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海洋開発分科会(第40回) 議事要旨

1.日時

平成25年5月27日(月曜日) 10時~12時

2.場所

文部科学省3階 3F2特別会議室

3.議題

  1. 分科会長の選任及び分科会長代理の指名について
  2. 委員会の設置について
  3. 海洋基本計画について
  4. 海洋分野における国家基幹技術について
  5. 海洋開発に関する動向について
  6. 今後の主な審議事項予定

4.出席者

委員

小池、平田、山脇、浦、大谷、白山、瀧澤、竹山、寺島、中田、新野、西村、花輪、増田、鷲尾 各委員

文部科学省

井上海洋地球課長、木村海洋地球課企画官、水野海洋地球課長補佐

オブザーバー

総合海洋政策本部事務局
 竹縄参事官

5.議事要旨

【事務局】
第40回科学技術・学術審議会海洋開発分科会を開会いたします。本日は御多忙の中御出席いただきまして誠にありがとうございます。今回は第7期として初めての海洋開発分科会です。最初に分科会長を互選にてお決めいただくことになっておりますが,それまでの間は事務局にて議事を進めさせていただきます。

(1)分科会長の選任及び分科会長代理の指名について
はじめに分科会長の選任及び分科会長代理の指名が海洋開発分科会運営規則第3条に従い非公開で行われ,分科会長に小池勲夫委員が選出されるとともに,分科会長代理に山脇康委員が指名された。

【小池分科会長】
これより会議を公開したいと思いますので,傍聴者の入場を許可したいと思います。

(傍聴者入場)

それでは第7期の科学技術・学術審議会海洋開発分科会の最初の分科会といたしまして,私から挨拶を申し上げます。琉球(りゅうきゅう)大学の小池でございます。私は前期もこの分科会の会長を務めさせていただきましたが,昨年は,第2期を迎える海洋基本計画に向けてかなり熱のこもった議論をいたしました。科学,あるいは技術の分野から海を知る,利用する,保全するという目標に対してどういう貢献ができるかについて検討を行いまして,昨年8月に中間とりまとめ,そして今年の1月に「海洋の長期的な利用に向けての海洋フロンティアの戦略」という,かなり挑戦的な題で報告書をまとめました。今日の議題にもある通り,今年の4月に海洋基本計画の第2期が策定されましたが,その総論,2ページ目のところに「未踏のフロンティアへの挑戦」という,こちらも挑戦的なタイトルとともに,重要な今後の方向として海洋の研究,あるいは開発が非常に重要であるということが書かれておりまして,私たちこの分科会で議論した様々な内容のかなりの部分が含まれています。折衝に当たっていただきました事務局,その他関係者の方に深く感謝したいと思います。ただやはり作っただけではなく,この先これをきちんと実行していかなくてはいけませんので,第7期の分科会ではこれをいかに具体化,実行していくかということに関して,皆様の委員の方々の熱心な議論をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして,山脇分科会長代理から一言お願いいたします。

【山脇分科会長代理】
皆さま,おはようございます。小池分科会長とは引き続き3期目も御一緒させていただきます。分科会長は,昨年度の海洋基本計画に向けた取りまとめにおいて大変なリーダーシップを発揮されました。今後はまとめられた内容を実現していくという大変な作業が待っているわけで,私も分科会長を補佐して皆様方と一緒にやっていきたいと思います。特に私の方の立場からは商業化,産業化への道筋を常に念頭に置いて海洋における課題に取り組む必要があるということで,そういう面からも分科会長を補佐して,しっかりやっていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【小池分科会長】
ありがとうございました。続きまして文部科学省の方から井上海洋地球課長から一言御挨拶をお願いします。

【事務局】
文部科学省の井上でございます。おはようございます。事務局を代表して一言御挨拶をさせていただきます。この海洋開発分科会というのは,文部科学省が事務局をやっておりますが,海洋の科学技術面,技術開発においてはオールジャパンのことを扱うということになっておりまして,そういう意味でこの委員会にはいろいろな関係の,文部科学省の所掌にとどまらない方々に御参画をいただき,議論をしていただいております。私も,海の担当をしていて感じますのは,海の関係で開発なりに取り組むとなると,本当にいろいろな分野,法的な面,環境の面,漁業管理等との関係がございますので,そういったことと整合性を持ちながら,国として大きな技術開発の方向性を出していただくということで,非常に重要な分科会と思っております。事務局としてもきちんとお支えして参りたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。また,委員の皆様の中には前期から引き続き御参画いただいている方もいらっしゃいますが,特に前期は3.11があった後の対応というのが非常に大きい出来事でした。そういう中で,いかにこの国として海洋開発を進めていくのか,また復興に資するのかということで,例えばこの委員会の議論を基に東北マリンサイエンス拠点形成事業というものが立ちあがりました。また,先ほどお話もありました通り,新しい海洋基本計画というものが今年の4月に閣議決定されましたが,この海洋開発分科会は科学技術・技術開発面においてはオールジャパンのことを扱うという意味で,ここでの議論がそのまま海洋開発,海洋基本計画へのインプットにもなるといったよう役割も担っており,非常に重要な議論を取りまとめていただいたところであります。そのような意味で,これからの2年間,海洋分野ですと,例えば海洋資源に対する国民の期待の高まりですとか,また海洋基本計画をいかに実現していくかということで,非常に重要な2年間となると思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。

(2)委員会の設置について
【小池分科会長】
それでは,議題の2に移りたいと思います。議題の2は「委員会の設置について」,まずは事務局に説明をお願いします。

【事務局】
海洋開発分科会のこれまでの実績とそれから委員会の設置について御説明いたします。資料2-1,2-2を御覧ください。まず資料2-1ですが,海洋開発分科会における前期の実績を御報告します。前期海洋開発分科会は,期間中に11回開催いたしまた。平成23年9月には,「海洋資源探査技術実証計画」にて海底資源に関する研究開発の具体的内容,スケジュールをとりまとめ,中長期的な技術実証計画として報告いたしました。あわせて,「海洋生物資源に関する研究の在り方について」にて,海洋生物研究に関する中長期的な方向性を報告されました。それから,海洋基本計画の見直しを見据えて,科学技術が貢献すべき事項について議論をしていただき,平成25年1月に,とりまとめを行っていただきました。
続きまして,海洋開発分科会の下に設置しました各委員会の実績でございます。まず海洋鉱物委員会,こちら前期では6回開催いたしまして,「海洋資源探査技術実証計画」をとりまとめていただきました。それから,海洋生物委員会でございますけれども,期間中に5回開催いたしまして,「海洋生物資源に関する研究の在り方について」をとりまとめました。なお,深海掘削委員会も設置しておりましたが,こちらについては開催の実績はございません。
続いて資料2-2を御覧ください。海洋開発分科会の委員会の設置についてという案でございます。今期につきましても海洋開発分科会の下に三つの委員会を設置したいと考えております。一つは海洋鉱物委員会,海洋鉱物資源の探査技術に関する研究開発の在り方について調査を行う。海洋生物委員会,海洋生物に関する基礎的な研究開発の在り方について調査を行う。三つ目が深海掘削委員会,深海地球ドリリング計画の推進方針,評価について調査を行う。とこの三つを設置させていただきたいと思います。深海掘削委員会については,先ほど申し上げました通り前期において開催は行わなかったのですが,今期については深海地球ドリリング計画の中間評価を行いたいと考えているところでございます。
以上でございます。

【小池分科会長】
三つの委員会,いずれも継続の委員会ですが,この設置に関して御質問がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
もし御質問がなければ,資料2-2の案を了承して,本分科会においてこれらの委員会を設置することにいたしたいと思います。よろしいでしょうか。
(異議なし)
はい,ありがとうございました。そのように決定したいと思います。各委員会に所属する委員及び主査に関しては,海洋開発分科会運営規則によりまして,分科会長が指名することになっておりますので,後日これを決定してお知らせしたいと思います。

(3)海洋基本計画について
【小池分科会長】
それでは,次の議題3に移らせていただきます。次は,「海洋基本計画について」ということで,先ほどから話が出ていますように,今年の4月新たに策定されました,海洋基本計画に関して,内閣官房の総合海洋政策本部事務局の竹縄参事官より御説明をいただきます。よろしくお願いいたします。

【事務局】
はい。資料3-1,資料3-2がお手元に配布されているかと思いますが,説明は,資料3-2を用いて進めさせていただきたいと思います。今御紹介がありましたように,今年の4月26日に新たな海洋基本計画というものが閣議決定されております。もともと,海洋基本法というものが平成19年に成立いたしまして,それに基づいて,平成20年に第1期の海洋基本計画が策定されております。そこでは大体5年毎(ごと)に見直しということが規定されておりますので,昨年からその見直しの作業を進めておりまして,今年の4月に閣議決定に至ったということでございます。またこの策定に当たっては,総合海洋政策本部の中に設置されております参与会議の意見を聞きながら,事務局の方で案を起草しまして,各省庁調整,パブリックコメント等の手続を経たものでございます。それでは次に中身の説明に入りたいと思います。1枚目の紙の左側真ん中あたりになりますけれども,まず全体としては総論,それから1部,2部,3部という構成になっております。総論につきましては,まず海洋立国日本として目指すべき姿を設定するということで,大きく4つを定めております。一つは,国際協調と国際社会への貢献,それから海洋の開発・利用による富と繁栄,三つ目が,海洋に守られた国から,海に守られた国から海を守る国へという点,それから四つ目が先ほども御紹介ありましたように,未踏のフロンティアへの挑戦ということであります。次に第1部でございます。第1部では,海洋基本法で掲げる理念に沿って海洋に関する施策について基本的な方針を定めるとともに,第2部では同じく海洋基本法に規定されている12の施策に沿って具体的な施策を記載しているというところでございます。この概要資料では1部,2部まとめて7つの項目で整理しておりますので,これに基づいて説明させていただきます。まず左側の下のところになりますけれども,一番上の項目「海洋の開発及び利用と海洋環境の保全との調和」という点がございます。これは一番大きな点としては海洋資源の開発及び利用という点が議論となったわけでございますけれども,具体的な工程表といいますか,スケジュールを定めるということで,特にメタンハイドレートにつきましては,平成30年代後半に民間の主導する商業化プロジェクトを開始するということに向けて技術開発を実施すると。日本海側についても今後3年間集中的な調査を実施するということが規定されております。それから海底熱水鉱床につきましても,平成30年代後半以降の商業化プロジェクトに向けて技術開発を推進することが規定されております。また,レアアースにつきましても,平成25年度以降3年間で集中的にやはり調査,資源量・賦存状況の調査ということを規定しているところでございます。また,第1期の基本計画では大きな記載はなかったのですが,今回エネルギー政策の見直しの見直しということがありましたので,特に洋上風力発電につきまして具体的な施策を挙げさせていただきます。特に具体的には海域利用ルールの明確化,それから漁業協調型利用メニューの作成,それから福島や長崎での実証研究ということでございます。それから二つ目の海洋の安全の確保という,これは最近の東シナ海の情勢がありますけれども,周辺海域における広域な常時監視体制,また遠方・重大事案への対応体制の強化ということを規定させていただきますとともに,自衛隊と海上保安庁との連携強化,それから日本船籍への民間武装警備員乗船に向けた取組,これは法案が国会に提出されておりまして審議中です。それから三つ目,科学的知見の充実でございます。海洋の科学技術に関する研究開発の推進,それから海洋調査の推進ということでございますが,この点につきましては後ほど少しだけ詳しく説明したいと思います。それから四つ目の海洋産業の健全な発展ということでございますが,これも先ほどありましたように新たに海洋産業を創出していかなくてはいけないということで,特に浮体式LNG生産貯蔵積出施設など国際競争力のある資源開発関連産業の戦略的育成ということを謳(うた)わせていただいております。また,海上輸送の確保ということで,税制等による安定的な海上輸送体制の確保,船員高齢化対策の事業者支援などについて規定させていただいております。それから五つ目の海洋の総合的管理でございますが,これにつきましては遠隔離島,特に南鳥島,沖ノ鳥島でございますけれどもここに活動拠点を整備すること,それからEEZ等の管理のための方針の策定,それから包括的な法体系の整備ということを記載しております。その他に沿岸域の総合的管理ということで,海面利用調整ルールづくりなども規定しているところです。その他離島の保全ということで,離島の保全及び振興,それからいわゆる国境離島と言われるものの管理と措置について検討するということを定めております。六つ目の海洋に関する国際的協調ですが,これは特に海洋に関する国際協力ですとか,海賊対策等における海洋における国際的連携ということを規定しているものでございます。最後に,海洋教育の充実及び海洋に関する理解の増進ということで,特に地域の産官学のネットワークによる地域に特性を活(い)かした人材育成,それから専門的人材,幅広い知識を有する人材の育成などについて規定しております。第3部では,これら施策を推進するために必要な事項として,総合海洋施策本部の見直し,それから関係者の責務及び相互の連携,最後,施策に関する情報の積極的な公表というものを定めております。特に海洋政策本部の見直しにおいては,各施策の工程表の作成と計画的な実施,総合的な戦略の策定と実施,必要となる法制度の整備,実施状況の評価に基づく効果的な事業の推進が重要であるとして,参与会議の検討体制の充実,事務局機能の充実について述べているところでございます。
科学技術に関しましてもう少し詳しく本文に沿って説明したいと思います。資料3-1になります。第1部は基本的な方針を定めているところでございますけれども,特に6ページ,7ページになりますけれども,本計画で重点的に推進すべき取組ということを挙げております。この中で,7ページの(4)にありますように,特に技術力の強化,それから海洋教育の推進というものが重点的に推進していくということで挙げさせていただいております。第2部になりますけれども,特に31ページを御覧ください。この31ページが科学技術に関する議事,施策をまとめて記載しているところでございます。1番,国として取り組むべき重要課題に対する研究開発の推進ということで,アからオまでの5項目となっておりますけれども,これは本分科会から御提案いただきました意見を基に,こちらの方で整理させていただいたものでございます。それから2番の基礎研究及び中長期的視点に立った研究開発とございますのは,33ページになりますけれども,これは主に大学で行っている基礎研究の推進,あるいは海洋,地球等の統合的な理解,解明などによる観測,調査研究等の推進,三つ目に沖縄を海洋分野の教育研究拠点のハブの一つとするネットワークの構築を定めることとなります。(3)の海洋科学技術に関する共通基盤充実及び強化というところでございますが,これは同じく本分科会から頂きました意見を基にこちらの方で整理しております。特に海洋科学においては技術力の強化というものが必要だという意見が強くありましたので,アのところに世界をリードする基盤技術の開発ということを定めまして,特にその四つ目の丸いところ,34ページになりますけれども,産業への応用展開や国際展開も見据えて,国家存立基盤に関わる技術など,基盤的技術の開発に継続して取り組む体制の整備を図るということを定めてございます。(4)になりますが,宇宙を活用した施策の推進ということで,これまでの海洋分野では宇宙を活用した取組がいくつか行われておりますけれども,そういった取組を引き続き推進するということ,共に,今後,その海洋の開発への適用,それから海洋の安全確保,総合的管理といった,新しい利用の可能性,それから方策について今後研究をするということを定めてございます。概要は以上の通りでございますが,第2部におきましては,他にも,海洋,海洋技術に関する記載があります。これについてはここでの説明は省かせていただきますけれども,後ほど御覧になっていただければと思います。以上でございます。

【小池分科会長】
ありがとうございました。それでは今の御説明に対して何か質問がありましたら,いかがでしょうか。私の方から,33ページの「基礎研究及び中長期的視点に立った研究開発の推進」のところで,沖縄において研究教育拠点の一つのハブとするようなネットワークを形成するとありますが,これは具体的にはどういうふうに進展するのでしょうか。

【事務局】
基本計画に記載するに当たっては,各省といろいろ調整しながらやっていく中で,各省が取り組みたいという強い意志を持っているものを記載しております。ここの部分につきましては,特に沖縄振興局の方から記述を入れてほしいという要望がありまして,具体的な取組についてはそちらの方で検討しております。

(4)海洋分野における国家基幹技術について
【小池分科会長】
それでは議題4の「海洋分野における国家基幹技術について」事務局からお願いします。

【事務局】
海洋分野における基幹技術について,資料4-1と4-2とございますけれども,資料4-2に基づいて説明いたします。先ほど竹縄参事官からも御説明ありました通り,先月4月に新たな海洋基本計画が策定されました。そしてそれを実現するために必要な重要技術の開発を検討するために,文部科学省,経済産業省及び国土交通省の3省が共同事務局となりまして,海洋分野における国家基幹技術検討委員会を設置いたしました。今年の4月に立ち上げ,5回にわたり会議を開催し,先日,とりまとめを行いました。検討事項につきましては,今後10~20年程度を見据えて,我が国として取り組むべき重要技術,いわゆる国家基幹技術の選定をお願いしました。それから,その国家基幹技術の開発体制あるいは国家基幹技術を支える多様な人材の育成,将来の産業展開や国際展開に向けた仕組みも同時に検討していただきました。委員の構成ですが,主査には,本分科会の分科会長代理もお願いしております山脇委員に主査をお願いしました。それから以下12名の産学官の有識者で構成されています。本分科会の委員の方にも何名か入っていただきました。学識経験者のほか,産業展開を見据えて,研究開発を行う独立行政法人の方,それから産業界の方々も交え,検討をいたしました。2ページ目ですが,その検討結果について以下のようにまとめております。我が国が取り組むべき海洋国家基幹技術としてまず,海洋基本計画における海洋国家日本の目指すべき姿として,四つの目指すべき姿を掲げ,この四つの姿を具体化するために,6つのシステムを選定していただきました。特に左の三つのシステムについては,海洋資源関連の次世代システムとして,今政府内で成長戦略というものも検討しているところですけれども,そういった成長にも資するということで,成長戦略への反映を進めております。選定したシステム,次世代海洋資源調査システム,海洋エネルギー・鉱物資源生産システム,それから環境影響を管理するシステム,こういったものを選定しました。それから海洋資源開発関連以外のものとして,更に三つのシステムを選定したのですが,一つは次世代広域の海洋環境観測システム,それから未踏領域の探索システム,それから次世代海洋再生可能エネルギー発電システム,先の3つと併せて,計6つを選定しました。これと同時に,こういったシステムのためには重要基盤技術と一体的に推進していく必要があるだろうというところで,そのような技術と合わせて,国家基盤技術として推進すべきではないかという意見をとりまとめました。3ページ目以降は,先ほど申し上げた,各システムのイメージ図です。3ページ目が海洋資源開発プロジェクトでございますけれども,調査システム,生産システムと管理システムを絵にするとこのような形になるのではないか。それから4ページ目は次世代広域海洋環境観測システム,5ページ目に未踏領域探索システム,6ページ目が次世代海洋エネルギーシステムを示しています。簡単ではございますが,以上です。

【小池分科会長】
ありがとうございました。ただ今の海洋分野の国家基幹技術についての説明について何かご質問ございますでしょうか。山脇委員,まとめられた立場から御意見ありますでしょうか。

【山脇分科会長代理】
事務局の方から説明がありましたが,海洋基本計画の実施には国家基幹技術の確立が重要であるという観点からとりまとめました。従来,技術といいますと,要素技術がそれぞれ単独でとりあげられてしまうのですが,国家基幹技術としてまずシステムを選定するという,これまでとはちょっと異なるまとめ方をしました。今後の海洋基本計画の実現の段階では,これらのシステムや重要基盤技術の推進・確立なくして様々な施策や,あるべき姿の実現ができないという思いでまとめましたので,こういう考え方を是非予算,成長戦略の中に取り入れてほしいと思います。もう一つ非常に重要だったのは,先ほど紹介ありましたけれども,文部科学省,経済産業省,それから国土交通省の3省が一体となって実施したということで,短期間でありましたけれども,それぞれの立場から非常に活発な議論をしました。最初は本当にまとまるのかどうか心配だったのですが,何とか思いを一つにいたしまして,まとめることができたかなと考えています。今後はこれを,成長戦略や予算に組み込んでいくという大変な作業が残っております。

【小池分科会長】
ありがとうございました。

【鷲尾委員】
海洋基本計画のところから少し気になっていたのですが,いくつかの項目に分けてそれぞれ技術開発を進めていく中で,これまでの個別技術の高度化ということだけではなく,システムとして考えていくというのは非常に進んだ話ではないかと思います。ただ,いくつか分けられた分野間の調整,関係性というもの,まさに海洋という場が多面的でもあり同時に重層的でもある場だと思いますので,それの関係性をどうするのかということがもう一つ描ききれていない。資料を読ませていただきますと,それぞれの文末の方には少しずつ触れてあるのですが,重点化するがために,それが消えてしまっているように印象を受けます。そういう意味で,非常に重要な項目として,分野間の関係性というものを見るということの視点もどこかに加えられないかなという気がするのですけれども,このような議論はあったのか,教えていただければと思います。

【事務局】
システムという一つの大きな物を統合していくに当たっては,当然,いろいろなところとの関係性が生じてくると思います。ただ今回の検討は,個別の技術から積み上げていくというよりは,海洋基本計画に掲げられている目標をいかに達成するかという観点から,ある意味,上の方から考えていったということもありますので,そのためのいろいろな技術と関連性については,おっしゃるように必ずしも十分な検討はなされていなかったかもしれません。今後具体的にプロジェクトプランニングをし,そのプロジェクトを実際にやっていくときのフォローアップ,作り込みを行っていくところで,先生がおっしゃったところについてきちんと考えていかなくてはいけないと考えております。

【小池分科会長】
よろしいですか。今の基幹技術の推進のところの最後の9ページの所に,どういう体制で対応を進めていくかというところが書かれていて,その一つとしてはいわゆる技術研究組合のような大きな体制を作ってそこに技術力を集めるとか,そういう考え方が書かれています。このプロジェクトにこの進め方が適当かどうかは多少分からないこともありますが,一応方向性としてはそういうことです。後はいかがでしょうか。

【新野委員】
次世代の広域海洋環境観測システムで,衛星観測が重要な位置を占めているというふうに思うのですが,宇宙戦略室の方では地球観測に関して厳しい見方を示されていまして,その後の調整はどういうふうになっているでしょうか。

【事務局】
今回新しく国家基幹技術として提案している広域の観測システムにつきましては,ある意味ではこの報告書で,こういうものが必要だと出させていただいた段階です。これから具体的に関係省庁,あるいは民間の方々と一緒にどういうふうに進めていくのかという具体的なプランニングになりますので,その中で必要な調整をしていきたいと考えております。

【寺島委員】
拝見していて,よくまとまっているのかなというふうに思いました。特に海洋基本計画の新しい計画を作るときに,一つの焦点になったのは海洋産業の振興です。そのとき議論になったのは,海洋基本法を作るときから指摘されていたことですが,技術開発をしてもなかなかそれが企業化につながらないということでした。そういう観点でみると9ページの国家基幹技術プロジェクトの推進体制というところにその辺に配慮した書き込みがありますので,是非こういう方向でやっていただきたいと思います。

【小池分科会長】
他にいかがでしょうか。海洋基本計画の最後のところで,工程表を具体的にどう実行していくかという話と,それから今は国家基幹技術の場合にも,工程表とまでは言えないかもしれないですけれども「いつまでにこういうことをやる」ということが書かれています。こういう場合,実際にそれを実行するためには工程表をきちんと作って目標を決めてやっていかないと,なかなか難しいと思うのですが,今後こういうふうに出されたものと,海洋政策本部の方でいろいろやられることとの調整どのように進めていくのでしょうか。

【事務局】
今,事務局の中でいろいろと議論しておりますのは,まず基本計画にも書かれていますように,参与会議の中に,PT,プロジェクトチームを作って特に重要な施策について検討する体制を構築するということがあります。まだ十分に煮詰まっていないですけれども,できるだけ早い時期にこのような体制を作っていきたいと思っております。その中で,各省それぞれが行っている取組,そういったものを高めていくことを本部,事務局の方でやらせていただきます。

【小池分科会長】
そうしますと,具体的な工程表を作るのは各省が作って,それを総合海洋政策本部事務局の方で見ていくというような形になるということでしょうか。それともそちらでもやはり工程表を作られるのでしょうか。

【竹縄参事官】
政府の中の体制としましては,施策の実施につきましては各省庁がそれぞれやるということになっておりまして,うちの事務局の方はその全体の総合調整という形になります。そのような意味では,その各省庁が計画を実施していくというところを見ながら,全体の整合性のとれた工程表をやっていくということになろうかと思います。

【小池分科会長】
他によろしいでしょうか。

【中田委員】
国家基幹技術について,こういうものを導入すれば環境に少なからず影響があるので,その環境影響を評価,管理するというシステムというものを作っていくという点は評価できます。ただ,いろんな既得権がある中で,この部分にかなり力を入れて,先行させるくらいの形でやらないと,せっかく作った技術というのがなかなか出て行かないのではないのかと思うのですが,いかがでしょうか。

【事務局】
実際にこれから政府側でこの報告書を受け止めて,今まさに具体的な工程表も含めて検討しておりますので,その検討の中で十分肝に銘じて進めたいと思います。

【小池分科会長】
海底資源の開発のときの三つの柱の一つに,そのいわゆる環境影響評価を入れたというのは,やはりそれが非常に大事であるという意思表示ですので,これを受け取っていただければ。他に何かございますでしょうか。よろしければ,次の議題に移りたいと思います。議題5「海洋開発に関する動向について」です。事務局からお願いいたします。

【事務局】
はい。資料5-1から5-5に沿って御説明させていただきます。資料5-1を御覧ください。文部科学省における海洋関連の平成25年度政府予算についてでございます。平成25年度予算につきましては,今月国会で成立いたしまして,特に文部科学省の海洋関連のものをまとめてあるのがこの資料5-1でございます。総額では平成25年度予算ということで,400億円余りとなっておりまして,昨年度の予算よりも微増をしてございます。下に,特に主なものということで,特に規模が大きいものですとか,前年に比べて大幅に拡充したものというものを具体的なもの三つを取り上げていますので,トータルで400億円ということではございません。一つは左上でございます。海洋資源調査研究の戦略的推進ということで,30億円余りで計上しております。その下でございますけれども,海底広域研究船の建造ですとか,無人探査機,あるいは掘削に係(かか)わる技術の高度化,こういったものを行うとともに,複数センサーを組み合わせた広域探査システムの開発,鉱床形成モデルの構築による探査手法の研究開発等を推進する,あるいはその下にございます通り,広域科学調査を加速させることにより,海底資源の探査・確保に貢献するための予算となってございます。下にも絵がございますけれども,海底広域研究船につきましては,実は平成24年度の補正予算で,お認めいただいておりますので,こちらの方で建造に着手しているというような状況でございます。それからその下でございますけれども,深海地球ドリリング計画の推進,いわゆるIODPでございます。平成25年度は地震の発生メカニズムの解明を目的とした南海トラフにおける掘削調査などを行うため,97億円余りを合計としております。それから右でございますけれども,南極地域観測事業でございます。こちら平成22年度より南極地域観測第8期計画に基づきまして,地球温暖化をメインテーマに据えた分野横断的な研究観測を重点的に推進してございます。費用として38億円あまりを計上してございます。2ページ目以降は今申し上げた事業の詳細でございます。説明は省略させていただきます。
続きまして資料5-2を御覧ください。海洋資源探査の技術実証計画,こちらの研究につきましては先ほど少し申し上げましたが,平成23年9月にとりまとめた海洋資源探査技術実証計画に沿って進めているところでございます。具体的には先ほどの予算の説明にも関連していますが,2ページ目以降にある通りでございます。まず2ページ目を御覧ください。海底広域研究船の建造でございます。先ほど申し上げた通り平成24年度補正予算の方から措置されております。左の方,コンセプトとございますけれども,海底の広域調査を効果的に行うとともに,鉱物鉱床の生成環境までを捉える総合的科学調査が可能な研究船,迅速な調査を可能とする世界最高クラスの調査効率を持つものなどで,ROVですとかAUVを効率よく運用する,24時間観測ができるような船の建造を目指しております。下にスケジュールがございますけれども,平成24年度の基礎設計から始まりまして,平成27年度くらいには引渡しということを目指してやってございます。続きまして3ページ目でございます。海洋資源・エネルギーの探査技術・手法の研究開発でございます。大きく二つの箱に分けてございます。一つは左ですけれども,新しい海洋資源・エネルギーの戦略的探査手法の研究開発でございます。まず海底熱水鉱床につきましては,熱水鉱床形成モデルの構築開発ですとか,探査データを用いたものにより,効率的な科学的資源調査を行うための研究開発というものを実施してございます。それからその下,レアアースですとかコバルトリッチクラストでございますけれども,こういったものの成因ですとか分布を解明するための研究開発を行っております。下ですけれども,炭化水素資源,メタンハイドレートなど炭化水素資源については未知の資源と期待されてございます。海底泥火山や微生物によるメタン生成過程に係(かか)わる研究開発を行っている所でございます。続いて右側ですけれども,海洋資源調査を行うための最先端海洋調査技術の開発でございます。まずAUVの技術開発でございますけれども,AUVの複数機同時運用ですとか相互通信,海中給電等に関わる技術開発というものを行ってございます。それからその下,ROV・掘削技術開発でございますけれども,海底や海底下のサンプリングに必要となる,資源探査用ROVや掘削に係る技術の開発を行っているところでございます。それから,続いて4ページ目でございます。海洋鉱物資源広域探査システムの開発でございます。将来的に海洋資源,商業的採鉱を実現するには,資源の正確な分布や量の把握といったことが必要となるのですが,最先端科学技術を生かした,効率的・効果的な調査というものが重要となってございます。そのために,海洋鉱物資源探査技術高度化事業,いわゆる基盤ツール事業を平成20年度から行っており,こちらの方で開発してきた要素技術をシステムとして統合して,実海域にて実用化できるよう開発を進めているところでございます。真ん中の右に最先端技術がございますが,例えば四つ,上から行きますと海底位置・地形の高精度計測技術,海水の化学成分の高精度計測技術,電磁気学的手法を用いた海底下構造の高精度計測技術,コバルトリッチクラストの厚さの高精度計測技術,これら四つの開発してきた技術を統合し,今後5年間で効率的な広域探査システムの開発を実施するという事業を5年間程度でやっていこうと考えております。海洋資源関係は以上でございます。
続きまして資料5-3でございます。次は海洋生物についてでございます。こちらも先ほど申し上げた通り,平成23年9月に海洋生物資源に関する研究の在り方についていろいろまとめていただきました。これに基づきまして,海洋生物資源確保技術高度化ということで,二つのテーマと研究開発を推進しているところでございます。2ページ目を御覧ください。真ん中のところでテーマというものがございまして,(1),(2)と二つ掲げています。(1)ですが,海洋生物の生理機能を解明し,革新的な生産につなげる研究開発ということで,課題にもあります通り,生殖幹細胞操作によるクロマグロ等の新たな受精卵供給法の開発,例えばサバがマグロを生むような革新的な養殖技術を確立して,持続可能な海洋生物資源の供給を実現することを目指しております。それから右側(2)でございますけれども,海洋生物の正確な資源利用予測を行うための生態系を総合的に解明する研究開発とあります。一つは,沿岸海域複合生態系の変動機構に基づく生物資源生産力の再生・保全と持続的利用に関する研究,それから我が国の魚類生産を支える黒潮生態系の変動機構の解明ということで,漁業などを構築しまして持続可能な海洋生物資源利用手法を提案することを目指しております。これら研究開発推進案として上限10年ということでやっております。下の事業評価にございます通り,10年間と長いのですが,途中でしっかりと評価を行って管理をしていきたいと思っております。進捗状況の評価として2年目,7年目,終了時にやることとなっており,こちら23年度の4月から始めておりますので,今年度の後半には進捗状況の評価ということをやろうと考えております。3,4ページ目は今申し上げたところの詳細な資料となっております。以上でございます。

【事務局】
資料5-4につきまして,深地球深部探査船「ちきゅう」を用いた科学掘削について御説明いたします。御承知のように「ちきゅう」はIODPという日本とアメリカが使用する研究,国際研究プログラムを軸に科学掘削を行ってきておりまして,最近の動向につきまして3点ほど説明させていただきます。1点目につきましては,先の大震災で震源地となりました東北地方太平洋沖の掘削でございます。海溝軸まで滑っているというようなことで,実際には水深が7,000m近い深海海底を,そこから更に850m掘り進めまして,滑った断層の部分のサンプルの採集に成功しております。また,その掘削孔内に精密な温度計を設置いたしまして,先月末,10か月間の温度変化を記録したデータの回収に成功しております。現在このデータを分析しているところでございます。先週行われました地球惑星科学連合において若干の速報が出されておりますが,良いデータが得られたというふうに聞いております。詳しくはまた今後出されるということでございます。続きまして,下北・八戸沖石炭層生命圏掘削でございます。こちらは,水深1,200mの海底から更に1,500m下にあります石炭層まで掘り進めまして,そこの生命の限界域ということで,古細菌(アーキア)が大量に生息していることを発見しております。また,それがメタンガスを生成するということで,海底下のメタンガス循環,メタンハイドレートにもありますように,なかなか不明な部分もあったわけですが,その実態解明の参考の一つとなるような情報,さらにはメタンガス生産の可能性についても重要な情報を得ることができました。続きまして3ページ目でございます。これは大規模な掘削プロジェクトでございまして,継続して行っております南海トラフ地震発生帯掘削計画でございます。これまでにプレート境界の地震,地震発生メカニズムに関し,右下の図のちょうど真ん中ほどにありますけれども,巨大分岐断層というものが果たす役割というものをかなり明確にすることができまして,これを基に,地震及び津波の被害予想のための重要な基礎データの見直しが行われました。その結果,被害予想自体も見直されるという成果になっております。また,現在,地震・津波観測監視システム,DONETが展開されていますが,このシステムに「ちきゅう」の掘削孔内に設置した地震計も接続し,より精密かつできるだけ早く地震の情報を収集できるというように,リアルタイムな観測網の構築に成功しております。これにつきましては,今年度及び来年度も掘削を継続いたしまして,海底下5,200mにあります巨大分岐断層まで到達する予定にしております。「ちきゅう」につきましては以上です。

【事務局】
最後に資料5-5,東北マリンサイエンス拠点形成事業について御説明いたします。この事業は特に「3.11」からの復興というものを目的としておりまして,復興特別会計で計上しております。2ページ目を御覧ください。事業の概要でございますけれども,東日本大震災の津波・地震により,大量の瓦礫(がれき)の堆積,藻場の消失などが起きました。これを調査することが復興に向けての国の課題となってございます。それから,東北の海の資源を利用した新産業の創出,こういったものも目指して事業を行っております。このため,大学ですとか研究機関等による復興支援のためのネットワークとして東北マリンサイエンス拠点を構築しまして,地元の自治体あるいは関係省庁等と連携しつつ,海洋生態系の調査研究と新たな産業の創成につながる技術開発を実施しているところでございます。大きく二つのテーマに分かれております。一つは左側でございますけれども,海洋生態系の調査研究ということで,震災前から東北太平洋沖において調査研究を実施してきた機関を中核として,オールジャパンの研究者を結集して行っております。海洋生態系の変動メカニズムの解明ですとか,漁場の回復に資する科学的知見を地元,特に漁協関係,こういったところに提供をしてございます。それから右側でございますけれども,新たな産業の創成につながる技術開発ということで,地元の企業等と連携しまして,東北地方の特色を生かした産業創出に向けた研究開発を行っているところで,下にあるような8課題を実施しております。こういった物を通じて,東北の海の資源を利用した新たな産業を被災地で育成するということを目指して事業を実施しているところでございます。事務局からは説明以上でございます。

【小池分科会長】
はい,ありがとうございました。今進められている海洋関係の実施体制についてまとめて御説明いただきましたけれども,何か質問等ありますでしょうか。

【花輪委員】
資料の後半に海洋資源調査研究の戦略的推進のところで御説明をしていただきましたけれども,4ページ目,名称が「海洋鉱物資源広域探査システム開発」ということで,現在九つくらいの最先端科学技術を開発している。その上に,中核機関として,九つの技術をまとめて,システムとして組み立てるところの中核機関を公募していると,そういう説明だったと思います。個々の技術をきちっと克服することで,一つのシステムにもっていこうという考え方でやっていると思うんですけれども,海洋国家基幹技術はむしろ,トップダウンといいますか,逆の方向で目標・目的がものすごく鮮明で,それに必要な技術が,技術として何があるかというところでやっていきましょうという,ある意味方向性が逆なのかなと感じました。とは言いましても,海洋国家基幹技術で想定している内容というのは既にこの2で説明されていたところで,非常に密接に結びついているようにも思えます。ということで,むしろ今,進んでいるものを核として,海洋国家基幹技術のシステム開発にもって行った方が良いのではないかというふうに思うのですが,いかがでしょうか。

【事務局】
実は今年度から始めますこの広域観測システム開発は,まさに技術のボトムアップから始めてきたわけです。平成20年からセンサーの要素技術開発を進めてきまして,その事業は今年度で終了するのですが,その事業では,実際にセンサー技術ができてそれが海の中で動くかという実証のところまで進めています。ただ,何とか実証までこぎつけたのがこの九つの技術なのですが,実際に資源を見つけるとなると,まだ実際の実海域調査を踏まえながら高度化していかないと使い物にならないというのが状況でございます。そこで今後中核機関を置いて,総合的にこれを組み上げていこうというのが今回の施策でございます。一方,国家基幹技術の議論で,海洋基本計画が要請するものとして海洋資源の調査システムというものは作っていかなければいけないとしておりますが,ここで開発する技術というのはこちらの広域観測システム開発の進捗に応じて使えるものはどんどん取り込んでいくということを考えております。国家基幹技術の方は,例えば海洋基本計画には平成30年代以降の,例えばメタンハイドレートや海底熱水鉱床の商業化を見据えた取り組みというものがございますので,こちらについては今ある技術でどんなことができるのかということの工程表を作りあげていかなくてはいけないと考えております。従いまして,それを組みあげていくだけでも相当な作業になると思うのですが,これは今ある技術開発の状況を見据えながら,そのまま産業化,ビジネスにも移転していけるようなものを作り上げていくというのが国家基幹技術での動きだと思っております。広域観測システム開発の方はむしろそれの核となる要素,中核技術を高度化していくということです。ですから,文部科学省の中で議論しているイメージは,国家基幹技術としての取り組みを進めつつ,広域観測システム開発の方での成果を随時取り込んでいく,使えるものを取り込んでいくということを考えております。ただ,国家基幹技術の方を具体的にどう進めていくかというのはまさに今検討をしているところでございまして,これらをいかに連携させてやっていくかというところは非常に重要なポイントと考えております。

【小池分科会長】
よろしいですか。他に。

【寺島委員】
冒頭の文部科学省のこの予算を見ていて,南極についてはかなり力を入れておりますけれども,北極海の方はどうですか。海洋基本計画における重点的に取り組む施策の中で,北極海の研究調査活動の推進とか国際的な連携とかありますので,25年度予算に限らず,どんなお考えでしょうか。

【事務局】
北極の調査研究については,これまでオールジャパンでの研究者コミュニティもできておりませんでしたが,平成23年度から北極調査観測研究プロジェクトというものを立ち上げましてやっております。年間の予算は5億7,000万円でございます。その活動の中では,主に重点項目といたしまして,北極の気候変動がどのようにグローバルな気候変動に影響を与えるかといった研究,北極の気候変動が日本の気候にどのような影響を与えるのかという研究,さらに,北極の海氷の予測といわゆる北極海航路の可能性の検討,また水産資源に与える影響など4つの主要テーマを掲げ,調査研究を進めております。この中で,オールジャパンのコミュニティ作りということのためにコンソーシアムというものを組織設立いたしまして,今,300名ほどの研究者が参画しているという状況です。南極のみならず北極の方も,非常に重要であると考えておりますので,引き続き事業をきちんと進めて行こう考えています。

【小池分科会長】
北極研究の方は国立極地研究所が中核になって進めていて,2,3年が経(た)っていますね。
他にございますでしょうか。

【竹山委員】
東北マリンサイエンスの拠点形成事業について,今回は科学の部分だけを取り上げて説明されたのかと思うのですが,この事業は他のプログラムに比べてちょっと趣の違うものだったと思います。事業がスタートしたときのことを覚えているのですが,拠点形成ということで,大学が中核になっていて,人材というところにお金を投入した拠点形成というイメージがすごく強かったのですね。他のプログラムはなかなかそれができない中,その拠点形成,人材育成というところが特徴的だったので,多少他のプログラムとは紹介の仕方が違ってしかるべきかなと思うのですが,その点はいかがでしょうか。

【事務局】
おっしゃる通りで,特に地元における人材育成という観点もございまして,いわゆる研究開発というよりは,地元において,例えば生態系調査でしたらこの海がどのように変化していくかというものも見ながら,これを実際の漁業計画に役立てていくということで進めております。実は,これは文部科学省にとっては非常に新しいといいますか,復興対応ということもあって,非常に研究者にとってもチャレンジングな試みであります。東京大学,東北大学,海洋研究開発機構が中心になってやっていますけれども,まず研究者も漁業者の人と対話を重ねていきながら,例えば地元でどういうふうな人材育成につなげていくかを考える。実際活動をしてみると,漁業者の方もいろいろな科学的なデータを採取するときに手伝っていただいたりしていまして,そういうところで人の輪が広がっていったりということもございます。そういう意味では,資料ではここにある3つの中核機関しか出ていませんけれども,実際はオールジャパンの体制になっておりまして,全国からこの分野の研究者が,東北の状況を調べるために100名を超える人数が集まっております。当然ポスドクの方々も含まれており,現場で漁業者の方々と話しながら研究していくと言うことが,研究者にとって非常に良い人材育成効果があると思っておりますし,地元の方と共同していく中で地元に残る人材育成効果にもつながっていくと思います。今回の資料では,科学的な成果も出てきておりますので,そういうものを強調した説明をいたしましたが,人材育成の面も非常にうまく立ち上がっている状況と認識しております。

【白山委員】
全般に国際性みたいなところに関する記述がもう少しあった方が良いのではないかと思います。特に深海地球ドリリング計画のところは,今後10年で国際的な枠組みで進めていかざるをえないわけです。そこで,国際的にこの深海地球ドリリング計画を進めていくという中で,例えば省庁だとかある特定の複数の国際機関と,どのような戦略を持っているかを聞かせていただけるとありがたいです。

【事務局】
IODPを軸にした「ちきゅう」の運用ということで,ある意味大前提なのでちょっと説明,記載が前面にいかなかったのかなと反省をしております。国際的枠組みですが,IODPは10年間の国際的枠組みが今年の9月末でとりあえず一区切りになって,新たな10年間を今年の10月から行うということになっております。これにつきましては引き続きほぼ同じ枠組み,特に日本とアメリカで主導して行っていくという考え方で,逆に言いますと「ちきゅう」のような大きなプラットフォームの運用を考慮すれば,突然方針を変えるというようなことではなくて,継続した考え方が重要でないかと考えています。

【浦委員】
先ほど花輪委員の御質問で,資料の5-2の最後のページで最先端科学技術のプログラムについて井上課長からの御返事があったのですが,その中でおっしゃっていたように,このプログラムが6年前に始めて,センサー開発という,ある意味ではボトムアップの大きなプログラムを公募してうまくいったのかなと考えています。だからこそそれをトップダウンの施策に取り込んでいこうというそういうストーリーだという御説明があって,それはそれで大変すばらしいことだと思います。全体的に今度の海洋国家基幹技術の推進においても,日本の目指す方向というのがトップダウン的な形で与えられてきている印象が非常に強いですが,それはそれで非常に重要なことだと思います。しかし一方で,先ほども申しました海洋鉱物資源探査技術高度化というプログラム,つまりボトムアップの大きなプログラムがなくなってしまうというのは非常に問題かなというふうにも思うところです。先進技術というのはいろいろな技術がございますので,そういったことをベースに是非,ボトムアップのプログラムも行っていただきたいと思います。

【事務局】
ボトムアップのプログラムは引き続き重要だと思っています。ただ,文部科学省直轄で行うほか,JSTと連携してCREST事業のようにボトムアップのプログラムを拡充していると,そういったいろいろな進め方がありますので,そういうことをうまく組み合わせながら対応していきたいと思っております。

【小池分科会長】
ボトムアップは言葉の使い方によって意味が分かれてきます。いわゆる競争的資金の中で,本当のボトムアップはJSPSの科研費だけで,それ以外はやはりある施策に基づいた研究費とも言えます。そのような中で公募して競争的にとっているプログラムをボトムアップと,今,委員は言われていると思うのですね。この海底資源の場合もやはりフォーカスは割と決まっていて,それに対していろいろな技術を公募してやり始めたという経緯があると思いますので,そういう前提で,良く取り組んでいるということは理解できます。

【浦委員】
海の重要性というのを一番理解しているのは海洋地球課であって,そこから考えるボトムアップというのもあってもいいかなと思います。つまり,JSTなり,JSPSなりのプログラムとは別にそういった基本的な技術に対する資金を,提供資金を出すということが重要でないかと思います。

【小池分科会長】
お考えいただければと思います。他には。

【平田委員】
深海地球ドリリング計画推進についてですが,私の印象と違うのは,確かに今年の9月で10年間のいわゆるIODP,国際深海掘削総合計画が終わって,その次のフェーズの議論が今行われていて,かなり今までとは違う体制になるとのではないかということです。資料の3ページの所にIODPの枠組みというのがあって,主導国,日本と米国と欧州が,プラットフォームである深海掘削船,「ちきゅう」と,それから「ジョイデス・レゾリューション」というアメリカの掘削船,ヨーロッパの「特定任務掘削船」を総合的に運用してきたものが,私の理解では10月からは日本は「ちきゅう」,アメリカは「ジョイデス・レゾリューション」,ヨーロッパは「特定任務掘削船」をそれぞれ運用するというものになるというのではないかと思います。これはかなり違う方向で,名称もIODPという略称は踏襲しながらも正式名称は変える,その議論が進んでいるところだと理解しています。今の御説明においては,日本の深海地球ドリリングプログラムは国際プログラムの中でやっているということが非常に重要なことですので,細かいことはともあれ,基本的な精神としては国際研究の一環であるということが非常に重要ですので,今の発言はそういうふうに理解しましたけれどもよろしいでしょうか。

【事務局】
正確に言いますと一番の大きな問題はアメリカ政府の予算が大幅に削減されて,実は今御説明にありましたその三つのプラットフォーム「ちきゅう」「ジョイデス・レゾリューション」それから「特定任務掘削船」,この中で一番大きな予算が必要とするのは「ちきゅう」でして,それに対してかなり支援をしてもらうのがこれまでのプログラムではあったのですが,アメリカはその予算が厳しいのでそこの部分についてちょっと切り離させてくださいというそういう話があったということでございます。ただ,枠組みそのものは,例えば科学的なテーマについてそれぞれのプラットフォームでどう行っていくかという点については三つまとめて考えていくということで,それは今までの10年とこれからの10年は変わりません。ということで,研究開発の視点からみると実はほとんど変わらない枠組みで今後も進むということでございます。

【小池分科会長】
はい,よろしいでしょうか。それでは次の,最後の議題ですけれども,今後の主な審議予定事項についてお願いします。

【事務局】
資料6に基づきまして御説明いたします。海洋開発分科会7期における今期の主な審議予定事項でございます。分科会といたしましては,まずは概算要求の作業がありますが,この関連の施策の評価を行っていただければと考えています。概算要求自体は8月下旬の締切りになるので,それまでに評価いただくということで考えております。それからもう一つは本日の議題2の方で分科会の下に新たに3つ設置していただきました。委員会では,各種計画,評価,事業の進捗管理等を行っていただく予定ですので,そういった審議の状況や報告を受けるというようなことも考えてございます。後はこの他書いてないことも,分科会長に御相談しながら,必要に応じて御審議いただく予定となっておりますのでよろしくお願いいたします。

【小池分科会長】
はい,ありがとうございました。よろしいでしょうか。それでは本日の議題を全て終了いたしましたので,閉会いたしますけども,今,事務局から話ありましたように次回の開催についてはまた事務局から連絡をいただきたいと思います。それでは今期,よろしくお願いいたします。これで終了したいと思います。ありがとうございました。

 

お問合せ先

研究開発局海洋地球課

二村
電話番号:03-6734-4142

-- 登録:平成26年05月 --