (4)のマル1に書いてありますように、基本計画の4本柱ということで、大変革時代の先の見通せないところの中で、未来の産業創造と社会変革を起こしていくためにはどうしたらいいのか、今ある経済的・社会的課題にどう対応していくか。それらのものを支える基盤的な力をどう強化していくか。基盤的な力から生み出された知識というものをどうイノベーションにつなげていくかというところで、人材、知、資金の好循環システムの構築、こういうものが4本柱になっており、この4本柱の推進に際して、外交とも一体になり、戦略的に国際展開を図る視点というものが不可欠だと言われているわけでございます。
 第2章からは、この4本柱等に基づいて個別事項になっていくわけですが、この辺からは海洋に関係する部分を特にピックアップします。
 第2章につきましては、未来の産業創造と社会変革に向けた新たな価値創出ということで、柱的には大きく2本。自ら大きな変化を起こして、大変革時代を先導していくような、新たなイノベーションを生み出すような挑戦的な研究開発をやるというのが(1)で、(2)が、今、ICTとかネットワークとかIoT、こういうものが大きく発展している。こういうものを踏まえて、我が国としてどう競争力をつけていくかというものが世界に先駆けた「超スマート社会」の実現(Society 5.0)といった取組として書かれているところでございます。
 この辺は、残念ながら海洋に関するところは少ないのですが、超スマート社会の実現の中で、一部、地球環境情報プラットフォームであるとか新産業への対応とか、こういうところで若干関係しているといったところでございます。
 裏に行かせていただきます。
 第3章で、経済・社会的課題への対応ということで、今、顕在化している課題に先手を打って対応するということで、13の重要政策課題を三つのジャンルに分けてそれぞれ書いてございます。
 特に海洋に関係するのが、最初の持続的な成長と地域社会の自律的発展の中では、資源の安定的な確保と循環的な利用の中で海洋鉱物資源の話が書いてあるのと、食料の安定的な確保の中で、これは当然、水産の資源というものも入ってくると思います。
 また、2番目の国及び国民の安全・安心の確保と豊かで質の高い生活の実現というところでは、自然災害への対応ということで、海からの自然災害と地震や台風など。あとは国家安全保障上の諸課題への対応の中にも、海洋というものが明確に書かれているということになっています。
 あと3番目の柱である地球規模課題への対応と世界の発展への貢献ということにつきましては、これは当然、気候変動に関係ありますので、海洋というものが強く意識されているところでございます。
 また、第5期基本計画におきましては、少しこれまでと違っているところは、海洋と宇宙というものをさまざまな課題への対応に関連した国家戦略上重要なフロンティアということで位置づけ、長期的な視野に立った継続的な強化が必要だということを明確に言っているところでございます。
 第4章は、基盤的な力の強化ということで、こういった、最初に第2章や第3章で挙げたいろいろな研究開発をしていくために、まず人材力の強化であるとか知の基盤の強化、学術研究、基礎研究の振興、あとそれを支えるような資金改革の強化、こういったものが第4章で書かれています。
 次の第5章では、こういった基礎研究の成果等をイノベーションにどうつなげていくかということで、これは第5期で大きく意識されているのが、オープンイノベーションを推進する仕組みということで、国内外の人材・知識・資金を活用して新しい価値創出、そして社会実装を迅速に進めていく。特に大学、研究開発法人、産業界、それぞれの役割において強化を図りながら、それがつながっていく仕組みというものをうたっているところでございまして、まずはそういった仕組みの強化ということ。特に大学では、そういったものに向けて経営システム改革とか、研発法人では橋渡し機能の強化と、こういったものがうたわれているところでございます。また、新規事業に挑戦する中小・ベンチャー企業の創出強化、国際的な知財・標準化の戦略的活用、イノベーション創出に向けた制度の見直しと整備、あと「地方創生」やグローバルニーズを先取りしたイノベーション、こういったものが六つの柱に分けて書かれているところで、今後、海洋科学技術の政策を考えるときにも、この辺を意識してイノベーションということを考えていく必要があるだろうと思います。
 第6章が、社会との関係深化ということで、イノベーションというのは社会に変革を起こすというものですから、社会との対話と協働が必要だというようなことで書いてございます。
 第7章は、推進機能の強化ということで、ここに書いてあるようなことをどう推進していくかというようなことがまとめて書いてありまして、最初に、重要なプレーヤーである大学と国立研究開発法人の改革と機能強化、そういうものが書いてある。それで、あと科学技術外交と一体的な推進、さらにCSTIの司令塔機能強化、またこういった施策を支える政府の研究開発投資につきましては、GDP比1%というものを目指して試算をした場合約26兆円となる。こういったものが書かれているところでございます。
 これが第5期基本計画の概要でございます。
 次が、資料1-2として、海洋を巡る国際的な動向ということでございます。
 これもご承知のことかとは思いますが、一応整理をしてみますと、まず、大きなトピックスとして、昨年9月の国連持続可能な開発サミットにおいて、2030アジェンダというのが採択されました。この中で、SDGs、持続可能な開発目標というのが17取りまとめられていますが、その14番目が「持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」と海洋の管理と利用のあり方について合意がまとめられているということで、今後こういうものがフォローアップされていくということになります。
 また、こういうものとは別に、例えばその他のところに書かれていますように、「国家管轄圏海域外の海洋生物多様性」ということで、生物の多様性の確保、そういった議論も今年から本格的に始まってきます。
 また、生物多様性は海でいうとEEZとか領海なりに入るわけですけど、やはりそういったところの多様性について、海洋についてもアセスメントしていくということが2019年に向かって、先月の第4回の総会で承認されているといったようなことです。
 あるいはIPCCの気候変動パネルという中でも、「海洋」というものが議論のテーマに上がりつつあります。
 このように、いわゆる海洋をめぐってどう管理して、どう利用していくかというような形で国際的な議論が活発化しています。そういうものに対して、我が国がどういうふうにきちんと対応していくかというようなことで、2枚目に行きまして、そういった中でG7の中でもこういったことが議論をされているところでございます。
 昨年のG7の関連の会議の中で、最初に行われたGサイエンス、これは、各国の学術会議にあたるところが議論をして共同声明を出しているわけですけれども、この中で「海洋の未来:人間の活動が海洋システムに及ぼす影響」、こういったものが盛り込まれています。
 さらに、そういうことを踏まえた上で、エルマウサミット首脳宣言の中では、これは全体ではなくて環境保護の観点になりますけれども、プラスティックごみ、深海底鉱業、こういったものについて環境保護の観点から盛り込まれています。
 さらに、科学技術大臣会合の中では、こういった環境保護の観点に加えて、「海洋の未来」のための更なる国際科学・技術協力といったものが盛り込まれているということでございます。
 先ほど申し上げましたように、海の管理と利用のあり方について議論が活発化していく中、我が国も科学的な根拠に基づくこういった議論というものを主導していく必要があるだろうということで、今年は我が国でG7をやるので、これを機会にそうしたことを訴えていけないかということで、今、下に書いてありますように、G7茨城・つくば科学技術大臣会合の議題の一つとして「海洋の未来」といったものを取り上げることとなり、5月の本番に向けて、持続可能な国際協働による観測ワーキングの構築等について各国と調整をしていると、こういった状況でございます。
 これが資料1-2でございます。
 そして資料2でございますが、文部科学省における主な海洋関連予算、これは案ですね、平成28年度ということでございます。
 全体額を見ていきますと、昨年度が389億円で、来年度の予算案が384億円と、大体同じような額でございますけれども、内容的には減り張りがついてございます。
 大きな柱としましては、海洋資源調査研究の戦略的推進ということで、基礎的なところでは、成因解明と調査手法の構築を推進するとともに、大学等への競争的資金というか外部資金を通じてセンサー技術の高度化、複数センサーを組み合わせた効率的な広域探査システムの開発、こういったものを推進している。これが約8億円ということが盛り込まれているところでございます。
 その隣が、深海地球ドリリング計画推進ということで、これはIODP等の枠組みの中で、「ちきゅう」による科学掘削をするための予算、来年は室戸沖で生命圏の限界と微生物生態系の実態解明を目的とした調査をするということで、約91億円が盛り込まれております。
 下の左側で、南極地域観測事業ということで、これは「しらせ」等を用いて南極で研究観測するような予算でございますが、これが64億円ということ。その右側が北極域研究。これは、今非常に世界的にも議論が盛り上がっているところでございますけれども、昨年の秋には、我が国に初めて北極の政策というものがつくられまして、それに基づいて国際共同研究の推進とか北極海の海氷下の観測に係る技術開発、こういったものに約9億円となっております。
 少し減り張りがついて、資源とかドリリングとかはちょっと減っているわけでございますけれども、これは文部科学省全体が厳しい中でプライオリティをつけた結果ということではございますけれども、こういうことを問題意識に我々もう少し、海洋科学技術のあり方について検討して、もう少しミッションというのを明確にしていかないといけないのではないか、こういった問題意識で今回議論をさせていただく、こういったことでございます。
 以上でございます。
【浦辺分科会長】  どうも大変わかりやすいものをつくっていただきましてありがとうございます。
 ただいまの3種類の資料について何かご質問、それからご意見ございますでしょうか。
 議事録をつくる関係上、お名前を申されてからご発言願えればと思います。
【白山委員】  海洋研究開発機構の白山でございます。
 いろいろと海洋地球課にはいつもお世話になっているんですが、ちょっとだけ、先ほどのご説明でもう少し足しておいたほうがいいかなと思ったのがありまして、それが、資料1-2のIPBESとIPCCにかかわるところでございます。
 私、IPBESの学際的専門家パネルのメンバーになっているので、IPBES全体の運営をしているんですが、2019年公表の地球規模アセスでWOAを補完する形で「海洋」について盛り込まれるというのは、これは公海部分だけではなく、でも、基本的に公海部分であります。現在、2018年公表予定の地球規模でない地域ごとのアセスメントが行われていますが、こちらの中でEEZまでの海域を評価することになっています。
 もともと公海部分は六つ目の地域として扱うことになっていたんですけれども、いろいろな事情でそれがとりやめになって地球規模アセスのほうへ動いているというのが実情でありまして、結果としては全ての海洋がアセスメントを受けることにはなったんですけれども、生物多様性とかこういう議論では常に海というのは最後に入れてもらえるという感じで、なかなか取扱いがままこ扱いという感じがするので、ぜひ発信を強化していかなくちゃいけないかなと思っております。
 それからIPCCに関しては、先週、IPCCの新しい体制でのワーキンググループ2の共同議長、私、古くからの友人のハンス・ポートナーというアルフレッド・ウェゲナー研究所の方がお見えになりましてちょっとお話をしました。
 実は、IPCCの中で共同議長に、海洋に関するバックグラウンドを持っている人がなったのは初めてであります。IPCCの長い歴史で、とにかく海の専門家というのは今まで誰もいなかったんですね、共同議長では。もし今回、特別報告書で海洋が選ばれなかったから、またこの先何年も海洋が選ばれるチャンスがあるかわからないというぐらいで、彼は非常に強い使命感を持っているということはよくわかりました。日本として、すでに特別報告書の候補として、海洋をテーマとして推挙してくださっていますが、IPCCの中で、強く推挙していただいて、本当に千載一遇のチャンスだというぐらいの意気込みでぜひサポートしていただければと思います。よろしくお願いいたします。

【浦辺分科会長】  どうもありがとうございました。本当に今年も海洋に関する予算が軒並み減っている中で、やはりちゃんとしたアピールをしていくというのは非常に重要なことだと思います。
 ほかにございますでしょうか。
 もし、今の時点でなくても、後で相当長い時間、40分以上の時間をかけて総合討論、これからの方向というふうな議論をそれぞれの方から、全委員からコメントいただきたいと思っているので、そこに時間を回して、今あることについても、そのときにまた触れていただいて結構ですので、それでは、次に議題(3)に移りたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、議題(3)各委員会での審議状況を議題としたいと思いますので、事務局より説明をお願いいたします。
【林海洋地球課長】  資料3-1を簡単にご説明しますと、海洋開発分科会、この分科会の下には現在、委員会が五つ設置されていまして、特に北極研究戦略委員会と次世代深海探査システム委員会、これは新しく立ち上がって、この1月あるいは2月から議論を始めましたので、その状況について簡単にご説明をいたします。
 まず、資料3-2といたしまして、北極域研究のあり方についてです。
 資料3-2は、第1回目の委員会で出された論点整理、そしてその後ろ2枚目に、委員会の名簿というものがございます。
 名古屋大学の藤井先生を主査に委員が組まれておりまして、2月22日に第1回が開かれております。
 ここの委員会での主な論点、資料3-2の1枚目から2枚目にかけてですけれども、まず、議論の方向性としましては、北極域研究はこれまでもやってきていますけれども、成果と課題、改善すべき点、新たな視点等を議論し、今後のあり方も検討していくというようなこと。
 そして主な論点としては、ずっと挙がっていますけれども、まず北極域研究の意義・役割に関する論点ということで、2番目のポツに書いてあるように、我が国の強みである科学技術力をどのように捉え、今後どのように強化していくべきなのかといったようなこと。
 また、研究開発そのものに関する論点というものは(2)に幾つか分けて書かれております。
 まず、研究開発、観測という観点からは、グローバルな政策判断・課題解決に資するための国際共同研究の拡充や推進のあり方、こういったものをどうするのか。
 あと、3番目のポツに書いてありますように、観測の強化、最先端の観測機器の開発、こういったようなこと。
 さらにその下に書いてあるように、北極域の研究船などを含めた研究プラットフォームのあり方についての検討、こういったようなことが研究開発、観測の観点から論点として挙がっています。
 2番目のマルとして、国内研究拠点ということで、海洋機構、北海道大学、極地研といったところがメインになっているわけですけれども、そうした体制についてどう強化していくのかというようなこと。特に、これ以外のほかの大学も含めたオールジャパンとしての横断的なネットワーク、こういった構築が必要ではないか、こういった論点。
 最後は、裏にまいりますけれども、研究基盤の共同利用や研究データを共有する枠組み、研究拠点はそういったものに重要な役割を果たしていくべきではないか、こういったような話。
 3番目のマルとしましては、国際連携・国際協力ということで、やはり北極域というものは国際的なルールづくりといったものが進められているので、そこにどう参画していくかという観点から、どう科学的な知見を積極的に発信し、国際的なデータ共有の枠組みへの参画、国際協力に基づく対応、そういったものを図るべきではないか、また二国間、多国間の協力を拡大すべきではないかと、そういった観点。
 次のマルが人材育成、そして次が人文・社会科学と自然科学。特に、北極域の研究は課題解決、今まさに国際的なルールづくりが進められている中でどう発信していくかということで、自然科学のみならず人文・社会科学のそういった知見というのも融合していかなきゃいけないんじゃないかということで、そこの連携の促進。
 さらに、そうした情報をどう発信していくかということでステークホルダーへの情報発信、こういったものを第1回目の委員会で論点として挙げて議論をしてもらったところです。
 主な議論としては、日本の立ち位置をよく考えて、こういう計画を練っていくべきではないかというようなこととか、短期的なもの、中長期的なものをきちんと整理をして議論を進めていくべきではないかということ。
 あるいは、ここの論点にも挙がっていますけれども、やはり人文・社会と自然科学との連携の強化、あるいはそれをどう政策に反映していくか情報発信のあり方、こういったものについていろいろと先生から意見が出たところでございます。
 これは、第2回目は4月の初旬に行われて、これも夏までにあらかたの方向性を示していくという予定で行っているところでございます。
 次が、資料3-3でございます。
 これは、次世代深海探査システム委員会ということで第1回目を1月8日に行いました。
 メンバーとしましては、2枚目についていますように、東大の道田先生を主査に、こういったメンバーで委員会が組まれているところでございます。
 これも第1回目をやってどんな議論だったかというと、1枚目に、そのときに出した論点整理案というものがございまして、これに基づいて議論をしたわけでございます。
 論点は大きく三つに分かれていますけれども、1.が、これまでの深海探査の成果及び評価ということで、どういうインパクト、それらの成果をどう評価されているのかというようなことや、JAMSTECが持っているいろいろな探査機が最初の目的と達成状況への評価はどうなのか。諸外国と比較して、特徴や優位性はどうか、こういったような観点が1.に書かれております。
 2.につきましては、これからの深海探査というものを考えたときにどういう課題があるのかという論点でございまして、最初のポツに書いてありますように、深海探査における新たな課題。これは研究の観点からの課題になりますけれども、そういった課題と、2番目に書いてありますように、産業会や社会に求められている具体的なニーズはどんなものがあるのか。3番目にありますように、諸外国の状況、こういったようなものが2.として書かれているところでございます。
 そうした1.や2.を踏まえて、将来の深海探査システムのあり方はどういうものなのかというのが3.に論点として書かれていますけれども、これまでの成果・評価、そして課題、ニーズ、そういったものを踏まえて次世代の深海探査システムが目指すべき分野や領域はどのようなものか。また、技術の継承みたいな観点で、保有すべき技術は何か、技術の伝承とはどういう感じだと、あと人材育成の観点、こういったものからあり方はどういうふうにすべきなのかというようなこと。具体的にどういうスペックやシステムが必要になるか。特に有人、無人、どのような役割分担があるのか、そういうようなことかと思います。そして、科学技術以外の分野にどういう貢献ができるかというようなことであるとか、国際社会への貢献、そういったような論点を挙げて議論していただいたところでございます。
 こういった議論をして、フリーディスカッションだったわけですけれども、やはりメリットであるとか、どういう研究課題があるかとか、国民への貢献、多分野への波及、そういったものを踏まえて何をしていくかというのを明確にしていくべきだというような話と、世界の状況がどうであるか。あと有人であるべきなのか、無人でいいのではないかといったようなそれぞれの意見が披露されたところでございます。
 これは第2回目が、実は今日の夕方にあるわけでございますけれども、こちらの委員会も何回か議論して、夏までには方向性を示していきたい、こういうふうに思っているところでございます。
 資料3-2、3-3は以上でございます。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございました。これで議題(1)(2)(3)に関しての資料の説明をしていただきました。
 これまでのところで何かご質問その他ございますでしょうか。
 北極に関して言いますと、国連の大陸棚限界委員会に、昨年の夏にロシアの大陸棚の延長の申請が出てまいりました。それで、今年の春からその審査が始まったというところでございます。
 ロシアは2001年に最初の申請をして、データ不足ということで突き返されて、10年ぐらい調査をしてきたわけですけれども、今回のものは非常に広い北極海の海底がロシアの主権的権利の及ぶ範囲になりますよという非常に大きな申請になっています。デンマークはグリーンランドを領有している訳ですけれども、グリーンランドの申請も出て、まだこれは審査が始まっておりません。それからカナダも申請を出そうとしましたけれども、北極圏をめぐってカナダは調査が十分でなくて北極点が入っていない申請を出そうとして、それが非常に批判を浴びて、今後2年をかけて北極海の下を何とか調査できないだろうかということで、あと2年か3年かけて申請を出し直すというふうに非常に動きが激しくなっているところでございますが、今のところではロシアの一人勝ちのような形になっています。ただ、それは海底下の話で、海面の部分に関してはもちろんまだ公海のままでございますので、そういう北極海をどうするかというのも結構お尻に火がついている、そういうところかなというふうに思います。
 それで、何か今のところでコメントございますでしょうか。それから、今日の午後あるということですけれども、次世代の深海探査システムについて何かコメントございますでしょうか。よろしいですか。

【浦辺分科会長】  それでは、今日のメインイベントの議題(4)海洋科学技術の戦略的推進方策についてに移りたいと思います。これまでと非常に衣替えをした第5期科学技術基本計画、それから国際状況調査、それからこの中でのさまざまな委員会の審議状況、バックグラウンドの情報をいろいろと教えていただきましたので、では、それらをもとにして海洋科学技術の戦略的推進方策というのをどうするのかということで、これについてもまず事務局のほうから説明をいただいて、これをもとに時間をかけて議論してみたいと思います。
 では、よろしくお願いいたします。
【林海洋地球課長】  それでは、資料4についてご説明をいたします。論点案ということで、事務局で考えたものでございます。
 最初の頭書きに書いてあるのは、まず、海洋基本法のところで、海洋の意義というものがあるので、そこを引っ張っておりますけれども、我が国にとって海洋の開発・利用というのは経済社会の基盤であるというとともに、海洋環境の保全と人類存続の基盤であると、こういうふうに海洋基本法でされています。我が国において海洋が果たす役割は極めて重要であるという中で、海洋開発分科会においても、これまでいろいろな検討を重ねて、例えば、それが今の海洋基本計画に盛り込まれる、こういう活動をしてきたということでございます。
 その後ということで、先ほども申し上げたような状況変化でございますけれども、本年1月には第5期科学技術基本計画が策定され、海洋の技術開発というのは国家戦略上重要な科学技術と位置づけられた。また、これは、すみません、まだ資料がオープンになっていないのでご説明しませんけれども、総合海洋政策本部参与会議でも今いろいろ議論をされておりまして、海洋科学技術についてもPT、これは浦先生が主査でございますけれども、PTが設置されていろいろ議論をしてきたということで、そういった検討も進められてきている。さらに、国際的には海洋の保全と利用のあり方についてさまざまな議論が活発化している。こうした状況も踏まえて、改めて海洋科学技術における現状の不足要素や、経済・社会の変動に応えるための新たな課題、特に戦略的に行うべき方向性について検討を行いたいと、そういったようなことが頭書きに書いてございます。
 三つに分けて書いておりますけれども、最初の1.が留意すべき状況変化ということで、これはこれまで説明してきたことのまとめにもなるのですけれども、最初に書いてありますのは、科学技術政策そのものが科学技術イノベーション政策と変わりつつあり、成果を活用して、経済的価値、社会的価値・公共的価値の創出につなげていくことが一層重視されている。こういった中で、海洋科学技術においてもどのような価値が創出されていくのか、こういった視点がより求められているのではないか。海洋におけるイノベーションというのは一体どういうことなのか、こういったものをもう一度改めて考える必要があるのではないかといったことがマルの1番目でございます。
 2番目のマルが、特に第5期基本計画の中では、経済・社会的課題の中に「安全保障」というのが明記される。あるいは国際協調においても、国際貢献という観点だけではなくて我が国としての戦略性、あるいはWin-Winの関係を構築する、そういったことが求められているということを踏まえて、成果の活用のあり方としては、経済的な価値というものだけではなくて、そういうことも含めて、広い意味での国益と、そういったものも意識していく必要があるのではないかといったものでございます。
 3番目のマルが、国際的な議論の話ですけれども、海洋のガバナンスに関する国際的な議論が活発化する中で、我が国として、国際貢献のみならず、海洋の適切な利活用を確保すべく、積極的に参画して議論をリードしていくべきではないかといった観点。
 特に北極については、国際的な関心が高まる中、科学技術を基盤として、先見性を持って積極的に主導力を発揮していく必要があるのではないか。
 こういったような四つの状況変化を書いてございます。
 2.は、こういった状況変化を踏まえた重点的な取組というものはどういうものであるかということですけれども、ここは(1)から(7)までとりあえず既存のものを並べております。
 (1)は海洋資源。鉱物資源、生物資源両方ありますけれども、そういった資源の開発・利用、(2)が極域及び海洋の総合的な理解、(3)が防災・減災の観点、(4)がそういったものを支える調査技術の開発・運用、これには船舶であるとかAUVであるとかROVとかそういったものも含めてのもの。(5)が科学的知見の拡大、(6)が情報基盤の整備・運用、(7)が技術・成果の展開、こういったようなことで、2.の頭に書いてありますように、今の状況変化を踏まえて、こういった、今(1)から(7)まで挙げた重点推進分野の設定というのが適当なのか、他に重視すべき分野、あるいはこの分野の中で特に重点を置くべき事項というものはどういうものか、こういうような論点を2.で設定させていただいております。
 3.海洋科学技術推進の在り方ということで、一応1.の状況変化を踏まえて、2.のこういった分野を前提に、こういったものをどういうふうに進めていくべきなのかということを事務局で思いついた論点案として掲げております。
 全体の方向性としましては、最初に書いてあるのが、研究開発の目的として、科学的な意義はもちろん重要ですけれど、それだけではなくて、どのような価値の創出に資する成果を目指すかというようなことなど、最近の状況も踏まえながら経済・社会的なミッションを改めて明確にしていく必要があるのではないかというようなこと。
 極域も含めた海洋観測の分野では、科学技術を活かして国際的な議論をリードしていくなど、広い意味での国益、そういったものを見据えた戦略が重要ではないかというのが2点目。
 3点目としましては、こういったミッションを明確にした戦略的な研究開発の推進ということと、それらを支える基礎・基盤研究のバランスをどうとっていくのかというようなことと、4点目としては、人材育成や新たな価値の創出、イノベーションをつくっていくというときには、多様な分野、海洋の分野だけで閉じているということではなくて、多様な分野との交流・融合を促進し、多角的に推進していく必要があるのではないかというようなことを全体の方向性として書かせていただいています。
 その上で、先ほど挙げた各分野での概要でございますが、マル1として、海洋資源の開発・利用等というところでは、我が国に眠る資源に対する高い期待といったものに資するために、海洋鉱物資源の探査及び産業化を見据えた技術開発の加速といったものが必要ではないかというようなことであるとか、あと海洋生物資源につきましては、持続的な利用と、そこからの新たな産業、微生物の活用なども含めた新たな産業、こういったものを図るため評価、観測・資源管理技術の開発等に他分野への応用を見据えた新たな生物資源の活用の研究開発、こういったものを促進すべきではないかといったこと。
 マル2として、極域及び海洋の総合的な理解については、やはり国際的な枠組みの中で総合的な調査研究を推進するとともに、科学的な根拠に基づく国際的なルールづくりを主導していくべきではないかということで、特に北極域につきましては、先ほど説明しましたけど、戦略委員会のほうで議論を深めているところです。
 マル3が防災・減災の観点で、地震・津波に関する社会的な要望が一層増している中で、海域における科学的調査の精度向上などの研究開発をさらに推進し、防災・減災に貢献していくということが必要ではないかというふうなこと。
 マル4が最先端の調査技術の開発・運用ということで、海洋の調査研究・開発にとって、各種データを取得するための海洋観測網、船舶等のプラットフォームというのは、基盤として不可欠なものであり、計画的な整備・運用というものが必要ではないかというようなこと、特にその中でも深海探査のあり方については、また別途委員会で検討を進めているということは先ほど紹介したとおりでございます。
 マル5が科学的知見の拡大ということで、基礎研究・学術研究の振興を長期的な視野で継続していく必要があるのではないかというような観点。
 マル6が情報基盤の整備・運用。船舶、観測機器から得られる情報、あるいは国際的な観測計画や情報交換の枠組みへの参画から入手できる情報を有効に活用することが必要だということで、各種情報の統合手法や活用手法の研究開発、情報基盤の整備・運用、こういうことが必要ではないか。
 マル7が技術・成果の展開ということで、これは必ずしも海洋分野だけということではなくて、海洋の調査研究で得られた技術・知見・成果をもとにほかに展開していく。特に、最先端技術の国際的な展開というものも視野に入れて、標準化なんかも考えながら図っていくべきではないかというようなこと。あるいはそういった展開を図っていく上で、分野・組織・セクター・地方の垣根を越えた、人材・知識・資金結集の「場」の形成を主導し、「オープンイノベーション」を推進させることが必要ではないかというようなこと。さらに、地方自治体・大学と連携しながら、地方のさまざまな課題に応えていくようなローカルイノベーションの創出、あるいは中小企業を含む企業のイノベーション活動、特に海洋の分野、観測の分野はそんなに市場規模が多くないというところもございますので、いかに中小企業を活用していくかということがイノベーションにつながっていくだろうというようなこともございますので、そういった中小企業を対象とした技術シーズの橋渡し機能の強化、こういったものも必要ではないかというようなことで、一応議論の素材としての論点案をつくらせていただきました。
 資料としては以上です。
【浦辺分科会長】  どうも大変ありがとうございます。資料が非常によくまとまっていて、聞いていると、そうだなと思ってしまうのですが、これは骨格で、いろいろこれに、今日はフリーディスカッションという形でさまざまな点を、それぞれの分野の皆様から挙げていただいて、そして第2回以降で方向性をまとめていきたいということでございます。
 まだ1時間ぐらい時間がありますので、時間をかけて、資料4に基づいて、必要があれば前の資料にも戻りつつ議論をしていきたいと思います。
 それで、最初のほうから少し見ていきます。最初のところは、これまでの説明にもありましたように、海洋基本法、第5期科学技術基本計画、それから総合海洋政策本部の検討というふうなものが国際的なものとともにまとめられているわけですけれども、まずは、総合海洋政策本部の参与会議で委員をしておられる浦さんに口火を切っていただいて、どういうふうなことを話しているのかというのをご紹介いただければと思います。
【浦委員】  浦でございます。
 私は参与会議で、この海洋科学技術PTというのを今年つくって、そこで海洋に関して科学技術はどうあるべきかということの提言書をつくっているわけです。これは、実は先週に参与会議が開催されて、各PTの報告書と、それを取りまとめて提言書というものの原案をつくって、現在は議長預かりになっていて、それで最終的な修正をして、よろしいでしょうかということはメールで来て、それを海洋担当大臣の島尻大臣と一緒になって宮原参与会議座長が総理大臣に引き渡すというようなプロセスになっていて、それを3月末あるいは4月の初めぐらいに総理大臣に会うようなことになるんじゃないかなというふうに思っています。
 総合海洋政策本部の参与会議の下に重要なPTは四つありますけれども、前回からの継続の新産業を海洋産業でおこしていくというのがあるんですが、そのことに関してはちょっと置いておいて、この会合に関係する重要な議論は、科学技術の推進をいかにしていくかということだと思います。
 とにかくJAMSTECの運営費交付金が年々減っているというので大変ですねという話があるし、もちろんオールジャパンで科学技術に関するというか、運営費交付金なり国の予算はトピックスとして上げているわけですけれども、その中でいかに海洋を活かしていかなきゃいけないか。とにかく装置産業的なところもあるし、特にお金がかかる。お金がかかるのをほかの技術、例えば実際に浦辺さんが苦労されているように、内燃機関の研究と海洋調査の研究とは全然物の考え方が違うので、それを同じ土俵で議論していたって何もできませんよということですね。それを実はなかなか理解している人たちが少ない。だけども、ただここは中身、海洋技術は大切です、海洋科学研究は大切と言っても、ああ、そうですねと言われて、今までと同じことしか起こらないので、これではいけないというふうなので、ただ単に海洋科学が大切ですから、もっと一生懸命やりましょうみたいなことを言っていても仕方がない。だから、そのことは余り、もちろん大切なことは重々よくわかっている。そういうことは書かなきゃいけないんですが、国家的に取り組むのは何で取り組まなきゃいけないのかということをまずは大きく主張することが大切です。
 PTの報告書をここへ出しても僕は構わなかったかなと思っているんですけれども、概要もできているんですが、一応、大臣に出すのでそれからにしてくれというふうなことを言われたのでお出ししておりませんが、重要なポイントは、今日の資料にあった、例えば資料1の終わりのほうについている、裏側のところに、第3章、経済・社会的課題への対応というところの三つ目、地球規模課題への対応と世界の発展への貢献ということが書いてあるんですけれども、つまり、環境とか生物多様性とか気候変動とかの海洋に関するコントリビューションが大きいということは目に見えている。それは一体どういうところに出てくるかというと、グローバルな海洋に対して日本国政府が一体どういう態度でやっていくんだろうかということだと思うんです。そのときに何が基盤になるかというと、それは科学的な知見だと思うんです。いろいろな知見があって、簡単に言えば、鉱物資源だったらコバルトとかレアアースとかというのは西太平洋にあって特有なものです。そういうことに関する知識というのが、それは今一例で申し上げているんですけれども、いろいろな海洋に関する知識がグローバルなガバナンスに関係してくるので、それを日本はイニシアチブをとるとかリーダーシップをとらなきゃいけないし、知見に基づいてヨーロッパ、アメリカの人たちと伍してそれをリードしていかないといけない、そういうことは日本国政府の使命であるわけで、それを保障するのが科学的な知見、それをもたらす技術である。だから、もっと一生懸命こっちのことをやらなきゃ、日本が世界のグローバルガバナンスに乗り出していけないんじゃないかと、ただ想像でですね。こう言っちゃ失礼ですが、海洋はデータ数が陸上に比べて圧倒的に少ないから、多くのことは内挿されたり外挿されたり補完されて議論されているので、こういうふうにあるに違いないと言っていれば、それは非常に問題なんですね。
 科学的に言えば、クジラ問題でクジラが減っているのか、増えているのかといったって、それは単なるデータを提供しているだけのことで、こうこうしていてはいけないということを強く主張して、それを、だからこそというふうに書いて、どうでしょう、すばらしいでしょうと自画自賛している。これが総合海洋政策で、そこをポイントとして、もちろん今の論点整理に書かれているいろいろな課題がありますね。PTでは、国として取り組むべき重点課題として、10個挙げている。第1には、とにかく科学的な知見の充実、それがトップですけれども、それから地球温暖化・気候変動の把握・予測・適用等に関する研究開発、それから海洋エネルギー資源と鉱物資源、海洋生物多様性・海洋生態系の保全、海洋生物資源の利用に関する研究開発、5番目は災害、6番目が海上輸送、7番目が海域空間・海底下空間の利活用、8番目が基礎的・基盤的な技術、それから重要な研究プラットフォーム、船舶、潜水船も含めてプラットフォームの整理、それから短期的ではなくて長期的・継続的な観測が重要です。これは5年計画ではなくて20年計画、30年計画にしていかなきゃいけないし、船を計画するときにも、そういったことを考えてやられています。
 それから人材育成ですが、人材育成は実は前の年に、これも私がPTの主査としてやったんですけれども、そのときの切り口は、海洋産業をつくる人材をいかにつくっていくかという議論をしていて、海洋科学研究人材をつくるというのは置いてあります。なぜならば、一つは、一般論で多くのことを議論すると、大抵人材育成は総花になってしまって、ああ、そうですねと、みんな一言言うだけで何も起こらないということを考えまして、前回そうしています。今回は人材育成に対する、科学技術に対するインパクトということを、10個の項目を挙げて、国を通して取り組むべき重点課題としています。
 それがまとまっているものは皆様方に役所を通じて紹介されるとは思いますが、現在はまだ公表されていないので、PTの主査の私からの報告です。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございました。これで大分皆さんの発言、俺はこれを言うと、私はこれを言うという熱意が高まってきたのではないかとい期待をしておりますけれども、この後は自由に発言していただいてもよろしいですし、資料4の1. 2.に沿って話をしていってもいい、どちらでも結構ですけれども、今の時点で皆様ありますか。
【竹山委員】  やはり今年も幾つかの委員会に出ていて、海洋関係が非常に多いなと、これもあるし、浦先生の委員会もあるし、外務省もすごく興味を持って動いているという、そういう状況の中で、皆さんそれぞれのいろいろなモチベーションがあると思うんですけれども。
 あと、やはり5年間、第5期科学技術の政策のほうで思うのは、イノベーションというのは本当に実用化のところまで来た話で、それに対してアカデミア的には再生ベースのイノベーションをしましょうというところで日本がどれだけ貢献できるか、地に足のついたイノベーションということですね。
 今ここにあった資料4は、論点整理ということなので余り細かいことは書いていないと思うんですが、全般的に見て、これに反論する人は誰もいないので、これはいいと思うんですけど、1点気になるところというのは、一応国の政策は5年ごとに見直しをしている中で、海の中で見直しをするというよりは、その社会の状況に合わせて変えていく部分というのは、多分サイエンティフィックな技術がどんどん発展していくので、取れる知見というのは変わっていくんですよね。そこは5年ごとにもっと具体的なことが出てくると思うんですが、そうでない基本的なところは、もっと長期的にやっていかなければいけないので、少し中長期的なビジョンということで、時間の要素を入れて整理をしていただくと、その重点項目に関してもう少し頭の整理がしやすいかなという気がしているんですね。やはり5年ベースでそこまで持っていかなきゃいけないことと、多分もっと長いことずっと、例えば海洋のモニタリングみたいな状況を見ていくというのは、5年ベースではまとめていかなきゃいけないけど、10年、20年というふうにしてやっていく、研究者が変わっていっても戦略的に変わらず、多少技術のところは変わっていったとしても、必ずやっていくというのがあると思うんです。その点が少し内容的に反映されればとは思っております。
 人材に関してはずっと委員会で言わせていただいたのは、本当に分野がちょっと違うと入りにくい海洋のところにもう少し「オープンイノベーション」という言葉を言っているぐらいですので、いろいろな力を持っている方たちが興味を持って入れるような開放的な制度的なものをつくっていただいて、そこにどんどん新しい技術が入るようにしていただきたいなというふうにはずっと言っていて、ここにも入っているからいいんですけれども、それがある程度発展のために必要なんじゃないかなと思います。
【浦辺分科会長】  別に順番は構わないので、発言なさりたくなった時点でも結構ですけれども、瀧澤委員もし今の時点でご意見があれば。
【瀧澤委員】  拝見をしまして、特に反論するところはないんですけれども、ただ、海洋全体というのはすごく分野が広いんですが、例えばここに出ていますが、防災・減災と生物多様性と少し分野が違うように見えますけれども、じつはつながっているんですね。東北では、現に震災後にそういう視点で沿岸の再生がなされている場所があると思います。
 今後、南海トラフなど別の場所で大きな地震が起きたときに、東北の知見が活かされるべきですし、地震が起きるより前であっても、漁業に対して、例えば、どういう備えが必要であるかとか生物多様性を踏まえた漁業の仕方と、防災を絡み合わせたような面でもってどういった取組ができるのかというような、そういったことも重要じゃないかと思います。
 そのほかにも、海洋といったときに、個々に分かれているように見えることでも、より統合的に取り組むべきことがもっとあるんじゃないかと思うんです。人材の話ひとつとってみても、浦先生のお話の中に、新しい人材の育成として産業をおこすところを踏まえていらっしゃるというふうにありましたけれども、東北の震災も踏まえて、日本の広い沿岸に対して何か統合的な視点から、科学をベースにした人材への展開というような、そういったことも考えられるのではないかと思います。
【白山委員】  海洋機構の白山です。
 四つぐらい観点を思いついているんですけれども、一つ目の、先ほどの浦先生のご発言の、いわゆる外交に活かすみたいなところというのは、私も前からそういうふうに思っていて、ぜひそういう視点が、PTのほうから総理のほうへ出るというのは非常に熱心だと思っていますけれども、今の外交の一番フロントラインに立っている人というのは、やはり東京大学法卒の方が大半ですけれども、やはりそういうフロントラインのところをサイエンスのバックグラウンドを持っている人を入れていくというシステムにならないといけないかな。少なくとも後ろには必ずついているというようなシステムにする必要があると思うんです。
 それは、それこそ国全体としてそうあるべきかと思いますけれども、ヨーロッパの国々は明確にそうなっていて、例えばこの間のCOP21なんかの議論をリードしているのは、圧倒的にそういう人たちであるという事実もあるわけですから、日本も国としてああいうフォーラムでしっかりとした国益を守るための主張をするためには、そういう人材育成が必要なのだということを強く思っております。
 それから、北極の研究についてなんですけれども、やはり私は北極研究の一番の肝は、一番早く気候変動の影響を受けているわけですから、地球全体が今後気候変動の影響を受けたらこうなるでしょうということをのぞく窓だと思うんですね。したがって、北極圏域でやることは、地球環境の将来を予見することで、そうすると、その情報を見せることは社会全体のイノベーションにつながる。つまり、社会全体がその将来に向けて全部変わっていくわけですが、科学技術が、あるいは科学の知見が社会のイノベーションに対して貢献するというのはそういうことだと思うんです。こういう社会なんですよ、地球なんですよ。社会はこうなっていないといけないんじゃないですかね。こういう発信というか提案をするのが科学のイノベーションじゃないかと思っております。
 それから、深海探査技術について戦略性を持つべきだということについて、まさにそのとおりだと思います。今いろいろな議論がされていますけれども、ここでやはり先ほどの議論とか国益ということを考えたときに戦略性をぜひ持ってほしいと思うんですけれども、JAMSTECのしんかい6500というのは、世界で数隻としかない6,000メートルを超える水深に人を送ることができるわけですね。仮にですけれども、深海の金属鉱業の資源開発の何らかのルールの中で、有人潜水艇でこういう調査をしないとだめですよというようなルールを、非常に強い根拠に基づいてフレームワークとして入れることができたとしたら、世界で深海鉱業できる国というのは自動的に決まってしまうわけですよ。あるいは日本がしんかい6500をほかの国に貸してそれをやらせてあげる、こういう非常に強いスタンスがあるというような意味から、世界でここにしかない、日本にしかないというものを非常に強く押すべきじゃないかと思っております。
 最後ですけれども、やはりいろいろ拝見していて、先ほど、将来の窓だということを申し上げましたけど、海洋の研究開発を進めると、日本はこういう国にすることができますという何か全体のグランドデザインをぜひ見せるべき、あるいはつくるべきだというふうに思っております。国土の10倍以上の海洋のEEZを持っている国というのは非常に少なくて、ニュージーランドと日本ぐらい。ですから、日本の社会の将来というのは、例えばドイツとかEEZがほとんどないような国とは全然違うので、そうすると、あるべきというか将来の国の形というのは全然違うものが想定されるわけです。そうしたときに、こういうふうに海洋の研究が進めば日本はこういう非常にハッピーな、あるいはロバストで、しかも最近よく言うレジリアントな世界にすることができるのではないかという、そういうグランドデザインをビシッと出すということをぜひ、短い時間で議論するのは難しいと思いますけれども、何か考えていただきたいということをお願いしたいと思います。
 以上です。
【竹山委員】  すみません、質問ということでもよろしいでしょうか。
 今、フロントラインに立っている方々は東大の法学部ばかりだというのも、多分、研究者で、例えば白山さんとかはほとんど国際社会に出ていってネットワークもある状態で、なぜそういう人たちが表にどんどん出ていけないのか、フロントラインに出ていけないのか。それは国の何か仕切りがあるということがあるのか。要するに、部外者からするとなぜなんだろうと思っちゃうので、裏の話もあるのかもしれないですけど、それが一つ。
 あと、北極研究で私も資料を見ていて、今日もちょっとお話があったんですけれども、ロシアがいろいろ出していて、その資料を従来の過程で出していったので相当戦略的だと思うんですね。それでもし認められることになると、国から、領土から陸続きになっていって線を引いてしまうといったときに、日本は、結局そこに線を引くような領土はないので、今、いわゆる将来の窓ということになっても、そこで日本が戦略的に何ができるのかっていうと、すごく難しいと思うんです。入れないのではないかと、ほとんどこの周りの隣接している国々で分け合ってしまい、彼らのサイエンスも含めて分け合いながら、その中で少し共同研究みたいにして入っていけるようなところになってしまう日本はどういう戦略があるのかというのと、先ほど、しんかい6500、確かにある種の標準化に、6500で行ってこうしないとだめですよみたいな標準化にしたときには、先に走れるんですけれども、それだけベネフィットがあったら、例えば中国もつくるんじゃないかなというふうに思ったりもするんですよね。やはりその旨味があれば6500をつくると思うんですね。そのときに、日本はすごくたくさん経験を持っていますけれども、日本独自として誰もできないことというところをもっと戦略を挙げていかないといけない状況はあると思うんです。だから、逆にほかの国が6500とかそういうものを知見が足りないからつくらなかったという理由というのは多分あった。ただお金がかかるだけで特にメリットがないと考えていたということがあるのではないかということなんです。
 あと最後の海洋のグランドデザインですけれども、日本の目標の問題もそうですが、やはりロケーションが随分違うところに出張っていくというのはすごく難しいので、日本のロケーションをインセント的に考えて、日本特有というところはそこにあるというところで、何か日本特有の独自性を持ったグランドデザインというものができるのかどうかということがあります。これは質問ということで。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございます。
 まず白山さんに答えていただいて、ほかの、例えば外務省だと西村さんなんかも非常に政策的なことにかかわっておられるので、また別の方にも対応いただくとして、白山先生からちょっと。
【白山委員】  先生と言われるのはあれなんですが、最初に、何で交渉のフロントラインに研究者が立たないかということですけど、それはやはり一つは、サイエンスについてはちゃんと知っているけど、外交のディテールとかルールとかそういうところはきれいに抜けているのですよね。むしろ、サイエンスに関してはそこそこ知っているけれども、そっちの外交の丁々発止のところはものすごくよく知っているという人をつくらないといけないということだと思います。ですから、よく海外の本当にフロントラインに立って、しかもサイエンスのバックグラウンドがある人というのは、PhDまではサイエンスをやっていたけど、今はこっち(外交)という感じで、という気がいたします。
 それから、北極の件は、大陸棚の延伸というのは基本的に海底だけですので、海底よりも上の部分は相変わらずEEZの外の表層の部分についてはまだまだいろいろできると考えている、サイエンスとしてもやれるところだと思っています。
 それから、しんかい6500について、なぜ我が国のという話に関しても、中国もつい最近つくりましたし、それからインドは今つくろうとしていますし、実際、中国がそれを使ってインド洋で熱水鉱床のサーベイをやったりしているので、今までつくっていなかったのは技術がない、お金がない、多分後者は余り関係なくて、多分前者だと思うんですが、ということだと思います。ですから、むしろ今こそという感じがいたします。
 それから、最後のグランドデザイン、先ほど申し上げたとおりで、例えば日本の陸上でつくれる食料というのは当然太陽の光が日本の国土に当たるエネルギーで最大値が決まるわけですよね。もちろん海も同じで、海ですから、例えば生物生産を考えたときに、海洋に太陽の恵みとして入ってくるエネルギーの量というのは陸上の、非常にナイーブに計算すれば11倍、こういうことです。それをきちっと使ってやれば、日本の食糧安全保障は安泰というふうになるのではないかと思います。今の食料の自給率を考えたときに、太陽のエネルギー熱をどれだけ使うかというのは例えば肝だと思いますけど。
【西村委員】  ロシアの延伸大陸棚の話ですけれども、上部水域における活動は関係ないというのはその通りですが、海底部分についても、科学的な調査であれば、申請に対してロシアは基本的に同意しなければいけないので、その観点では調査は続けられるということだと思います。また、先ほどの誰が交渉するかという話に関しては、法学者も、今度こういう交渉をするので、法的にはどうでしょうかという相談は受けるわけですけど、それ以上ではありません。相談を受けたときに、自然科学のことがわからないので、具体的にどういう規制であれば問題がないか等については自然科学者にも聞いてくださいということは申し上げるのですけれど、その後に知見がどのように統合されているかはわからないです。
【竹山委員】  そうなると、人材育成って結構話が出るんですけど、いわゆるいろいろな分野でPhDを受けている人にも、私たちもイノベーションの即できるマネジャーにしようと、今ほかの業界ではすごく一生懸命人材育成しているわけですね。だから、海洋においても、ある意味、国際対応ができるようなある程度の高度な人材をつくるという視点がやはり必要で、そういうことを海洋でやっているところはまだまだなくて、どっちが先なのか、ボトムアップなのか、あとは上のヒエラルキーの人たちを、もっと多様な能力を持つような、そういった人材を作り上げていくという部分も今後、海洋というものをもっと推し進めていくためには、そういう土壌をつくっていくという、全て政治家に任せるとか一部の人たちに委ねるのではなくて、どっちにしろ、いつもコミュニケーションが途中のエラーで切れてしまうので、最後までいったためしがないので、だったら1人の人がある程度俯瞰的に見える、ある程度ネットワークの中心になれる人をつくることが今後重要になるともしかしたらと思います。これは、そういうことに関して一切今まで考えたこともないし、書かれたこともなかったので、それはあるかも知れないですね。
【鷲尾委員】  人材育成ということが出ていますので、今おっしゃった上のほうのフロントランナーのところで頑張っていただく、ある意味での交渉技術者ですね、そういうものも大切ですけれども、もう一つは、こういう科学技術を展開したときに、まさに現場に実装していく技術者、これもあわせて必要になってくると思うんです。ところが、今、大学教育ではほとんど研究者を育成するのは得意ですけれども、技術者というものの社会的地位を落としてきたところがあるのではないかと思います。やはり頭ができても体がついてこないと、実際に社会還元できませんので、そういうところに働く人たち、技術者、職人というものの社会的評価をもう一度見直して、そういうところにいろいろな人材が入り、それがまさに科学技術を社会につなげていく役割の部分というのは今後非常に必要になってくるのではないか。そういう意味で、人材育成の目標というのが、海洋産業をおこすということで総合海洋政策本部のPTのほうでも議論しておるんですけれども、どうしても新たな知見を生み出す科学者のほうに主語が行ってしまいがちで、そういう点、ちょっと物足りなく感じているところです。
 そういうところに力が入っていきますと、ワークの現場で起こっている問題というか、言語化されていない問題というのが随分見えてくると思うんです。先ほどの北極海の話でも、ちょっと脱線して申しわけないですけれども、まさに地球温暖化、気候変動の窓だということですけど、それが我が国のどこに影響するかというと、オホーツク沿岸に流氷が接岸しなくなる日が来るんではないか。そうすると、あのあたりの漁業生産というのは一気に変わってしまいます。そういうところをつないで、そういう知見を現場に先行して適応した準備ができるような、そういう人材というのが必要になってくると思うので、そういうところの育成というのをぜひ今後1項目入れていただけたらと思っております。
【木島委員】  東北大学の木島です。
 私は、ここ5年間、復興のための科学調査という科学を基盤にした復興事業を実施してきました。この中で、今まで出てきた問題が全てその事業の中に出てきているような気がします。
 ただ、この資料の中に「生態系」という言葉が余りにも少ないのかなという感じに思っています。そして、先ほどの先生のお話と最後にはつながるのですけれども、海洋生物資源の持続的な利用、新たな産業の創出という文言を1列に書くと同じような方向を向いているように思うのですが、新しい産業をイノベーションでおこそうとした場合には、完全に生態系の保全と分離して考えなくてはならない部分が出てきてしまうところがあるのです。そこで、海洋生物資源の持続的な利用のために、もう少し言葉の中で生態系の保全、あるいは生物多様性など、生態系の保全に関わる文言を明記していくことが大切だと感じました。
 また、生態系の保全に関して、鷲尾先生のおっしゃられたところとつながるのですけれども、復興事業を実施してきて一番思ったのは、今まで科学というものに対して理解をしてもらえなかった漁業者など漁業関連の人たちも、この震災によって海の環境がわからなくなってしまったので、科学がいかに自分たちと身近なものであるかというのを感じ始めているということです。
 先日、東京大学において、我々の復興プロジェクトの国際シンポジウムと国内シンポジウムの両方を実施しましたが、両方とも同じような意見になっていきました。すなわち国際評価の中でも、やはりそれを実現させるためには、漁業者などに対して現実を知ってもらう必要があるのではないかということです。また、そのためにどういう宣伝をして、どういう教育をしているのかということに話題が続きました。国内シンポジウムにおいても、もっと宣伝をしてほしい。情報がほしい、そうすればもう少し漁業が変わる。漁業が変われば、生産方法が変わる。生産方法が変われば、生態系の保全、持続的生産というものの重要性がわかるということになり、今その点を進めているところです。それが教育に関するところです。
 また、もう一つはモニタリングの話ですけれども、ずっと漫然として同じことを続けてデータをためていくだけではなくて、やはりそれはどこにつながるのかということを考えつつ、それをオープンにしていろいろな人たちが使えるデータにしていく。これも我々のプロジェクトの中で実行していこうとしています。これはやはり時間がかかりますが、震災後5年経ってデータベースを使う人も、使いたいという人も増えてきました。これがあともう5年、もう5年とつながっていくと、もっともっとオープンデータ、オープンサイエンスの方向につながるのではないかと考えているところです。
 震災復興のことばかりで申しわけないですけれども、書類の一番下の部分に、3番目に自然災害の防災・減災とあるのですが、ここになぜ「復興」という言葉が入らないのでしょうか。多分、これから東海・東南海でも必ず地震は起こると思うんですが、防災あるいは減災だけで済むのでしょうか、その後にどうしたらいいのでしょうか。この部分は日本で今までの5年間で実施してきたプロジェクトの成果として大きな知見が蓄積されていると私どもは感じております。それゆえ、日本国の強みとして「復興」という文字を入れられると非常にいいのではないでしょうか。国連防災世界会議の仙台セミナーの中でも、ビルド・バック・ベター、よりよい復興という言葉が入っております。また、これが今年のサミットで議論できるかどうかはわかりませんが、やはりビルド・バック・ベターの方向性については、現在日本しかない知見、日本にしかない科学的ノウハウではないのかということを今現実に感じているところです。
 そういう意味で、東日本大震災を起爆剤として、復興をどう展開するか、世界展開までどのように持っていくのかについて考えていったほうがよいと思っています。
 最後に、論点として生態系保全というところで、今、無意識的に生態系が壊されているバラスト水の問題というのがあると思います。今まで経験したことがない生物種が入ってくると、その場の生態系全体が壊れる。これも実は、この復興の中でも起こってきていることです。それは、日本海側から船を回してきて、そこで復興活動をやっていると、そこにくっついていた、今までいなかったフジツボが新たな港で繁殖し蔓延しているという事実を我々のプロジェクトの中で見つけました。これはどのような影響を及ぼしていくか。生態系の変化というものを科学的に捉えていかなくてはならないのではないか、また、無意識的移入を防ぐためにバラスト水無害化処理という点も考えなくてはならないのではないかと考えているところです。
 非常にばらばらとなりましたけれども、「生態系の保全」あるいは「生態系」という言葉をその中に組み込んでいただければということと、大きな意味では、減災の後に「復興」という言葉も入るといいのではないかというふうに考えております。
 以上です。
【平田委員】  東京大学地震研究所の平田です。
 今、木島先生から言われた「復興」を入れるというのは大賛成です。基本計画のほうには「自然災害の対応」となっていて、対応を開いて言うならば防災というふうに事務局はご理解したみたいですけれども、基本的には、防災ということについては、災害を予測して、それを防御して対応する。対応するということは、つまり復興ということですので、ぜひこの中にも明示したほうがよろしいかと思います。
 それで、私の申し上げる観点は皆様に比べて狭いことで大変恐縮ですが、この海洋科学技術で自然災害への対応ということが入るのは当然、基本計画の中に大きく取り上げられているということがあるわけだからだと理解しています。もちろん自然災害というのは、さまざまなハザードがありますので、地震や津波だけじゃないので、特に風水害については重要なターゲットであります。それが起きるのは海洋と気候の連動ですから、当然、復興の中に入ると思いますが、私が知っているのは地震のことなので、ちょっとだけ地震のことについて申し上げたいと思います。
 それで、この科学技術・学術審議会のもとでやっていることは、イノベーションといったときにも、経済的価値をつくるということだけではなくて、社会的・公共的価値をつくるということがイノベーションだと言われていて、その中では、当然、梶田先生じゃないですけど、知の地平線を開くということは極めて人類にとって重要なことであります。
 それで、地震について言うならば、やはり二つの要素がございまして、本質的にプレート境界の東北の地震とか南海トラフの地震のようなものがどうして起きるのかということについての知識を増やすということは基本的に重要なことで、特にイノベーションと言わなくても。特に日本の場合、地震というのは、もちろん陸地の内陸でも起きますけれども、大きな地震は海で起きますから、日本のプレート境界というのは幸か不幸か海です。アメリカのプレート境界というのはサウンドレイトアウトといって立派な陸のプレート境界はありますけど、日本でプレート境界による巨大地震といったら海で起きますから、海の観測とモニタリングと、それに基づく知識が必要であります。
 それで、東北の地震がどうして起きたかということについては、依然としてはっきりわかっていないことがいっぱいあって、本質的なところが、何で海溝に近いところで30メートルも50メートルも大きなずれがあったか。これを理解するのに決定的に重要なのは、深海掘削計画で日本海溝で掘削をしてコアを取ってきて、そこで温度の状態なんかをin situというか現物を取ってきて物質科学的に調べたというところで、これはもう明らかに地震学を前進させる非常に重要な貢献でございました。
 ですから、極めて具体的な問題じゃないんですけど、海洋の科学として自然災害の対応といったときには、やはりプレートの境界、日本でいわゆる海溝型の地震の巨大地震の知識を増やすということは非常に重要なことで、もう日本でしかできないですね、はっきり言って。ライザー掘削船がなければできないので、これもちょっとえげつない言い方かもしれないですけど、南海トラフではぜひ頑張っていただきたいというような、予算のところに書いていなかったのでちょっと不安になりましたけれども、室戸というふうな当たらずとも遠からずではありますけれども、ターゲットがちょっと変わっているので、これははっきり言って、すぐに防災には役に立ちません。防災というか災害の軽減には。だけれども、日本で地震の災害を減らすための基盤的なというか知識を前進させるには、やはり南海トラフの地震発生帯でプレート境界を掘るというのは人類にとって重要で、それは当然、日本にとっても重要。だけれども、それですぐに津波被害が減るわけではないんですね。
 もう一つ申し上げたいのは、津波の被害を減らすには、津波が来るということを的確に予報を出す、津波警報を出すということです。これは明らかにすぐに役に立ちます、人命の損害を減らす。このために、例えば気象庁は陸上へ地震計を配置して津波警報を出すというのが奥尻とか日本海中部の地震の後にやったことですけど、やはりそれだけではだめなので、今は海底にケーブル付きの津波計を設置してやっている。これはJAMSTECと防災科研がそれぞれ南海トラフと日本海溝で両方やられていたんですけれども、4月からは一体的に運営されるということを聞いておりまして、このときにJAMSTECがつくられた新しい技術というのは極めて有効に働く。これは例えば和歌山県であるとか三重県であるとかという自治体にも情報が提供されて、直接住民の方、国民、県民の住民を救うということになるので、この技術をちゃんと進めるということが重要です。だけど、これは基礎技術なので、それを運用するのは、例えば気象庁であるとか県であるとか自治体ですので、少しやはり直接ではないですが、ぜひ海洋の研究開発の中では、新しい津波予測の技術をつくるということで、そこでぜひ、ここに専門家がいますけれども、深海底は有人、無人で探査するという技術もありますけれども、今非常に困っているというか海底の津波とか地殻変動を測ろうと思って困っているのは、技術が足りないということで、無人の探査船がたくさんあって、始終日本の海底をモニターしているという機械があれば、次の南海トラフの地震のときの、少なくとも地震の予測はできないかもしれないけど、津波の予測は確実にできますから、その技術をプロモートするような、そういう雰囲気をぜひこの中にも入れていただきたい。
 もうちょっとはっきり言っておくと、南海トラフの前にはプレート境界が動き始めるかもしれないんですけれども、それは今は測ることができないわけです。それはどうしてかというと、海底ケーブルがあるんだけれども、海底ケーブルの上下変動は圧力を測ることによってできるんですけれども、もう少しその技術が進歩すれば、一つは、海底区間の距離を測る。プレートの海側と陸側で距離を測っていくと、どんなふうに縮んでいくかということが、陸上ではGPSを使ってできますけど、そういうことができる可能性がある。それから、今は海面のGPSと海底の局とを音響でつなぐという技術が大分できましたけれども、これを圧倒的に進めるというのは、地震・防災研究課では到底できなくて、ぜひ、この海洋開発研究のグループがやっていただけると。結構具体的にすごく役に立つということと、それから科学を前進させるという両方の面で地震、今申し上げたのは地震ですけれども、自然災害の対応というところはあると思いますので、それをぜひお願いしたいなというふうに思います。
 以上です。
【浦辺分科会長】  ありがとうございました。
 これまでの議論は、今日はフリーディスカッションということですけれども、今いろいろと考えていくと、最初に浦さんがおっしゃったように、いろいろなグローバルな課題に対してどうやっていくかということについて、ただ重要、重要と言っただけではなかなか、この厳しい世の中で認めてもらえません。ただ大切だと言ってもしようがないので、大きく言えば海洋ガバナンスを、それぞれの問題に向かってそれぞれの専門をどうつなげていくのかという組み合わせの問題というのは非常に重要だと思います。
 竹山さんや平田さんがおっしゃったように、長期的にいろいろなものを考えていかなくちゃいけないんだけれども、もう明日実現するものをみたいな話が非常にあって、短期的な視点である。例えば、1.に書いてある国益であるとか安全保障であるとか、今すぐ明日から役に立つようなものとどう結びつけて、その長期的なものを説明して説得力を持たせるのかというのは非常に難しい、常に我々が悩んでいるところだと思うんです。先ほど浦さんも内燃機関の効率上昇のプロジェクトをおっしゃいましたけど、明日でもできる技術革新がイノベーションだと思われると、竹山さんおっしゃるように大変に困るので、長期的なものと短期的なものをつないでいく必要がある。そして、それが外交にうまくつながっていけばということなんですが、外交官の方は2年ごとにかわるので、我々の専門のもとでも次々人がかわっていって、なかなかそれは伝わらないし、国連代表部にしても、国連総会の第何委員会で話されていること、議論されていることは、委員会別にそれぞれ別の方が対応して、横の連携はほとんどとれていないというか。そして、その後で助言している日本の方も全く別の方がくっついていて、ちょっと絶望するところがあります。なので、つながりがなかなかうまくできていない。そして、そのつながりをやるためには、恐らく、竹山さんがおっしゃったように、グランドデザインみたいなものが必要で、その中にも防災も入り、それから外交とか、それから産業と、木島先生がおっしゃったような、要するに、事業だけじゃなくて日本独自の復興というふうなものを通じて、科学とそういうもの、いろいろなものがつながっていくことによって日本のグランドデザインみたいなものができるのかなと思います。
 長澤さんは、産業の分野の方ですけれども、産業会に向かっても世界のいろいろな規制とかいろいろなことがわっと押し寄せてきていると思うんですけれども、そういうふうなものもうまく政策の中に取り込まれないと、企業が一人で苦しんでいくと思うんですけれども、そこら辺のところをどう位置づけていけばいいのか。ガバナンスの中にもそういういろいろな企業、新しい産業と昔ながらの産業ってあると思いますが、そこら辺のところをどう位置づけていくのかご意見を伺えればと思います。
【長澤分科会長代理】  ありがとうございます。
 皆さんのお話を聞かせていただいて、非常に難しい問題をいろいろ内包しますので、なかなか簡単な挑戦というのは書きにくいものだと思うんですけど、今、民間企業の状況を皆さんにお話しさせていただきますと、日本のいわゆる海洋事業というか海洋産業というのは極めて遅れておりまして、特に韓国に随分大きな仕事を取られて、これはいかんということで、経産省の後押しもあったんでしょうけれども、日本の重工業、IHIさん、三菱重工、川崎重工、それから日本の造船業の主たる今治造船等々が、いわゆる海洋事業と言われている大きなマーケットであるブラジルに出ていって、ブラジルの造船会社と組んで、そこで知見をいろいろ入れる。もちろんその仕事も入れる。
 先ほど、現場の技術者の部分が随分問題あると、そのとおりでありまして、ほとんど今、日本でやろうとしても、例えば、JAMSTECさんが使っている「ちきゅう」を今つくれと言っても、多分そんな簡単に日本ではできないというのが現状でありまして、韓国に頼んだらすぐできるけれども、日本ではできないというのが実際の現状であります。
 そういうこともあってブラジルへ出ていったわけですが、これはもう新聞報道で大々的に報道されていますけれども、ブラジルの経済の破綻、特にペトロブラスと言われる国営石油会社で汚職事件があり、かつブラジルの財政が大破綻したというのもあって、各社さん全て撤退を決められました。これはもう言ってみれば、民間企業の一つの限界を示す点でありまして、この人たちは、多分向こう10年出てこられないと思います。民間企業の一つの意思決定の段階で、失敗したものをもう一遍すぐに再トライするというのはなかなか難しい論理でありますから、そういった意味では、ほとんど難しいだろうと。さらに、言ってみれば、そういったいわゆるハードを中心とした知見というのはさらに復活する手だては失ってしまったというのが現状ではないかなというふうに思います。
 例えば、私どもの会社も今、ノルウェーの会社と組んで人を派遣して、いろいろな海洋産業における知見を今得ておるところである。たまたま成績はまだいいので、撤退ということにはならないんですけれども、一旦悪くなれば、当然、うちの社長は撤退せよということを言いかねない。例えば、今の日本のEEZの中ですごい大油田あるいは大ガス田が発見されたとしても、日本の産業界がそれをマネーにする力は非常に限られている、限界があると言わざるを得ないというふうに思っていまして、そういった意味では、いま一度、ここに書いてある重点推進分野の海洋資源の開発・利用等の中で、私個人はずっと前から思っておったわけですが、予算規模からしても、JAMSTECさんのみならずJOGMECさんとの関連というのは非常に大きいのではないかなと。やはり科学的探査、そういったものの先には、先ほどから皆さんが述べられておりますように、自然災害の予知などいろいろな用途があると思うんですよね。その中にも資源開発というものがあって、ですから、どうしても科学的探査と資源開発と、いわゆる文科省さんが目指しておられるものと、経産省さんが目指しておられるもの、あるいは国土交通省が考えておるものというあたりは共通項があって、それを多分具現化されるのが海洋本部にあるんだろうなと思ったんですが、なかなかその辺がうまく機能してなくて、今回もJAMSTECさんの予算が削られて大変ご苦労されるみたいですけれども、そういった中で、やはり今受けている民間企業の現実というのをまさしく突きつけられている中で、やはりそういった政府がそこの部分をきちっと、ある意味でそこで強力櫂にもなれるチャンスもあると思いますので、強くお願いしたいなというふうに思いますし、そのほか、北極海の問題とか、これはちょっと触れさせていただきますと、中国なんかは全く陸も何もつながっていないので、全く権益はないんですが、ただ、彼らはすごく戦略的に、ヤマルという天然ガスの基地に大投資をして、ロシアに物が言えるような状況をどんどんつくっていって、日本はそこがなかなかできていない、中国と比べて。だからそこは全然次元が違うのでできないと思いますし、あるいはバラスト水の問題等々、これは今まさしく世界レベルで批准をされようとされています。そのバラスト水をどうやって、いろいろな機械がありますので、きれいな形に持っていくかというのもいろいろなものがあって、アメリカとカナダはちょっと違うし、いろいろな考えはあるんですけれども、大きな流れで見れば、やはり海洋の保全というものについては、言ってみれば、海の業界でも相当議論は進んでいるということであります。
 いろいろばらばら言いましたけれども、私が特に申し上げたかったのは、特に産業界において大きな遅れをとっていますので、何とかそこの部分においては、我々民間企業としても精一杯努力は続けていくわけでしょうけど、やはり政府主導の部分というのは非常に大きな問題点があるのではないかなというふうに思います。
 以上です。
【田村委員】  海技研の田村です。多分、エンジニアリングというかプロダクトのほうの人間が少ないので、ちょっとお話をします。
 長澤委員が言われていましたが、「ちきゅう」はまだつくれると思います。あのぐらいのものだったら、造船屋としてそう思います。「ちきゅう」をつくったときの経験はまだ残っているような感じがしますから。ただ、しんかい6500をすぐつくれと言われたら、多分できない、そのくらいの感じになっているかなという具合です。
 実はこれ、海洋開発分科会という名前ですけど、海洋開発といったときは、本来は外国では石油・ガスの開発を指して、ここで討議しているのはほとんどその他のことです。だから、その意味では、世界的に見れば違うことをやっている。
 なぜかといえば、石油やガスで金を稼ぐからなんですね。ものすごい金を稼いで、それがほかのものに投資されていくのでほかの国は回っているのですけれども、我が国は、昔から政府の予算がそのまま海洋開発の予算となっている。つまり産業の呼び水になっていないから、全然産業としてできてこない。そういう意味では、文科省さんが、ここで新しい産業の創出と書かれているのは、もちろん今、浦辺先生といろいろやっていることでも、産業、産業と言われて非常に苦しい目に遭っていますけれども、そういう文科省的産業創出ですよね。だから、なかなか産業創出と言ってもそんなに簡単ではなくて、長澤委員の前で言うのも恥ずかしいんですけど。本当にリスクがなくて儲かるものがあれば、どんな企業だって手を出す産業はできるんですけど、要するに、どっちかがあるからできない。儲からないかリスクが大きいからで、儲からないものを産業にしろというのはまず無理なので、多分リスクを下げることを国が考えるというところしかない。だから、儲かる目標をある程度こういうところで示して、その中でリスクを下げてというか、ある程度補助を出してその分を乗り越えられるようにして産業をお願いできますかという形にしない限りは多分できていかなくて、そういった意味で、ブラジルのお話は本当にそういうことで、今多分、重工業の業界でさっと飛びつけるところは、今大体社長がみんな代わってしまったぐらいになっていまして、どこもブラジルの責任を取って辞めているような状況ですから、すぐ次に、今の社長の代では多分手を出せないというのが明らかなんですね。その意味では、そこの時点で少し先を考えた投資になるようなものを国が示していくとか、そういったことが必要なのではないか。
 金の話ばかりしていて、私は別に基礎研究とか学術研究をばかにしているわけじゃなくて、それが非常に重要だと思ってはいますけれども、何かその部分をやるにはだんだん、私も国の研究所ですので、毎年減ってきているんですね、お金が。これはやはり国が貧乏になってきていることだろうとは思いますが。その部分、何か新しいもので金を稼いでいかないと、学術研究もできなくなってしまうんだということがすごくよくわかるんですね。そういった意味では、そういった種をここでいろいろと出して、政府にはそういったもののリスクを下げるような法案というか方策をいろいろやっていただくという、そういったものをこの分科会で出していくというのがなかなか、10年後ぐらいにやっと何とかなると思いますけど、そんな話ではないかなというふうに思います。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございました。
 だんだん終わりの時間も近づきつつありますけれども、まだ窪川さんはお話しになっていませんので、どうぞ。
【窪川委員】  余り時間もないので簡単にします。
 私は学術会議で海洋生物学分科会に入っているのですけが、担当の関係で、G7での海に関しての話をこちらのほうから持ち上げたことがあります。そのときにすごく感じたのは、もちろん皆さんご歴々の方がいらっしゃるので、海の専門家の方が非常に多くいらっしゃるのですが、そういう問題をぽんと池に石を投げて波紋がぱっと広がるようになるシステムがないなということを非常に感じたところでした。
 いろいろ大変なことはありましたが、G7の首脳会議のドイツですでに海の未来が出てしまいましたので、なかなかそれで難しいとお考えのところもあったらしいのですが、逆に、何も知らない私は余り考えずに前へ前へと思いました。先ほど事務局からお話がありましたように、科学技術大臣会議のほうで日本の提案として海を取り入れていただける可能性があるということなので、期待しております。その中で日本の海の科学技術をアピールしていただいて、将来につなげるようなことになったらよいと思います。
 そのときに感じました、この会議でもいろいろな議論が出ていまして、海の理解といってもなかなか大変かと思います。
 先ほどプロパガンダの話が出ていたんですが、海洋を研究した方が、そのキャリアの後に国際的な舞台でとなると、研究が相当専門化しているので、それはまた大変になると思います。逆にそういう国際的な合意形成能力を備えた方が、海の勉強をするのも大変です。海を総合的にどうやって学んだらいいかという基盤が日本にはないように思うからです。そこのところが専門家でもなかなか広く海を理解できないところに問題があるのではないかと思っています。
 それをどうしたらいいかというのは、これから考えていくことであって、根本的な海をもっと議論する場というのがあったらいいかと思います。
 それから、私ちょっと左の肩を骨折して入院しているときに、テレビを見ているとすごいんですね、AIとかディープラーニングとか。人間の出る幕はないんじゃないかというぐらいに思ったんですけれども、やはりそれは行き過ぎで、本来、サイエンスも産業も人間がやっていることで、さらに海には未知の部分がたくさんありますので、AIに任せるとかそういう段階では全然ありませんので、そういったところもきちんと把握して議論ができたらいいのではないかと思います。
 あと一つ、自分の専門分野で生命科学ですけれども、生き物だけを対象にしている場合があって、それ以上に海が見えていないところがあります。海の生き物の物質的なところだけではなくて、生理学的なところ、あるいは生態学的なところにも大きな知識と、それから人間社会の応用の可能性を含んでいます。その一端しかまだ見えていなくて、そういったところも積極的に研究者あるいは産業界のほうから何かインタラクションをとれるような、斬新な企画というのを、もっと言っていかなくちゃいけないのかなと感じました。
 以上です。

【浦辺分科会長】  どうもありがとうございました。
 まだお話し足りない方もおられるかと思いますけれども、時間になりましたので、5番目の議題、今後の主な審議予定について、事務局より説明をお願いします。
【三宅海洋地球課課長補佐】  では、事務局より説明いたします。
 資料5をごらんいただければと思います。
 今年の開発分科会の今後の審議予定でございますけれども、本日3月22日といたしまして、海洋科学技術にかかわる最近の状況とそれについての検討をいただきました。今後、8月までに向けて3回ほど開催を予定しておりまして、5月、6月には引き続きこの推進についての検討、5月には28年度海洋開発分科会における評価の実施についてという観点でのご検討をお願いしたいと考えております。また7月下旬から8月にかけての開催を予定しています4回目の会議におきましては、平成29年度の概算要求施策に関する事前評価及び各委員会というと次世代深海探査システム委員会等、そして委員会で取りまとめた報告事項に関する審議及び、ただいま議論いただきました今後の戦略的な推進についての検討の取りまとめを行いたいと考えております。
 以上でございます。
【浦辺分科会長】  ありがとうございました。
 次回5月頃には、今日いろいろと皆様から出していただいたご意見をもとに少し方向性をつけて、海洋予算の増額に資するような、非常にパンチのきいた報告をつくっていく必要があるというふうに思います。
 ただいまの説明に対しまして何かご質問等ございますか。
 次のときには、参与会議の資料等も出せると思いますので、もう少し突っ込んだ議論ができると思います。
 それで、以上で大体予定しました全ての議題は終わりましたけれども、その他、何か事務局のほうから連絡等あればお願いします。
【三宅海洋地球課課長補佐】  本日はありがとうございました。
 次回の開催は、先ほどの資料5にございますとおり5月頃を予定しておりますが、年度も変わりますので改めて日程調整させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【浦辺分科会長】  課長のほうから何かございますか。
【林海洋地球課長】  趣旨は、浦辺分科会長のほうからも言っていただきましたけれども、やはり海洋科学技術というものを今後どういうふうに社会に役に立てていくかというのを少し見直していく時期でもあるのかなと思いますので、またいろいろと議論を賜りたいのと、今日は発言が足りなかったという方はぜひ事務局までお考えをいただければ、次回の資料に反映させていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 以上です。
【浦辺分科会長】  それでは、以上で本日の海洋開発分科会を終了したいと思います。
 どうも皆さん、活発なご議論ありがとうございました。



お問合せ先

研究開発局海洋地球課

-- 登録:平成30年02月 --