海洋科学技術委員会(第1回) 議事録

1.日時

平成20年8月21日(木曜日) 10時~12時

2.場所

文部科学省5階 5F3会議室

3.議題

  1. 海洋科学技術委員会について
  2. 海洋科学技術に関する研究開発に係る事前評価について
  3. その他

4.出席者

委員

今脇、長谷川、深尾、小池、平(朝)、田中、寺島、平井 各委員

文部科学省

生川海洋地球課長、山田海洋地球課長補佐、嶋崎海洋地球課長補佐

5.議事録

【今脇主査】  それでは、時間になりましたので、第1回の海洋科学技術委員会を開催します。

 きょうは暑いところ、お忙しいところご出席いただきまして、どうもありがとうございます。私、本委員会の主査を務めます今脇です。よろしくお願いします。

 議事に先立ちまして事務局の文部科学省研究開発局海洋地球課の生川課長よりあいさつをお願いいたします。

【生川海洋地球課長】  おはようございます。海洋地球課長の生川でございます。本日はお忙しい中、お集まりをいただきましてほんとうにありがとうございます。この海洋科学技術委員会でございますが、さきの729日に開催されました海洋開発分科会で設置された委員会でございまして、本日が第1回目の会議になります。設立の趣旨及びミッションでございますが、後ほどまた詳しくはご説明させていただきますけれども、今年の3月に策定されました海洋基本計画の中で、事前評価を中心とした海洋科学技術に関する推進方策については、科学技術・学術審議会の海洋開発分科会において一元的に検討を進めることが適当であると書かれたことを踏まえて、729日に海洋開発分科会でどうやって進めていくかということをご検討いただき、特に事前評価の部分については海洋科学技術委員会を設置いただいて、そこでご審議をいただくという形になったものでございます。

 それを受けての今回は第1回目の会議ということで、実際に登録をいただいたものについてヒアリングをいただいて、評価をしていただきたいということでございます。結果的には登録をいただいたのは1件ということでございますので、若干寂しい状況ではございますが、今後の進め方については内閣官房ともよく相談をさせていただきながら進めていきたいと思っております。

 私どもとしましては新規の施策をやっていくに当たって、この委員会におけるご意見を聞きながら進めていくということは非常に重要であると考えておりますので、ぜひ活発なご議論をいただければありがたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

【今脇主査】  生川課長、どうもありがとうございました。今回、第1回の会議ですので、最初に事務局から各委員の紹介をお願いしたいと思います。

【山田課長補佐】  それでは、海洋科学技術委員会の皆様のご紹介をさせていただきたいと思います。資料11です。こちらに全員の名簿が載っております。

 まず、今脇資郎委員、主査をお願いしております。よろしくお願いいたします。

【今脇主査】  よろしくお願いいたします。

【山田課長補佐】  それから、石田瑞穂委員。本日は欠席でございます。

 それから、長谷川昭委員。

【長谷川委員】  長谷川です。

【山田課長補佐】  深尾昌一郎委員です。

【深尾委員】  深尾でございます。よろしくお願いいたします。

【山田課長補佐】  磯部委員は本日お休みです。

 小池勲夫委員。

【小池委員】  小池です。よろしくお願いします。

【山田課長補佐】  平朝彦委員です。

【平(朝)委員】  平でございます。よろしくお願いいたします。

【山田課長補佐】  平啓介委員は本日欠席でございます。竹山春子委員も本日欠席でございます。

 田中則夫委員です。

【田中委員】  田中でございます。よろしくお願いします。

【山田課長補佐】  寺島紘士委員です。

【寺島委員】  寺島でございます。よろしくお願いいたします。

【山田課長補佐】  平井光行委員です。

【平井委員】  平井でございます。どうぞよろしくお願いします。

【山田課長補佐】  山室真澄委員は本日欠席でございます。以上でございます。

【今脇主査】  どうもありがとうございました。

 それでは、議事に入る前に事務局から資料の確認をお願いします。

【山田課長補佐】  引き続きまして、資料の確認をさせていただきたいと思います。

 最初に議事次第がございまして、資料11としまして、海洋科学技術委員会の名簿でございます。資料12としまして、海洋科学技術委員会の設置紙になります。こちらの資料は先月末の海洋開発分科会に案を提出させていただいたものですが、その場で議論がありまして、修正をさせていただきました。資料13としまして、海洋科学技術に関する研究開発に係る施策の事前評価の進め方について、でございます。資料21としまして、「地震・津波リアルタイムモニタリングシステム高度化」に関する資料でございまして、海洋研究開発機構よりご提出いただいております。同じく資料22でございますが、本施策の説明用の資料でございます。参考資料1としまして、平成20年度の海洋関連予算一覧表をつけさせていただいております。こちらは内閣官房の総合海洋政策本部事務局のホームページに掲載されていたものでございます。前回の議論で海洋科学技術の全体像がわからないというご指摘をいただきまして、我々でも何か全体像がつかめるものはないかということで幾つか探してみたのですが、なかなかいいのがなくて、ただ、こちらはオールジャパン、各省ごとの全体をまとめたものですので、この中から例えば似たような政策がないかといったことを調べるときの手がかりにしていただければと思っております。

 資料につきましては以上です。何かご不足の点がありましたら、事務局までお知らせいただければと思います。

 

(1)海洋科学技術委員会について

【今脇主査】  ありがとうございました。それでは、議事に移りたいと思います。

 議題1ですが、海洋科学技術委員会について、です。事務局からこの委員会についての説明をお願いします。

【山田課長補佐】  それでは、説明させていただきます。

 資料12をごらんいただければと思います。海洋科学技術委員会の設置についてです。先ほども説明差し上げましたとおり、7月末に行われました海洋開発分科会において、こちらの資料が提出されました。その際に、この海洋科学技術委員会については、海洋科学技術に関する推進方策の検討ではなく、事前評価を行うことにしたらいいのではないかということで、その部分について変更しております。

 まずは全体をおさらいの意味も含めて説明させていただきます。今年の3月に海洋基本計画が閣議決定されたわけですが、その中の第2部の7番、「海洋科学技術に関する研究開発の推進等」という項目があります。こちらの中に「事前評価による計画的な取組」という項目がございまして、ここに「海洋に関する研究開発を、政府として継続的に推進することができるよう、各種施策について事前評価を中心とした海洋科学技術に関する推進方策を構築し、計画的な取組を行う。このためには、海洋科学技術に関する推進方策については、総合科学技術会議の方針等を踏まえつつ、関係大臣に海洋の開発に関する建議等を行う権能を有する科学技術・学術審議会の海洋開発分科会において一元的に検討を進めることが適当である。」と記載されております。

 こういったことを踏まえて、内閣官房の総合海洋政策本部事務局とご相談をしながら、この科学技術・学術審議会の海洋開発分科会の中に本委員会を設けまして、ここでまずは事前評価を行っていこうというのを前回の海洋開発分科会で決定をしたということでございます。

 そこで調査事項としまして、海洋科学技術に関する研究開発に係る施策の事前評価ということで記載させていただいております。設置については以上でございます。

 続きまして、資料13を引き続きごらんいただきたいと思います。こちらも前回の海洋開発分科会に提出された資料でございますが、その後、各省等から意見もありまして、一部改訂させていただいて、委員の皆様に照会させていただき、8日付で改訂させていただいたものでございます。こちらにつきましては、「特に海洋基本計画に定める講ずべき施策を実現するために」というのを冒頭の4行目に入れていますが、こちらは寺島委員からのご意見で、海洋基本計画で具体的に書かれているので入れたほうがいいというので、反映いたしました。そのために関連施策の連携を強化するという観点を中心に事前評価を行うということで、以下に対象課題等について記載させていただいています。

 対象課題につきましては、729日付の資料では、翌年度に開始を予定する新規施策ということで書かせていただいたわけだったんですが、その後、各省等と相談させていただいたところ、これは総合科学技術会議でSABCの優先順位付けの対象となるものに絞ったほうがわかりやすいのではないか、という指摘がありまして、総合科学技術会議の書きぶりにあわせたものとなっております。

 (2)の継続施策につきましても、その下限を10億円以上のもの、ただし、総合科学技術会議における「最重要政策課題」とか「戦略重点科学技術」に係る施策は5億円以上というのも総合科学技術会議と同じスペック、スキームとなっております。

 さらに海洋科学技術の定義がよくわからないという話も他省庁からご意見をいただきましたので、それにつきましては「科学技術関係予算」、こちらは総合科学技術会議で取りまとめているものでございますが、それと「海洋関係予算」、こちらは総合海洋政策本部で取りまとめているものでございますが、こちらの両方に登録されている施策をいう形で定義させていただいております。この科学技術関係予算と海洋関係予算はともに各省の担当課から登録をいただくというものですので、その担当課に確認をすれば、海洋科学技術に該当するかというのがわかるという形にさせていただいています。

 評価の流れとしましては、各省から登録のあった施策について事前評価を実施しまして、最終的には海洋開発分科会で決定するということになっております。

 そして、評価日程のところですが、8月中下旬、委員会ということでヒアリング及び評価、ここに評価につき非公開ということで記載させていただいています。最終的には8月下旬に分科会における決定をいたしまして、内閣官房、具体的には総合海洋政策本部事務局、さらには内閣府、こちらは総合科学技術会議事務局でございますが、こちらに連絡して、手前ども事務局からも説明をさせていただくということでございます。

 留意点としましては、評価項目につきましては「国の研究開発評価に関する大綱的指針」に基づくという形にさせていただきたいということで、最後の3枚目に大綱的指針の抜き出しをさせていただいています。この観点から適切な評価項目を抽出した上で事前評価をしていただくということになっております。

 説明につきましては以上でございます。

 先ほどもちょっと申し上げましたが、参考1ですが、実際に各施策を事前評価するに当たりまして、特に連携という観点が重要ということで、先ほど13の資料にも書かせてもらっていましたが、これは新規施策だけなので、既存の施策がどうなっているのかというのがわからないと、全体像がわからないと連携というのが言えないのではないかという指摘を受けまして、このような形で一覧表をつけさせていただいたものでございます。参考にしていただければ幸いです。

 説明は以上でございます。

【今脇主査】  どうもありがとうございました。

 今、説明がありましたように、委員の皆様にはこの後、議題2で説明、質疑を踏まえて、その後、新規施策の事前評価をしていただきたいと思っています。事前評価表というのが配られております。これは後で評価表に記入していただいて事務局に提出というのがきょうの後半の作業です。その前に、今説明していただきましたこの委員会とか評価のやり方についてご質問、ご意見、何かありましたらお願いします。

 寺島委員、どうぞ。

【寺島委員】  この資料13の対象課題のところで質問なんですが、新規施策のうち1億円以上のものというので金額的な縛りが入っておりますが、これはこのように見ると、こういうものがあるのも当然かなと。海洋科学技術の関係の話ですので、ある程度の規模は当然必要なんだろうなと思いますが、ただ、ある意味で何か始めるときにはいきなり大きな予算をぼんと組んでやるというよりは、その前に予備調査あるいはフィージビリティスタディというものがあって、それでスタートするケースも結構あるんじゃないかなというようにちょっと感じまして、例えば、1億円以上のもので今回は1件だけで寂しいという話でしたが、1億円という縛りがなければ、もっとこういうものに該当するものはあるんでしょうかという、これは単純な質問なんですけれども。

【今脇主査】  私もそこは聞きたかったところです。事務局、どうでしょうか。この条件にかなわなかったけれども、この額がもうちょっと小さかったらこの対象になったような課題はあったんでしょうか。

【山田課長補佐】  各府省に対しては、そのような聞き方はしていないといいますか、まずスペックを決めてから照会をさせていただきましたので、各省が1億円より少ない海洋に関する新規施策を持っているかということは当方では把握はしておりません。ただ、先ほども説明申し上げましたとおり、実際にここで事前評価したことをどうやって使っていくかということを考えたときに、総合科学技術会議の優先順位付けの評価というものは、実際の予算とつながっていく話にもなります。ですので、そこにあわせて取り組んでいくのが重要という議論もありましたので、実際のこの評価がどう使われるかという実効性も考えた上で、現在のような形にさせていただきました。

【今脇主査】  小池委員どうぞ。

【小池委員】  この13で読むと対象課題というのは米印で示されているように、海洋関係予算、総合科学技術会議の科学技術予算ということで2つのリストに合わさって載っているものということで自動的に決まるわけですよね。それとこの上の定義によれば、新規で1億円以上ということなので、それも決まるんですけれども、これを全部ここでやるということを各省が皆さんそれでやりましょうということになっているのか、各省がやってくださいというのか、その辺はどういうようになっているんでしょうか。これ1件しか出てこないというのは、私は非常に不思議なんです。多分、両方のリストにダブっているもので、1億円以上のものはまだあるような気がするんですけれども、今回は全然ないんでしょうか。

【今脇主査】  もう1つ関連で質問ですが、この米印のところは概算要求が出たものじゃないですか。新規のものもここに含まれるんですか。

【山田課長補佐】  新規のものであっても対象になります。

【今脇主査】  リストにもう載っているわけですね。

【生川海洋地球課長】  実際には今つくっているという状況です。したがって、我々はまだわかりません。今後、9月になったら両方明らかになると思いますので、それを見比べてきちんと登録をしていただけたのかどうかというのを我々で確認をさせていただきたいと思っておりますし、これは各省にも、内閣官房も出席いただいて説明会をしています。内閣官房のほうからも言っていただいたのは、総合科学技術会議に登録をして、仮にこちらに登録をしなかった場合は、それについてはサポートしませんということを言っていただいております。したがって、それでこちらにきちんと登録をしていただくインセンティブを我々としても付与しているつもりなんですが、そこのところについてはきちんと後で確認をしていきたいと思っております。

【今脇主査】  小池委員。

【小池委員】  あと総合科学技術会議に出すときに、ほとんどのところは事前審査をやっていると思うんですけれども、ほかのところで出してきて、それでやって、事前審査はここでやるということが、課長がおっしゃったようにどこまで皆さんが了解というか、そうしていますとするのか、それとも各省でまたそれなりに事前評価をやってしまっているのか、その辺のところはどうなんでしょうか。

【生川海洋地球課長】  そういう意味では、このペーパーを各省にも合議をさせていただいております。前回の海洋開発分科会で決めていただく前にも一度合議はしているんですが、その後、再度説明会もやらせていただいて、よく相談させていただいた上でこういう形になっています。ですので、この方針で実施するということは各府省ご了解いただいていると事務局は理解しております。

【山田課長補佐】  ここで事前評価をすれば、内閣官房も含めてCSTPSABC評価をしていただくに当たって、CSTPでは必ずしも海洋の専門家ではないので、本委員会の海洋の専門家に見ていただいて、お墨付きをもらっていますという説明ができれば、予算要求上も各府省にとってもメリットだということを説明しております。

 そういうインセンティブ付与もしながら、このスキームをつくってきておりますが、一方で、今、非常に予算が厳しいので、文部科学省においてもやっと1件あるかというところであります。ですので、各省さんで1億を超えるような新規施策を海洋科学技術の分野でどんどん立っているという状況では必ずしもないのかなと思います。そういうことも含めて、今後の進め方については内閣官房ともよく相談しながら、今年のチェックをしながら来年度どうするかということは、引き続きご相談をしていきたいと思っているということでございます。

【今脇主査】  ありがとうございました。ここで評価を受けるインセンティブは非常に大事だと思いますので、今後もアピールしていただきたいと思います。

 ほかにこの議題1に関して。

【寺島委員】  関連してよろしいですか。

【今脇主査】  寺島委員どうぞ。

【寺島委員】  先ほどもちょっと言ったんですけれども、1億円というのはかなりの額でいきなり新規で1億円をぼんと出すというのは、今の予算の厳しい折には、まず各省の中でなかなか難しいんだろうと思うんです。ですから、これはこれでいいと思うんですが、それの予備軍を応援するという意味で、海洋基本計画には金額とか何とかはなくて、ああいう考え方でこの海洋開発分科会でとにかく事前評価をするという形で応援するということになっているわけですので、1億円が出てくる前の予備軍的なものについての目配りを今後の問題として頭に置いておいたほうがいいのではないかと思うんです。

【今脇主査】  ありがとうございました。小池委員、その他というのが(3)にあります。この分科会において評価することが適当と判断されたもの、これで上の1億にはいかないけれども、フィージビリティスタディをやろうとしているものをここで審査してあげて、それで進めて、ポジティブな評価をしてあげるというのも1つのやり方かと思います。フィージビリティスタディでその次に行こうということになったら、フィージビリティの後の施策についてはこの範疇に入るということですね。

【山田課長補佐】  それが別の施策として立てられた場合は、新規施策ということになります。

【小池委員】  ちょっとよろしいですか。今、寺島委員のおっしゃったことで、フィージビリティスタディで数千万ぐらいのものでも、もしその(3)を使えば、それを持ち上げて非常にいいプロジェクトだからというのでいけると思うんですけれども、問題はそのリストが事前に手に入るかどうかだと思うんです。少なくとも7月とか8月の段階でそれがないと、こちらとしても手の打ちようがないわけです。そこを事務局のほうでそこまでも含めて各省が考えられている海洋関係、科学技術関係の予算請求が把握できるかどうかにかかってくると思うんです。そのリストが出てきて、ここでそれを見させていただいて、これは話をよく聞いてということは多分できると思うんですけれども、そこはどうお考えですか。

【生川海洋地球課長】  現実問題としてなかなか難しいと思われるのは、役所のほうでの予算要求のプロセスは8月末ぐらいまでずっと検討した上で最終的に決めることになります。8月末の時点でやっと決まるという状況ではございますので、今の時点では各省庁さんに出せる見込みがあるかどうかという見込みで聞くしかないということです。来年度も各府省にご協力をお願いする過程で、どういうことを考えているか前広に出してくださいということでご相談をしていくということかなとは思っています。

【今脇主査】  ありがとうございました。その他というのを使ったら、ここの上の(1)とか(2)に当たらなくても、小型のものでも評価して、いいプロポーザルだったらそれを積極的にサポートする形になります。そういうこともあるので、省庁の人に(3)その他を使って、ここで審査をしてもらうということもできますというのを、インセンティブをつけながら説明してあげたらいいのではないかと思います。

【生川海洋地球課長】  今、主査がおっしゃっていただいたように、インセンティブをきちんと見せるというのも必要かなというように思っております。

 【今脇主査】  ありがとうございました。

 ほかにこの議題1に関して何かご発言はありますか。平委員。

【平(朝)委員】  各施策については、各省庁内部あるいはそれに関連した推進委員会とか、あるいは推進と評価のグループのようなものが存在している場合が多いと思うんです。それにプラス我々がここで評価するというケースのほうが多分多いのではないかと思うので、計画をやっていく上で、いろいろな施策が出てくる上で、それがどういうプロセスで、今まである意味で内部評価みたいなものを受けてきたのかというものも我々情報として知りたいなというようには思うんですけれども。

【今脇主査】  この省庁の中での内部評価ですか、それとも出た後。

【平(朝)委員】  出る前に、例えば各省庁の中でいろいろな施策の推進委員会をつくり、そういう情報が手に入るのかどうかということですけれども。

【小池委員】  文部科学省の中ですか、外ですか。

【生川海洋地球課長】  文部科学省の関係で申し上げれば、ライフサイエンス、ナノテクノロジー、環境といった分野では、海洋開発分科会とは別に研究計画・評価分科会という分科会がありまして、そこで分野別委員会というのをつくって、それぞれの分野に入るものについては、本スキームと同じような事前評価をやっております。ただ、文部科学省の関係の海洋の科学技術施策の審議については事前評価がなかったということだと思います。それが今回は行うような形になったというのはあると思います。

 各府省がやられているものについて事前評価を別途の形でやっているかどうか、そこまで確認はしていないので、今の段階ではやっているかどうかよくわからないということです。

【平(朝)委員】  できるだけそういう情報も集めていただきたいということです。

【小池委員】  今、事務局の話されたことで、文部科学省で分野別の委員会があります。総合科学技術会議に出すときにこの(1)(2)に該当するものに関しては、どこかの分野別の委員会で、ここ数年はやっていたと思っていたんですが、例えば海関係でもその中のどこかに入れて出していたような気がするんですが、そうではなかったですか。そういうのは全然出さないで、直接、総合科学技術会議に出たものはありますか。

【生川海洋地球課長】  おっしゃるように環境科学技術委員会というのがありますので、環境の絡みのものはそちらで評価をされているということはあると思います。海は基本的にはフロンティア分野ですが、フロンティア分野においては、基本的には宇宙は宇宙開発委員会があるんですが、海洋についてはそういった分野別委員会に相当するものはなかったので、若干おくればせながらここでつくって、今回評価をするということなので、そういう意味では重要である、意義があるということだと思います。

【平(朝)委員】  質問した意味、いろいろなところでいろいろな評価が行われてきたと。今回この海洋科学技術という旗印のもとにいろいろな施策の評価を行うというときに、今までとどういう違う視点で行っているのかといったときに、海洋基本法ができて、海洋基本計画というものがつくられて、それを奉ずる上で先ほど寺島委員から大きな題目がついたということですけれども、その海洋基本計画を実施する上での基本的な評価という視点が大事なのかなと思うので、そこのところは海洋開発分科会としては確認しておきたいということです。

【山田課長補佐】  まさに平委員おっしゃるとおりでございまして、海洋基本計画ができた趣旨は、海洋関係でも環境に関連したりライフサイエンスに関係したりとかいろいろな分野に関係するというのはありますけれども、そういうのを一つにまとめて総合海洋政策本部というのをつくって、海洋基本計画をつくって、オールジャパンとしてまとまっていこう、というのがこの海洋基本法の趣旨であると理解しています。その意味では、こちらの海洋開発分科会も海洋という観点でまとまっているものでございますし、海洋基本計画に位置づけられたということもありますので、事前評価を行っていくということは重要であると考えています。

【今脇主査】  ありがとうございました。資料13に「特に海洋基本計画に定める講ずべき施策を実現するために」という一文を入れたところをもう1回確認したということだと思います。

 ほかにこの議題1の海洋科学技術委員会について、何かご発言はありますか。

 ないようですので、これで議題1は終わらせていただいて、続いて議題2の海洋科学技術に関する研究開発に係る事前評価について、に移りたいと思います。

 

(2)海洋科学技術に関する研究開発に係る事前評価について

【今脇主査】  それでは、最初に進行について事務局より説明をお願いします。

【山田課長補佐】  それでは、説明させていただきます。

 本日、事前評価をお願いしたい課題は1つでございます。文部科学省所管の海洋研究開発機構から1件登録がありました。まずは事業主体のほうから施策について説明をしていただき、その後、質疑応答、それから審議というように進めていきたいと考えております。

【今脇主査】  ありがとうございました。

 ここで皆さんにご相談したいんですが、今回のこの課題は私自身が所属しています海洋研究開発機構から登録されたもので、私がこの場にいると評価の信憑性に疑念を持たれる可能性があります。この議題の評価については、私は参加しないで退室したいと思います。それから、同じく海洋機構に所属されている平委員からも何か、同じような立場でありますか。

【平(朝)委員】  一般論としてコンフリクト・オブ・インタレストの場合にどのようにするかということをルールとしてこの委員会で決めていただいてから、個別の対応に移ったほうがいいのではないかと思うんですけれども、私としてはこれを発表することに関しては、我々がほかの委員の先生方のある意味で情報のソースにもなるわけですから、発表のところには同席しても構わないんじゃないか。その後、我々に対する質疑応答等がもし初めになければ、それで退席して、評価等々をやっていただくということで、COIの一般的なルールはそのようにすると。関係者は発表の間はいてもいいと、しかし、利益誘導的な質問とか、それは一切許されないと。

【今脇主査】  黙って聞いていると。

【平(朝)委員】  黙って聞いている。

【今脇主査】  何か質問されたら。

【平(朝)委員】  もし機構に対する質問等々があれば、それは答えることはできると。その後、退席すると。

【今脇主査】  今は一般論で、コンフリクト・オブ・インタレストの人がどういうように参加したらいいかというので、小池委員、どうぞ。

【小池委員】  私は最近いろいろな審査のあれが非常に多いんですけれども、JSTにしろJSPSにしろ、一般的なやり方は、課題が複数あって、発表から質疑応答も含めて退席して、それが終わったら出てくるという形でやっているのが普通です。どこも大体同じやり方です。ただ、その場合は事前評価とかではなくて、点をつけて通すか通さないかの議論ですから、もう少し話はシビアなんです。この事前評価というのが今言った利害相反の観点からどこまで厳しくやるべきなのかというところはちょっとよくわからないんです。ですから、その辺、事務局のほうはどう考えられているのか。

【田中委員】  他の省庁等々の先例やこういう場合の扱い方についての何か一定の約束事があれば紹介していただければと思うんです。

【山田課長補佐】  文部科学省の中においては、実際にその評価する課題に対して、そこに関係する部署の方がいらっしゃる場合は、ご退室いただくということが一般的であると聞いています。ただ、その退室のタイミングの議論を今されていると思いますが、そこについては特段何かここでというきっちりとしたところまでは、当方で十分情報を得ておりませんで、そこは逆にご審議いただくということでよろしいかと思います。

【生川海洋地球課長】  私自身は振興調整費を担当してきたことがあるんですけれども、本来であれば利害関係の範囲とかも含めて、きちんとペーパーをつくっておくということが本来必要だったのかなと思っております。次回やるときにはきちんとそういったものもつくった上で、どういう範囲であれば利害関係とみなされて、どういう対応をするのかというのを本来であればきちんと決めておくことが求められるということだと思うんですが、一般論としては、対象の機関に所属する者は利害関係に入るというのは通常の整理でまずあります。

 そのときの対応なんですが、先ほど小池委員がおっしゃったように、通常やっているのはプレゼンテーションから最後まで外れるということではあるものの、ただ、その趣旨は何かというと、関係者がいると自由活発な議論ができないのではないかということでありますので、厳密に言えば、そこのところだけ外れていただければいいんじゃないかという考え方も当然あり得ると思います。ですから、そこはむしろこの委員会でどうするかということでコンセンサスを得ていただければ、それに従ってやっていただくということで構わないと考えています。

【今脇主査】  ありがとうございました。ほかの委員の方でこの件に関して何かコメントはありますか。平井委員。

【平井委員】  私はこの会の事前評価の趣旨は海洋基本計画に定める講ずべき施策を推進するというもう少し広い立場から意見を言うべきものだと理解しているので、厳密にこの課題についてはこの方が退席するとかということを定めなくてもいいのではないかという考えを持っています。特に、いろいろな各省庁の施策の予算においても、実際には課題を推進する場合には大学の先生方に入っていただいたり、省庁連携で組んだりするのも結構多いので、どの課題がどの先生が利益相反になるのかというのを限定するのもまた難しいと思っておりまして、あまりそこを厳しくするのがこの会合の評価の趣旨ではないと考えておりますので、特別そういうことを定める必要はないのではないかと考えております。

【今脇主査】  今のご意見は、それをやると、全部何か関係しているという課題もそのうち出てくるのではないかということですね。どうぞ。

【田中委員】  私も今ご指摘いただいた点とほとんど同じことを申し上げようと思いました。点数をつけてここで何か採否の結論を出すレベルの会合等であれば、確かにその段階での退室というのは不可欠だと思いますが、趣旨あるいは事業の内容の説明をしていただいて、他の委員が勉強するためにも、関係者の方にはおいでいただいたほうがいいこともたくさんあると思いますので、先ほどご紹介いただきました慣行、退室のタイミングは一定考慮、尊重していただきながら柔軟に対応されれば良いのではないかと思います。

 あと1点つけ加えれば、先ほどもご指摘いただきましたけれども、利害関係者とは誰をいうのかというのは実は難しい問題だと思いますので、その辺も柔軟にお考えいただいていいと思います。

【今脇主査】  ありがとうございました。寺島委員。

【寺島委員】  事前にいただいたのでいろいろな評価項目があってというのを見ますと、議論をして済む、あるいは応援団としてやるという以上のもうちょっとかちっとしたものがあるのかなというようにも思ったんですが。そもそも事前評価というのは何をやるのか。こことして総合科学技術会議に説明をするということであれば、やはりそれなりに利害関係者のお手盛りと言われないような形のものは出す必要があるのではないかなというように思います。

 ただ、今、両委員から出たような形でいいものをちゃんと客観的に議論して、その結論を出すということで、ある程度自由にいろいろな人が参加して議論するということも必要ではないかというのもそれなりに意味があるように思うんです。ですから、決めることに関しては参加しないけれども、議論には参加するという方向で詰めたらいかがでしょうかというのが私の意見でございます。

【今脇主査】  ありがとうございました。小池委員。

【小池委員】  以前、国家基幹技術の事前評価で、最初のメンバーを出したときに、総合科学技術会議のほうから関係者が含まれているので、これはおかしいというコメントがついて、次に構成員を変更した経緯がございます。結局、本委員会での事前評価はかなりフォーマルなもので、どういう人たち、コミッティーで評価しましたということになりますので、かなり型式が非常に重要視されると思うんです。ですから、そこはきちんとやらないと、せっかくこちらとしてはサポートしているつもりが、逆にネガティブな印象を与えてしまうというのはやはりまずいと思うんです。ですから、先ほどの活発な議論をするというのと評価というのは分けたほうがよくて、あまり疑問が持たれないような形で評価は評価としてやると。多分、そうしないと後々、何のためにやったんだということになってしまうような気がするんです。

【今脇主査】  ありがとうございました。お手盛りと見られないようにという観点ですね。長谷川委員どうぞ。

【長谷川委員】  今のご意見を私もサポートしたいと思うんですけれども、外から見てきちんとしているという印象を与えないと、何のためにやっているのかわからなくなってしまうと思うんです。

 それともう一方で、先ほど平委員がちょっと言われましたけれども、情報のソースとしていろいろな情報がわかっていますので、そういったことを提供していただくというメリットがあると。このメリットを生かすというだけに終わらせればいいんだろうと思うんです。評価にかかわる議論には参加しないという形にしておけば、外から見てきちんとしているという印象を与えると思うんです。実際は参加していただきたいんですが、外から見てきちんとしているというものを持っていないと、せっかくやった努力がむだになるような気がして、そういうのがいいんじゃないかと思います。

【今脇主査】  ありがとうございます。深尾委員、何かありますか。

【深尾委員】  私も今、長谷川委員がおっしゃった、あるいは小池委員がおっしゃったご意見に全く賛成でございます。

【今脇主査】  ありがとうございました。

 それでは、利害関係者の定義はまた後でつくっていただくとして、少なくとも提案している機関の所属の人はこの評価のところでは外れると。説明のところでその人が積極的に言うのは禁止しておいて、質問があったら情報提供するという機会は設けてもよいんじゃないか。説明のときから退席しますと出て、私はそうしたいんですけれども、そういう人もそれは本人がそうしているのでいいんではないかと思うんですが、どうでしょうか。

【小池委員】  私は先ほど平委員が言われたみたいにプレゼンテーションは構わないと思うんです。ただ、その後の質疑になるとこれは評価なのか何かわからなくなってしまいますので、その最初のプレゼンテーションだけは退席されてもいいし、残っていただいてもいいし、でもその後の質疑応答に関しては外れるということにしないと。

【平(朝)委員】  初めにそのプレゼンテーションの後に、今のプレゼンテーションプラスアルファの情報として各委員から海洋機構等々に質問等々があれば、それを我々として答えられる範囲で答えて、一種のプレゼンテーションプラスアルファの情報は集めるところはおしまいと、その時点で我々は退席すると。

【今脇主査】  まとめると、最初のプレゼンテーション直後に質問だけに限って受け付けて、その段階までは情報提供できるんだったらすると。その質問が一段落したらもう終わると。

【小池委員】  ただ、それはたまたま委員がそこの出すところにいるからという話になってしまっていて、その話はプレゼンテーションの側になるわけです。

【今脇主査】  そうですね。プレゼンテーションを助けることになる。

【小池委員】  助けるほうの側になってしまうので。私はそれはやめたほうがいいんじゃないのかなという気がしていて。

【今脇主査】  そうすると説明のときからもういないというのがすっきりしますよね。いても役割がない。

【平(朝)委員】  そうですね。

【今脇主査】  座っているだけで。

【小池委員】  頑張りなさいということがあるでしょう。

【平(朝)委員】  我々はどっちでも構わないと思うんですけれども。

【今脇主査】  ちょっと小池委員の言われているのがよくわからないけれども、質問のときにもういないんだったら、残っている人も説明をただ聞いているだけですよね。それはあまり情報は伝わらないし、あまり役割がない。

【小池委員】  私が質疑のところでそれが評価とわからなくなってしまうというのは、やはり質疑の間で皆さん評価をするわけです。だから、ここの委員がきょう評価を受ける側に立っていろいろなことを言うのはちょっとおかしいです。委員としては中立の立場でやる。

【今脇主査】  質問を受けて、その答えについても。

【小池委員】  だけど、そこに属している委員だから、そこが利害相反の問題が出てくるわけです。それだったら外れてしまったほうがすっきりすると。

【今脇主査】  まとめると、ただ聞いているだけだったら、いてもいなくても同じなので、それだったら最初からいないほうがはっきりします。この課題について説明に入った途端にもう利害関係者は退室したと。

【平(朝)委員】  今のものに追加コメントですけれども、確かに関係者がいる施策とそうでない施策で差が出ちゃうということがあるので、小池委員が言うように初めからいないほうが、それだったらすっきりしているかもしれない、そういうように思います。

【今脇主査】  平井委員は。

【平井委員】  私はもうそういう点ではすっきりして、説明の段階からいらっしゃらないほうが、先ほどの論議でそういう事前評価の体制を決めるのであれば、最初からいらっしゃらないほうがいいだろうと思います。

【今脇主査】  ほかに何か、今の結論としては質問に対して情報提供をやり出すと、委員の中にそういう人がいたかいなかったかでまた影響、差が出るので、もう潔く説明の段階から退室してもらったらどうかと。どうでしょうか。さらに特になければ、少なくとも今回は課題の審査、プレゼンテーションに入った段階から退室していただくということで、きょうはおさめさせていただきたいと思います。

 それでは、この後、私、退室するんですけれども、主査ですので、その後、代わりの方を決めておかないといけないので、主査の代わり、主査代理として小池委員を指名いたしますので、皆さん、よろしくお願いします。

 ちょっと退室するまで待ってください。

【平(朝)委員】  我々は戻ってくる必要がありますか。

【山田課長補佐】  本日ですが、この後、海洋機構から説明があって、質疑応答・審議があって、この場で評価表を書いていただこうかと思っているんです。書き終わって、事務局に出していただいたら、それで解散という形にできればなと思っています。ですので、ここで結果が出るというわけではないので、退室いただいた委員にお戻りいただく必要はないと理解しております。

【今脇主査】  そのまとめはメールかで最後やるのでしょうか。

【山田課長補佐】  そのように考えております。

【今脇主査】  わかりました。

【小池委員】  ちょっと質問があるんですが、きょうの会合の代理ですよね。

【今脇主査】  この課題についての代理です。恒常的に指名しようかとも思ったんですけれども、それは負担がちょっと大き過ぎると思いますので、この課題について。その課題ごとに指名していきたいと思います。

【平(朝)委員】  今のルールを次回までに文書化していただいて。

【生川海洋地球課長】  そこは整理させていただいて、またご相談させていただくということにさせていただきたいと思います。

(海洋研究開発機構関係委員退室)

【小池主査代理】  それでは、これから後の議事進行を務めさせていただきたいと思います。登録された課題について、事務局からご説明をお願いいたします。

【海洋研究開発機構(川口)】  海洋研究開発機構海底地震津波ネットワーク開発部の川口と申します。どうぞよろしくお願いします。本日は登録させていただきました地震・津波リアルタイムモニタリングシステムの高度化について、資料22を使って説明をさせていただきたいと思います。

 1枚めくっていただきまして2ページ目から説明いたします。日本列島周辺の海底では周期的に海溝型の巨大地震と呼ばれる地震が発生しております。これらの地震は津波の誘発を伴うこともありまして、地震の発生に伴う地域住民の受ける被害は非常に甚大でございます。資料2には東海、東南海、南海の海溝型巨大地震が発生した場合の長期評価として示されている資料を入れさせていただいておりますが、現在、30年以内に東海、東南海、南海の海溝型巨大地震が起こる可能性は87%、6070%、50%と非常に高くなっておりまして、実際にそれぞれの地震が連動して起こった場合の被害総額の推定も81兆円規模と非常に大きなものとなっております。これらの海域を震源とした地震のメカニズムを知り、また効果的な観測を行うためには陸域の観測網に加えて海域への高密度な、陸域と同等程度の観測点の展開が非常に重要となってきております。

 次に3ページ目をめくっていただきまして、海洋研究開発機構におきましては、長年海底におけるリアルタイムの長期観測技術についての研究開発をずっと行ってきておりまして、これらの知見をもとに現在、世界で初となる海底の高密度な地震津波リアルタイムモニタリングシステムをこの図に示します東南海地震の震源域を中心としたエリアへの整備を進めているところでございます。

 このシステムにおきましては、今までにない高密度の展開を実現するために既存の海底ケーブルを使った地震観測システムの利点を生かし、さらにその上に新たな技術、コンセプトの導入を図っております。

 4ページ目を見ていただきまして、具体的にそれについて簡単にご説明いたしますが、既存のシステム、新しくつくっているシステムとしまして、非常に高信頼性のシステムとして設計しているということは重要でございます。地震がいつ起こるかわかりませんので、海底に設置した後、非常に長期に安定して、データを取得することができることが非常に重要になってきております。今までのシステム、今後のシステムにつきましても約20年程度の定常観測を計算上実現できるような高信頼のシステムとしてのデザインを導入しております。さらに新たな技術といたしまして、このシステムにおきましては冗長構成をとるということで、今まで陸からケーブルを出して海底に終わっていたシステムだったんですが、今、開発しておりますシステムにおきましては、ケーブルの両端が陸に上がっているという構成をとっておりまして、ケーブルの両側に海底からのデータを伝送することによりまして、途中のケーブルシステムに一たん障害が起こるようなことがありましても、実際にデータが回収できるというシステムとしての冗長構成をとるようなことを考えております。

 さらに高精度な観測を長期的にわたって行いたいということがありまして、今までは基幹のケーブルシステムの中に組み込まれていた観測センサーを基幹システムから外しまして置換ができるという機能を追加しております。これによって新たに観測を開始した後に開発されたようなセンサーを追加接続したり、障害が起こったセンサーを交換したりということができるようになっております。

 これらの技術を用いまして、この海域においては現在15から20キロの間隔で、これはほぼ陸上と同じ観測点密度になりますが、海域に20点から成る地震と津波の観測システムを構築するということを行っております。このシステムにおきましては、さらにこれと同規模の拡張機能を持たせておりまして、センサーの交換、新しく開発されたセンサーの接続等々が可能なシステムとなっています。

 さらに5ページ目を見ていただきまして、これらの海底ネットワークを構築するに当たりましては、今まではケーブル敷設船というケーブルを敷設する専用の船を用いて観測装置を海底に設置していたわけですけれども、今回のシステムにおきましては、さらに高精度の観測を海底で行うために、JAMSTECの持っておりますROV等々の高度化を図りまして、これをもって海底での重作業、センサーの埋設ですとか長距離のケーブルの展張を実現することを可能にしまして、この観測網の構築を行うということを考えております。

 今、ご紹介しましたシステム、20の観測点を海底に構築するということは、現在考えております海底ケーブルを用いた新しいネットワークシステムのほぼ能力いっぱいのところにきておりまして、これ以上大規模な観測網を海底に構築する、もしくは現在考えています消費電力よりも大きな観測装置を海底に多数設置するということを考えるときには、非常に技術的なハードルが高くなっております。

 そこで今回、6ページ目になりますが、このような海底のリアルタイムモニタリングシステムの将来的な拡充を考えるときに、さらにこのシステムを高度化できる基礎技術の開発をすることが、このような効率的なシステムの海域への展開を実現するかぎとなると思っております。

 そこで今回2つの提案を行っておりまして、1つは大規模ネットワーク構築を実現するためのケーブルネットワーク技術の開発ということ、それから、もう1つは海底で新たな観測を行うための技術手法の開発ということでございます。本施策におきましては、これらの研究開発に先立ち、1年間集中的にこの2つの項目に関してフィージビリティスタディを行いたいということを提案するものでございます。

 それぞれの項目に関しまして、もう少し細かく説明をさせていただきます。7ページ目をごらんください。先ほども似たような絵を4ページ目のスライドでお見せいたしましたが、今回、検討しておりますケーブルネットワークというのはこの7ページ目に絵を示しているようなものでございます。現在実現可能なのは20個の観測点プラス20の拡張機能、つまり40の観測点を250キロぐらいのケーブルに接続するというシステムでございます。ですから、海域に250キロのケーブルのリングで観測網を構築することが上限として可能ということになっておりますが、さらに新しい高電圧給電システムに関する技術開発を行うことで、最大でケーブル長で約1,000キロ、観測点数で100観測点ぐらいの規模の観測網を構築することができるようになると考えております。

 これを実現するためには、海中という特殊な条件で高電圧を給電、さらにそれをスイッチングするといった技術開発要素が出てきておりまして、これは現時点ではすぐにこうやれば解決できるという技術的な解決手法が提案されているわけではございません。

 さらにシステムとして、いろいろなところに高電圧化に関するインパクトは出てくることは考えられまして、それらを精査して、一つ一つつぶしていくということがこういうネットワークを将来的に提案するには必要なこととなっております。

 どうやればこのような大規模なシステムを実現することが可能なのかということに関するFSをこのプロジェクトの中で提案したいと思っております。

 次に8ページ目、観測・計測技術に関しましては、現在、海域では複数の地震計を用いた地震観測と圧力センサーを用いた津波観測を主眼にした観測を行おうとしております。それらに加えまして、将来的に違う手法、違う物理量を計測することによって同じような現象をはかるということで、マルチセンサーを用いてある1つの現象を見ていくことで、全体像がもう少しはっきり見えてくるのではないかということで、新しい計測手法に対しての基礎研究を行いたいと考えております。

 具体的には津波の絶対的なボリュームを電磁気観測等々を用いて行うことはできないかと考えていることが1つありまして、これは海底ケーブルは電線ですので、海底ケーブルを有効活用することによって、海底の電磁気観測、津波が発生したときに、それによって起こる電場変動を計測することによって、全体のボリュームを見積もれるのではないかということを考えておりまして、その辺のシミュレーション研究を実施する必要が事前にあるのではないかと考えております。

 さらに、海底の地殻変動の観測に関しましては、傾斜計、圧力計等々の高精度観測を行うことによって、地震の直前もしくは直後の地殻変動の絶対的な量を知るということが必要になってくるわけですけれども、これを行うには現在あるセンサーをさらに高性能なキャリブレーションを現地で行うこと、もしくは観測環境を劇的に改善することが必要になってきます。

 そのようなことに資するセンサー技術の基礎研究というものを陸上でテストベッド等々をつくって行うということを本施策の目標としております。これらの基礎技術がある程度めどが立つということになりますと、実際に将来的に海域に拡充していこうとしているこのような地震・津波のリアルタイムモニタリングシステムの整備計画についてもいろいろなフレキシビリティが、大規模、中規模、小規模、いろいろなシステム、もしくは一たんつくったシステムを後から拡張することが可能になってくる基礎技術であると考えているところでございます。

 以上です。

【小池主査代理】  ありがとうございました。以上で全部説明はおしまいですね。

【海洋研究開発機構(川口)】  はい。

【小池主査代理】  それでは、今、お話しいただいたことに関してご質問がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。

 これは先ほどFS的な新規で、6ページ目に予算が1億と書いてあります。大体それぐらいの規模で行いたいということですね。

【海洋研究開発機構(川口)】  はい。大きく基幹ケーブルシステム関係のFSと観測装置関係のFSと分かれておりますが、それぞれまた細かく中が分かれることになると思うんですけれども、5,000万円ずつ程度で総額1億程度のベースになるかと考えております。

【寺島委員】  よろしいでしょうか。

【小池主査代理】  どうぞ。

【寺島委員】  これは単年度のフィージビリティスタディということなんですか。

【海洋研究開発機構(川口)】  単年度で1億で、FSですので複数年ということもあり得るかと思いますけれども、今回提案させていただいているのは単年度で進めていきたいと。

【寺島委員】  その先に何か考えておられると思うんですけれども、この先の計画はどういうことになっていますか。

【海洋研究開発機構(川口)】  今、一期としまして海底の観測ネットワークを熊野灘沖に構築しているところでございます。我々といたしましては、それとは別に海底の環境観測用のケーブルシステム等々も持っておりまして、もしくは地震の観測等々に絞ってもそうですが、そういうものを将来的に拡充していきたい。新しい海底用観測のプラットホームとして整備していきたいと思っております。

 ただ、海底ケーブルのシステムは非常に大規模なシステムで、経費も非常にたくさんかかりますので、我々としてはそれをいろいろな形で整備できるような基礎技術を持っていたいと思っているところで、特に「大規模な」というキーワードに関しましては、今回ここで提案しているような技術の確立が必要になってくると思っております。

【寺島委員】  実は、先ほどもちょっと議論に出てきましたが、海洋基本計画で講ずべき施策ということとの関連においてこれを見た場合に、技術の開発という点ではよくわかるんですが、海洋基本計画で考えているほかの計画との関係がどうなっているのかというのがもう少し明確に説明の中に入ってくると非常に迫力が増してくると思うんです。海底ケーブルの話ですからいろいろなものに使えるというのはよくわかるんですけれども、逆に言うと基本計画の中で防災の関係だとか、あるいは海洋調査の関係、それも震源の開発だとか環境の問題とかいろいろなものがあって、それは海洋基本計画の中でそれぞれ取り上げられていると思うんですが、それとこれとの関係というのがすべてを説明する総花的なものまでは求めませんが、特徴的なものとしてこういうものに使えるというのがあると非常に理解しやすいように思うんです。

【海洋研究開発機構(川口)】  当面、日本にとって一番大事なことというのは地震が多い国でございますので地震防災、津波の防災ということが主眼だと考えております。特に、ここで培われる技術というのは、海底の資源開発、油井の開発ですとかガス田の開発、そういうときに現在、海底のモニタリングシステムというのが非常に重要になってきています。ここで培われる基礎技術はそこで使われるものと全く同じ技術で、実際には石油メジャーが海底資源のいろいろな資源開発をやっておりますが、海底のモニタリングがちゃんとできているということはあまりないんです。これからの技術になってくるわけです。

 日本としては、地震観測という別の観点から技術開発を進めていますが、全く同じ技術がそういう分野にもすぐに応用できると。逆に我々のほうが知見はその辺はたまっていると思っています。ですので、この辺の技術を高めるということが全体的なほかの産業も含めて、海洋の技術力のアップにつながるのではないかと考えております。

【小池主査代理】  深尾委員どうぞ。

【深尾委員】  去る716日だったと思いますが、科学技術・学術審議会で次期の地震及び火山噴火予知観測研究計画の推進について、建議を文科省、その他関係の大臣にさせていただいたのですが、その中にも新たな観測技術の開発が重要だということがうたってありまして、実現すべき技術の1つとして、この海底地震観測システムが入れられたわけです。その線に沿ってぜひこういった技術開発を進めていただきたいと私は思いますが、少し質問があります。今ある海底ケーブルを使って計測機に電力をちゃんと供給するというシステムを確立するのが1つと、ケーブルを使って電磁誘導で新たに津波の情報を得るという2つの面があるわけですよね。

 電力の給電は難しいところがあるとおっしゃったのですが、実際どの程度の電力を必要とするのかということです。それはほんとうに現実的な技術でやれるかということと、もう1つは、例えば津波の警報ということなのですが、波がケーブルに垂直に流れてくるのが一番誘導が大きいはずだけれども、ケーブルと同じ方向へ流れたら誘導が出てこないということがあります。だから、ケーブルがどういう位置関係になっているかということで、かなり情報の精度が変わってくるような気がするのですけれども、その辺のことをちゃんと見通し、シミュレーションはやれているかということなのですが。

【海洋研究開発機構(川口)】  まず、後の質問のほうですが、先ほど説明させていただきました5ページ目になりますけれども、今、実際に熊野灘沖に展開しようとしている観測網の絵がございます。これで見ておわかりになるかと思いますけれども、実際に観測網、それをつなぐケーブルというのは海域にメッシュ状に配置されています。これらのケーブルを使って、もしくはこの先につながるセンサーを使っていろいろなものを観測するということは海域全体を網羅する。つまり、ケーブルで囲っているところすべてを網羅することになりますので、方向性ですとかそういうものを含めて全体のこの海域の中に入ってくるすべてのものをすべての方向から見られるようなものをつくろうと考えております。その辺、実際にはシミュレーションをして最適な配置やいろいろなことを考えなければいけないと思うんですけれども、その辺に資する研究をこの中でぜひやらせていただきたいというのがセンサーに関する回答です。

 次に電力のほうですが、今考えておりますそれぞれの観測点、大体、消費電力が30ワット程度の観測システムを考えております。そうしますと、今、20点設置を予定しておりまして、さらに相当なものがあと20個つく能力を持たせております。ですから、40個で30ワットですから1,200ワットになるわけですけれども、さらにプラスアルファ、送電の効率、実際の250キロ、300キロ程度のケーブルで起こるロス、その中に入るアンプ、もろもろ考えると2,500ワットぐらいの全体システム消費電力となっております。実際に今、海中で使ったことがあるシステム、長期的に使うシステムですと大体3,000ワットというのが1つのボーダーラインになっておりまして、3,000ワットを超えた消費電力のシステムの構築は非常に難しいとなっています。特に高信頼性の部品、長期的に安定に使用することができる部品の選択、もしくは開発は非常に困難が多くありまして、そういう拘束条件もありまして、今回ここでつくっているシステムは上限3,000ワットの中で全部構築できる規模のシステムになっているということです。ですから、今やっている技術でこれ以上大きなネットワークはなかなか構築するのが難しい。

 それを打破するために、さらにそれよりも高圧というと今度は10キロになるわけですけれども、10キロワットのシステムを海中に構築するための必要な技術開発を行いたいと。それを行えば、1,000キロ規模のケーブル、100点程度の観測点が最大構築できるように将来的になるのではないか。それぐらいの規模があれば、かなり大きなエリアを総合的に観測することができるので、さらにまた新しい知見が得られるのではないかと思っております。

【小池主査代理】  長谷川委員どうぞ。

【長谷川委員】  先ほどの寺島委員の質問にかかわると思うんですが、国の施策の1つとして文部科学省が事務局をしている地震調査研究推進本部では、今後10年を見通した新しい総合基本政策を現在検討して、最終的なまとめをする段階になっているんですけれども、その10年の中で当面推進すべき重要な施策が東海、東南海、南海地震を国としてどういうように迎え撃つかということでありまして、1つは津波あるいは地震、つまり東海、東南海、南海地震が起きた途端に地震が起きたという情報と津波が励起されたという情報を国民に緊急に周知して、避難してもらうということが1つの重要な政策に掲げられたんです。

 もう1つは、例えば東海、東南海地震が起きて、南海地震は起きなかったときにどうなるかと。過去の事例を見ると32時間後に起きたケースと2年後に起きたケースがあるわけですね。もちろん同時に起きたケースもあります。そういう状況になったときに多分パニックが起こる。国全体としてどのように対応したらいいかということをきちんと今のうちから用意しておかないといけないだろうという検討で進めてきているんですけれども、その中の地震が連動するかしないか、あるいは東南海、南海地震が起きて、南海地震が残されたときに、次に南海地震がいつ来るのかということを予測できるかどうかは別にしてどういう状況になっているか、どこまで壊れていって、南海地震を起こすアスペリティーの周辺まで滑りが来たのか来ないのかという情報を知らないまま迎えることになったら大変なことになるだろうと。そういう観点から、東海、東南海、南海地震の震源域にケーブル式のセンサー観測網を構築するというのは決定的に重要であるという書きぶりになっているんです。

 それで、現在の20点の観測、平成21年までをそちらのほうでやっていただいていますが、これはこれで終わるものではないと。少なくとも東海、東南海、南海地震の震源域をカバーしなければ、国としてはそれを迎え撃つことはできないだろうという認識なのです。そうだとすると20点ではないですよねと。そうすると展開するときにどのようなシステムにしたらいいのかということが出てくるわけで、それが前提にあってのこのフィージビリティスタディだと私は理解したんですが、そういう理解でよろしいのでしょうか。

【海洋研究開発機構(川口)】  まさに広域のエリアというのは、今想定されているのは、今整備しているところの西側に広がる南海エリア、かなり広いエリアがありますので、そういうところを想定して、そういうところに効率的にものを配備できないといけない。それはそのほかの海中に入るすべてのものがみんなそうなのですけれども、とにかく今まで海中のリアルタイム観測システムは非常に高いと言われて久しいので、それをどうにか解決して、柔軟に海中にいろいろな観測網を展開できるようにしたいという思いが強くありまして、それを解決する1つの技術のFSだと考えております。

【小池主査代理】  長谷川委員、よろしいですか。

【長谷川委員】  はい。

【小池主査代理】  田中委員どうぞ。

【田中委員】  こういう地震・津波モニタリングシステムを構築される重要性については非常によく理解できますし、よく勉強させていただいた感じがいたします。大事なプロジェクトだと理解しております。それを大前提とした上で、私自身は法律を専門にしていますので、その観点から少し教えていただきたい点、考慮していただいたほうがいいのではないかと思う点を一、二お尋ねしたいと思います。いずれも説明資料3で、観測点の展開案が示されていますが、これは日本の領海もしくは排他的経済水域の中で行われる活動と理解してよろしいですね。国家管轄権の外、つまり公海の海底の活動にまではまだ計画は至らないと理解していますが、その前提に立ちながらも、なおこの海洋基本計画でも大事な点の1つだとして確認されていると私は理解していますが、環境の保護、あるいは海洋生態系への配慮、その保護及び持続可能な利用の確保という点への影響というものを大規模に及ぶ作業を海底でやられる場合に、何らかの形で常に配慮する姿勢を示していくことが、他の関係の諸団体や外国、あるいは国連に対して非常に説得性を持つことになるのではないかと思うのです。

 説明資料の5ページの図をお話しいただくときにも、非常に大がかりな機器を用いての海底作業を展開するという説明があったと思いますが、そういう場合は今、特に国連を中心にしている議論を見ますと、生態系や生物多様性の保護というキーワードが津波のように出されていまして、そこに対してどういう配慮をして活動するのかと。それは漁業をやる場合でも、科学的調査をやる場合でも、あらゆる活動、海中、海底でやる場合に問われてきていると思われます。したがって繰り返しますが、こういう地震観測の科学技術の発展の重要性は大前提として理解した上でですが、そういう海洋基本計画でも確認されている配慮事項をぜひ計画案等に具体化しながらやっていかれることが大事ではないかと感じております。

【海洋研究開発機構(川口)】  ケーブルシステムに関しましては、今、我々が使っている技術も、海底の大陸間の通信用の海底ケーブル技術というのをベースに使っております。商用ベースのシステムでございますので、当然、陸揚げ等々に関しては、我々が地震観測網を海底に構築するよりも非常に厳しいルールのもと皆さん作業をされているところで、特に沿岸域の環境問題に関するインパクト調査ですとか、そういうものもコミュニティーの中では十分議論されています。

 また新しくアメリカ等々ではレギュレーションも変わってきているところがございまして、そういうものに合った新しい設置方法ですとか環境保全の方法ですとか、そういうものも我々に限らず、海底ケーブルのコミュニティー全体の中で検討されているところでございます。我々のほうとしましても、そういうものにのっとって海底の観測網、インフラを整備していこうと思っておりますので、それについては周りを見ながらちゃんと対応していきたいと考えております。

 特に我々のところでやるシステムについて、実際の通信用の海底ケーブルと違うのは観測装置とここの5ページ目の絵にあります黄色い線で書いてありますが、枝葉のように分かれているケーブルになっています。この辺に関しましては機構の海中ロボットを使いまして、海底への設置と同時に回収等々もできるように考慮して、今、計画を進めているところでございます。

 あと観測装置につきましては、基本的には今使っているセンサーはパッシブなセンサーで、あまり音を出したりとかそういうものではないので、例えば生態系への影響ですとかそういうものもかなり小さいだろうと考えています。設置に関しまして海底表層上にいろいろなものを置く程度のこと、さらにプラスアルファぐらいのところを考えておりますので、それに関しましても、この沖合のところに関しましてはあまり大きなインパクトはないのかと、やるほうとしては考えているところでございます。

【小池主査代理】  平井委員どうぞ。

【平井委員】  全体のプロジェクトに関しては、非常に重要性とか緊急性とかよく理解できました。私自身はこういうものの専門ではないので、素人質問で恐縮ですけれども、1つはこの資料213ページ目に気象庁の緊急地震速報に関して、このFSがすぐにデータがとれるようになれば、より警報が早く出せるということが書いてあるんですけれども、どの程度寄与できるのかというのが第1点目で、2点目は今、パワーポイントの資料の説明いただいたものの中に、6ページ目に防災研のリアルタイム通信技術の高度化ということとの連携を図ると書かれていますけれども、具体的にはどういう連携なのかということについて。3点目は観測・計測技術に関してですが、理屈的には津波のモニタリングができるということはよくわかるんですけれども、実際に検証というのはこういう分野ではどういうようにして行われるのか、その辺について3点、教えていただきたいと思います。

【小池主査代理】  お願いします。最初は気象庁の話。

【海洋研究開発機構(川口)】  海域にこのシステム、例えば説明させていただいた資料の3ページ目のこのネットワークができた場合ということだと思いますけれども、震源がどこで、どこから地震が始まるのか、どこが壊れていくのかというのが非常に大きくかかわってきます。最近、地震活動が活発だったのは、この図で言うと東側の真ん中の星印のところあたりですが、仮にこの辺で地震が発生して、津波がそれに励起されて起こった場合は、地震のモニタリングで陸の観測網だけではかっているときよりも5秒から10秒ぐらい。津波ですと七、八分か10分程度早く実際に現象が観測できる。

 特に津波に関しましては、実際の海域で物理量をはかっていますので、ここで津波が起こったとしたらこの時間に来ますという速報ではなくて、実際にここはこれぐらいの変動を起こしていますということで、実態に合った情報が発信できるのではないかと思っております。

【平井委員】  このようなケーブルを利用した計測システムは、ほかの海域には全くないということなんですか。

【海洋研究開発機構(川口)】  日本の周辺には30年ぐらいの間、気象庁が1号機を御前崎沖に設置してから、今年の夏にもう1つシステムが入ったので、6つの地震観測システムが入っております。ただ、今までの技術ですと、1つのシステムに3つですとか5つですとか8つですとか、そのぐらいの観測システムしかトータルで入れることができなかったという事実がありまして、実際には陸と同じ規模の高密度な観測能力がある観測網は海中にはまだ構築できていないというのが現実でございます。

【小池主査代理】  ちょっと今の点で私も質問があったんですが、先ほど東海沖と南海沖と幾つかあって、それが同時に起こるか少し時差があるかというので、今、少なくとも気象庁の5つとかここに書かれている20は気象庁の緊急警報システムとつながっていると考えていいんですか。

【海洋研究開発機構(川口)】  つながっております。

【小池主査代理】  そうすると、この範囲で起これば、うまいところに当たれば少し早く警報は出せるというように考えてよろしいんですね。

【海洋研究開発機構(川口)】  はい。

【小池主査代理】  わかりました。ありがとうございます。

【長谷川委員】  ちょっと補足させてください。私が言うのも変なんですが、地震本部にかかわったものですから、気象庁の緊急地震速報というのは震源に近いところの情報を使って、現在の緊急地震速報は震源がどこかというところまで決めるんですけれども、決めなくても基本的には近いところの情報を使って、これから伝わっていくほうに情報を伝達するのがシステムの根本原理なんです。だから東海と南海の震源域の真上にあるないというのは決定的な違いがあるんです。そういう意味で言うと、日本列島の場合は太平洋の下で起こるプレート境界地震が圧倒的に数が多くて、被害を繰り返し受けてきたわけですけれども、太平洋、日本海でも起きていますが、海底にリアルタイムのセンサーがあることによって、緊急地震速報の正確度を格段に上げるというものなんです。

 それからもう1つは津波警報なんですが、先ほど川口さんが言っておられましたけれども、現在の津波警報は陸上の地震計のデータを使って気象庁が警報を出しているんですが、これはだれが見ても明らかなようにシステムのつくり方が間違っているんです。つまり、津波をはからずに地震計のデータ、地震波で津波を、震源がどこであって、だから津波がどのぐらい励起するだろうと推定した上で津波警報を出すと、だから間違えるんです。間違えるから警報が出ても逃げてこない、だから、次のときには逃げない、こんなことをやっているわけですが、国としてはこんなことをやったら、次に大きな津波が来たときは危ないので、津波をはからなければいけないというのが、現在の総合研施策の中のもう1つの重要な観点だったんです。

 ですから、ケーブルのリアルタイムシステムというのは決定的に重要で、そういう事例も先ほどの平井委員の質問にありましたけれども、幾つかあるケーブル式の地震・津波計のシステムがありますけれども、そういったもので津波高が沖合で1センチぐらいの津波をもう既に何回もはかっているんです。1センチぐらいだと、沿岸だと10倍ぐらいですから10センチとか20センチぐらいになるような津波も、沖合で1センチぐらいの波高ではかれる。したがって2メートルとか5メートルとかそういう津波が来ればすごい被害ですけれども、そういうものは沖合ではかったもので正確な警報を出せる。そういう意味で決定的な違いがあるんだと思うんです。

 先ほど防災科学技術研究所のシステムと連携して云々というのは、現在、防災科学技術研究所は陸上に地震の観測網を持っていますので、それとこの海域のリアルタイムネットワークを連携させるというその先の方向、方針があるんだろうと私には思えたんですが、そういうことなんですよね。

【小池主査代理】  2つ目の質問から答えてください。

【海洋研究開発機構(川口)】  2つ目の質問が、今の防災科研との連携はどういうことですかということで、防災科研の陸域のネットワークと海域からのデータを誘導としていくということを将来的には考えていくというように思ってございます。

 それと3つ目の質問ですが。

【平井委員】  津波の実際にどういうようにして検証するのかと。

【海洋研究開発機構(川口)】  我々も既存の、JAMSTECは室戸岬沖と北海道の釧路十勝沖に2つのケーブルシステムを設けています。2004年に釧路で地震がございまして、津波の観測等々が実際にできております。そういう実際のとれているリアルタイムのデータからシミュレーション研究は別途しているわけですけれども、実際に海域での大きな海溝型地震、非常に例が少ないわけですけれども、そういうところでとれた貴重なデータを合わせ込んで検証を進めているというのが現状です。

【平井委員】  地震が来るのを待つということですか。

【海洋研究開発機構(川口)】  検証という意味では何かで検証しなければいけないということで、どうしても……。

【平井委員】  例えば、その辺に人工的に少し揺れをつくって、実際のセンサーでやられているとかということを検証するということではないわけですね。

【海洋研究開発機構(川口)】  津波だとその海域で実際に検証するというのは非常に難しいです。

【長谷川委員】  地震は頻繁に起きていますので、先ほどちょっと言いましたけれども、沿岸に10センチぐらいの津波でも10分の11センチぐらい沖合で、現在のケーブル式のシステムでとれるようになっていますので、わりと頻繁に検証はできると思います。

【平井委員】  できると。

【長谷川委員】  ええ、できると思います。ちょっと私、質問よろしいですか。

 技術のところなんですけれども、ということでネットワーク技術とマルチセンサー技術を開発したいということですが、これは単年度ですか。ここに書いてある電磁気観測による津波規模の検証あるいは傾斜計、ここには「等」と書いてありますけれども、こういったものは単年度で簡単にできる技術なのかなというのは素人でもすぐ思うところなんですが、単年度にした理由は、もう既にこれまで積み上げてきて、単年度でも何とかなるとか、そういうことなんですか。単年度で大丈夫なんでしょうかというのが質問なんです。

【海洋研究開発機構(川口)】  先ほどちょっとご説明させていただきましたけれども、今ここで提案させていただいているのは、あくまでもフィージブルかどうかの検討をしたいと。それに資するいろいろな試験、最初に必要な試験をしたいと考えているところでございます。次に何か例えば南海のネットワークかもしれませんし、いろいろな提案するタイミングがあったときに、技術的にこれができそうだとなっていないと1,000キロのシステム、例えばこのような観測方式は提案できないと思っています。その辺の足がかりの部分までは少なくともできるかできないか見きわめておきたいと思っておりまして、ほんとうのフィージビリティスタディとして、単年度でこのぐらいのところをやっていけないかと思っているところです。ですから、実際につくり込むのに当たって、ここでFSがすべて終われば、何も開発しないでできるんですかというとそういうことではないと思いますけれども、実際に提案するに値する方式なのかどうか。実現可能なんでしょうかということまでは、このFSの中で検証していきたいと思っています。

【長谷川委員】  わかりました。

【小池主査代理】  3ページ目に18年から21年度の展開と22年以降と書いてあります。ですから、全体に非常に大きな計画とすると海底でのリアルタイムモニタリングシステムを広げていくという大きな計画があって、それに資するためのFSと理解してよろしいんですね。

【海洋研究開発機構(川口)】  それにも使えると思っております。

【小池主査代理】  ですから、ここまでが全部含まれる、1億円でとてもできるとはだれも思わないので。

 一通りご意見を伺いましたけれども、よろしいでしょうか。どうぞ。

【深尾委員】  今回のシステムは一応形ができて、それを1,000キロの規模に拡張するといったときに、今持っている技術でそのまま1,000キロでやっていけるか若干心配するのですが、例えば、高圧化とかそういう技術も口で言うのは簡単だけれども、実際、いろいろ難しい問題がたくさんあるような気がするのです。その辺は今のシステムでフィージブルだけれども、1,000キロで具体的に大きなお金をつぎ込んでちゃんとやれるかというその辺の見通しはどうなのでしょうか。

【海洋研究開発機構(川口)】  今、この絵にありますように250キロのケーブルシステムになっていますけれども、これをつくっているところでございます。ここで得られた知見をベースに1,000キロ、1万ボルトのシステムまでは可能でありそうだと、私も含めて担当の者は思っております。

【深尾委員】  このシステムは1カ所で給電するわけですか。

【海洋研究開発機構(川口)】  そうです。具体的には2カ所です。両側から給電します。

【深尾委員】  1,000キロになってもそれでやらないといかんわけですね。

【海洋研究開発機構(川口)】  そうです。

【深尾委員】  そうするとすごくケーブルが伸びるということで、ロスの問題とかいっぱい出てきて、その辺が技術的にフィージブルかどうかというのは。

【海洋研究開発機構(川口)】  ここで提案しているのが多分上限だと思っております。つまり1,000キロのシステムまでは解決できる世界にはありそうだということで、今ここでFSをやっています。ただ、それ以上のシステムを2つの点から給電するという形で整備するのはかなりまだ先は全然見えないような世界です。今やっているものをまださらに拡大はできますけれども、当然、上限はあると。ここで提案しているところでできるところが、当面の技術の中ではできる最大限と考えております。

【小池主査代理】  よろしいでしょうか。それでは、大体コメントあるいはご質問をいただきましたので、どうもありがとうございました。関係者、プレスの方はご退席いただいて、委員会としてどういうようにするかという議論をしたいと思います。

(海洋研究開発機構関係者・報道関係者退室)

【小池主査代理】  それでは、今、発表を聞いていただきまして、質疑をしていただきましたけれども、皆さんの質疑で非常に重要な事項であるということは皆さんご理解いただけたということと、結局、これはまたFSで次のステップにうまくいけるかどうかが目安がついたら、次の大きなステップに行きたいという前段階で、1年間である程度成果を上げたいというお話だと思います。

 これは1億ぐらいがFSだからどうなるかよくわからないけれども、これぐらいなものなんですか。先ほどご質問がありましたけれども、どこまでこれでできるのかというのもありましたが、いかがですか。

【生川海洋地球課長】  これから予算要求もしますので、財政当局ともこれから議論になると思います。1億丸々つくかどうかはよくわからないというところでありますが、その辺も含めて今後、秋に向けて議論していくことになると思っております。

【小池主査代理】  それでは、どういたしましょうか。皆さんそれぞれコメントを書いて、先ほどの資料21の最後のところに評価結果というのがございますので、簡単で結構ですので、先ほどのご説明ですと、ここで書き終わるまでは退席してはいけませんということを言われていましたけれども、それも気の毒なので、きょうここで書いていただく方は書いていただいて、残りはメールでよろしいですよね。日程的にはきょうが21日ですか。このタイムリミットはいつなんでしょうか。

【山田課長補佐】  次回の今度は海洋開発分科会でこの件を報告します。

【小池主査代理】  27日ですね。27日というのは来週の水曜日ですね。来週の水曜日に本委員会に審査した結果を出すということですので、それまでにできていればいいと。

【山田課長補佐】  一たんコメントを出していただいて、その紹介をさせていただいて、最後に主査代理とやりとりさせていただいて、表にまとめるという形です。

【小池主査代理】  この評価結果をどの程度まで書き込むかというのはどうなんでしょうか。今、1ページのぺらっとしたのはここについていて、この中を埋めなさいという感じになっているんですけれども。

【山田課長補佐】  分量という話ですか。もちろん今いろいろやりとりをした中で、こういうことが重要であるというのは各委員のご心証のとおりに書いていただければと思します。特に分量が少ないからだめというわけでもないですし、別に多く書かなくてはいけないというわけでもないです。そこはただ、いいと思っただけではなくて、いろいろどういう点がいいとかそういうのはきっとご心証があると思います。そういう点を書いていただければよろしいかと思っております。

【生川海洋地球課長】  若干補足をさせていただきますと、全体の目安としては分量は別にこだわりません。この1ページ以内ぐらいでまとめられればいいかなと思っております。その際に今、山田からも申し上げましたように、これはまずはやるべきかどうかという点です。こういう点でやるべきと思っていただけるのであれば、こういう観点からいいんじゃないか、こういう観点からよくないんじゃないかというのがあればまず書いていただきたいのと、あとはサジェスチョン、こういう点に留意して、これは基本的に進めるにしてもこういう点に留意して進めるべきである、こういうことをきちんと考えてやるべきであるということを建設的なご意見をぜひいただければありがたいと思っております。それを私どものほうでまとめさせていただきたいと思っておりますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。

【寺島委員】  ちょっと関連して質問ですが、この事前評価表では、それぞれの項目のところに「以下の観点から適切な評価項目を抽出」と書いてありますが、これがよくわからなかったんですが、今、生川課長が言われたようなことですとすっと書けそうな気がするんですが、評価項目を抽出して何か書くということになると、なかなかそれほどの材料がないなという感じがするんですが。

【生川海洋地球課長】  本来であれば、1つのやり方として、本委員会で審査していただく前に、特にこういう点について視点として掲げましょうという議論をしていただくのであれば、それを抽出していただいて、それに従って評価していただくというやり方もあったんですが、今回はざっとこういう形に全体を眺めていただいて、その中で特にお気づきいただいた点についてお書きください。あまり評価項目にこだわらずに、こういうものはこういう観点があるんだなというのをざっと見ていただいた上で、それの観点でお気づきになられたことをコメントとして書いていただくということでいいと思っています。

【小池主査代理】  今、課長が言われた、まずこれを積極的にここで推薦して、ぜひやるべきだと考えるかどうかと。そのときにやるとしたらどういう観点からやるべきだというのと、やり方です。どういうようにしてやっていくのがいいのかということに関するサジェスチョンみたいなもの。ですから、それを書いていただいて、あとは事務局のほうで、必要ならば効率性、有効性というところにうまく割り振っていただくという形で進める。これをやっていくとなかなか大変で、おっしゃるようにきょう聞いた話だけでとても全部を網羅できないと思うんです。

【生川海洋地球課長】  網羅的には書けないと思いますので、これは参考として横目で眺めていただいた上で全体を書いていただければいいとご理解いただければ。

【小池主査代理】  そうしますと、私の提案なんですが、あしたの午前中までに事務局のほうにメールで評価のコメントを寄せてもらって、事務局のほうでそれをまとめられるということでいかがでしょうか。よろしいですか。

【山田課長補佐】  その後で各委員の方に。

【小池主査代理】  そうですね、もう一度フィードバックしていただいて、それでよろしければ27日に提出すると。あと、私は27日は分科会欠席なんですけれども。

【山田課長補佐】  その点についても、今回はたまたま出てきたのが文部科学省の海洋研究開発機構からの案件だったのですが、今回、審査の関係で小池委員に主査代理をお願いしたということでしたので、そこの取りまとめは主査代理にお願いしたいと思うんですが、当日の報告というのは事務局からという形にしたいと思います。

【小池主査代理】  わかりました。

【深尾委員】  もう一度確認させていただきたいんですが、私どもはこの評価結果のところにまとめて書いておけばいいわけですね。

【山田課長補佐】  はい。あとあえて申し上げれば、評価の検討状況のほうに必要性、有効性、効率性と表を埋めさせていただきましたけれども、ここにコメントがある場合についてもいただければと思っております。

【小池主査代理】  それでは、もう12時になってしまいましたので、残ってぱっと書いていただける方はどうぞ書いて、事務局のほうに出していただいて結構ですし、今言ったようにメールで。多分、皆さんはメールアドレスをご存じだと思うので、事務局のほうにあしたの午前中までに、書式はいいわけですよね。1枚のあれしか入っていませんので、適当に出していただいて、それを事務局で編集するということで進めたいと思います。

 それで、先ほど話が出ましたように、27日に出さなければいけませんので、一遍まとめたものを皆さんにお戻しして、それで見ていただいて、最終的には私と事務局でお任せいただきたいということです。いずれにしても27日に本委員会にかかりますので、そこでまたコメントが出る可能性もありますので、たしかそこでまた多少変更もあり得るわけです。そこはもうないんですか。

【生川海洋地球課長】  あり得ます。最終的に決定いただくのは分科会でございます。その場でもしご意見があれば、言っていただいても構いません。

【小池主査代理】  そうですね、また言っていただければいいということになると思います。

 それでは、以上をもちまして終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

 

──了──

お問合せ先

研究開発局海洋地球課

電話番号:03-5253-4111(代表)、03-6734-4142(直通)