科学研究費補助金制度の評価について はじめに

 学術研究は、研究者の自由な発想と研究意欲に基づき、研究者自らがテーマを設定し、研究を実施することにより、新しい法則・原理の発見、方法論の確立、新しい知識や技術の体系化、先端的な学問領域の開拓等を目指した、人文・社会科学から自然科学までの幅広い学問分野における知的創造活動である。

 その成果は、人類共通の知的資産を形成するとともに、産業、経済、教育、社会などの諸活動及び制度の基盤となるものであり、また、人間の精神活動の重要な構成要素を形成し、広い意味での文化の発展や文明の構築に大きく貢献するものである。

 科学研究費補助金は、これまで我が国の大学等の研究活動を支える基幹的研究費として中心的役割を担い、国家・社会の発展の基盤となる学術研究を活性化させるとともに、我が国の高い学問水準の維持向上に大きな役割を果たしてきた。

 科学技術・学術審議会学術分科会研究費部会においては、このような科学研究費補助金について、今後の予算の拡充や時代のニーズに対応した制度の一層の充実を図るとともに、その意義・重要性について広く社会の理解を得ることを目的として、その制度及び運営全般について検討を行い、必要な改善方策について審議を行った。

 また、総合科学技術会議からは、同会議が行う競争的研究資金制度についての評価への対応を要請されており、そのための審議を併せて行ったところである。なお、その際、総合科学技術会議が平成15年4月21日にとりまとめた「競争的研究資金制度改革について」(意見)についても考慮しつつ審議を行った。

 研究費部会では、平成15年2月より6回にわたり審議を行い、課題採択や資金配分を含め、科学研究費補助金制度の全体について評価し、ここに、当面の改善事項及び中長期的観点から検討すべき事項を整理した。

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研究振興局振興企画課学術企画室

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