平成21年度予算案について(学術研究関係予算)

(1)大学等における研究基盤の整備、基礎研究の推進

○国立大学法人運営費交付金 平成21年度予算案 1兆1,695億円
  (平成20年度予算額 1兆1,813億円)

 国立大学等の教育研究基盤を支えるために必要な運営費交付金を確保し、国立大学等における教育研究の充実と活性化を図る。

○私立大学等経常費補助等 平成21年度予算案 3,374億円
  (平成20年度予算額 3,419億円)

私立大学等における経常費補助を確保するとともに、施設・設備の高度化・高機能化を支援する。

○大学・大学共同利用機関等における独創的・先端的基礎研究の推進 平成21年度予算案 1,146億円
  (平成20年度予算額 1,187億円)

 国立大学における共同利用・共同研究により先端的な学術研究を推進するとともに、最先端の学術研究を支える情報基盤設備(学内LAN)や、老巧化・陳腐化した基盤的な研究設備(ヘリウム液化システム、電子顕微鏡等)を整備する。
大学共同利用機関において、施設・設備・資料等の共同利用と共同研究により世界をリードする独創的・先端的な基礎研究を推進する。
大型プロジェクトであるアルマ計画について電波望遠鏡等の整備を進めるほか、施設据付型の先端的な大型設備(核磁気共鳴装置等)を拠点大学に整備し、共同利用・共同研 究を推進する。

○「第2次国立大学等施設緊急整備5か年計画」の推進 平成21年度予算案 834億円
  (平成20年度予算額 921億円)

 国立大学等の施設は、世界一流の優れた人材の養成と創造的・先端的な研究開発を推進するための拠点であり、科学技術創造立国を目指す我が国にとって不可欠の基盤であることから、第3期科学技術基本計画を受け策定した「第2次国立大学等施設緊急整備5か年計画」(平成18年4月策定)に基づき、安全・安心な教育研究環境を確保するため最重要課題として耐震化の整備を推進するとともに、イノベーションを創出する若手研究者等の人材育成や国際競争力強化のための世界トップレベルの教育研究拠点の整備充実を図る。また、大学附属病院の再開発整備について引き続き着実に計画的な整備を図る。

(2)競争的資金による取組

○科学研究費補助金 平成21年度予算案 1,970億円
  (平成20年度予算額 1,932億円)

 人文・社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を格段に発展させることを目的とする「競争的資金」であり、「ピア・レビュー」(専門分野の近い複数の研究者による審査)により、豊かな社会発展の基盤となる独創的・先駆的な研究に対する助成を行う。

○グローバルCOEプログラム 平成21年度予算案 342億円
  (平成20年度予算額 340億円)

 「21世紀COEプログラム」の成果を踏まえ、国内外の大学・機関との連携と若手研究者の育成機能の強化を含め、国際的に卓越した教育研究拠点形成を厳格な審査・評価を通じてより重点的に支援する。

○世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI) 平成21年度予算案 71億円
  (平成20年度予算額 71億円)

 高いレベルの研究者を中核とした世界トップレベルの研究拠点形成を目指す構想に対して集中的な支援を行い、システム改革の導入等の自主的な取組を促すことにより、世界から第一線の研究者が集まる、優れた研究環境と高い研究水準を誇る「目に見える拠点」の形成を目指す。

○人文・社会科学の振興 平成21年度予算案 8億円
  (平成20年度予算額 6億円)

 人文・社会科学分野において、政策的・社会的ニーズに対応した研究を推進するとともに、豊富な学術資料やデータ等を有する組織のポテンシャルを活用し、国公私立大学を通じた共同利用・共同研究拠点の整備等により、当該分野の振興を図る。

(3)優れた研究者の養成・確保

○特別研究員事業 {独立行政法人日本学術振興会} 平成21年度予算案 163億円
  (平成20年度予算額 158億円)

優れた若手研究者が、その研究生活の初期において、自由な発想のもとに主体的に研究課題、研究の場等を選びながら研究に専念できるよう研究奨励金を支給する。

  • 特別研究員(DC)の拡充 4,400人→4,600人
  • 特別研究員(RPD)の拡充 80人→90人
○海外特別研究員事業 {独立行政法人日本学術振興会} 平成21年度予算案 16億円
  (平成20年度予算額 15億円)

※独立行政法人の運営費交付金の内数

 我が国の学術の将来を担う国際的視野に富む有能な研究者を養成・確保するため、優れた若手研究者が、自らの研究計画に基づき、海外の大学等の学術研究機関において長期間(2年間)研究に従事する機会を支援する。

  • 海外特別研究員の拡充 378人→384人
○若手研究者への国際研鑚機会の充実 {独立行政法人日本学術振興会} 平成21年度予算案 7億円
  (平成20年度予算額 6億円)

※独立行政法人の運営費交付金の内数

 国際舞台で活躍できる若手研究者育成のため、日本の大学と海外の大学等研究機関との組織的な連携により、若手研究者に海外での研鑽機会を提供する「若手研究者インターナショナル・トレーニング・プログラム(ITP)」を実施する。 また海外の若手研究者との短期集中セミナーの開催や、我が国の若手研究者の「リンダウ・ノーベル賞受賞者会議」への派遣を行う。

  • 若手研究者インターナショナル・トレーニング・プログラム(ITP) 18件→23件

(4)学術国際交流

○各国学術振興機関との連携によるボトムアップ型国際共同研究の推進
{独立行政法人日本学術振興会}
平成21年度予算案 0.7億円(新規)

※独立行政法人の運営費交付金の内数

 世界各国が国際協調の下に推進することが求められる課題の解決に向け、各国学術振興機関との連携により、中・長期的に取り組むべきボトムアップ型の国際共同研究を推進する。

○外国人研究者招へい・ネットワーク強化{独立行政法人日本学術振興会} 平成21年度予算案54億円
  (平成20年度予算額 61億円)

※独立行政法人の運営費交付金の内数

 我が国全体の学術研究の推進及び国際化の進展を図るため、キャリアステージ及び招へい目的に応じた多様なプログラムにより外国人研究者を我が国に招へいするとともに、来日直後のオリエンテーションの実施、各種情報資料の提供等、外国人研究者の研究生活のバックアップのための各種サービスを提供する。(外国人特別研究員、外国人研究者招致事業、研究者国際交流センター)
 また、外国人研究者招へい事業経験者等を対象に、帰国した外国人研究者コミュニティの形成を促進し、再来日の機会を提供するなど、日本と諸外国の研究者ネットワークの強化を図る。(研究者ネットワークの形成・強化)

お問合せ先

研究振興局振興企画課

03-5253-4111