次世代深海探査システム委員会(第3回) 議事録

1.日時

平成28年5月16日(月曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文化庁第2会議室

3.議題

  1. 研究機関より深海探査の成果報告
  2. 今後の深海探査のあり方についてヒアリング
  3. その他

4.出席者

委員

道田主査、浦委員、織田委員、小原委員、竹内(章)委員、竹内(真)委員、竹山委員、辻本委員、中野委員、西山委員、藤井委員、山崎委員

文部科学省

三宅海洋地球課課長補佐

オブザーバー

株式会社ドリマックス・テレビジョン 浅野プロデューサー、海洋研究開発機構 田中海洋工学センター長、海洋研究開発機構 高井深海・地殻内生物圏研究分野長

5.議事録

【道田主査】  定刻になりましたので、ただいまから次世代深海探査システム委員会、第3回を開催いたします。
改めまして、主査を仰せつかっております道田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日、皆様御多用中にもかかわらず、御出席いただきまして、ありがとうございます。過去2回を振り返っていただきますと、次世代深海探査システムの在り方を検討するという観点から幾つか現状認識、共通の認識を得るという観点から委員の先生、御関係の方々からプレゼンテーションを頂いて議論を進めてまいったところでございます。
今日は、第3回で、あと何回かで議論をまとめていくという段階にそろそろ入りつつありますが、今日も深海探査の在り方等について、専門の先生から御報告いただくことが予定されております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、まず事務局から委員の出席状況、その他確認についてお願いいたします。
【事務局】  委員の出席者についてです。
本日は、瀧澤委員が御欠席となっております。
また、浦委員が遅れてという形になっております。
大和委員ですけれども、3月に東京大学を退職された関係で、こちらの会議の親会である科学技術・学術審議会の委員を辞職されております。その関係で、本委員会についても委員から外れている状況でございます。
本日のヒアリング関係でございますが、株式会社ドリマックス・テレビジョンのプロデューサーの浅野様。また、国立研究開発法人海洋研究開発機構から田中様、高井様に御出席いただいております。
【道田主査】  ありがとうございました。
御出席いただいている関係の方々、どうもありがとうございます。
それでは、続きまして、本日の資料につきまして事務局より確認をお願いいたします。
【事務局】  では、お手元の資料を御確認ください。まず、1枚目に議事次第がございます。資料1として、次世代深海探査システム委員会(第2回)議事録でございます。資料2として、地震研究におけるこれまでの海域調査と次世代深海探査技術について、東京大学地震研究所の資料でございます。資料3として、深海探査研究による成果紹介とそこから見える「有人潜水船=長嶋茂雄説」という資料でございます。資料4として、次世代深海探査システム委員会の今後のスケジュール1枚紙でございます。
続きまして、参考資料として、参考資料1、本委員会の委員名簿でございます。続きまして、参考資料2、本委員会の運営規則でございます。続きまして、参考資料3、本委員会における論点整理案でございます。
委員の皆様には、机上配付資料として、浦委員からの質問事項の1枚紙を配付しております。
不足等がございましたら、事務局までお知らせください。
資料1、議事録につきましては、前回終了後に委員の皆様に修正を頂いているものについては反映されますが、万一更なる修正がございましたら御連絡をいただければと思います。
【道田主査】  ありがとうございました。
今、お話のあった資料1の議事録案に関しては、もし修正事項、修正するべき点等がある場合には、今週中くらいまでに御連絡をいただければと、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、本日の議事進行要領について、事務局より御説明をお願いいたします。
【事務局】  まず、(1)としまして、今後の深海探査においてヒアリングということで、研究機関より深海探査の成果報告ということで、JAMSTEC深海・地殻内生物圏研究分野長の高井様よりヒアリングを頂きます。
また、(2)として、今後の深海探査の在り方についてヒアリングということで、小原委員より、「地震研究におけるこれまでの海域調査と次世代深海探査技術について」。
また、株式会社ドリマックス・テレビジョンの浅野様より、昨年秋にWOWOWで放映された深海ドラマ「海に降る」の担当プロデューサーとして深海に関わった御経験から、深海の魅力等についてプレゼンテーションを予定しております。
また、(3)としてその他を予定しております。
なお、発表の順番につきましては、小原委員、浅野様、高井様の順番を予定しております。
本日はこのような議題としております。以上でございます。
【道田主査】  ありがとうございました。委員の皆様、このような進行要領でございますが、よろしいでしょうか。
それでは、早速でございますけれども、先ほど御紹介がありましたとおり、小原委員よりプレゼンテーションを10分程度頂いて、その後に質疑応答をしたいと思います。よろしくお願いいたします。
東大地震研の小原でございます。
前回、竹内先生が地質学、プレートテクトニクスの観点から御発表されました。私の方からは地震研究におけるこれまでの海域調査、それから今後の深海探査技術に対する期待について御報告申し上げます。
こちらの図は言わずもがなですが、左側は過去400年間に起きた大地震の分布です。マグニチュード7.4以上の地震となっていますけれども、見ておわかりのとおりほとんど全ての大地震は海で発生しています。
ひるがえって観測態勢についてですが、右側の図は5年前までのリアルタイム、オンラインの地震観測点の分布です。これも言わずもがなですけれども、ほとんど陸域に集中しており、海域における観測点はごくわずかになります。
このような海で発生する地震を理解し、今後の予測等の研究に活用するためには当然ながら海域での観測が必要です。
海域における地震観測がなぜ重要かということについては、地震の震源を正確に把握することが最大の理由です。例えば茨城沖では約20年間隔でマグニチュード7クラスの地震が繰り返し発生しており、2008年に確かにマグニチュード7の地震が発生したわけですが、それ以前からこの海域では地震発生が予想されていたため、海底地震観測を行っておりました。
その本震、余震を海底地震計で捉えるとどうなるかというと、このように(プレート境界に沿った)線上に地震が並びます。海底地震計がない状況だと、陸域観測から地震の震源を決めるわけですが、非常に深いところに決まってしまい、正しい分布が得られません。地震の発生状況をきちんと把握するためには、その直上での観測が必要であるということです。
そのような観点からこれまで先端観測技術・測器の開発を行ってきており、地震観測についてはオフラインの海底地震計とケーブル式のオンライン地震計の2種類について開発を行ってまいりました。
また、地殻変動観測については、GNSS音響結合方式による地殻変動の観測システム、これは水平方向を調べるセンサー、それから、圧力センサーを用いた圧力計、これは上下変動を主に調べる機器が開発されています。
地震研究所では特に海底地震計の開発を長年行っておりまして、自己浮上式というのは、見てのとおり、観測したいポイントに到達したら、そこで海底地震計を投下して観測を開始し、観測が終了したら、上から指示を出して、(錘が切り離されて)センサーが浮上してくる。それを回収して、この地震計の中に記録されたデータを後で解析する、という方式の地震観測になります。
このような自己浮上式の海底地震計については、これまでいろいろなタイプのセンサー、特に長期間、1年程度にわたるような連続観測を可能にするセンサーも開発してまいりました。
このような長期の観測を行ってきた場所はどこかというと、日本列島を取り囲む海域で、特に太平洋沖に集中して観測してきましたが、ここで非常に重要なのは日本海溝の部分ではほとんど観測されていない。つまり耐圧の問題から水深6,000メートル以深にはこれらの自己浮上式の海底地震計が設置されてこなかったということです。
もう一方、ケーブル式の海底地震観測システムについてもこれまで開発を進めてまいりまして、今に至るまで3つの世代に分かれています。
第1世代は基本的には同軸ケーブル、アナログ式の観測システムです。例えば、気象庁の初期の海底ケーブル地震計がこのタイプになります。第2世代としては、光ファイバーでデジタル方式の観測を行うタイプです。DONETやS-NETはこのタイプになります。
それから、今現在我々が開発している第3世代のケーブルシステムは、インターネット技術を駆使した形で、よりコストパフォーマンスのよい安価に製作できる海底ケーブルシステムとなっており、日本海の粟島に設置しております。
このようなケーブル観測システムについては、皆さん御存じのように、こちらの委員会でも既にお話がありましたが、JAMSTECの開発したDONET1と2は既に設置されていて、観測に使われている状況です。特に、DONET1は、今年4月1日に発生した三重県南東沖の地震に対して非常に有効なデータを取得し、地震のメカニズム等の解析に使われました。
S-NETについては、防災科研が設置しているところで、今現在、テスト観測中ということで、データが送られつつある状況です。
ただし、これを見てもおわかりのように、日本海溝の一番深い部分には、やはり観測点が少ない。日本海溝に近いところで何が起きたかというと、2011年東北地方太平洋沖地震で、海溝付近のプレート境界が非常に大きく滑ったということがわかっています。この付近における地殻変動の状況、あるいは地震活動の状況を正しく把握するということが今後の地震発生メカニズムの解明、予測に非常に重要であるということです。
こちらのスライドは、既にどこかで聞いていると思いますが、東大地震研が設置している三陸の海底ケーブルシステムで東北地震の津波をリアルタイムで観測し、その津波データからどこでどれだけプレート境界が滑ったかを調べた結果になります。
ほかにもこの海域では、宮城県沖地震が発生する確率が非常に高かったので、各機関が海底地震観測、地殻変動観測を行っており、それぞれのセンサーを使って、東北地震の際にどこがどれだけ滑ったかという調査もなされています。
JAMSTECの海底地形調査では、海溝付近で約50メートルの水平変位があったことが報告されています。
このように海溝付近、深海での調査観測は、地震のメカニズムを解明する上で、非常に重要であり、次世代の深海観測調査については、非常に期待するところですが、特に水深6,000メートルを超える海底調査観測が非常に重要です。
我々も、6,000メートルを超えるところでの地震観測を可能にするということで、耐圧性能の強化、音響通信距離の拡大をはかってきて、今現在では6,000メートルを超える深海でも自己浮上式の観測システムが可能となってきました。
一方、できていないことは何かというと、海溝付近で実際にこのような大きな地震が発生したときには、当然ながら海底に断層が多数生じる。その状況をきちんと把握することが重要で、把握された情報に基づき、どこでどのような観測を行ったらいいか、あるいはピストンコアで海底のサンプルを取得することによって断層の過去の履歴が明らかになる可能性がありますが、そのようなサンプリングをどの場所で行ったらいいかを明らかにする上では、最初に深海における地形調査、地下浅部の構造の調査が非常に重要になってきます。
ちょっと見づらいかもしれませんが、こちらは変動地形学的な調査による、海底の写真になります。余り違いがわからないかもしれませんが、より細かいメッシュで調査することによって非常に詳細な断層の状況がわかる。それから、高分解能音波探査を行うことによって、海底直下の地形の状況もよくわかる。これは非常に浅い海で調査した結果になりますが、これと同様の調査を、深海6,000メートルを超えるような場所できちんと行うことが、断層の状況、あるいはプレート境界のどこでどれだけ滑りが生じたかという解析にも非常に重要になると考えられますので、深海における広範囲、かつ高密度の調査を可能とする技術が我々にとっては重要であるということです。
というところで、ちょうど時間になりました。以上です。
【道田主査】  ありがとうございました。
何か委員の先生方から御質問はございますか。
【西山委員】  今の説明では深度が6,000メートルを超えるという表現になっていますが、前回、6,000メートルを超えるためには何か技術的なギャップ、あるいは飛躍が必要なのかということを聞きましたら、それより深いところは難しいという話をしていたと思います。これはどこまで解決されているのでしょうか。
つまり6,000メートルを超えるという意味は、1万メートルのことなのか、8,000メートルのことなのか、その辺がよくわかりません。技術的にこれから開発する。あるいは既に実証できているということなのか、その辺をお聞きしたいと思います。
【小原委員】  はい、私もここに来る直前に気がつきました。こちらのプレゼンの方は直しておきました。
6,000メートルを超える、ということについてですけれども、私どもでは、海底地震計についてのみしか知りませんが、今は6,000メートルを超えて、1万メートルの、日本海溝の最深部で観測できるようなシステムを開発しています。ですので、今はもうその深度までは可能であります。
それが、AUVなどで可能かどうかということについては、私どもでは把握できておりません。
【道田主査】  AUVは、1万メートルは大丈夫かという話は、どなたか回答できる方はいらっしゃいますか。今の西山先生の御質問に対して。
【大沢】  海洋工学センターの大沢でございます。
今のところ、プラットフォーム関係でいきますと、一つ、6,000というのが機器の開発のボーダーラインだというところなんですが、9,000メートルぐらいにもう一つありまして、9,000からあとは1万1,000という、我々はそのぐらいのレンジで考えていまして、前にやった海溝システムはFull Depthなんですが、やはりそこのところに浮力材とかコネクター、そういうところでかなりハードルが高い技術開発があると認識しております。
【道田主査】  ありがとうございます。
比較的9,000メートル程度までは見えているけれども、それを超える話になると若干まだと。ありがとうございます。
そのほか何か先生方、御質問ございますか。
どうぞ、竹山先生。
【竹山委員】  素人の質問をしてもよろしいですか。
前に、似たような会議があったときに、DONETの話があって、そのときにいろいろな話で、深海の地震研究ということで、まだまだ基礎研究であって、そこから防災というところで、例えば今地震が発生しているので、もうすぐ避難ですよみたいな、そこまで警鐘を鳴らすようなところまで来ているのかという話が出たんですけれども、1年も前からありました。
そのときにやはりまだまだ今はそうやっていろいろなくいを打ち、計測のものを入れているけれども、そこまではまだ来ていないんだと。言えないことはないのでしょうけれども、というようなお話が結構あったんです。
今日のお話ですと、見なければいけないところがたくさんあって、そういう情報を集約したところで、というような感じだったんですけれども、パラレルに防災との関係で、応用研究というか、実際につながる部分があると思うんですけれども、それはどの程度現状で進められているかと理解したらよろしいのでしょうか。
【小原委員】  まず、防災という観点で言うと、地震研究がまだまだ基礎研究のレベルであり、特に海域についてはデータがまずきちんと取得されていないということで、まずはデータをきちんと取ることが重要なミッションになります。
次にデータが取れたときに、それをどう活用するかですが、例えば緊急地震速報、津波速報については、DONETのような地震発生域の直上に観測点が設置されることによって、地震発生直後の非常に早い段階で、数秒後、あるいは数十秒後にやってくる大きな揺れの予測情報を発信できる。しかし、(迅速、かつ確実に情報を)配信するためにはどのように(配信システムを構築)するか(が課題です)。あるいは津波にしても、あと何分後ぐらいにどれだけの津波が来るかという緊急速報については、既に気象庁でシステム化されていますが、それを高精度化することは、観測点が増強されれば比較的可能です。しかし、それを防災に生かすという観点では、そこには社会学的な知見も必要になります。そこで、理学、工学、社会学を含めた連携がいろいろな形で進められていますが、例えば文部科学省が行っている委託研究については、必ず防災までを見据えた、上記の連携に基づく形での研究プロジェクトが構築されていますので、その中で着々と言いますか、徐々に進んでいると言えると思います。
【道田主査】  ありがとうございました。
何かそのほかありますか。
竹内先生。
【竹内(章)委員】  海底地震計によるデータを取得することが非常に重要ということがよくわかりました。
ケーブルのシステムはそれなりにわかるんですけれども、最後に言われていた例えば日本海溝の6,000メートルを超えるところに、自己浮上式を置くというような場合なんですけれども、海上からポトンと落とすのでいいのかと。
有人か無人かということに若干絡むんですけれども、ちゃんとしたところに置いておくことがいいデータをとるときに非常に重要ではないかと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
【小原委員】  それは全くおっしゃるとおりで、私もそのあたりの説明はかなり飛ばしてしまったのですけれども、現在はこのように海上でポトンと落として、それが海底に到着したところで観測を始めるという形ですが、実際に、海溝付近で精密な観測を行う場合には、まずは海底面の状況をきちんと調査して観測のポイントを決め、そこで正しく観測するためには、確かに上から投げ下ろすのではなくて、途中まで有人か無人かの潜水船で持っていって、それできちんとした場所に設置するということが非常に重要ではないかと考えています。
【道田主査】  私から1点。今のこのスライドで書かれている海底地形調査とか、浅部高分解能地下構造調査ということがターゲットと考えたときに、先ほど議論になった、9,000メートルなのか、Full Depthなのかという観点から検討した場合に、もちろんFull Depthがさっと開発できればそれに越したことはないでしょうが、例えば9,000メートル級のものが近々に開発できれば、それはそれでここに書かれているようなことは大きく進むという理解でいいのでしょうか。
【小原委員】  日本海溝だったらそれでいいと思います。
【道田主査】  日本海溝は9,000を超えるようなところは余りないですね。わかりました。
そのほか何かありますか。
どうぞ、山崎さん。
【山崎委員】  竹内先生の質問と絡みますけれども、教えていただきたいのが、観測地震計などを落下させたときにその位置というのは、今はどうやって決められているのでしょうか。それによってどの程度今後その精度を上げていくのか、もう少し教えていただければと思います。
【小原委員】 私も余り詳しくないんですけれども、多分そのセンサーの位置は、GPSとか、また人工震源を用いた探査も行われれば、そのデータをとって位置をきちんと測定するということになります。(追記コメント:センサーの位置は、センサーと船舶間の海中音響測距と船舶のGPS測量の組合せで測定しますので、落下でも潜水船による設置でも測量精度は変わりませんが、センサーの設置環境を目視で確認できれば、良好なデータが取得できそうなサイトを選ぶことが可能となります)
【道田主査】  中野さん。
【中野委員】  先ほど見せていただいた0.5秒のメッシュ、あれは非常に印象的でした。僕はALOS-2で、地表のずれ、滑り、ああいうものを調べているんですが、こういう海底地形のデータと衛星データがどこかで接点を持つことができたら、これは我々にとってもものすごく大きいなと思います。
【道田主査】  ありがとうございます。
そのほかありませんか。ちょっと先に行きましょうか。
続きまして、2つ目で御用意いただいておりますプレゼンテーションを浅野さんにお願いしてよろしいでしょうか。
【浅野プロデューサー】  私、浅野と申します。ドリマックス・テレビジョンというテレビドラマ製作会社のプロデューサーです。
今、ここに流させていただいている映像しか本日は御用意しておりません。紙ものは御用意しておりません。
昨年、WOWOWの方で放送されました連続ドラマです。大人の視聴者が本格的なドラマを楽しむということでドラマの価値が上がっているということで、WOWOWさんの方で昨年放送され、視聴率は公になっていませんが、WOWOWの枠の高い視聴率をとったというものでございます。
こちらは本当にJAMSTECさん全面協力のもとに、深海に挑む科学者、技術者の皆様のドラマをヒューマンドラマとして落とし込みました。
科学の部分も取材しまして、もちろん至らない部分があったと思いますが、視聴者の方にある程度わかりやすくしながらやらせていただいたつもりです。
このドラマをやってみて思ったことは、今、日本が深海研究ということにおいて世界レベルの技術を持っているというところを非常に感じまして、僕らはエンターテイメントを司るポジションの人間なんですけれども、やはりエンターテイメントというのが知的好奇心をくすぐらなければいけないということと、社会的意義があるものをお客様に届けなければいけないという意味では、こんなにも深海の研究というものが視聴者に届ける上でとても魅力的だということに改めて気づきました。
今回このドラマに主演しているのが、有村架純と言いまして、若い女優さんの中でトップリーダーの子が演じております。
WOWOWさんというのは加入している方々しかごらんになっていただけないので、著名な俳優は、かつてはなかなか出ていただける方がいなかったんですが、この素材に関しては、有村架純がやると言って、連ドラ初主演となりました。業界内でも、深海科学という分野を素材にしたドラマということで、皆さん驚かれて、著名な脚本家さんからも、知的エンターテイメントとしてすばらしいというお褒めの言葉を頂いたりしております。
映像化に当たって素敵な俳優さんに出ていただきました。JAMSTECさんには、「しんかい6500」が25周年を迎えたことがあって、しんかい6500を実際に撮影に使わせていただきました。実はしんかい6500があるとなしでは、結構大きくて、やはりこのガンダムみたいな、カッコいい、深海に挑む船があるなしでは、ドラマにする上では全然違います。
非常にレベルが低い話をしましたけれども、こういった子供も大人も憧れになる対象があるそういう科学映像はなかなかないなと思っています。このドラマは全6本で完結しましたけれども、日本を囲っている深海、海、ほとんどわかっていない深海の謎をエンターテイメントとしても今後とも追いかけたいと思います。専門の方々には、是非、より深く研究していただきたいなと思います。
ドラマは、視聴者の方々からもとても反響がありました。宇宙の話題はよくニュースでみますけれども、深海のことはこんなにもわかってなかったとか、この6,500メートルまで行けて、もっと先々まで有人、無人関わらず行けるかもしれないという、その辺の驚きみたいなものを感じました。
6話の最後の方にJAXAの川口さんに実際に御本人役で出ていただきました。ドラマの中で、深海の目標をやり終えてその成果を発表するという場があって、この会議にも参加されている研究者の高井さんにも御出演いただいたんですけれども、川口さんにも御出演いただいて、「深海と宇宙はつながっている」ということを話していただきました。これは、深海を研究することで、宇宙、生命の成り立ちとかということがわかってくる、だからこそ垣根を超えて、宇宙の研究と深海の研究を一緒にやっていきましょうということをおっしゃっていただいたんですけれども、実際にそのような研究も行われていると伺っておりますし、僕は本当にすばらしいことだなと思っていまいす。
僕らはエンターテイメントの業界として、視聴者が面白いと思うもの、もっと言うとお金になるものというものをやっていくんですけれども、やはりそこには見ていて意義があるものをやらなければいけないと思っております。研究にはとてもお金がかかるプロジェクトはたくさんあると思うんですけれども、先を見通すと、人はどこから来て、地球はどうつくられていって、宇宙はどういうふうに成り立っているのかわかる、ということはとても大事で、やはりそれを探求することを捨ててはいけないなと思います。
最近熊本で大地震がありましたけれども、防ぐことはできなくても、予測することができるかもしれないとか、地震が起きることで何が起きるのか、とか、そういったことは見ている方、一般の方はすぐ忘れてしまうんですけれども、ドラマというエンタテイメントで、科学の世界と地震を描き、防災や自分たちの生活がより平和に安全になっていくには必要な研究というものがあるということ知ることは大事であると思いました。
目の前のことをやり遂げなければいけないという日常生活があるんですけれども、こういった研究が日本を中心にどんどん進んでいくと、すばらしいことが起きるだろうと思っております。
このドラマは課金して見ていただくWOWOWのドラマだということで、日本での民放では流れていないんですけれども、アジアの方で流れることが決まっております。もちろん有村架純という大人気の女の子がいて、彼女のファクターも大きいと思うんですけれども、深海に挑むという、ロマンや神秘があり、かつ社会派ドラマであるというところが非常に評価されたのではないかと思っております。
私は専門家ではありませんし、科学技術部門に関しては視聴者に近いというか、お客さんに近いです。けれども、このドラマをつくる際にこれも3、4年かかって調べてつくりました。そこで僕自身も深海調査という部分に意義を感じました。子供にも知ってほしいというぐらいのロマンを感じたので、もしこういったことに今後とも皆さんが応援してくれるような場づくりができたらいいなと思っております。
【道田主査】  ありがとうございました。
委員の先生方、何かご質問はございますか。
藤井さん。
【藤井委員】  どうもありがとうございます。
質問を1つとコメントです。いつも私が申し上げているのは、これも非常に迫力があるのは、本物をつかっているというところだと思います。本当はやはり深海に挑んでいるところを本当はそれを撮影するということをするべきだといつも、ここでも申し上げています。6Kで見ている映像はあるけれども、6Kが実際に挑んでいるところを撮っている映像はほとんどないですよね。
【浅野プロデューサー】  ドラマの中ではかなりあります。こちらにある映像はそうではないかもしれません。
【藤井委員】  それは6,000メートルで撮っているんですか。
【浅野プロデューサー】  6,000メートルで撮る技術はやはり……。
【藤井委員】  そういう意味で、私が申し上げているのは、バディで潜れるようなシステムにして、必ずやっているところが撮れるようなことをするともっと迫力のあるシーンが撮れるのではないかというのが1つ、これはコメントです。
そのときに、そういう水中の映像を製作するがわから見て、深海で作業しているような風景を撮る際の技術的なボトルネックなり、技術的にもうちょっとこういう映像が撮れるといいんだけどということがあれば是非コメントをしていただきたいんですけれども。
【浅野プロデューサー】  実際に今回も深海に潜って、深海というかある程度潜らせていただいて、それで撮影した部分もあるんですが、やはりまだカメラがそこまで耐えられないというところがあって。今回、深海に200メートル、300メートル潜っていくと、漆黒の闇になるという部分で、これをそのまま使ったとしても、もしその技術があって使ったとしても、恐らくライトだけがポッとみえているとかになってしまう。あとは解像度の問題で、解像度をあげると映像が荒れるということが出てくるかと思います。
とはいえ、やはり本物と本物でないものはやはり違います。だから、どういったカメラを保護して撮っていくのかという技術論が出てくる。そういう技術が、当然あった方がいいと思います。深海の撮影技術が伴ってくれば、国民の方々が見たことがない深海の映像をお届けできて、みんなが興味を持ってくれるというようなことができるだろうなと思っております。
【道田主査】  そのほか何かご質問等はございますか。
竹内先生。
【竹内(真)委員】  この委員会の1つのミッションは国民からのわかりやすい深海システムということだったと思います。非常に短絡的すぎるかもしれませんけれども、ダイレクトに反応があった中で、同じような番組での、例えば視聴率とか、視聴者の反応とか、単純ですけれどもそういうところはどんな感じだったんでしょうか。
【浅野プロデューサー】  数字というのを地上波、4チャンネル、6チャンネルみたいなところは公表しているのでわかりやすく出るんですけれども、WOWOWさんはオープンにしてないところがあって、とてもお伝えできないのです。ですけれども、先ほどお伝えしましたようにWOWOWさんの中での土曜枠というのがありまして、そちらでも最高視聴率だったと伺っております。ここ最近、タブレット、スマホが普及して、テレビを見ている方が減ってきているという中で言うと、WOWOWさんはブランド化してますし、ドラマ好きもそれ以外の方々にも見ていただいたのではないかなと思っております。
視聴者の方々の反応は、ツイッターとかいろいろなところから反響がありまして「地上波で流したらいいんじゃないか」という意見があったりしました。地上波というのは、皆さん御存じのように、最近は連続ドラマが4%とか3%という、何をどうやって放送したらいいかみんな苦しんでいるところでございます。だからこういう科学のドラマが、ひょっとしたら見ている方は難しくてわからないかもしれないけど、WOWOWさんという本格的なドラマをやる枠の中で、視聴率をとったということが今後は励みになればいいなと僕は思っています。
僕自身としては、このドラマに携わったこともあって、調べていく中で、今後は科学の時代になってくるだろうなと思いました。ですので、今、映像業界がアジアに負けていますし、ハリウッドには桁違いに負けている状況ですけれども、日本の生命は科学だと思うので、その科学の技術というところがエンターテイメント業界の方でより注目を浴びるような一助になればいいなと思っております。
例えば政治家は、メディアに出ている方々が一般の方々の評価を得やすい、という理屈があると思います。先ほど「しんかい6500」の例えとしてガンダムとか言いましたけれども、やはりカッコイイとか面白いということが圧倒的に一般の方の意見が好意的になる、というのはあると思います。なので、すごく専門的な部分は後からでよくて、そこにすごいロマンや、何かすごくカッコイイものがあるという、そういった観点から僕らは進めていけたらいいと思っております。
子供たちがこれを見て、僕らも科学者になりたいとか、深海を研究したいという子供たちが増えれば、結果何かいいことが起きないかと思っております。
【道田主査】  そのほかございますか。
私から1つ。浅野さんご自身がこの仕事に携わる前は、余り海とかは御存じなかったんですか。だとすると、この仕事をするとJAMSTECの取材とかを通じて、海とか深海の研究を始められて、発見だったなということがありましたら、何か。
【浅野プロデューサー】  このドラマの原作に出会う前は、震災があって、震災の後、尖閣問題、中国が海底資源を狙っているというのをニュースで見て、深海は何かあるんだなということを、僕はそこで知りました。だから、どちらかというと国と国との争いみたいなドラマがつくれるのではないかと思って、JAMSTECに伺ったんです。けれども、深海のロマンの方にひかれていきまして、そもそも「深海はほとんどわかってないんだ」とか、聞くこと全部もちろん難しいんですけれども、やはり知らないことばかりだったなと思いました。
JAMSTECという組織をそこで知りました。驚きの連続でした。当然JAXAさんの方が有名ですけれども。なので、このドラマには朱野帰子さんの『海に降る』という原作があるんですけれども、そこに僕とか監督、脚本家が感じた部分、取材部分を織りまぜていきながら、とはいえ難しくならないようにつくったつもりでした。
【道田主査】  JAXAは知っていたけれども、JAMSTECは知らなかったとおっしゃっていましたけれども、我々海に携わる者にとって、いかに国民の皆様に理解していただくかはずっと長年の課題でもありますので、浅野さんせっかくこういう機会でしたので、今後も是非よろしく、海のことについて皆さんに伝えるということに御協力いただければと思います。
何かそのほかございますか。
山崎さん。
【山崎委員】  このような深海の探査のドラマができたということは私もすごくうれしく思っておりました。今日もいろいろ教えていただいてありがとうございます。
おっしゃってくださったように深海と宇宙はつながっていると私も思います。宇宙でも生命探査は非常にホットですけれども、地上でもいろいろなところで過酷な環境で生きている生物がたくさんいます。深海と宇宙と双方向で知的なエンターテイメント、好奇心をかき立てていけたらいいのかなと思います。
是非、1点お伺いしたかったのが、そのような観点からまだまだ深海はわからないことが非常に多いんですけれども、それが余り伝わり切れていないところも多いと思います。このドラマも1つの有効な手段なわけですが、ほかに国民のいろいろな好奇心を募るときにアドバイスがあればお伺いしたいと思います。
【浅野プロデューサー】  ドラマ、映画以外、テレビで放送するコンテンツになるもの、情報ものいろいろあると思いますけれども、やはり僕みたいに一度興味を持って、それは面白いよねという人間が増えれば増えるほど、そういうものが増えると思います。みんな深海に興味があるわけではないので、そこにダイオウイカというインパクトのあるモチーフがあったら、視聴者が興味を持つ。
「それは科学じゃない」というものがあったとしても、視聴者、一般の方々が興味を持つようなアプローチの仕方というか、発見といいますか、そういったものに挑んでいただくと、その先にこういったことがあるという…多分そういうものをやっていただけたらいいのかなと思います。
例えば、全然違うんですけれども、某週刊誌は話題になっているものがあって、彼らは昔政治とか追っていたと思うんですが、今は某タレントだったり、一般の方が興味あるもの、ウソをついている部分を暴露したりしている。そこで彼らの能力がすごく認知された。ちょっと余りにもかけ離れているかもしれませんけれども。
科学で言えば、例えばみんなが絵空事だったり、これは昔こうだと言われたものは本当じゃない、とかいうことが発見されたり。例えばバミューダ海域というのがあって、それは実はこうだったんだとか…そういう一般の方々が見ても「へー」と思えるような、モチーフを研究課題の1つにちょっと混ぜてもらえると多分注目が集まるだろうなと思います。
【道田主査】  非常に貴重な御意見を頂きました。
どうぞ、織田先生。
【織田委員】  一般的に、宇宙であれば、多くの人々が熱中して国民イベント的に盛り上がる話題がありますが、海の方は真面目にやっているけれど意外と地味で、イベントといっても大勢お客さんが集まらないとか、認知度が上がらないという面があるかもしれません。そこで、例えばこういうものがあったら、認知度が上がりビジネスにも繋(つな)がるかもしれないというヒントがあるといいですね。
ナショナル・ジオグラフィックは優良なコンテンツのDVDを売っていて、少し気の利いた本屋なら売っています。中味はそれほど派手ではないけれども、確実に買ってくれる人がいるといいましょうか、長寿番組のような商品です。あの中にも海ものとか、生命の起源というコンテンツがいろいろあります。
実際に日本で海洋関係の良いネタがある中で、こう生かしたら良いのではないか、例えば、商業的にでも良いのですが、DVDにしたら売れるかもしれないとか、あるいは映像をユーチューブに流したら良いのではないかとか。7月に海のイベントをやるのなら、こういう中身を入れておいたら、学校の夏休みの課題にもなるので、親も含めて多くの方々が集まるのではないかとか。何かアイデアがあったら教えていただけませんでしょうか。
【浅野プロデューサー】  まだ先の話だと思いますけれども、「しんかい12000」とか挑んだことがないものに挑むというようなことは当然みんなも驚くと思います。
アメリカの軍がクリスマス時期にサンタが現れるかを調査したりしていますが、あれはユニークだと思います。当然皆さんやっていることはすごく意義があることだし、大事だと思うけれども、科学は難しくてよくわからない。だから、もっと違うことに予算をかけ、注目を浴びることだと思います。
先ほども申し上げましたけれども、ロマン、ファンタジックというものを真剣にやって、その話題取りの先に、技術や科学が見えてくる…そういうアプローチが少しあった方が。じゃないと多分、一般の方には難しいと思います。やっていることの意義を伝えるために「糖衣錠」じゃないですけれども、甘くくるんでおく。でも、その中にはすごく大事な薬、とても大事なものがある…そういうアプローチができたら、一般の方もよりいいかと。
例えば、これも有村架純とか井上芳雄、遠藤憲一とか人気の人たちが出ていて、それで見ていたら、これは「深海」のドラマだったんだ、と感じた方がたくさんいると思います。そういった方法論がとれたらいいかなと思います。
【中野委員】  先ほど、宇宙の方は国民的イベントがいろいろ出てくるけれども、海の方はなかなか出てこないという話がありました でも、海洋の方も視点を変えると、もうどんどんできるんじゃないかと僕は期待しています。例えば日本海側の方が海岸が沈降しています新潟、富山の間は沈降しています。親知らず、子不知とかああいう面白いものがあって、かつては百九十数回の参勤交代のうち百六十数回は海岸を通ることができたのに通っていたのに、今は通る道がなくなっている。あそこの海底はどうなっているんだろうと見たくて、見たくてたまらないです。
その海岸線と海底の地形をくっつけることができたら、日本海側の研究は随分変わるのではないかと思って、いつかどこかで、JAMSTECに行って、データをくっつけませんかとお願いしたいんです。深いところだけではなくて、そういうところからもどんどん行けるんじゃないでしょうか。そういうところからも、国民の関心を海洋へ向けることもできるのではないかと思います。
【道田主査】  ありがとうございました。
浅野さん、どうもありがとうございました。
それでは、時間が押していますので、次のプレゼンテーションに移ります。
次は、JAMSTECから高井さん、よろしくお願いいたします。
【高井】  JAMSTECの高井です。
今日は、浅野さんが科学の入り口のお話をされたんですが、実はほとんど同じことを言おうとしています。私の場合は、ずぶずぶの深海探査、何十周も回って結局同じことを言うということですがお話を聞いてください。
今日は、ミスター深海探査ということで言わせていただきますが、あながちウソでもなくて、現役日本人研究者最強の経験があると個人的には有人潜水船で30回以上潜っていますし、現場には150回以上、ROVの潜航の現場もあります。最近は、AUVと深海、潜水船の同時調査、同じ船ではないですけれども同時調査をしています。有人潜水船だけに限らず、いろいろな海洋探査を歴任してきました。
実際にそれを使って、業績があるということで、これの辺は自慢することではないので言いませんが、多分引用回数は日本で一番だと思います。
アウトリーチ番長ということで、実際はいろいろなところでやらされております。最近では、リアル生中継。これはNHKでも何でもないですが、ニコニコで50万人以上の人が見てくれたというヒット作です。それをやったのはJAMSTECですが、最初にやろうと言ったのは自分です。その他いろいろこき使われておりますが、最近では、土曜日にNHKのEテレで、テラフォーマーズの原作者と対談して、大反響でした。視聴率が高かったということは別に聞いていません。
ほかには、コンテンツ産業への協力、影でこそこそとやっています。何が言いたいかと申しますと、人生の15分の1を深海探査に費やしてきて、嫁との離婚危機が出るくらい人生を費やしてきているだけの経験があるということになります。
その中から導いてきたトピックを今日お話しさせてもらいますが、僕の研究のメインは深海熱水で、深海熱水は1977年に初めて発見以降、世界中で500か所以上、実際に自分が現場に行ったところはこれだけあります。世界中の深海熱水の現場に参加してきました。これも世界最強です。
個人的には、沖縄トラフの伊平屋北で一番やっていますし、2番目はインド洋のかいれい熱水フィールド、この2つからどんな成果を上げているかを簡単に、細かく話すととても時間がないので簡単にいきます。
伊平屋北というのは、実は先週の金曜日に浦先生が伊平屋北ワークショップをやっていただきました。たくさんの成果で、とにかくここは日本で一番よくやられているサイトで、もちろん有人潜水船だけではなくて、全ての調査機器が集合して、本当にいろいろなことがわかってきています。
僕がやったのは微生物で、ここは熱水の微生物の中でも、熱水の二相分離によって変わるということが初めて証明された場所です。細かい話をすると、富士山の南側と北側で植物相が変わっている。日射量が変わるからというようなことです。これは世界で初めてです。
2番目、富士山の微生物を全部調べたということになります。これも世界初です。しかも30以上の新しい微生物がこの1つのサイトから出ているということです。
ここでやった研究が1つの大きなアイデアになって、深海熱水、暗黒の生態系というのは熱水から出される水素をまず食べて、メタンを食べて、アンモニアを食べてという、こういう同心円状の生態系が広がっているという説があるんですが、これのきっかけとなったのは伊平屋北の総合的な解釈でした。
さらに、海底面からサンプルをとってきただけではなくて、物探とか様々な方法を使って、伊平屋北の熱水の海底下に流れる熱水の循環をいろいろな人がいろいろな方法で調べて、もうほとんど可視化できるようになりました。
この最終結果として、「ちきゅう」による掘削が行われました。2010年に「ちきゅう」で掘削をして、NHKスペシャルにも流れました。もともとは微生物の目的、海底下にいる微生物を探査する、世界で初めて証明するという成果でしたが、実際は資源の方がたくさん注目されました。
1つは、海底に熱水だまりがあるのを掘ってみたら、ビフォーアンドアフターで、劇的にアフターで広まった、すなわち海底の熱水の下に湖があるということがわかりました。さらに、その湖のてっぺんには、黒鉱と言われるレアメタルなどをたくさん含む資源が広がっているのではないかということがわかりました。となると黒鉱の埋蔵量が増えたということで、資源的には大注目されました。
更に言うと、この航海がすごいのは、掘るだけではなくて、その後に人工井戸を掘って、その後、何十年も調査ができるようなものを設置しました。これによって単発の研究ではなくて、掘削後の調査という新しい分野が開かれる。このような形になって、そこから掘削調査が行われました。
掘削探査調査という新しい方向性を開いてまた1つ見つかったのは、やってみるとこれまで知らなかった人工的に穴を開けると急激にチムニーが成長する。黒鉱が成長するということがわかったので、これはすごいということで、養殖したら資源がとれるんじゃないかみたいな特許まで発展しました。
更に人工熱水を使うと、実は深海熱水は発電しているということもわかってきて、実際に人工熱水を使った発電というものを特許にして、特許にするだけではなくてさらに、「翼よ!あれが深海の灯だ!」というちょっととってつけたような計画ですけれども、深海に光をともす、世界で初めて深海熱水によるLEDランプを点灯させました。
このようなことをしてきて、掘削でいろいろな人為的な影響を与えると、その後調査の幅が広がって、これは実際は僕らではなくても、AUVを使う方々が伊平屋北全面を調査することによって、人為的掘削が与えた影響を一発で知れるようにするという研究にも結びついています。
このようなことがあって、実際には、非常に高価でなかなかさせてもらえない「ちきゅう」による掘削が、2回も3回も行われるようになった。海のジパング計画というSIP計画ができるようになったということがあります。
これは前例がない20年の深海探査ストーリーと言えるわけですが、きっかけは僕は伊平屋北に最初に潜ったときの直感と感動をすごいと思って、日本初の熱水博士、石橋純一郎氏を連れ込んで一緒に潜って、ここに深海研究の未来があると思ったことがきっかけだと思います。そのために科学掘削計画を決意して、いろいろな研究をやったし、掘削して、その調査が新しい分野を開き、資源ブームを招き、いろいろな探査分野、探査機器が集結したという20年のストーリーです。
本当に個人的には、有人潜水船による自分が潜ったときのモチベーションが始まりであります。これは客観的ではなく真実です。間違いなく真実です。
インド洋でも同じことを言いますが、こちら側はやや省略でいきます。
インド洋には、5つの熱水がこれまでに見つかったんですが、そのうちの3つは日本人が見つけています。有人潜水船で、「白鳳丸」、「よこすか」だとかいろいろな日本の探査船の協力の結集によって、インド洋探査が行われていました。我々のグループでは、かいれいフィールドというところで、独自の熱水生態系を発見したのが2001年です。ここからいろいろな分野に一般化してきました。
特に、最近のヒットはアストロバイオロジーへの拡張だとか、生命起源研究というところがあるんですが、このたった1つの熱水で見つかった現象がなぜここまで拡張していったかというところに、やはり同じように最初に有人潜水船で潜ったときの直感がある。このように独創的な科学議論とか、あるいは拡張というときには必ず多大な動機づけが必要で、やはりそれは自分が潜ったという感動と直感に非常に支えられてきたと考えています。
ここから、ちょっと有人潜水船の役割みたいなことを考えたいのですが、実はマスタープラン2014を通してきた経験があるんですが、日本学術会議でFull Depth有人潜水船の建造と超深海海溝生命圏の研究というもので通したんですが、この中で非常に議論がありました。有人潜水船は必要なんですか。あるいは、利点はないと、これはJAMSTECでも結構あるんですが、例えば有人潜水船の持っている機動力というのは、Full Depthにおいては有効ですよとか、実際にそのとおりなんですけれども、機動力とサンプルリターンが同時にできるのはこれしかないし、実際にこの質問の中でよく言われることは、有人潜水船でしか成し遂げられない科学成果はあるんですかとか。あるいはそれを例証・証拠で示してくださいと言われても、無言にとなっちゃうんです。当然です。ないんだもの。
でも、これは確実に言えることですが、ないんです。有人潜水船でしか成し遂げられないわかりやすい研究例なんかないです。効率という点ではいろいろ論点はありますが、みんな研究者が言っていることですけれども、アウトプットされる科学の表層的なもの、特に論文の数とか、量はそんなに変わりません。
逆に言うと、ROVでしか成し遂げられないものはないんですが、ですから、科学を表層的、短期的な観点だけで判断すれば有人必要性はない。これはもう間違いないと僕は思っています。
科学技術基本法第1条、一番重要なところですが、書いてあります。我が国における科学技術の水準の向上を図り、もって我が国の経済社会の発展と国民の福祉の向上に寄与するとともに、世界の科学技術の進歩と人類社会の持続的な発展に貢献することを目的とする。この法律の持っている部分、科学というのが論文とかそういう非常に薄いところではなくて、我々国民の科学的なことによる福祉の向上、進歩、持続的な発展に寄与する部分が大きいということを我々科学者が実際には認めているということを言っております。
それを説明するのに、1つ言いたいのは、今までは有人潜水船のメリットを探していて、実は重要なのはもし我々が有人潜水船を失った10年後、20年後、50年後のデメリットを議論していただきたい。このデメリットはなかなか見えません。はっきり言うと、山崎直子さんのような有人飛行士がいなくなると将来の日本の科学・教育・社会のデメリットをもっと我々はちゃんと認識しないといけないということです。
その鍵となるコンセプトが山崎直子=長嶋茂雄説、有人潜水船ですね、わざと間違えたんですが、ということです。
皆さん御存じのように、高齢の方が多いので、長嶋茂雄のことを語るまでもない。ナンバーワンではないが、無二のヒーロー、アイドル、カリスマです。ここぞのときには最高のパフォーマンス。これが王貞治というまた別の特性を持つ選手とシナジー、その人間性とパフォーマンスがプロ野球ファンを拡大させ、発展させて、後のより優れたプロ野球選手を生んできました。
長島茂雄を有人潜水船と読み替えればすっきりとした話になるということです。ここは特に反論はないと思います。
重要なのは、有人潜水船がどう必要だとか不必要ではなくて、次世代の深海探査ツールは打線で、チームです。要するに勝つためにどういうチームを組むか。これはよく2チャンネルとかでやるんですけれども、打線を組んだというのは有名です。実際に打線を組むとどう考えても有人潜水船は4番ファースト。もちろん1番から3番は機動力のあるAUV艦隊が塁上をにぎわせて、4番で返す。これが次世代深海探査ツールであるということです。あとはちょっと飛ばします。
結局トータルのチーム力なので、ヤンキースのように金があるんだったらガンガンやればいい。金がないんだったら、アスレチックスのようにマネーボールのようにやる。これが次世代探査の考え方であろうということです。
こういう状況を考えてください。9回の裏、チームは0-3で負けている2アウト満塁の場面。代打に出すときに鈴木尚弘なんか出しても仕方がないわけです。イチローも物足りない。長島茂雄でしょう。
要するにこのシチュエーションというのは、深海探査でもたくさんあって、本当のシチュエーションを簡単に説明させてもらいます。
2009年にインド洋に研究に行ったときに、1か月近く探査してきた苦難の連続でした。最後にどうやら新しい熱水が見つかりそうで、海況不順で1時間しか潜れないかもしれない。この状況でどうしますか。サヨナラ、調査は成功か失敗か。
2011年にお亡くなりになりましたけれども、玉木さんという僕が尊敬する研究者がおられるんですが、その方の決断は外国人すけっとでもなく、東大海洋研の偉い先生でもなく、ミスター「しんかい6500」の高井と言われたんです。大成功しました。
そのときに、大成功した僕以上に喜んでくれたのが、玉木さんで、長い海洋探査の歴史で、僕はこんなに感動したことはない。これが有人潜水船の良さだね、サイエンスの本質は感動です、と言ったことを僕は忘れられません。
同じように、問題提起をします。今のことは実際にあったことですが、15年後の深海探査。インド洋に「モウォール計画」という訳のわからない計画を立てていますが、これはインド洋のトランスフォームに超深海の断崖絶壁があり、そこにマントルが出ている。そういう調査があったとしましょう。水深7,200メートルにどうやらエウロパ型蛇紋岩熱水があって、最古の生態系と黄金スケーリーフットがいるかもしれない。このような状況で、残されたチャンスがもしあったとしたら、どうするんですか。
マルチ海洋調査船「かいびゃく」というのがあったとして、全ての深海探査機器が使える状態、何に使うといったときに、皆さんが最終意思決定者だったら何を選ぶか。
サンプルリターンよるAUV艦隊のじゅうたん爆撃なのか。機動力に欠けるけれども、チーム全員で見守ることができるROVなのか。リスク承知で、長嶋茂雄と長島茂雄的研究者を乗せて一発逆転を狙うのか。そういうところが次世代深海探査システムの1つの論点であり、有人潜水船の在り方の考え方かなと、具体的にはお話ししませんが、そういうところから攻めていきたいなと思います。
今後は、またスペックのときには呼んでください。必要なことはしゃべりたいと思います。以上です。
【道田主査】  ありがとうございました。
御質問、コメントはございますか。どなたからでも結構です。
【浦委員】  ちょっと若干スペックの話になるんだけれども、例えば伊平屋の熱水計画で生態系を把握したという話なんですけれども、そのときの空間解像度はどのくらいで調べて、理解できたというふうに言えるのかをちょっと教えてください。
【高井】  最終的なAUV投入する結果も含めてですけれども、もちろん最初の先行、回数を重ねたら大体自分の見てきたものの地図が書けて、イメージができるんですけれども、とは言いながらそれを共有するのはなかなか難しいわけです。自分の頭の中にあるあれを、結果としては最終的にはそれがAUVを使ったり、ROVのスキャンを使うわけです。そうすると、0.5センチとか0.1センチの解像度で1匹1匹の本当に小さな虫まで対応できるのが、AUVのを使っているんですけれども、そうするとフィールドベース、数キロメートルのフィールドが全部見えるようになるという未来が見えてきました。それは多分今後のやり方だと思います。
でも、そこに行くまでの過程というのは、頭の中でつくってきたものですけれども、ほとんど逆に言うと頭の中でつくってきたのとAUVでやるのは、そんなにずれていない。というのは、やはり人間の空間把握能力とか、優秀な人が潜れば、カスが潜っても全然駄目ですけれども、優秀な人が潜ればそれぐらいの空間把握能力と認知能力があるということも言える。
将来的にはそういうやり方でどんどん進んでいって、最初からここはいいぞとわかったところを4番バッターが攻めるということで、空間解像度はそのレベルです。それはもちろん10メートルコードからやれば落ちますけれども、それは選択です。
【竹山委員】  どれぐらいのどういうストラテジーでいくか何ですけれども、例えば微生物を見る場合に、どれぐらいの空間解像度があって、撮れているのかというのは結構難しいですよね。
【高井】  微生物はどうせ見えないから、大体大きな生物、偏食域。
【竹山委員】  そういうのを見て判断しているんですか。
【高井】  そうですね。例えば、僕らはこの前「うらしま」と「しんかい500」をダブル使いしたときは、200メートルで「うらしま」を走らせて、画像は見えないんだけれども、非常にファインな地形図をつくれば、大体チムニーとか見えるので、そういうところからいきました。
【竹山委員】  で、狙っていくと。サンプリングすると。
【道田主査】  ありがとうございます。そのほか何かありますか。
【浦委員】  最後の問題提起ですけれども、これは非常に重要な前提は、マルチ海洋調査船「かいびゃく」は全ての深海探査機器が利用可能と書いてあります。今の高井さんの説明だと、インドのドードーを見つけているのは「しんかい6500」しか行く手段を持っていない。ROVは持っていません。そういうふうな中で、これは調査作戦を変えるということなんですか。有人潜水船を持っているというのではなくて新しい作戦。
一言、私の方から言わせてもらえれば、ドードー溶岩大平原も最初に調べたのは2006年です。そこで、ドードー熱水フィールドがここら辺にありそうだということで、そういう下準備があったからこそできた。
【高井】  そのとおりです。
【浦委員】  そのことを忘れないで……。
【高井】  忘れてないです。まさしくそれが言いたい。
【竹山委員】  とても面白い発表をありがとうございます。文部科学省の会議にたくさん出ていますけれども、こんなに冗談がたくさん入っているスライドを見たのは初めてです。
今の質問と連動するんですけれども、求めているものは今ないものですよね。有人船というキーワードがあって、多分これからもしかしてつくるとするなら、有人船プラス今あるものをちょっと改良するというのではなくて、違うものをつくるしかないと思っています。そうしたときに、JAMSTECが持っている技術で十分できることなのか。
あと4番バッターは、多分御自分がなりたいと思っていらっしゃるというようなプレゼンだったんですけれども、これが20年後、有人船を持たない私たちはどうするかという話だったんですけれども、そうものが20年後にできているのか、どのぐらいのスパンでそういうものが開発できるのか、もしかしたら開発できたときにはリタイアしているかもしれないじゃないですか。開発するべきものと期間と求めているものがちょっと余りにもギャップがありすぎてわからなかったんですけれども。
【高井】  それを議論していただくのがこの委員会なので、別にあえて具体的なスケジューリング、プランをこの場で言う必要はなくて、まさしくそれを議論していただければいいなと思います。
言いたかったのは、打線を組むチームをつくることですから、我々がどういうチームをどういうチーム編成で、どういう予算でやっていくかというところを皆さんが任されて、文部科学省から任されているわけですから、それを本当にディスカッションしていただきたいなと思います。
個人的には自分が生きている間に4番バッターがいて、自分が4番に乗ってウハウハしたいというのが個人的な思いであって言わせてもらいましたけれども、基本的な考え方としては何を取捨選択するかというところも踏み込んでいかないといけないと思いますが、理想像はあれです。
【竹山委員】  今、こことは全く違うところで、今の日本の開発はAIとかロボティックとかそういうところが進化してお金を投入しています。そうすると、私なんかだと両方見ていくと、コラボがあってしかるべきだと思いますが、JAMSTECさんの中で深海だけに特化した話ばかりではなく、もっと日本全体のケースに普及できるようなフィードバックできるような考え方がないと、いつもJAMSTECの予算、JAMSTECという話になっちゃうんです。
だから、その中に有人船というのはロマンがあっていいんですけれども、もしかしたらアンドロイド型の新しいシステムというものが入ってくる、次元の違う考え方ができると思いますが、そういうところをまたちょっとワンクッションあるといいと思いました。
【高井】  おっしゃるとおりで、むしろ深海探査だけではなくて、海洋探査全体と非常にリンクしているし、最近はそういう研究もあって、アルゴと深海探査が結びついていい結果があったり、もう総合的にやっていかないと駄目なので、おっしゃるとおりです。ただ、深海の話をするとそういうふうになりますけれども、本当はそういう全体の中での考え方を是非議論していただけると有り難いです。
【道田主査】  そのほか何か。
【中野委員】  余りジャイアンツが好きではないので、できればランディ・バースの方が僕はいいと思います。
今、伺ったお話、この前、JAMSTEC2016で川口さんに聞いてきたので、駄目押しされている感じがします。でも、お気持ち大変よくわかります。有人潜水船、長島茂雄説、潜水船を失った10年後、20年後、あるいは50年後の日本の科学のデメリットがあるということで、これはまさにそのとおりで、僕はいつもいろいろなところで言っているんですけれども、立花隆さんが日本は有人宇宙開発なんかやる必要がないと、有人宇宙開発無用論を出して、「はやぶさ」みたいなものをバンバンやれと言っているんですけれども、じゃ、50年後、あるいは10年後でもいいですけれども、他国がどんどん月面に行ったり、有人輸送システムをつくって動いているときに、日本が「はやぶさ」で月に行きました。「はやぶさ」で何々をやりましたということで、日本人は果たして耐えられるのかと。僕はこちらの方がはるかにさびしい思いをするだろうと思います。
だから、ここで細かいスペックについて話し合うとか、僕自身の知識は全然ないですから、それはできません。でも、それよりもこういうものを進めるんだということがもっと広いスタンスに立つと、だから有人宇宙システムが必要、やはり宇宙は自分の足で行かなければいけない、というところに広がっていってくれることを僕は期待しています。ある意味、JAMSTECのふんどしで相撲をとるみたいに言われますけれども、そういうものが今は引っ張ってくれるものがこの国にはないんじゃないでしょうか。細かいスペックの話ではなくて、むしろそういう全体像としてこの国の科学をどうするのかと、そこの部分に行ってほしいなと思っています。ちょっと何か抽象的ですけれども。
【道田主査】  そのほか何かありますか。
山崎委員。
【山崎委員】  貴重なお話ありがとうございます。私もいつも有人、無人ということに関しては、矢面に立たされている身です。
おっしゃっていただいているのはチームプレイの大切さだということに共感します。有人、無人でバサッと切れるものではなくて、有人探査船はもちろん無人のセンサーの働きがあってこそ生かせるものであり、また無人探査船にしても事前の有人ならではの探索みたいな行為があるから詳細な調査ができたり、と組み合わせています。いろいろな成果を共有しつつ、無人、有人とバサッと切るのではなくて、やはりトータルとして考えて、日本の深海の探査技術を深めていきたいなと、コメントなんですけれども、思いました。
【高井】  学術会議のFull Depthと宇宙探査はフロンティア人工物部会という川口淳一郎さんのところから出ています。あそこもいつもたたかれていて、今度の6月に学術会議で人文社会系も交えたフロンティア探査の意義という会議が行われるので、またそこでも有人、無人ということと更にそこに人文社会系がどうやって入っていくかというところまでディスカッションしたいと思っていますので、そういうところも含めてやっていきたいと思います。
【山崎委員】  よろしくお願いします。また是非意見交換をよろしくお願いいたします。
【道田主査】  ありがとうございます。
時間が押していますが。
どうぞ。
【藤井委員】  最後の長島茂雄説にちょっと追加なんですけれども、コメントです。長島茂雄説は、長島茂雄は長島茂雄の能力もあってああいうことができたんだと思います。やはりああいう存在になったのは、テレビの普及というのが重要で、映像化というのはとても重要だと思います。
先ほど来の議論で、やはり一般の方々の理解、あるいは浸透を図るには映像というものは欠かせないので、長島茂雄の映像を撮るということも是非含めて議論していただきたいと思います。
【高井】  長島茂雄をつくったのは、正力という怪物です。あの人がいたからできた。同じように今我々のJAMSTEC、例えば深海だとかROV、そういう映像だけに使うことはほとんどありません。科学目的のためにしか使いません。だからチンケになってくるんです。堂々とよさを広めるための使い方を全く許さない文部科学省の問題があって、そういうところから攻める方法というのは、藤井さんがおっしゃっていただけると非常に心強いなと思います。
【道田主査】  ありがとうございました。
力強い発表で、大変わかりやすい。非常に感銘を受けました。高井さんのロジック、押し進められる面があるのは確かです。それで進められればいいんですが、同時にそうでないロジックに答えざるを得ない場面がたくさんあるので、そこについてはこの先のスペックの議論等も含めて、詰めるべきところをちゃんと詰めていく議論をやっていくいい土台のお話を頂いたと思います。ありがとうございます。
3時までに終わらなければいけないということで、あと30分しかないんですけれども、3つのお話を踏まえて、それに関連する話でも結構ですけれども、残りの時間をこれまで勉強してきたことも含めて、次回以降に向けた議論の取っかかりをつくっていきたいなというふうに思いまして、委員の先生方には机上に配付していただいていると思いますが、浦委員から事前に質問状を頂いておりますので、それを参照していただきつつ、今後の議論の課題としたいと思います。
まずは、事務局の方からその他のことも含めて、御説明をお願いできますでしょうか。
【事務局】  机上配付資料をごらんいただきまして、浦委員からの質問事項を読み上げます。
前回の議論で、調査の意義は別にして、1)技術の伝承、2)人が行くことにより見えないものが見える、という2つの点が有人潜水艇をつくるべき根拠の重要部分になっていると感じました。JAMSTECからは大西洋の鯨骨の発見で人がいたからこそできたという発表もございました。そこで、今後、事務局又はJAMSTECから、上記2点について、次のようなデータ及び考えを、お示しくださるようお願いいたします。
1)技術の伝承
・「しんかい6500」において、我が国として伝承すべき具体的な技術としてどのようなものが挙げられるのか。
・「しんかい6500」の技術で伝承するものとしてどのようなものが挙げられるのか。
・中国はFull Depth有人潜水艇を2019年までに建造するとの情報があるが、このことについて、どのように考えているのか。
・現在、「しんかい6500」は支援船「よこすか」ででしか展開できないが、これの解決方策はあるのか。
2)人の関与
・これまで約25年間の有人調査において、ROV等の無人機ではなく有人機が関与したからこそできた成果は何なのか。そのような成果は、どのくらいあるのか。
・「しんかい6500」の需要、公募の応募は増えているのか。
・「しんかい6500」の潜航費用はどのくらいか。
・「かいこう」はかつてFull DepthのROVであったが、2003年にビークルを亡失した。その後、再建され、現在のものは最大潜航深度7,000メートル仕様であるが、その背景等はあるのか。
・UROVはJAMSTECが長く開発している遠隔操縦システムだが、それを発展させてFull Depthとすることで多くの調査が可能になると考えるが、可能性と問題点は何か。
ということでございます。
【道田主査】  読んでいただくとわかりますように、幾つかは先ほどのそのロジックに乗ってはいけない、という高井さんのお話に関連する御質問もありますが、これについて何かございますか。浦先生。
【浦委員】  特段ないですが、要するに技術の伝承ということを非常に強く言われているんですけれども、「しんかい6500」の建造は25年前です。あのときの非常に重要な技術はチタンの赤道溶接です。それは手で溶接したんですが、その後、その人は今はいませんから、その技術を伝承しようと思ってもできません。
それでロシアのチームでやっているようなやり方、半割りのものをつける。そういうものもあります。だから6500の技術の伝承は何なんですか。これは伝承しなければいけないというならそれを見せてくださいということです。これは非常に重要なポイントです。
先ほど、高井さんの話にもありましたように、今後はAUVとかROVができていって、そういった技術ももちろん「しんかい6500」からつくられてきたいろいろな技術があって、そちらの方でも使われているので、別段新たに有人船をつくらなければ「しんかい6500」の技術が伝承しないというわけではないということです。
私は、エンジニアとして、何を伝承するのかということを是非教えてもらいたいということが一番重要だと思います。
【道田主査】  今の質問事項、9つほどありますけれども、この中で、現段階で文部科学省、あるいはJAMSTECから御回答していただけるものはあるでしょうか。もしあればまずそれを頂いて、その後に議論をしたいと思います。
【文部科学省】  文部科学省から回答を申し上げた方がよろしいものについて御回答を申し上げます。
1)の3つ目、中国はFull Depth有人潜水艇、こちらは次世代深海探査システムを考える上で、諸外国の動向を踏まえることは十分に踏まえる必要があると考えておりますが、基本的に今回、参考資料3もありますように論点整理をさせていただいておりますけれども、重要な検討項目の1つでもありますが、深海探査システム全体、トータルの運用をしてどのような形が最適なのか、今後この委員会の議論を踏まえて検討を進めていきたいと考えております。
ほかの項目については、技術的な内容中心ですので、海洋機構からお願いできればと思いますが、よろしいでしょうか。
【JAMSTEC】  技術の伝承、重要なことだと浦先生が言われました。「しんかい6500」で約25年。「しんかい2000」を入れれば35年にわたりまして培ってきました有人船、さらには先ほど話題になりました事前調査機能等を含む各種の深海探査装置、機器を安全に母船と一体的なシステムとして運用する技術、あるいはますます高まる研究者からの様々なニーズ、それに答えるべく機器を改良、改造を進めてそれを実現する技術、我々業務を委託しているんですけれども、委託会社などとしっかり連携した上で実現する。さらには当然でございますが、安全の評価も含めた、そのようなことをしっかりと組み入れましたトータルな運用体系、そういったことであるべきだろうし、恐らくその中には、次の人材育成とか、いろいろなマネジメント、そういったものが当然入ってくる。そういう運用体系ということで、御理解いただければと思います。
具体的に2ポツになるんでしょうが、潜水船に関わる技術という形になりますと、今言った運用技術、もともとこの潜水船というものをデザイン、設計思想、そういうことではないかと、それは受け継ぐべき必要があるのかなと思っております。
もう少し具体的に言いますと、初めにまずしっかりと信頼性のある潜水船本体をしっかり建造する、あるいは洋上でその能力を最大に生かすための機能を持った新母船がしっかりと組み合わせる。さらにはそれらをサポートする陸上基地及び事前調査を実施する先ほど申しました様々なサブシステム、それらの組合せ、構築、このことを概念にして実際にそれぞれの運用段階で、維持発展させていく、そういうことだろうと。
その結果、我々、その最初のものがあったために、基本的には現在まで、先ほど申しました35年間、一応無事故で多くの研究者を「しんかい」に送り続けている、そういうことができていると思っております。
また、この間、「しんかい」本体というものは大規模、中規模、小規模、様々な改造、改良を重ねておりまして、当初の形よりは随分進化しております。例えば、具体的に言いますと、取水システムの大幅な改造、それによる運動性能の改善、操縦性の改善というものをしておりますし、蓄電池も大幅に変えております。システムも大幅に変えております。そういうようなことを実施しております。
これからということになりますけれども、長年の懸案でありましたが、今は2人パイロット、1人オブザーバーという形でございますが、1人パイロット、2人オブザーバーということにつきましても、これは国土交通省さんといろいろ調整し、併せてその後に様々な機能を補助、改善する必要があるんですけれども、一応そういうことをやるということで、やりたいと思っております。基本的にはそういうところの考え方を持っていたというふうに思っております。
【道田主査】  ありがとうございます。
事前に質問を頂いて、そんなに時間がたっていないので、そのほか具体の項目等についてはちょっと宿題にして、必ず次回には御回答いただくようにしたいと思います。
浦委員からの質問に関連してもしなくてもいいですが、今日のお話も含めて、全体的なことで何か先生方から御意見がありますでしょうか。
特に、近い将来に見えている技術の組合せでできるラインナップ、もう一段、9,000メートルのFull Depthの話がありましたが、そういったところもこの委員会でどこまで扱うのかということがありますが、ちょっと先の絵も描いておく必要が多分あると思いますが、そういったことも次回以降議論していきたいなと思いますが、今日の時点までに委員の先生方から何か全体的なことで御意見がありましたらそれぞれお願いいたします。
【西山委員】  技術の伝承について伝承すべき技術は何か、深海探査システムについて整理して、教えていただきたいと思います。
深海探査システムは推進器、制御装置、バッテリーなど、いろいろなものから構成されていると思います。それぞれがどのレベルにあるんでしょうか。例えば、6,500メートルまではいけるけれど、1万メートルまでいく技術は既にあるとかないとか、これから開発しなければいけないとか。コネクターもそうかもしれませんし、電池についても、もう既に使っているのかも知りませんけれど、リチウム電池を使うのか。要は、各項目をブレークダウンしていただいて、伝承する技術はこうです。これは既存の技術で伝承するほどでもないとか。その整理がないと、技術を伝承しましょうといっても、何を伝承するのか。どういう人たちを養成していくのか、その辺がよくわかりません。
ハードウェアとソフトウェア、更にシステムインテグレーションがありますので、説明していただくのが良いと思います。
【道田主査】  御指摘いただいたとおり、浦先生のペーパーにも多分そこが記載されているんだと思いますが、システムとして伝承していくという御回答だったんですけれども、それぞれの要素技術がどういう状況なのかということについては、おっしゃるとおりです。
時間もないので詳しい話は結構ですけれども、今の御質問に直接お答えになれるような何かまとめた御回答がもしあるようでしたらお願いして、もしないようでしたら次回の宿題にしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
【JAMSTEC】  できればまとめて次回でお願いしたいと思います。
【道田主査】  ということでありますと、有人の「しんかい6500」があって、25年を迎えたというのがこの議論のきっかけになっているわけですので、が御指摘のとおり、それぞれどういう要素技術がどういうレベルなので、どこが伝承するべきなのかということについて整理したものを御報告していただきたいと思います。
そのほか何かございますか。
【織田委員】  この機会にあえて確認させていただきたい点を申し上げます。もし場違いの質問でしたら申し訳ないのですが、今までいろいろ議論させていただいた中で、何の目的で深海探査を行い、今後何を求めるのかという点は、個別テーマによって随分違うことを認識しました。一方、本委員会の在り方ですが、「しんかい6500」の後継機をつくるかつくらないかを中心に議論し、それ以外の議論は余り必要ないということなのか、あるいは、深海探査の在り方と意義を幅広く議論するのかという点については、どう捉えたらよろしいでしょうか。
今後の深海探査の目的、将来何を目指すかという話はまだお聞きできていないように感じます。また、将来の調査については、最新技術を駆使したROVやAUVの活用も含めた新しいチームをどのように編成して調査を実施すれば、日本が世界をリードできるというような話もお聞きできれば有り難いと思います。率直な感想を申し上げますと、このような話がまだお聞きできなくて残念だなと思います。
この先、10年、20年、30年、日本が深海調査を実施していく中で、日本が世界をリードできるイノベーションがあるとか、将来の技術を使ったらこういうチーム編成が可能になるとか、今までにない新しい日本の研究体制ができるのではないかなど、その辺のヴィジョンを是非聞きたいと願っています。
今までのお話で伝承が重要なこともわかりますけれども、例えば自動車であれば、近未来の自動車は、昔の自動車とは大きく異なり、人工知能とかIoTを駆使して、人が運転しなくても、世界中の自動車を安全に動かせるようなイノベーションを目指した開発が進み、その実現が近いというような世界があるわけです。深海調査についても同じようなことを考えている人達は世界にいるだろうし、日本が従来なかった新しい技術や発想で世界をリードしていくというようなことが思考できるのであれば、イノベーションを起こせる可能性が在るように思います。
かなり議論がしてしまうので、それはこの委員会の在り方と違うという話なら、ちょっと考えなければいけませんが、まだこの先、委員会が何回かあるということを考えますと、そのあたりをもう少しいろいろ比較検討できると有り難いと思います。
また、個別テーマでは、例えば海底熱水鉱床の話から出ました。海底熱水鉱床を発見して何に興奮するかという点は人により異なるわけですが、産業界の目から見れば、海底熱水鉱床の商業開発には大変期待しており、何に興奮するかといえば、資源量と品質です。
例えば、海底熱水鉱床には銅が含有されていますが、陸域の銅の可採埋蔵量は、約35年~40年と短く、現在採鉱されている銅鉱石の品質はどんどん劣化しています。銅が枯渇すると大変なことになりますので、海底熱水鉱床が将来、陸域の銅資源の代替になりうるのか堂かという点は重要です。すなわち、海底熱水鉱床の開発プロジェクトにおけるネット・プロジェクト・バリューが重要で、商業採算性が確保できるかどうか、要するにもうかるかもうからないか、がポイントです。
銅の含有量が10%ぐらいある海底熱水鉱床が、ここに1,000万トン以上、確実にありそうだという話なら大変興奮するのですが、2%程度ですと、海底の採鉱コストや海上への揚鉱コスト、年間操業日数等を考慮すると、残念ながら陸域の0.6%程度のプロジェクトには経済採算性で勝てないので、産業界がリスクマネーを投入して開発するところまでには至らない。
一方、どうして日本の海底しか資源調査をしないのですか、という純粋な疑問も生じてきます。例えば、鉄鉱石の鉱山を開発する場合、日本だけしか資源調査をしないということはあり得ない訳で、世界で最も競争力のある鉱山を発見して、商業開発するのがセオリーです。
海底でも、例えばイノベ―ティブな新しい小型AUVを使う調査チームがJAMSTECに何チームもできて、これらのチームが.トンガ、パプアニューギニア、ソロモン諸島とか、太平洋島しょ国のいろいろな国と海外協力しながら調査をした結果、商業的に有望な海底熱水鉱床が見つかりましたという話が出てくると、途端に産業界が注目してくるわけです。銅含有量10%という鉱床があるかないか、これはチャレンジですからわかりませんけれども、6~7%程度の海底熱水鉱床は既にパフアニューギニアの海底で発見されています。
新しい技術を使った新しい調査というイメージがこの委員会の中で出てきて、その中で、よりいい方向に行くにはどうしたらいいかという議論をすることが可能であれば、非常に有り難いと思います。このような話が抽象的では困りますが、何か具体例みたいなものを紹介していただき、将来、例えば、10年~30年後にわたり、世界をリードする調査や研究開発の在り方みたいな話ができると大変有り難いと思います。少し長くなり恐縮です。
【道田主査】  そういう話が聞けるかどうかは別として、少なくとも議論の対象であることは確かです。
上の分科会から与えられる課題は、次世代深海探査システムの深海探査システムを検討するんですけれども、そのきっかけは「しんかい6500」が25年を迎えたということでありますけれども、必ずしも有人機どうのうという話ではない。それを超えた話をしようとしているということですので、それに向けたお話を今日は高井さんからも頂きました。
チームとしてどういうものをつくるのかということを産業界からのニーズも頂きつつ、つくっていくというのが役割になっているかと思います。
何のための深海探査かということですけれども、もちろん防災、資源、サイエンス、産業利用等々ありますけれども、そういったことについてこれまでどういう成果があったかという観点からプレゼンを頂いているわけですけれども、それを踏まえて、どこまで将来を見据えた話ができるかというのは、私の能力もありますが、ここ数十年程度を視野に入れて、あるべき姿というものが本当にできればいいなと思っております。
そこの中に、先生方の御意見をうまく反映できるように、あと何年かかるかわかりませんけれども、ペーパー的なものにまとめていきたいと思っているところです。
文部科学省から何か補足はございますか。
【文部科学省】  議論の走りは、ポストしんかい6500をどうするのかから始まっておりますけれども、深海探査システム委員会という形でやったのは、深海探査システムの在り方をどうしていくかということを広い意味で議論していくということを想定いたしまして、そのような形で準備をさせていただきまして議論を進めさせていただきたいと考えて設置したものでございます。
どこまでの期間、範囲というものは今後の時間、まとめの内容によっても変わってくるんですが、できる限り取り入れてやっていきたいと考えております。引き続き、よろしくお願いいたします。
【道田主査】  今のような観点で、広い観点で忌たんのない御意見をいただければできる限り反映するという姿勢でおります。
何かそのほか先生方、全体的なことでコメントはございますでしょうか。よろしいでしょうか。
時間が迫ってきておりますが、今、まさに織田委員から全体を見据える方向性についての議論に関するコメントを頂きましたので、そういったことも含めて次回以降の検討を進めてまいりたいと思いますが、今後の予定、あるいは議論の取りまとめ方、方向性等について事務局からよろしくお願いします。
【事務局】  今後のスケジュールについて御説明させていただきます。
次回以降の開催状況でございますが、資料4の方にまとめさせていただいております。ごらんください。
6月20日、月曜日、15時から。更にその次の回は、7月1日、金曜日、13時からということで日程調整をさせていただいておりますので、よろしくお願いします。
次回は、西山委員より深海を含む極限環境における技術が産業にどのように活用されているのか。次世代深海探査として、産業界はどのような技術を期待しているのかという観点で御説明を頂きたいと考えております。よろしくお願いいたします。
また、本日頂きました意見を踏まえまして、文部科学省、JAMSTECより頂いた意見について具体的な資料を用いての回答という形で進めさせていきただきます。
また、これまでの議論のまとめやポイントを整理させていただきまして、次世代深海探査システムの方向性について議論をする予定でございます。
以上でございます。
【道田主査】  という御説明ですが、最初の回で論点整理のペーパーを配付いたしておりますけれども、それを踏まえて、それと今日も広い視野の御意見も幾つか頂いておりますので、それを含めて、私と事務局の方と相談させていただいて、次回までに時間がありますので、ポイントの整理を試みて、次回の議論を有意義なものにしていきたいなと思っています。
進め方その他について何かご質問はありますか。よろしいでしょうか。
御了解いただいたということにいたしまして、今日は3回目、これで終わりますけれども、次回、次々回ぐらいに議論を頂いている方向性が明確にできればいいなと思っておりますので、委員の先生方引き続き御協力をよろしくお願いいたします。それから、事務局、JAMSTECの方々に幾つか作業等をお願いする場面があるかと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
3時までにここをあけろということでしたが、5分前に終わることができまして、特にないようでしたら、これをもちまして本日の会合を終了させていただきます。
先生方、お忙しい中、ありがとうございました。
【事務局】  本日の資料につきましては、後日ホームページに掲載いたします。
本日の議事録につきましては委員の皆様に御確認いただいた後、掲載いたしますので、よろしくお願いいたします。
【道田主査】  ありがとうございました。
特に、浅野さん、お忙しいところありがとうございました。大変参考になりました。
では、これで閉会いたします。お疲れさまでした。


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