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新たな国立大学法人制度における附置研究所及び研究施設の在り方について(中間報告)

2003年1月15日
科学技術・学術審議会


新たな国立大学法人制度における附置研究所及び研究施設の在り方について

(中間報告)





平成15年1月15日


科学技術・学術審議会  学術分科会




新たな国立大学法人制度における附置研究所及び研究施設の在り方について
(  目  次  )


はじめに

1.附置研究所及び研究施設の現状等
  (1)設立経緯及び現状
  (2)基本的特徴
  (3)附置研究所に関するこれまでの政策

2.今後の附置研究所及び研究施設に求められる役割・機能及び位置付け
  (1)附置研究所┘
  (2)研究施設

3.附置研究所及び研究施設の見直し
  (1)既存の附置研究所等の見直し
  (2)今後の定期的な評価及び見直し
  (3)大学における積極的な見直し

4.財源措置等の在り方
  (1)運営費交付金
  (2)施設費補助金(仮称)
  (3)中期目標・中期計画への記載

5.関連課題
  (1)評価システムの確立と経費配分への反映
  (2)今後の学術研究を推進するための財源措置の検討  



新たな国立大学法人制度における附置研究所及び研究施設の在り方について


はじめに

  ○   平成12年7月、独立行政法人制度の下で、大学の特性に配慮しつつ、国立大学及び大学共同利用機関を法人化する場合の制度の具体的な内容について調査検討を行うことを目的に「国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議」が設置され、平成14年3月26日、同会議において「新しい「国立大学法人」像について」(以下、「最終報告」という。)が取りまとめられた。

  ○   「最終報告」の「2組織業務2.制度設計の方針(3)その他の組織(教育研究組織)」においては、
  ・   大学の教育研究組織については、各大学の自主的な判断で柔軟かつ機動的に編制することにより、学術研究の動向や社会の要請等に適切に対応し、大学の個性化を図るため、学科以下の組織は法令に規定せず、各大学の予算の範囲内で随時設置改廃を行うこととする。
  ・   なお、大学の教育研究組織のうち、例えば、学部、研究科、附置研究所等については、その性格上いわば各大学の業務の基本的な内容や範囲と大きく関わるものであり、これらの内容や範囲は、あらかじめできるだけ明確にしておく必要がある。

(中略)

  このため、独立行政法人制度における各法人の内部組織が原則として各法人(の長)の裁量に委ねられることを考慮しつつ、また、現在、中央教育審議会で検討が進められている公私立大学の設置認可の弾力化の方向にも留意した上で、各大学の業務の基本的な内容や範囲を法令(具体的には省令)等で明確化する方法を工夫する。
  ・   特に国としての政策的判断や相当の予算措置を要するような大規模な教育研究組織や事業については、当該大学の業務の確実な実施を担保するとともに、運営費交付金等の公費の支出の積算根拠を明示する観点から、あらかじめ中期計画に記載し、文部科学大臣の認可を得る。
旨の提言がなされた。

  ○   国立大学には、特定の専門分野についての研究に専念することを目的に教官規模の大きな附置研究所と比較的小さな研究施設が設置されているが、現状においては、附置研究所と遜色のない研究体制を有する研究施設も存在している。
  また、今後、我が国の学術研究、すなわち大学セクターを中心に行われている研究を推進するに当たっては、法人化後においても、附置研究所及び研究施設の研究機能を維持向上しうるよう、それぞれの役割を明確にした上で適切な支援を行うことが必要である。

  ○   これらの状況を踏まえ、附置研究所及び研究施設の在り方や新たな法人制度における位置付けを検討するため、平成14年9月9日、科学技術・学術審議会の学術分科会の下に国立大学附置研究所等特別委員会(以下、「特別委員会」という。)を設置した。

  ○   「特別委員会」では、附置研究所及び研究施設の意義や役割、法人化後の附置研究所及び研究施設の在り方について、本年10月以来7回にわたって専門的な検討を行い、これまでの検討について、以下のように考え方をとりまとめた。


1.附置研究所及び研究施設の現状等

(1)設立経緯及び現状
1附置研究所
  昭和24年5月の国立学校設置法制定により、明治以来それまで勅令等により設立されていた研究所については「国立大学に研究所を附置する」と規定された。これが現在の附置研究所の嚆矢であり、この時点で48を数えた研究所は、学術の進展に伴い増加し、昭和49年の富山大学和漢薬研究所(当時)の新設で74研究所に達した。しかし、その後は、純粋に新設されることはなくなり、改組等により組織の活性化を図る一方で、大学共同利用機関や大学院等へ移行する研究所も見られ、平成14年度現在で58研究所となっている。

  戦前に設置された研究所は、当時の国家目的遂行のために役立つ研究を直接の目的として設立される傾向が強かったが、戦後設置された研究所の設立経緯は、大学の研究施設から研究所になったもの(大阪大学たんぱく質研究所等)、日本学術会議から政府に対する設置要望があったもの(東京大学海洋研究所等)、他の附置研究所等と統合したもの(東北大学多元物質科学研究所等)など多様である。

  また、附置研究所の中には、大学共同利用機関として発展したもの(東京大学宇宙航空研究所→宇宙科学研究所、東京大学原子核研究所→高エネルギー加速器研究機構等)、大学院等へ移行したもの(京都大学食糧科学研究所等)など、時代の要請等に的確に応えるため、附置研究所から設置形態を変えたものもある。

  教官定員の規模も様々であり、最大172人(東京大学生産技術研究所)、最小14人(東京大学社会情報研究所)となっている。

  現在、附置研究所を設置している大学数は、97の国立大学中、20大学(全体の約21%)である。

2研究施設
  昭和24年5月の国立学校設置法制定により、それまで学内措置等で設置されていた研究施設については「国立大学の学部に研究施設を置く」と規定された。しかし、その大半は病院や農場・演習林であり、現在の研究施設に相当するものは3施設しかなかった。昭和39年度に附属病院、教育施設、研究施設という区分が明確化され、この時点で研究施設は89施設にまで増え、10年後の昭和49年度には209施設に達した。その後を10年おきに見ると、昭和59年度が320施設、平成6年度が404施設で着実に増加しており、平成14年度現在で482施設となっている。

  また、教官定員の規模は、10人未満の小さなものが全体の84%であり、大きなものとしては、東京大学先端科学技術研究センターの45人が最大で40人台の施設は他になく、30人台が3施設、20人台が10施設という状況である。

  研究施設は、以下の類型に分類される。
ア. 全国共同利用施設(筑波大学計算物理学研究センター等27施設)
  大学の学部等から独立した施設で、大学の枠を越えた全国の当該分野の研究者の共同利用に供し、研究等に資する施設である。

イ. 学内共同教育研究施設(名古屋大学物質科学国際研究センター等322施設)
  大学の学部等から独立した施設で、学内の研究者の共同利用に供し、研究等に資する施設である。

ウ. 学部附属教育研究施設等(大阪大学大学院工学研究科附属超精密科学研究センター等133施設)
  大学の学部等の教育研究を支え、特定目的の研究等に資する施設である。

  また、上記の研究施設の中には、大学における研究基盤及び研究支援機能を提供する施設も含まれている。
    ・ 情報処理施設(43施設)
    ・ 共同研究センター(64施設)
    ・ 動物実験施設(39施設)
    ・ 遺伝子実験施設(33施設)
    ・ アイソトープ総合センター(21施設)
    ・ 機器分析センター(40施設)等
  なお、厚生補導を目的とする保健管理センター、主として教育を目的とする留学生センター、生涯学習教育研究センター等は、従来から研究施設とは区別されており、検討の対象とはしていない。

(2)基本的特徴
1   附置研究所
(大学における位置付け)
  附置研究所は、特定の研究領域に特化して、あるいは新たな研究領域の開拓を目指して、集中的に研究を深めたり、一定の広がりのある研究領域を対象に継続性をもって長期的に研究を進める機関として意義がある。

  また、附置研究所は、大学の基本組織である学部及び研究科と並ぶ組織として位置付けられており、大学の特色や個性を打ち出す重要な役割も果たしている。さらに、全国共同利用の附置研究所(平成14年度現在で19研究所)は、当該分野の研究者コミュニティのための中核的研究拠点としても位置付けられている。

(研究の対象等)
  附置研究所の設置目的のほとんどが当該分野の学理(学問上の原理・理論)及びその応用の研究、あるいは当該分野の総合研究であり、中・長期的視野に立ち学問分野を確立すべく継続的に高度の研究を推進している。したがって、附置研究所自体に時限を付すことはない。なお、研究所に置かれた研究部門や附属施設には一定期間後に適切な評価を行い改廃する時限付き組織とされているものもある。

2   研究施設
(大学における位置付け)
  研究施設は、学部及び研究科において、それぞれの特定目的の研究を推進するために附属の施設を設置したのが始まりであり、その発展形態として、一部局を越えて学内の共同利用に供するために学部等から独立した組織(学内共同教育研究施設)や、大学の枠を越えて全国の当該分野の研究者の共同利用に供する組織(全国共同利用施設)が整備されている。

(研究の対象等)
  研究施設は、各大学の戦略に基づく先駆的・先導的研究を推進する拠点であることから、短期的な達成目標を掲げつつ段階的な研究展開を図るものや、緊急対応的な個別課題の解決に向けた研究体制を機動的に形成しているものが多く、これらの施設には時限が付されている。一方、継続的な観測等を行う施設や各大学における研究基盤及び研究支援機能を提供する施設には時限は付されていない。

(3 )附置研究所に関するこれまでの政策
  大学における研究体制については、近年における学術研究の発展、特に研究手段や研究手法の高度化等に伴い、多くの研究分野で研究者が共同して研究を進める必要性とその有効性が格段に増大している。

  さらに、経費や人材等の効率的な活用を図る観点からも、施設設備の共同利用や研究情報の相互利用等を積極的に推進することが要請されている。

  このような状況に対応するために、学術審議会(現在の科学技術・学術審議会)の答申等に示された方向に沿い、学術研究の動向、社会的要請等を考慮しながら、共同利用体制の一層の推進を図っている。平成14年度現在、58研究所のうち19研究所が共同利用化されている。

  附置研究所の共同利用化にかかる検討の視点は、
ア. 研究所全体のコンセンサスが得られていること、及び、大学として、共同利用化することの了承が得られていること(大学からの概算要求として提出されていること)

イ. 日本学術会議、各種学会、他大学関係者等、学外からの強い要望があること

ウ. 共同研究の実績、施設・設備等研究環境の状況、共同利用化の緊急性・必要性

エ. 大学共同利用機関との関係
等である。

  全国共同利用の附置研究所は、政令に共同利用の研究所として明記され、研究所には運営協議会を設置し、管理・運営について、学外の意見を取り入れるシステムが構築されている。また、共同研究者のための共同研究費、共同研究旅費等が措置されている。

2研究組織の弾力化(大部門制)
  附置研究所には、通常、研究上の基本的な組織として、当該研究所の研究に関連する研究課題ごとに研究部門が置かれていたが、近年の学術研究の多様化、複合化、大型化等の急速な進展を背景に、従来の研究部門より規模が大きく、隣接の課題を大くくりに担当する組織(いわゆる大部門)によって研究を推進することが必要かつ適当なケースが増えてきている。

  そのため、従来の複数の研究部門を一つに統合するほうが、当該研究分野の研究動向等に的確に対応できるものについて、大学からの要求に基づき、適宜改組が進められてきた。附置研究所における大部門制は、昭和53年に一橋大学経済研究所に初めて導入されて以来、平成14年度現在、58研究所のうち52研究所に導入されるに至っている。

  大部門制のメリットとしては、隣接した研究分野の研究者によって研究部門を構成することにより、共同研究を容易にし、新分野、境界領域の学問にも対応しやすいこと、また、隣接した研究分野の研究者との交流が容易になることにより、研究者の視野を広げやすいことなどが挙げられる。

3流動性の促進(客員研究部門)
  客員研究部門は、学問体系の流動化やそれに伴う開かれた研究の要請に対応し、学際領域の研究や関連する学問分野が複雑に交錯する研究等を進めるため、固有の定員を配置せず他大学等の研究者を充てる研究部門として設けられたものである。平成14年度現在、58研究所のうち55研究所で客員研究部門を有している(客員研究部門以外で客員研究員を受け入れている研究部門も含む。)。

  客員研究部門は、
ア.   附置研究所の既設部門における研究、又は附置研究所のプロジェクト研究等を効果的に推進するため、必要に応じ境界領域等の関連分野から研究者の参加を得ることができる。

イ.   附置研究所の研究水準を高めたり、柔軟で創意あるアイデアを導入するために、必要に応じ当該組織の専門とは異なる分野の研究者を研究計画の立案等に参画させることができる。

ウ.   外部の研究者との密接な連携を保つことにより、効果的な共同研究を推進するための研究の組織化を図ることができる。
というような利点を有している。


2.今後の附置研究所及び研究施設に求められる役割・機能及び位置付け

(1)附置研究所
  1 役割・機能
  大学の研究組織は、学術研究の動向や経済社会の変化に対応しながらその機能を十分発揮し、高い研究水準を維持することがその使命であり、そのために附置研究所は重要な役割を果たしてきた。多くの研究所においては、特定の研究領域に特化して、その領域の開拓を目指した集中的な研究が行われてきた。また、一定の広がりのある領域を対象とする総合的な研究所では、継続性を持って長期的な研究を包括的に進めるとともに、重点課題に対する探査的萌芽的研究の育成に努めてきたところである。

  附置研究所は、大学に置かれる機関ではあるが、重要性の高い目的の達成のために、限られた大学に設置されてきているという経緯を踏まえれば、その分野におけるCOE(卓越した研究拠点)であることが強く期待されているものであり、国立大学の法人化後も当該分野をリードする我が国の中核的研究拠点にふさわしい機能と組織の在り方が求められている。

  これらを踏まえ、特別委員会においては、特に法人化後における附置研究所の在るべき姿について、附置されている大学のみに止まらない全国的な役割・機能の観点から幅広い検討を行った。


1我が国の学術研究全体における役割・機能
(学術研究を推進する上での全国的な役割)
  今後の附置研究所として重要なポイントは、我が国の学術研究の推進にどのような役割・機能を有するのかということである。

  附置研究所が我が国の学術研究全体の発展に役割を果たしている典型的な例は、全国共同利用の附置研究所である。これらは、関連学会や研究者コミュニティ等からの要請を受け、当該大学の理解の下に設置されたものであり、単に共同研究を実施するだけではなく、当該分野の中核的研究拠点として研究を推進するに際し、当該研究所の運営や共同利用課題の採択には学外研究者も参画している。

  全国共同利用の研究所は、研究の大型化、高度化、広域化などに対応し、多様な背景を有する関連研究者が共同研究を行うことにより、大学を横断する当該分野全体の研究活動の拠点としての役割を担うものであり、設備や人材、更には情報・データの有効利用という観点から今後もその役割・機能を維持向上することが必要である。

  また、全国共同利用の研究所という明確な位置付けはないが、実質、全国共同利用的な機能を有する附置研究所もある。これは、関連コミュニティが少ないこと、大型の施設や設備を必要としないこと、研究拠点が複数に存在する方がより優れた研究環境を創造する可能性が高いことなど、各分野の特性や研究手法の違いによるものである。例えば、当該附置研究所あるいは附置研究所の附属施設が大量の文献資料や情報発信機能を備え、学外研究者への公開利用に供するなどの機能を有している場合などである。

  さらに、当該分野における世界的な研究拠点となり、学外者を含む研究ネットワークを構築したり、あるいは、所内に外国の研究拠点が設置され、その活動自体が国際的な拠点となっているものもある。近年の学術研究は、単に一国に止まらず、国際的な協力・競争のなかで行われており、このような国際的な拠点の形成も今後の附置研究所の重要な役割・機能である。

(他では困難な研究課題への対応)
  発生再生医学や環境科学、宇宙線による天文学研究など、近年、学術研究の進展や社会的要請に伴い、新たな研究課題への取り組みが求められている分野が増えてきている。附置研究所の大きな役割の一つが、学部及び研究科や他の機関では困難なこれらの研究への挑戦である。

  近年の学術研究は、より学際性が増し、伝統的な分野単独では対応が困難な研究、あるいは、専門の異なった多数の研究者が協力しながらグループで取り組む必要がある研究がますます増えている。附置研究所は、一定の専任の教官が配置され、研究活動に専念することにより、特定の研究領域を深く掘り下げ、あるいは新たな研究領域の開拓を目指して集中的に研究を進展させてきたが、今後はこのような役割・機能を一層強く意識する必要がある。

  このような分野融合的研究や新たな研究領域の創造における附置研究所が果たす役割への期待は大きい。反対に、研究を本来の目的としている組織であるにも拘わらず、その特性を生かしきれず、新たな知的創造力が乏しい附置研究所については、その在り方を見直す必要がある。

  また、困難な研究課題への取り組みを強化するためには、公募等により、国内外から最も優れた研究者により研究組織が構成される必要がある。一般的に、組織として閉鎖的になるようなことは避けるべきであり、教官の流動性が十分保たれる必要がある。

2COE性
  附置研究所は、優れた研究環境を有し、そこに属する研究者の優れた能力と強い研究意欲・情熱により、当該研究分野のCOEとしての機能を十分発揮すべきである。平成11年6月の学術審議会答申でも、他の教育研究組織との有機的な関係の強化により研究上の発展が見込まれる場合は、一層のCOE性の発揮に向けた組織の再編成を検討する必要があり、逆に、COE性を失っている場合には、転換・廃止等を含めて、その在り方を検討する必要がある旨、提言されている。

  COEの特徴は、
ア. 当該分野について、世界においてトップレベルの研究成果を挙げており、それが世界で認知されている。

イ. 当該分野において、世界最高水準の研究者を擁している。特にその分野を牽引する卓越したリーダーがいて内外の研究者を引き付ける力がある。

ウ. 卓越した施設・設備を備えている。
などとされている(平成7年7月学術審議会建議)。

  今後の附置研究所は、目的に応じて十分なCOE性を有する必要がある。

3研究の継承発展の組織的な基盤
  附置研究所の多くは、戦前に設立されたものである。その後、学術動向や社会の変革に対応して研究の方向は様々に変化し、必要に応じ研究所の改組転換等が行われてきたが、それらは、脈々たる先人の過去の研究実績の上に立ったものである。

  附置研究所は、所属する研究者が一定の研究目的に沿った研究を組織的・継続的に行うことにより、その成果が組織に蓄積される点に特長がある。組織的な蓄積が元になって、他の分野との融合等により、新たな研究成果が生み出されるというように、組織的な基盤が附置研究所の活力の源となっている。

  附置研究所の中に研究部門の枠を越えた研究施設が設置される場合も多く、これら短期集中型の研究施設がうまく機能するためには、附置研究所全体の組織的な重厚性が重要な意味を持っている。

  また、後継者の養成を行う上でも、継続的・持続的な研究体制は不可欠であり、今後の附置研究所は、研究の継承発展のための確固たる組織的な基盤を有する必要がある。

4人材養成への貢献
  附置研究所は、本来研究を遂行する場として設置された組織であり、基本的には研究面の活動が主体であるが、大学院段階での教育活動に附置研究所の研究者が協力講座等の形態で参加することや、ポスドクの附置研究所への受け入れが一般的に行われている。

  附置研究所が継続的に研究を進めるためには、優れた若手研究者が後継者として養成・確保されることが必要である。また一方、附置研究所の最先端の研究業績が大学院教育に生かされ、それが、当該大学の教育研究の特色となることから、附置研究所の人材養成機能も研究と並んで重要なものとなっている。

  ただし、附置研究所における若手研究者等の養成・確保については、附置されている大学(大学院)の出身者のみを当てにするのではなく、全国的、国際的な観点で行われるべきである。

5大学の内部組織としての役割・機能
  附置研究所は、学部及び研究科と並び、大学を構成する重要な基本的組織であり、部局として大学運営に参画している。また、当該大学の研究面における特色を端的にあらわす組織であり、そのような附置研究所を有しているということが、大学の顕著な個性ともなっている。

  特に、高度の研究機能を有する大学においては、大学として附置研究所の機能を最大限活用することにより、教育研究の格段の進展を図ることが可能となる。

  さらに、附置研究所は、学部及び研究科との共同研究により、多くの成果を生み出しており、近年では当該大学の産学連携の中心的役割を担うものもある。また、幾つかの学部・研究科の教育研究領域にまたがる学際的な領域を対象とする研究を推進するという役割も重要である。附置研究所については、研究所本来の目的や個性を明確にするとともに、これら大学の中での役割を踏まえて、大学全体として研究所の在り方を検討する必要がある。

2位置付け
  ボトムアップ的な「知の創造」の場として、学術研究上重要な役割を果たしてきた附置研究所は、当該大学の基本的組織の一つであり、「最終報告」でも、各大学の業務の基本的な内容や範囲と大きく関わるため、学部及び研究科と同様に、法令(具体的には省令)等で明確にする方法を工夫するとされている。

  別の観点から考えると、附置研究所は、当該大学に附置されているものの、その歴史的経緯や研究実績からも、実態的には全国的あるいは国際的な拠点として機能している。多様な研究活動を展開し、我が国の学術研究を担っている附置研究所が、継続的かつ安定的に研究活動を展開することは、我が国の学術研究を推進する上で重要であるばかりか、国際的な責務であると言っても過言ではない。そのためには、附置研究所の設置に国が関与し、一定の法的根拠を与えることが適当と考えられる。

  さらに附置研究所は、今後も附置されている大学の部局として大学運営に参画しつつ、大学院教育や産学連携など研究以外の面も含め、大学運営に積極的な貢献をすることが期待される。

  したがって、一定の要件を満たす中核的研究拠点たる附置研究所を法令で明確に位置付けることが必要である。

(2)研究施設
1役割・機能
  研究施設は、大学における学術研究の体制において、国立大学の法人化後においても、附置研究所と同様に重要な役割を持つ組織であり、その多様な機能が適切に発揮されることが必要である。

1先端的な研究拠点
  平成14年度現在、研究施設のうち211の施設が特定の研究目的の達成を目指した時限付きのプロジェクト研究の場という性格を有している。これらは、大学における研究活動の発展的形態として形成されたものであり、今後も先駆的・先導的研究に取り組むための戦略的研究拠点として重要な組織と言える。

  注目すべき点は、規模の小さな研究施設に至るまで専任の研究者を配置していることであり、拠点としての機能を充実させる要因となっており、全体として我が国の研究水準の維持向上に大きな役割を果たすことが期待される。

2研究基盤及び研究支援機能
  平成14年度現在、研究施設のうち半数以上の271の施設が、主に学内の研究支援的な役割を担う施設である。これらの施設は、動物実験、遺伝子実験、RI(放射性同位元素)実験、機器分析、低温実験など学部、研究科及び附置研究所等における幅広い教育研究を支援(サービス)する基盤的な組織として重要な役割を果たしている。

  また、大学という自由な知的創造の場にあって、限られた人的物的資源を有効に活用する上でも、研究支援機能を専門的に担う組織は欠くことのできないものとなっている。さらに情報処理施設のように、幅広い研究者の利用に供されるような施設や、共同研究センターのように産学連携の拠点となっているものなど、学術研究のみならず、社会との連携協力を推進する上で意義の大きい施設もある。

  国立大学の法人化後もこれら施設の機能が低下しないよう、予算措置を含めて十分な配慮が必要である。なお、これらの支援機能がより効果的・効率的に提供されうるよう組織を統合再編するなど学内で検討が進められるべきであろう。

3人材養成等
  研究施設は、学部及び研究科において、その性格上取り組むことが困難な先駆的プロジェクト研究や、比較的規模の大きな施設・設備を必要とする研究課題に取り組むものであるが、その研究過程において学部及び研究科の教育に積極的に参加していくことは、人材養成等の面から有意義なことである。
  また、人材養成の観点からも、研究者は、広く全国から募集し、流動性の高い組織を構築することが求められる。

  一方、多彩な研究活動から生ずる成果をより早く適切に社会に還元するための努力が必要である。法人化後の国立大学において、産学連携への取り組みは重要な課題であり、研究施設の有効活用を十分図る必要がある。

4全国共同利用の研究施設
  全国共同利用の機能を有する研究施設は、全国共同利用の附置研究所同様、全国の当該分野の研究者の共同利用に供し研究等に資することを目的としており、大型研究設備や資料・データの共同利用や共同研究課題の募集・採択など全国的な学術推進の観点からの活動が行われている。また、7つの全国共同利用の情報基盤センターにおいては、各地域ブロックの情報ネットワーク拠点として、学術情報システムの構築に大きな貢献をしている。これら研究施設の運営には、学外の関係研究者も参画しているところである。

  全国共同利用の研究施設も、他の研究施設同様、特定の目的を遂行するための研究拠点であるが、当該大学の戦略に基づくというよりも全国的拠点という性格が強い。

2位置付け
  法人化を契機に、大学の自主性・自立性を尊重するとともに、各大学における運営上の裁量を拡大していくことが必要であり、各大学の特色や個性を伸ばす観点から、大学独自の工夫や方針を生かした柔軟な制度設計が可能となるよう特に留意すべきである。このような視点から、「最終報告」においても、現在文部科学省令に規定されている研究施設について法令等には規定せず、各大学の予算の範囲内で随時設置改廃することとされている。

  研究施設は、一般的には附置研究所と比べ、教官の規模は小さく、よりプロジェクト本位の研究活動を行っており、一定期間後、適切な評価によって組織を改廃するという時限的な性格が強いものが多い。その一方で、当該大学にとっての意義に止まらず、全国レベルでの研究拠点として重要な貢献をしているものや国際的な研究拠点になっているものもある。これらの優れた研究活動を展開しているものについては、大学が中期計画において適切な位置付けを行い、国においては所要の財政措置を行うことが必要である。

  全国共同利用の研究施設については、その性格に鑑み、国として所要の経費を適切に措置するとともに、大学の申し出に基づいて、全国共同利用にふさわしいものについては、積極的な認知を行うことが適切である。

  特定のプロジェクトを遂行するための研究施設は、学内から最もふさわしい人材を期限を定めて機動的に起用するという形態が有効と考えられる。このような流動的研究施設は、研究者の流動化の促進を図る上で有意義である。


3.附置研究所及び研究施設の見直し

  国立大学の法人化にあたっての附置研究所及び研究施設の見直しについては、
ア.既存の附置研究所等の見直し
イ.今後の附置研究所及び全国共同利用の研究施設に対する定期的な評価及び組織の見直し(新設を含む)
ウ.大学自身により行われるべき、点検及び組織の見直し
というような、3つの視点があることに留意する必要がある。

(1)既存の附置研究所等の見直し
  国立大学の法人化に際して、従来の附置研究所等について適切な観点に基づき科学技術・学術審議会として見直しを行う必要がある。見直しに当たっては、その観点の明確化・妥当性に留意するとともに、見直しの手続等の透明性を確保する必要がある。
  また、見直しの観点については、我が国全体としてバランスのとれた研究体制の構築を念頭に置きつつ、当該附置研究所等の果たす役割・機能を考慮する必要があり、長期的視野に立った見直しを行うべきである。

  今後の附置研究所に期待される役割・機能を踏まえ、次のような観点から既存の附置研究所及びこれに匹敵するような実態を有する研究施設について見直しを行い、附置研究所と位置付けることの適否について改めて判断することが必要である。

1全国共同利用の附置研究所
  当該分野の研究を推進する上で全国共同利用の形態が必要かつ有効であること、その機能が十分に発揮され研究活動が展開されていることを要件とすべきである。
  具体的には、
ア. 大型設備やデータの活用が十分なされているなど、共同利用のシステムが機能しているか。

イ. 定期的な第三者評価に基づく改善や、新たな学術動向や研究者コミュニティの要請に対応した組織運営の見直しがなされ、組織として活性化しているか。

ウ.共同研究プロジェクトの応募及び採択の状況、国際共同研究の実施状況等の実績が上がっているか。
などを総合的に判断することが必要である。さらに、その他の附置研究所と同様、適切に組織の見直しが行われていること、COE性があることも重要である。

2その他の附置研究所
  次の点に関して、附置研究所と位置付けることがふさわしいかを総合的に判断すべきである。
ア.目的の重要性
  目的が学術研究上重要であり、重点的に発展させるべき分野に関わるものであることが必要である。その意味で、第三者評価に基づく適切な組織の見直しが行われていることが重要である。具体的には、過去10年以上まったく組織の見直しが行われていないような附置研究所については問題があろう。

イ.活動の全国的な意味
  全国共同利用の形態はとっていないが、全国的に意味のある研究活動を行っていることが必要である。「全国的に意味がある」かどうかを一般的な指標で測ることは難しいが、全国の関連研究者の知の集積の場と考えれば、全国共同利用の研究所と同様、共同研究や国際共同研究の実施状況や情報データの蓄積及び提供の状況、さらには、研究体制の流動性の観点から、教官の任期制が導入されていることなどが重要である。また、自然科学系の研究所にあっては、産学連携、外部資金など研究成果の社会的な還元の状況も要素となる。

ウ.COE性
  研究活動の状況が国際的な水準にあり、我が国の研究機関としてCOE性を有していることが必要である。
  具体的には、学術審議会建議で示されている条件を満たすことが重要であるが、科学研究費補助金の採択状況、論文掲載・引用数、著名な外国人研究者の招聘、学術国際交流への取り組み状況等の要素をもとに、総合的に判断する必要がある。

エ.組織性
  研究機関として、継続的に機能を発揮するに十分な一定の人的規模を有することが必要である。
  附置研究所が、全国的な機能を有しつつ、研究者個人の成果を有機的に結合し、最大限の効果を発揮して、新たな分野領域の開拓を目指すとともに、学部及び研究科と同様に学内においても基本的な組織として位置付けられ、大学の運営にも参画するなど諸般の要因を考えれば、当然、学部及び研究科に準ずる程度の教官規模が求められることになる。必要規模としては学問分野やその研究所の目的・使命により異なるものの、学部や研究科の規模や、基本的組織としての位置付け等を考慮すれば、30人程度がその目安となろう。
  なお、この目安については、硬直的に適用することは避け、役割・機能の重要性にも配慮して弾力的に運用すべきである。

(2)今後の定期的な評価及び見直し
  附置研究所等とされたものが十分に役割・機能を発揮しているか等をフォローアップしていくため、附置研究所や全国共同利用の研究施設について定期的な評価を行うとともに組織見直しを検討する必要がある。これらを含め各国立大学法人の評価については、文部科学省に国立大学法人評価委員会(仮称)を設けて行うことが検討されているが、他方、我が国の学術体制全体の観点から附置研究所等に求められる役割・機能については、科学技術・学術審議会等で学術政策の観点から検討を行うことが適当であり、両機関の間の適切な連携が必要である。また、同様に、大学における研究活動から発生してきた研究組織が附置研究所等として発展する可能性についても留意することが必要である。

(3)大学における積極的な見直し
  各大学における研究組織の自己点検・評価の必要性については、研究組織に属する研究者が活発な研究活動を展開し、研究組織自体が常に活性化した状態を維持する観点から、過去の審議会答申等においても指摘されているところである。

  国立大学法人化後においては、大学の研究体制は制度的に柔軟性・流動性が増大し、設置改廃への国の関与は限定される。その結果、大学ごとの自主的な判断による戦略的な研究の展開が進むであろう。そのような中においては、そうした研究組織活性化能力をさらに高める評価システムについて、学長のリーダーシップの下に構築する必要がある。

  必要とされるリーダーシップは、現場から生まれる創意と意欲を、既存の教育研究の枠組みとの調整を踏まえて、実効性のある組織改編に結実させる性格のものである。そうした意味でのリーダーシップ発揮を可能とするような評価と組織改編のシステムを整備する必要がある。

  研究組織にとって、定期的に研究活動の自己点検を行うことは当然であるが、特に附置研究所は、大学にあって研究活動に専念する組織であり、第三者による研究評価等が適切に行われるとともに、学問の体系と自己の研究の発展に応じて機動的にダイナミックな点検・見直しが行われなければならない。

  附置研究所は、基本的には、目的志向の研究組織としての性格から、学部及び研究科に比べれば、学問状況の変化に対応して、より柔軟に組織の在り方を変化させていくことが想定されている組織である。今後とも、そうした柔軟な組織見直しにより、附置研究所の機能が一層発揮できるよう、大学において積極的に検討が行われる必要がある。

  研究施設の多くは、一定の目的達成を目指す時限付きのプロジェクト研究の場という一面を持っている。その目的は、先端的基礎研究から産業化を目指した応用開発研究まで幅広いが、時間軸に沿って考えれば、附置研究所以上に柔軟な研究組織と位置付けられ、そうした特徴が十分発揮されるように適切な見直しが行われる必要がある。

4.財源措置等の在り方

(1)運営費交付金
  附置研究所及び研究施設に関する運営費交付金については、国立大学の法人化後においても、それらの研究機能の維持と向上に向けて、研究活動の状況や将来の発展の見通し等を踏まえた適切な算定方法を検討する必要がある。

  具体的には、個別の附置研究所及び研究施設ごとに、人件費、基盤的な研究費やプロジェクト研究経費等の所要経費を積算し、大学への運営費交付金の中で確実に措置する必要がある。今後の附置研究所及び研究施設の研究水準の維持向上のためには、国による安定的な財政支援は不可欠である。なお、これらの運営費交付金については、積算根拠の明確化に留意する必要がある。

  ほとんどの全国共同利用の附置研究所や研究施設においては、当該研究所等の研究目的に則したプロジェクト研究経費等の比重が大きい。教官数などに基づいた外形標準的経費だけでは、全国連携・共同利用が効果的に推進できないことから、共同利用研究施設運営費や附属施設経費等によって、全国連携・共同研究を推進するための財政基盤が形成されている。

  これらの共同利用に関わる経費は、単に外部の研究者に対する研究サービスのための経費ではなく、当該研究所・研究施設に所属する研究者を含めた全国の関連研究者群のための研究経費であることに十分注意する必要がある。

  法人化後も、全国共同利用の附置研究所及び研究施設を各分野における大学を横断する全国連携の中核的組織と位置付け、そのための経費が安定的に措置されるべきである。そのためには、所要の運営費交付金が全国共同利用の附置研究所及び研究施設が置かれた大学に適切に措置される必要がある。

  法人化後の全国共同利用の附置研究所及び研究施設に関しては、国においては、全国連携・共同利用に関わる経費を運営費交付金により大学に対して確実に措置する一方、当該大学においては、研究所等の目的が達成されるよう所要の予算を適切に配分すること等が重要である。我が国の学術研究体制に重要な役割を果たしている全国共同利用のシステムを発展させるためには、国及び国立大学法人の関係については、責務を分担して協力するパートナーと捉えるべきである。このような協力の下で、今後の附置研究所及び研究施設は、始めて適切に全国共同利用の機能を果たしうるものである。

(2)施設費補助金(仮称)
  附置研究所及び研究施設の教育研究に必要な大型設備については、施設と同様、教育研究活動の重要基盤であり、国家的資産を形成するものであることから、施設費補助金(仮称)をもって措置する必要がある。

  巨額の予算を要する大型の施設・設備の導入については、従来から学術審議会等による審議結果を踏まえてなされてきたが、今後とも適切な評価システムの下で十分な検討が行われることが必要である。

  このように、附置研究所や研究施設での大型プロジェクトについては、その施設費や設備費について、この施設費補助金(仮称)で適切に措置していく必要がある。

(3)中期目標・中期計画への記載
  「最終報告」には、「国としての政策的判断や相当の予算措置を要するような大規模な教育研究組織や事業については、当該大学の業務の確実な実施を担保するとともに、運営費交付金等の公費の支出の積算根拠を明示する観点から、あらかじめ中期計画に記載し、文部科学大臣の認可を得る。」旨記述されている。
  附置研究所や特色のある研究施設の活動の基本的な事柄については、中期計画に全学的視点から個別に記載することが適切である。また、その他の研究施設についても、全学的視点や当該施設の研究目的を考慮した記載方法を工夫する必要がある。

  さらに、全国共同利用の附置研究所及び研究施設については、大学の中期目標及び中期計画において当該研究所及び研究施設の果たすべき役割・機能等を明確にすることが適当である。

5.関連課題

(1)評価システムの確立と経費配分への反映
  我が国全体としてバランスのとれた研究体制の整備を進める観点から、重点的に整備すべき研究領域を適切に設定したり、各分野の研究体制を評価する仕組みを整えることが必要となっている。

  学術研究は、常に新しいものへの挑戦、萌芽的研究への取り組みを行うことが使命である。限られた資源の中で、必要に応じ迅速かつ適切な国からの経費投入が学術研究の進展にとって不可欠である。法人化後の大学の研究機関に対する評価とこれに対応した経費配分の在り方について検討がなされる必要があると考える。なお、その際には、大学における学術研究の特色、実態を十分踏まえる必要がある。

(2)今後の学術研究を推進するための財源措置の検討
  法人化後の我が国の大学セクターで行われる学術研究の推進体制に関して、各分野の学術研究を一貫性をもって推進するための企画・評価・資源配分の仕組みについて、中長期的観点から、諸外国の学術研究体制も参考にしながら調査検討する必要がある。

  科学研究費補助金のような基本的に研究者個人を対象とした競争的資金の重要性は言うまでもないが、その一方で、組織を対象とする競争的資金という枠組みを作ることも考えられる。その場合、国全体の学術研究戦略を視野に入れた評価が必要であろう。特に、附置研究所や研究施設はそれぞれの研究上の使命に応じた組織的研究を推進しているので、法人化後において、このような新たな枠組みの可能性を中長期的観点から検討する必要がある。