) | 研究の継承発展の組織的な基盤
| ○ |
附置研究所の多くは、戦前に設立されたものである。その後、学術動向や社会の変革に対応して研究の方向は様々に変化し、必要に応じ研究所の改組転換等が行われてきたが、それらは、脈々たる先人の過去の研究実績の上に立ったものである。
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| ○ |
附置研究所は、所属する研究者が一定の研究目的に沿った研究を組織的・継続的に行うことにより、その成果が組織に蓄積される点に特長がある。組織的な蓄積が元になって、他の分野との融合等により、新たな研究成果が生み出されるというように、組織的な基盤が附置研究所の活力の源となっている。
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| ○ |
附置研究所の中に研究部門の枠を越えた研究施設が設置される場合も多く、これら短期集中型の研究施設がうまく機能するためには、附置研究所全体の組織的な重厚性が重要な意味を持っている。
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| ○ |
また、後継者の養成を行う上でも、継続的・持続的な研究体制は不可欠であり、今後の附置研究所は、研究の継承発展のための確固たる組織的な基盤を有する必要がある。
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) | 人材養成への貢献
| ○ |
附置研究所は、本来研究を遂行する場として設置された組織であり、基本的には研究面の活動が主体であるが、大学院段階での教育活動に附置研究所の研究者が協力講座等の形態で参加することや、ポスドクの附置研究所への受け入れが一般的に行われている。
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| ○ |
附置研究所が継続的に研究を進めるためには、優れた若手研究者が後継者として養成・確保されることが必要である。また一方、附置研究所の最先端の研究業績が大学院教育に生かされ、それが、当該大学の教育研究の特色となることから、附置研究所の人材養成機能も研究と並んで重要なものとなっている。
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| ○ |
ただし、附置研究所における若手研究者等の養成・確保については、附置されている大学(大学院)の出身者のみを当てにするのではなく、全国的、国際的な観点で行われるべきである。
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) | 大学の内部組織としての役割・機能
| ○ |
附置研究所は、学部及び研究科と並び、大学を構成する重要な基本的組織であり、部局として大学運営に参画している。また、当該大学の研究面における特色を端的にあらわす組織であり、そのような附置研究所を有しているということが、大学の顕著な個性ともなっている。
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| ○ |
特に、高度の研究機能を有する大学においては、大学として附置研究所の機能を最大限活用することにより、教育研究の格段の進展を図ることが可能となる。
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| ○ |
さらに、附置研究所は、学部及び研究科との共同研究により、多くの成果を生み出しており、近年では当該大学の産学連携の中心的役割を担うものもある。また、幾つかの学部・研究科の教育研究領域にまたがる学際的な領域を対象とする研究を推進するという役割も重要である。附置研究所については、研究所本来の目的や個性を明確にするとともに、これら大学の中での役割を踏まえて、大学全体として研究所の在り方を検討する必要がある。
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 | 位置付け
| ○ |
ボトムアップ的な「知の創造」の場として、学術研究上重要な役割を果たしてきた附置研究所は、当該大学の基本的組織の一つであり、「最終報告」でも、各大学の業務の基本的な内容や範囲と大きく関わるため、学部及び研究科と同様に、法令(具体的には省令)等で明確にする方法を工夫するとされている。
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| ○ |
別の観点から考えると、附置研究所は、当該大学に附置されているものの、その歴史的経緯や研究実績からも、実態的には全国的あるいは国際的な拠点として機能している。多様な研究活動を展開し、我が国の学術研究を担っている附置研究所が、継続的かつ安定的に研究活動を展開することは、我が国の学術研究を推進する上で重要であるばかりか、国際的な責務であると言っても過言ではない。そのためには、附置研究所の設置に国が関与し、一定の法的根拠を与えることが適当と考えられる。
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| ○ |
さらに附置研究所は、今後も附置されている大学の部局として大学運営に参画しつつ、大学院教育や産学連携など研究以外の面も含め、大学運営に積極的な貢献をすることが期待される。
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| ○ | したがって、一定の要件を満たす中核的研究拠点たる附置研究所を法令で明確に位置付けることが必要である。 |
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 | 役割・機能
| ○ |
研究施設は、大学における学術研究の体制において、国立大学の法人化後においても、附置研究所と同様に重要な役割を持つ組織であり、その多様な機能が適切に発揮されることが必要である。
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) | 先端的な研究拠点
| ○ |
平成14年度現在、研究施設のうち211の施設が特定の研究目的の達成を目指した時限付きのプロジェクト研究の場という性格を有している。これらは、大学における研究活動の発展的形態として形成されたものであり、今後も先駆的・先導的研究に取り組むための戦略的研究拠点として重要な組織と言える。
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| ○ |
注目すべき点は、規模の小さな研究施設に至るまで専任の研究者を配置していることであり、拠点としての機能を充実させる要因となっており、全体として我が国の研究水準の維持向上に大きな役割を果たすことが期待される。
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) | 研究基盤及び研究支援機能
| ○ |
平成14年度現在、研究施設のうち半数以上の271の施設が、主に学内の研究支援的な役割を担う施設である。これらの施設は、動物実験、遺伝子実験、RI(放射性同位元素)実験、機器分析、低温実験など学部、研究科及び附置研究所等における幅広い教育研究を支援(サービス)する基盤的な組織として重要な役割を果たしている。
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| ○ |
また、大学という自由な知的創造の場にあって、限られた人的物的資源を有効に活用する上でも、研究支援機能を専門的に担う組織は欠くことのできないものとなっている。さらに情報処理施設のように、幅広い研究者の利用に供されるような施設や、共同研究センターのように産学連携の拠点となっているものなど、学術研究のみならず、社会との連携協力を推進する上で意義の大きい施設もある。
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| ○ |
国立大学の法人化後もこれら施設の機能が低下しないよう、予算措置を含めて十分な配慮が必要である。なお、これらの支援機能がより効果的・効率的に提供されうるよう組織を統合再編するなど学内で検討が進められるべきであろう。
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) | 人材養成等
| ○ | 研究施設は、学部及び研究科において、その性格上取り組むことが困難な先駆的プロジェクト研究や、比較的規模の大きな施設・設備を必要とする研究課題に取り組むものであるが、その研究過程において学部及び研究科の教育に積極的に参加していくことは、人材養成等の面から有意義なことである。
また、人材養成の観点からも、研究者は、広く全国から募集し、流動性の高い組織を構築することが求められる。
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| ○ |
一方、多彩な研究活動から生ずる成果をより早く適切に社会に還元するための努力が必要である。法人化後の国立大学において、産学連携への取り組みは重要な課題であり、研究施設の有効活用を十分図る必要がある。
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) | 全国共同利用の研究施設
| ○ |
全国共同利用の機能を有する研究施設は、全国共同利用の附置研究所同様、全国の当該分野の研究者の共同利用に供し研究等に資することを目的としており、大型研究設備や資料・データの共同利用や共同研究課題の募集・採択など全国的な学術推進の観点からの活動が行われている。また、7つの全国共同利用の情報基盤センターにおいては、各地域ブロックの情報ネットワーク拠点として、学術情報システムの構築に大きな貢献をしている。これら研究施設の運営には、学外の関係研究者も参画しているところである。
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| ○ |
全国共同利用の研究施設も、他の研究施設同様、特定の目的を遂行するための研究拠点であるが、当該大学の戦略に基づくというよりも全国的拠点という性格が強い。
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 | 位置付け
| ○ |
法人化を契機に、大学の自主性・自立性を尊重するとともに、各大学における運営上の裁量を拡大していくことが必要であり、各大学の特色や個性を伸ばす観点から、大学独自の工夫や方針を生かした柔軟な制度設計が可能となるよう特に留意すべきである。このような視点から、「最終報告」においても、現在文部科学省令に規定されている研究施設について法令等には規定せず、各大学の予算の範囲内で随時設置改廃することとされている。
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| ○ |
研究施設は、一般的には附置研究所と比べ、教官の規模は小さく、よりプロジェクト本位の研究活動を行っており、一定期間後、適切な評価によって組織を改廃するという時限的な性格が強いものが多い。その一方で、当該大学にとっての意義に止まらず、全国レベルでの研究拠点として重要な貢献をしているものや国際的な研究拠点になっているものもある。これらの優れた研究活動を展開しているものについては、大学が中期計画において適切な位置付けを行い、国においては所要の財政措置を行うことが必要である。
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| ○ |
全国共同利用の研究施設については、その性格に鑑み、国として所要の経費を適切に措置するとともに、大学の申し出に基づいて、全国共同利用にふさわしいものについては、積極的な認知を行うことが適切である。
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| ○ | 特定のプロジェクトを遂行するための研究施設は、学内から最もふさわしい人材を期限を定めて機動的に起用するという形態が有効と考えられる。このような流動的研究施設は、研究者の流動化の促進を図る上で有意義である。 |
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