ここからサイトの主なメニューです

学術分科会(第55回) 議事録

1.日時

平成26年2月5日(水曜日)10時~12時

2.場所

東海大学校友会館「望星の間」

3.出席者

委員

(委員、臨時委員)
平野分科会長、佐藤分科会長代理、秋池委員、安西委員、奥野委員、甲斐委員、鎌田委員、高橋委員、西尾委員、羽入委員、濵口委員、伊藤委員、大沢委員、亀山委員、金田委員、小安委員、鈴村委員、武市委員、谷口委員、野崎委員、藤井委員、宮下委員
(科学官)
小菅科学官、島野科学官、関科学官、高木科学官、瀧川科学官、德宿科学官、中島科学官、中村科学官、羽田科学官、美濃科学官、森田科学官

文部科学省

板東文部科学審議官、吉田高等教育局長、小松研究振興局長、岩瀬政策評価審議官、関文教施設企画部長、山脇研究振興局審議官、磯谷研究開発局審議官、浅田高等教育企画課長、豊岡国立大学法人支援課長、小山企画評価課長、板倉振興企画課長、合田学術研究助成課長、木村学術機関課長、下間参事官(情報担当)、和田人材政策推進室長、横井大学技術移転推進室長、中野学術企画室長、齊藤競争的資金調整室長、山口学術研究助成課企画室長、長澤学術基盤整備室長、太田和国際戦略分析官、斎藤総務研究官、小野寺学術企画室長補佐

4.議事録

【平野分科会長】  
皆様、おはようございます。佐藤先生はまだお見えではないのですが、時間になりましたので分科会を始めさせていただきます。
もう正月始まって1か月以上たちますけれども、本年もよろしくお願い申し上げます。本日は後から御提案申し上げたいと思いますが、学術研究の在り方について、特別委員会を動かしながら、皆さん方と危機感の共有と、在り方そのものを含めて議論をまとめていきたい、と思っております。御協力賜りますようよろしくお願い申し上げます。
では、まず事務局に人事異動があったということでありますので、紹介をお願いします。

【中野学術企画室長】  
失礼いたします。まず初めにお断りさせていただきますけれども、本日、国会会期中でございまして、国会等の影響で、事務局幹部が、途中入退室等ございます。あらかじめおわび申し上げます。申し訳ございません。
前回の分科会以降の事務局異動について紹介させていただきます。
研究振興局長、小松でございます。

【小松研究振興局長】  
1月17日付で研究振興局長を拝命いたしました小松と申します。研究振興行政、中でもその基盤を成します学術案件の在り方につきまして、いろいろと御指導いただきながら、精いっぱい努めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【中野学術企画室長】  
なお、前研究振興局長の吉田局長は、高等教育局長に着任しております。本日は、申し訳ありませんが、途中からの参加になる予定でございます。
岩瀬政策評価審議官でございます。

【岩瀬政策評価審議官】  
岩瀬でございます。よろしくお願い申し上げます。

【中野学術企画室長】  
研究振興局担当審議官、山脇審議官でございます。

【山脇研究振興局審議官】  
山脇です。よろしくお願いいたします。

【中野学術企画室長】  
研究開発局、磯谷審議官でございます。

【磯谷研究開発局審議官】  
磯谷です。よろしくお願いします。

【中野学術企画室長】  
研究振興局振興企画課長、板倉でございます。

【板倉振興企画課長】  
板倉でございます。よろしくお願いいたします。

【中野学術企画室長】  
学術研究助成課長、合田でございます。

【合田学術研究助成課長】  
合田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【中野学術企画室長】  
事務局異動は以上でございます。

【平野分科会長】  
ありがとうございました。
続いて、事務局より配付資料の確認をお願いします。

【中野学術企画室長】  
お手元の資料、議事次第に配付資料一覧を掲げさせていただいております。資料1以下、読み上げを省略させていただきますけれども、資料に欠落等ございましたら、その都度、事務局までお申し付けいただければと思います。
なお、参考資料として、1、2、3と、裏面に挙げてございます。こちらは会議の中で御紹介できませんので、簡単に説明いたしますと、参考資料1は、平成26年度予算案の概要でございます。白表紙のこのような資料になっておりまして、資料番号が付いておりませんので御留意願います。
それから参考資料2は、研究開発システム改革のうんぬんと、いわゆる研究開発力強化法の改正でございます。いろいろな改正点がございますけれども、分科会でも以前に話題になりました労働契約法の関係、期間を限定した有期雇用を繰り返して5年以上たったときには無期転換が可能になるということにつきまして、研究者等につきましては、それを10年にするという改正内容が含まれておりますので、御報告させていただきます。
それから参考資料3の文部科学省における研究開発に関する評価指針の改定案でございますが、これも前回の分科会で御紹介があった件で、審議会では研究開発評価部会の方で御審議いただいているものでございますが、前回以降の御意見等も含めまして、修正したものがパブリックコメントに付されております。今後、パブコメを踏まえた修正がなされ、改定という運びになっておりますので、御報告させていただきます。
資料については以上でございます。

【平野分科会長】  
ありがとうございました。
それでは、議事に入りたいと思います。
本日は、大学の研究力強化という関係で、東京大学と早稲田大学より、リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備事業に関するプレゼンテーションを頂きます。このURAの活用を含めた大学等の研究支援体制や研究環境の在り方に関しては、引き続き御議論を頂くことになっておりますので、よろしくお願いします。
続きまして、先ほど冒頭での挨拶で触れましたように、昨今の学術研究をめぐる状況は、年取った私が思うところで個人的なこともありますけれども、ある意味、大変心配をしております。今後の学術研究の在り方について、ここの分科会の中で特別委員会がありますので、そこに付託して議論を頂きたい、そして、ここの分科会に持ち上げていただきながら議論をし、骨太の方針を決めていきたい、こういうふうに考えております。あとまたこれについては御提案申し上げて、御意見を伺います。
その後、各部会の審議状況の報告を頂き、研究費審査部会からの審議状況の御報告、更に4番目として、学術及び大学改革を巡る動向として、事務局より、学術関係予算の状況、研究不正関係のガイドライン、国立大学改革プラン等について、御報告を頂くことになっております。
まず、大学の研究力強化について、プレゼンを頂きながら質疑をしたいと思っておりますが、前回に引き続き、大学の研究力強化について議論しておりますけれども、研究支援体制や研究環境の在り方について、ここでは御議論いただきたいと思っております。
URAを育成・確保するシステムの整備事業を受けられまして、大変努力をし、成果が上がっておりますスキル標準の策定に取り組まれている東京大学と、それから、研修・教育プログラムの整備に取り組まれておられる早稲田大学の両大学から、取組状況について御説明を頂きます。
加えて、事務局が用意した資料も参考にしながら自由討論をしたいと考えております。
まず、事務局から、リサーチ・アドミニストレーターシステムを活用した大学等の研究力強化に係る施策等について、御説明をお願いします。よろしくお願いします。

【中野学術企画室長】  
失礼いたします。お手元の資料1-1を御用意いただきたいと思います。
本日、リサーチ・アドミニストレーターに関する御発表を頂く前に、簡単なおさらいをさせていただきたいと思います。
まず、リサーチ・アドミニストレーターに関する主な提言等として挙げてございます。科学技術・学術審議会の関係では、平成22年9月に技術・研究基盤部会産学官連携推進委員会の方で提言が出ておりまして、国としてリサーチ・アドミニストレーターの育成・確保を支援すること等の必要性がうたわれております。
また、第4期科学技術基本計画におきましても、大学や公的研究機関において研究活動全体のマネジメントや、知的財産の管理、運用、施設、設備の維持、管理等を専門とする多様な人材が活躍できる体制を整備する必要があると言うことで、支援者、支援体制の整備の必要性が言われております。
また、平成25年度、今年度に入ってからも各種の閣議決定でリサーチ・アドミニストレーターの必要性が言われておりまして、1つ目は、科学技術イノベーション総合戦略、研究支援者の職種を研究者と並ぶ専門的な職種として確立し、社会的認知度を高めるといったことなどが書かれております。
また、日本再興戦略におきましても、リサーチ・アドミニストレーター等の研究支援人材を着実に配置するということが言われております。
2ページに参りまして、このリサーチ・アドミニストレーターに関する文科省の主な施策の例でございます。
2つ挙げておりまして、詳しい内容は4ページにそれぞれの概要も載せておりますけれども、1つ目、平成23年度から、リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備ということでやっていただいておりまして、本日、御発表いただきますスキル標準、研修・教育プログラムの整備も含めまして、リサーチ・アドミニストレーターの整備事業を進めているところでございます。
また平成25年度からは、本分科会の議論も経てスタートいたしました研究大学強化促進費の方でも研究環境改革と合わせてリサーチ・アドミニストレーターを含む研究マネジメント人材の確保・活用といったことに取り組んでいただいているところでございます。
なお、下の方にアスタリスクで書かせていただいておりますけれども、リサーチ・アドミニストレーターと言った場合の定義という確立したものはございませんけれども、この文科省の両事業におきましては、次のように定義されておりますということで、御参考にしていただければと思います。大学等において、研究者とともに研究活動の企画・マネジメント、研究成果活用促進を行うことにより、研究者の研究活動の活性化や研究開発マネジメントの強化等を支える業務に従事する人材。例えばという例示も挙がっております。
また、2段落目ですけれども、先般改正されました研究開発力強化法におきましても、リサーチ・アドミニストレーターを念頭に置いた規定が追加されておりまして、研究開発等に係る企画立案、資金の確保並びに知的財産権の取得及び活用その他の研究開発等に係る運営及び管理に係る業務に関し、専門的な知識及び能力を有する人材ということで、その確保、その他の取組を支援するために必要な施策を講ずるものとするという規定が設けられております。
3ページでございますが、このような事業の推進に当たりまして、それぞれ事業委員会ですとか、審査委員会等が設けられておりますが、そこでリサーチ・アドミニストレーションシステムをサステナブルなものにする、今、立ち上げ等の支援をしておりますけれども、それをサステナブルにするためにということで、そこに星で掲げておりますような点が主な課題として挙げられておりますので、御参考までに報告いたします。
1つ目は、採用・育成・評価・異動・昇進等のキャリアパスの在り方。2つ目として、研究職又は事務職との異動を含むリサーチ・アドミニストレーターの雇用流動促進のための方策。それから3つ目として、リサーチ・アドミニストレーターに一定の権限を付与し、他の研究支援職員・事務職員・教員等との望ましい役割を明確化するなど学内における職としての定着のための方策といったものの必要性が課題として挙げられておるところでございます。
事務局からは以上でございます。

【平野分科会長】  
ありがとうございます。
それでは、最初に、東京大学の松本副学長から御説明を頂きたいと思います。
松本先生、よろしくお願いします。

【松本東京大学副学長】  
では、早速めくっていただきまして、リサーチ・アドミニストレーターと言っても、なかなかまだ十分日本では定着していないわけですけれども、東京大学、また幾つかの大学でこういった職位の方を雇用させていただいて、基本的には研究者が研究に専念できる環境を作りたいということで動いてまいりました。
アメリカにはもう既にリサーチ・アドミニストレーターという方々がいて、ある職能組織を作っていて動いておられますけれども、やはり日本は日本でこういう研究者を取り巻く環境は少し違いますので、そういった中でどういったことが考えられるかということをいろいろ設計してきたわけでございます。
その設計するときに何が必要かというと、やはりこういったスキル標準ということを考えて、こういうことをやるのがリサーチ・アドミニストレーターですよということを、定義をはっきりさせておかないと、何となく定着するのも個々別々に定着しておりますというのでは、例えば人材が回るといったようなところで困難が生じますので、できるだけ標準化しておきたいということでございます。
高度な研究支援人材としてのリサーチ・アドミニストレーターを配置するということなのですが、そのためのスキル標準を策定してきた。今申し上げましたようなことが書いてございますが、それを考えていくに当たって、RU11等で現実的にどういうことができるのかということを考えてまいりました。
東京大学でURA推進室を作っていろいろと設計をしてきたわけでございますけれども、その概念というのは、本部が全部URAを雇用して、そこで全部作り込むということではなくて、大学の特殊性といいますか、多様性といいますか、そういったことがきちっと考慮できるようなことを考えて、まずそれぞれ工学部なり理学部なりというところにリサーチ・アドミニストレーターを配置したわけです。そういったところで実際に大きなプロジェクトが走っているところにリサーチ・アドミニストレーターと考えられるような方を配置して、その中で実際に日常業務の中からこういったことがリサーチ・アドミニストレーターとしてやるべき仕事であるということを実際の現場の中から抽出してまいりました。それを実際のリサーチ・アドミニストレーターの方に集まっていただいて、様々連絡会等を作って、どういったことが必要かということで、システムはどうあるべきか、それからスキルの標準はどういうことなのかということを考えて、それを全体マネジメントしてきたということになります。
スキル標準というのは、URAはどういう機能を持つべきか、業務はどういうことをやるべきか、能力としてはどういうことがあるかということを提示して設計指針を作ってきたわけですけれども、URAに関する知識だけではなくて、実務能力がどういうことが必要なのかとか、人材育成、マネジメントに活用するためのツールを作ってきたということですが、それはURA自身が実際に現状を把握しながら、こういう能力が必要ですよねということをやってきたということです。
大学・配置拠点が組織として、その中でどういうふうに人材を活用していけばいいのかということに使えるような標準を作ったということです。
実際には、一応こういうものさしですよというメトリクスは提示しているわけですけれども、本当はそれぞれの受入機関の実情に応じて変更しながら使っていくということが重要だろうということです。
これはお配りしておりますので見ていただければと思いますが、1つは、研究戦略支援業務というのが3つぐらいあるだろうと。これは大学なり日本の研究環境を将来どういう研究をやっていけばいいのか、そういうことも考えながら、こちらの方向に研究を進めていくべきではないかというようなことを考えていく、そういう環境を分析・調査していくということです。
それから、プレ・アワード、ポスト・アワードとあるわけですが、プレ・アワードというのは、1つは研究費をとってくる、そのときにどういう仕事があるかということですが、こういう研究プロジェクトを立てればいいのではないかとか、外部資金がどういうところにあるかというお金のにおいのするところをサーチするとか、内部の、例えば東京大学の研究者を、この方とこの方とこの方を組み合わせると大きなプロジェクトができるとか、そんなことをいろいろ考えるということとともに、申請書をどういうふうに書いていくかというようなことをやるのがプレ・アワードでございます。
ポスト・アワードは、頂いた研究費をどう効率的に使っていくかとか、もう1つは、この後のところでもありますが、そういうことをやっては研究費不正になるとかと、それぞれ頂いたお金の種類によって、やっていいこと、悪いこと、是非統一していただきたいと思っているのですが、様々なルールがございますので、それを紛れなく動かしていくということが重要だろうと。そういうところをやる業務というのがあるということです。
それから、それに関連する業務が幾つかありますが、そういったものを整理しております。
例えば、一番重要なのは、コンプライアンスというようなこともございますが、研究を進めるだけではなくて、研究を進めていく上に当たって、どういうガバナンスを発揮しておかなければいけないのか、コンプライアンス上、どういうところに注力しておかなければいけないのか、そういうことも考えていくということで、それぞれの業務に上級、中級、初級の3水準を割り当てて、こういうことは上級の方がやる話ではないかというような整理をしております。
スキル標準におけるレベルですが、大体業務を並べてみると、これは今の職員の方々の業務の在り方とも関連があるわけですけれども、初級の方は業務上の課題の発見、解決を上司の方の指導の下に行うとか、中級は自立的にやれるとか、上級の方は指導的にやるんだというようなことで、特に上級の方は周りの状況、その大学を取り巻く状況も考えながら動いていくというようなことが求められるということです。これは経験としてはこんなものがあるだろうというふうに一応まとめております。
それで、じゃあ、まとめてこのバイブルなり設計指針書を読めばいいということだけではないので、スキルカードという比較的分かりやすいものにして、自分で自己評価ができるようなシステムを構築しております。業務の指標としては、こういったものです。責任がどうか、どういう責任の下でやれるのかとか、複雑性の話とか、重要性の話とか、学内外貢献かどうかというようなことを業績の指標として挙げておりますし、業務の遂行能力の指標としては、例えば、どういうミッションなのか、自分自身でよく理解しているかというようなことですとか、関連業務の法律、規則、技術の理解度はどうか。それから、結構重要なのは、コミュニケーション能力があるか、これはどこでも言われる話ですが、こういったことが特にURAには求められると思っております。このあたりはとがった研究者とは違うスキルが必要だということになるということです。そういったことが自己評価ができるようなカードを作りました。
スキル標準の利用についてということですが、URA自身のスキルの確認、こういうことは確かに私はできますねとか、キャリアの目標としては、こういうことを目標にやっていけばいいのだとか、自らのキャリアデベロップメントを考えると、明示的にこういったキャリアがあるというようなことを明らかにするとか、あとは、目標設定ですとか、採用評価、現状把握、教育評価というようなことを評価できるようなスキル標準になっているわけです。
スキルマップとしての利用ですが、例えばオールラウンドでしたら、こういったことが全部できるような方々がオールラウンド型の人。
それから、こういったところは比較的事務機能との重複が大きいということで、将来のキャリアパスとしては、事務で入った方がURAになっていくというようなことも十分考えられるというような設計を東京大学ではしております。
それから、特にプレアワードのところに強い方、お金をとってくるのが上手な方、それからあとは、ポストアワードに強い方というのもいらっしゃるでしょうし、関連業務をよく理解していて、その周りとのインターフェースになり得る方々ということもありだろうと思っております。
8人のURAの方々に評価をやっていただきました。そうすると、初級の方、中級の方、上級の方といらっしゃるわけですが、こんなところは、私、やっていますというように答えていただいたのがこのヒストグラムです。そうすると、上級の方はこういったところ、ここに書いてあるようなことをやっている。中級の方はこういったところをやっているというような、どういうふうに働いているか、そういうことが分かったということです。
大体時間かと思いますので「おわりに」ですが、スキル標準の概念や意義の十分な理解がこれで進んだのではないかと思っているわけです。マネジメントに活用するためのツールを作りました。そのものさしを提示して、受入機関の実情に応じた変更ということも当然あるわけですが、そういったものを考えていくためのツールができたということです。
もう既に発している15大学のURA相当の方々にヒアリングをして、使えるのではないかというような評価を頂いているということです。スキル標準の活用としては、URA自身が現状把握をしていく、必要な能力の理解をしていくというようなこと。それから、大学なり配置拠点が組織としてこういったものが必要だということを理解していくというような活用の仕方があるだろうと思っているわけです。
最後にもう1枚めくっていただいて、こういった合同シンポジウムを東京大学と早稲田大学一緒になってこういった形でやろうとしているという御紹介です。
以上でございます。

【平野分科会長】  
松本先生、どうもありがとうございました。
続いて、早稲田大学の橋本先生から御紹介いただきながら、あと、まとめて質疑をしたいと思います。
では、橋本先生、よろしくお願いします。

【橋本早稲田大学副総長】  
早稲田大学の橋本でございます。よろしくお願いいたします。
早稲田大学では、今、東京大学で作成されたURAのスキル標準といいますか、フレームワークに基づきまして、それの上で具体的にじゃあどういう研修、教育をしていったらいいかというところの教育プログラムとして落とし込むということをさせていただいております。
まず、その基本的な考え方をここに挙げてございますけれども、URAという仕事がどういうものかということに関するイメージが大分いろいろ違って、今、最初に文科省の方で御紹介ありましたけれども、それに対して各大学がどういうふうに考えているか。大学に限らず研究機関です。そういうことが非常に多様であるということがまず理解の基準になくてはいけないということで、いろいろお聞きするというようなことをやってまいりまして、要望が非常に多岐にわたっているということがございまして、ある意味では、研究を実際に遂行する上で困っていることは、みんなURAのところに行くというような意味で、スーパーマン的な能力を求められるというようなことにも期待されているところもございます。
そういういろいろな事情を理解した上で、それでは共通する研修・教育はどんなふうにしていったらいいかというニーズをアンド型で抽出するということをやる作業が必要である。
それと同時に、どういう層、今、初級、中級、上級とございましたけれども、どういうURAの層を対象にした教育・研修をまず考えるべきかということもございます。
その上で、講義科目はどんなものがいいかということで、スキル標準ができておりますので、そのフレームワークの上でどうやっていくかというようなこと。
それと、今まで諸外国でやられているようなことを参考にしながら作り上げていくという作業をやってまいりまして、最終的に、実験的に実際にそれを講義カリキュラムの講義として実行しまして、それを、フィードバックをかけて最終的な形をまとめたというところでございます。
今申し上げたようなことの作業の手順といたしまして、最初に調査をするというようなこと、そして実際に科目案を作りまして、内容まで全部、シラバスだけでなくて、講義の材料も作るということをやりまして、それで実際に研修会を催しまして、その上でフィードバックとして最終的な形を作り上げたというところで、今日この会場に、2部だけですけれども、大分大部のものができましたので、後でごらんいただければというふうに思っております。
その中で研究推進体制、事業推進はこういう形で早稲田大学で受けさせていただきましたので、そこに策定検討委員会。ただ議論しているだけでは進まないということで、実務的なワーキンググループを作って、その上で具体的な教育課程を全部作り上げるということを東京大学と協力させていただきながらやってまいったというところであります。
そして、更に同時に行っておりましたシステム整備拠点校には、いろいろの具体的な事例に関してお問合せをする、あるいは具体的に御協力いただくというようなことをやってまいりました。
これはその中で1つの課題として例でございますけれども、いろいろな要求されるものを科目として整理していくときに、講義を重視する、組織立った知識として講義すればいいものと、ケースを重視して具体的な例の上に載せてやっていかなくてはいけないものというようなことはどんなものがあるかというようなことを実際にお聞きして、その上でどういう回答があったかというのがこれにまとめた例ですけれども、右下の方がケース重視ということ、小さい字ですので分かりにくいかもしれませんけれども、例えばコンプライアンスというような科目に関しては、これは講義知識としてきちんと体系的に与えるべきだというようなこともございますし、プロジェクトのマネジメントに関しては、これはケースを重視して、ひとつひとつ具体的に聞いていただかなければ分からないだろうというようなこと、まずそういうふうな分類をするということをさせていただきまして、この丸の大きさは、必要度が非常に大きいという回答が多かったものについて丸の直径が大きくなっているというところであります。
こういう基礎的な講義科目の選定ということをやりまして、実際に実験的な講義を実施しようということであります。その上で受講者のアンケートを分析して、最終マテリアルにフィードバックするということを意図いたしまして、2013年3月6日から8日までの3日間にわたって、90分の授業を17時限行うということをやりまして、内容としましては、13科目で22講義ということを早稲田のキャンパスで行いました。大変関心が高こうございまして、システム整備校等を中心に、URAと言われている人たちが約90名参加いただきまして、非常に熱心に教育、実際の実験ができたというふうに考えております。
これがその様子ですけれども、我々、共通的なという意味では、初級クラスということかなと思っていたのですけれども、若年層だけではなくて、管理層からも多数参加いただいたというところであります。
これは実験的な講義の参加者と大学の一覧でありますけれども、システム整備採択校プラス自主整備校ということで、全部で22校から90人ぐらいが参加いただきました。下の棒グラフは年齢分布ですけれども、若い方の方がもちろん多いんですけれども、シニア層もかなり参加いただいたということで、こういう新しい職種に対する関心は非常に高いということを実感したところであります。
これは講義の後のアンケートの例ですけれども、どういう講義科目に関しては初級者向けか、あるいは、これは初級者でなくて、もう少し上級者ではないかというようことを、今度は内容ごとにどういうふうな受け取られ方をしているかということを精査したところでありまして、このうちの初級、あるいはどちらかという初級というところが、まず共通的なカリキュラムとして整備されるべきだというふうに考えたところであります。
このマテリアルへのフィードバックを行いまして、科目の大多数は初級・中級に共通に有効であったということ。それから、例えばコンプライアンスに関する科目は全員必修にしなくてはいけないだろうということ。高度の専門科目に関しては、入門的な解説がやっぱり必要だということが分かりまして、関心が分かれるものに関しては、選択科目という形で整理したらどうかというようなこと。それと、スキル標準案との対照関係を整理する。一応、対照がついてはおるんですけれども、それを整理する必要があるということ。それと、科目群を再編して体系化するということをやりまして、講師・聴講者用のガイドを更に追加する。ある意味では指導要領みたいなものを追加するという形で整備を行ったところです。
科目の構成といたしまして、最終的に、入門と共通と専門という3つのカテゴリーに分類するということにいたしまして、URA入門のための序論の2科目を加えるという形にさせていただく。基礎・必修知識の修得を目指す共通的な科目ということを2群10科目という、このうちのコンプライアンスは必修という形にしたらどうかということ。さらに、実用的な関心に応じた専門の3群10科目を選択も可能な形で用意するということで整備をさせていただいたところでございます。
この間、諸外国でどういうことがされているかという科目、外国のカリキュラムを一部翻訳をやってみるというようなことをやったり、アメリカとヨーロッパで大分違うようだというようなこと、それと、類似の基盤基礎を理論の現場と社会活動を結び付けるという意味では、MBAですとか、MOTですとか、あるいはMPAというような先行の部分がありますので、そういうところでやられていることはどんなことかということを考えまして、大学の中ではこの科目群を使った実務家修士課程というようなところができているところもございます。そういうところでも最終的に生かせるような形でというようなつもりで科目整備を行ってきたところであります。
これが今申し上げた群分けした全体構成でございますけれども、全部で700ページのテキスト・マテリアルといいますか、そういうものが出来上がったというところであります。
これからの課題といたしましては、これをどうやって普及していくかということと、人材流動という意味でも、共通的なスキル、知識を身に付けた人たちをきちっと育成するということを、これを基(もと)にできたらというふうなこと。
それに加えて、多様な要請があると最初に申し上げましたけれども、大学固有の研修・教育を各大学研究機関で補完するということも必要でありますし、そのフォローも必要かというふうに思っております。
さらに、先ほどの講義型というよりは、ケース重視ということに関しては、ケースは非常に多様なことがございますので、その収集をするのと、それを体系化するというようなことをやりながら、マテリアルの改訂をしていくということも必要かというふうに思っております。
以上であります。どうもありがとうございました。

【平野分科会長】  
どうもありがとうございました。
それでは、質疑応答に入りたいと思います。御自由に発言をどうぞお願いします。
はい、どうぞ。

【佐藤分科会長代理】  
佐藤でございます。東京大学、それから早稲田大学のURAの育成のプログラムは大変有り難いと思っております。これによりURAの育成が大きく進むものと期待しております。
次のステップはURAをいかに活用して大学の研究力強化に努めるということであろうと思います。まさにそれが文部科学省の研究大学強化促進事業そのものであるわけでございます。
私たち自然科学研究機構は、大学共同利用機関法人でありますので、大学の研究力強化に協力したいと思っております。東大とか早稲田等の大きな研究大学は研究力強化の実績・経験をお持ちでございますけれども、例えば研究大学強化促進事業で採択された大学は、全てがそういう経験を持っているわけではございませんので、互いに協力し合いながら、いかに研究力強化にURAを活用することができるのか、それぞれの大学のURAが連携して活動する具体的課題などについて議論するネットワークを作ろうと、努力しております。30余の大学に呼びかけまして、25ぐらいの大学から参加いただけるというお答えを頂いております。また、議論に基づき、各大学のURAが具体的な課題で活躍できるワーキンググループを作るようなことを考えております。 また同時に、私たち大学共同機関として、研究力強化に役立つようなプラットホームを準備し、若干の経費も使いながら活動をサポートすることも考えております。
今回、研究大学強化促進事業に採択された大学は大きな研究大学だけではなく多様であり、それらの大学がそれぞれ研究力を強化することが日本全体の研究力強化において重要だと思います。そういう意味で、東大や早稲田の御援助を得ながら、この研究力協力のしっかりしたネットワークを作りたいと思いますので、御支援をお願いできれば有り難いと思います。長くなりまして申し訳ございません。

【平野分科会長】
どうもありがとうございます。
そのほかいかがでしょうか。はい、どうぞ。

【秋池委員】  
このURAというのが、今までいろいろな研究をやっておられる方々が感じておられたフラストレーションといいますか、そういったものを解決するものになって、よりよい研究がされる、あるいは予算と研究というものがいい形で結び付く、あるいは研究者がよりよい発表、発信ができるという、いろいろなことに役に立つものだと思っておりまして、非常にすばらしい取組と思っております。
一方で、まだ日本において、このURAというものが確立したものではないといいますか、今日、両校から非常にすばらしいプログラムでありますとか、それから、業務の内容についての考え方とかお教えいただいたのですけれども、これをやらなければいけないというのがあるのと、その方法論がどうあるべきかというところは、まだ確立していないところがあるのだと思います。
したがいまして、今御発表いただきましたこのケースの演習を充実していくというのは非常に重要なことだと思うのですけれども、もう一方で、まだ想定できないことでありますとか、あるいは決まった仕事を決まったように与えられたとおりにやればいいということではなくて、自分で考えて、こんなことをしたら研究者がよりよい研究ができるのではないかというような発想力のある方、あるいは、柔軟で自分からこういうことをやったらいいんじゃないですかといって周りを動かせるような方が初期にURAになって、そしてこのURAという業務をいいものとして確立してくださるということが、この先の長い歴史の中で重要なものになるのではないのかなというふうに思っております。そうじゃないと、「URAって、昔、導入しようとしたけれども、それほどよくなかったね」というふうになってしまうのは、これだけのことをやっておられるのにとてももったいないというふうに思っておるのですけれども、現実には、どういう人材が今これに取り組んでくださっているのかとか、あるいは、この先、こういうタイプの人材がこのことをやってくれるとよりよくなるのではないかとか、何かそういうようなことがあれば教えていただけましたらと存じます。

【平野分科会長】  
ありがとうございます。
松本先生か橋本先生、お願いします。

【松本東京大学副学長】  
どういう人材をURAとして東大で活用しているかということですが、もう既に8人、URAという名前で雇用させていただいています。しかし、もっと前からいろいろなプロジェクト、大きなプロジェクトが走っているときに、ある意味、特任教授という名前を使ってURA的な仕事をしておられた方は実はたくさんいらっしゃるんですね。飛び抜けた才能をお持ちの研究者を、ある意味、コラボレーターとして脇から支えていたという方はたくさんいらっしゃいます。そういった方をケースに、こういう人がURAだということでまとめたものが先ほどのスキル標準で、こんなことをやれるんですよ。そのときに身に付けているべき知識は何かということで、橋本先生の方からお話があったわけですけれども、実はもう既にそういった方々はたくさんいらっしゃって、それをどういうふうに明示的に見せていくかということなのだろうと思っています。そういう意味では、一度URAという制度が動き始めれば、これはそんなに、こういうものをやったけれどもうまくいかなかったねということにはならないと思っておりますし、また、佐藤先生の方で先ほどお話がございましたけれども、そういうある種のプラットホームを作っていただきつつありますので、そういう上で人が動きながら、様々な大学を回ったり、研究機関を回ったりして、URAという職位の方が醸成されてくるし、育っていくのだろうと思っています。
具体的な名前は今回挙げませんけれども、ある意味では、研究担当理事はURAなのだろうなと、私自身はそう思っております。

【平野分科会長】  
ありがとうございます。
橋本先生、いかがですか。

【橋本早稲田大学副総長】  
早稲田大学でも、URAという名前の職種があるわけではないのですけれども、こういう仕事をされている方が既にもう5人ぐらい教員として入ってきていただいております。それと、ごく最近、研究力強化事業の下で新しくまた公募をかけて6人ほどが決まっているところです。この中には、若い方もいらっしゃいますし、既に世の中で仕事をされて、十分な経験を持った方もいらっしゃる、これ、両方が必要だということなのですけれども。
私が思いますに、大学の中を見ておりますと、非常に大きなプロジェクトをやっている先生方がいらっしゃいますけれども、こういう先生方は、研究能力プラスURA的な能力をもともと身に付けておられるということによってそれが成り立っているようなところがございます。ところが、大学を見ますと、そういうURA的な能力に関しては若干不足であるけれども、研究能力は非常に高いという方がまだまだいらっしゃる。そういう方にも同じようなプロジェクトをやっていただければ、もっと成果が上がるだろうというふうに思っておりまして、このURAという仕事は、そういうところで非常に力を発揮していただければいいというふうに思っているところで、また一方で、URA的な仕事をやられている方、この中では多分誇りを持っていらっしゃると思うのですが、それはやはり外から見たときに、もっと尊敬されていいという意味で、職種としてきちんと社会的な市民権を確立するというところまで行くには、もう少し頑張っていかなくてはいけないということで、それはこれがあることによって大きなプロジェクトがまた動いて成果を上げたというところまで持っていかないと、なかなか世の中で認められないし、本人たちもひそかに思っていることを外に自分の仕事として跡に継げるような人を育てようというところまでいくにはもう少し時間が掛かるかなというふうに思っております。

【平野分科会長】  
ありがとうございます。
伊藤委員。

【伊藤委員】  
現場の九州大学の一員としての報告、及び更にどういうふうに考えたらいいか、例をお示しくださればと思って質問させていただきます。
このURAというのをどういうふうに位置付けるか。例えば、第三の職としてうまく位置付けることができるのかというのが1つ大きな問題だと思われます。
どうしてかというと、例えば、うちでも1ダース以上のURAがいるのですけれども、それをSURAと、Sというのはスーパーです、URAというので、大体、教授級、准教授がSURAで、普通のURAは准教授、助教というので雇っているのですけれども、よく「事務官ですか、教官ですか」と聞かれるのです。例えば知財とか、国際法務室とか、国内法務もありますけれども、そういう方々もうちの方ではURAの機構の中に入っております。いわゆる特殊な技能を持って、事務官でも教官でもない、だけど、その間を取り持つ第三の職というようなものがどうにかしてできないだろうかと、今、模索している最中なのです。有期雇用の話もありますので、どうしたらいいのかというのを今、一生懸命ストラグルしている最中でございます。そういう点は、ほかの大学ではどうやっていらっしゃるのか、どういうふうな考えでやっていらっしゃるのか。
それからもう1つ、東大の機構若しくは早稲田もそうですけれども、各部局に張り付けますと、誰かがURAとしての職種を一貫して定義するならいいのですけれども、誰がその機構みたいなもののリーダーシップを握るのかというのが非常に曖昧(あいまい)になってしまう。九州大の場合は、URA機構というものを作りましたので、機構では総長がリーダーで、その下に戦略のリーダーがいる、そういうふうにしますと、リーダーシップの関係はできる。そういう人たちが、ほかのプロジェクトのポスト、プレ、それから、例えば法務、広報、戦略、その他、そういうものをやっていくという関係になっています。まだまだなかなか出来上がっていないというところで、そこら辺のところを両校ではどういうふうにお考えなのかをお聞きできればと思います。

【平野分科会長】  
ありがとうございます。
では、橋本先生の方から。

【橋本早稲田大学副総長】  
早稲田大学では、今、URAという職種を第三という形で設けているわけではないです。具体的には、教員の方の系列が実際には多くなっています。組織といたしましては、研究戦略センターというのを設けまして、そこでプレからポストまでというところを計画するということの箇所を設けて、そこに配置されているという形です。
それと、今度の研究力強化で、研究力強化本部という形で、それと実際に研究業務そのものをサポートしているのは研究推進部というのがございまして、そこと研究戦略センター、両輪を動かすような形で本部を構成する。これを総長のリーダーシップの下に動かすという体制をとってスタートしているところです。
それと、よく第三の何とかというのがいろいろなところに出てきますけれども、あんまり成功した例がないというような気がするので、URAを新たな第三職として置くことに関しては、もう少し慎重に考えた方がいいだろうというふうに私は思っておりまして、やはりみなが自分はURAになりたいというふうな尊敬される立場が目に見えるような形にしないといけないかなというふうに思っておりまして、そのときにそれが専門職としてきちんと位置付けられるというふうになってくるので、そこまで行くには、もう少し実績といいますか、実例を挙げないといけないかなというふうに思っているところです。

【平野分科会長】  
ありがとうございます。
松本先生いかがでしょうか。

【松本東京大学副学長】  
東京大学は、このパワーポイントの3ページ目にURA推進室の構造をお示ししておりますけれども、URA推進室というところがあって、それぞれお配りしているもので見ていただいてもかまわないと思うのですけれども、室長は実は私自身がやっております。それから、副室長は、やはり同じ副学長の五神先生がやっているということなのですが、そういったところでどういうことが必要かというのをやっているんですけれども、そこにURAとして配置されている方々というのは、教員ですか、職員ですかと言われると、どちらもいらっしゃるわけです。東大は独自の名称だと思うのですけれども、学術支援専門員とか、学術支援専門職員という、有期で雇用している方がいらっしゃいます。今回、改正労働法の改正があって、5年が10年に延びましたけれども、そういった方々もそういったところで雇用できるということだろうと思いますが、そういった方が機関をかわればまた雇用が継続できるわけです。そういうためのコンソーシアムが必要だという議論はずっとしておりまして、それで雇用は確保されていくという形になるんだろうと思います。実際にやっていることは、もう既に、先ほども申し上げましたが、研究者が研究しやすい環境をどう作るかということで、随分たくさんの方がもう動いておられますので、職員の方でもそういったことを専門としてやっておられる方、すなわち、研究推進部というようなところでそういった動きをしておられる方もいらっしゃるし、特任教員としてやっておられる、特任教授としてやっておられる方もいらっしゃいますから、そういった職種といいますか、そういうものはいずれ確立していくものだろうと思います。
それにどういう名前を与えるか、第三というふうに言うかどうかは、世の中の流れで決まってくるのだと思いますけれども、そういう意味では、もう既に学術支援専門員という方が東京大学にはおられて、その方がいろいろな支援業務をやっているということで、きれいに確立しているかというのはちょっと言えませんけれども、実質的には確立された方々がいらっしゃるということだと思います。

【平野分科会長】  
ありがとうございます。
時間がちょっと押していますので、1件御意見を頂きます。はい、どうぞ。

【小安委員】  
規模感に関して伺いたいのですけれども、先ほど、松本先生がこれまでも大きなプロジェクトのときに特任教授というような形でこういうシステムをアドホックに動かしてこられたということをおっしゃっていました。更にURA推進室のシステムを始められて、今、8人のURAの方が動いているとおっしゃいました。東京大学は非常に大きな組織ですが、これが一体何人ぐらいになれば、一般の教員が、仕事が楽になったなと、研究に、あるいは教育に集中できるなと感じられるか、それをどういうふうにお考えでしょうか。ここら辺が分からないと、なかなかイメージが湧かないのですが。

【松本東京大学副学長】  
ざっくり東大で考えると、100人規模かなと思っています。研究者は大抵バーサタイルな人が多くて、何でもかんでも自分でやりたいのが研究者で、お金の管理までやってしまうという、そちらの方にもたくさん並んでいますけれども、そういうことに長(た)けた方がいらっしゃるのですけれども、大体、例えば1億円取ってきて、自分で秘書と一緒になって回す、これは大変なことですね。そうすると、そのぐらいの規模の大きな研究費が回ると、やっぱりURAの方お一人は欲しいということになると思います。
そういうことを考えると、今、大学で回っているお金が、運営費交付金を超える研究費が回りつつある大学がたくさん増えてきていますので、それを考えると、100人、全部で1,000人とか、もっとたくさんの方が日本中でURAとして活躍するようになるんだろうと思います。

【平野分科会長】  
ありがとうございます。
まだたくさん御意見があると思いますけれども、できれば皆さんの御承認が頂ければ、この分科会の中に作ろうと思う特別委員会の中でも、当然、研究支援の在り方について議論いただくことになりますので、その機会があったら、松本先生、橋本先生、またいろいろ御意見を賜れればと思っております。今日はありがとうございました。時間が過ぎましたので、大変申し訳ありませんが、次の方に行かせていただきます。今日は、東京大学、早稲田大学の御発表、どうもありがとうございます。
それでは、続きまして、学術研究の推進方策に関する総合的な審議について、皆さん方にお諮りをしたいと思います。
冒頭もお話をいたしましたが、私案としては、資料2-1を見ていただきたいと思います。ここの分科会においても、あるいは部会におきましても、昨今の学術の在り方、あるいは体制の在り方について、心配も含めていろいろ御意見が出ています。大変貴重な御意見を賜っております。今後の学術の在り方を、やはり分科会として議論いただきながら、骨太の案としてまとめ上げていきたいと、こういうように思っております。当然その中には、心配事も含めてでありますし、できれば第5期科学技術・学術の将来計画の全体の方向にも反映し、それから同時に、政府筋に対しても、学術はこう考えて動きたいのだ、自分たちの責任も踏まえて、やはりきちんと対応できるようにしていきたい、こういうふうに考えたわけであります。
後ほどに来年度の予算案等の御説明を頂くことになっておりますが、御存じのように、昨今、大変厳しい予算の体制であります。私は、このままでは我が国の将来的な発展や国際社会への貢献は非常に厳しい状況にあると危惧しております。この学術分科会としては、危機感をできれば共有して、学術研究そのものの振興の在り方についてきちんと意見を申していきたいというふうに考えるわけであります。改めて学術の本質を踏まえた骨太の議論を行って、社会に貢献できる学術の進歩に資していけるようにしていきたい、と考えたのが御提案の基(もと)であります。
そこで、これまでの分科会の皆さん方の御議論を踏まえまして、より機動的に、かつ集中的に審議を行うために、既に設置はしておりますが、学術の基本問題に関する特別委員会を動かして、そこで御議論をし、ここの分科会でも意見を賜って、そしてまとめ上げていきたいと、考えたわけであります。
また御意見を頂きたいのでありますが、私の案といたしましては、この特別委員会における主な論点案を記載したのがここの資料でありまして、これは全てではありません、重要だと思うものを含めたつもりでありますが、追加していただきたいと思います。1つ目は、学術の意義・役割等の関係においては、近年のいわば短期的な出口思考が強まっている状況を踏まえ、文部科学省の方々が必死になって予算を取ってきてくださっているところに、何か自分たちは天に向かってつばを吐くようで言いにくいのですが、実はずっと心配もしてきていることであります。本当にこのままで国力の源としての学術研究が成り立つのか、その意義についてきちんと議論をしていきたいと考えます。それから、それが持続可能な人類社会を支える真の意味でのイノベーションの創出に、社会に何らかの形で貢献できるように、そのつもりで皆さん頑張ってくれておりますが、その役割を含めて、今後、いま一度学術の意義・役割等について議論していきたい、と望みます。学術研究の成果というのは、当然いろいろな意味で社会に還元されるということにおいては、長い時間がかかってくることも当たり前と言ったら、これは甘えるなと言われる人もいるかもしれませんが、理解しなければいけません。長い時間が掛かることも多々あるわけでありまして、国民から理解されやすいように努力をしなければなりません。ある意味、自己改革に向けた根本的な議論も必要ではないかというふうに考えてもおります。
2つ目は、財政支援の関係でありますが、学術の意義・役割等を踏まえた成果最大化のための効果的な支援の在り方、言えばそういう言葉になってしまうかもしれませんが、一言でいう効率ではなくて、きちんとした効果を見る、効果が出せるようなということであります。財政状況を踏まえながら、学術研究の多様性や卓越性を支えるために必要な予算構造・規模等をどう考えるかという考え方、大学改革や国際的な動向等を踏まえた学術研究支援の在り方など、基盤的経費がぐっと減ってきている状況で、デュアルサポートのシステムが破壊している現実において、今後どうするのか、閉塞的な状況をどのように改善したらよいか、対応するための基(もと)にしたいということでもあります。
3つ目が、研究環境の改善、支援体制の強化の関係であります。先ほども御発表いただきましたが、研究力強化に係る議論を、この特別委員会において議論していきたい、こう考えます。
そのほか幾つもあるのですが、関係部会等で議論されております学術研究に関連する事項についても、その審議状況を踏まえながら、提言の中に入れていっていただきたい。国立大学改革あるいは日本全体の大学改革、大学院の改革等を含めて、この点については、大学分科会等とも連携して、学術政策全体に横軸が通るようなものにしたいなと、そういうふうにも期待しているところであります。
ある意味、ちょっと言い過ぎてもいけないのですが、状況は待ったなしだというふうに思っておりまして、是非自主性、自立性を基本とする学術にふさわしく、コミュニティとして守るべきものはきちんと守っていけるように、改革すべきものは改革するという覚悟を持って骨太の議論を集中的にしていきたい、こういうふうに考えて特別委員会の活動を御提案申し上げたわけであります。
特別委員会は設置していただいておりますが、議論をそのような内容を含めて進めていただきたいという私の申出といいますか、私案でございますが、御意見については、また今後、是非委員の方々からお伺いしながら、もし御理解いただけるならば、特別委員会の活動を始めるようにお願いしたいということであります。是非皆さん方から忌憚(きたん)のない御意見を賜りたいと思いますが、いかがでしょうか。御自由にどうぞ。
はい、どうぞ。谷口委員。

【谷口委員】  
非常に基本的な仕組みについてお伺いしたいのですが、今、分科会長が御指摘された点は非常に重要なポイントで、まさに我が国が今、危機的状況と言うと大げさですが、クリティカルな状況に差し掛かっているということは全く同感でございます。
意見を申し述べる前に、この基本委員会の特別委員会というのは、以前も私、参加させていただいたことがありますが、確かにそこではいい議論はなされるのですが、これがどういう形で、例えば文部科学大臣とか、政府とか、そういうところに強い発信力を持っているのかどうかという、そこを是非確認させていただきたいと思うんです。そうでないと、書類をまとめて少数の人が読んで、いやあ、立派なものですねとなっても、あんまり効果がないというようなことがありますので、ちょっとその辺をお聞かせいただきたい。

【平野分科会長】  
はい、分かりました。
大変重要で、私も一緒に先生ともやらせていただきまして、特別委員会では私も大変勉強になりましたけれども、少なくとも今度の第5期の科学技術・学術基本計画の中にも文部科学省が中心とする学術の分野においては反映していきたいというふうに思っておりますし、科学技術・学術審議会の総会においても、それを説明しながら皆さんの理解を得て進めていきたい、基本はやはり国の在り方について、私たちが議論をした内容については、きちんと提示をしていきたい、と考えております。答申をするとしたら、どういう形になるかというのは、またこれは今からの議論でありますが、少なくとも第5期での取りまとめのところの中には、是非努力して反映していただきたいなと、そういうふうに思っております。
そういう意味では、特別委員会で御意見を出していただいたところを、この分科会の皆さん方の意見を加えて、きちんと取りまとめをして上げていきたい、と考えております。
この前の特別委員会の提案も、私は、無駄とは全然思ってはおりませんでしたけれども、いずかのところでは反映されている、そういうふうに理解はしております。
そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。どうぞ。

【高橋委員】  
高橋です。私もメンバーに入れていただきまして、これから張り切ってやろうと思っているところなのですが、私は初めてなので、いろいろ教えていただきたいのですが、今、先生おっしゃったようなことは全く同感で、何を議論するかというのは何となく分かってきたのですが、そもそもこの学術審議会の分科会そのものも、こういうことをする会議なのだと私は理解して今まで何回か出ているわけですが、いや、私も本当に前向きに捉えたいと思っていますので、あえてお聞きしますが、この特別委員会でないとできないことは何かということを教えていただければと思います。
もう1つは、手続論なのですけれども、ここでの議論は議事録として公開されるのかどうか、そういうことをちょっとだけお願いします。

【平野分科会長】  
後の方からのお話をいたしますと、この特別委員会は公開のつもりであります。

【高橋委員】  
公開。

【平野分科会長】  
公開します。それから、ある段階で整理をしつつ、先ほど来お話ししていますように、逐次ここの分科会に御報告をして御意見を賜り、また返って特別委員会で議論をすることになります。
では、なぜ特別委員会を作らなければいけないのかということであります。私、ここの会議は、いろいろな分科会の下で活動してくださっております部会の方で意見交換をし、取りまとめてくださった内容をここに報告していただき、議論をし、又は持ち帰って更にブラッシュアップしていただき、この分科会として取りまとめ、総会において説明し、承認して動いていただくという基本のところだと思います。しかし、今日も私は、分科会長としては心配をしておりますが、時間が限られております。それから、人数も非常に多くて、皆さん全員にお話をしていただきたいのですが、先ほどのせっかくのいい御説明にもかかわらず、御意見が皆さんから頂けないことがあります。ここの委員からも是非メール等で特別委員会にも意見を出していただいて、そして中でテーマをぐっと絞りながら骨太に積み上げてもらいたいという意味の特別委員会の作業であります。よろしいでしょうか。

【高橋委員】  
はい。ありがとうございます。

【平野分科会長】  
認めていただいたら、是非活躍をしていただきたいと思います。
そのほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
はい、どうぞ。安西委員。

【安西委員】  
私は今、分科会長の言われた御提案に本当に賛成、賛同いたします。学術研究は、我が国の国力の源でございまして、私は海外に行くことがとても多いのでありますけれども、国の中だけの問題ではなくて、やはり国際競争力の本当に大きな一環だというふうに捉えております。それが学術研究の衰退と書いてありますけれども、全くそのとおりで、これはなかなか今定量的にはかれるか、論文の数等々いろいろありまして、ある程度ははかれるようになっていると思います。アジアの中でも日本の特質というのは、学術研究のクオリティが高いと、それがイノベーションにずっと長い間つながってきたということだったと思いますけれども、一番その根っこにあります学術研究の根幹が枯れてきている。大学の問題も同じであります。そこを今何とかしないと、これはやはり日本の将来に本当に大きな負の影響があるというふうに思いますので、単に何か研究室を守るとか、そういう問題だけではございません。日本の国力が世界の中で今問われてきている、そういう中で改めて日本再生を図る最も大きな戦略の一環だというふうに捉えるべきだというふうに思っております。
そういう意味で、この学術分科会の役割というのは非常に大きいと思いますので、今、分科会長が言われましたように、特別委員会でやるだけでなく、学術分科会のメンバーからも是非常時意見を委員会に出していただくようなルートを作っていただけると有り難いなというふうに思います。いかがでございましょうか。

【平野分科会長】  
はい、分かりました。先ほどの高橋委員のこと等も含めて、気持ちをお伝えしたいのですが、当然、特別委員会は公開で行います。全て言ったとおりの文章で、議事録で書くかどうかは、事務局と主査にお願いしたい先生と相談をいたしますけれども、何が議論されて、今どういうふうになっているかというのは、きちんと皆さん方にお伝えしたい。それをもってまたコメント等をお寄せいただきたい、そういうキャッチボールをしてまとめ上げていきたいと、こう考えております。
はい、どうぞ。

【小安委員】  
小安です。私もこれはすごく大事な問題だと思っております。やはり目立った資源のない我が国で誇れるのは人材と研究ではないかと思っています。ここをきちんとやらないで何をやるのだというふうに常々思っておりますので、この学術のことをきちんと考えることは大事だと思います。
人材や教育ということは非常に大事で、国立大学改革や大学院改革等の大学全体をめぐる動きにも目配りをして、「大学分科会とも連携し」とここに書いてくださっているのですが、これは非常に大事なことではないかと思います。具体的にどのように実際にこの分科会の中で進めていけるかというところを教えてください。これは、やはり両輪で、人を育て、そして研究を進める、その結果学術を進めるということで、人材育成と研究の両方をやるということが国力にとってものすごく大事であって、この連携が非常に大事であると思います。

【平野分科会長】  
小安委員の御発言、もっともだと思います。非常に幅広くカバーしていますので、かなりコンデンスな議論をしなければいけませんけれども、人材委員会の部会長にも入っていただいて、その議論の中でもんでいただいている議論は、当然ここにも反映していくというのがまず第一であります。
それからもう1つ、幸いなことに、安西委員は大学分科会長ですので、私は以前どこかで発言したと思うのですが、科学技術・学術の振興においては、教育がベースだと考えます。そういう意味で、教育担当の局長さん方が一緒に出てくださるのは有り難いのであります。文部科学省を挙げての活動をされている。ただ、組織としては議論する場が中教審等で分かれていますが、幸いなことに横串と言っては失礼ですが、今は串が刺せる環境だと思いますし、横串をさして強く連携していきたい、と考えています。教育関係そのものの重点的な議論は、当然、中央教育審議会でやっていただいておりますが、その中で学術の振興に関わる分野についての人材育成、教育を含めた横串は、そのところ、言ってみれば、この分科会で共同してやる、こう考えています。よろしいでしょうか。
はい、どうぞ。

【谷口委員】  
それでは、今度は意見を申し上げたいと思います。

【平野分科会長】  
はい、どうぞ。

【谷口委員】  
若干意見をできるだけ端的に申し上げたいと思います。
本質的には、先ほど、安西委員がおっしゃったことと私は非常に同感でありまして、日本の学術やそれを担う大学の国際的な存在感といいますか、そういう立場もかなり問われている時期になるのではないかというふうに思っておりますが、それは後で申しますが、ここで平野分科会長がお書きになっている学術の本来的にというところにつきまして、やはりこれはしっかりと根底から議論をしていただきたいというふうに思うのですね。私の意見では、学術やそれを担う大学というのは、いわゆる世代を超えた社会、国民の共通財産であるという認識がまず重要なのではないかと。したがって、時の政府の方針とか、そういうものに簡単に動かされてはならないという、そこを科学者の集まりとしてはしっかりと提言をしていただきたいというふうに思うのです。ともすれば、イノベーションとかという言葉に一人歩きするように、国の方策があたかも大学が社会経済の活性化を促進させるための存在かのように、社会に間違った誤解を与えるというところがあるので、そこはしっかり質(ただ)していただきたい。と同時に、とはいえ、今、経済的な打開策に懸命になっている日本はじめ世界的な状況があるわけですが、その中で社会の理解を得ずに国民の税金を使って大学が学術をどう推進するかという、その視点は、大学にいる人たち、あるいは研究に携わる人たちに課された大きな課題でもあり、そこをきちんと捉えながら、自己改革を含めながら学術の在り方について、社会からの支援を得ないと、幾ら政府を批判しても、恐らく余り効力はないだろうというふうに思います。そのために非常に重要なのではないかと思います。したがって、大学や研究機関の改革ということも視野に入れた議論というのが大切ではないかと思います。
もう1つは、先ほど、安西委員がおっしゃったことと関係するんですが、いわゆる急速なグローバル化の波の中で、日本がこれからどういう存在感を示していくか、日本がどうあるべきか、日本の学術がどうあるべきかという、そこをやっぱり中心に議論していただきたいと思うのです。
つい最近、私、ドイツに行ってまいりましたが、いろいろな世界の人たちと話をすると、非常に明確なのは、各国は世界戦略として学術を位置付けている。単にいい論文を書けば国際的に通用する、そういう時代ではないのですね。もう少しいわゆる学術外交と言ってもいいんですが、そういうことを積極的に行うような仕組みというものを考えなくてはいけないのではないかというようなことを非常に強く感じるわけです。
以上のようなことを、長くなりますので詳細は述べませんが、グローバル化の中で大学自身、あるいは研究機関自身がいかにこれからグローバル化を図るか。グローバル化とはそもそもどういう意味かという議論もやはり本質的な課題でありますので、是非議論をしていただきたいというふうに思う次第です。以上です。

【平野分科会長】  
大変貴重な御意見をありがとうございました。提案した私も全く同感でございます。以前の特別委員会でも皆さん同じような思いをされて議論してくださっておったと思いますが、是非お願いをする委員の方々、ここにも御出席でございますので、今の皆さん方からの御意見をきちんと踏まえて、鋭意議論をまとめていただければと願っております。よろしいでしょうか。
それでは、この特別委員会を動かしていただくということで、今の議論を更に持っていく論点について、これはやるべきだというのがありましたら、ちょっとお忙しい中恐縮ですが、今週中に事務局に論点のポイントだけで結構です、お伝えくだされば、私も整理させて頂いて、主査の方と議論をし、早急に次から始まる委員会で議論をしていきたいと思っております。月に1回、2回ぐらいは委員会がある予定であります。よろしくお願いしたいと思います。何回もお願い申し上げますように、情報は出しますので、是非委員の皆さん方から思うところをお寄せいただきたいと願っております。よろしくお願いします。
資料2-2を見ていただきたいですが、よろしいでしょうか。学術の基本問題に関する特別委員会の主査に、西尾先生にお願いしたいと思います。それから、ここに出させていただいております委員の方々に是非特別委員会の委員として御参加いただき、議論をし、取りまとめをしていただければ有り難いと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは、西尾先生、よろしくお願いします。
是非意見を寄せていただきたいと思います。よろしくお願いします。御苦労をおかけします。
それでは、続きまして、3番目、各部会等の審議状況について議論いただきたいと思いますが、科学研究費の補助金の審査部会の甲斐部会長から、「系・分野・分科・細目表」の大幅な見直しについて、簡潔に御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【甲斐委員】  
ただいま分科会長からお話がありましたように、学術研究は国力の源であるにもかかわらず、ただいまの財政状況の中、危機的状況であると。その学術研究の根を育てている最も重要な競争的資金は科研費だと思います。しかしながら、その科研費に対しても財政逼迫(ひっぱく)の中からいろいろ危機的な状況が迫っておりますし、様々な御意見や御批判も寄せられています。その中で科研費を支えている学術コミュニティとしても、科研費制度の在り方やなんかについて自助努力を常に行って改革をしていくということが必要だというふうに思います。そこで、補助金審査部会では、系・分野・分科・細目等の大幅な見直しについて、現在、審議をしております。
資料4をごらんください。
最初のマルにございますように、分科細目表等の設定は、学術振興会が改正案を作成して、その改正案に基づいて審査部会が審議・決定を行っているというのが現在の状況でございます。
昨年の10月8日に、審査部会におきまして、この分科細目表の見直し並びに『時限付き分科細目』及び『特設分野』の設定に当たっての基本的考え方(以下、「基本的考え方」)と申しますが、別紙にございます、それを決定いたしました。
この基本的考え方には、分科細目表の大幅な見直しについて、基本的事項が以下のように記載されております。その主なポイントが以下にございます。このことについて、日本学術振興会には、6月13日までにその検討結果の報告を依頼いたしました。
ポイントと申しますのは、1番といたしまして、大幅な見直しというのは、これまで10年ごと行っていたんですが、そうではなくて、これを5年ごとに行っていただく。また、細目数の大幅な減少を検討していただきたい。現在、細目数が321ございますが、それを約半分にしていただきたいということを検討していただく。
2番目として、分科細目表は、我が国の学問分野を分類し設定するものではないということ明確にしていただきたい。この分科細目表というのは、飽くまで審査の精度を確保するために、その審査をしていただきたいという領域を設定したものなのですが、現在そうではないのではないかと、これが一人歩きして、これがあたかも日本の学問分野を分類しているかのように考えられているという側面があります。さらには、細目に選ばれれば、その学問分野は維持されるものであって、研究費が確保されるという誤解も生じさせている。そういうことから、ますます細目数を増やすというような結果になってしまっていて、本来の意味である審査をしてほしいという分類の設定だということが正しく認識されていないという傾向にあるかと思います。そのために、新たな分野の誕生、異分野融合の誕生が阻害されているのではないかという御批判も受けているわけです。そういうことから、2番目にありますように、まずはもともと分科細目表の基本的な考え方、審査依頼分野を飽くまで設定したものだということを明確にするために、名称の変更の検討していただきたい。
3番目ですが、今御説明しましたように、細目数は年々増えていって、これは実は本来の意味である審査の精度向上の観点からは非常によい結果をもたらしているのですが、逆に細分化が進むために新たな研究分野や異分野融合の研究が応募しにくいのではないかというような考え方もございます。そこで、現行表との連続性・整合性等に配慮した調整を行いつつも、現行表を前提とすることなく、学術の動向を踏まえた理想的な在り方に関する検討を踏まえた抜本的な見直しを行いたいというふうに考えております。
今後のスケジュールですが、このような検討を学振に依頼いたしましたので、その結果を今年度6月、学振から審査部会に検討結果の報告をしていただきます。その後、学振と審査部会で意見を交換して、約半年後の平成27年1月に審査部会で平成30年度公募から適用する分科細目表見直しに当たった基本的考え方を決定したいと思います。
その2年間、学振と審査部会とで意見を交換し、改正案を作成し、審議を行って、平成29年1月頃、平成30年度公募から適用する分科細目表を決定したいというふうに考えております。
以上、報告を終わります。

【平野分科会長】  
ありがとうございました。
ただいまの御報告について、御質問ございましたら、どうぞ。
よろしいでしょうか。ありがとうございます。
先ほど、部会長が初めに言われた細目を決めると、もうそこの分野が設定されたのだと思う誤解があるというのは、まさにそのとおりで、たまたまこういうような、あるところから自分たちの分野がなくなるとしたら、科研費の申請も含めて分野をつぶすのかというのが昔言われておりました。そんなことは全然ありませんと説明するのですが、誤解がまだあるようですから、今言われたことは皆さんよくお伝えして誤解を解いておいてもらうと有り難いと思います。よろしく。
はい、どうぞ。

【安西委員】  
学振のことですので一言だけ付け加えさせていただきます。
いろいろ審査の過程での課題はあるのでありますけれども、こういう今説明のありました方向で検討しておりますので、よろしくお願い申し上げます。
1つ申し上げたいのは、これでもそこに書いてありますように、今までのペースですと、平成30年度公募からということになっていくのですね。もちろんしっかり議論をして積み重ねていくことは大事でありますけれども、世界の流れからいって、やはりスピード感も持って対応しなければいけないというふうにも思っておりますので、是非御協力賜りますようにお願い申し上げます。特に国際共同研究、あるいは融合領域の研究、あるいは若手PI等々の育成等々、やはり具体的に考えていかなければいけない方向というのは多々あるかというふうに思いますので、その点についてもいろいろ御議論いただければというふうに考えているところであります。よろしくお願い申し上げます。

【平野分科会長】  
ありがとうございます。
それでは、4番目に入らせていただきます。学術及び大学改革をめぐる動向についてであります。予算案の概要、あるいは公的研究費の管理・監査のガイドライン及び研究活動の不正行為への対応のガイドライン、国立大学改革プラン等々について、文部科学省の方から報告を頂き、質疑をしたいと思いますので、よろしくお願いします。

【中野学術企画室長】  
まず、平成26年度及び平成25年度補正の予算案について、資料5-1で御説明させていただきます。時間が少し押しておりますので、ごく簡単にさせていただきたいと思います。資料といたしまして、学術関係の予算をまとめたものを1ページ以下掲げております。その後により詳しい資料が載っておりますが、またお時間ありましたらごらんいただいて、御不明な点等ありましたら、事務局までお申し付けいただければと思います。
学術関係予算のまとめについてですけれども、簡単になぞりますが、大学等における研究力の強化として、研究大学強化促進費、前年度と同額でございます。
それから、多様な学術研究への支援といたしまして、科研費ですけれども、これは助成額ベースで2,305億円ということで、前年度比13億円のマイナスということでございます。
それから、2ページ、人文・社会科学等の振興は同額です。(3)の国際的に卓越した研究教育拠点の形成につきましては、WPIに96億円、それから、研究環境基盤部会等で御議論いただいております世界の学術フロンティアを促進する国立大学等における国際研究力の強化として331億円。それから、補正もついております。
特に大規模プロジェクトにつきましては、2ポツ目、新規として、日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画ということで、大型としては人文・社会系で初めての新規ということでございます。
それから3ページ以下、学術国際交流推進として3つ挙げてございます。
また、(5)として、優れた研究人材の養成・確保等として、新規事業として、科学技術人材育成のコンソーシアムの構築、10億円でございます。
それから4ページに、特別研究員、テニュアトラック、女性関係、それから海外特別研究員事業として計上しております。
5ページ、大学の教育研究を支える基盤の維持・強化でございますが、国立大学法人運営費交付金等として、そこに掲げておりますけれども、その中の運営費交付金につきましては、前年度比331億円増ということで、法人化以来初めての増額ということでございます。
それから6ページ、私立大学等経常費補助等、それから施設関係も上げてございます。
簡単でございますが、以上でございます。

【平野分科会長】  
ありがとうございます。
何か御質問がございますでしょうか。
よろしいですか。ありがとうございます。
では、続きまして、文部科学省における研究活動の不正行為、研究費の不正使用に関するガイドラインの見直し等に向けた検討について、よろしくお願いします。

【和田人材政策推進室長】  
御説明いたします。
研究活動における不正行為、また、研究費の不正使用につきましては、それぞれ平成18年、19年にガイドラインを定めて対応してまいりました。
しかしながら、報道等で御承知のとおり、昨今、研究不正が社会的に大きく取り上げられる事態が続いていることを背景に、文部科学省におきましては、昨年の夏に省内にタスクフォースを設置し、9月に中間取りまとめを公表いたしました。
この取りまとめを踏まえまして、昨年10月以降、不正行為、不正使用、それぞれのガイドラインについて、直近の状況を踏まえつつ、見直しをどういう方向で行うべきかということを有識者会議において御議論いただくとともに、具体的な運用改善、見直しについての検討を進めているところでございます。
そもそも研究不正の防止に関する対応というのは、個々の研究者の自己責任に委ねられている面が強かったという点がございますので、今後は国による支援なども行って、大学等それぞれの機関が責任を持って研究不正に対応する、特に不正を事前に防止するための取組を推進するという観点からガイドラインの見直しを行う予定でございます。
見直し後のガイドラインにおきましては、各大学等の機関に対して、規程や体制の整備や公表による責任の明確化や、公正な研究活動を推進する上での倫理教育、コンプライアンス教育の強化を求めていくとともに、国が、各大学等においてガイドラインに基づく体制整備が図られているかどうかを定期的に調査し、不備が認められた際、改善すべき事項を期限とともに管理条件として付し、その履行が認められない場合、あるいは文科省及び所管独法の競争的資金に係る不正の疑いのある事案が発覚したにもかかわらず、正当な理由がなく調査が遅れている場合には、当該大学等に対して間接経費の削減等の措置を講じることも検討しているところでございます。
今後、両方のガイドラインにつきまして、パブリックコメントや、有識者会議におけるさらなる審議を経まして、改正案を文部科学大臣決定とし、来年度4月1日から、運用開始とする予定でございます。
また、見直し後のガイドラインの実効性の向上に向けて、大学等の研究現場への周知徹底を図るとともに、定期的なガイドラインの履行状況調査の実施や、調査結果を踏まえた指導・助言等を行っていく予定です。各大学等におかれましても、このような文科省における取組を是非御認識いただきまして、今後の取組を進めていただきたいと思っております。
以上です。

【平野分科会長】  
ありがとうございます。
ただいまの御報告について、御質問等がございますでしょうか。
よろしいでしょうか。ありがとうございます。よろしくお願いします。
続きまして、国立大学改革プランについて、御説明をお願いします。

【豊岡国立大学法人支援課長】  
失礼いたします。国立大学改革プランについて、御説明をさせていただきます。資料は5-3を使って御説明させていただきたいと思います。
5-3で概要と出ております。その概要に沿って御説明いたしますが、国立大学改革プラン、これは教育再生実行会議の御提言、また、日本再興戦略などを踏まえまして、今後の国立大学の改革の方針や方策、実施行程をまとめたものでございます。昨年11月に取りまとめをいたしております。
このプランの概要につきましては、概要の1枚目でございますけれども、国立大学は平成16年に法人に移行してございまして、中期目標期間が6年ということで、6年サイクルでやっておりますけれども、22年度から27年までが第2期、28年から第3期ということになるわけですが、第3期の中期目標期間、すなわち28年からの6年間を展望しまして、各大学が持つ強みとか特色、これを最大限に生かして大学自ら改善、発展する仕組みを作っていくということで、持続的な競争力を持って高い付加価値を生み出す、そういう国立大学に変わっていくということを目指しております。
このために、その下に改革加速期間中の機能強化の視点とございますが、現在、第2期の中期目標期間、今年度から27年までの3年間でございますが、この3年間を改革の加速期間といたしまして、この期間中には、そこに左側にございますように、強み・特色の重点化、グローバル化、イノベーションの創出、人材養成機能の強化といった4つの視点から一層の機能強化を進めてまいりますとともに、その進捗状況を踏まえまして、第3期の運営費交付金、あるいは大学の評価の在り方をこの改革加速期間中に検討して見直してまいりたいと考えております。
このように第2期には機能強化に向けた組織再編、あるいは資源再配分を進めて、第3期におきましては、オレンジ色で囲っております部分でございますが、世界最高の教育研究の展開拠点、あるいは全国的な教育研究拠点、地域活性化の中核的拠点といった各大学の強み・特色を最大限に生かした機能強化を更に進めていくことによりまして、その下、赤字、ダイヤモンドで書いてございますが、そこに掲げた6つの当面の目標を達成してまいりたいというふうに考えております。
1ページめくっていただきますと、改革加速期間、この25、26、27の3年度の間に、どのような機能強化を進めていくかという取組をまとめさせていただいてございます。
出発点は、冒頭にございますミッションの再定義ということでございます。各大学には個性があるわけでございますけれども、社会の変化、あるいは国民のニーズに照らして、各大学の強みとか、特色とか、社会的役割、これを改めて明らかにしていく作業ということでございます。各大学の今後の取組の基礎になってまいります。
その下の枠で囲ってございます部分は、こういったミッションの再定義を踏まえて、社会の変化に対応できる教育研究組織づくり、具体的に申し上げますと、各大学の機能強化の方向性に沿った組織再編を各大学で進め、国としてその予算面での支援をしていきたいということでございます。その取組はしっかりと評価をしてまいりたいと思っております。
その下に青い字で5つ枠を作ってございますけれども、機能強化を進めていく上の方向性についてでございますが、第一のキーワードとして、左側にございますグローバル化ということがございます。海外大学のユニット招致ですとか、教育研究拠点の海外展開などによりまして、国際化を進める大学の重点支援を行ってまいりたいと思っております。
それから、日本人学生等の留学を支援する、官民が協力して新しい制度の創設ですとか、優秀な外国人留学生の戦略的受入れなど、派遣受入れともに倍増することを目指して、質と量の双方の充実を進めてまいりたいと思っております。
右側に中ほどの欄に移っていただきまして、イノベーションということでございます。国立大学から、大学発ベンチャー支援会社等への出資を可能とする仕組みが、昨年度の臨時国会で成立いたしております。こうした取組や理工系人材養成戦略を今後策定していくということを通じて、こういった支援をしていきたいと思っております。
それから、その右側に人事・給与システムの弾力化とございます。国立大学は、法人化した後も従来の公務員型の人事・給与システムが維持されているというのが実情ということでございますが、今後、退職金を前提とした運営費交付金の配分方法の見直しを通じて人事・給与システムの改革を進めてまいりたいと思っております。その際、適切な業績評価が行えるような体制を整備していきたいというふうに思っております。
このような取組を通じまして、約6万人の教員のうちで1万人規模の年俸制・混合給与の導入ですとか、また、シニア教員から若手外国人へのポスト問題等を進める意欲的な大学を資金面で支援するといったことを通じて、1,500人のポストを政策的に確保していくといったことを目指してございます。
それから、その下の段に行きまして、ガバナンスの機能でございますけれども、学長のリーダーシップがどのように発揮できるか、どのように改善できるかという観点から、中央教育審議会での御議論を踏まえて、今後の制度改正や支援を行っていきたいということでございます。
また最後に、右下に評価の体制でございますけれども、国立大学法人評価委員会の評価の体制も強化してまいりたいと思っております。
以上がプランの概要になりますけれども、今後、このプランに基づきまして、国立大学とともに、文科省といたしましても積極的な改革に取り組むとともに、必要な予算の確保を通じて支援をしてまいりたいと思っております。
以上でございます。

【平野分科会長】  
ありがとうございました。
ただいまの御説明に御質問がございましたら、是非。はい、どうぞ。

【西尾委員】  
質問ということではないのですけれども、先般、板東文部科学審議官が大阪大学に来られましたときに申し上げたことを、再度この場で申し上げます。今説明いただきました国立大学改革プランを今後国立大学が実現していく上では、相当背伸びをする必要もございます。つまり、ある程度のリスクを伴ったことを進めていかなければなりません。その際に、現在の評価システムでは中期目標・中期計画を策定しまして、そこに書いている数値目標、例えば、目標人数に対して一人でも達成できていないと評価が悪くなってしまうというような傾向があります。そのような評価の方法では、大学が国立大学改革プランに記載されていることにチャレンジする、あるいはそれに向かってリスクはあるけれども進んで取り組むことを中期目標・中期計画の中に記述しようとしたときに、評価のことを先に考えてしまって、それにチャレンジする姿勢というか、それに向けた意向をなかなか書けないように思います。国立大学プランの方向性とうまくマッチするような評価の体制を是非考えていただきたいと思います。次の中期目標・中期計画期間に向けてでも結構ですので。

【豊岡国立大学法人支援課長】  
はい。

【平野分科会長】  
よろしいでしょうか。

【豊岡国立大学法人支援課長】  
御指摘ありがとうございます。今後の評価の在り方に向けて、十分踏まえさせていただきたいと思いますが、一方で、御指摘の点、非常に重要だと思っておりまして、現在も各大学がこういった挑戦をしたいという目標のお持ちのときには、結果というよりも、それに向けてプロセスを踏んでおられるということにつきましては、国立大学法人評価委員会でも積極的な評価をするような姿勢でやらせていただいておりますので、今後ともそのような御意見を踏まえてやっていきたいと思います。

【平野分科会長】  
ありがとうございます。
そのほか。はい、どうぞ。

【武市委員】  
文部科学省の国立大学法人評価委員会からの要請によって大学評価・学位授与機構が平成28年度に第2期の教育研究に係る評価の準備を進めております。
今御説明ありましたように、今回特に強調されておりますのは、挑戦的で戦略的な試みをされた部分については、それを評価する仕組みを考えております。また、多分、昨年の12月だったと記憶しておりますが、東京と大阪で既にそういう方向であることを各大学に向けて説明会を催しておりました。現在は、それに向けて評価をする側(がわ)のマニュアルづくり等々、基準づくりに努めておりますので、西尾先生からの御指摘のような次の期からと言うわけではなく、今期からそういった視点を持って進めているということを申し上げておきます。

【平野分科会長】  
ありがとうございます。
よろしいでしょうか。

【鈴村委員】  
人文・社会科学の観点から、一言だけ追加させていただきます。ただいま御説明のありました「当面の目標」で書かれていることは、留学者数とか、日本の大学の国際的なランキングとか、新産業を20以上創るなど、教育が【結果】的に達成すべき目標を数値で表現することに徹した形で書かれています。人文・社会科学の守備範囲には、社会の在り方について事実解明的にも規範的にも研究する課題が含まれていますが、研究の作法もまた社会の在り方の一側面です。どの分野の研究であれ、【結果】の重要性もさりながら、その研究を推進する【プロセス】に不正があるとか、倫理の観点から許容できない【手続き】がとられているなど、研究の作法を踏み外して得られた【結果】はあえて退ける覚悟―《研究の作法》―が必要だと思います。このような研究の作法にかかわる研究・教育の成果は目標数値で表現することは難しいかもしれませんが、人文・社会科学には研究の作法をも含めて、社会の在り方の研究と教育にイノベーティブな貢献をする任務があります。このような任務を引き受ける学術分野を「当面の目標」に取り込めないような発想に対しては、将来の学術の発展に対する障害となりかねないという危惧を覚えます。今後このような文章を作られる場合には、私の危惧を意識の片隅にでも留(とど)めていただきたいと思います。以上です。

【平野分科会長】  
ありがとうございます。
まだ意見があろうかと思いますが…。どうぞ。すみません、ちょっと短めにお願いします。

【高橋委員】  
グローバル化の英語の先生を増やすとか、英語の教育を入れるとか、ここに赤字で「国際化を断行する大学を重点支援」とあります。でも、現場が今どうなっているかということを端的に申し上げますと、この文言を見るだけでは、本当に全てすばらしい。私、前も1回言いましたが、これを全部やったら、あっという間に100ランキングにバシッと入るのですが、現場はどうなっているかというと、ただでさえ減らされているポストと英語の教員に持っていかれるというようなことが、もう頻発しているわけです。そういうことを考慮に入れてこういうものがなされているのか、もういいのだ、今の教員はいいのだ、切ってしまえというようなことの断行なのか。それだと、さっきの議論で、現場は不満だらけ、士気もなくなる、教育・研究をやる気力もなくなる。上から押し付けられて、とにかくポストを各部局から出せ、出せと。これではこれは動かないと思うのです。だけど、ガバナンス重視ということで、大学の総長さんたちは、恐らくこの数、英語の先生だとか、まさしく今おっしゃったようなことの数を何とかしなければいけない。これは恐らくかなりの摩擦を生み出す。もう既に摩擦が起こっているところもあります。そういうところをよくよく考えていただき、こういうことを断行されるのであれば、その裏には、手厚いケアがあってなんぼのもんやということがないと。これを現場に見せたら、恐らくかなりシビアなことになると。すみません、辛口で。端的に申し上げたつもりです。ありがとうございます。

【平野分科会長】  
ありがとうございます。今、文部科学省ではすぐには回答というわけにはいかないと思いますが、留意しながら進めていただけるのではないかと期待しております。
よろしいでしょうか。まだたくさんこの件についても意見があるかと思いますけれども、吉田局長さん、それではよろしく。

【吉田高等教育局長】  
遅れてまいりまして恐縮でございます。前はこの分科会を担当しておりました吉田でございます。今度は高等教育局という立場でまたお世話になります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
今、グローバル化ということにつきましては、高橋先生がおっしゃるように、様々な学内での緊張といいましょうか、そういったものは多分あるだろうと思います。重点的にそういうものに取り組んでいただける大学については、私どもとしても、それをまたきちんとサポートしていかなくてはいけないだろう、こういうふうに思っておりまして、26年度の予算案の中にも、スーパーグローバル大学促進事業というふうな形で特別の予算も持っておりますし、また、学生面における外国からの留学生の受入れ、あるいは日本人学生の海外留学の促進、そういった面についても、これまでの支援を拡大したり、あるいは、新規の事業を立ち上げたりというようなこともやっておりますし、全体として意欲的にグローバル化に取り組んでいく大学については、私どもも現場との密接な意見交換、情報交換を通じながら、円滑に進むように十分配慮して進めていきたいというふうに思っております。

【平野分科会長】  
よろしくお願いします。
ここで打ち切るというのはちょっと忍びないのですが、また機会を是非設けたいし、先ほど作っていただいた特別委員会においても、この課題は入っていますので、是非そこでも鋭意御議論していただきたいと思います。どうもありがとうございました。
時間が来てしまいましたので、今日の会議はこれで終わりまして、今後のスケジュール等について、事務局から説明をお願いします。

【中野学術企画室長】  
まず、先ほど、分科会長からございましたように、本日の資料2-1で御提案いただきました私案について、特に論点についての御意見ですけれども、またメール等で御連絡させていただきますが、今週中に御提出いただければ幸いでございます。
それから、次回の学術分科会でございますが、5月7日水曜日、2時から4時を予定しております。場所は未定でございます。改めて出欠の確認表等、御連絡させていただきたいと思います。
以上でございます。

【平野分科会長】  
どうもありがとうございます。
今日は時間が余りとれず、皆さん方全員から御意見も賜れなかったことを大変申し訳なく思っております。必要なことについては、是非事務局にメールをくだされば、私にも報告を頂いていますので、よろしくお願い申し上げます。
本日はどうもありがとうございました。これで終わります。

お問合せ先

研究振興局振興企画課学術企画室

(研究振興局振興企画課学術企画室)

-- 登録:平成26年02月 --