資料3‐3 大学等の研究力強化に関する論点

(1)我が国の研究力が、国際的に見ると相対的に低下している要因について

(論点例)

  • 海外における状況変化
  • 国内における状況変化 等

(第46回の主な意見)

○ 中国は、国策で特定の機関に大金を投じて頑張らせる、あるいは論文を1本書けば給料を上げるなどの政策を講じて論文を書かせている。日本の研究者数はドイツ・フランス・英国より多いのに、論文数はそれほど変わらない。研究者一人当たりの論文数などを検証して、対策を考えることが大事。

○ ヨーロッパで国際共著論文が出ているのは、お金を全部ブリュッセルに集め、国際共同研究に交付しているため。

○ 大学は、新しい募集が出てくるたびにそのために用意をして、どんどん研究する時間がなくなっている。新しい制度に振り回されている。

○ 新たな施策のみならず、施策を育てる視点が重要。これまでの施策の中で優れたものは、さらに補強してもっと良い施策にする。あるいは改善によって大きな発展が期待される施策は育てる。目新しい施策が次から次へと現れるだけでは、現場が混乱をきたすのみである。

(2)要因の分析を踏まえて、国際水準の研究力を強化するために、大学等に求められる改革・取組について

(論点例)

  • 学長のリーダーシップによるマネジメント改革
  • 国際的に通用する研究環境・体制の改善
  • 若手研究者・女性研究者の積極的登用
  • 研究の国際化の推進
  • 部局の垣根を超えた戦略的な取組
  • 部局横断的な(学外研究者も含む)分野連携の推進
  • 大学の研究が社会の期待・要請に応えるために必要な取組 等

(第46回の主な意見)

○ 大学が応えるべきニーズの増加に対して、学術研究からはどれくらいの成果を出すのかというような、もう一歩、広い分析が必要なのではないか。

○ 予算措置のみならず、人的な組織をいかにまとめ上げていくかということは、人材育成、及び研究達成のために大事。

○ 優れた魅力的な研究を日本からもっと発信していくことが大事。日本の先生方に触れたい、最先端の研究をしたいと思わせるような、優れた研究室、拠点をどんどん進めていくことが最終的にグローバル化になるのではないか。

○ 定年間近の教員が、知識や経験を生かして、現役の教員を助け、様々な問題の解決への対応策とすることができないか。一旦ポジションと切り離した上で、研究教育の危機的な状況を支え助けることができる仕組を考えることが必要。

○ 女性研究者の割合がますます低くなっている。いわゆるマイノリティ採用というものをもう少し考えねばいけない時期になっている。大学で優秀な成績をとる女性は多く、その一部を少しでも大学の中にとどめておきたいと考えるのならば、もう少し女性研究者の割合の低さに危機感を持つべき。

○ 産学連携において大学は貢献していることを強調すべき。ベンチャー育成、特許数の増加など、産業に対して大学がかなり基盤的な力を発揮している。

(3)厳しい財政状況のもとで、国に求められる大学等の改革・取組に対する支援の在り方について

(論点例)

  • 従来のデュアル・サポート体制に加えた戦略的な支援 等

(第46回の主な意見)

○ 根本的な改革というのを考えてみるいい時期ではないか。大学間での研究費配分に過度の傾斜があるという議論もあるし、GCOEをやめてさらに特定化した拠点の形成がいいのか疑問もある。

○ 大学のあるべき姿を考えたときに、基盤的な多様性はキープしなければいけないが、その中で日本の強みを発揮していくためには、「量より質」を追求すべき。膨大なコストがかかる量勝負の土俵は、日本が得意かといわれるとはなはだ疑問。

○ 特化した分野においては日本の大学は強い。それを把握した上で、全体を見て政策を考える必要がある。

○ 学術研究の国際化の中で、個人レベルでできることに限界がある施策もある。(ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムでは、国レベルでの方向性を議論しなければ進まない部分がある。)
 科学技術外交という概念を基本にして、理系の研究者個人だけではなく、社会科学、人文科学の研究者や、政府関係の方々も含めた広い範囲が協働して取り組む国際事業を推進してほしい。

○ 大学院に幾ら投資するとか、大型研究資金を出すことも必要だが、足腰を鍛える教育をしっかりやっておく必要がある。運営費交付金の確保が重要。

○ 文系の研究には、文化に根差したちゃんとしたものができるのかということが非常に重要。先端研究の重要性はわかるが、文系については、そういう熟成する可能性の芽を摘まないような施策も必要。

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-- 登録:平成25年05月 --