資料6 議論いただくにあたっての論点

北極域研究のあり方に関する審議にあたっての論点(案)

1.議論の基本的な方向性

北極域研究について、これまでの成果と課題、改善すべき点、新たな観点等を議論し、今後のあり方を検討する。
その際、北極域研究に関しては、中長期的な課題や短期な課題があると考えられることから、それぞれの課題を整理した上で、焦点を絞って検討を進める。

2.主な論点

(1)北極域研究の意義・役割に関する論点

  • 北極域における環境の急激な変化は、地球全体の環境や生態系に大きな影響を与えるとともに、海氷の減少に伴う 北極海航路や資源開発の可能性が高まるなど、非北極圏諸国を含め、世界的な関心が高まる中、我が国の強みである科学技術を基盤として、国際社会において、先見性を持って積極的に主導力を発揮していくことが必要ではないか。
  • 北極域研究における我が国の強みである科学技術力をどのように捉え、今後どのように強化していくべきか。

(2)北極域に関する研究開発に関する論点

○研究開発、観測

  • これまで取り組んできた研究プロジェクトの成果を踏まえ、よりグローバルな政策判断・課題解決に資する国際共同研究の拡充や新たな国際共同研究を推進すべきではないか。
  • 全球的な視点を踏まえた北極域の観測・研究を進めるため、研究観測の空白地域に新たな観測拠点を整備するなど国際連携を強化すべきではないか。
  • 北極域の環境変化及びその変化の全球的な影響について、精緻な将来予測を行うためには、総合的な研究開発とともに観測・強化体制の強化や最先端の観測機器等の開発が必要ではないか。
  • 北極域研究を一層進める観点から、北極域研究船など、北極域の国際研究プラットホームのあり方について検討が必要ではないか。
  • 地球温暖化など全球的な研究課題解決のため、南極域研究や全球的な研究との相互連携を進めるべきではないか。

○国内研究拠点

  • 国内の研究開発拠点として、研究開発法人海洋研究開発機構、北海道大学、国立極地研究所に北極域に関する研究センターが設置されているが、北極域研究に関する体制・整備状況を強化すべきではないか。
  • 各省で実施する研究・観測について、オールジャパンとしての横断的なネットワークを構築すべきではないか。
  • 関連分野の多数の研究者が有機的に連携していくための中核的な存在として、研究基盤の共同利用や研究データを共有する枠組みを形成するなど、研究拠点は更に重要な役割を果たしていくべきではないか。

○国際連携・国際協力

  • 北極域におけるグローバル課題への対応や国際的ルール作りへの積極的な参画のため、我が国の研究・観測に基づく科学的知見を積極的に発信するとともに、国際的なデータ共有の枠組みへの参画など、広範な国際協力に基づく対応を図るべきではないか。
  • 国際的ネットワークの構築や国際共同研究・観測を進めるため、北極圏国等との二国間、多国間での協力を拡大すべきではないか。

○人材育成

  • 国内外の研究拠点に若手研究者を積極的に参画させるなど、北極域研究に関し、国際的に活躍する人材を育成すべきではないか。

○人文・社会科学分野と自然科学分野の連携の促進

  • 南極域とは異なり北極域では人間社会の様々な活動が実施されていることを踏まえ、人文・社会科学と自然科学分野の連携を促進すべきではないか。

○ステークホルダーへの情報発信

  • 北極域研究・観測による成果を明らかにし、適切な判断や課題解決のための情報をステークホルダーに対し、積極的に情報発信していくべきではないか。

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研究開発局海洋地球課